JPH0761909A - ラノリン脂肪酸類の精製成分を含有する頭髪用化粧料 - Google Patents

ラノリン脂肪酸類の精製成分を含有する頭髪用化粧料

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JPH0761909A
JPH0761909A JP8191693A JP8191693A JPH0761909A JP H0761909 A JPH0761909 A JP H0761909A JP 8191693 A JP8191693 A JP 8191693A JP 8191693 A JP8191693 A JP 8191693A JP H0761909 A JPH0761909 A JP H0761909A
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hydroxy fatty
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fatty acids
hydroxy
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JP8191693A
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English (en)
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Toshiyuki Kawasaki
俊行 川崎
Isao Kato
功 加藤
Takechika Noda
健爾 野田
Masakatsu Osaki
雅勝 大崎
Hidekazu Naeshiro
英一 苗代
Hideya Ando
秀哉 安藤
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YOSHIKAWA SEIYU KK
Sunstar Inc
Original Assignee
YOSHIKAWA SEIYU KK
Sunstar Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラノリン脂肪酸中のヒドロキシ脂肪酸と非ヒ
ドロキシ脂肪酸とを分離して得られる脂肪酸成分を含有
する頭髪用化粧料を提供する。 【構成】 ラノリン脂肪酸類をホウ酸処理して、これに
含有されるヒドロキシ脂肪酸成分をホウ酸エステルと
し、次いで減圧蒸留してヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エス
テル成分と非ヒドロキシ脂肪酸成分とを分離精製する。
更に、上記ホウ酸エステル成分を加水分解し、次いで減
圧蒸留して、α−ヒドロキシ脂肪酸成分及びω−ヒドロ
キシ脂肪酸成分を得る。本発明の頭髪用化粧料は、こう
して得られた非ヒドロキシ脂肪酸成分、α−ヒドロキシ
脂肪酸成分及び/又はω−ヒドロキシ脂肪酸成分を有効
成分として含有する。 【効果】 ラノリン脂肪酸特有の獣臭のないほぼ無臭で
淡色の脂肪酸を含有する頭髪用化粧料が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラノリン脂肪酸類の精
製成分を含有する頭髪用化粧料に関する。より詳しく
は、ラノリン脂肪酸、ラノ及びリン脂肪酸の炭素数1〜
4の低級アルコールのエステルからなるラノリン脂肪酸
類に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分(ヒドロキシ脂肪
酸及びヒドロキシ脂肪酸の炭素数1〜4の低級アルコー
ルのエステル)と、非ヒドロキシ脂肪酸成分(非ヒドロ
キシ脂肪酸及び非ヒドロキシ脂肪酸の炭素数1〜4の低
級アルコールのエステル)とを分離し、更に所望によ
り、上記ヒドロキシ脂肪酸成分からα−ヒドロキシ脂肪
酸成分及びω−ヒドロキシ脂肪酸成分を分離、精製する
ことにより得られる脂肪酸成分を含有する頭髪用化粧料
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、羊毛の表面に分泌される羊毛脂
を鹸化分解して得られるラノリン脂肪酸は、その約2/
3がイソ及びアンテイソの非ヒドロキシ脂肪酸からな
り、残りの約1/3がヒドロキシ脂肪酸で、通常の天然
脂肪酸に多く見られるノルマル脂肪酸は非常に少なく、
偶数酸と奇数酸とをほぼ同程度の割合で含有している。
その典型的な組成を表1に示す。
【0003】
【表1】
【0004】ラノリン脂肪酸中に約30〜35%(重量
%、以下、特に断らない限り、%はいずれも重量%を意
味する)の割合で含まれている炭素数10〜36のヒド
ロキシ脂肪酸の主成分は、炭素数16のα−ヒドロキシ
脂肪酸である。乳酸、クエン酸、酒石酸等の短鎖のヒド
ロキシ脂肪酸は、乳化性、保湿性等に優れているほか、
アトピー性皮膚炎、魚燐癬、老化によるシワ減らし等に
効能が認められている。しかし、長鎖のヒドロキシ脂肪
酸の作用は全く知られていない。また、ラノリン脂肪酸
中に含まれる他のヒドロキシ脂肪酸成分であるω−ヒド
ロキシ脂肪酸は、角質層の水分保持機能の重要な鍵とさ
れるo−アシルセラミド類(o−acylceramides)の構
成成分である。しかし、ω−ヒドロキシ脂肪酸及びその
低級アルコールエステルそれ自体の作用は知られていな
い。このように、α−ヒドロキシ脂肪酸、ω−ヒドロキ
シ脂肪酸及びそれらの誘導体は、医薬品、化粧品、外用
薬等の分野をはじめとして、界面活性剤、ワックスまた
は潤滑用グリース等の分野においても各種の用途に用い
られており、その利用は今後ますます増大するものと考
えられる。しかし、現在一般に使用されている長鎖のヒ
ドロキシ脂肪酸は12−ヒドロキシステアリン酸であ
り、長鎖のα−型及びω−型の各々濃縮された脂肪酸は
供給されていない。
【0005】従来、ラノリン脂肪酸は、ラノリンアルコ
ールに比べて、その独特の獣臭と色の濃さゆえに、化粧
品業界ではむしろ敬遠されがちであった。そこで、これ
らの問題点を克服し、しかもその構成成分である上記ヒ
ドロキシ脂肪酸と非ヒドロキシ脂肪酸とを分離する技術
及びその用途開発が、斯界で望まれている。
【0006】ラノリン脂肪酸の獣臭と色の濃さを克服す
る方法としては、従来、減圧蒸留法が採用されている
が、この方法ではヒドロキシ脂肪酸と非ヒドロキシ脂肪
酸とを分離することはできない。一般的なラノリン脂肪
酸の蒸留では非ヒドロキシ脂肪酸成分とヒドロキシ脂肪
酸成分とを分離することができず、例えば、初留3%を
除去した後、収率26%で得られた蒸留脂肪酸は非ヒド
ロキシ分岐脂肪酸としては57.3%、ヒドロキシ脂肪
酸としては18.8%の組成であり、融点は48.4℃で
あった。同様に、収率68%の蒸留脂肪酸は非ヒドロキ
シ分岐脂肪酸としては57.5%、ヒドロキシ脂肪酸と
しては20.7%の組成であり、融点は52.9℃であっ
た。このように、通常の蒸留はヒドロキシ脂肪酸の含有
量を60%以上にすることはできない。また、ラノリン
脂肪酸の溶剤分別で低融点部分と高融点部分とを分画し
た場合についても、低融点分画(融点40℃以下)のラ
ノリン脂肪酸のヒドロキシ脂肪酸成分の含有量は13〜
30%であり、溶剤分別の方法によってもヒドロキシ脂
肪酸成分と非ヒドロキシ脂肪酸成分を分離することはで
きない。
【0007】更に、ラノリン脂肪酸からヒドロキシ脂肪
酸を分離する方法としては、ラノリン脂肪酸をメチルエ
ステルに変換し、ベンゾール−石油エーテルに溶解した
後、アルミナカラムを用いて吸着分離する方法、ラノリ
ン脂肪酸のエチルエステルやメチルエステルを、石油ベ
ンジンを溶剤としてクロマトカラムで溶出分離する方
法、アルミナ懸濁法等によって分離精製する方法、多段
階の液液抽出によってヒドロキシ脂肪酸を分離する方法
等が提案されているが、これらはいずれもなお、生産性
が低く実用的ではない。
【0008】また、その用途において、特開平4−16
4014号には、融点40℃以下で炭素数が19以下の
イソ及びアンテイソ脂肪酸を合計30%以上含有し、低
融点ラノリン脂肪酸が毛髪用化粧料として効果のあるこ
とが開示されている。しかし、この文献に開示の技術
は、非ヒドロキシ脂肪酸とヒドロキシ脂肪酸とを分離せ
ずに、混合物のままで利用する技術であり、しかも、炭
素数19以上のイソ及びアンテイソ脂肪酸を合計30%
以上含有するものの融点は必然的に40℃以下になると
いう事実からすれば、融点40℃以下の低融点ラノリン
脂肪酸が毛髪化粧料に有効だという開示に過ぎない。ま
た、上記文献に開示の低融点ラノリン脂肪酸はその原料
組成、開示された製造方法、実施例(第2表)から見
て、炭素数26以上のω−脂肪酸を考慮すれば、ヒドロ
キシ脂肪酸は13〜30%の範囲と考えるのが妥当であ
る。本発明で使用される非ヒドロキシ脂肪酸は上記文献
に開示の低融点ラノリン脂肪酸とはヒドロキシ脂肪酸を
殆ど含まない点で明らかに異なっているし、ヒドロキシ
脂肪酸も炭素数14以上のヒドロキシ脂肪酸成分が60
%以上含まれ、しかも融点が40℃以上であるという点
から明らかに異なっている。
【0009】本発明は、以下に記載するように、これら
成分を分離して単独で、或いは、分離した後、ヒドロキ
シ脂肪酸の比率が40%以上になるように再度混合した
組成物を、頭髪用化粧料の有効成分として利用するもの
である。従って、本発明と上記文献に開示の技術におけ
る非ヒドロキシ脂肪酸では成分が互いに異なり、ヒドロ
キシ脂肪酸に関しては脂肪酸の成分構成、融点の点から
相違するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、斯界
で望まれているラノリン脂肪酸の獣臭と色の濃さを克服
し、しかもその構成成分であるヒドロキシ脂肪酸と非ヒ
ドロキシ脂肪酸とを分離する工業的実施に適した新しい
分離法を用いて得られる脂肪酸成分を含有する頭髪用化
粧料を提供することである。
【0011】本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重
ねた結果、ラノリン脂肪酸類に含まれるヒドロキシ脂肪
酸成分はホウ酸エステルに変換して減圧蒸留することに
よって非ヒドロキシ脂肪酸成分と分離できるという事実
と、このホウ酸エステルは加水分解によってヒドロキシ
脂肪酸成分に変換することができ、しかもこれは引き続
く減圧蒸留によって精製されたα−ヒドロキシ脂肪酸と
ω−ヒドロキシ脂肪酸とに分離できるという事実とを見
い出し、更に、分離された各脂肪酸成分を頭髪用化粧料
に配合することにより、髪を滑らかにして艶を与え、仕
上げの伸びを良くし、使用感がよくなるという事実を見
い出した。本発明は、かかる新しい知見に基づいて完成
されたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ラノリ
ン脂肪酸及びラノリン脂肪酸の炭素数1〜4の低級アル
コールのエステルから選ばれる1種または2種以上のラ
ノリン脂肪酸類をホウ酸処理して該ラノリン脂肪酸類中
に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分をホウ酸エステルと
し、次いで減圧蒸留して上記ヒドロキシ脂肪酸のホウ酸
エステル成分と非ヒドロキシ脂肪酸成分とを分離、精製
して得られる非ヒドロキシ脂肪酸成分、上記で同時に得
られるヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エステル成分を更に加
水分解して得られるヒドロキシ脂肪酸成分、これを減圧
蒸留して得られるα−ヒドロキシ脂肪酸成分又はω−ヒ
ドロキシ脂肪酸成分、又はこれらの塩を配合した頭髪用
化粧料を提供するものである。
【0013】本発明における分離法において、原料とし
て用いられるラノリン脂肪酸類は、ラノリン脂肪酸、ラ
ノリン脂肪酸の低級アルコールエステルから選ばれる1
種または2種以上である。低級アルコールとしては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール等のアルコールが挙ら
れる。これらのラノリン脂肪酸類は、通常の一般的方法
によってラノリンから分離されたもの、及び、これを常
法に従ってエステル化したもの又は混合物であってもよ
く、或いは、これらを通常の方法に従って精製したもの
であってもよい。更に予め通常の方法に従って、その構
成成分の一部、例えばω−ヒドロキシ脂肪酸成分を分離
回収した残りや非ヒドロキシ脂肪酸成分等を回収した残
り等であってもよい。
【0014】本発明における分離法では、まず上記ラノ
リン脂肪酸類をホウ酸処理して含有するヒドロキシ脂肪
酸成分、即ちヒドロキシ脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸の低
級アルコールエステルをエステル化する。このホウ酸処
理に用いられるホウ酸としては、例えば、ホウ酸(H3
BO3)、無水ホウ酸(B23)等が挙げられ、コスト
の面からはホウ酸が好ましい。このホウ酸処理は、原料
脂肪酸類に対して約0.5〜5倍量(原料脂肪酸類の水
酸基価により求めた反応等量を基準とする、以下同
じ)、好ましくは約1〜3倍量のホウ酸を用いて、約5
0〜150℃、好ましくは約100〜120℃程度の温
度条件下で、約0.5〜8時間を要して実施される。ホ
ウ酸の使用量が上記範囲より少なすぎると、未反応のヒ
ドロキシ脂肪酸成分が非ヒドロキシ脂肪酸成分中に混入
して、その純度を低下させる。逆に、ホウ酸の使用量が
多すぎると、未反応のホウ酸が処理物中に多く含まれる
ので、その後の除去処理に手間がかかりすぎる。反応温
度が上記範囲より低すぎると、所望のエステル化反応が
不充分となるか、反応に長時間を必要とし、逆に高すぎ
ると、着色の原因となるので、あまり好ましくない。上
記ホウ酸エステル化反応は、常圧下でも、減圧下でも実
施できるが、通常100トール以下、好ましくは約30
〜1トールの減圧条件下で実施するのが望ましく、この
減圧度が低いほど、反応が短時間で完了する。
【0015】ホウ酸処理によって、原料ラノリン脂肪酸
類中のヒドロキシ脂肪酸成分はホウ酸エステル化され
る。このホウ酸エステル成分は、次の減圧蒸留操作によ
って、非ヒドロキシ脂肪酸成分、即ち非ヒドロキシ脂肪
酸、非ヒドロキシ脂肪酸の低級アルコールエステルから
容易に分離することができる。
【0016】従って、本発明における分離法では、次に
減圧蒸留を行なって、ヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エステ
ル成分と非ヒドロキシ脂肪酸成分とを分離する。この減
圧蒸留は通常の方法に従って実施できる。その際採用さ
れる減圧度は、一般的には1トール以下であり、好まし
くは約0.5〜0.001トールの範囲内で選択される。
減圧度を低くするほど、蒸留温度は低下し、留分の着色
や臭の発生等を防止できる。蒸留温度は、一般的には約
250℃以下、好ましくは約120〜200℃の範囲内
で選択される。蒸留温度は蒸留収率に影響を与え、上記
範囲内では蒸留収率が約70%以下、通常約30〜60
%の範囲となり、本発明の優れた分離効果が発揮され
る。ところが、蒸留温度が250℃を越えてあまりに高
くなると、蒸留収率が高くなり過ぎ、非ヒドロキシ脂肪
酸成分中へのヒドロキシ脂肪酸成分の混入が著しくなる
ので、純度が低下する。蒸留温度を上記範囲内で適宜選
択することによって、色、融点、精製純度等において満
足な性質を有する所望のヒドロキシ脂肪酸成分及び非ヒ
ドロキシ脂肪酸成分を分離、回収することができる。
【0017】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸成分
は、そのまま適当な用途に利用することも、更に必要に
応じて通常の方法に従って精製して各種用途に利用する
こともできる。また、ヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エステ
ル成分は、これを通常の方法に従って加水分解反応等に
より脱ホウ酸エステル化することができ、これによって
各種用途に適したヒドロキシ脂肪酸製品とすることがで
きる。
【0018】脱ホウ酸エステル化のための加水分解反応
は、一般的な加水分解反応と同様にして実施できる。よ
り具体的には、加水分解反応は、例えば、水と、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコ
ール類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
プロピルケトン等のケトン類とを組合わせた溶媒を用い
て実施できる。また、この加水分解反応は、処理すべき
ヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エステル成分を予め水不混和
性の溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、ト
ルエン等の適当な溶媒に溶解しておき、上記の溶媒を用
いて所望成分を抽出することによっても実施できる。
【0019】また、得られたヒドロキシ脂肪酸成分は、
上記したように重要な用途のあるα−ヒドロキシ脂肪酸
とω−ヒドロキシ脂肪酸とを含有しており、本発明者ら
の研究によれば、これらの各ヒドロキシ脂肪酸は加水分
解後の減圧蒸留によって分離して収得できる。従って、
本発明は、このようにして分離されるα−ヒドロキシ脂
肪酸及びω−ヒドロキシ脂肪酸を含有する頭髪用化粧料
をも提供する。
【0020】本発明におけるα−ヒドロキシ脂肪酸及び
ω−ヒドロキシ脂肪酸の分離は、上記の非ヒドロキシ脂
肪酸成分とヒドロキシ脂肪酸成分との分離と同様にして
行なうことができ、その際採用できる減圧度、蒸留温
度、適当な蒸留収率等も上記と同様である。即ち、減圧
度は約1トール以下、好ましくは約0.5〜0.01トー
ルの範囲内であり、蒸留温度は約250℃以下、好まし
くは約120〜200℃の範囲内であり、このとき蒸留
収率は約60%以下、好ましくは約20〜50%とな
る。減圧蒸留では、蒸留温度が低く、蒸留収率が低いほ
ど、得られた留分中のα−ヒドロキシ脂肪酸成分含量は
高くなり、逆に蒸留温度が高く、蒸留収率が高いほど、
ω−ヒドロキシ脂肪酸成分の回収率が高くなる。
【0021】かくして、本発明における方法で得られる
各成分の脂肪酸組成、物性は以下のごとくまとめること
ができる。 ヒドロキシ脂肪酸 炭素数14以上のα−ヒドロキシ脂肪酸を少なくとも6
0%含む脂肪酸であって、このうち、ノルマル型α−ヒ
ドロキシ脂肪酸は50〜70%、イソ型α−ヒドロキシ
脂肪酸は10〜30%及びアンテイソ型α−ヒドロキシ
脂肪酸は0〜15%で、ω−ヒドロキシ脂肪酸は0〜1
5%、融点は40℃を越えない。
【0022】非ヒドロキシ脂肪酸 以下の式Iで表される脂肪酸30〜45%、式IIで表
される脂肪酸30〜50%、式IIIで表される脂肪酸
10〜30%、式Iと式IIで表される脂肪酸の合計が
少なくとも60%の脂肪酸組成を有し、かつ、ヒドロキ
シ脂肪酸の含有量が10%未満である。
【0023】
【化1】
【0024】α−ヒドロキシ脂肪酸 炭素数14以上のα−ヒドロキシ脂肪酸を少なくとも6
0%含有する脂肪酸であって、このうち、ノルマル型α
−ヒドロキシ脂肪酸は50〜70%、イソ型α−ヒドロ
キシ脂肪酸は10〜30%及びアンテイソ型α−ヒドロ
キシ脂肪酸は0〜15%で、ω−ヒドロキシ脂肪酸は0
〜5%、融点は40℃を越えている。
【0025】本発明においては、要すれば、これらの脂
肪酸を常法により塩に変えて使用してもよい。かかる塩
としては、水溶性の塩、例えば、ナトリウム塩やカリウ
ム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム
塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノ−、
ジ−及びトリエタノールアミン塩、モルホリン塩等のア
ミン塩が挙げられる。
【0026】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸成
分、ヒドロキシ脂肪酸成分及びそれらの塩は、上記のよ
うな特性を有するので、単独で或は2種以上を組み合わ
せて頭髪用化粧料に配合すれば、以下のような効果を期
待できる。ここで、頭髪用化粧料とは、毛髪に用いる化
粧料を意味し、具体的には、ヘアートニック、ヘアーロ
ーション、ヘアークリーム、シャンプー、リンス等が挙
げられる。
【0027】非ヒドロキシ脂肪酸成分又はその塩は、分
岐脂肪酸を多量に含むため延展性に優れ、皮膚表面や毛
髪表面に薄膜を形成することができる。また、皮膚吸収
を妨げないことから、肌質感、髪質感に艶や滑らかさを
与える。更に、水酸基を含まないので、通常のラノリン
脂肪酸に見られるようなラクトンやラクチドの形成がな
く、外用薬や、クリーム等の化粧料に配合した場合の経
時的な安定性に優れ、更に飽和脂肪酸であるので、加熱
時の着色が少なく、加えて、酸化安定性及び熱安定性に
も優れている。
【0028】他方、ヒドロキシ脂肪酸成分又はその塩
は、主成分がα−ヒドロキシ脂肪酸であるので、乳化性
や保湿性に優れており、皮膚角質層の保湿や毛髪キュウ
ティクルの保湿に効果があり、肌や髪の乾燥防止が期待
できる。また、ヒドロキシ脂肪酸成分は、水酸基を有す
るので、極性物質への溶解度も向上する。
【0029】従って、本発明における分離法で得られた
非ヒドロキシ脂肪酸成分、ヒドロキシ脂肪酸成分及びそ
れらの塩は、単独で或は2種以上を組み合わせて、ヘア
ートニック、ヘアーローション、ヘアークリーム、シャ
ンプー、リンス等の頭髪用化粧料に好適に使用できる。
【0030】また、本発明者らは、特に、非ヒドロキシ
脂肪酸成分、α−ヒドロキシ脂肪酸成分及びそれらの塩
が、表皮細胞の増殖を顕著に促進する作用があることを
発見し、更に鋭意検討を重ねた結果、α−ヒドロキシ脂
肪酸成分及びその塩には角質層の機能を改善するだけで
なく、メラニンの産生を促進する作用を併せ持ち、白髪
防止に効果のあることを確認し、更には、育毛効果及び
フケ防止効果を有することを見い出した。
【0031】従って、本発明における分離法で得られた
α−ヒドロキシ脂肪酸成分及びはその塩は、単独で或は
2種以上を組み合わせて、白髪防止、頭皮や頭髪の保護
や育成に優れた化粧料、例えば、白髪予防用、育毛用、
表皮細胞賦活用、フケ防止用等の化粧料に好適に使用で
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明における分離法によれば、ラノリ
ン脂肪酸類から簡単な操作で効率よく、非ヒドロキシ脂
肪酸成分を高純度に分離、精製することができる。ま
た、このヒドロキシ脂肪酸成分から、水酸基の位置の異
なるα−ヒドロキシ脂肪酸及びω−ヒドロキシ脂肪酸を
濃縮して高純度に分離、精製することができる。こうし
て得られた各脂肪酸成分は、天然資源から供給されたも
のであることに加えて、淡色でほぼ無臭である。非ヒド
ロキシ脂肪酸成分は水酸基を含まない主として分岐鎖を
持つ物質からなる。ヒドロキシ脂肪酸成分は極性基であ
る水酸基を持つ物質からなる。濃縮されたα−ヒドロキ
シ脂肪酸成分はヒドロキシ脂肪酸成分中のα位に水酸基
を持つ物質であり、ω−ヒドロキシ脂肪酸は末端のω位
に水酸基を持つ物質である。これらの物質は、それぞれ
に優れた性質を具備している。
【0033】また、従来、ラノリン脂肪酸のなかに含ま
れていた不鹸化物はホウ酸エステルを調製する際に同時
にエステル化され、そのため、続く減圧蒸留の際に揮発
しがたくなるので、非ヒドロキシ脂肪酸画分から除去で
きるという効果もある。一方、ヒドロキシ脂肪酸の分画
中に濃縮された不鹸化物は、続く蒸留操作の際にかなり
除去できるので、最終的にヒドロキシ脂肪酸画分に含ま
れる不鹸化物量が多くなることはない。
【0034】本発明における分離法で得られた非ヒドロ
キシ脂肪酸成分は、撥水性、熱安定性、酸化安定性等に
優れているほか、皮膚表面膜を多孔性として水蒸気を透
過させる作用、皮膚呼吸を円滑にする作用、毛髪を保護
する作用、抗菌作用、延展性に優れ皮膚表面や毛髪表面
に安定な薄膜を形成する、塗膜に艶を与える、柔軟性を
与える等の機能性に優れているので、頭髪用化粧料に配
合することによって、肌の滑らかさや髪の櫛通りの良さ
等の肌質感や髪質感を与えることができる。非ヒドロキ
シ脂肪酸成分は、通常のラノリン脂肪酸に見られるよう
な水酸基に起因するラクトンやラクチドの形成がないの
で、この成分を配合した化粧料は経時的に安定性な特性
を有する。
【0035】また、本発明における分離法で得られたヒ
ドロキシ脂肪酸成分と、それから得られたα−ヒドロキ
シ脂肪酸及びω−ヒドロキシ脂肪酸は、乳化性や保湿性
に優れており、皮膚や毛髪の保湿に効果があるので、肌
や髪の乾燥防止やクリームの安定化に有用であり、更に
極性溶剤との相溶性があるので、これらを配合すること
によって、効果的な頭髪用化粧料を与えることができ
る。
【0036】更に、本発明における分離法で得られた非
ヒドロキシ脂肪酸成分又はその塩とヒドロキシ脂肪酸成
分又はその塩との混合物、特に、ヒドロキシ脂肪酸成分
が40%以上の混合物は、上記の各成分特有の効果の発
現程度をその混合比によって調節できるので、頭髪用化
粧料に配合することにより、より効果的な化粧料を与え
ることができる。
【0037】更に、本発明における分離法で得られたα
−ヒドロキシ脂肪酸成分、即ちα−ヒドロキシ脂肪酸を
少なくとも60%以上含有する脂肪酸及びその塩は、白
髪防止、頭皮や頭髪の保護や育成に優れた効果を有する
ので、これらを配合することによって、効果的な白髪予
防用、育毛用、表皮細胞賦活用、フケ防止用等の化粧料
を与えることができる。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に詳しく説
明するが、これら実施例は本発明の範囲を限定するため
のものではない。
【0039】実施例1〜13は、ラノリン脂肪酸類の分
離法について例示する。
【0040】実施例1 674.3gのラノリン脂肪酸メチルエステル(水酸基
価49.4)に45.2gのホウ酸(H3BO3)を加え、
減圧下、110℃で6時間反応させた。次に、この反応
物354.2gを減圧蒸留(蒸留温度170℃、減圧度
0.1トール)して、主留分として141.2g(回収率
39.9重量%)の非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル
成分を、残渣として213.0g(回収率60.1重量
%)のヒドロキシ脂肪酸メチルエステルのホウ酸エステ
ル成分を得た。さらに、このホウ酸エステル成分を加水
分解してホウ酸を除去することにより、ヒドロキシ脂肪
酸メチルエステル成分を得た。
【0041】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸メチ
ルエステル成分及びヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分を分析した結果を以下に示す。
【0042】但し、臭いの評価は、10人の評価者によ
る官能試験によって行い、原料ラノリン脂肪酸の評価を
基準として、以下のように判定した(評価者の平均点に
よる表示)。 ◎…著しい改善が認められ、ほぼ無臭である。 ○…改善は見られるが、ラノリン脂肪酸特有の臭いが感
じられる。 ×…改善が認められない。
【0043】また、精製純度は、ガスクロマトグラフィ
ー分析によるものである。
【0044】<非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分
(イ)>色調(GH)=1以下、酸価=0.2、水酸基価=
4.4、曇り点=21℃、不鹸化物=0.4重量%、臭=
◎、精製純度=90.3重量% <ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分(ロ)>色調(G
H)=18以上、酸価=1.3、水酸基価=83.2、融
点=47.6℃
【0045】実施例2 4750gのラノリン脂肪酸メチルエステル(水酸基価
49.4)に318.7gのホウ酸(H3BO3)を加え、
減圧下、110℃で6時間反応させた。次に、この反応
物4840gを減圧蒸留(蒸留温度190℃、減圧度0.
01トール)して、主留分として2500g(回収率5
1.7重量%)の非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分を、残渣として2340g(回収率48.3重量%)の
ヒドロキシ脂肪酸メチルエステルのホウ酸エステル成分
を得た。さらに、このホウ酸エステル成分を加水分解し
てホウ酸を除去することにより、ヒドロキシ脂肪酸メチ
ルエステル成分を得た。
【0046】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸メチ
ルエステル成分及びヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分を、実施例1と同様にして分析した結果を以下に示
す。
【0047】<非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分
(ハ)>色調(GH)=3、酸価=0.1、水酸基価=15.
1、融点=30.6℃、不鹸化物=0.8重量%、臭=
◎、精製純度=89.1重量% <ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分(ニ)>色調(G
H)=18以上、酸価=2.5、水酸基価=94.0、融
点=43.6℃
【0048】実施例3 500gのラノリン脂肪酸エチルエステル(水酸基価4
7.2)に45.3gのホウ酸(H3BO3)を加え、実施
例1と同様の条件で処理し、以下のようなエチルエステ
ル成分を得た。
【0049】<非ヒドロキシ脂肪酸エチルエステル成分
(ホ)>色調(GH)=3、酸価=0.2、水酸基価=10.
1、曇り点=20℃、不鹸化物=0.5重量%、臭=
◎、精製純度=89.8重量% <ヒドロキシ脂肪酸エチルエステル成分(ヘ)>色調(G
H)=18以上、酸価=2.0、水酸基価=84.2、融
点=46.3℃
【0050】実施例4 400gのラノリン脂肪酸イソプロピルエステル(水酸
基価45.0)に11.2gの無水ホウ酸(B23)を加
え、減圧下、100℃で3時間反応させた。次に、減圧
蒸留(蒸留温度140℃、減圧度0.5トール)して、
主留分として157.9g(回収率39.4重量%)の非
ヒドロキシ脂肪酸イソプロピルエステル成分を、残渣と
して242.1g(回収率60.6重量%)のヒドロキシ
脂肪酸イソプロピルエステルのホウ酸エステル成分を得
た。このホウ酸エステル成分を加水分解してホウ酸を除
去することによってヒドロキシ脂肪酸イソプロピルエス
テル成分を得た。
【0051】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸イソ
プロピルエステル成分及びヒドロキシ脂肪酸イソプロピ
ルエステル成分を、実施例1と同様にして分析した結果
を以下に示す。
【0052】<非ヒドロキシ脂肪酸イソプロピルエステ
ル成分(ト)>色調(GH)=1以下、酸価=0.2、水酸
基価=9.7、曇り点=12℃、不鹸化物=0.8重量
%、臭=◎、精製純度=89.9重量% <ヒドロキシ脂肪酸イソプロピルエステル成分(チ)>色
調(GH)=18以上、酸価=0.3、水酸基価=77.
5、融点=57.2℃
【0053】実施例5 500gのラノリン脂肪酸ブチルエステル(水酸基価4
2.8)に45.0gのホウ酸(H3BO3)を加え、実施
例1と同様の条件で処理し、以下のようなブチルエステ
ル成分を得た。
【0054】<非ヒドロキシ脂肪酸ブチルエステル成分
(リ)>色調(GH)=3、酸価=0.3、水酸基価=8.
1、曇り点=12℃、不鹸化物=0.8重量%、臭=
◎、精製純度=89.1重量% <ヒドロキシ脂肪酸ブチルエステル成分(ヌ)>色調(G
H)=18以上、酸価=1.5、水酸基価=74.0、融
点=58.4℃
【0055】実施例6 500gのラノリン脂肪酸(水酸基価50.1)に18.
4gのホウ酸(H3BO3)を加え、減圧下、120℃で
6時間反応させた。次に、この反応物383.5gを減
圧蒸留(蒸留温度170℃、減圧度0.02トール)し
て、主留分として93.2g(回収率24.3重量%)の
非ヒドロキシ脂肪酸成分を、残渣として290.3g
(回収率75.7重量%)のヒドロキシ脂肪酸のホウ酸
エステル成分を得た。このヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エ
ステル成分を加水分解してホウ酸を除去することによっ
てヒドロキシ脂肪酸成分を得た。
【0056】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸画分
及びヒドロキシ脂肪酸成分を、実施例1と同様にして分
析した結果を以下に示す。
【0057】<非ヒドロキシ脂肪酸成分(ル)>色調(G
H)=3、酸価=195.3、水酸基価=13.0、融点
=34.7℃、不鹸化物=1.6重量%、臭=◎、精製純
度=89.4重量% <ヒドロキシ脂肪酸成分(ヲ)>色調(GH)=18以上、
酸価=68.7、水酸基価=53.1、融点=60.6℃
【0058】実施例7 実施例2で得たヒドロキシ脂肪酸メチルエステルのホウ
酸エステル成分500gを、1000mlのノルマルヘ
キサンに加熱溶融させ、その後、300mlの含水メタ
ノールで4回洗浄してホウ酸エステルを分解し、ホウ酸
を除去した後、ノルマルヘキサンを回収して、390g
のヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分(水酸基価10
4.0)を得た。
【0059】上記のヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分を減圧蒸留(蒸留温度160℃、減圧度0.1トー
ル)し、主留分として130.7g(回収率33.5重量
%)のα−ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分を、残
渣として259.3g(回収率66.5重量%)のω−ヒ
ドロキシ脂肪酸メチルエステル成分を得た。
【0060】こうして得られたα−ヒドロキシ脂肪酸メ
チルエステル成分及びω−ヒドロキシ脂肪酸メチルエス
テル成分を、実施例1と同様にして分析した結果を以下
に示す。
【0061】<α−ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分(ワ)>色調(GH)=1以下、酸価=1.1、水酸基価
=164.3、融点=33.6℃、不鹸化物=3.2重量
%、臭=◎、精製純度=81.0重量% <ω−ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分(カ)>色調
(GH)=18以上、酸価=2.5、水酸基価=68.1、
融点=50.8℃
【0062】実施例8 実施例7で残渣として得られたω−ヒドロキシ脂肪酸メ
チルエステル成分200gを減圧蒸留(蒸留温度200
℃、減圧度0.1トール)し、主留分として14.6g
(回収率7.3重量%)のω−ヒドロキシ脂肪酸メチル
エステル成分と185.4gの蒸留残渣を得た。
【0063】こうして得られたω−ヒドロキシ脂肪酸メ
チルエステル成分を、実施例1と同様にして分析した結
果を以下に示す。
【0064】<ω−ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分(ヨ)>色調(GH)=11、酸価=0.8、水酸基価=
90.3、融点=80.4℃、臭=◎、精製純度=52.
4重量%
【0065】実施例9 予めω−ヒドロキシ脂肪酸成分を常法に従って分取除去
したラノリン脂肪酸メチルエステル(水酸基価64.
0)350gに無水ホウ酸(B23)15.3gを加
え、100℃で2時間反応させた。次に、この反応物3
44.5gを減圧蒸留(蒸留温度190℃、減圧度0.0
05トール)して、主留分として175.4g(回収率
50.9重量%)の非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル
画分を、残渣として169.1g(回収率49.1重量
%)のヒドロキシ脂肪酸メチルエステル画分を得た。こ
のヒドロキシ脂肪酸メチルエステルのホウ酸エステル成
分を加水分解してホウ酸を除去することによってヒドロ
キシ脂肪酸メチルエステル成分を得た。
【0066】こうして得られた非ヒドロキシ脂肪酸メチ
ルエステル成分及びヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分を、実施例1と同様にして分析した結果を以下に示
す。
【0067】<非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分
(タ)>色調(GH)=1、酸価=0.3、水酸基価=8.
5、融点=31.3℃、不鹸化物=0.8重量%、臭=
◎、精製純度=90.2重量% <ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分(レ)>色調(G
H)=18以上、酸価=2.1、水酸基価=112.3、
融点=41.8℃
【0068】実施例10 実施例9で残渣として得られたヒドロキシ脂肪酸メチル
エステルのホウ酸エステル成分160gを、120ml
のメチルエチルケトンに加熱溶融させ、次に、60ml
の温水で4回洗浄してホウ酸エステルを分解し、ホウ酸
を除去した後、メチルエチルケトンを回収して、128
gのヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分(水酸基価1
02.3)を得た。
【0069】上記のヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分を減圧蒸留(蒸留温度160℃、減圧度0.1トー
ル)し、主留分として45.0g(回収率35.2重量
%)のα−ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成分と8
3.0gの蒸留残渣を得た。
【0070】こうして得られたα−ヒドロキシ脂肪酸メ
チルエステル成分を、実施例1と同様にして分析した結
果を以下に示す。
【0071】<α−ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル成
分(ソ)>色調(GH)=1以下、酸価=0.5、水酸基価
=163.9、融点=34.1℃、臭=◎、精製純度=8
0.6重量%
【0072】実施例11 実施例2で得られた非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル
成分及び実施例7で得られたα−ヒドロキシ脂肪酸メチ
ルエステル成分及び実施例8で得られたω−ヒドロキシ
脂肪酸メチルエステル成分を、常法に従ってカセイソー
ダ水溶液で加水分解し、それぞれ非ヒドロキシ脂肪酸成
分及びα−ヒドロキシ脂肪酸成分及びω−ヒドロキシ脂
肪酸成分を得た。各分析値を以下に示す。
【0073】<非ヒドロキシ脂肪酸成分(ツ)>色調(G
H)=1以下、酸価=177.8、水酸基価=11.0、
融点=48.9℃
【0074】<α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)>色調
(GH)=3、酸価=171.3、水酸基価=151.9、
融点=79.6℃、鹸化価=183.6 <ω−ヒドロキシ脂肪酸成分(ナ)>色調(GH)=9、酸
価=110.5、水酸基価=101.5、融点=115.
8℃
【0075】実施例12 融点54.9℃の脂肪酸をメチルエステル化して酸価0.
6、鹸化価165.3、水酸基価44.2、不鹸化物価
1.8%、色調(GH)14の原料メチルエステルを得
た。この原料メチルエステル18.7kgにホウ酸0.6
2kgを加え、実施例1と同様にしてホウ酸エステルを
調製した。これを減圧蒸留(蒸留温度190℃、0.0
5トール)し、非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル画分
53%と、残渣としてヒドロキシ脂肪酸メチルエステル
成分8.8kg(47%)を得た。残渣のホウ酸エステ
ルを加水分解してホウ酸を除去し、色調(GH)18以
上、酸価1.3、水酸基価78.1、融点56.9℃のヒ
ドロキシ脂肪酸メチルエステルを得た。このヒドロキシ
脂肪酸メチルエステル5.5kgを減圧蒸留(蒸留温度
160℃、0.05トール)し、α−ヒドロキシ脂肪酸
メチルエステル1.4kgを得た。更に実施例11と同
様にして加水分解し、以下のようなα−ヒドロキシ脂肪
酸成分を得た。
【0076】<α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ラ)>色調
(GH)=4−、酸価=184.2、水酸基価=169.
4、鹸化価=174.6、融点=70.3℃、不鹸化物価
1.4%
【0077】実施例13 実施例12と同じ原料メチルエステル105kg及びホ
ウ酸2.7kgを用い、実施例1と同様にしてホウ酸エ
ステルを調製した。これを減圧蒸留(蒸留温度170
℃、0.05トール)し、非ヒドロキシ脂肪酸メチルエ
ステル画分1(38.0%)及び残渣1を得た。残渣1
を更に減圧蒸留(蒸留温度195℃、0.01トール)
し、非ヒドロキシ脂肪酸メチルエステル画分2(16.
9%)及び残渣2(43.0%)を得た。残渣2のホウ
酸エステルを加水分解してホウ酸を除去し、ヒドロキシ
脂肪酸メチルエステル45.9kgを得た。このヒドロ
キシ脂肪酸メチルエステルを減圧蒸留(蒸留温度160
℃、0.03トール)し、色調(GH)1+、酸価0.
2、水酸基価162.9、融点63.9℃のα−ヒドロキ
シ脂肪酸メチルエステルを得た。これを実施例11と同
様に加水分解し、以下のようなα−ヒドロキシ脂肪酸成
分を得た。
【0078】<α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ム)>色調
(GH)=3+、酸価=179.9、水酸基価=175.
9、鹸化価=190.6、融点63.9℃ 上記実施例で得られた各成分の脂肪酸組成をガスクロマ
トグラフィー分析によって調べた結果を表2〜表5に示
す。
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】次に、上で得られた本発明の非ヒドロキシ
脂肪酸成分、ヒドロキシ脂肪酸成分及びその塩を配合し
た化粧料を以下の実施例14〜22に例示する。
【0084】実施例14〜21及び比較例1〜8 下記の表6〜10に示すように、実施例3の成分(ホ)、
(ヘ)、実施例4の成分(ト)、(チ)、実施例5の成分
(リ)、(ヌ)、及び実施例11の成分(ツ)、(ネ)、(ナ)を
用いて、頭髪用化粧料であるヘアートニック、ヘアーロ
ーション、ヘアークリーム及び液状クリームシャンプー
を調製した(実施例14〜22)。また、上記成分に代
えて、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、ラノリン脂肪酸及びそれらのエステル、牛脂脂肪酸
トリグリセリド、ヒマシ油などを用いて、同様の頭髪用
化粧料を調製した(比較例1〜8)。
【0085】
【表6】 製法:常温でエタノール可溶成分及び水可溶成分をそれ
ぞれ撹拌しながら均一に溶解し、エタノール溶液に水溶
液を加え均一にした後、濾過して仕上げる。
【0086】
【表7】 製法:上記と同じ。
【0087】
【表8】 製法:Aを混合し80℃加温溶解する。別にBを約85
℃にし、撹拌しながらBにAを加え、そのまま室温まで
冷却する。
【0088】
【表9】 製法:各成分を70〜80℃で加温溶解して均一にし、
撹拌しながら室温まで冷却する。
【0089】上記で調製した(1)ヘアートニック、(2)
ヘアーローション、(3)ヘアークリーム、(4)液状クリ
ームシャンプーを、女性(年齢19〜55)10名及び
男性(年齢20〜65)10名に使用させて調べた。そ
の結果を表10に示す。
【0090】
【表10】
【0091】次に、本発明の分離法で得られたα−ヒド
ロキシ脂肪酸成分が角化細胞増殖及びメラニン産生を促
進する作用を示すと共に白髪防止及び育毛・フケ防止に
効果のあることを以下の試験例1〜4で検証する。
【0092】試験例1 本試験例では、実施例11で得た非ヒドロキシ脂肪酸成
分(ツ)及びα-ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)並びに成分
(ネ)のナトリウム塩及びアンモニウム塩を、角化細胞
増殖促進作用について試験した。
【0093】・培養細胞 角化細胞は培養細胞として確立されているSV40トラ
ンスフォームヒトケラチノサイトを用いた。
【0094】・試験方法 クリーンベンチ内において、滅菌した牛胎仔血清2.5
ml、ケラチノサイト基本培地75ml、抗生物質0.
8mlを入れ、そこに1.6×105個の角化細胞を撒
き、6穴プレートに3mlづつ分注して、炭酸ガス培養
器中、5%炭酸ガスを含む雰囲気下、37℃で培養し
た。24時間後に培養液を除去し、ケラチノサイト基本
培地1.5ml、ダルベッコ変法イーグル最少栄養培地
1.5ml、リノール酸5μg、脂肪酸フリー牛血清ア
ルブミン100μg/mlを入れ、試験物質を最終濃度
が0.1μg/ml、1.0μg/mlになるように添加
し、1週間培養した。培養後、培養液を除去し、0.0
2%EDTA、次いで、0.25%トリプシンを含むダ
ルベッコのリン酸緩衝液を加え剥離した。次いで、これ
らを除去し、各穴にダルベッコのリン酸緩衝液を1ml
を入れ、懸濁して血球計算盤で細胞数を計測した。
【0095】・試験結果 各試験物質の細胞増殖促進作用を、対照(投与濃度=
0.0μg/ml)の細胞増殖率を100とする百分率で
表して評価した。その結果を表11に示す。
【0096】
【表11】
【0097】表11から明らかなように、非ヒドロキシ
脂肪酸成分(ツ)では投与濃度が0.1μg/mlという
低濃度で角化細胞の増殖率が1.5倍に、α−ヒドロキ
シ脂肪酸成分(ネ)及びその塩ではいずれも、投与濃度が
1.0μg/mlの場合に角化細胞がほぼ2倍以上に増殖
しており、細胞増殖に対する顕著な作用が認められた。
【0098】試験例2 本試験例では、実施例11で得た非ヒドロキシ脂肪酸成
分(ツ)及びα-ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)を、メラニ
ン産生促進作用について試験した。
【0099】・培養細胞 メラニン産生を評価する細胞しては、B16マウスメラ
ノーマ培養細胞を用いた。
【0100】・試験方法 B16マウスメラノーマ細胞を、試験物質を含んだ10
%牛胎児血清含有イーグルMEM培地で3日間培養し
た。培養後、細胞をトリプシンにより剥離し、遠沈して
ペレットにした。メラニン色素の産生度を、対照と肉眼
で比較し、判定した。その結果を表12に示す。
【0101】[判定基準] −:対照と同程度のメラニン色素を産生 ±:わずかにメラニン色素の産生を促進 +:明らかにメラニン色素の産生を促進
【0102】・試験結果
【表12】
【0103】表12から明らかなように、非ヒドロキシ
脂肪酸成分(ツ)は50μg/ml、α−ヒドロキシ脂
肪酸成分(ネ)は10μg/mlより高濃度で、明らかに
メラニン産生促進作用を示すことが認められた。
【0104】試験例3 本試験例では、実施例11で得たα-ヒドロキシ脂肪酸
成分(ネ)を用いてヘアトニックを調製し、白髪防止効果
について試験した。
【0105】・調製方法 表13に示す成分のうち、99%エチルアルコールに残
りの成分を溶解し、濾過してヘアトニック試験品を得
た。また、有効成分であるα−ヒドロキシ脂肪酸成分
(ネ)を加えなかったこと以外は同様にして、ヘアトニッ
ク対照品を得た。
【0106】
【表13】
【0107】・試験方法 白髪のある20名の男性(35〜55才)に、1日2回
(朝、夜)、連続3ケ月間、ヘアトニック試験品及び対
照品をそれぞれハーフヘッド法で左右頭皮に別々に使用
させ、塗布部位の状態を試験前後で比較し、白髪防止、
改善効果を調べた。その結果を表14に示す。
【0108】・試験結果
【表14】
【0109】表14から明らかなように、α−ヒドロキ
シ脂肪酸成分(ネ)を配合した、試験品は、対照品(有効
成分無添加の組成物)と比較して、白髪の量を少なくす
ることができ、著しい白髪防止効果を示すことがわかっ
た。
【0110】試験例4 本試験例では、試験例3で調製したヘアトニック試験品
及び対照品を用いて、育毛、フケ防止効果について試験
した。
【0111】・試験方法 フケ症の男子被験者(10〜20才代)20名、及び抜
毛が比較的多い男性型脱毛症の男子被験者(30〜40
才代)20名に、試験例3のヘアトニック試験品及びヘ
アトニック対照品を、各10名に1日2回、連続3ケ月
間使用させて、症状の改善度を評価した。その結果を表
15に示す。
【0112】・試験結果
【表15】
【0113】表15から明らかなように、α−ヒドロキ
シ脂肪酸成分(ネ)を配合したヘアトニック試験品には、
育毛、フケ防止効果が認められた。
【0114】更に、以下の実施例36〜43では、実施
例11〜13で得たα−ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)、
(ラ)、(ム)及びその塩を配合した各種の頭髪用化粧
料を例示する。
【0115】実施例22 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ラ)を用い
て、ヘアトニックを調製した。その成分を表16に示
す。
【0116】
【表16】
【0117】・製法:99%エチルアルコールに残りの
成分を溶解し、濾過してヘアトニックを得る。
【0118】実施例23 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)のアンモ
ニウム塩を用いて、ヘアクリームを調製した。その成分
を表17に示す。
【0119】
【表17】
【0120】・製法:A及びBを別々に加熱溶解し、8
0℃に保持する。BにAを撹拌しながら加え、冷却し、
ヘアクリームを得る。
【0121】実施例24 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)を用い
て、ヘアオイルを調製した。その成分を表18に示す。
【0122】
【表18】
【0123】・製法:スクワランに残りの成分を溶解
し、ヘアオイルを得る。
【0124】実施例25 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ム)のカリウ
ム塩を用いて、ヘアシャンプーを調製した。その成分を
表19に示す。
【0125】
【表19】
【0126】・製法:精製水に残りの成分を投入し、8
0℃にて加熱溶解し、冷却してヘアシャンプーを得る。
【0127】実施例26 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)を用い
て、白髪防止用ヘアトニックを調製した。その成分を表
20に示す。
【表20】
【0128】・製法:上記成分を均一に溶解し、白髪防
止用ヘアトニックを得る。
【0129】実施例27 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ラ)を用い
て、白髪防止用ヘアクリームを調製した。その成分を表
21に示す。
【表21】
【0130】・製法:A及びBを、別々に加熱して均一
に溶解する。BにAを投入し、均一に撹拌しながら冷却
し、白髪防止用ヘアクリームを得る。
【0131】実施例28 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ム)を用い
て、白髪防止用シャンプーを調製した。その成分を表2
2に示す。
【表22】
【0132】・製法:上記成分を加熱して均一に溶解し
た後、冷却して白髪防止用シャンプーを得る。
【0133】実施例29 本実施例では、α−ヒドロキシ脂肪酸成分(ネ)を用い
て、白髪防止用リンスを調製した。その成分を表23に
示す。
【表23】
【0134】・製法:A及びBを、別々に加熱して均一
に溶解する。BにAを投入し、均一に撹拌しながら冷却
し、白髪防止用リンスを得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 健爾 兵庫県加古川市野口町北野(番地なし) 吉川製油株式会社内 (72)発明者 大崎 雅勝 兵庫県加古川市野口町北野(番地なし) 吉川製油株式会社内 (72)発明者 苗代 英一 大阪府大東市南楠の里町6−15 (72)発明者 安藤 秀哉 兵庫県神戸市須磨区横尾9−2−3−402

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラノリン脂肪酸及びラノリン脂肪酸の炭
    素数1〜4の低級アルコールのエステルから選ばれる1
    種又は2種以上のラノリン脂肪酸類をホウ酸処理して該
    ラノリン脂肪酸類中に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分
    をホウ酸エステルとし、次いで減圧蒸留して上記ヒドロ
    キシ脂肪酸のホウ酸エステル成分と非ヒドロキシ脂肪酸
    成分とを分離、精製することにより得られる非ヒドロキ
    シ脂肪酸成分又はその塩を有効成分とする頭髪用化粧
    料。
  2. 【請求項2】 ラノリン脂肪酸及びラノリン脂肪酸の炭
    素数1〜4の低級アルコールのエステルから選ばれる1
    種又は2種以上のラノリン脂肪酸類をホウ酸処理して該
    ラノリン脂肪酸類中に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分
    をホウ酸エステルとし、次いで減圧蒸留して上記ヒドロ
    キシ脂肪酸のホウ酸エステル成分と非ヒドロキシ脂肪酸
    成分とを分離、精製してヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エス
    テル成分を得、これを加水分解することにより得られる
    ヒドロキシ脂肪酸成分又はその塩を有効成分とする頭髪
    料化粧料。
  3. 【請求項3】 ラノリン脂肪酸及びラノリン脂肪酸の炭
    素数1〜4の低級アルコールのエステルから選ばれる1
    種又は2種以上のラノリン脂肪酸類をホウ酸処理して該
    ラノリン脂肪酸類中に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分
    をホウ酸エステルとし、次いで減圧蒸留して上記ヒドロ
    キシ脂肪酸のホウ酸エステル成分と非ヒドロキシ脂肪酸
    成分とを分離、精製してヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エス
    テル成分を得、これを加水分解してヒドロキシ脂肪酸成
    分を得、これを減圧蒸留することにより得られるα−ヒ
    ドロキシ脂肪酸成分又はその塩を有効成分とする頭髪用
    化粧料。
  4. 【請求項4】 白髪予防用である請求項3記載の頭髪用
    化粧料。
  5. 【請求項5】 育毛用である請求項3記載の頭髪用化粧
    料。
  6. 【請求項6】 フケ防止用である請求項3記載の頭髪用
    化粧料。
  7. 【請求項7】 ラノリン脂肪酸及びラノリン脂肪酸の炭
    素数1〜4の低級アルコールのエステルから選ばれる1
    種又は2種以上のラノリン脂肪酸類をホウ酸処理して該
    ラノリン脂肪酸類中に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分
    をホウ酸エステルとし、次いで減圧蒸留して上記ヒドロ
    キシ脂肪酸のホウ酸エステル成分と非ヒドロキシ脂肪酸
    成分とを分離、精製してヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エス
    テル成分を得、これを加水分解してヒドロキシ脂肪酸成
    分を得、これを減圧蒸留することにより得られるω−ヒ
    ドロキシ脂肪酸成分又はその塩を有効成分とする頭髪用
    化粧料。
  8. 【請求項8】 ラノリン脂肪酸及びラノリン脂肪酸の炭
    素数1〜4の低級アルコールのエステルから選ばれる1
    種又は2種以上のラノリン脂肪酸類をホウ酸処理して該
    ラノリン脂肪酸類中に含有されるヒドロキシ脂肪酸成分
    をホウ酸エステルとし、次いで減圧蒸留して上記ヒドロ
    キシ脂肪酸のホウ酸エステル成分と非ヒドロキシ脂肪酸
    成分とを分離、精製してヒドロキシ脂肪酸のホウ酸エス
    テル成分を得、これを加水分解してヒドロキシ脂肪酸成
    分を得、これを減圧蒸留することにより得られるα−ヒ
    ドロキシ脂肪酸成分又はその塩と、ω−ヒドロキシ脂肪
    酸成分又はその塩とを合計で40重量%以上含有する混
    合物を有効成分とする頭髪用化粧料。
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