JPH0762164B2 - ステンレス鋼の転炉スラグ流出防止方法 - Google Patents

ステンレス鋼の転炉スラグ流出防止方法

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JPH0762164B2
JPH0762164B2 JP1033694A JP3369489A JPH0762164B2 JP H0762164 B2 JPH0762164 B2 JP H0762164B2 JP 1033694 A JP1033694 A JP 1033694A JP 3369489 A JP3369489 A JP 3369489A JP H0762164 B2 JPH0762164 B2 JP H0762164B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、転炉を使用するステンレス鋼の精錬工程にお
いて転炉における酸素吹錬終了後の溶鋼の出鋼に伴つて
起こり易いスラグの流出をスラグの固化によつて防止す
るに当り、スラグの流出防止を確実に且つクロム排出に
よる損失を最小限に留めて実施することの出来る、ステ
ンレス鋼の転炉スラグ流出防止方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
転炉を使用するステンレス鋼の精錬例えば転炉−真空精
錬においては、転炉での酸素吹錬によつて溶銑の粗精練
が終了した後に、転炉を傾動させて出鋼口から溶鋼を取
鍋に出鋼する。このとき、転炉内の溶鋼の上にスラグが
浮いているので、出鋼時にスラグの一部が溶鋼と共に流
出し易い。このスラグはクロム酸化物及び鉄酸化物を多
量に含有しているため、取鍋内に流出させるスラグの量
が多いと、後続の精練において上記酸化物を還元するた
めのアルミニウムやシリコン等の脱酸剤の添加量を増加
することになつて、製品のコスト上昇と、アルミナ等の
介在物の増加による製品品質の低下をもたらす。
そこでこのようなステンレス溶鋼出鋼時のスラグの流出
防止が以前から種々の方法で図られている。その方法の
中で、スラグを塊状に固化する流出防止方法は有効であ
る。
従来、このようなスラグ固化による流出防止方法とし
て、転炉での酸素吹精中に炉内へ冷却材を投入し溶湯の
温度を低下させて酸素吹錬中に生成するクロム酸化物を
多くすることによつて高融点スラグをつくると共に、出
鋼前にCaOを投入してスラグの表面温度を下げることに
よりスラグを固化し、出鋼後にこの固化したスラグを排
滓する方法が採られてきた。
しかしながらこのような従来方法によると、スラグ中に
含まれて排出されるクロム酸化物の増加分はステンレス
鋼の溶銑を主とする主原料に由来するから、溶錬に使用
された高価なフエロクロム(Fe−Cr)の大きな損失とな
り、製造コストが上昇するという欠点があつた。また、
上記のようにして酸素吹錬により生成させたクロム酸化
物の量にはバラツキがあるため、スラグ中のクロム酸化
物の濃度が或る場合には必要以上に高くなつてクロムの
損失が大きくなつたり、逆に他の場合には低すぎるため
にスラグが固化しないことがあつたりして、スラグ流出
防止が必ずしも確実ではない欠点があつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記従来技術の欠点を解消し、転炉からのステ
ンレス溶鋼の出鋼時におけるスラグ固化によるスラグの
流出防止方法を確実に且つクロム酸化物の排出による損
失を最小限に留めて実施することが可能なように構成す
ることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は種々検討した結果、通常の酸素吹錬が終了
してからCr2O3としてクロム鉱石を投入することによ
り、更に好ましくは酸素吹錬終了後のスラグのCaO,SiO2
及びCr2O3の濃度とCaO−SiO2−Cr2O3の3元系状態図と
からズラグを高融点化するために必要なクロム酸化物の
量を知つてその分のクロム鉱石を投入することにより、
上記課題を解決出来ることを究明して本発明を成した。
以下、本発明に係るステンレス鋼の転炉スラグ流出防止
方法を詳細に説明する。
本発明は、転炉を使用するステンレス鋼の精錬工程にお
いて、転炉におけるステンレス鋼の溶銑を主とする主原
料にスラグの塩基度(CaO/SiO2)が所定値となるだけの
CaOを共存させて通常の酸素吹錬を終了した後に、スラ
グの目標融点を設定し、該目標融点とするためのクロム
鉱石の投入量を、次式 W2=100W1/ACaO ……(1) ここに、 W1:投入したCaOの重量(kg) W2:クロム鉱石投入前のスラグ重量(kg) W3:クロム鉱石投入前のCaO,SiO2及びCr2O3の重量の和
(kg) D:クロム鉱石中の(%Cr2O3) E:クロム鉱石中の(%Cr2O3)+(%CaO)+(%SiO2X:投入するクロム鉱石の重量(kg) から求めた量だけ投入してスラグを高融点化して固化さ
せた状態にしてスラグの流出防止を図りステンレス溶鋼
を出鋼する方法である。
塩基度としては一般的には1.7〜2.0が採られている。Ca
Oを投入して共存させる前に主原料(溶銑のみの場合は
その溶銑)のSiO2濃度(通常CaOは含んでいない)を測
定してから所定の塩基度となるようにCaOの投入値を定
めることは当然である。また、CaOを主原料に投入する
時期は吹錬前でも吹錬中でも良い。
クロム鉱石とは通常、資源として価値ある唯一のクロム
鉱石であるクロム鉄鉱(chomite)を指している。クロ
ム鉱石中のCr2O3の含有量は、クロム鉄鉱の化学式FeCr2
O4の中のCr2O3成分の理論値68%を最高として凡そ40%
以上であり、Ca,Siは非常に僅かにしか含有していな
い。クロム鉱石の形態は、粒径10mm程度以下の粒状に粉
砕したものが好ましい。このようなクロム鉱石を通常の
酸素吹錬終了後に投入すれば、Cr成分濃度は間違いなく
上昇するが、CaO,SiO2濃度は殆ど変わらず、従つてスラ
グの融点は確実に高くなつて固化する。
また一方ではクロム鉱石の投入によつてスラグは冷却さ
れて温度が低下するので、その固化を一層確実にするの
である。
投入量については、一般的には小規模な予備テストによ
つて融点がほぼ目標値となるように適正量を定めること
が出来る。スラグの目標融点の1例を示すと、通常転炉
の酸素吹錬終了後のステンレス溶鋼温度は約1,800℃
で、スラグはそれより20〜100℃高い約1820〜1900℃で
あるから、スラグを高融点化させる目標融点は約2,000
℃が適当である。
このようにスラグを高融点化させるのに使用するクロム
鉱石は、通常のクロム原料として使用するために行うク
ロム鉄鉱に対する加工度より低く、安価である。
次に上記の転炉スラグ流出防止方法において、目標融点
とするためのクロム鉱石の投入量を予備テストによらな
いで知つて投入する場合について説明する。
第1図はこの方法に使用するCaO−SiO2−Cr2O33元系状
態図である。
上記投入量を知るのは次の3つの式からである。
W2=100・W1/ACaO ……(1) ここに、 W1:共存させたCaOの重量(kg) W2:クロム鉱石投入前のスラグ重量(kg) W3:クロム鉱石投入前のスラグ中のCaO,SiO2及びSr2O3
重量の和(kg) D:クロム鉱石中の(%Cr2O3)〔Cr2O3成分濃度(重量
%)、以下においてCrO及びSiO2について同じ〕 E:クロム鉱石中の(%Cr2O3),(%CaO)及び(%Si
O2)の和 X:クロム鉱石の投入量 先ず、酸素吹錬が終了した時点でスラグを分析してクロ
ム鉱石投入前のスラグのCaO、SiO2及びCr2O3各成分濃度 をそれぞれ求める。
次に式(1)に投入しCaO量W1(kg)と上記ACaOとを代
入してクロム鉱石投入前のスラグ重量W2(kg)を求め、
続いて式(2)より上記スラグ中の上記3成分の重量の
和W3(kg)を求める。
本発明では、上記スラグにCr2O3分としてクロム鉱石を
投入して融点を高めようとするのであるが、クロム鉱石
にはCaO及びSiO2は殆ど含まれていないから、クロム鉱
石投入後もCaO/SiO2は投入前の つまり所定の塩基度と殆ど同じとして差し支えない。従
つてクロム鉱石投入後のCaO−SiO2−Cr2O33元系混合物
のうちのCaO/SiO2は投入前と変わらないとして差し支え
ない。
ところで、CaO−SiO2−Cr2O33元系状態図(3元組成と
融点とが示されている)は第1図に示すように知られて
いる(例えば“PHASE EQUILIBRIAAMONG OXIDES IN STEE
LMAKING"第124頁ARNULFMUAN及びE.F.OSBORN著,ADDISON
−WESLEYPUB−LISHING COMPANY,INC.,1965年発行参照) から、この状態図から(%CaO)/(%SiO2)が と同じで且つ融点が目標値であるときのCaO−SiO2−Cr2
O3組成からCr2O3の重量%Gを読み取り、このGとクロ
ム鉱石の3成分分析値とから式(3)によりクロム鉱石
の投入量X(kg)を知ることが出来るのである。
このようにして得られたXkgのクロム鉱石を前記と同様
に通常の酸素吹錬を終了した転炉に投入してスラグを固
化させることが出来る。この方法によれば、予備テスト
の手間を要することなく、スラグの所望の高融点を種々
に設定しても必要なクロム鉱石投入量を容易に求めるこ
とが出来る。従つて、設定すべき高融点を広い範囲から
選択することが容易となり、一層確実にスラグの流出を
防止することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明方法で3元系状態図を使用する場合につい
て、実施例により具体的に説明する。
70トン転炉にSUS430の溶銑を装入後、スラグの塩基度が
2となるようにCaOを1200kg(W1)投入し、酸素吹錬を
開始した。酸素吹錬終了後、スラグをサンプリングして
分析を行つたところ、CaO40%(ACaO), 及び であつた。このスラグ組成は、第1図の3元系状態図で
はK点となり、スラグの融点は約1850℃であつた。転炉
内を観察すると、スラグは流動状態にあり、固化してい
なかつた。
このスラグを固化させるために目標融点を2000℃に設定
して、先ずクロム鉱石投入前のスラグ量(W2)を、CaO
投入量(W1)及びACaOの値を用いて式(1)から算出す
ると、3000kgであつた。次にCaO,SiO2及びCr2O3の3成
分中のCaO/SiO2が2.0であつて融点が2000℃である3元
系混合物の組成を3元系状態図から求めるとL点であ
り、このL点のCr2O3成分濃度(G)は約50%であつ
た。使用したクロム鉱石の分析値は次の通りであつた。
このクロム鉱石投入後のスラグの3成分が第1図のL点
の組成となるように式(2),(3)を用いてクロム鉱
石の投入量(X)を算出すると、2100kgであつた。そこ
でこれだけの量のクロム鉱石を投入した際、再びスラグ
をサンプリングして分析を行つたところ、CaO24.1%、S
iO212.8%、Cr2O335.9%であり、 は、0.49となつた。また、サンプルの融点は約2005℃で
あつた。
転炉内を観察すると、スラグが塊状になり、固化してい
た。その後、ステンレス溶鋼を出鋼したがスラグの流出
は殆ど認められなかつた。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明方法に係るステンレス鋼の転
炉スラグ流出防止方法は、ステンレス溶鋼の転炉からの
出鋼時にスラグを固化してその流出を防止するためのス
ラグの高融点化を、通常の酸素吹錬を終了してからクロ
ム鉱石を投入するように、更には目標の高融点を設定し
てCaO−SiO2−Cr2O33元系状態図から投入量を予知して
クロム鉱石を投入するように構成したことにより、スラ
グ中の(%Cr2O3)を調整して所望の高融点とすること
が極めて容易となり、スラグを確実に固化してその流出
を防止することが出来、従つて本発明方法を実施するこ
とにより以下に述べる効果を生じる。
(1)アルミニウムやシリコン等の脱酸剤の添加量が減
少し、製品の品質がアツプする。
(2)従来は、Fe−Cr等の高価なクロム源を用いたクロ
ムを酸化して高融点スラグ組成にしていたが、本発明方
法では安価なクロム源であるクロム鉱石によりスラグ組
成の調整を行うので製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はCaO−SiO2−Cr2O33元系状態図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼の溶銑を主とする主原料を転
    炉によつて酸素吹錬終了後に転炉中のスラグを固化させ
    ることによりスラグの流出を防止してステンレス溶鋼を
    出鋼するに際し、前記主原料にスラグの塩基度が所定値
    となるだけのCaOを共存させて酸素吹錬を終了した後
    に、スラグの目標融点を設定し、該目標融点とするため
    のクロム鉱石の投入量を、次式 W2=100W1/ACaO ……(1) ここに、 W1:投入したCaOの重量(kg) W2:クロム鉱石投入前のスラグ重量(kg) W3:クロム鉱石投入前のCaO,SiO2及びCr2O3の重量の和
    (kg) D:クロム鉱石中の(%Cr2O3) E:クロム鉱石中の(%Cr2O3)+(%CaO)+(%SiO2X:投入するクロム鉱石の重量(kg) から求めた量だけ投入してスラグを高融点化し固化させ
    ることを特徴とするステンレス鋼の転炉スラグ流出防止
    方法。
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JPS602616A (ja) * 1983-06-16 1985-01-08 Nisshin Steel Co Ltd 高クロム鋼溶製転炉の耐火物保護方法
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JPS6436717A (en) * 1987-07-31 1989-02-07 Nippon Steel Corp Method for preventing flowing-out of slag in converter

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