JPH0762523B2 - 薄膜状火炎燃焼方法 - Google Patents
薄膜状火炎燃焼方法Info
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- JPH0762523B2 JPH0762523B2 JP63277111A JP27711188A JPH0762523B2 JP H0762523 B2 JPH0762523 B2 JP H0762523B2 JP 63277111 A JP63277111 A JP 63277111A JP 27711188 A JP27711188 A JP 27711188A JP H0762523 B2 JPH0762523 B2 JP H0762523B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、予混合させた燃焼混合気の噴流（噴出流）を
薄膜状に成層燃焼させる燃焼方法および調理器に関す
る。
薄膜状に成層燃焼させる燃焼方法および調理器に関す
る。
従来より、第８図に示す如く、同軸上に対向させたノズ
ル101、102から燃料ガスと燃焼所要空気の全量とを予混
合した混合気を噴出させ、噴流の層流域で衝突させる燃
焼装置が、燃焼の研究に使用されている。この混合気の
対向噴流によってノズル101と102との中間には、澱面10
3を対象面として双子で、偏平な薄膜状の予混合火炎10
4、105が形成される。この火炎104、105は、澱面103に
沿う広い範囲で火炎の構造および温度が一定であり、澱
面103に垂直方向の温度勾配がゼロとみなせる断熱火炎
である。
ル101、102から燃料ガスと燃焼所要空気の全量とを予混
合した混合気を噴出させ、噴流の層流域で衝突させる燃
焼装置が、燃焼の研究に使用されている。この混合気の
対向噴流によってノズル101と102との中間には、澱面10
3を対象面として双子で、偏平な薄膜状の予混合火炎10
4、105が形成される。この火炎104、105は、澱面103に
沿う広い範囲で火炎の構造および温度が一定であり、澱
面103に垂直方向の温度勾配がゼロとみなせる断熱火炎
である。
しかるに、上記対向噴流による双子の全予混合火炎10
4、105は、対向噴流のバランスが正確に保たれないと安
定せず、産業用燃焼機器に使用できないもであった。こ
のため、従来は予混合によるこの薄膜状火炎燃焼を燃焼
機器および調理器に利用する思想は存在しなかった。
4、105は、対向噴流のバランスが正確に保たれないと安
定せず、産業用燃焼機器に使用できないもであった。こ
のため、従来は予混合によるこの薄膜状火炎燃焼を燃焼
機器および調理器に利用する思想は存在しなかった。
この発明の目的は、炎の安定性に優れた薄膜状火炎燃焼
方法および該燃焼方法を用いた調理器の提供にある。
方法および該燃焼方法を用いた調理器の提供にある。
この発明の薄膜状火炎燃焼方法は、燃料ガスと燃焼所要
空気との予混合気を噴出口から噴出させ、該噴出流を前
記噴出口から所定距離だけ隔てて配設した遮蔽面で遮蔽
し、前記噴出流の層流域にて前記予混合気を前記遮蔽面
にほぼ平行した薄膜状火炎として燃焼させることを構成
とする。
空気との予混合気を噴出口から噴出させ、該噴出流を前
記噴出口から所定距離だけ隔てて配設した遮蔽面で遮蔽
し、前記噴出流の層流域にて前記予混合気を前記遮蔽面
にほぼ平行した薄膜状火炎として燃焼させることを構成
とする。
請求項２に記載の薄膜状火炎燃焼方法は、前記噴出流を
環状空気噴出流で囲むことを特徴とする。
環状空気噴出流で囲むことを特徴とする。
請求項３に記載の薄膜状火炎燃焼方法は、前記予混合気
を、下流に行くに従い内径が縮小するノズルの前記噴出
口から噴出させることを特徴とする。
を、下流に行くに従い内径が縮小するノズルの前記噴出
口から噴出させることを特徴とする。
この発明の薄膜状火炎燃焼方法および該燃焼方法を用い
た調理器は、燃料ガスと理論空燃比以上の燃焼所要空気
と予混合気を噴口から噴出させるとともに、この噴流を
遮蔽面で塞ぎ止めている。これにより噴出流から遮蔽面
までの間に、流速ＶがＶ＝V0（噴出速度）から遮蔽面の
Ｖ＝０まで漸減し、遮蔽面に沿って転向する予混合気の
拡散噴流が得られる。この拡散噴流に点火すると流速と
火炎伝播速度とが釣り合う面に、遮蔽面に沿って一枚の
薄膜状燃焼火炎が形成できる。この薄膜状燃焼火炎は対
向噴流の衝突によるバランスによって形成されているも
のではなく、不動である遮蔽面による噴流の遮蔽によっ
て形成されている。このため安定性に優れ、噴出速度の
変動や空気過剰の変動に対しても大きい安定燃焼範囲を
備える。
た調理器は、燃料ガスと理論空燃比以上の燃焼所要空気
と予混合気を噴口から噴出させるとともに、この噴流を
遮蔽面で塞ぎ止めている。これにより噴出流から遮蔽面
までの間に、流速ＶがＶ＝V0（噴出速度）から遮蔽面の
Ｖ＝０まで漸減し、遮蔽面に沿って転向する予混合気の
拡散噴流が得られる。この拡散噴流に点火すると流速と
火炎伝播速度とが釣り合う面に、遮蔽面に沿って一枚の
薄膜状燃焼火炎が形成できる。この薄膜状燃焼火炎は対
向噴流の衝突によるバランスによって形成されているも
のではなく、不動である遮蔽面による噴流の遮蔽によっ
て形成されている。このため安定性に優れ、噴出速度の
変動や空気過剰の変動に対しても大きい安定燃焼範囲を
備える。
このため、つぎの効果を奏する。
ａ）遮蔽面を被加熱体とすることにより、容易に調理で
き、該遮蔽面を備えた被加熱体を輻射熱源とすることに
より暖房、加熱などの用途に利用できる。
き、該遮蔽面を備えた被加熱体を輻射熱源とすることに
より暖房、加熱などの用途に利用できる。
ｂ）燃焼火炎を大面積で薄く且つ偏平に形成できるた
め、被加熱体を均一に加熱できる。
め、被加熱体を均一に加熱できる。
ｃ）空気過剰率が大きい混合領域でも安定燃焼させるこ
とができるため、燃焼温度が低く、熱による窒素酸化物
（NOx）の発生が少ない。
とができるため、燃焼温度が低く、熱による窒素酸化物
（NOx）の発生が少ない。
ｄ）偏平で薄い全予混合火炎を大面積で被加熱物に近接
して形成できるため、熱効率が高い。
して形成できるため、熱効率が高い。
つぎに本発明を図に示す実施例に基づき説明する。
第１図の第１実施例において、１は垂直に設置された全
予混合（全一次空気）式バーナ、２はバーナ１へ燃料ガ
スと燃焼所要空気（以下、燃焼空気という。）との混合
気を供給する混合気供給装置である。３はバーナ１の上
方にバーナの軸心と直交的に配置された円形の金属製遮
蔽板である。また、その下面が遮蔽面3Aとなっている。
予混合（全一次空気）式バーナ、２はバーナ１へ燃料ガ
スと燃焼所要空気（以下、燃焼空気という。）との混合
気を供給する混合気供給装置である。３はバーナ１の上
方にバーナの軸心と直交的に配置された円形の金属製遮
蔽板である。また、その下面が遮蔽面3Aとなっている。
バーナ１は、混合気供給装置２で予混合された混合気が
下方から供給され、内部に２重に取り付けられた整流1
2、13で整流され、テーパ状に絞られたノズル14の噴出
口15から上方に噴出される。
下方から供給され、内部に２重に取り付けられた整流1
2、13で整流され、テーパ状に絞られたノズル14の噴出
口15から上方に噴出される。
この噴流４は、第２図に示す如く、噴出口15において均
一の噴出速度V0の噴流４となっている。この噴流４は水
平方向に拡散して流域の断面積を広げると共に、噴流４
の流速Ｖは、漸減して行き、噴流４の中心線41と遮蔽面
3Aとの交点で噴流４の流速Ｖ＝０の澱点42となる。噴流
４は、遮蔽板３によって偏向され、90度角度を変えて遮
蔽板３に沿って放射状に広がる。噴流４と外気との境界
では、粘性による境界層43が生じ、遮蔽板３に沿って境
界層44が発生するので、速度分布は図示の如くなる。
一の噴出速度V0の噴流４となっている。この噴流４は水
平方向に拡散して流域の断面積を広げると共に、噴流４
の流速Ｖは、漸減して行き、噴流４の中心線41と遮蔽面
3Aとの交点で噴流４の流速Ｖ＝０の澱点42となる。噴流
４は、遮蔽板３によって偏向され、90度角度を変えて遮
蔽板３に沿って放射状に広がる。噴流４と外気との境界
では、粘性による境界層43が生じ、遮蔽板３に沿って境
界層44が発生するので、速度分布は図示の如くなる。
この状態で噴流４に点火すると、予混合気の火炎伝播速
度Ｓと、噴流４の流速Ｖとが釣り合った面において薄膜
状の燃焼火炎５が形成される。この薄膜状の燃焼火炎５
は、噴出速度V0が大きくなる（燃焼量が増大する）か、
または予混合気の空燃比がリーン（燃焼空気の過多）に
なるなどの火炎伝播速度Ｓが低下すると遮蔽板３側に変
位し、その逆のときは噴出口15側に変位する。すなわち
噴出速度V0＜Ｓ（火炎伝播速度）である限り、噴出口15
と遮蔽面3Aとの間には、噴流４の流速Ｖ＝Ｓ（火炎伝播
速度）となる面は必ず存在するので、噴出速度V0が増大
しても吹消えによる失火は生じ難い。
度Ｓと、噴流４の流速Ｖとが釣り合った面において薄膜
状の燃焼火炎５が形成される。この薄膜状の燃焼火炎５
は、噴出速度V0が大きくなる（燃焼量が増大する）か、
または予混合気の空燃比がリーン（燃焼空気の過多）に
なるなどの火炎伝播速度Ｓが低下すると遮蔽板３側に変
位し、その逆のときは噴出口15側に変位する。すなわち
噴出速度V0＜Ｓ（火炎伝播速度）である限り、噴出口15
と遮蔽面3Aとの間には、噴流４の流速Ｖ＝Ｓ（火炎伝播
速度）となる面は必ず存在するので、噴出速度V0が増大
しても吹消えによる失火は生じ難い。
このように、この発明にかかる薄膜状火炎燃焼方法で
は、燃焼量の変化や、空気過剰率の変動、あるいは空気
中の酸素濃度の変化に対し、薄膜状の燃焼火炎５の形成
位置が幾分変化するだけで、燃焼自体は極めて安定して
いる。また薄膜状の燃焼火炎５は、理論空燃比より十分
空気過剰の状態でも燃焼が安定するため、燃焼空気過多
の燃焼が可能であり且つ輻射熱による熱の散逸が多量に
できるため、燃焼温度が低くでき、窒素酸化物の発生が
少ない。
は、燃焼量の変化や、空気過剰率の変動、あるいは空気
中の酸素濃度の変化に対し、薄膜状の燃焼火炎５の形成
位置が幾分変化するだけで、燃焼自体は極めて安定して
いる。また薄膜状の燃焼火炎５は、理論空燃比より十分
空気過剰の状態でも燃焼が安定するため、燃焼空気過多
の燃焼が可能であり且つ輻射熱による熱の散逸が多量に
できるため、燃焼温度が低くでき、窒素酸化物の発生が
少ない。
第３図に本発明の薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼機器
と、ブンゼン火炎燃焼方法を用いたテーブルコンロとの
排気中の窒素酸化物濃度と燃焼量との関係を示す。この
グラフに示されるように本発明の薄膜状火炎を用いた燃
焼機器は、従来のテーブルコンロに比較しNOxの発生量
が数分の１に低減する。さらに、遮蔽板３に接近して広
い面積で輻射による熱の散逸が多量にできる薄膜状の燃
焼火炎５を形成できるので、遮蔽板３を被加熱物とした
とき高い加熱効率が得られる。
と、ブンゼン火炎燃焼方法を用いたテーブルコンロとの
排気中の窒素酸化物濃度と燃焼量との関係を示す。この
グラフに示されるように本発明の薄膜状火炎を用いた燃
焼機器は、従来のテーブルコンロに比較しNOxの発生量
が数分の１に低減する。さらに、遮蔽板３に接近して広
い面積で輻射による熱の散逸が多量にできる薄膜状の燃
焼火炎５を形成できるので、遮蔽板３を被加熱物とした
とき高い加熱効率が得られる。
第４図に薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼機器と、ブン
ゼン火炎燃焼方法を用いた燃焼機器との加熱効率の比較
を示す。このグラフにより本発明の薄膜状の燃焼火炎５
を用いた燃焼機器はブンゼン火炎を用いた燃焼機器に比
較して10％程度加熱効率が高いことがわかる。
ゼン火炎燃焼方法を用いた燃焼機器との加熱効率の比較
を示す。このグラフにより本発明の薄膜状の燃焼火炎５
を用いた燃焼機器はブンゼン火炎を用いた燃焼機器に比
較して10％程度加熱効率が高いことがわかる。
薄膜状の燃焼火炎５は、薄膜状４が層流であるときは鮮
明な薄膜状を呈するが、層流から乱流への遷移域では形
状がやや不明確になり、乱流域では渦動を伴う厚い層と
なって拡散する。よって本発明の薄膜状の燃焼火炎５を
用いた燃焼機器は噴流の層流域でのみ十分な効果を奏す
る。
明な薄膜状を呈するが、層流から乱流への遷移域では形
状がやや不明確になり、乱流域では渦動を伴う厚い層と
なって拡散する。よって本発明の薄膜状の燃焼火炎５を
用いた燃焼機器は噴流の層流域でのみ十分な効果を奏す
る。
本発明は上記実施例以外につぎろ形態を含む。
ア）遮蔽板３は、多孔質セラミック板の如く幾分の通気
性を有する多孔性体であっても良く、第２実施例として
第５図に示す円錐状突起31が噴流４の軸心上に突設され
ていても良い。この場合、噴流４の転向が円滑となり、
薄膜状の燃焼火炎５の動揺が防止できる。
性を有する多孔性体であっても良く、第２実施例として
第５図に示す円錐状突起31が噴流４の軸心上に突設され
ていても良い。この場合、噴流４の転向が円滑となり、
薄膜状の燃焼火炎５の動揺が防止できる。
イ）遮蔽板３は、噴流４の軸心に対し幾分傾斜して配置
されていても良く、第３実施例として第６図に示す如
く、曲率半径の大きい曲面もしくは鈍錐面であっても良
い。
されていても良く、第３実施例として第６図に示す如
く、曲率半径の大きい曲面もしくは鈍錐面であっても良
い。
ウ）噴出口15は、円形の他、正方形などの正多角形であ
っても良い。
っても良い。
エ）噴出口15から噴き出す予混合気は、空気過剰率が１
以上の全予混合気以外に、一次空気が理論空燃比より幾
分少ない予混合気であっても良い。
以上の全予混合気以外に、一次空気が理論空燃比より幾
分少ない予混合気であっても良い。
オ）第４実施例として第７図にす如く、噴出口15の近傍
に多孔質プレート６を配置しても良い。この実施例で
は、保炎効果が高まり、加熱効率が向上できる。
に多孔質プレート６を配置しても良い。この実施例で
は、保炎効果が高まり、加熱効率が向上できる。
カ）第９図は第５実施例を示す。この実施例では、垂直
に設置された全予混合（全Ｍ次空気）式バーナ１のノズ
ル14は、下流である図示上方に行くに従って内径Ｄが漸
減するように形成されている。この内径Ｄの軸方向距離
Ｌに対する減少の度合いは、縮小率が下流に行くに従い
減少するように設定されている。これにより、噴流４を
安定した層流とすることができ、薄膜状の燃焼火炎５を
形成できる燃焼範囲が増大できる。
に設置された全予混合（全Ｍ次空気）式バーナ１のノズ
ル14は、下流である図示上方に行くに従って内径Ｄが漸
減するように形成されている。この内径Ｄの軸方向距離
Ｌに対する減少の度合いは、縮小率が下流に行くに従い
減少するように設定されている。これにより、噴流４を
安定した層流とすることができ、薄膜状の燃焼火炎５を
形成できる燃焼範囲が増大できる。
またノズル14の外周に、同軸的にノズル６を設け、予混
合気の噴流４を囲む空気流を供給する環状空気噴出口61
を設けると、噴流４は周囲が環状空気噴出流（エアカー
テン）に保護されるため、安定性が著しく向上できる。
ノズル６の断面形状は、ノズル14の断面形状に対応させ
ることが望ましく、例えばノズル14が多角形の場合には
相似の多角形となる。この場合、環状空気噴出流口61か
らの空気の噴出速度Ｕは、噴流４の流速Ｖより大きいこ
とが噴流４の安定性向上ため望めしい。
合気の噴流４を囲む空気流を供給する環状空気噴出口61
を設けると、噴流４は周囲が環状空気噴出流（エアカー
テン）に保護されるため、安定性が著しく向上できる。
ノズル６の断面形状は、ノズル14の断面形状に対応させ
ることが望ましく、例えばノズル14が多角形の場合には
相似の多角形となる。この場合、環状空気噴出流口61か
らの空気の噴出速度Ｕは、噴流４の流速Ｖより大きいこ
とが噴流４の安定性向上ため望めしい。
この発明にかかる薄膜状火炎燃焼方法を利用した調理器
を第10〜13図とともに説明する。この実施例では、薄膜
状火炎を調理器の一実施例であるガスこんろに適用して
いる。
を第10〜13図とともに説明する。この実施例では、薄膜
状火炎を調理器の一実施例であるガスこんろに適用して
いる。
調理器Ａは、ケース７内に直立的に取り付けたノズル14
と、該ノズル14の設置台を兼ねた中空箱状の基部17に燃
焼空気を供給する送風手段８とを備える。基部17には、
燃料ガスを供給する燃料供給手段９と、前記ノズル14の
上方に水平的に配した遮蔽板３と、点火手段（図では、
パイロットバーナ）とを備える。この調理器Ａは、ノズ
ル14から燃料ガスと燃焼空気との予混合気を噴出させ、
この予混合気の噴流を遮蔽板３により遮蔽し、噴流４の
層流域にて遮蔽板３に沿って流れる予混合気に点火し、
薄膜状の燃焼火炎５にて燃焼させる。
と、該ノズル14の設置台を兼ねた中空箱状の基部17に燃
焼空気を供給する送風手段８とを備える。基部17には、
燃料ガスを供給する燃料供給手段９と、前記ノズル14の
上方に水平的に配した遮蔽板３と、点火手段（図では、
パイロットバーナ）とを備える。この調理器Ａは、ノズ
ル14から燃料ガスと燃焼空気との予混合気を噴出させ、
この予混合気の噴流を遮蔽板３により遮蔽し、噴流４の
層流域にて遮蔽板３に沿って流れる予混合気に点火し、
薄膜状の燃焼火炎５にて燃焼させる。
ケース７は、金属薄膜製で箱状を呈し、ケース天板71に
は丸穴72が設けられている。この丸穴72には環状の汁受
皿73が設置されている。汁受皿73の中心側は、上方に突
出したテーパ面74となっている。汁受皿73には、遮蔽板
３が載置されている。この実施例では、遮蔽板３は、被
加熱物の設置台である五徳を兼ねた天板30付の円柱台状
を呈し、天板30の下面32が噴流４の遮蔽面となってい
る。また側周壁33は火炎の風防を兼ねた脚となってお
り、側周壁33の天板30付近にはスリット状の排気窓34が
周設されている。35は、側周壁33に取り付けられ、薄膜
状の燃焼火炎５の外縁に感熱部が配された失火センサで
ある。この失センサ35は、薄膜状の燃焼火炎５にじょう
乱をおこさせないために、このように燃焼火炎の外縁に
設けるか、または噴流４の中心部に設けることが望まし
い。このように遮蔽板と被加熱物の載置台とを兼ねるこ
とにより、部品の省略と構造の簡素化とが達成できる。
は丸穴72が設けられている。この丸穴72には環状の汁受
皿73が設置されている。汁受皿73の中心側は、上方に突
出したテーパ面74となっている。汁受皿73には、遮蔽板
３が載置されている。この実施例では、遮蔽板３は、被
加熱物の設置台である五徳を兼ねた天板30付の円柱台状
を呈し、天板30の下面32が噴流４の遮蔽面となってい
る。また側周壁33は火炎の風防を兼ねた脚となってお
り、側周壁33の天板30付近にはスリット状の排気窓34が
周設されている。35は、側周壁33に取り付けられ、薄膜
状の燃焼火炎５の外縁に感熱部が配された失火センサで
ある。この失センサ35は、薄膜状の燃焼火炎５にじょう
乱をおこさせないために、このように燃焼火炎の外縁に
設けるか、または噴流４の中心部に設けることが望まし
い。このように遮蔽板と被加熱物の載置台とを兼ねるこ
とにより、部品の省略と構造の簡素化とが達成できる。
送風手段８は、スクロール状のケーシング81内にファン
82を配し、モータ83で駆動させる。ケーシング81の噴出
口84は前記中空箱状の基部17に接続されている。
82を配し、モータ83で駆動させる。ケーシング81の噴出
口84は前記中空箱状の基部17に接続されている。
燃料供給手段９は、燃料ガス配管に接続される手動元弁
91付口金92と、その下流に設けられ、内部に電磁式の主
バルブおよび比例バルブが内蔵された弁機構93とを有す
る。弁機構93の下流に設けられた減圧弁97とを備え、ガ
ス配管の先端の噴出口95は、前記ケーシング81の吸込口
85内に差し込まれている。
91付口金92と、その下流に設けられ、内部に電磁式の主
バルブおよび比例バルブが内蔵された弁機構93とを有す
る。弁機構93の下流に設けられた減圧弁97とを備え、ガ
ス配管の先端の噴出口95は、前記ケーシング81の吸込口
85内に差し込まれている。
この調理器Ａは、送風手段８により基部17に空気を供給
しながら、燃料供給手段９からガスを供給し、ケーシン
グ81および基部17内で混合させる。燃焼空気および燃料
ガスの供給量は理論空燃比λより、幾分空気過剰（例え
ば、λ＝1.3）に設定してあり、整流のために金網18を
通ってノズル14で絞られ、噴出口15から層流となって噴
出される。この噴流４は、点火手段Ｐで点火され、薄膜
状の全予混合燃焼火炎５となる。この燃焼火炎５は天板
30の下面32に接近して広い範囲で安定し、天板30が高い
熱効率で均一に加熱されて、温度分布が均等となる。な
お天板30は透明体であってもよく、この場合は美観上も
優れる。
しながら、燃料供給手段９からガスを供給し、ケーシン
グ81および基部17内で混合させる。燃焼空気および燃料
ガスの供給量は理論空燃比λより、幾分空気過剰（例え
ば、λ＝1.3）に設定してあり、整流のために金網18を
通ってノズル14で絞られ、噴出口15から層流となって噴
出される。この噴流４は、点火手段Ｐで点火され、薄膜
状の全予混合燃焼火炎５となる。この燃焼火炎５は天板
30の下面32に接近して広い範囲で安定し、天板30が高い
熱効率で均一に加熱されて、温度分布が均等となる。な
お天板30は透明体であってもよく、この場合は美観上も
優れる。
第14図は、この発明の薄膜状火炎燃焼方法を利用した調
理器の他の実施例を示す。
理器の他の実施例を示す。
この実施例では、前記遮蔽板３は、被加熱物10の底壁面
10Aとなっている。10Bは被加熱物10の有無を検知するセ
ンサであり、被加熱物10が除去されたとき、燃焼を停止
させるか、または燃焼を全予混合火炎燃焼からブンゼン
火炎燃焼に変化させる。全予混合火炎燃焼からブンゼン
火炎燃焼への移行は、例えば燃焼空気の供給を低減させ
ることがなされる。この燃焼の停止、またはブンゼン火
炎への移行は、被加熱物10が除去されると遮蔽板３がな
くなり、薄膜状の燃焼火炎５の安定条件が失われるため
である。この場合、別途にボタンなどの変更手段を設
け、全予混合火炎燃焼とブンゼン火炎燃焼とを適宜選択
できるようにしても良い。
10Aとなっている。10Bは被加熱物10の有無を検知するセ
ンサであり、被加熱物10が除去されたとき、燃焼を停止
させるか、または燃焼を全予混合火炎燃焼からブンゼン
火炎燃焼に変化させる。全予混合火炎燃焼からブンゼン
火炎燃焼への移行は、例えば燃焼空気の供給を低減させ
ることがなされる。この燃焼の停止、またはブンゼン火
炎への移行は、被加熱物10が除去されると遮蔽板３がな
くなり、薄膜状の燃焼火炎５の安定条件が失われるため
である。この場合、別途にボタンなどの変更手段を設
け、全予混合火炎燃焼とブンゼン火炎燃焼とを適宜選択
できるようにしても良い。
第１図は本発明の第１実施例の薄膜状火炎燃焼方法を用
いた燃焼機器の構成を示す概略図、第２図はその要部拡
大図、第３図は薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼機器
と、ブンゼン火炎燃焼方法を用いたテーブルコンロとの
排気中の窒素酸化物濃度と燃焼量との関係を示すグラ
フ、第４図は薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼機器と、
ブンゼン火炎燃焼方法を用いた燃焼機器との加熱効率の
比較を示すグラフ、第５図は本発明の第２実施例を示す
正面図、第６図は本発明の第３実施例を示す正面図、第
７図は第４実施例の薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼装
置の概略図、第８図は従来の薄膜状火炎の燃焼状態の概
念図である。第９図は第５実施例にかかるノズルの断面
図である。第10図は薄膜状火炎燃焼方法を利用した調理
器の断面図、第11図はその平面図、第12図はその斜視
図、第13図はその部分透視斜視図である。第14図は他の
薄膜状火炎燃焼方法を利用した調理器の側面断面図であ
る。 図中 １……全予混合式バーナ、３……遮蔽板、3A……
遮蔽面、４……噴流（噴出流）、５……薄膜状の燃焼火
炎、６、14……ノズル、７……ゲース、８……送風手
段、９……燃料供給手段、10……被加熱物（被加熱
体）、15、84、95……噴出口、61……環状空気噴出口、
Ａ……調理器、Ｄ……内径
いた燃焼機器の構成を示す概略図、第２図はその要部拡
大図、第３図は薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼機器
と、ブンゼン火炎燃焼方法を用いたテーブルコンロとの
排気中の窒素酸化物濃度と燃焼量との関係を示すグラ
フ、第４図は薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼機器と、
ブンゼン火炎燃焼方法を用いた燃焼機器との加熱効率の
比較を示すグラフ、第５図は本発明の第２実施例を示す
正面図、第６図は本発明の第３実施例を示す正面図、第
７図は第４実施例の薄膜状火炎燃焼方法を用いた燃焼装
置の概略図、第８図は従来の薄膜状火炎の燃焼状態の概
念図である。第９図は第５実施例にかかるノズルの断面
図である。第10図は薄膜状火炎燃焼方法を利用した調理
器の断面図、第11図はその平面図、第12図はその斜視
図、第13図はその部分透視斜視図である。第14図は他の
薄膜状火炎燃焼方法を利用した調理器の側面断面図であ
る。 図中 １……全予混合式バーナ、３……遮蔽板、3A……
遮蔽面、４……噴流（噴出流）、５……薄膜状の燃焼火
炎、６、14……ノズル、７……ゲース、８……送風手
段、９……燃料供給手段、10……被加熱物（被加熱
体）、15、84、95……噴出口、61……環状空気噴出口、
Ａ……調理器、Ｄ……内径
フロントページの続き (72)発明者 押田 俊一 愛知県東海市新宝町507―２ 東邦瓦斯株 式会社総合技術研究所内 (72)発明者 杉原 智至 愛知県東海市新宝町507―２ 東邦瓦斯株 式会社総合技術研究所内 (72)発明者 河村 長司 三重県四日市市中町５―15 (72)発明者 玉田 一実 愛知県名古屋市中川区福住町２番26号 リ ンナイ株式会社内 (72)発明者 野津 平寛 愛知県名古屋市中川区福住町２番26号 リ ンナイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−60326（ＪＰ，Ａ)
Claims (3)
- 【請求項１】燃料ガスと燃焼所要空気との予混合気を噴
出口から噴出させ、該噴出流を前記噴出口から所定距離
だけ隔てて配設した遮蔽面で遮蔽し、前記噴出流の層流
域にて前記予混合気を前記遮蔽面にほぼ平行した薄膜状
火炎として燃焼させる薄膜状火炎燃焼方法。 - 【請求項２】前記噴出流を環状空気噴出流で囲むことを
特徴とする請求項１に記載の薄膜状火炎燃焼方法。 - 【請求項３】前記予混合気を、下流に行くに従い内径が
縮小するノズルの前記噴出口から噴出させることを特徴
とする請求項１に記載の薄膜状火炎燃焼方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63277111A JPH0762523B2 (ja) | 1988-02-19 | 1988-11-01 | 薄膜状火炎燃焼方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63-38396 | 1988-02-19 | ||
| JP3839688 | 1988-02-19 | ||
| JP63277111A JPH0762523B2 (ja) | 1988-02-19 | 1988-11-01 | 薄膜状火炎燃焼方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01310214A JPH01310214A (ja) | 1989-12-14 |
| JPH0762523B2 true JPH0762523B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=26377643
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63277111A Expired - Fee Related JPH0762523B2 (ja) | 1988-02-19 | 1988-11-01 | 薄膜状火炎燃焼方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0762523B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03294711A (ja) * | 1990-04-10 | 1991-12-25 | Rinnai Corp | 薄膜状火炎のガス燃焼機器 |
| JPH0635884B2 (ja) * | 1990-04-10 | 1994-05-11 | リンナイ株式会社 | 薄膜状火炎のガス燃焼機器 |
| JPH0635883B2 (ja) * | 1990-04-10 | 1994-05-11 | リンナイ株式会社 | 薄膜状火炎のガス燃焼機器 |
| JP3917311B2 (ja) * | 1998-12-28 | 2007-05-23 | 株式会社マルテック | 植物栽培ハウス用ｌｐガス燃焼装置 |
| NZ534091A (en) * | 2004-07-13 | 2007-06-29 | Fisher & Paykel Appliances Ltd | Horizontal cooking surface with rotation causing vertical motion via slots and ball slides |
| JP6395364B2 (ja) * | 2013-10-18 | 2018-09-26 | 大阪瓦斯株式会社 | 燃焼方法及び燃焼装置 |
| CN104165384A (zh) * | 2014-07-26 | 2014-11-26 | 重庆登凯新能源科技有限公司 | 一种高效节能灶 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4860326A (ja) * | 1971-11-30 | 1973-08-24 | ||
| JPS58194315U (ja) * | 1982-06-18 | 1983-12-24 | 三菱重工業株式会社 | 予混合ノズル |
-
1988
- 1988-11-01 JP JP63277111A patent/JPH0762523B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01310214A (ja) | 1989-12-14 |
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