JPH0759532A - 菌抵抗性の高い常温耐性クリーム - Google Patents

菌抵抗性の高い常温耐性クリーム

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JPH0759532A
JPH0759532A JP5207410A JP20741093A JPH0759532A JP H0759532 A JPH0759532 A JP H0759532A JP 5207410 A JP5207410 A JP 5207410A JP 20741093 A JP20741093 A JP 20741093A JP H0759532 A JPH0759532 A JP H0759532A
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JP
Japan
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cream
room temperature
sugar
bacteria
extract
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Application number
JP5207410A
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English (en)
Inventor
Kazuya Otsuji
一也 大辻
Susumu Yamazawa
進 山澤
Jun Murayama
準 村山
Hirobumi Takigawa
博文 滝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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  • Grain Derivatives (AREA)
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  • Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な食感を持ち、広く常温流通食品に用い
ることのできる、菌抵抗性の高い常温耐性クリームを提
供すること。 【構成】 本発明の菌抵抗性の高い常温耐性クリーム
は、高濃度の糖添加により水分活性を下げ、菌抵抗性を
向上させるとともに、ギムネマ・シルベスタ抽出物を添
加することにより、甘味度を低下させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、菌抵抗性の高い常温耐
性クリーム、詳しくは、良好な食感を持ち、広く常温流
通食品に用いることのできる、菌抵抗性の高い常温耐性
クリームに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】常温耐
性クリームにおいて、菌抵抗性は最も重要な要素の1つ
である。従来より常温耐性クリームの菌抵抗性に関して
は種々の方法が提案され実施されている。グリシンのよ
うな防腐剤を添加するのも1つの方法であるが、糖添加
により水分活性の低減を図る方法が最もよく行われてい
る。糖添加による方法においては、常温耐性クリームに
は通常50〜60°Brixの糖が配合されることにな
るが、甘味度の上から60°Brixが限界とされてい
る。
【0003】また、菌の繁殖を抑制し得る水分活性は菌
の種類によって異なり、普通の細菌では0.90(多く
は0.99〜0.94)、酵母で0.88、カビで0.
80とされている。これらの水分活性を達成するのに必
要な糖濃度は、水分活性0.90に対して蔗糖を用いた
場合4.11モル(60°Brix)、0.85に対し
て5.98モル(68°Brix)である。
【0004】また、高濃度の糖の食感に関しては十分な
検討はなされていないが、通常60°Brix以上では
大部分のパネラが極度の甘さに加え、強い刺激を感じ
る。従って、良好な食感の維持できる糖濃度の上限は6
0°Brix程度である。しかし蔗糖を用いた場合、6
0°Brixにおける水分活性は0.9であり、一部の
細菌の繁殖は抑制できるが、酵母やカビの繁殖を抑制す
ることはできない。その結果として、糖添加により菌抵
抗性を高めた従来の常温耐性クリームは常温耐性が十分
でなく、使用場面が著しく制限されることになる。
【0005】従って、本発明の目的は、良好な食感を持
ち、広く常温流通食品に用いることのできる菌抵抗性の
高い常温耐性クリームを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、鋭意努力を重ねた結果、高濃度の糖添加
により水分活性を下げ、高い菌抵抗性を持たせるととも
に、ギムネマ抽出物を添加することにより、甘味を抑制
し食感の良い常温耐性クリームを完成させ、本発明に至
った。
【0007】即ち、本発明は、高濃度の糖添加により水
分活性を下げ、菌抵抗性を向上させるとともに、ギムネ
マ・シルベスタ抽出物を添加することにより、甘味度を
低下させた、菌抵抗性の高い常温耐性クリームを提供す
るものである。
【0008】以下、本発明の菌抵抗性の高い常温耐性ク
リームについて、更に詳細に説明する。
【0009】本発明に使用できる糖としては、単糖類と
してグルコース、フルクトース、マンノース、ガラクト
ース、アラビノース、キシロース、リボース等が、2糖
類としてシュークロース、マルトース、セロビオース、
ラクトース、トレハロース、イソマルトース、メリビオ
ース、ゲンチオビオース、パラチノース等が、3糖類と
してマルトトリオース、イソマルトトリオース、パノー
ス、ケトース、カップリングシュガー等が挙げられる。
また、マルトテトラオース、マルトペンタオース等も使
用できる。糖アルコールとしてソルビトール、マンニト
ール、ラクチトール、オリゴ糖アルコール等が使用でき
る。使用に際して、これらの糖を単独で用いても、混合
して用いても良い。
【0010】上記糖の濃度は、好ましくは60°Bri
x以上、更に好ましくは62°Brix以上である。
【0011】本発明の常温耐性クリームは、上記糖の添
加により、水分活性を下げたもので、糖濃度の調製によ
り、該水分活性を、好ましくは0.90以下、更に好ま
しくは0.88以下にすることができる。
【0012】本発明に使用できるギムネマ・シルベスタ
抽出物(以下、「ギムネマ抽出物」という)としては、
該抽出物をそのまま用いても良いが、若干苦味と臭みが
あるため、活性炭処理等により苦味、臭みを除去したも
のを用いた方が好ましい。
【0013】上記ギムネマ抽出物の調製方法としては、
概要は以下の通りである。即ち、ギムネマ・シルベスタ
の乾燥葉に、活性炭を添加すると共に、該活性炭の添加
と同時又は添加後に、水若しくは温水を加え、攪拌・抽
出操作を行って、ギムネマ抽出物を得る方法、又は、ギ
ムネマ・シルベスタの乾燥葉に、水若しくは温水を加
え、ギムネマ・シルベスタ抽出液を得、次いで該ギムネ
マ・シルベスタ抽出液に活性炭を添加し、攪拌してギム
ネマ抽出物を得る方法等の調製方法が挙げられる。
【0014】上記ギムネマ抽出物の添加量は、好ましく
は1〜20重量%、更に好ましくは5〜10重量%であ
る。添加量が1重量%未満であると、甘味の低減効果が
乏しく、20重量%を超えると、甘味低減効果は十分で
あるものの、苦味、臭みの発現が生じ、ホイップクリー
ムとして不味なものとなる恐れがある。
【0015】本発明によれば、菌抵抗性に優れ、かつ甘
味の抑制された、食感の良い常温耐性クリームをつくる
ことができる。
【0016】また、上記ギムネマ抽出物には、腸管から
の糖の吸収を抑制する作用が知られており、(米子医学
雑誌37,142(1986))、近年ギムネマ抽出物
がダイエットに有効であるとして注目されている。従っ
て、本発明に関わる常温耐性クリームにおいても、糖濃
度が高いわりには糖の腸管からの吸収は少なく、肥満の
気になる人、糖尿病などで糖の摂取を制限されている人
にも安心して食べられる常温耐性クリームと言える。
【0017】本発明の常温耐性クリームは、前記甘味糖
類、食用油脂、乳製品等を主成分とするクリームで、そ
の種類及び用途には制限されないが、ホイップクリーム
として、洋菓子、パン、デザート等のサンド、フィリン
グ、トッピング等に使用できる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 (ギムネマ抽出物の調製)ギムネマ・シルベスタの乾燥
葉1重量部を60〜70℃の温水100重量部に加え1
時間攪拌抽出する。抽出液に対し、3重量%の活性炭を
加え、15分間攪拌して苦味物質や着色物質等を吸着除
去し、その後濾別して、ギムネマ抽出物を得た。
【0020】(常温耐性クリームの調製)市販のパーム
核硬化油(融点35℃)に、レシチン、ショ糖脂肪酸エ
ステル(HLB3)を加え、80℃に加温、攪拌して溶
解し、油相成分を調製した。これをその温度に保持し
た。これとは別に、水道水に甘味糖類、脱脂粉乳、カゼ
インソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ショ糖脂肪酸エ
ステル(HLB11)、ギムネマ抽出物を加え80℃に
加温、攪拌して溶解し、水相成分を調製した。これをそ
の温度に保持した。
【0021】この水相成分に前記の油相成分を加え、混
合物をT.K.ホモミキサー(特殊機化工業社製)によ
って80℃において20分間攪拌して予備乳化し、次い
で85℃において15分間加熱殺菌し、得られた混合物
を高圧型ホモジナイザー(マントンゴーリン社製)によ
り、80℃の温度及び100kg/cm2 の圧力にて均質化
した。その直後、乳化液を10℃に急冷して、ホイップ
用常温耐性クリームを得た。
【0022】得られたクリームを製菓用ミキサー(ホバ
ートミキサー)にて、オーバーラン100前後までホイ
ップし、ホイップクリームとした。専門パネラによりこ
のホイップクリームの風味評価(甘味、刺激味、総合評
価)を行った。評価結果は下記〔表2〕の通りであっ
た。尚、実施例及び比較例の配合処方は下記〔表1〕に
示す通りである。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】この結果、ギムネマ抽出物を添加した実施
例のホイップクリームは甘味、刺激味ともに適度に制御
されており、ホイップクリームとしての総合評価点も高
いものであった。
【0026】実施例2 〔微生物抵抗性試験〕実施例1で調製したホイップクリ
ーム(実施例1−3)を50gずつ無菌カップに採り、
予め培養した試験菌株の懸濁液を1重量%接種後、良く
攪拌し、25℃で静置した。経日的に1gずつサンプリ
ングした後LP希釈液(日本製薬)9mlを用いて10倍
希釈液を調製し、細菌についてはSCDLP寒天培地
(日本製薬)、酵母についてはGPLP寒天培地(日本
製薬)にそれぞれ、0.1mlずつ塗抹し、30℃で2日
間培養後、コロニー数(菌数)を計測した。常温耐性ク
リーム1g当たりのコロニー数(菌数)の経日変化を下
記〔表3〕に示す。
【0027】
【表3】
【0028】この結果、本発明のホイップクリーム(実
施例1−3)は、高い常温耐性(菌抵抗性)を有する事
が判る。
【0029】
【発明の効果】本発明の菌抵抗性の高い常温耐性クリー
ムは、良好な食感を持ち、広く常温流通食品に用いるこ
とのできるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高濃度の糖添加により水分活性を下げ、
    菌抵抗性を向上させるとともに、ギムネマ・シルベスタ
    抽出物を添加することにより、甘味度を低下させた、菌
    抵抗性の高い常温耐性クリーム。
  2. 【請求項2】 糖濃度が60°Brix以上である請求
    項1記載の菌抵抗性の高い常温耐性クリーム。
  3. 【請求項3】 ギムネマ・シルベスタ抽出物の添加量が
    1〜20重量%である請求項1記載の菌抵抗性の高い常
    温耐性クリーム。
JP5207410A 1993-08-23 1993-08-23 菌抵抗性の高い常温耐性クリーム Pending JPH0759532A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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