JPH0762218B2 - 溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents
溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼Info
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- JPH0762218B2 JPH0762218B2 JP63260673A JP26067388A JPH0762218B2 JP H0762218 B2 JPH0762218 B2 JP H0762218B2 JP 63260673 A JP63260673 A JP 63260673A JP 26067388 A JP26067388 A JP 26067388A JP H0762218 B2 JPH0762218 B2 JP H0762218B2
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- ferritic stainless
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、化学工業を始めとした種々の分野に広く利用
可能な溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス
鋼に関するものである。
可能な溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス
鋼に関するものである。
<従来の技術> フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステン
レス鋼と比較すると耐応力腐食割れに著しく優れている
が、一般的に耐食性と溶接性ならびに溶接部の特性や機
械的性質が劣っている。しかしながら、製錬技術の進歩
により、極低C,Nのフェライト系ステンレス鋼の製造が
可能となり、さらに、Ti,Nb,Vなどの元素を添加して溶
接部の耐食性や機械的性質が改善された鋼種が開発され
ている。例えば、これらの鋼種は特公昭55−21102号公
報に開示されているが、耐食性、成形性,溶接性に優れ
ており、ボイラー管体や温水器などのような溶接が施さ
れる構造物に適用されるに至っている。
レス鋼と比較すると耐応力腐食割れに著しく優れている
が、一般的に耐食性と溶接性ならびに溶接部の特性や機
械的性質が劣っている。しかしながら、製錬技術の進歩
により、極低C,Nのフェライト系ステンレス鋼の製造が
可能となり、さらに、Ti,Nb,Vなどの元素を添加して溶
接部の耐食性や機械的性質が改善された鋼種が開発され
ている。例えば、これらの鋼種は特公昭55−21102号公
報に開示されているが、耐食性、成形性,溶接性に優れ
ており、ボイラー管体や温水器などのような溶接が施さ
れる構造物に適用されるに至っている。
しかしながら、上記鋼種を用いても、例えばTIG溶接施
工時に十分に溶接雰囲気をコントロールしないと溶接部
にテンパーカラーが生じ、実使用時にこの部分で著しく
腐食が生じ、場合によっては短時間で穴あきが生じてい
る。この傾向は、使用される構造物が複雑化,多様化す
るにしたがって著しくなる傾向にあり、また、生成した
テンパーカラーを施工後、電解,研摩あるいは酸洗によ
り除去することも困難となっている。
工時に十分に溶接雰囲気をコントロールしないと溶接部
にテンパーカラーが生じ、実使用時にこの部分で著しく
腐食が生じ、場合によっては短時間で穴あきが生じてい
る。この傾向は、使用される構造物が複雑化,多様化す
るにしたがって著しくなる傾向にあり、また、生成した
テンパーカラーを施工後、電解,研摩あるいは酸洗によ
り除去することも困難となっている。
そこで、従来のSUS444タイプより溶接部の耐食性が優れ
た鋼種の開発が強く望まれている。
た鋼種の開発が強く望まれている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、素材の元来有している溶接性や機械的
性質を損なうことなく、溶接部耐食性を著しく改善した
フェライト系ステンレス鋼を提供することである。
性質を損なうことなく、溶接部耐食性を著しく改善した
フェライト系ステンレス鋼を提供することである。
<課題を解決するための手段> このような現状に臨み、本発明者らは鋭意努力した結
果、Siを1.0〜2.0%含有させ、さらにMn量を0.5%以下
とすることにより、素材の溶接性や機械的性質を低下さ
せることなく、母材耐食性や溶接部耐食性が著しく改善
されることを見出した。
果、Siを1.0〜2.0%含有させ、さらにMn量を0.5%以下
とすることにより、素材の溶接性や機械的性質を低下さ
せることなく、母材耐食性や溶接部耐食性が著しく改善
されることを見出した。
即ち、本発明は、重量%で、C:0.01%以下及びN:0.01%
以下でかつC+N:0.015%以下,Si:1.0〜2.0%,Mn:0.5%
以下,P:0.04%以下,S:0.001〜0.007%,Cr:15〜25%,Mo:
1.0〜3.0%,Al:0.005〜0.1%を含有し、Nb:0.15〜0.5%
及びTi:0.15〜0.5%の1種あるいは2種を含有し、かつ
Nb+Ti:0.15〜0.5%ならびにNb+Ti:(C+N)×8以
上で、残部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴
とする溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス
鋼であり、あるいは必要に応じてこれにさらにCu:0.05
〜0.2%含有させたものである。
以下でかつC+N:0.015%以下,Si:1.0〜2.0%,Mn:0.5%
以下,P:0.04%以下,S:0.001〜0.007%,Cr:15〜25%,Mo:
1.0〜3.0%,Al:0.005〜0.1%を含有し、Nb:0.15〜0.5%
及びTi:0.15〜0.5%の1種あるいは2種を含有し、かつ
Nb+Ti:0.15〜0.5%ならびにNb+Ti:(C+N)×8以
上で、残部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴
とする溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス
鋼であり、あるいは必要に応じてこれにさらにCu:0.05
〜0.2%含有させたものである。
<作 用> 以下に本発明の組成割合の限定理由を具体的に説明す
る。
る。
C; Cは周知の如くCrと結合してCr炭化物を形成しやす
く、とりわけ溶接時の熱影響部に形成され、粒界腐食を
生じさせる。また成形性にも悪影響を及ぼすので、その
上限は0.01重量%(以下%で示す)とした。また、Cは
少なければ少ないほどこれら性質にとっては良いので特
に下限は設けない。
く、とりわけ溶接時の熱影響部に形成され、粒界腐食を
生じさせる。また成形性にも悪影響を及ぼすので、その
上限は0.01重量%(以下%で示す)とした。また、Cは
少なければ少ないほどこれら性質にとっては良いので特
に下限は設けない。
Si; Siは本発明を特徴づける重要な元素である。第1
図に、実験室的に溶製した小型鋼塊材を用いて公知の条
件で熱延,焼純,冷延,仕上焼純して、板厚1.0mmの仕
上焼純板を作製し、溶接電圧10V,溶接電流80〜90A,溶接
速度450〜600mm/minの条件下で1.6mmφのタングステン
電極を用いて、トーチ側は8/minArガス,裏ビード側
は1/min,Ar+1%O2ガス及びAr+10%O2ガスでシー
ルを行いながらTIG溶接(なめ付け溶接)し、裏ビート
側が試験面となるようにしたCASS試験(JIS−D−201)
16時間後の発誘の程度に及ぼすSi量の影響を示す。
図に、実験室的に溶製した小型鋼塊材を用いて公知の条
件で熱延,焼純,冷延,仕上焼純して、板厚1.0mmの仕
上焼純板を作製し、溶接電圧10V,溶接電流80〜90A,溶接
速度450〜600mm/minの条件下で1.6mmφのタングステン
電極を用いて、トーチ側は8/minArガス,裏ビード側
は1/min,Ar+1%O2ガス及びAr+10%O2ガスでシー
ルを行いながらTIG溶接(なめ付け溶接)し、裏ビート
側が試験面となるようにしたCASS試験(JIS−D−201)
16時間後の発誘の程度に及ぼすSi量の影響を示す。
発誘の程度(溶接部)は次のように評価した。
A:ほとんど発誘なし B:発誘程度小 C:発誘程度中 D:著しく発誘 Si量が1.0%以上となると著しく耐食性が良好となるこ
とがわかる。しかしながら、Si量が2.0%を超えると溶
接部の成形性や靭性,母材の引張特性が低下するので、
Siは1.0〜2.0%に限定される。
とがわかる。しかしながら、Si量が2.0%を超えると溶
接部の成形性や靭性,母材の引張特性が低下するので、
Siは1.0〜2.0%に限定される。
Mn; Mnも本発明の中で重要な元素である。即ち、Mn量
が0.5%を超えると、前述したようにSi量を1.0%以上加
えても、ほとんど溶接部耐食性の改善効果は認められな
いからである。したがってその上限は0.5%とした。ま
た、その量は低くても何ら不都合は生じないので特に下
限は設けない。
が0.5%を超えると、前述したようにSi量を1.0%以上加
えても、ほとんど溶接部耐食性の改善効果は認められな
いからである。したがってその上限は0.5%とした。ま
た、その量は低くても何ら不都合は生じないので特に下
限は設けない。
P; Pは耐食性を始めとして、靭性,成形性などに悪影
響を及ぼす元素であり、とりわけ0.04%を超えると顕著
となることから、上限は0.04%とした。また、その性質
上、少なければ少ない方が好都合であるので、特に下限
は設けない。
響を及ぼす元素であり、とりわけ0.04%を超えると顕著
となることから、上限は0.04%とした。また、その性質
上、少なければ少ない方が好都合であるので、特に下限
は設けない。
S; Sは耐食性とりわけ耐孔食性に有害な元素であり、
0.007%を超えると顕著となるため上限は0.007%とし
た。しかしながら、低すぎると溶接時の湯流れ性を低下
させるので、その下限は0.001%に限定される。
0.007%を超えると顕著となるため上限は0.007%とし
た。しかしながら、低すぎると溶接時の湯流れ性を低下
させるので、その下限は0.001%に限定される。
Cr: Crは耐食性に非常に有効な元素であり、通常はそ
の含有量に比例して効果を有するが、十分な耐食性を得
るには15%は必要であり、下限は15%とした。しかしな
がら、その含有量が多くなりすぎると、σ相などの脆い
金属間化合物が生成し靭性,延性が低下するなどの問題
が生じ易くなり、特に25%を超えるとそれが顕著となる
のでその上限は25%とした。
の含有量に比例して効果を有するが、十分な耐食性を得
るには15%は必要であり、下限は15%とした。しかしな
がら、その含有量が多くなりすぎると、σ相などの脆い
金属間化合物が生成し靭性,延性が低下するなどの問題
が生じ易くなり、特に25%を超えるとそれが顕著となる
のでその上限は25%とした。
Mo; Moも同様に耐食性に非常に有効な元素である。し
かも塩素イオン存在下の環境においては特に優れた性質
を有しており、その特性を十分に得るには最低1.0%は
必要なので、下限を1.0%とした。一方、同時に多量に
含有させると著しく素材を脆化させ、3.0%を超えると
顕著となることから上限は3.0%とした。
かも塩素イオン存在下の環境においては特に優れた性質
を有しており、その特性を十分に得るには最低1.0%は
必要なので、下限を1.0%とした。一方、同時に多量に
含有させると著しく素材を脆化させ、3.0%を超えると
顕著となることから上限は3.0%とした。
Al; Alは通常脱酸剤としてよく用いられており、その
作用を得るには最低0.005%程度は必要であり、下限を
0.005%とした。一方、多量に添加すると生じる介在物
が群状あるいは粗大なものとなり、成形性や耐食性を劣
化させるので上限は0.1%とした。
作用を得るには最低0.005%程度は必要であり、下限を
0.005%とした。一方、多量に添加すると生じる介在物
が群状あるいは粗大なものとなり、成形性や耐食性を劣
化させるので上限は0.1%とした。
N; NはCと同様に素材の成形性を始めとした機械的性
質に悪影響を及ぼすばかりか、溶接時の熱影響部にCr窒
化物を生成させ易く、その結果粒界腐食が生じるので、
その上限は0.01%とした。
質に悪影響を及ぼすばかりか、溶接時の熱影響部にCr窒
化物を生成させ易く、その結果粒界腐食が生じるので、
その上限は0.01%とした。
Nb,Ti; Nb,TiはCiよりも炭窒化物形成能が強い。従っ
て溶接時の熱影響部でのCr炭窒化物生成を抑制し、優れ
た耐粒界腐食性を得るには、その化学当量的な関係から
最低(C+N)×8以上のNb,Tiが必要であり、また製
鋼時の酸化物生成等を考慮すると0.15%以上となる。従
って下限は0.15%とした。また、その添加量が多くなる
と耐食性とりわけ耐孔食性が低下し、0.5%を超えると
顕著となることより、その上限は0.5%とした。また、N
b,Tiについては単独添加でも複合添加でも本発明は達せ
られるので、1種又は2種添加とする。
て溶接時の熱影響部でのCr炭窒化物生成を抑制し、優れ
た耐粒界腐食性を得るには、その化学当量的な関係から
最低(C+N)×8以上のNb,Tiが必要であり、また製
鋼時の酸化物生成等を考慮すると0.15%以上となる。従
って下限は0.15%とした。また、その添加量が多くなる
と耐食性とりわけ耐孔食性が低下し、0.5%を超えると
顕著となることより、その上限は0.5%とした。また、N
b,Tiについては単独添加でも複合添加でも本発明は達せ
られるので、1種又は2種添加とする。
C,N; C,Nは前述した如く、溶接時の熱影響部でのCr炭
窒化物の粒界析出による粒界腐食に対して有害であり、
この防止策としてTi,Nbが添加される。しかしながら、
C+Nが150ppmを超えると上述したようにTr,Nbを添加
してもその効果が少ないので、C+Nの上限は0.015%
とした。
窒化物の粒界析出による粒界腐食に対して有害であり、
この防止策としてTi,Nbが添加される。しかしながら、
C+Nが150ppmを超えると上述したようにTr,Nbを添加
してもその効果が少ないので、C+Nの上限は0.015%
とした。
Cu: Cuはステンレス鋼の耐銹性改善に有効な元素であ
り、また溶接部の耐食性改善にも有効な元素であるので
必要に応じて添加できる。しかし、その効果を得るには
最低0.05%が必要であり、下限は0.05%とした。添加量
が0.2%を超える溶接時に溶接部でCuが粒界に偏析しや
すくなり、脆化を招くので上限は0.2%とした。
り、また溶接部の耐食性改善にも有効な元素であるので
必要に応じて添加できる。しかし、その効果を得るには
最低0.05%が必要であり、下限は0.05%とした。添加量
が0.2%を超える溶接時に溶接部でCuが粒界に偏析しや
すくなり、脆化を招くので上限は0.2%とした。
本発明の組成の鋼の溶製は、転炉や電気炉,あるいはさ
らに真空脱ガス炉での精練が可能である。
らに真空脱ガス炉での精練が可能である。
このようにして溶製された鋼は、造塊−分解圧延,ある
いは連続鋳造によりスラブにされ、引続き熱間圧延,熱
延板焼純,酸洗,冷間圧延,仕上焼純,酸洗等の通常の
一連の工程を経て、製品板になる。
いは連続鋳造によりスラブにされ、引続き熱間圧延,熱
延板焼純,酸洗,冷間圧延,仕上焼純,酸洗等の通常の
一連の工程を経て、製品板になる。
<実施例> 以下に実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は
これに限られるものではない。
これに限られるものではない。
表1に示す化学成分の50Kg小型鋼塊を実験室的に溶製
し、公知の条件で熱間圧延,熱延板焼純,酸洗,冷間圧
延,仕上焼純,酸洗を行って板厚1.0mmの仕上焼純板を
作製し、以下の項目について調査した。
し、公知の条件で熱間圧延,熱延板焼純,酸洗,冷間圧
延,仕上焼純,酸洗を行って板厚1.0mmの仕上焼純板を
作製し、以下の項目について調査した。
母材の耐食性は孔食発生電位をJIS−G−0577により、
成形性についてはエリクセン試験をJIS−Z−2247によ
り求めた。
成形性についてはエリクセン試験をJIS−Z−2247によ
り求めた。
また溶接部の耐食性はCASS試験をJIS−D−201に従い、
裏ビート側を試験面となるように行い、成形性について
はエリクセン試験をJIS−Z−2247に従い、溶接部の表
面を#320番研摩後に、ビード部が中心となるように張
り出し、靭性についてはシャルピー衝撃試験をJIS−Z
−2242に従い、溶接ままで溶接部にVノッチを入れて試
験した。
裏ビート側を試験面となるように行い、成形性について
はエリクセン試験をJIS−Z−2247に従い、溶接部の表
面を#320番研摩後に、ビード部が中心となるように張
り出し、靭性についてはシャルピー衝撃試験をJIS−Z
−2242に従い、溶接ままで溶接部にVノッチを入れて試
験した。
なお、溶接部の特性を評価するに当たり、次のような条
件でTIG溶接(ナメ付け溶接)を行った。
件でTIG溶接(ナメ付け溶接)を行った。
溶接電圧 10V 溶接電流 80〜90A 溶接速度 450〜600mm/min 電極 1.6mmφタングステン電極 シールガス 表ビード側 Ar 8/min 裏ビード側 Ar+1%O2 1/min なお各試験の評価は次のように行った。
孔食発生電位:V′c100μA(vs Ag/AgCl)で評価 母材の成形性:エリクセン値(mm) 溶接部耐食性:16時間CASS試験後の発銹程度を下記の如
く評価 A:ほとんど発銹なし B:発銹程度小 C:発銹程度中 D:著しく発銹 溶接部成形性:エリクセン値(mm) 溶接部靭性:破面観察による延性−脆性温度(℃) 表2より明らかな如く、溶接部の耐食性にはSi添加の効
果が著しく、1.0%以上で大であり、またMnを低下させ
ることも必要であることがわかる。しかしながら(C+
N)量が0.015%を超えたり、TiあるいはNbまたは(Ti
+Nb)量が本発明成分より少ないと、たとえSi量が1.0
〜2.0%の範囲であっても十分な溶接部耐食性が得られ
ず、また成形性や靭性が劣ることもわかる。一方、Si量
が2.0%を超えると、溶接部成形性,靭性が低下するこ
ともわかる。また、Cu量が0.05〜0.2%の範囲のものに
ついては、溶接部耐食性は改善されていることがわかる
が、0.2%を越えると明らかに溶接部靭性,成形性が低
下することも明らかである。
く評価 A:ほとんど発銹なし B:発銹程度小 C:発銹程度中 D:著しく発銹 溶接部成形性:エリクセン値(mm) 溶接部靭性:破面観察による延性−脆性温度(℃) 表2より明らかな如く、溶接部の耐食性にはSi添加の効
果が著しく、1.0%以上で大であり、またMnを低下させ
ることも必要であることがわかる。しかしながら(C+
N)量が0.015%を超えたり、TiあるいはNbまたは(Ti
+Nb)量が本発明成分より少ないと、たとえSi量が1.0
〜2.0%の範囲であっても十分な溶接部耐食性が得られ
ず、また成形性や靭性が劣ることもわかる。一方、Si量
が2.0%を超えると、溶接部成形性,靭性が低下するこ
ともわかる。また、Cu量が0.05〜0.2%の範囲のものに
ついては、溶接部耐食性は改善されていることがわかる
が、0.2%を越えると明らかに溶接部靭性,成形性が低
下することも明らかである。
<発明の効果> 以上示したように、本発明鋼は母材,溶接部を含めた成
形加工性や靭性に優れており、とりわけ溶接部耐食性が
著しく改善されていることに特徴がある。したがって、
温水機やボイラー缶体を始めとした溶接構造用鋼として
十分な機能を備えた素材である。
形加工性や靭性に優れており、とりわけ溶接部耐食性が
著しく改善されていることに特徴がある。したがって、
温水機やボイラー缶体を始めとした溶接構造用鋼として
十分な機能を備えた素材である。
第1図はTIG溶接部耐食性に及ぼすSi量の影響を示す図
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、C:0.01%以下及びN:0.01%以下
でかつC+N:0.015%以下,Si:1.0〜2.0%,Mn:0.5%以
下,P:0.04%以下,S:0.001〜0.007%,Cr:15〜25%,Mo:1.
0〜3.0%,Al:0.005〜0.1%を含有し、Nb:0.15〜0.5%及
びTi:0.15〜1.5%の1種あるいは2種を含有し、かつNb
+Ti:0.15〜0.5%ならびにNb+Ti:(C+N)×8以上
で、残部はFe及び不可避的不純物からなることを特徴と
する溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス
鋼。 - 【請求項2】請求項1記載の成分に重量%で、Cu:0.05
〜0.2%を加えたことを特徴とする溶接性と耐食性に優
れたフェライト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63260673A JPH0762218B2 (ja) | 1988-10-18 | 1988-10-18 | 溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63260673A JPH0762218B2 (ja) | 1988-10-18 | 1988-10-18 | 溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02107744A JPH02107744A (ja) | 1990-04-19 |
JPH0762218B2 true JPH0762218B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=17351182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63260673A Expired - Fee Related JPH0762218B2 (ja) | 1988-10-18 | 1988-10-18 | 溶接性と耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762218B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4784239B2 (ja) * | 2005-02-28 | 2011-10-05 | Jfeスチール株式会社 | ティグ溶接用フェライト系ステンレス鋼溶加棒 |
JP2006241564A (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Nisshin Steel Co Ltd | 溶接構造物用フェライト系ステンレス鋼 |
JP5489504B2 (ja) * | 2009-03-26 | 2014-05-14 | 日新製鋼株式会社 | 溶接部の靭性に優れたステンレス鋼製溶接構造体および溶接用ステンレス鋼板 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5231919A (en) * | 1976-09-20 | 1977-03-10 | Kawasaki Steel Corp | Low carbon ferrite system c -stainless -stainless steel,having rust re sistance and supeior forming property |
JPS5938300B2 (ja) * | 1981-02-13 | 1984-09-14 | 住友金属工業株式会社 | 耐食性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼 |
JPS57156893A (en) * | 1981-03-23 | 1982-09-28 | Daido Steel Co Ltd | Welding material |
JPS5871356A (ja) * | 1981-10-23 | 1983-04-28 | Nippon Steel Corp | 耐食性を主とする使用性能がすぐれたフエライト系ステンレス鋼とその製造方法 |
JPS5983749A (ja) * | 1982-11-02 | 1984-05-15 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐候性フエライトステンレス鋼 |
-
1988
- 1988-10-18 JP JP63260673A patent/JPH0762218B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02107744A (ja) | 1990-04-19 |
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