JPH0760766A - 浸漬法によるゴム成形品の製造方法 - Google Patents
浸漬法によるゴム成形品の製造方法Info
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- JPH0760766A JPH0760766A JP21071693A JP21071693A JPH0760766A JP H0760766 A JPH0760766 A JP H0760766A JP 21071693 A JP21071693 A JP 21071693A JP 21071693 A JP21071693 A JP 21071693A JP H0760766 A JPH0760766 A JP H0760766A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】比較的厚い肉厚を有し、且つ肉厚の均一性がよ
いゴム成形品を短時間の浸漬時間で製造できる方法を提
供する。 【構成】元型をゴム・ラテックスの凝固剤に浸漬、引き
上げ、乾燥し、次いで該元型をゴム・ラテックス中に浸
漬して元型表面にゴム・ラテックスの凝固皮膜を形成さ
せ、引き上げ、その後該凝固皮膜を元型から剥離してゴ
ム成形品を製造する方法において、上記ゴム・ラテック
ス凝固剤としてカルシウム塩濃度が65〜90重量%で
あり、且つチクソトロピー値(TV値)が0.6〜2.
0であるカルシウム塩・メタノール溶液を用いることを
特徴とするゴム成形品の製造方法である。カルシウム塩
として硝酸カルシウムを用い、チクソトロピー値の調整
に無水シリカを添加するのが好ましい。
いゴム成形品を短時間の浸漬時間で製造できる方法を提
供する。 【構成】元型をゴム・ラテックスの凝固剤に浸漬、引き
上げ、乾燥し、次いで該元型をゴム・ラテックス中に浸
漬して元型表面にゴム・ラテックスの凝固皮膜を形成さ
せ、引き上げ、その後該凝固皮膜を元型から剥離してゴ
ム成形品を製造する方法において、上記ゴム・ラテック
ス凝固剤としてカルシウム塩濃度が65〜90重量%で
あり、且つチクソトロピー値(TV値)が0.6〜2.
0であるカルシウム塩・メタノール溶液を用いることを
特徴とするゴム成形品の製造方法である。カルシウム塩
として硝酸カルシウムを用い、チクソトロピー値の調整
に無水シリカを添加するのが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる浸漬法によ
り、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴムで成形品を
製造する方法に関し、特にその際に用いる凝固剤に関す
る。
り、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴムで成形品を
製造する方法に関し、特にその際に用いる凝固剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ゴム、クロロプレンゴム等の
ゴムを用いて手袋、弾性成形型等の成形品を製造する場
合、元型をゴム・ラテックスに浸漬して、元型にゴム皮
膜を形成させる、いわゆる浸漬法による方法が採用され
ている。この浸漬法の一つに凝着浸漬法がある。そし
て、凝着浸漬法には、元型に凝固剤を付着させてからゴ
ム・ラテックスに浸漬するアノード凝着法と、元型をゴ
ム・ラテックスに浸漬してから、直ちに凝固剤に浸漬す
るティーグ凝着法とが知られている。
ゴムを用いて手袋、弾性成形型等の成形品を製造する場
合、元型をゴム・ラテックスに浸漬して、元型にゴム皮
膜を形成させる、いわゆる浸漬法による方法が採用され
ている。この浸漬法の一つに凝着浸漬法がある。そし
て、凝着浸漬法には、元型に凝固剤を付着させてからゴ
ム・ラテックスに浸漬するアノード凝着法と、元型をゴ
ム・ラテックスに浸漬してから、直ちに凝固剤に浸漬す
るティーグ凝着法とが知られている。
【0003】アノード凝着法は、元型を予め凝固剤中に
浸漬し、乾燥して元型表面に凝固剤を付着させ、この元
型をゴム・ラテックス中にゆるやかに浸漬する方法であ
る。このゴム・ラテックス中への浸漬は、元型の表面に
ゴムの凝固皮膜が所要の厚さに凝着するまで滞留させ
る。ゴム・ラテックスから引上げた後は、凝固皮膜を温
水注出処理し、その後加硫して製品にする。このアノー
ド凝着法によるゴム成形法では、厚さ0.3〜2.0m
mの製品が得られ、かなり複雑な形状のものも比較的均
斉に得られるので、その利用範囲はきわめて広範囲であ
り、かなりの厚みと、均斉な厚さが要求される弾性成形
型の製造に適する。
浸漬し、乾燥して元型表面に凝固剤を付着させ、この元
型をゴム・ラテックス中にゆるやかに浸漬する方法であ
る。このゴム・ラテックス中への浸漬は、元型の表面に
ゴムの凝固皮膜が所要の厚さに凝着するまで滞留させ
る。ゴム・ラテックスから引上げた後は、凝固皮膜を温
水注出処理し、その後加硫して製品にする。このアノー
ド凝着法によるゴム成形法では、厚さ0.3〜2.0m
mの製品が得られ、かなり複雑な形状のものも比較的均
斉に得られるので、その利用範囲はきわめて広範囲であ
り、かなりの厚みと、均斉な厚さが要求される弾性成形
型の製造に適する。
【0004】ところで、アノード凝着法においては、凝
固剤として多価金属塩、特にカルシウム塩、就中、硝酸
カルシウムが用いられ、硝酸カルシウム・メタノール溶
液が常用されている。このアノード凝着法を用いた場合
は、凝固剤中の多価金属塩例えば硝酸カルシウムの濃度
が高いほど厚い凝固皮膜となる。またゴム・ラテックス
中での滞留時間を長くするほど、凝固皮膜の厚さは厚く
なるが、この膜厚はゴム・ラテックス中に浸漬後約5分
間位の間に急激に厚くなり、その後は徐々に厚さが増加
する。従来、膜厚1〜2mmのゴム成形品を得る場合
は、通常ゴム・ラテックス中への浸漬は10〜15分間
行っている。
固剤として多価金属塩、特にカルシウム塩、就中、硝酸
カルシウムが用いられ、硝酸カルシウム・メタノール溶
液が常用されている。このアノード凝着法を用いた場合
は、凝固剤中の多価金属塩例えば硝酸カルシウムの濃度
が高いほど厚い凝固皮膜となる。またゴム・ラテックス
中での滞留時間を長くするほど、凝固皮膜の厚さは厚く
なるが、この膜厚はゴム・ラテックス中に浸漬後約5分
間位の間に急激に厚くなり、その後は徐々に厚さが増加
する。従来、膜厚1〜2mmのゴム成形品を得る場合
は、通常ゴム・ラテックス中への浸漬は10〜15分間
行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したア
ノード凝着法によりゴム成形品を製造するに際し、比較
的厚く、且つその厚さが均一なゴム成形品を短い浸漬時
間で製造できる方法を提供することを目的とする。
ノード凝着法によりゴム成形品を製造するに際し、比較
的厚く、且つその厚さが均一なゴム成形品を短い浸漬時
間で製造できる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来からゴム・ラテック
スの凝固剤には塩化カルシウムや硝酸カルシウムが使用
されている。本発明者らは、これらカルシウム塩のメタ
ノール溶液を凝固剤に用いて、アノード凝着法によりゴ
ム成形品を製造する方法について種々検討した結果、そ
の凝固剤のチクソトロピーがゴム成形品の肉厚の均一性
に大きな影響を及ぼすことを知見し、肉厚が厚く且つ均
一な厚さのゴム成形品がカルシウム塩濃度を高め、且つ
チクソトロピーを調整することによって得られることを
知り、本発明を完成した。
スの凝固剤には塩化カルシウムや硝酸カルシウムが使用
されている。本発明者らは、これらカルシウム塩のメタ
ノール溶液を凝固剤に用いて、アノード凝着法によりゴ
ム成形品を製造する方法について種々検討した結果、そ
の凝固剤のチクソトロピーがゴム成形品の肉厚の均一性
に大きな影響を及ぼすことを知見し、肉厚が厚く且つ均
一な厚さのゴム成形品がカルシウム塩濃度を高め、且つ
チクソトロピーを調整することによって得られることを
知り、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、元型をゴム・ラテッ
クスの凝固剤に浸漬し、引き上げ、乾燥し、次いで該元
型をゴム・ラテックス中に浸漬して元型表面にゴム・ラ
テックスの凝固皮膜を形成させ、引き上げ、その後該凝
固皮膜を元型から剥離してゴム成形品を製造する方法に
おいて、上記ゴム・ラテックス凝固剤として、カルシウ
ム塩濃度が65〜90重量%であり、且つチクソトロピ
ー値(TV値)が0.6〜2.0のカルシウム塩・メタ
ノール溶液を用いることを特徴とするゴム成形品の製造
方法である。
クスの凝固剤に浸漬し、引き上げ、乾燥し、次いで該元
型をゴム・ラテックス中に浸漬して元型表面にゴム・ラ
テックスの凝固皮膜を形成させ、引き上げ、その後該凝
固皮膜を元型から剥離してゴム成形品を製造する方法に
おいて、上記ゴム・ラテックス凝固剤として、カルシウ
ム塩濃度が65〜90重量%であり、且つチクソトロピ
ー値(TV値)が0.6〜2.0のカルシウム塩・メタ
ノール溶液を用いることを特徴とするゴム成形品の製造
方法である。
【0008】本発明について詳しく説明する。本発明で
用いるゴム・ラテックスは天然ゴム、クロロプレンゴ
ム、ニトリルブタジエンゴムなどのラテックスで斯界で
常用されているものである。本発明における凝固剤は硝
酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩のメタ
ノール溶液である。この凝固剤は硝酸カルシウムや塩化
カルシウム等のカルシウム塩をメタノールに溶解させて
調製する。これらのうち硝酸カルシウム・メタノール溶
液が凝着状態が良く好ましい。
用いるゴム・ラテックスは天然ゴム、クロロプレンゴ
ム、ニトリルブタジエンゴムなどのラテックスで斯界で
常用されているものである。本発明における凝固剤は硝
酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩のメタ
ノール溶液である。この凝固剤は硝酸カルシウムや塩化
カルシウム等のカルシウム塩をメタノールに溶解させて
調製する。これらのうち硝酸カルシウム・メタノール溶
液が凝着状態が良く好ましい。
【0009】従来、アノード凝着法における凝固剤中の
カルシウム塩の濃度は20〜50重量%であるが、本発
明においては、カルシウム塩の濃度を65〜90重量
%、好ましくは70〜85重量%に高めたものである。
このようにカルシウム塩の濃度を高めることによって、
短時間の浸漬時間で厚い肉厚のゴム成形品を得ることが
できる。同一の肉厚のゴム成形品を得る場合に、カルシ
ウム塩の濃度を高くすると浸漬時間を短くすることがで
きる。カルシウム塩の濃度が65重量%以下ではこの浸
漬時間の短縮化には効果が余りない。またカルシウム塩
の濃度を90重量%以上にするには溶液の調製が困難で
ある。硝酸カルシウム濃度が65〜90重量%である高
濃度の硝酸カルシウム・メタノール溶液をつくるには、
加熱した熱メタノール、例えば60〜70℃に加熱した
熱メタノールに硝酸カルシウムを溶解させることによっ
てつくることができる。
カルシウム塩の濃度は20〜50重量%であるが、本発
明においては、カルシウム塩の濃度を65〜90重量
%、好ましくは70〜85重量%に高めたものである。
このようにカルシウム塩の濃度を高めることによって、
短時間の浸漬時間で厚い肉厚のゴム成形品を得ることが
できる。同一の肉厚のゴム成形品を得る場合に、カルシ
ウム塩の濃度を高くすると浸漬時間を短くすることがで
きる。カルシウム塩の濃度が65重量%以下ではこの浸
漬時間の短縮化には効果が余りない。またカルシウム塩
の濃度を90重量%以上にするには溶液の調製が困難で
ある。硝酸カルシウム濃度が65〜90重量%である高
濃度の硝酸カルシウム・メタノール溶液をつくるには、
加熱した熱メタノール、例えば60〜70℃に加熱した
熱メタノールに硝酸カルシウムを溶解させることによっ
てつくることができる。
【0010】本発明におけるカルシウム塩・メタノール
溶液のチクソトロピー値(TV値)は、ブルックフィ−
ルド粘度計(BM型粘度計)を用い、#1ロ−タ−を使
用し、20℃において回転数6rpmで測定したときの
粘度(cP)と20℃において回転数60rpmで測定
したときの粘度(cP)との比である。すなわち、次の
式1で表される。
溶液のチクソトロピー値(TV値)は、ブルックフィ−
ルド粘度計(BM型粘度計)を用い、#1ロ−タ−を使
用し、20℃において回転数6rpmで測定したときの
粘度(cP)と20℃において回転数60rpmで測定
したときの粘度(cP)との比である。すなわち、次の
式1で表される。
【0011】
【数1】
【0012】凝固剤中のカルシウム塩の濃度を高くする
ことによって、短時間に元型表面に肉厚の厚い凝固皮膜
を形成し得るが、この浸漬方法では、肉厚が不均一にな
りやすい。特に元型の尖った部分、所謂Rと称される部
分は、他の部分に比して薄くなりやすい。本発明は、凝
固剤のチクソトロピー値(TV値)を上記の値にするこ
とにより、肉厚の不均一の解消を図るものである。この
場合、TV値を0.6〜2.0にすることによって、均
一な肉厚を有する弾性成形型を成形することが可能とな
る。本発明においては、上記TV値を0.6〜2.0に
することによって、凝固剤の元型への付着が良好且つ均
一になり、そのためゴム・ラテックスの凝固皮膜が元型
に均一に付着凝固し、これが凝固剤のカルシウム塩の高
濃度と相俟って、ゴム・ラテックスへの浸漬時間が短時
間であっても、肉厚が厚く且つ均一な厚さのゴム成形品
が成形できるものと考えられる。TV値が0.6以下で
は肉厚の十分な均一性は得られない。また、TV値を
2.0以上にするに十分な不活性微粒子を添加した場合
には、その添加量が多くなり、凝固ゴム中に不活性微粒
子が析出し、支障を生じる。
ことによって、短時間に元型表面に肉厚の厚い凝固皮膜
を形成し得るが、この浸漬方法では、肉厚が不均一にな
りやすい。特に元型の尖った部分、所謂Rと称される部
分は、他の部分に比して薄くなりやすい。本発明は、凝
固剤のチクソトロピー値(TV値)を上記の値にするこ
とにより、肉厚の不均一の解消を図るものである。この
場合、TV値を0.6〜2.0にすることによって、均
一な肉厚を有する弾性成形型を成形することが可能とな
る。本発明においては、上記TV値を0.6〜2.0に
することによって、凝固剤の元型への付着が良好且つ均
一になり、そのためゴム・ラテックスの凝固皮膜が元型
に均一に付着凝固し、これが凝固剤のカルシウム塩の高
濃度と相俟って、ゴム・ラテックスへの浸漬時間が短時
間であっても、肉厚が厚く且つ均一な厚さのゴム成形品
が成形できるものと考えられる。TV値が0.6以下で
は肉厚の十分な均一性は得られない。また、TV値を
2.0以上にするに十分な不活性微粒子を添加した場合
には、その添加量が多くなり、凝固ゴム中に不活性微粒
子が析出し、支障を生じる。
【0013】カルシウム塩・メタノール溶液のTV値を
調整するには、カルシウム塩・メタノール溶液に不活性
微粉末を添加することにより行うが、無水シリカを添加
するのが好ましい。ここでいう無水シリカは、四塩化硅
素の酸水素焔中での高温加水分解により、2H2+O2+
SiCl4→SiO2+4HClのような反応で生成され
たシリカで、球状で孔のない表面を有し、その表面にシ
ラノ−ル基(SiOH)を有する特徴がある。この無水
シリカは「AEROSIL(アエロジル)」の登録商標
名で市販されている。1次粒子の平均粒径が6〜30n
mのものが好ましい。無水シリカは少量の添加でTV値
を所望の値にすることができ、浸漬操作時に凝固ゴムに
析出してゴム成形品の品質を低下させることがない。無
水シリカの添加量はTV値を所望の値にするに十分な量
であるが、一般に0.1〜2.5重量%である。無水シ
リカの添加量を2.5重量%以上に増加させると、凝固
ゴム中に無水シリカの微粒子が析出するようになるため
好ましくない。
調整するには、カルシウム塩・メタノール溶液に不活性
微粉末を添加することにより行うが、無水シリカを添加
するのが好ましい。ここでいう無水シリカは、四塩化硅
素の酸水素焔中での高温加水分解により、2H2+O2+
SiCl4→SiO2+4HClのような反応で生成され
たシリカで、球状で孔のない表面を有し、その表面にシ
ラノ−ル基(SiOH)を有する特徴がある。この無水
シリカは「AEROSIL(アエロジル)」の登録商標
名で市販されている。1次粒子の平均粒径が6〜30n
mのものが好ましい。無水シリカは少量の添加でTV値
を所望の値にすることができ、浸漬操作時に凝固ゴムに
析出してゴム成形品の品質を低下させることがない。無
水シリカの添加量はTV値を所望の値にするに十分な量
であるが、一般に0.1〜2.5重量%である。無水シ
リカの添加量を2.5重量%以上に増加させると、凝固
ゴム中に無水シリカの微粒子が析出するようになるため
好ましくない。
【0014】ところで、ゴムで作った弾性成形型を用い
てチョコレ−ト、チ−ズ、ゼリ−、かまぼこ、口紅など
を成形する方法が知られている。この弾性成形型は弾性
膜で構成されており、開口部を有する中空の型本体部
と、該開口部から外方に拡がる型支持部とからなってい
る。成形に当っては、弾性成形型を枠体に吊り下げた状
態にし、該型内に成形材料を充填する。そのため、弾性
成形型の膜厚(肉厚)が薄いと成形型が変形し、所期の
形状の成形品が得られないので、弾性成形型の肉厚はあ
る程度の厚さが要求される。また、上記充填後固化した
成形材料(成形製品)を弾性成形型から取り出す際に、
空気圧差を利用する。具体的には、例えば弾性成形型全
体に通孔を有するカップを被せ、通孔から吸引すること
によってカップ内を減圧させ、弾性成形型を膨張させ、
成形品を離型している。このように弾性成形型は膨張さ
せられるため、その肉厚が均一でないと、薄い個所のみ
が過剰に膨張し、そのため繰返し使用しているうちにこ
の薄い部分が破け、結果として弾性成形型の耐久性を低
下させる。かかる弾性成形型の要求からして、本発明は
弾性成形型の製造に適する。
てチョコレ−ト、チ−ズ、ゼリ−、かまぼこ、口紅など
を成形する方法が知られている。この弾性成形型は弾性
膜で構成されており、開口部を有する中空の型本体部
と、該開口部から外方に拡がる型支持部とからなってい
る。成形に当っては、弾性成形型を枠体に吊り下げた状
態にし、該型内に成形材料を充填する。そのため、弾性
成形型の膜厚(肉厚)が薄いと成形型が変形し、所期の
形状の成形品が得られないので、弾性成形型の肉厚はあ
る程度の厚さが要求される。また、上記充填後固化した
成形材料(成形製品)を弾性成形型から取り出す際に、
空気圧差を利用する。具体的には、例えば弾性成形型全
体に通孔を有するカップを被せ、通孔から吸引すること
によってカップ内を減圧させ、弾性成形型を膨張させ、
成形品を離型している。このように弾性成形型は膨張さ
せられるため、その肉厚が均一でないと、薄い個所のみ
が過剰に膨張し、そのため繰返し使用しているうちにこ
の薄い部分が破け、結果として弾性成形型の耐久性を低
下させる。かかる弾性成形型の要求からして、本発明は
弾性成形型の製造に適する。
【0015】
【実施例】次に弾性成形型の製造についての実施例をも
って本発明を説明する。 実施例1.70℃に加熱したメタノールに硝酸カルシウ
ムを加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度72重量%の
硝酸カルシウム・メタノール溶液をつくり、これに無水
シリカ(アエロジル#380:BET法による比表面積
380±30m2/g、1次粒子の平均径約7nm、見
掛け比重約50g/l)を固形分で1重量%添加し、更
に非イオン系界面活性剤0.05重量%添加して凝固剤
とした。この凝固剤のTV値を測定したところ0.90
であった。ガラスで構成した元型を、上記の凝固剤中に
浸漬し、引き上げ、乾燥した。この凝固剤を付着させた
元型を、次の組成のラテックス中に10分間浸漬した。 クロロプレンゴムラテックス(固形分として) 100重量部 酸化亜鉛 5重量部 ジチオカルバメ−ト系加硫促進剤 1重量部 チウラム系加硫促進剤 1重量部 硫黄 1重量部 老化防止剤 1重量部 クレー 20重量部 安定剤 適量 グリシン(20重量%) 適量 元型表面にゴムの凝固皮膜が形成された。引き上げ、乾
燥後、ゴムの凝固皮膜を元型から剥離し、1%アンモニ
ア水で凝固剤を抽出し、更に乾燥後、加硫して弾性成形
型を得た。この弾性成形型の物性を表1に示す。
って本発明を説明する。 実施例1.70℃に加熱したメタノールに硝酸カルシウ
ムを加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度72重量%の
硝酸カルシウム・メタノール溶液をつくり、これに無水
シリカ(アエロジル#380:BET法による比表面積
380±30m2/g、1次粒子の平均径約7nm、見
掛け比重約50g/l)を固形分で1重量%添加し、更
に非イオン系界面活性剤0.05重量%添加して凝固剤
とした。この凝固剤のTV値を測定したところ0.90
であった。ガラスで構成した元型を、上記の凝固剤中に
浸漬し、引き上げ、乾燥した。この凝固剤を付着させた
元型を、次の組成のラテックス中に10分間浸漬した。 クロロプレンゴムラテックス(固形分として) 100重量部 酸化亜鉛 5重量部 ジチオカルバメ−ト系加硫促進剤 1重量部 チウラム系加硫促進剤 1重量部 硫黄 1重量部 老化防止剤 1重量部 クレー 20重量部 安定剤 適量 グリシン(20重量%) 適量 元型表面にゴムの凝固皮膜が形成された。引き上げ、乾
燥後、ゴムの凝固皮膜を元型から剥離し、1%アンモニ
ア水で凝固剤を抽出し、更に乾燥後、加硫して弾性成形
型を得た。この弾性成形型の物性を表1に示す。
【0016】実施例2.70℃に加熱したメタノールに
硝酸カルシウムを加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度
65重量%の硝酸カルシウム・メタノール溶液をつく
り、これにシリカゾルを固形分で2重量%添加し、更に
非イオン系界面活性剤0.05重量%添加して凝固剤と
した。この凝固剤のTV値を測定したところ1.50で
あった。ガラスで構成した元型を、上記の凝固剤中に浸
漬し、引き上げ、乾燥した。この凝固剤を付着させた元
型を、実施例1の組成のラテックスに10分間浸漬し、
その後実施例1と同じ操作を行い弾性成形型を製造し
た。この弾性成形型の物性を表1に示す。
硝酸カルシウムを加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度
65重量%の硝酸カルシウム・メタノール溶液をつく
り、これにシリカゾルを固形分で2重量%添加し、更に
非イオン系界面活性剤0.05重量%添加して凝固剤と
した。この凝固剤のTV値を測定したところ1.50で
あった。ガラスで構成した元型を、上記の凝固剤中に浸
漬し、引き上げ、乾燥した。この凝固剤を付着させた元
型を、実施例1の組成のラテックスに10分間浸漬し、
その後実施例1と同じ操作を行い弾性成形型を製造し
た。この弾性成形型の物性を表1に示す。
【0017】比較例1.メタノールに硝酸カルシウムを
加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度50重量%の硝酸
カルシウム・メタノール溶液をつくり、これに非イオン
系界面活性剤0.05重量%添加して凝固剤とした。こ
の凝固剤のTV値を測定したところ0.11であった。
ガラスで構成した元型を、上記の凝固剤中に浸漬し、引
き上げ、乾燥した。この凝固剤を付着させた元型を、実
施例1の組成のラテックスに10分間浸漬し、その後実
施例1と同じ操作を行い弾性成形型を製造した。この弾
性成形型の物性を表1に示す。
加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度50重量%の硝酸
カルシウム・メタノール溶液をつくり、これに非イオン
系界面活性剤0.05重量%添加して凝固剤とした。こ
の凝固剤のTV値を測定したところ0.11であった。
ガラスで構成した元型を、上記の凝固剤中に浸漬し、引
き上げ、乾燥した。この凝固剤を付着させた元型を、実
施例1の組成のラテックスに10分間浸漬し、その後実
施例1と同じ操作を行い弾性成形型を製造した。この弾
性成形型の物性を表1に示す。
【0018】比較例2.70℃に加熱したメタノールに
硝酸カルシウムを加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度
80重量%の硝酸カルシウム・メタノール溶液をつく
り、これに非イオン系界面活性剤0.05重量%添加し
て凝固剤とした。この凝固剤のTV値を測定したところ
0.21であった。ガラスで構成した元型を、上記の凝
固剤中に浸漬し、引き上げ、乾燥した。この凝固剤を付
着させた元型を、実施例1に示す組成のラテックスに1
0分間浸漬した。その後実施例1と同じ操作を行い弾性
成形型を製造した。この弾性成形型の物性を表1に示
す。
硝酸カルシウムを加えて撹拌溶解し硝酸カルシウム濃度
80重量%の硝酸カルシウム・メタノール溶液をつく
り、これに非イオン系界面活性剤0.05重量%添加し
て凝固剤とした。この凝固剤のTV値を測定したところ
0.21であった。ガラスで構成した元型を、上記の凝
固剤中に浸漬し、引き上げ、乾燥した。この凝固剤を付
着させた元型を、実施例1に示す組成のラテックスに1
0分間浸漬した。その後実施例1と同じ操作を行い弾性
成形型を製造した。この弾性成形型の物性を表1に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】表1にみるように、本発明の製造方法によ
る弾性成形型は肉厚の均一性が良く、また耐久性も向上
した。なお、耐久性は、弾性成形型を裏返しにして、そ
の内側を外側にし、40℃のチョコレ−ト内に72時間
浸漬し、その後再び裏返しして元の状態に戻し、次いで
膨張率100%に膨張させる操作を繰返し、弾性成形型
が破けるまでの回数を示したものである。
る弾性成形型は肉厚の均一性が良く、また耐久性も向上
した。なお、耐久性は、弾性成形型を裏返しにして、そ
の内側を外側にし、40℃のチョコレ−ト内に72時間
浸漬し、その後再び裏返しして元の状態に戻し、次いで
膨張率100%に膨張させる操作を繰返し、弾性成形型
が破けるまでの回数を示したものである。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は元型をゴム
・ラテックス凝固剤に浸漬、引き上げ、乾燥し、次いで
該元型をゴム・ラテックスに浸漬して元型表面にゴム・
ラテックスの凝固皮膜を形成させ、その後該凝固皮膜を
元型から剥離してゴム成形品を製造するに当り、上記ゴ
ム・ラテックス凝固剤としてカルシウム塩濃度が65〜
90重量%であり、且つチクソトロピー値(TV値)が
0.6〜2.0であるカルシウム塩・メタノール溶液を
用いたので、凝固剤の元型への付着が良好且つ均一にな
り、そのためゴム・ラテックスの凝固皮膜が元型に均一
に厚く凝着し、したがって肉厚が比較的厚く且つ肉厚が
均一なゴム成形品を短時間で成形できる利点がある。こ
のゴム成形法は、肉厚の均一性が強く要求される弾性成
形型の製造に好適である。
・ラテックス凝固剤に浸漬、引き上げ、乾燥し、次いで
該元型をゴム・ラテックスに浸漬して元型表面にゴム・
ラテックスの凝固皮膜を形成させ、その後該凝固皮膜を
元型から剥離してゴム成形品を製造するに当り、上記ゴ
ム・ラテックス凝固剤としてカルシウム塩濃度が65〜
90重量%であり、且つチクソトロピー値(TV値)が
0.6〜2.0であるカルシウム塩・メタノール溶液を
用いたので、凝固剤の元型への付着が良好且つ均一にな
り、そのためゴム・ラテックスの凝固皮膜が元型に均一
に厚く凝着し、したがって肉厚が比較的厚く且つ肉厚が
均一なゴム成形品を短時間で成形できる利点がある。こ
のゴム成形法は、肉厚の均一性が強く要求される弾性成
形型の製造に好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】元型をゴム・ラテックスの凝固剤に浸漬
し、引き上げ、乾燥し、次いで該元型をゴム・ラテック
ス中に浸漬して元型表面にゴム・ラテックスの凝固皮膜
を形成させ、引き上げ、その後該凝固皮膜を元型から剥
離してゴム成形品を製造する方法において、上記ゴム・
ラテックス凝固剤として、カルシウム塩濃度が65〜9
0重量%であり、且つチクソトロピー値(TV値)が
0.6〜2.0のカルシウム塩・メタノール溶液を用い
ることを特徴とするゴム成形品の製造方法。 - 【請求項2】ゴム・ラテックス凝固剤が、加熱したメタ
ノール溶液に硝酸カルシウムを濃度65〜90重量%に
溶解した硝酸カルシウム・メタノール溶液に、無水シリ
カを添加してチクソトロピー値(TV値)を0.6〜
2.0に調整した凝固剤である請求項1のゴム成形品の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21071693A JPH0760766A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 浸漬法によるゴム成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21071693A JPH0760766A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 浸漬法によるゴム成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0760766A true JPH0760766A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16593924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21071693A Pending JPH0760766A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 浸漬法によるゴム成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0760766A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002036665A1 (fr) * | 2000-10-30 | 2002-05-10 | Zeon Corporation | Moulages au trempe, composition destinee au moulage au trempe et procede de production associe |
JP2012158694A (ja) * | 2011-02-01 | 2012-08-23 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 水系接着剤組成物及びウェットスーツ素材の製造方法 |
CN103240830A (zh) * | 2012-02-14 | 2013-08-14 | 许佑正 | 筷子膜套制造方法及其结构 |
-
1993
- 1993-08-25 JP JP21071693A patent/JPH0760766A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002036665A1 (fr) * | 2000-10-30 | 2002-05-10 | Zeon Corporation | Moulages au trempe, composition destinee au moulage au trempe et procede de production associe |
US7183347B2 (en) | 2000-10-30 | 2007-02-27 | Zeon Corporation | Dip moldings, composition for dip molding and method for producing dip moldings |
JP2012158694A (ja) * | 2011-02-01 | 2012-08-23 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 水系接着剤組成物及びウェットスーツ素材の製造方法 |
CN103240830A (zh) * | 2012-02-14 | 2013-08-14 | 许佑正 | 筷子膜套制造方法及其结构 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040106 |