JPH0759651A - マイクロ波加熱用治具及び容器 - Google Patents
マイクロ波加熱用治具及び容器Info
- Publication number
- JPH0759651A JPH0759651A JP5235556A JP23555693A JPH0759651A JP H0759651 A JPH0759651 A JP H0759651A JP 5235556 A JP5235556 A JP 5235556A JP 23555693 A JP23555693 A JP 23555693A JP H0759651 A JPH0759651 A JP H0759651A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- microwave
- shield
- heating
- aluminum foil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Package Specialized In Special Use (AREA)
- Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
- Cookers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 深さがあり、かつ幅が広い加工食品、例えば
冷凍のカツ丼、天子丼、玉丼等について、中心部まで良
好に加熱できるようにする。 【構成】 マクロ波加熱用容器は、冷凍加工食品を入れ
るための容器１０であって、この容器１０の側面部１２
にアルミ箔の側面シールド（マイクロ波遮蔽領域）１７
を形成し、また上面部１３の中心部に所定大きさの上面
シールド１８を形成する。一方、マイクロ波加熱用治具
は、冷凍加工食品を入れた容器を収納する筒状本体２０
を備え、この筒状本体２０の側面にアルミ箔の側面シー
ルド２２を形成し、またこの筒状本体２０の蓋体２４の
中心部に所定大きさの上面シールド２５を形成する。こ
れにより、側面部の早期の解凍、加熱を防止し、また中
央部表面の早期の解凍、加熱を防止し、均一な加熱が達
成できる。
冷凍のカツ丼、天子丼、玉丼等について、中心部まで良
好に加熱できるようにする。 【構成】 マクロ波加熱用容器は、冷凍加工食品を入れ
るための容器１０であって、この容器１０の側面部１２
にアルミ箔の側面シールド（マイクロ波遮蔽領域）１７
を形成し、また上面部１３の中心部に所定大きさの上面
シールド１８を形成する。一方、マイクロ波加熱用治具
は、冷凍加工食品を入れた容器を収納する筒状本体２０
を備え、この筒状本体２０の側面にアルミ箔の側面シー
ルド２２を形成し、またこの筒状本体２０の蓋体２４の
中心部に所定大きさの上面シールド２５を形成する。こ
れにより、側面部の早期の解凍、加熱を防止し、また中
央部表面の早期の解凍、加熱を防止し、均一な加熱が達
成できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波加熱用治具及
び容器、特に冷凍加工食品を解凍、加熱する際に用いら
れる治具及び容器の構成に関する。
び容器、特に冷凍加工食品を解凍、加熱する際に用いら
れる治具及び容器の構成に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から、電子レンジ等としてマイクロ
波加熱器具が用いられており、このマイクロ波加熱器具
は、放射されたマイクロ波が分子間に摩擦熱を発生させ
ることによって、調理品を加熱することができる。この
ようなマイクロ波加熱器具では、調理の際の加熱、調理
品の再加熱、生鮮食料品等の冷凍物の解凍等が行われて
いる。
波加熱器具が用いられており、このマイクロ波加熱器具
は、放射されたマイクロ波が分子間に摩擦熱を発生させ
ることによって、調理品を加熱することができる。この
ようなマイクロ波加熱器具では、調理の際の加熱、調理
品の再加熱、生鮮食料品等の冷凍物の解凍等が行われて
いる。
【０００３】そして、近年では食品調理が簡略化される
傾向にあり、調理済みの食品であるレトルト食品等の普
及と共に、マイクロ波加熱を利用した冷凍加工食品も多
くなっている。例えば、グラタン、かゆ、おこわ等が電
子レンジ用食品として商品化されている。
傾向にあり、調理済みの食品であるレトルト食品等の普
及と共に、マイクロ波加熱を利用した冷凍加工食品も多
くなっている。例えば、グラタン、かゆ、おこわ等が電
子レンジ用食品として商品化されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの商品
ではマイクロ波を浸透させるために薄く平な状態にして
器具にセットしなければならないという問題があった。
即ち、液体や水分が非常に多く含まれた食品の場合は迅
速な熱伝導により中心部まで加熱されるが、マイクロ波
は浸透深さが浅いため、厚く重ねた加工食品では中心部
まで良好に加熱することができない。従って、従来では
マイクロ波加熱により調理できる加工食品が限定されて
いた。
ではマイクロ波を浸透させるために薄く平な状態にして
器具にセットしなければならないという問題があった。
即ち、液体や水分が非常に多く含まれた食品の場合は迅
速な熱伝導により中心部まで加熱されるが、マイクロ波
は浸透深さが浅いため、厚く重ねた加工食品では中心部
まで良好に加熱することができない。従って、従来では
マイクロ波加熱により調理できる加工食品が限定されて
いた。
【０００５】ところで、手軽な食品としては、例えばカ
ツ丼、天丼、親子丼、うなぎ丼、玉子丼、カレーライス
等があるが、これらを調理済みの冷凍加工食品として形
成し、この冷凍食品をマイクロ波加熱器具により解凍し
かつ加熱して、そのまま食べることができれば便利とな
る。しかし、この場合も、上述したように被加熱物の深
さがあり、かつ幅も広いことから、中心部が温められな
いという問題がある。また、冷凍食品の場合、側面部の
加熱効率が高いため、側面部だけが早く解凍され、一気
に高温となってしまうのに対し、中心部は解凍が遅く、
側面部が高温に達しても、極めて低い温度のままとな
る。しかも、上記カツ丼等の冷凍食品では御飯の上に具
が載せられていることから、表面部の加熱効率が低く、
中心部においては表面へ向うほど温度が低くなる。
ツ丼、天丼、親子丼、うなぎ丼、玉子丼、カレーライス
等があるが、これらを調理済みの冷凍加工食品として形
成し、この冷凍食品をマイクロ波加熱器具により解凍し
かつ加熱して、そのまま食べることができれば便利とな
る。しかし、この場合も、上述したように被加熱物の深
さがあり、かつ幅も広いことから、中心部が温められな
いという問題がある。また、冷凍食品の場合、側面部の
加熱効率が高いため、側面部だけが早く解凍され、一気
に高温となってしまうのに対し、中心部は解凍が遅く、
側面部が高温に達しても、極めて低い温度のままとな
る。しかも、上記カツ丼等の冷凍食品では御飯の上に具
が載せられていることから、表面部の加熱効率が低く、
中心部においては表面へ向うほど温度が低くなる。
【０００６】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、深さがあり、かつ幅が広
い加工食品について、中心部まで良好に加熱することが
できるマイクロ波加熱用治具及び容器を提供することに
ある。
れたものであり、その目的は、深さがあり、かつ幅が広
い加工食品について、中心部まで良好に加熱することが
できるマイクロ波加熱用治具及び容器を提供することに
ある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１請求項記載のマイクロ波加熱用治具は、加工食
品を入れた容器を収納する大きさの筒状本体を備え、こ
の筒状本体の側面にマイクロ波遮蔽領域を形成したこと
を特徴とする。第２請求項の発明は、上記筒状本体の上
部に蓋体を設け、この蓋体の中心部に所定大きさのマイ
クロ波遮蔽領域を形成したことを特徴とする。第３請求
項のマイクロ波加熱用容器は、加工食品を入れるための
容器であって、その容器の側面にマイクロ波遮蔽領域を
形成したことを特徴とする。第４請求項記載の発明は、
上記容器の上面に、その中心部に所定大きさのマイクロ
波遮蔽領域を形成したことを特徴とする。
に、第１請求項記載のマイクロ波加熱用治具は、加工食
品を入れた容器を収納する大きさの筒状本体を備え、こ
の筒状本体の側面にマイクロ波遮蔽領域を形成したこと
を特徴とする。第２請求項の発明は、上記筒状本体の上
部に蓋体を設け、この蓋体の中心部に所定大きさのマイ
クロ波遮蔽領域を形成したことを特徴とする。第３請求
項のマイクロ波加熱用容器は、加工食品を入れるための
容器であって、その容器の側面にマイクロ波遮蔽領域を
形成したことを特徴とする。第４請求項記載の発明は、
上記容器の上面に、その中心部に所定大きさのマイクロ
波遮蔽領域を形成したことを特徴とする。
【０００８】
【作用】上記の構成によれば、マイクロ波加熱用治具で
は、例えば金属箔（アルミ箔等）の遮蔽領域が印刷、転
写、貼り付け等の方法により筒状本体の側面に形成され
るので、マイクロ波は側面部では反射され、主に上面部
から加工食品へ浸透することになる。従って、例えば冷
凍の加工食品の場合は外周側面部からの早期解凍が防止
され、全体的に均一に温められることになる。このと
き、上記治具には、中心部に同様の遮蔽領域が形成され
た蓋体を設けることが好ましい。即ち、被加熱物の深さ
にもよるが、上面部からマイクロ波が浸透するとき、逆
に中心部表面の温度が高くなり過ぎることがある。従っ
て、この場合は上面部の中心部に所定大きさの遮蔽領域
を設けることにより、中心部表面近傍の加熱効率が下げ
られ、中心部においても均一な加熱が達成される。
は、例えば金属箔（アルミ箔等）の遮蔽領域が印刷、転
写、貼り付け等の方法により筒状本体の側面に形成され
るので、マイクロ波は側面部では反射され、主に上面部
から加工食品へ浸透することになる。従って、例えば冷
凍の加工食品の場合は外周側面部からの早期解凍が防止
され、全体的に均一に温められることになる。このと
き、上記治具には、中心部に同様の遮蔽領域が形成され
た蓋体を設けることが好ましい。即ち、被加熱物の深さ
にもよるが、上面部からマイクロ波が浸透するとき、逆
に中心部表面の温度が高くなり過ぎることがある。従っ
て、この場合は上面部の中心部に所定大きさの遮蔽領域
を設けることにより、中心部表面近傍の加熱効率が下げ
られ、中心部においても均一な加熱が達成される。
【０００９】また、マイクロ波加熱用容器においても同
様に、例えば金属箔の遮蔽領域が印刷、転写、貼り付
け、包装等の方法により容器側面に形成されることにな
り、上記と同様の作用により被加熱物である冷凍加工食
品は均一に加熱される。そして、この場合も容器上面の
中心部に遮蔽領域を設けることにより、中心部表面の過
加熱を防止することができる。
様に、例えば金属箔の遮蔽領域が印刷、転写、貼り付
け、包装等の方法により容器側面に形成されることにな
り、上記と同様の作用により被加熱物である冷凍加工食
品は均一に加熱される。そして、この場合も容器上面の
中心部に遮蔽領域を設けることにより、中心部表面の過
加熱を防止することができる。
【００１０】
【実施例】図１には、第１実施例に係るマイクロ波加熱
用容器の構成が示されており、この第１実施例はカツ丼
の冷凍加工食品を密閉容器にて包装したものである。図
１において、容器１０は、紙、多層紙、発泡スチロール
等から形成することができ、底面部１１、側面部１２、
上面部１３（図では説明上、透明とする）から構成され
る。この容器１０内には、カツ丼として御飯１５と具１
６が冷凍状態で詰め込まれており、保存状態では温度が
例えば−２０℃に維持されている。
用容器の構成が示されており、この第１実施例はカツ丼
の冷凍加工食品を密閉容器にて包装したものである。図
１において、容器１０は、紙、多層紙、発泡スチロール
等から形成することができ、底面部１１、側面部１２、
上面部１３（図では説明上、透明とする）から構成され
る。この容器１０内には、カツ丼として御飯１５と具１
６が冷凍状態で詰め込まれており、保存状態では温度が
例えば−２０℃に維持されている。
【００１１】このような容器１０において、側面部１２
の外周（又は内周、中間部でもよい）全域にアルミ箔か
らなる側面シールド（遮蔽領域）１７が設けられてお
り、この側面シールド１７は印刷、転写、貼り付け、包
装等の方法により形成される。そして、上面部１３の中
心部には、所定半径の上面シールド１８が上記と同様に
して（外側、内側、中間のいずれの場所でもよい）形成
されている。この上面シールド１８の大きさは、被加熱
物の上面の広さと深さによって、また上部に載せられる
具１６の種類によって適宜、変更設定することが好まし
い。
の外周（又は内周、中間部でもよい）全域にアルミ箔か
らなる側面シールド（遮蔽領域）１７が設けられてお
り、この側面シールド１７は印刷、転写、貼り付け、包
装等の方法により形成される。そして、上面部１３の中
心部には、所定半径の上面シールド１８が上記と同様に
して（外側、内側、中間のいずれの場所でもよい）形成
されている。この上面シールド１８の大きさは、被加熱
物の上面の広さと深さによって、また上部に載せられる
具１６の種類によって適宜、変更設定することが好まし
い。
【００１２】このような容器１０にカツ丼の冷凍食品を
詰めた場合と、シールドのない普通の容器に同じ冷凍食
品を詰めた場合とに分け、実際に−２０℃から解凍し、
更に加熱して実験をすると、次のような結果が得られ
た。即ち、図２には容器１０を上から見た図が示されて
おり、実施例の実験では、底面部１１の半径を５５ｍ
ｍ、上面部１３の半径を６５ｍｍ、深さ６０ｍｍの容器
を用い、図示されるように、中心点Ａ、この中心点Ａか
ら２５ｍｍ離れた中間点Ｂ，Ｄ、更に２５ｍｍ離れた外
周点Ｃ，Ｅについて、表面と内部（深さ３０ｍｍ〜６０
ｍｍの平均値）を数回測定し、その平均値を求めた。ま
た、マイクロ波周波数は２４５０MHz 、出力は３ＫＷ、
加熱時間は２分としており、加熱器具の上面部に取り付
けられたマグネトロンから、マイクロ波は全体に均一に
放射されている。
詰めた場合と、シールドのない普通の容器に同じ冷凍食
品を詰めた場合とに分け、実際に−２０℃から解凍し、
更に加熱して実験をすると、次のような結果が得られ
た。即ち、図２には容器１０を上から見た図が示されて
おり、実施例の実験では、底面部１１の半径を５５ｍ
ｍ、上面部１３の半径を６５ｍｍ、深さ６０ｍｍの容器
を用い、図示されるように、中心点Ａ、この中心点Ａか
ら２５ｍｍ離れた中間点Ｂ，Ｄ、更に２５ｍｍ離れた外
周点Ｃ，Ｅについて、表面と内部（深さ３０ｍｍ〜６０
ｍｍの平均値）を数回測定し、その平均値を求めた。ま
た、マイクロ波周波数は２４５０MHz 、出力は３ＫＷ、
加熱時間は２分としており、加熱器具の上面部に取り付
けられたマグネトロンから、マイクロ波は全体に均一に
放射されている。
【００１３】この結果が、図３に示されており、シール
ドなしの場合の表面は、矢示１００に示されるように、
中央点Ａが３〜４℃と低く、中間点Ｂ，Ｄは５０℃前
後、外周点Ｃ，Ｅは９５℃前後となり、シールドなしの
場合の内部は、矢示１０１に示されるように、中央点Ａ
が４５〜４７℃程度で、中間点Ｂ，Ｄは７３℃前後、外
周点Ｃ，Ｅは９２℃前後となった。一方、側面シールド
１７及び上面シールド１８を設けた場合は、表面が矢示
２００に示されるように、中央点Ａは８５〜８６℃程度
まで高くなり、中間点Ｂ，Ｄは８７℃前後、外周点Ｃ，
Ｅは９０℃前後となり、また内部が矢示２０１に示され
るように、中央点Ａは８９℃前後まで上がり、中間点
Ｂ，Ｄは８３〜８４℃程度、外周点Ｃ，Ｅは７６〜７７
℃程度となった。
ドなしの場合の表面は、矢示１００に示されるように、
中央点Ａが３〜４℃と低く、中間点Ｂ，Ｄは５０℃前
後、外周点Ｃ，Ｅは９５℃前後となり、シールドなしの
場合の内部は、矢示１０１に示されるように、中央点Ａ
が４５〜４７℃程度で、中間点Ｂ，Ｄは７３℃前後、外
周点Ｃ，Ｅは９２℃前後となった。一方、側面シールド
１７及び上面シールド１８を設けた場合は、表面が矢示
２００に示されるように、中央点Ａは８５〜８６℃程度
まで高くなり、中間点Ｂ，Ｄは８７℃前後、外周点Ｃ，
Ｅは９０℃前後となり、また内部が矢示２０１に示され
るように、中央点Ａは８９℃前後まで上がり、中間点
Ｂ，Ｄは８３〜８４℃程度、外周点Ｃ，Ｅは７６〜７７
℃程度となった。
【００１４】即ち、マイクロ波放射の際の電力損失Ｐ
［Ｗ／ｍ3 ］は、Ｐ＝Ｋ・ε・tan δ・ｆ・Ｅ2 （Ｋ：
比例定数、ε：被加熱物の比誘電率、tan δ：比加熱物
の誘電体損失角、ｆ：周波数［Hz］、Ｅ：マイクロ波の
電界の強さ［Ｖ／ｍ］）で表されるが、この式の比加熱
物の誘電体損失角tan δが温度によって変化し、温度が
０℃近傍では小さいが、０℃以上になると大きくなる。
従って、側面シールド１７がない場合、冷凍加工食品で
ある御飯１５の外周側面部の温度が先に０℃以上に上昇
すると、この側面部に電力を不必要に費やすことにな
り、中心部の解凍作用が阻害され、時間経過と共に側面
部と中心部との温度差が大きくなる。これに対し、側面
シールド１７を有する場合は、容器１０の側面部１２か
ら与えられるマイクロ波がシールドされるので、上記御
飯１５の側面部のみの早期解凍が防止され、主に上面部
１３から与えられるマイクロ波によって御飯１５と具１
６の温度は均一に上昇することになる。従って、０℃以
上にまで上昇した時でも、温度依存性のあるtan δの影
響を抑制することができ、解凍、加熱作用が良好に行わ
れる。なお、上記の解凍、加熱作用はこのtan δの要素
だけで決るものではなく、側面シールド１７から内側へ
反射されるマイクロ波の影響や他の要素にも依存してお
り、また御飯１５の上に具１６が載せられた組合せにも
関係していると考えられる。
［Ｗ／ｍ3 ］は、Ｐ＝Ｋ・ε・tan δ・ｆ・Ｅ2 （Ｋ：
比例定数、ε：被加熱物の比誘電率、tan δ：比加熱物
の誘電体損失角、ｆ：周波数［Hz］、Ｅ：マイクロ波の
電界の強さ［Ｖ／ｍ］）で表されるが、この式の比加熱
物の誘電体損失角tan δが温度によって変化し、温度が
０℃近傍では小さいが、０℃以上になると大きくなる。
従って、側面シールド１７がない場合、冷凍加工食品で
ある御飯１５の外周側面部の温度が先に０℃以上に上昇
すると、この側面部に電力を不必要に費やすことにな
り、中心部の解凍作用が阻害され、時間経過と共に側面
部と中心部との温度差が大きくなる。これに対し、側面
シールド１７を有する場合は、容器１０の側面部１２か
ら与えられるマイクロ波がシールドされるので、上記御
飯１５の側面部のみの早期解凍が防止され、主に上面部
１３から与えられるマイクロ波によって御飯１５と具１
６の温度は均一に上昇することになる。従って、０℃以
上にまで上昇した時でも、温度依存性のあるtan δの影
響を抑制することができ、解凍、加熱作用が良好に行わ
れる。なお、上記の解凍、加熱作用はこのtan δの要素
だけで決るものではなく、側面シールド１７から内側へ
反射されるマイクロ波の影響や他の要素にも依存してお
り、また御飯１５の上に具１６が載せられた組合せにも
関係していると考えられる。
【００１５】また、上記側面シールド１７のみを設けた
場合は、実施例では逆に表面の具１６の中心部近傍の温
度が高くなり過ぎるので、上面シールド１８を設けるこ
とによって、特に中心部表面の温度上昇を抑制すること
としたものである。即ち、中心部表面が早期に解凍され
ると、比較的狭い範囲ではあるがこの部分での電力損失
が大きくなり、従来の側面部と同様の不都合が生じる。
従って、この部分に所定大きさの上面シールド１８を設
けることにより、御飯１５と具１６から構成される被加
熱物の全体の均一な温度上昇が図られることになる。
場合は、実施例では逆に表面の具１６の中心部近傍の温
度が高くなり過ぎるので、上面シールド１８を設けるこ
とによって、特に中心部表面の温度上昇を抑制すること
としたものである。即ち、中心部表面が早期に解凍され
ると、比較的狭い範囲ではあるがこの部分での電力損失
が大きくなり、従来の側面部と同様の不都合が生じる。
従って、この部分に所定大きさの上面シールド１８を設
けることにより、御飯１５と具１６から構成される被加
熱物の全体の均一な温度上昇が図られることになる。
【００１６】図４には、第２実施例に係るマイクロ波加
熱用治具の構成が示されており、この第２実施例は丼に
冷凍カツ丼を詰めた状態で加熱する場合の例である。図
４に示されるように、円柱形の筒状本体２０は、御飯１
５と具１６を入れた丼２１を内部に収納する大きさとさ
れており、この筒状本体２０は金属以外の比較的軽い材
料で形成されている。そして、この筒状本体２０の外周
（又は内周、中間部でもよい）には、上下部から所定間
隔をおいてアルミ箔等からなる側面シールド（遮蔽領
域）２２が形成される。また、上記筒状本体２０の上面
には筒状本体２０に嵌合する蓋体２４が設けられ、この
蓋体２４の中心部に同様にアルミ箔等の上面シールド２
５が形成される。
熱用治具の構成が示されており、この第２実施例は丼に
冷凍カツ丼を詰めた状態で加熱する場合の例である。図
４に示されるように、円柱形の筒状本体２０は、御飯１
５と具１６を入れた丼２１を内部に収納する大きさとさ
れており、この筒状本体２０は金属以外の比較的軽い材
料で形成されている。そして、この筒状本体２０の外周
（又は内周、中間部でもよい）には、上下部から所定間
隔をおいてアルミ箔等からなる側面シールド（遮蔽領
域）２２が形成される。また、上記筒状本体２０の上面
には筒状本体２０に嵌合する蓋体２４が設けられ、この
蓋体２４の中心部に同様にアルミ箔等の上面シールド２
５が形成される。
【００１７】この第２実施例によっても、上記第１実施
例と同様に、側面シールド２２により被加熱物の側面部
の早期の解凍、温度上昇を防止することができ、また上
面シールド２５により中心部表面の早期の解凍、温度上
昇を避けることができる。従って、被加熱物を均一に加
熱することができ、しかも中心部を良好な温度まで温め
ることが可能となる。
例と同様に、側面シールド２２により被加熱物の側面部
の早期の解凍、温度上昇を防止することができ、また上
面シールド２５により中心部表面の早期の解凍、温度上
昇を避けることができる。従って、被加熱物を均一に加
熱することができ、しかも中心部を良好な温度まで温め
ることが可能となる。
【００１８】上記実施例では、側面シールド１７，２
２、上面シールド１８，２５をアルミ箔で形成したが、
このシールド部材としては、導電性の材料であれば何で
もよく、また板状のもの等でもよい。特に、第２実施例
は筒状本体２０自体をシールド部材で形成することもで
きる。
２、上面シールド１８，２５をアルミ箔で形成したが、
このシールド部材としては、導電性の材料であれば何で
もよく、また板状のもの等でもよい。特に、第２実施例
は筒状本体２０自体をシールド部材で形成することもで
きる。
【００１９】また、上記実施例での側面シールド１７，
２２は側面部のほぼ全域について配設したが、上部又は
下部で遮蔽効果を低減させるめに、上部側又は下部側の
シールド領域をなくすようにしたり、多数の孔等を形成
したシールド領域とすることもできる。更には、上面シ
ールド１８，２５を含めて、全体の遮蔽効果を低減させ
るために、シールド全体に多数の孔を形成する構成とし
てもよい。
２２は側面部のほぼ全域について配設したが、上部又は
下部で遮蔽効果を低減させるめに、上部側又は下部側の
シールド領域をなくすようにしたり、多数の孔等を形成
したシールド領域とすることもできる。更には、上面シ
ールド１８，２５を含めて、全体の遮蔽効果を低減させ
るために、シールド全体に多数の孔を形成する構成とし
てもよい。
【００２０】なお、上記実施例では冷凍食品について解
凍、加熱した例を示したが、冷凍状態でない加工食品に
ついても適用することができる。
凍、加熱した例を示したが、冷凍状態でない加工食品に
ついても適用することができる。
【００２１】
【発明の効果】以上説明したように、第１請求項又は第
３請求項の発明によれば、筒状本体の側面又は容器の側
面にマイクロ波遮蔽領域を形成したので、側面部のみの
早期の解凍、加熱が防止され、中心部と側面部が均一に
解凍、加熱されることになる。従って、カツ丼、天丼、
親子丼、うなぎ丼、玉子丼、カレーライス等の丼物も良
好に温めることができるという利点がある。
３請求項の発明によれば、筒状本体の側面又は容器の側
面にマイクロ波遮蔽領域を形成したので、側面部のみの
早期の解凍、加熱が防止され、中心部と側面部が均一に
解凍、加熱されることになる。従って、カツ丼、天丼、
親子丼、うなぎ丼、玉子丼、カレーライス等の丼物も良
好に温めることができるという利点がある。
【００２２】また、第２請求項又は第４請求項の発明
は、上記筒状本体の蓋体の中心部又は容器上面の中心部
に所定大きさのマイクロ波遮蔽領域を形成したので、側
面を遮蔽したときに、中心部表面の近傍に生じる早期の
解凍、加熱が防止され、上記丼物等において更に均一な
加熱が達成できるという利点がある。
は、上記筒状本体の蓋体の中心部又は容器上面の中心部
に所定大きさのマイクロ波遮蔽領域を形成したので、側
面を遮蔽したときに、中心部表面の近傍に生じる早期の
解凍、加熱が防止され、上記丼物等において更に均一な
加熱が達成できるという利点がある。
【図１】本発明の第１実施例に係るマイクロ波加熱用容
器の構成を示す斜視図である。
器の構成を示す斜視図である。
【図２】第１実施例でマイクロ波加熱した際の測定点を
示す図である。
示す図である。
【図３】第１実施例でマイクロ波加熱した実験結果を示
すグラフ図である。
すグラフ図である。
【図４】第２実施例に係るマイクロ波加熱用治具の構成
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
１０ … 容器、 １２ … 側面部、 １３ … 上面部、 １５ … 御飯、 １６ … 具、 １７，２２ … 側面シールド、 １８，２５ … 上面シールド、 ２０ … 筒状本体、 ２４ … 蓋体。
Claims (4)
- 【請求項１】 加工食品を入れた容器を収納する大きさ
の筒状本体を備え、この筒状本体の側面にマイクロ波遮
蔽領域を形成したマイクロ波加熱用治具。 - 【請求項２】 上記筒状本体の上部に蓋体を設け、この
蓋体の中心部に所定大きさのマイクロ波遮蔽領域を形成
したことを特徴とする上記第１請求項記載のマイクロ波
加熱用治具。 - 【請求項３】 加工食品を入れるための容器であって、
その容器の側面にマイクロ波遮蔽領域を形成したマイク
ロ波加熱用容器。 - 【請求項４】 上記容器の上面には、その中心部に所定
大きさのマイクロ波遮蔽領域を形成したことを特徴とす
る上記第３請求項記載のマイクロ波加熱用容器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5235556A JPH0759651A (ja) | 1993-08-28 | 1993-08-28 | マイクロ波加熱用治具及び容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5235556A JPH0759651A (ja) | 1993-08-28 | 1993-08-28 | マイクロ波加熱用治具及び容器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0759651A true JPH0759651A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16987737
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5235556A Pending JPH0759651A (ja) | 1993-08-28 | 1993-08-28 | マイクロ波加熱用治具及び容器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0759651A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009051560A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-12 | Daiwa Packs:Kk | 電子レンジ加熱用包装体 |
| JP2017053081A (ja) * | 2016-11-22 | 2017-03-16 | 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 | パルプモールド構造体の製造方法及びパルプモールド構造体 |
-
1993
- 1993-08-28 JP JP5235556A patent/JPH0759651A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009051560A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-12 | Daiwa Packs:Kk | 電子レンジ加熱用包装体 |
| JP2017053081A (ja) * | 2016-11-22 | 2017-03-16 | 東洋アルミエコープロダクツ株式会社 | パルプモールド構造体の製造方法及びパルプモールド構造体 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3964869B2 (ja) | パターン化されたマイクロ波サセプタ要素及びこれを組み込むマイクロ波容器 | |
| US4656325A (en) | Microwave heating package and method | |
| US3835280A (en) | Composite microwave energy perturbating device | |
| US5961872A (en) | Metal container and use thereof in a microwave oven | |
| CA1297540C (en) | Enhancing higher order mode generation in microwave heating | |
| US2820127A (en) | Microwave cookers | |
| US4190757A (en) | Microwave heating package and method | |
| US3974354A (en) | Microwave utensil with reflective surface handle | |
| US4948932A (en) | Apertured microwave reactive package | |
| AU619919B2 (en) | Improved microwave-powered heating device | |
| US4841112A (en) | Method and appliance for cooking a frozen pot pie with microwave energy | |
| CA1091305A (en) | Microwave heating package and method | |
| US4210124A (en) | Dish for holding food to be heated in a microwave cooking chamber | |
| JPS61165526A (ja) | 電子レンジ用加熱調理容器 | |
| US20030183625A1 (en) | Cooking container and microwave oven having such container | |
| US4143647A (en) | Dish for holding food to be heated in a microwave cooking chamber | |
| JP2008116058A (ja) | 陶磁器をマイクロ波によって加熱し、陶磁器から遠赤外線、赤外線波長の放射に転換し、熱効率を上げて調理及び化学反応、化学合成、金属加工、金属結晶、金属の燒結、冶金を行う技術開発。 | |
| EP0661005B1 (en) | Microwaveable food product composite | |
| EP0161739B1 (en) | Microwave heating package | |
| NL8204466A (nl) | Microgolfafscherming voor toepassing bij het verwarmen van een bevroren voedselprodukt. | |
| CA1304046C (en) | Microwave interactive package containing stainless steel and method ofmaking same | |
| JPH0759651A (ja) | マイクロ波加熱用治具及び容器 | |
| JP2002262840A (ja) | 冷凍／冷蔵食品およびその製造方法 | |
| EP3383763A1 (en) | Package for food product | |
| JPH09185991A (ja) | 冷凍食品用容器 |