JPH0762493A - 高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼板 - Google Patents
高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼板Info
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- JPH0762493A JPH0762493A JP20673793A JP20673793A JPH0762493A JP H0762493 A JPH0762493 A JP H0762493A JP 20673793 A JP20673793 A JP 20673793A JP 20673793 A JP20673793 A JP 20673793A JP H0762493 A JPH0762493 A JP H0762493A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 橋梁、建築等において、ステンレス鋼より安
価で、耐候性鋼に比べて高海塩粒子日陰環境で優れた耐
食性を示すクラッド鋼板を提供する。 【構成】 C、Si、Mn、Ni、Cr、Alを所定の
重量%含み、残部Fe及び不可避不純物からなり、更に
必要に応じてP、Cu、Mo、W、V、Nb、Ta、T
i、B、Caを1種又は2種以上含むことを特徴とする
合わせ材を用いて、C、Si、Mn、Alを所定の重量
%含み、残部Fe及び不可避不純物からなり、更に必要
に応じてCu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B
を1種又は2種以上含む母材の少なくとも一面に被覆し
てなることを特徴とする高海塩粒子日陰環境で優れた耐
食性を示すクラッド鋼板。
価で、耐候性鋼に比べて高海塩粒子日陰環境で優れた耐
食性を示すクラッド鋼板を提供する。 【構成】 C、Si、Mn、Ni、Cr、Alを所定の
重量%含み、残部Fe及び不可避不純物からなり、更に
必要に応じてP、Cu、Mo、W、V、Nb、Ta、T
i、B、Caを1種又は2種以上含むことを特徴とする
合わせ材を用いて、C、Si、Mn、Alを所定の重量
%含み、残部Fe及び不可避不純物からなり、更に必要
に応じてCu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B
を1種又は2種以上含む母材の少なくとも一面に被覆し
てなることを特徴とする高海塩粒子日陰環境で優れた耐
食性を示すクラッド鋼板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は橋梁、建築等の鋼構造物
において、特に海岸地帯など塩素イオンの多い腐食環境
下で耐食性の要求される部材に使用される高耐候性鋼に
関するものである。
において、特に海岸地帯など塩素イオンの多い腐食環境
下で耐食性の要求される部材に使用される高耐候性鋼に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より上記した用途に使用される構造
部材用には、比較的価格が安価である上、使用環境によ
り必要にして十分な耐食性を有するということで種々の
耐候性鋼が鉄鋼各社により開発され、実用化されてい
る。日本工業規格にあるJISG3114;溶接構造用
耐候性熱間圧延鋼材及びJIS G3125;高耐候性
圧延鋼材はともにこれに相当する。耐候性鋼は普通鋼に
Cu、Cr、Pなどを微量含有させたものであり、大気
暴露によって鋼表面に形成される錆皮膜が高い防食機能
を有する安定錆となることが知られている。
部材用には、比較的価格が安価である上、使用環境によ
り必要にして十分な耐食性を有するということで種々の
耐候性鋼が鉄鋼各社により開発され、実用化されてい
る。日本工業規格にあるJISG3114;溶接構造用
耐候性熱間圧延鋼材及びJIS G3125;高耐候性
圧延鋼材はともにこれに相当する。耐候性鋼は普通鋼に
Cu、Cr、Pなどを微量含有させたものであり、大気
暴露によって鋼表面に形成される錆皮膜が高い防食機能
を有する安定錆となることが知られている。
【0003】上記従来技術における耐候性鋼は、比較的
穏やかな大気腐食環境において優れた耐食性を示すが、
海岸地帯など特に塩素イオンの多い腐食環境下では、普
通鋼と耐食性は殆ど変わらないことが指摘されている。
このため、例えば橋梁等の様な大規模な鋼構造物では腐
食防止のための塗装費等の維持管理費が莫大となる。近
年の橋梁の大型化、塗装の3K問題による塗装工の不
足、社会労働構造の変化、高齢化社会の到来等、社会資
本の充実とともにその維持管理費の低減は危急の課題で
ある。
穏やかな大気腐食環境において優れた耐食性を示すが、
海岸地帯など特に塩素イオンの多い腐食環境下では、普
通鋼と耐食性は殆ど変わらないことが指摘されている。
このため、例えば橋梁等の様な大規模な鋼構造物では腐
食防止のための塗装費等の維持管理費が莫大となる。近
年の橋梁の大型化、塗装の3K問題による塗装工の不
足、社会労働構造の変化、高齢化社会の到来等、社会資
本の充実とともにその維持管理費の低減は危急の課題で
ある。
【0004】一方、ステンレス鋼は、通常11%以上の
Crを含有するため耐候性鋼に比べはるかに耐食性が優
れているが価格が高価である。更に、塩素イオンの多い
腐食環境下では耐候性鋼のような全面腐食が起こらず、
「孔食」として良く知られている局部的な腐食が起きや
すい。この腐食形態は、一見軽度のように観察される
が、腐食の発生した部分の浸食速度は全面腐食の起きる
耐候性鋼よりもむしろ速く、比較的短時間で貫通孔を生
じることすらある。これらのため、耐候性鋼と同様の用
途には供し得ないものであった。
Crを含有するため耐候性鋼に比べはるかに耐食性が優
れているが価格が高価である。更に、塩素イオンの多い
腐食環境下では耐候性鋼のような全面腐食が起こらず、
「孔食」として良く知られている局部的な腐食が起きや
すい。この腐食形態は、一見軽度のように観察される
が、腐食の発生した部分の浸食速度は全面腐食の起きる
耐候性鋼よりもむしろ速く、比較的短時間で貫通孔を生
じることすらある。これらのため、耐候性鋼と同様の用
途には供し得ないものであった。
【0005】本発明者らは、上記の問題点を解決するた
めに、耐全面腐食性に優れていると同時に耐孔食性にも
優れた高Ni含有鋼を表層として、溶接構造用鋼として
必要な諸特性(例えば、強度、靱性、溶接性)は内層で
確保するという思想の下にステンレス鋼に比べ遙かに安
価であり、且つ耐候性鋼に比し優れた耐食性を有する高
耐候性鋼を提供する海岸耐候性クラッド鋼板を開発して
きた(例えば、特願平3−235175号)。しかし、
これらのものは日照部においては優れた耐食性を発揮す
るが、降雨が直接あたらない日陰部では、日照部ほど優
れた耐食性を示さないことが、本発明者らの海岸暴露試
験ならびに塩水散布暴露試験により明らかになった。詳
細な調査により、この理由は、日陰部では鋼材表面が降
雨に曝されないため、飛来して付着した海塩粒子が洗い
流されずに蓄積されること、日陰のため濡れ時間が日照
部に比べて長く、湿潤−乾燥サイクル数が少ないことが
明らかになった。例えば橋梁では、橋桁等は多くは降雨
が直接あたらない日陰部であるため、高海塩粒子環境の
日陰部での耐食性を改善する必要がある。
めに、耐全面腐食性に優れていると同時に耐孔食性にも
優れた高Ni含有鋼を表層として、溶接構造用鋼として
必要な諸特性(例えば、強度、靱性、溶接性)は内層で
確保するという思想の下にステンレス鋼に比べ遙かに安
価であり、且つ耐候性鋼に比し優れた耐食性を有する高
耐候性鋼を提供する海岸耐候性クラッド鋼板を開発して
きた(例えば、特願平3−235175号)。しかし、
これらのものは日照部においては優れた耐食性を発揮す
るが、降雨が直接あたらない日陰部では、日照部ほど優
れた耐食性を示さないことが、本発明者らの海岸暴露試
験ならびに塩水散布暴露試験により明らかになった。詳
細な調査により、この理由は、日陰部では鋼材表面が降
雨に曝されないため、飛来して付着した海塩粒子が洗い
流されずに蓄積されること、日陰のため濡れ時間が日照
部に比べて長く、湿潤−乾燥サイクル数が少ないことが
明らかになった。例えば橋梁では、橋桁等は多くは降雨
が直接あたらない日陰部であるため、高海塩粒子環境の
日陰部での耐食性を改善する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、橋
梁、建築において、ステンレス鋼より安価で、耐候性鋼
に比べて高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラ
ッド鋼板を提供することである。
梁、建築において、ステンレス鋼より安価で、耐候性鋼
に比べて高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラ
ッド鋼板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用】本発明はかかる問
題点を解決すべく、表層を高海塩粒子環境の日陰部にお
いて、耐全面腐食性に優れていると同時に耐孔食性にも
優れた高Ni−Al−Cr含有鋼とし、溶接構造用鋼と
して必要な諸特性(例えば、強度、靱性、溶接性)は内
層で確保する思想の下にステンレス鋼に比べ遙かに安価
であり、且つ耐候性鋼に比べて高海塩粒子日陰環境で優
れた耐食性を示すクラッド鋼板を提供しようとするもの
で、その要旨とするところは下記とおりである。
題点を解決すべく、表層を高海塩粒子環境の日陰部にお
いて、耐全面腐食性に優れていると同時に耐孔食性にも
優れた高Ni−Al−Cr含有鋼とし、溶接構造用鋼と
して必要な諸特性(例えば、強度、靱性、溶接性)は内
層で確保する思想の下にステンレス鋼に比べ遙かに安価
であり、且つ耐候性鋼に比べて高海塩粒子日陰環境で優
れた耐食性を示すクラッド鋼板を提供しようとするもの
で、その要旨とするところは下記とおりである。
【0008】(1) 重量%で、 C :0.01〜0.20% Si:0.03〜
0.35% Mn:0.1〜1.8% Al:0.005〜
0.07% を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる鋼を母材と
し、その少なくとも一面を C :0.01〜0.10% Si:0.03〜
0.35% Mn:0.1〜1.5% Ni:1.5〜1
0.0% Cr:1.5〜10.0% Al:0.05〜
5.0% を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる合わせ材で
被覆することを特徴とする高海塩粒子日陰環境で優れた
耐食性を示すクラッド鋼板。
0.35% Mn:0.1〜1.8% Al:0.005〜
0.07% を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる鋼を母材と
し、その少なくとも一面を C :0.01〜0.10% Si:0.03〜
0.35% Mn:0.1〜1.5% Ni:1.5〜1
0.0% Cr:1.5〜10.0% Al:0.05〜
5.0% を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる合わせ材で
被覆することを特徴とする高海塩粒子日陰環境で優れた
耐食性を示すクラッド鋼板。
【0009】(2) 合わせ材中に更に、 P :0.01〜0.1% Cu:0.05〜2.0% Mo:0.05〜
2.0% V :0.01〜0.2% Nb:0.05〜
0.1% Ta:0.05〜0.1% W :0.01〜
3.5% Ti:0.005〜0.1% B :0.0003
〜0.0040% Ca:0.001〜0.01% を1種又は2種以上含むことを特徴とする前項1記載の
高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼
板。
2.0% V :0.01〜0.2% Nb:0.05〜
0.1% Ta:0.05〜0.1% W :0.01〜
3.5% Ti:0.005〜0.1% B :0.0003
〜0.0040% Ca:0.001〜0.01% を1種又は2種以上含むことを特徴とする前項1記載の
高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼
板。
【0010】(3) 母材中に更に、 Cu:0.05〜2.0% Ni:0.05〜
2.0% Cr:0.05〜2.0% Mo:0.05〜
0.5% V :0.01〜0.1% Nb:0.05〜
0.1% Ti:0.005〜0.03% B :0.0003
〜0.0040% を1種又は2種以上含むことを特徴とする前項1又は2
記載の高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッ
ド鋼板。
2.0% Cr:0.05〜2.0% Mo:0.05〜
0.5% V :0.01〜0.1% Nb:0.05〜
0.1% Ti:0.005〜0.03% B :0.0003
〜0.0040% を1種又は2種以上含むことを特徴とする前項1又は2
記載の高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッ
ド鋼板。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。まず、母
材の合金元素含有量を前記範囲に限定した理由を述べ
る。 C:Cは強度確保のために0.01%以上添加するが、
0.20%を超えると鋼材の靱性と溶接性が劣化するの
で0.20%を上限とした。 Si:Siは強度確保と脱酸のために0.03%以上を
必要とするが0.35%を超えると靱性が劣化するので
これを上限とした。
材の合金元素含有量を前記範囲に限定した理由を述べ
る。 C:Cは強度確保のために0.01%以上添加するが、
0.20%を超えると鋼材の靱性と溶接性が劣化するの
で0.20%を上限とした。 Si:Siは強度確保と脱酸のために0.03%以上を
必要とするが0.35%を超えると靱性が劣化するので
これを上限とした。
【0012】Mn:Mnは強度確保のために0.1%以
上添加するが、1.8%を超えると溶接性が劣化するの
でこれを上限とした。 Al:Alは通常脱酸元素として用いられている0.0
05〜0.070%の範囲とした。Cu、Ni、Cr、
Mo、V、Nb、Ti、Bは各々強度・靱性向上を目的
として添加される元素で、溶接性の劣化しない範囲とし
て、前記の上限および下限とした。
上添加するが、1.8%を超えると溶接性が劣化するの
でこれを上限とした。 Al:Alは通常脱酸元素として用いられている0.0
05〜0.070%の範囲とした。Cu、Ni、Cr、
Mo、V、Nb、Ti、Bは各々強度・靱性向上を目的
として添加される元素で、溶接性の劣化しない範囲とし
て、前記の上限および下限とした。
【0013】次に合わせ材の成分を上記範囲に限定した
理由を述べる。 C:Cは強度確保のために0.01%以上添加するが、
Cは0.10%を超えると耐食性が劣化するので0.1
0%を上限とした。 Si:Siは脱酸のために0.03%以上を必要とする
が、0.35%を超えると耐食性が劣化するので0.3
5%を上限とし、0.03〜0.35%の範囲とした。
理由を述べる。 C:Cは強度確保のために0.01%以上添加するが、
Cは0.10%を超えると耐食性が劣化するので0.1
0%を上限とした。 Si:Siは脱酸のために0.03%以上を必要とする
が、0.35%を超えると耐食性が劣化するので0.3
5%を上限とし、0.03〜0.35%の範囲とした。
【0014】Mn:Mnは脱酸、脱硫効果のために0.
1%以上添加するが、1.5%を超えると耐食性および
溶接性が劣化するので1.5%を上限とした。 Ni:Niは耐食性を向上させる上で有効な元素である
が、添加量が1.0%未満では効果がなく、確実な効果
を得るために1.5%以上添加する。一方10.0%を
超えると加工性の劣化を招くとともにコストアップの原
因となるので10.0%を上限とした。
1%以上添加するが、1.5%を超えると耐食性および
溶接性が劣化するので1.5%を上限とした。 Ni:Niは耐食性を向上させる上で有効な元素である
が、添加量が1.0%未満では効果がなく、確実な効果
を得るために1.5%以上添加する。一方10.0%を
超えると加工性の劣化を招くとともにコストアップの原
因となるので10.0%を上限とした。
【0015】Cr:Crは耐食性を向上させる上で有効
な元素であるが、添加量が1.0%未満では逆効果であ
り、確実な効果を得るために1.5%以上の添加とす
る。一方10.0%を超えると効果が飽和するとともに
コストアップの原因となるので10.0%を上限とし
た。 Al:Alは0.05%以上の添加で、Crとともに鋼
材表面に生成する不動態皮膜の防食性を向上させるが、
5.0%を超えて添加すると、熱間圧延時に表面割れが
生じやすくなるので0.05〜5.0%の範囲とした。
な元素であるが、添加量が1.0%未満では逆効果であ
り、確実な効果を得るために1.5%以上の添加とす
る。一方10.0%を超えると効果が飽和するとともに
コストアップの原因となるので10.0%を上限とし
た。 Al:Alは0.05%以上の添加で、Crとともに鋼
材表面に生成する不動態皮膜の防食性を向上させるが、
5.0%を超えて添加すると、熱間圧延時に表面割れが
生じやすくなるので0.05〜5.0%の範囲とした。
【0016】P、Cu、Mo、V、Nb、Ta、W、T
i、B、Caは、さらなる耐食性の向上を目的として添
加されるものであるが、それぞれ、効果が現れる添加量
を下限とし、効果が飽和する量を上限とした。なお本発
明に係わるクラッド鋼はその使用目的に応じて片面また
は両面クラッドいずれにも適用可能である。その製造方
法については、特に限定しないが、この種の鋼板の製造
方法として、例えば、特開昭63−108947号公報
記載の方法により鋳片を作成し、その後熱間圧延を行う
ことにより、安価に提供することができる。又、上記製
造方法以外にも、圧延、爆着、肉盛り、鋳ぐるみ等の方
法によっても本発明の効果は損なわれるものではない。
i、B、Caは、さらなる耐食性の向上を目的として添
加されるものであるが、それぞれ、効果が現れる添加量
を下限とし、効果が飽和する量を上限とした。なお本発
明に係わるクラッド鋼はその使用目的に応じて片面また
は両面クラッドいずれにも適用可能である。その製造方
法については、特に限定しないが、この種の鋼板の製造
方法として、例えば、特開昭63−108947号公報
記載の方法により鋳片を作成し、その後熱間圧延を行う
ことにより、安価に提供することができる。又、上記製
造方法以外にも、圧延、爆着、肉盛り、鋳ぐるみ等の方
法によっても本発明の効果は損なわれるものではない。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明の効果を具体的に
示す。耐食性は、海岸地帯などの特に塩素イオンの多い
腐食環境を再現するために5%食塩水を1日1回散布す
る促進耐候性試験(塩水散布暴露試験)を1年間実施
し、腐食減量および最大孔食深さで評価した。
示す。耐食性は、海岸地帯などの特に塩素イオンの多い
腐食環境を再現するために5%食塩水を1日1回散布す
る促進耐候性試験(塩水散布暴露試験)を1年間実施
し、腐食減量および最大孔食深さで評価した。
【0018】表1〜6に供試した鋼の組成を、表7〜9
に試験結果を示す。表1〜6において10〜58は本発
明限定成分鋼、1〜9は範囲外のものである。比較鋼の
1は表層成分がJIS G3114;溶接構造用耐候性
熱間圧延鋼材相当のもの、2はJIS G3125;高
耐候性圧延鋼材相当のもの、4はステンレス鋼並にCr
含有量が高いものである。
に試験結果を示す。表1〜6において10〜58は本発
明限定成分鋼、1〜9は範囲外のものである。比較鋼の
1は表層成分がJIS G3114;溶接構造用耐候性
熱間圧延鋼材相当のもの、2はJIS G3125;高
耐候性圧延鋼材相当のもの、4はステンレス鋼並にCr
含有量が高いものである。
【0019】表7〜9から明かな通り、本発明鋼は比較
鋼に比べいずれも優れた耐食性を有することが分かる。
鋼に比べいずれも優れた耐食性を有することが分かる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
【0029】
【発明の効果】以上のごとく、本発明は表層を耐全面腐
食性及び耐孔食性に優れた高含有Ni−Al−Cr鋼、
内層を各種強度、靱性、溶接性に応じた溶接構造用鋼と
することにより、塩素イオンの多い腐食環境下で高耐食
性の要求される橋梁、建築等の構造部材へ、ステンレス
鋼やステンレス・クラッド鋼に比べ安価で、且つ耐候性
鋼より優れた耐食性を有する高耐候性クラッド鋼が提供
でき、産業上顕著な効果を奏するものである。
食性及び耐孔食性に優れた高含有Ni−Al−Cr鋼、
内層を各種強度、靱性、溶接性に応じた溶接構造用鋼と
することにより、塩素イオンの多い腐食環境下で高耐食
性の要求される橋梁、建築等の構造部材へ、ステンレス
鋼やステンレス・クラッド鋼に比べ安価で、且つ耐候性
鋼より優れた耐食性を有する高耐候性クラッド鋼が提供
でき、産業上顕著な効果を奏するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【表7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【表8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表9】
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.01〜0.20% Si:0.03〜
0.35% Mn:0.1〜1.8% Al:0.005〜
0.07% を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる鋼を母材と
し、 その少なくとも一面を C :0.01〜0.10% Si:0.03〜
0.35% Mn:0.1〜1.5% Ni:1.5〜1
0.0% Cr:1.5〜10.0% Al:0.05〜
5.0% を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる合わせ材で
被覆することを特徴とする高海塩粒子日陰環境で優れた
耐食性を示すクラッド鋼板。 - 【請求項2】 合わせ材中に更に、 P :0.01〜0.1% Cu:0.05〜2.0% Mo:0.05〜
2.0% V :0.01〜0.2% Nb:0.05〜
0.1% Ta:0.05〜0.1% W :0.01〜
3.5% Ti:0.005〜0.1% B :0.0003
〜0.0040% Ca:0.001〜0.01% を1種又は2種以上含むことを特徴とする請求項1記載
の高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼
板。 - 【請求項3】 母材中に更に、 Cu:0.05〜2.0% Ni:0.05〜
2.0% Cr:0.05〜2.0% Mo:0.05〜
0.5% V :0.01〜0.1% Nb:0.05〜
0.1% Ti:0.005〜0.03% B :0.0003
〜0.0040% を1種又は2種以上含むことを特徴とする請求項1又は
2記載の高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラ
ッド鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20673793A JPH0762493A (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20673793A JPH0762493A (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0762493A true JPH0762493A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16528273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20673793A Pending JPH0762493A (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 高海塩粒子日陰環境で優れた耐食性を示すクラッド鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762493A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100424213C (zh) * | 2004-07-29 | 2008-10-08 | 株式会社神户制钢所 | 耐蚀性优异的船舶用钢材 |
-
1993
- 1993-08-20 JP JP20673793A patent/JPH0762493A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100424213C (zh) * | 2004-07-29 | 2008-10-08 | 株式会社神户制钢所 | 耐蚀性优异的船舶用钢材 |
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A02 | Decision of refusal |
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