JPH0761A - 灌水装置 - Google Patents

灌水装置

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JPH0761A
JPH0761A JP31246293A JP31246293A JPH0761A JP H0761 A JPH0761 A JP H0761A JP 31246293 A JP31246293 A JP 31246293A JP 31246293 A JP31246293 A JP 31246293A JP H0761 A JPH0761 A JP H0761A
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Katsuyoshi Ishii
勝嘉 石井
Takahisa Murata
卓久 村田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 植木鉢等の土中へ液体、例えば水や養液を長
期間適切に灌水すること。 【構成】 灌水装置は、筒状に形成された少なくとも一
つの紙管5の両端を閉塞部材2,2により実質的に密封す
るよう形成されており、その紙管5の中に液体を注入す
るよう構成されている。液体が注入された灌水装置は、
植木鉢等の土中に埋設され、その液体が紙管5の壁に浸
透して土中へ供給されていく。 【効果】 簡単な構成で植木鉢等の土中に適切な量の液
体を連続的にかつ安定的に長期間供給することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植木鉢、プランター等
に植えられた植物に対する水やりを自動的に行うための
灌水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植木鉢に植えられた観葉植物や草花等の
植物に水やりを行う場合、植物の種類、植木鉢の大き
さ、季節等によって水やりの回数およびその灌水量は異
なるものであり、特に、日当り、風通しともに良好なベ
ランダ等に通気性の良い植木鉢等を置くと、土がすぐに
乾いてしまい水やりの回数をさらに増やさなければなら
なかった。また、ベランダや窓辺等の階上で水やりを行
う場合には、階下の人物や品物等に水がかからないよう
に細心の注意を必要とした。このため、植木鉢等に植え
られた観葉植物や草花等の植物への水やりは、非常に煩
雑で面倒な作業であった。従来の灌水装置としては、予
め指定された植木鉢等に所定量の水を自動的に水やりを
行う自動灌水装置があった。この自動灌水装置は、タイ
マー等の電気回路を有して指定時間毎に一定量の水を該
当する植木鉢等に自動的に灌水するよう構成したもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動灌水装置は
上記のように構成されているので、駆動電源を必要と
し、かつ自動的に必要量の水を灌水するために複雑な機
構を設けねばならなかった。本発明は上記のような問題
点を解消するためになされたもので、簡単な構造で所望
の液体を植木鉢等の土中に適切な量だけ灌水することの
できる、取扱いの容易な灌水装置を得ることを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る灌水装置
は、液体が浸透する紙材により筒状に形成された紙管
と、前記紙管の両端を実質的に閉塞して、前記紙管の内
部に液体を保持させる閉塞部とを具備する。
【0005】
【作用】本発明における灌水装置は、筒状に形成された
紙管の両端が閉塞部により実質的に閉塞されており、こ
の紙管内部には液体、例えば水又は養液が注入される。
この液体が注入された灌水装置が植木鉢等の土又は人工
土中に埋設され、紙管内部の液体が紙管の壁面から植木
鉢等の土中に徐々に浸透していく。
【0006】
【実施例】
実施例1 以下、本発明の灌水装置の実施例1を図を参照して説明
する。図1は実施例1の灌水装置を植木鉢等、例えばプ
ランタ7に設けたところを示す、側面図であり、図2は
図1の灌水装置の一部を拡大して示した断面図である。
図1に示すように、実施例1の灌水装置1は、円筒状の
2つの紙管5,5と、これらの紙管5,5を実質的に直線状に
接続する接続部4と、接続された紙管5,5の両端を閉塞
する閉塞部2,2を有している。また、前記閉塞部2,2およ
び接続部4には通液部3,3,3がそれぞれ設けられてお
り、これらの通液部3,3,3は止め具6,6,6により閉塞部2,
2及び接続部4から導出するように固定されている。こ
れらの通液部3,3,3は、本出願人が特許権(特許第16729
12号)を有する液体供給装置において用いたものであ
り、金属製芯材に金属製巻線材を巻き付けて構成されて
いる。この通液部3,3,3は、微量の液体を連続的にかつ
安定的に供給することを可能とするものであり、通液部
3,3,3の巻線の巻付け強度を調整したり、隣接する間隔
を調整したりすることにより、通液量を微妙に調節する
ことができるものである。
【0007】図1に示すように、閉塞部2,2には管状に
形成された注水部2a,2aが設けられており、各注水部2a,
2aはプランタ7に埋設された灌水装置1の閉塞部2,2か
ら上方に突出するようにそれぞれ配設されている。すな
わち、灌水装置1が植木鉢等の土(人工土を含む)10の
中に埋設されたとき、注水部2a,2aの開口端部2b,2bが外
気中に突出して、紙管5の内部空間が外気と連通するよ
うに構成されている。この注水部2a,2aは、灌水装置1
の紙管5,5の内部へ水又は養液等の液体を供給するため
に用いられ、その開口端部2b,2bに漏斗等を装着して所
望の液体を注入する。 上記のように構成された実施例
1の灌水装置1に水又は養液等の液体9を一方の注水部
2aから供給する場合、図2の断面図に示すように、他方
の注水部2aに水位検出棒11を挿入して、この水位検出棒
11を紙管5内の液面に浮かべ、紙管5内の液面の位置を
検出しながら紙管5内へ液体9を注入するよう構成され
ている。したがって、上記水位検出棒11に目盛り等の印
を付けることにより、液体9の水位を所望の高さに正確
に調整することができる。
【0008】図3は実施例1の灌水装置1の分解斜視図
である。図3に示すように、この灌水装置1は所定長
(例えば500mm)を有する同じ構成の紙管5,5を2つ用い
て形成したものであり、2つの紙管5,5は閉塞部2,2と接
続部4に公知の接着剤を用いて接着されている。実施例
1の灌水装置において用いられた紙管5は、5層構造で
構成されており、紙管5の内面から第1層、第2層、第
3層 ---と呼称すると、その紙材の詳細は下記の通りで
ある。 第1層 --- 段ボール用ライナ(JIS p3902 , B級 ,表
示坪量: 180 g/m2 ,紙厚: 0.2 mm) 第2層 --- 紙管用紙(B級 ,緊度: 0.7 g/cm3 ,紙
厚: 0.7 mm) 第3層 --- 紙管用紙(B級 ,緊度: 0.7 g/cm3 ,紙
厚: 0.5 mm) 第4層 --- 紙管用紙(B級 ,緊度: 0.7 g/cm3 ,紙
厚: 0.5 mm) 第5層 --- 段ボール用ライナ(JIS p3902 , B級 ,表
示坪量: 180 g/m2 ,紙厚: 0.2 mm) なお、緊度とは単位面積当たりの質量を厚さで除した数
値である。紙管5の紙材としては水中に浸漬したときそ
の水のpH値を変えない実質的中性のものが好ましい。
【0009】実施例1における紙管5は、上記規格の60
mm幅の紙材をスパイラル状に巻付けて形成したものであ
り、使用接着剤は酢酸ビニールが主で、少量のアクリル
系の接着剤を混合して構成されている。なお、実施例1
における紙管5は、内径が60mmで長さ500mmの形状のも
のを使用しており、一本の紙管5の満水状態は約1400cc
である。上記規格の紙管5を満水状態で、プランタ7の
土中で使用した場合には、約120〜390cc/日の液量が紙
管5の表面から土中へ給水されることが実験により確認
されている。このため、上記紙管5内に満たされた液体
9は、約4〜10日間連続的にかつ安定的にプランタの土
中に灌水される。なお、紙管表面から土中へ浸透してい
く単位時間当たりの液量は、紙管表面に接触する土の種
類や密度や季節によって異なり、また植物の根との接触
状態によっても異なる。しかし、紙管5内の液体9は、
用いられる植木鉢等の土10が水分の平衡状態になるまで
連続的に浸透していく。
【0010】実施例1の灌水装置1において、閉塞部2,
2と接続部4には通液部3,3,3がそれぞれ設けられている
ため、紙管5内に満たされた液体9は、最初、通液部3,
3,3及び紙管5の壁面を通してプランタ7の土中へ供給
される。そして、紙管5内の液面位置が通液部3,3,3の
設置位置より低くなったとき、液体9は紙管5の壁面の
みから土中へ浸透していく。すなわち、上記のように液
面が通液部3の設置位置より低い状態のとき、紙管5に
浸透した液体9のみが土中へ連続的に供給されるよう構
成されている。したがって、紙管5内の液面の位置によ
って、液体9の土中への供給量が異なるため、液面の位
置を前述の水位検出棒11で調整することにより季節や気
候等に適応した適切な水やりを行うことが可能となる。
【0011】なお、上記実施例1では接続部4を一つ用
いて2つの紙管5,5を接続したもので説明したが、本発
明の灌水装置は、紙管5が2つに限定されるものではな
く、複数の接続部4を用いて長尺物の植木鉢等に適応で
きるように複数の紙管5を接続して構成することができ
る。図4は、実施例1の灌水装置に用いられる接続部の
変形例を示す斜視図である。図4に示されているよう
に、この接続部40は、2つの紙管5,5を実質的に直角に
接続するように形成されており、植木鉢等の大きさや形
状に応じて灌水装置1の複数の紙管5をL字形状や、コ
字形状や、ロ字形状に接続して、所望の大きさの灌水装
置1に構成することができる。
【0012】実施例2 以下、本発明の灌水装置の実施例2を図を参照して説明
する。図5は実施例2の灌水装置20を一部破断して示す
斜視図である。実施例2において、前述の実施例1と同
じ構造、機能を有するものには同じ符号を付してその説
明を省略する。図5に示すように、実施例2の灌水装置
において、円筒状の紙管5の両端は閉塞部12,12により
実質的に閉塞されており、この紙管5から注水管13が鉛
直上方向に突設されている。注水管13は、紙管5と実質
的に同じ材料により円筒状に形成されており、紙管5の
上面に穿設された孔内面を上下に摺動できるように配設
されている。少なくとも一方の閉塞部12には可撓性材
料、例えばゴム等の管により形成された、通気管14が設
けられており、この通気管14により紙管5の内部空間と
外部空間は連通されている。
【0013】実施例2の灌水装置20における紙管5の内
部には、円筒状の補強部品15が配設されている。補強部
品15は合成樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン
等により形成されており、この補強部品15には複数の孔
15aが穿設されている。このように、紙管5の内部に孔1
5aを有する補強部品15が配設されていることにより、液
体の浸透による軟化した紙管5は植木鉢等の土からの圧
力に抗して所定の形状に保持されている。上記のように
構成された実施例2の灌水装置20を植木鉢等、例えばプ
ランタの土中に埋設して灌水する場合において、前記注
水管13と通気管14のそれぞれの開口端部13a,14aは土中
から外気へ突出するように配置される。このため、灌水
装置20の紙管5はその内部空間が外気と連通するように
埋設される。このとき、注水管13は、埋設された深さに
応じて、紙管5の直径より少し短い長さの範囲で上下に
移動されて、注水管13の開口端部13aは所望の高さに調
節される。また、通気管14はゴム管等の屈曲可能な材料
により構成されているために、この通気管14の開口端部
14aは容易に所望の位置に設定できる。このように埋設
された灌水装置20に液体、例えば水や養液を注水部13か
ら入れることにより、前述の実施例1と同じように、プ
ランタの土中にその液体は連続的に供給される。
【0014】図6は、実施例2の灌水装置20に、紙管5
内の水位を監視するための透明ビニル管16を設けた灌水
装置30を示した側面断面図である。図6に示すように、
灌水装置30は、閉塞部12から導出した透明ビニル管16が
プランタ7の台部側壁を貫通して、その開口端部16aが
プランタ7の縁部に掛止されるように構成されている。
この透明ビニル管16の開口端部16aは、その内部に針金1
7が配設されており、プランタ7の縁部等に掛止できる
ように可塑性を有している。上記のように構成された図
6に示す灌水装置において、注水部13から液体9が注入
されると、紙管5内の液体9の水位は透明ビニル管16内
の水位により容易に検出できる。このために、紙管5内
の液体9の水位を所望の高さに正確に調整できるととも
に、その水位を常時確認することが容易にできる。
【0015】なお、上記実施例1及び実施例2の灌水装
置は、円筒状の紙管を土中に横置きしたもので示した
が、他の実施例の灌水装置として、一端が閉塞された円
筒状の紙管を下側にして土中に縦置きにし、開口端部を
外気中に配置することにより、この開口端部から注入さ
れた液体を土中へ紙管を通して灌水するように構成する
ことができる。さらに、別の実施例として、灌水装置の
紙管を円錐状に形成して、土中への挿入を容易な形状と
し、かつ紙管の円錐状の底面側を外気中の開口端部とす
ることにより、この灌水装置は注入作業の容易なものと
なる。
【0016】なお、本発明の灌水装置において、長期間
養液が浸透していた紙管5にはある程度の肥料が含まれ
ているため、長期間使用した紙管は細かく分割されて用
土の一部として用いることができる。また、本発明の灌
水装置の紙管は段ボール用ライナ等の紙材を用いている
ため、紙材として再生紙を用いることができ、資源の有
効利用を図ることができる。植木鉢には、プラスチック
製のものと素焼きのもの等があり、上記実施例ではプラ
スチック製のプランタ7を用いて説明したが、素焼きの
植木鉢等に用いることもできる。特に、素焼きの植木鉢
は通気性が良く土の乾きが早いため、本発明の灌水装置
を素焼きの植木鉢に用いる場合には、本発明の灌水装置
の特徴である連続的に灌水できるという効果を有効に利
用することができる。
【0017】また、本発明の灌水装置において、植木鉢
等に植えられる植物に適応した粉体肥料等を予め紙管内
に入れておくことにより、当該灌水装置の使用者は単に
水を紙管内へ注入するだけで該当する植物に適応した養
液を土中へ灌水することが可能となる。さらに、本発明
の灌水装置において、植物の種を水溶性の接着材に混合
して紙管の上部外面に塗布又は植え付けることにより、
本発明の灌水装置は使用者の種付け作業を不要とする装
置となる。なお、本発明の灌水装置を示す前述の各実施
例は、植木鉢等に用いて植物の生成のために用いている
もので示したが、すずむし、かぶとむし等のむしかご内
の土中に適度の湿気を与えてその成育環境を良好にする
ために用いることもできる。
【0018】
【発明の効果】以上のようにこの発明の灌水装置によれ
ば、簡単な構成で植木鉢等の土中に適切な量の液体、例
えば水や養液を連続的にかつ安定的に長期間供給するこ
とができるとともに、この発明の灌水装置の主要な構成
要素が紙材により構成されているため、取り扱いが非常
に容易で省資源的であり、かつ非常に安価に製作できる
灌水装置を得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の灌水装置の実施例1をプランタに用い
たところを示す側面図。
【図2】図1の灌水装置の一部を拡大して示した断面
図。
【図3】図1の灌水装置の分解斜視図。
【図4】本発明の灌水装置に用いられる接続部を示す斜
視図。
【図5】本発明の灌水装置の実施例2を一部破断して示
す斜視図。
【図6】図5の実施例2の灌水装置の変形例を示す断面
図。
【符号の説明】
1 灌水装置 2 閉塞部 3 通液部 4 接続部 5 紙管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が浸透する紙材により筒状に形成さ
    れた紙管と、 前記紙管の両端を実質的に閉塞して、前記紙管の内部に
    液体を保持させる閉塞部とを具備し、 土中に埋設される灌水装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも一本の金属製の芯材と、その
    周囲に金属製の線材を螺旋状に巻付けて形成した少なく
    とも一層の巻線層とを有する通液部を、上記閉塞部から
    導出するように設けた請求項1記載の灌水装置。
  3. 【請求項3】 管状に形成された注水部が上記閉塞部又
    は上記紙管から導出するよう設けられており、当該灌水
    装置が土中に埋設されたとき、この注水部の開口端部が
    外気中に配設される請求項1又は請求項2記載の灌水装
    置。
  4. 【請求項4】 筒状に形成され、複数の孔を有する補強
    部品が上記紙管内部に配設された請求項1、請求項2又
    は請求項3記載の灌水装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも2つの紙管を有しており、当
    該少なくとも2つの紙管を接続部により連通するように
    接続した請求項1、請求項2又は請求項3記載の灌水装
    置。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62275625A (ja) * 1986-05-23 1987-11-30 応用地質株式会社 植物への水分供給装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62275625A (ja) * 1986-05-23 1987-11-30 応用地質株式会社 植物への水分供給装置

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