JPH0762679B2 - 過酸化物分解性物質測定用指示薬および試薬キット - Google Patents

過酸化物分解性物質測定用指示薬および試薬キット

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JPH0762679B2
JPH0762679B2 JP13937193A JP13937193A JPH0762679B2 JP H0762679 B2 JPH0762679 B2 JP H0762679B2 JP 13937193 A JP13937193 A JP 13937193A JP 13937193 A JP13937193 A JP 13937193A JP H0762679 B2 JPH0762679 B2 JP H0762679B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素免疫測定法等の分
野に利用され、ペルオキシダーゼなどの過酸化物分解性
物質を測定する目的で使用される、ベンジジン系発色剤
含有指示薬及びこの指示薬を含む試薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】酵素免疫測定法、生化学測定法等の分野
においては、水性媒体中に過酸化水素などの過酸化物お
よびベンジジン系発色剤を溶解させた指示薬が知られて
いる。この指示薬は、過酸化物分解性物質やこの物質で
標識された化合物等を測定対象として使用するものであ
り、この過酸化物分解性物質の測定を、この物質と過酸
化物との反応に伴うベンジジン系発色剤の発色により行
うものである。
【0003】この指示薬に用いられるベンジジン系発色
剤は、以前より用いられているオルトフェニレンジアミ
ン等の発色剤と異なり、低毒性のものが多く、高感度で
あるという利点があるが、水にはわずかしか溶解しな
い。そのため、メタノール、1−メチル−2−ピロリド
ン等の有機溶剤を含む水溶液に、ベンジジン系発色剤を
高濃度溶解させ、使用前に緩衝液等で適当な濃度に希釈
して使用されていた(例えば、特開昭63−19927
0、特開昭62−500882、特開昭59−1668
65、特開昭49−133092号公報)。
【0004】しかしこれらの指示薬は、希釈する前の有
機溶剤が高濃度の時は比較的安定であるのに対し、使用
濃度に希釈した場合には、保存安定性は十分でなく、経
日で発色剤が析出する、感度が低下する、更には、ペル
オキシダーゼ等の過酸化物分解性物質の酸化反応を阻害
するため、ペルオキシダーゼの量に正しく比例した吸光
度が得られず、正確な値を測定することが困難である
等、問題となる点も多かった。
【0005】一方、有機溶剤を含まない系での使用につ
いては、キレート剤或はβ−シクロデキストリン(β−
CD)による保存安定性の改良が試みられてきた(例え
ば、特開昭58−899、特開昭59−193354、
特開昭62−502100、特開昭63−61953号
公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の系でも、依然、経日での発色剤の析出が認められ、そ
の結果、感度の低下が見られ、かつ過酸化物分解性物
質、特にペルオキシダーゼに正比例した正確な値の測定
も未だ困難であった。これらのことは、正確性を重要な
要素として考える酵素免疫測定等の分析手段において、
その有用性を著しく制限するものである。本発明はベン
ジジン系発色剤を測定用指示薬として使用する際、調製
時の感度が高く、経日的に感度の低下が認められず、更
には過酸化物分解性物質の量に比例した正確な吸光度を
示す指示薬の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を改善するため鋭意検討した結果、ベンジジン系発色剤
の安定剤として、特定の化合物を用いることにより、調
製時の感度が高く、かつ長期間感度の低下がなく、ま
た、過酸化物分解性物質の量に比例した正確な値を測定
できることを見いだし、本発明に到達した。すなわち本
発明は、下記<1>及び<2>により構成される。 <1>水性媒体中に過酸化物(A)及びベンジジン系発
色剤(B)を溶解させてなり、過酸化物分解性物質
(C)の測定を(A)と(C)との反応伴う(B)の発
色により行うことができる指示薬において、更に、γ−
シクロデキストリン(γ−CD)と下記(D1)及び
(D2)からなる群より選ばれる化合物を含有すること
を特徴とする過酸化物分解性物質測定用指示薬および試
薬キットである。 (D1):アミンポリアセテート及び/又はその塩 (D2):フラボノイド配糖体 <2>過酸化物分解性物質(C)もしくは(C)で標識
された化合物を構成品として含む試薬キットにおいて、
少なくとも上記<1>記載の指示薬もしくはこの指示薬
の各成分を共に構成品とすることを特徴とする試薬キッ
ト。
【0008】本発明において使用する過酸化物(A)と
しては、例えば、過酸化水素、無機過酸化物(過ホウ酸
ナトリウム、過ホウ酸カリウム等)、有機過酸化物(ク
メンペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、ジイソプ
ロピルベンゼンペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサ
ン−2,5−ペルオキシド等)が挙げられる。これらの
うち好ましいものは過酸化水素である。
【0009】本発明において使用するベンジジン系発色
剤(B)としては、例えば、ベンジジン、核置換ベンジ
ジン、N,N’−置換ベンジジン、これらの塩酸塩など
の従来公知の各種ベンジジン系発色剤が挙げられる。
(B)の具体例としては、ベンジジン、ベンジジン・2
HCl、O−トリジン、O−トリジン・2HCl、O−
ジアニシジン、3,3’,5,5’−テトラ(低級アル
キル)ベンジジン、3,3’,5,5’−テトラ(低級
アルキル)ベンジジン・2HCl・2H2O、2,7−
ジアミノフルオレンなどが挙げられる。ここで用いる用
語「低級アルキル」は炭素数1〜6のアルキル基(メチ
ル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル、並びに種
々のブチル、ペンチル及びヘキシル異性体)を意味す
る。以上(B)として例示したものは2種以上併用して
もよい。これらのうち好ましいのは3,3’,5,5’
−テトラ(低級アルキル)ベンジジンで、特に好ましい
のは、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンで
ある。これらのベンジジン系発色剤(B)の調製は、塩
の形のものはそのまま水性媒体中に添加することがで
き、塩の形でないものは少量の有機溶剤に溶解して水性
媒体中に添加し、性能に影響を与えない程度に溶剤を除
去してもよい。
【0010】本発明において使用する過酸化物分解性物
質(C)としては、ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ、牛
乳、白血球等から抽出したペルオキシダーゼ)またはカ
タラーゼのような活性酵素、この酵素と同様の作用を現
すヘモグロビン、チトクロームC及びそれらの誘導体、
紫外線、有機及び無機金属塩等が挙げられる。これらの
うち好ましいのは、ペルオキシダーゼ、特に西洋ワサビ
から抽出したペルオキシダーゼである。
【0011】本発明において使用するアミンポリアセテ
ート(D1)としては、例えば、N−(2−ヒドロキシ
ルエチル)エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン
四酢酸、シクロヘキシレンジアミン四酢酸、ニトリロ三
酢酸、イミノ二酢酸、α−エチレンジアミン二酢酸二プ
ロピオン酸、β−エチレンジアミン二酢酸二プロピオン
酸、ヒドロキシルエチルアミノ二酢酸及びこれらの混合
物が挙げられる。またこれらの塩としてはナトリウム、
カリウムが挙げられる。これらのうち好ましいものはエ
チレンジアミン四酢酸及びその塩である。
【0012】フラボノイド配糖体(D2)としては、例
えば、フラボン、フラボノール、カテキン、ルチンが挙
げられる。これらのうち好ましいものはルチンである。
【0013】本発明において、更に保存安定性を増すた
めにカチオン界面活性剤(E)を含有させることができ
る。カチオン界面活性剤(E)としては、アミン塩型、
第4級アンモニウム塩型等があり、好ましいのは第4級
アンモニウム塩型である。第4級アンモニウム塩型とし
ては塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化
ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ミリス
チルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルジメ
チルベンジルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアン
モニウムなどが挙げられる。これらのうち特に好ましい
のは、塩化ベンザルコニウムである。
【0014】本発明の指示薬を構成する各成分の含有量
について説明する。本発明の指示薬中の(A)、
(B)、γ−CD、(D1)、(D2)及び(E)の各
濃度は、測定方法および発色反応を進めるための条件に
よって最適濃度が設定されなくてはならない。また、こ
れら(A)、(B)、γ−CD、(D1)、(D2)及
び(E)の相互の濃度のバランスも考慮するとよい。こ
れらの前提はあるが、本発明の指示薬中の各成分の含有
量のうち、(A)の含有量は通常0.01〜5mg/m
l、好ましくは0.05〜2mg/mlである。(B)
については、通常0.01〜5mg/ml、好ましくは
0.03〜1.0mg/mlである。γ−CDについて
は通常0.1〜50mg/ml、好ましくは0.5〜3
0mg/mlである。また、(D1)、(D2)につい
ては何れも通常0.001〜0.5mg/ml、好まし
くは0.01〜0.1mg/mlである。更に、(E)
についても特に限定しないが通常使用する濃度でよい。
具体的には0.01〜50mg/ml、好ましくは0.
5〜10mg/mlである。
【0015】本発明の指示薬を用いた過酸化物分解性物
質(C)の測定は、酸性サイド(pH2.5〜6.5)
でおこなわれることが好ましく、特にpH3.0〜5.
5で測定すると安定で良好な感度が得られる。発色反応
の場として用いられる緩衝液は前記のpHを満足させる
ものであればどのような種類の緩衝液を用いることも可
能であるが、フタル酸水素カリウム/水酸化ナトリウム
緩衝液、クエン酸二ナトリウム/塩酸緩衝液、クエン酸
二水素カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、コハク酸/
四ホウ酸ナトリウム緩衝液、クエン酸水素カリウム/四
ホウ酸ナトリウム緩衝液、リン酸水素二ナトリウム/ク
エン酸緩衝液、酢酸ナトリウム/塩酸緩衝液、酢酸/酢
酸ナトリウム緩衝液などが挙げられる。この際、好まし
い緩衝液濃度は0.1〜100mM、特に1〜50mM
である。
【0016】本発明の指示薬の調製方法としては、緩衝
液に(B)を直接添加してもよく、予め他の溶剤等に
(B)を高濃度に溶解させたものを添加し、溶解後必要
に応じて溶剤を除去してもよい。これらに上記過酸化物
(A)及び過酸化物分解性物質を添加し、本発明の指示
薬を得るが、特にこれらに限定されるものではない。ま
た、本発明の指示薬は必要に応じて、種々の添加剤(例
えば、キレート剤、腐敗を防ぐ殺菌剤及び防腐剤、他の
界面活性剤、着色剤、消泡剤等)を更に添加することも
可能である。
【0017】発色反応を行う際の温度は(C)の反応に
最も適した温度(ペルオキシダーゼなどの酵素の場合、
通常20〜50℃)で実施することが好ましい。
【0018】測定の対象となる過酸化物分解性物質
(C)は遊離の状態でも、(C)により免疫活性物質等
の結合性物質(例えば抗原、抗体、ハプテン、プロテイ
ンA、アビジン、ビオチン、核酸)が標識された状態で
もよく、この標識物質が更に他の物質と結合後の複合体
の状態であってもよい。
【0019】本発明の試薬キットは、過酸化物分解性物
質(C)もしくは(C)で標識された化合物とともに、
少なくとも本発明の指示薬もしくは本発明の指示薬の各
成分を構成品とするものである。ここで言う化合物とし
ては、上記に例示したような免疫活性物質等の結合性物
質を用いることができる。
【0020】本発明の指示薬は、感度が高く、長期保存
でき、またペルオキシダーゼ等の過酸化物分解性物質の
濃度に比例して正確に測定できることから、このように
本発明の試薬キットの構成品とすることができ、そうす
れば従来のように指示薬の各成分を使用の都度配合しな
くてもよい利点がある。また、本発明の指示薬の各成分
の状態で本発明のキットの構成品とすることもでき、使
用時の配合は必要であるが、それでも感度及び正確性が
向上するなどの利点がある。
【0021】以下、酵素免疫測定に利用される例とし
て、「酵素標識抗体」及び「本発明の指示薬」を構成品
として含むキットの例を挙げる。試験管、ガラスビー
ズ、プラスチックビーズ、マイクロパーティクル、ナイ
ロン膜、濾紙等の固相担体に抗体を予め結合させてお
く。これに試料を加え、測定対象物質である抗原と最初
の反応を行い、“抗体結合担体−抗原”の複合体を形成
する。未反応物を除去し、次に、先の複合体に親和性の
ある「酵素標識抗体」を加え、二番目の反応を行い、
“抗体結合担体−抗原−酵素標識抗体”なる複合体を形
成する。再度未反応物を除去し、最終的に担体に結合し
た酵素と本発明の指示薬と反応させ吸光度を測定する。
この吸光度は、試料中の測定対象物質の量に比例するの
で、既知濃度の標準物質を測定して作成した検量線から
試料中の測定対象物質量を求めることができる。
【0022】本発明の試薬キットは、例えば酵素免疫反
応を利用し、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児
性蛋白(CEA)、フェリチンなどの腫瘍マーカー、甲
状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(L
H)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インシュリンなど
のホルモン、コルチゾール、トリヨードサイロニン(T
3)、サイロキシン(T4)などのハプテンホルモン、
ジゴキシン、テオフィリンなどの薬物、細菌、ウイルス
等の感染性物質、肝炎抗体、IgEなどの抗体の測定に
利用することができるが、必ずしもこれらの項目に限定
されるものではない。
【0023】また、酵素免疫測定以外の検査試薬とし
て、「本発明の指示薬」を構成品として含むヘモグロビ
ン定量試薬キットの例を挙げる。「本発明の指示薬」、
過酸化ストロンチウムを混合する。その後、ヘモグロビ
ンを含む試料を添加して一定時間反応する。吸光度をブ
ランクを対照として測定する。既知濃度のヘモグロビン
を測定して作成した検量線から、試料中のヘモグロビン
濃度を求める。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)1
0mlに、過酸化水素が0.3mg/mlになる様に添
加した。この溶液に、γ−CDを最終濃度が4.0mg
/mlになるように添加した。更に、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム及びルチンをそれぞれ最終濃度が
0.05mg/ml及び0.03mg/mlになるよう
に添加した。これらに3,3’,5,5’−テトラメチ
ルベンジジン酢酸塩(以下TMB塩と略す)を5.0m
g添加し、よく攪拌することにより、それぞれ本発明の
指示薬[1]及び[2]を得た。
【0026】20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)1
0mlに、過酸化水素が0.3mg/mlになる様に添
加した。この溶液に、β−CDを5.0mg/mlにな
るように添加し、更に、TMB塩を5.0mg添加し、
よく攪拌することにより、指示薬[比1]を得た。
【0027】1%牛血清アルブミン、0.85%NaC
l、pH7.2、0.02Mリン酸緩衝液(以下、PB
Sと略す)1mlに、ペルオキシダーゼ(以下PODと
略す)0.5mgを溶解し、更に、PBSで500倍希
釈して、POD溶液〈1〉(1μg/ml)を得た。ま
た、POD溶液〈1〉を、PBSを用いて2、4、8倍
に希釈し、POD濃度が0.5、0.25、0.125
μg/mlのものを調製し、それぞれPOD溶液
〈2〉、〈3〉及び〈4〉とした。
【0028】指示薬[1]、[2]及び[比1]各30
0μlに、POD溶液〈1〉を50μl添加し、37
℃、15分反応させた。その後、分光光度計を用いて、
650nmにおける吸光度を、POD溶液の代わりに水
を添加して反応させた液を対照に測定した。更に、4
℃、25℃に1、3、6ヶ月保存した同様の指示薬につ
いても、それぞれPOD溶液〈1〉を反応させ、同様に
吸光度を測定した。下記結果を表1に示す。表1の結果
から明らかなように、本発明の指示薬[1]及び[2]
は、指示薬[比1]に比べて、調製時及び経日での感度
の低下は著しく少ない。
【0029】
【表1】
【0030】指示薬[1]、[2]及び[比1]各30
0μlに、POD溶液〈1〉、〈2〉、〈3〉及び
〈4〉の各50μlを添加し、37℃、15分反応さ
せ、各POD溶液の吸光度を測定した。その結果を下記
表2及び図1に示す。図1は、横軸にPOD濃度、縦軸
に650nmの吸光度をとり、POD濃度と吸光度の関
係を示したグラフである。指示薬[比1]に比べ指示薬
[1]及び[2]は全領域のPOD濃度においても直線
性があり、正確な測定が可能であることを示している。
【0031】
【表2】
【0032】20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)1
0mlに、過酸化水素が0.3mg/mlになる様に添
加した。この溶液に、塩化ベンザルコニウム及びγ−C
Dをそれぞれ最終濃度が5.0mg/ml及び4.0m
g/mlになるように添加した。更に、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム及びルチンをそれぞれ最終濃度が
0.05mg/ml及び0.03mg/mlになるよう
に添加した。これらにTMB塩を5.0mg添加し、よ
く攪拌することにより、本発明の指示薬[3]及び
[4]を得た。
【0033】20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)1
0mlに、過酸化水素が0.3mg/mlになる様に添
加した。この溶液に、塩化ベンザルコニウム及びβ−C
Dを何れも最終濃度が5.0mg/mlになるように添
加し、更に、TMB塩を5.0mg添加し、よく攪拌す
ることにより、指示薬[比2]を得た。
【0034】指示薬[1]、[2]及び[比1]の代わ
りに指示薬[3]、[4]及び[比2]を用いて吸光度
を測定した。結果を下記表3に示す。表3の結果から明
らかなように、本発明の指示薬[3]及び[4]は[比
2]に比べて、調製時及び経日での感度の低下は著しく
少ない。
【0035】
【表3】
【0036】指示薬[1]、[2]及び[比1]の代わ
りに指示薬[3]、[4]及び[比2]を用いて吸光度
を測定した。その結果を表4及び図2に示す。図2は、
横軸にPOD濃度、縦軸に650nmの吸光度をとり、
POD濃度と感度の関係を示したグラフである。指示薬
[比2]に比べ指示薬[3]及び[4]は全領域におい
ても直線性があり正確な測定が可能であることを示して
いる。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】
(1)感度の向上 本発明の指示薬は、使用するペルオキシダーゼ濃度領域
において、調製時の感度が高い。そのため、ペルオキシ
ダーゼの含有量が極めて少ない領域での測定でも有意差
が明確に判別される。このことは高感度が要求される検
査試薬には大変適している。 (2)保存安定性の向上 本発明の指示薬は、保存安定性が良好なので、試薬キッ
トの構成品とすることができる。従来の指示薬は、感度
が経日的に低下するため、使用直前に調製しなければな
らない等の問題があったのを解決するものである。ま
た、経日における発色剤の析出についても、結晶の析出
は起こらず、長期間に亙って安定な試薬の供給が可能で
ある。 (3)正確性の向上 本発明の指示薬は、ペルオキシダーゼ等の過酸化物分解
性物質の高濃度域或は低濃度域においても、過酸化物分
解性物質の量に正しく比例することから、極めて正確に
測定できるという利点がある。即ち、従来の指示薬で見
られた様な、発色反応を阻害することによる低値領域で
の感度低下が起こらず、その結果測定誤差が生じない。
このことは厳しい性能が要求される検査試薬にとって大
変好ましいものである。 (4)キャリーオーバーの防止 本発明の指示薬は、特にカチオン系界面活性剤の添加
で、キャリーオーバー(フローセル等の測定機器で感度
の高い試料を測定をした場合、次の試料の測定値が実際
より高くなる)が防止できる。このことは大量の試料を
自動測定する場合等に大変有利である。 (5)防腐効果 カチオン系界面活性剤を含む本発明の指示薬は、その殺
菌作用により防腐される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の指示薬[1]及び[2]、
比較の指示薬[比1]のPOD濃度と吸光度の関係を示
したものである。
【図2】 図2は、本発明の指示薬[3]及び[4]、
比較の指示薬[比2]のPOD濃度と吸光度の関係を示
したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−194363(JP,A) 特開 平3−165696(JP,A) 特開 平1−118768(JP,A) 特表 昭62−502100(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中に過酸化物(A)及びベンジ
    ジン系発色剤(B)を溶解させてなり、過酸化物分解性
    物質(C)の測定を(A)と(C)との反応に伴う
    (B)の発色により行うことができる指示薬において、
    更に、γ−シクロデキストリン(γ−CD)と下記(D
    1)及び(D2)からなる群より選ばれる化合物を含有
    することを特徴とする過酸化物分解性物質測定用指示
    薬。 (D1):アミンポリアセテート及び/又はその塩 (D2):フラボノイド配糖体
  2. 【請求項2】 (B)が3,3’,5,5’−テトラメ
    チルベンジジンである請求項1記載の指示薬。
  3. 【請求項3】 (B)の含有量が0.01〜5mg/m
    lである請求項1または2記載の指示薬。
  4. 【請求項4】 (C)がペルオキシダーゼである請求項
    1〜3のいずれか記載の指示薬。
  5. 【請求項5】 γ−CDの含有量が0.1〜50mg/
    mlである請求項1〜4のいずれか記載の指示薬。
  6. 【請求項6】 (D1)がエチレンジアミン4酢酸及び
    /又はそのナトリウム塩である請求項1〜5のいずれか
    記載の指示薬。
  7. 【請求項7】 (D2)がルチンである請求項1〜6の
    いずれか記載の指示薬。
  8. 【請求項8】 更にカチオン系界面活性剤(E)を含有
    する請求項1〜7のいずれか記載の指示薬。
  9. 【請求項9】 過酸化物分解性物質(C)もしくは
    (C)で標識された化合物を構成品として含む試薬キッ
    トにおいて、少なくとも請求項1〜8のいずれか記載の
    指示薬もしくはこの指示薬の各成分を共に構成品とする
    ことを特徴とする試薬キット。
JP13937193A 1993-05-17 1993-05-17 過酸化物分解性物質測定用指示薬および試薬キット Expired - Fee Related JPH0762679B2 (ja)

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