JPH075946Y2 - 片持形パーツ取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は水平レールに沿って移動する片持形パーツ取付
装置に関する。

（従来の技術） 例えばエンジンの組立ラインにおいて、コンベアで搬送
されてきたエンジンのシリンダヘッドへパーツ置き場か
らパーツをピックアップし、移動し、組付けるパーツ取
付装置は種々配設されている。

パーツ取付装置は両端支持された基台に複数のパーツ取
付具を配設したものが多く採用されている。

これは、基台を水平に保持しやすく、もってパーツ取付
具の心を相手心に合致させ易いからである。

（考案が解決しようとする課題） しかし、両端支持形パーツ取付装置では、水平レールが
２本、レール嵌合部が２ヶ所を要し、装置が大型とな
る。

従って、装置を簡単にすべく水平レールを片側１本と
し、このレールに嵌合させた所謂片持形パーツ取付装置
が望まれている。しかし、片持形装置は両端支持形装置
にくらべ、たわみが大きく又曲げ剛性を高め難く、パー
ツ取付具の心を相手心に合せ難い不具合点を有する。

（課題を解決するための手段） 上記不具合点を解決すべく本考案は、水平レールに嵌合
された片持形基台と、この基台に若干の距離を昇降可能
とされた第１の昇降プレートと、このプレートに下向に
取付けられた昇降シリンダと、この昇降シリンダのピス
トンロッドに自在軸継手を介して吊下された第２の昇降
プレートと、この昇降プレートに立設されて前記基台の
ガイドに挿通する少くとも２本のガイドバーと、パーツ
取付場の架溝に設けられた昇降シリンダの受け座とから
片持形パーツ取付装置を構成する。

（作用） パーツ置き場でパーツを把持し、パーツ取付場まで移動
する際には、片持形基台は第１・第２のプレート、昇降
シリンダ等の下向き負荷を支承する。

パーツ取付の際には、昇降シリンダの作動に対する反力
で、昇降シリンダ自身及び第１のプレートは基台から浮
き上り、基台への負荷は消失する。

基台は水平に戻り、第２プレートの傾きを是正する。

一方、浮き上った昇降シリンダは架溝の受け座を基点に
第２のプレートを下方へ押し出してパーツ取付具を当該
ワークに臨ませる。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明する。

第１図は本考案に係る片持形パーツ取付装置全体図であ
る。

片持形パーツ取付装置１の為の架構２並びに架台３が基
礎に固定されている。

前記架構２は４本の支柱2a…と、これら支柱上端にボル
ト固定される天井ビーム2bを含む。前記支柱2a,2aには
パーツ置場４まで水平に延びるレール5a,5aを備えたレ
ール支持台５の基部が固着されている。

このレール支持台５には、前記レール5a,5aと平行して
送りねじ5bが配設されるとともに、このねじを回動する
駆動ユニット5cと、ねじの先端を支承する軸受部5dが付
設されている。

尚、レール支持台５は撓み防止用ブラケット3aで支持さ
れている。

そして、前記レール5a,5aに片持形基台６の基端部が嵌
合され、この片持形基台６に送りねじ5bが螺合してい
る。

第２図は第１図のＡ矢視図であり、前記片持形基台６は
レール直角方向に延出し、それの上に第１の昇降プレー
ト７を載せ、この第１の昇降プレートに下向きに昇降シ
リンダ８を取りつけ、この昇降シリンダのピストンロッ
ド8aに自在軸継手９を介して第２の昇降プレート10を吊
下し、この第２の昇降プレートに着脱可能なカップラ11
…を介して複数のパーツ取付具G1〜G8を備えた治具プレ
ート12を吊下してなる。

尚、第２の昇降プレート10は自在軸継手９の作用により
揺動する虞れがあるので、第２図の要部拡大図である第
３図に示すような揺れ止め装置を講じている。

即ち、第２の昇降プレート10上に少くとも２本のガイド
バー13,13を立設し、これらのガイドバーを基台６に設
けたガイド6a,6a及び第１の昇降プレート７に設けたガ
イド7a,7aに連続して挿通せしめる。

この構成によって、第２の昇降プレート10は基台６を基
準に昇降することとなる。

一方、基台６上の第１の昇降プレート７はストッパボル
ト7b…を介して基台６に取りつけられていて、図中に示
す距離l1まで基台に対して上動可能である。

また、第２図に示すように架構２の天井ビーム2b下面に
は受け座14を設けている。この受け座はパーツ取付場15
に位置した昇降シリンダ８の背面8b上方に隙間l2を有し
て設けられている。この隙間l2は前記距離l1より小さい
値とされている。

以上に述べた架構２、レール5a,5a、片持形基台６、第
１の昇降プレート７、昇降シリンダ８、第２の昇降プレ
ート10、ガイドバー13,13及び受け座14とから片持形パ
ーツ取付装置１を構成し、次に同取付装置の作用を述べ
る。

第１図の左方に位置せしめたパーツ置き場４に臨んだ片
持形パーツ取付装置１のパーツ取付具G1〜G8は昇降シリ
ンダ８の作用にて下降し、図示せぬ把持機構の作用にて
パーツをチャックし、上昇する。

片持形基台６は送りねじ5bの送り作用にてパーツ置き場
４からパーツ取付場15へ水平に移動される。パーツ取付
場には例えばエンジンの半完成品Ｗが待機している。

片持形基台６は曲げ剛性を高める配慮はされているが、
先端に向って撓み量が増すことは片持ち梁りである以上
避けられない。

仍って、第４図（ａ）に示すように水平線Ｄに対して、
基台６は撓み、結果、レール5aから一番遠い位置のパー
ツ取付器G1が一番下がることになる。

昇降シリンダ８を作動し第２の昇降プレート10、治具プ
レート12、パーツ取付具器G1〜G8を下降させると、パー
ツ取付具G1→パーツ取付具G8の順で半完成品Ｗに当接
し、その反動で治具プレート12、第２の昇降プレート10
は略水平に戻される。

昇降シリンダ８の作動を続けると上向き反力が自在軸継
手９を介して昇降シリンダ自身を上昇せしめる。これに
より、第１の昇降プレート７は昇降シリンダ８とともに
上昇する。

受け座14下方隙間l2だけ昇降シリンダ８が上昇したとこ
ろでその背面8bを受け座14に当接し、上昇動を停止す
る。

このようにして、基台６から昇降シリンダ８並びに第２
の昇降プレート10が離れると、基台６に作用していた外
力は消失し、基台６は水平に戻り、基台のガイド6a,6a
は鉛直になり、以って第２の昇降プレート10の水平化を
助成する（第４図（ｂ））。

この状態で、パーツ取付具G1〜G8にて所定のパーツの取
付作業を為さしめる。

以上の本実施例では、本装置１がパーツ置き場４でパー
ツを把持してからパーツ取付場15に移動するまでは片持
形基台６に外力を作用させるが、パーツ取付作業中は昇
降シリンダを基台から浮上させるとともに、昇降シリン
ダの背面8aを架溝の受け座14で受けるようにしたことを
特徴とする。

また、昇降シリンダ８のピストンロッド8aは自在軸継手
９を介して第２の昇降プレート10と連結している為に、
昇降シリンダ８の鉛直方向の倒れは第２の昇降プレート
の水平構造には無関係となり、架溝２の受け座14の取付
精度は低くて良い。

従来の片持形基台は、水平移動時の下向き外力と、パー
ツ取付時の昇降シリンダ反力による上向き外力の双方を
考慮して曲げ剛性を検討しなければならなかったのに対
して、本実施例の片持形基台６は水平移動時の下向き外
力のみを考えれば良い。

パーツ置き場でパーツを把持する及び基台を水平移動す
る際の第２の昇降プレート10の水平精度は、さほど要求
されないので基台６の軽量化、簡略化が可能である。

（考案の効果） 以上に述べた通り本考案は、パーツ取付具の心を相手心
に合せ易く且つ軽量、簡単な基台を採用できる片持形パ
ーツ取付装置を提供する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る片持形パーツ取付装置全体図、 第２図は第１図のＡ矢視図、 第３図は第２図の要部拡大図、 第４図（ａ），（ｂ）は作用説明図。 １……片持形パーツ取付装置、２……架溝 ４……パーツ置き場、5a……レール ６……片持形基台、７……第１の昇降プレート ８……昇降シリンダ、8a……ピストンロッド ９……自在軸継手、10……第２の昇降プレート 13……ガイドバー、14……受け座 15……パーツ取付場 G1〜G8……パーツ取付具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基礎から立設した架構にパーツ置き場から
   パーツ取付場まで延びる水平レールを固設し、この水平
   レールに片持形基台を摺動自在に嵌合し、この片持形基
   台に昇降可能に第１の昇降プレートを取付け、この第１
   の昇降プレートに昇降シリンダを下向きに取付け、この
   昇降シリンダのピストンロッドに自在軸継手を介して第
   ２の昇降プレートを吊下し、この第２の昇降プレートに
   複数のパーツ取付具をレール直角方向に順に配設し、且
   つ前記第２の昇降プレートには片持形基台のガイドに挿
   通する少なくとも２本のガイドバーを立設するととも
   に、パーツ取付場の架構にはピストンロッドの反力で後
   退する昇降シリンダに当接可能な受け座を設けて成るこ
   とを特徴とする片持形パーツ取付装置。