JPH0758402A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

Info

Publication number
JPH0758402A
JPH0758402A JP20308993A JP20308993A JPH0758402A JP H0758402 A JPH0758402 A JP H0758402A JP 20308993 A JP20308993 A JP 20308993A JP 20308993 A JP20308993 A JP 20308993A JP H0758402 A JPH0758402 A JP H0758402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor laser
laser
layer
face
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20308993A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kamisato
武 神里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP20308993A priority Critical patent/JPH0758402A/ja
Publication of JPH0758402A publication Critical patent/JPH0758402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ共振器端面近傍の領域に不純物を導入
して窓構造を形成した半導体レーザにおいて、窓構造の
領域を流れる無効電流を低減する。 【構成】 活性層3の共振器端面近傍の領域の量子井戸
構造を無秩序化した領域9を有するものにおいて、基板
1及びコンタクト層5を、不純物の導入によって共振器
端面近傍に形成された不純物導入領域を含んで形成され
る電流リークパスの一部の領域が除去されるよう、上記
共振器端面15側から共振器長方向に所定量エッチング
除去した構成とした。 【効果】 レーザ動作時における無効電流を低減するこ
とができ、これにより、レーザ発振させて所望の光出力
を得る時の動作電流が少く、低消費電力の半導体レーザ
を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体レーザに関し、
特に量子井戸活性層を有し該活性層の共振器端面近傍領
域の量子井戸構造を無秩序化して形成した窓構造を有す
る半導体レーザにおいて、低しきい値電流化等,その特
性を向上した半導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザの高出力動作時に生じる光
学損傷(Catastrophic Optical Damage :COD)は、
レーザの端面近傍に存在する界面準位により、同一組成
の活性層でも、中央部に比べ、端面部のバンドギャップ
が小さくなっていることに起因して生じる。すなわち、
レーザの高出力動作時に端面近傍におけるレーザ光の吸
収により、端面で局所的に温度が上昇する。この局所的
な過剰発熱は、その部分のバンドギャップをさらに小さ
くするため、これによりレーザ光の吸収が促進されさら
に発熱が増加することとなるというループを生じ、つい
には、レーザ端面が溶融し、非可逆的な破壊が生じる。
このように端面破壊が生じるときのレーザ光出力をCO
D光出力と呼び、このCOD光出力が、AlGaAs系
やAlGaInP系の材料で構成される半導体レーザの
最大光出力を制限している。
【0003】上述のような端面破壊を防ぐには、界面準
位が生じ得る領域の活性層のバンドギャップを、それ以
外の領域の活性層のバンドギャップと比べ大きくすれば
良い。例えば、90年春の応物学会(予稿集29a−S
A−7)においては、レーザ端面近傍の活性層の禁制帯
幅をレーザ中央部の活性層の禁制帯幅よりも高エネルギ
化した窓構造によって、AlGaInP系の半導体レー
ザのCOD光出力を大幅に高め、高出力化を可能とした
ものが開示されている。
【0004】GaInPやAlGaInP結晶材料の特
有の現象として、これを所定の成長条件で結晶成長させ
た場合に、その構成原子が周期的に配列された、いわゆ
る自然超格子が形成されることが知られている。また、
この自然超格子構造の結晶中にZn等の不純物を導入し
て超格子構造を無秩序化すると、無秩序化された領域の
禁制帯幅は無秩序化されていない領域の禁制帯幅よりも
大きくなることが知られている。上記文献では、GaI
nP又はAlGaInPからなる活性層を、上記自然超
格子が形成される条件で成長した後、レーザ端面近傍に
不純物導入を行ない、窓構造を形成している。
【0005】図5は、上述した,自然超格子の無秩序化
を利用して作製された、従来の窓構造付きAlGaIn
P系半導体レーザの共振器長方向に沿った断面を示す模
式図である。図において、101はn型GaAs基板、
102は基板101上に配置されたn型AlGaInP
下クラッド層、103は下クラッド層102上に配置さ
れた自然超格子構造のGaInP量子井戸(Quantum-We
ll:QW)活性層、104は活性層103上に配置され
たp型AlGaInP上クラッド層、105は上クラッ
ド層104上に配置されたp型GaAsコンタクト層で
ある。また、106はn側電極、107はp側電極であ
る。108はレーザ端面近傍に形成されたZn拡散領域
であり、109は活性層103のうちZn拡散により自
然超格子が無秩序化(ディスオーダリング)された領域
である。120は出射レーザ光である。図7は図5に示
す窓構造付きAlGaInP系半導体レーザの製造方法
を説明するための断面工程図であり、図において図5と
同一符号は同一又は相当部分である。以下、図5に示す
半導体レーザの製造工程を図7に沿って説明する。
【0006】まず、n型GaAs基板101上に、例え
ばMOCVD(有機金属気相成長)法により、n型Al
GaInP下クラッド層102,AlGaInP量子井
戸活性層103,及びp型AlGaInP上クラッド層
104を順次結晶成長し、さらに、上クラッド層104
上にp型GaAsコンタクト層105を結晶成長して、
図7(a) に示すようなレーザ積層構造を形成する。この
とき、活性層103はその結晶構造が自然超格子構造と
なるように、その成長条件をコントロールする。
【0007】次に、図7(b) に示すように、コンタクト
層105上に、図中二点鎖線で示す劈開位置近傍に開口
110aを有するSiO2 膜パターン110を形成す
る。開口部110aの幅wは、劈開の精度を考慮して2
0μm程度とする。
【0008】次に、図7(c) に示すように、SiO2 膜
パターン110をマスクとして、気相拡散,又は固相拡
散により、レーザ積層構造中にZn原子を拡散し、Zn
拡散領域108を形成する。このZnの拡散によって活
性層103のレーザ端面近傍の領域は、自然超格子構造
が無秩序化された領域109となる。Zn拡散は、Ga
AsとAlGaInPでは進む拡散速度が違い、通常、
AlGaInP量子井戸活性層103,及びその上下に
配置されたAlGaInPクラッド層104,102中
の方が、GaAsからなる基板101,及びコンタクト
層105中よりも早くその拡散が進む。
【0009】この後、SiO2 膜パターン110を除去
し、図7(d) に示すように、基板101の裏面にn側電
極106を、コンタクト層105上にp側電極107を
形成する工程、劈開により素子分離を行ない共振器端面
150を形成する工程等を経て、図5に示す半導体レー
ザが完成する。
【0010】次に動作について説明する。n側電極10
6,p側電極107に、レーザのpn接合に対して順方
向のバイアスを印加すると、電子及び正孔は活性層10
3に注入され、活性層103内で再結合して光を発生す
る。活性層103内で発生した光は一対の共振器端面1
50間を活性層に沿って導波され、反射,増幅を繰り返
し、レーザ発振に至る。ここで、活性層103の共振器
端面近傍の領域はZnの拡散によりその自然超格子構造
が無秩序化された領域109となっており、この領域1
09の禁制帯幅は、自然超格子構造が無秩序化されてい
ないレーザ中央部の活性層の禁制帯幅より広くなってい
る。これにより、本従来例においては、レーザ端面での
光の吸収が抑えられ、高出力のレーザ動作が可能であ
る。
【0011】また、図6は、自然超格子の無秩序化を利
用して作製された、従来の他の窓構造付きAlGaIn
P系半導体レーザの共振器長方向に沿った断面を示す模
式図である。図において、図5と同一符号は同一又は相
当部分であり、118はレーザ端面からの不純物導入に
よりレーザ端面近傍に形成されたZn拡散領域である。
図8は図6に示す窓構造付きAlGaInP系半導体レ
ーザの製造方法を説明するための断面工程図であり、図
において図6と同一符号は同一又は相当部分である。以
下、図6に示す半導体レーザの製造工程を図8に沿って
説明する。
【0012】まず、n型GaAs基板101上に、例え
ばMOCVD法により、n型AlGaInP下クラッド
層102,AlGaInP量子井戸活性層103,及び
p型AlGaInP上クラッド層104を順次結晶成長
し、さらに、上クラッド層104上にp型GaAsコン
タクト層105を結晶成長して、図8(a) に示すような
レーザ積層構造を形成する。このとき、活性層103は
その結晶構造が自然超格子構造となるように、その成長
条件をコントロールする。
【0013】次に、図8(b) に示すように、図8(a) 中
二点鎖線で示す位置で劈開して共振器端面150を形成
する。この後、気相拡散又は固相拡散により共振器端面
150からレーザ積層構造中にZn原子を拡散し、図8
(c) に示すように、Zn拡散領域108を形成する。こ
のZnの拡散によって活性層103のレーザ端面近傍の
領域は、自然超格子構造が無秩序化された領域109と
なる。ここで、不純物拡散の深さは、無秩序化領域10
9の長さ(窓領域の長さ)dが4〜5μm程度となるよ
うな深さとする。
【0014】この後、図8(d) に示すように、基板10
1の裏面にn側電極106を、コンタクト層105上に
p側電極107を形成する工程等を経て、図6に示す半
導体レーザが完成する。
【0015】次に動作について説明する。n側電極10
6,p側電極107に、レーザのpn接合に対して順方
向のバイアスを印加すると、電子及び正孔は活性層10
3に注入され、活性層103内で再結合して光を発生す
る。活性層103内で発生した光は一対の共振器端面1
50間を活性層103に沿って導波され、反射,増幅を
繰り返し、レーザ発振に至る。ここで、活性層103の
共振器端面近傍の領域はZnの拡散によりその自然超格
子構造が無秩序化された領域109となっており、この
領域109の禁制帯幅は、自然超格子構造が無秩序化さ
れていないレーザ中央部の活性層103の禁制帯幅より
広くなっている。これにより、本従来例においても図5
に示す従来例と同様、レーザ端面での光の吸収が抑えら
れ、高出力のレーザ動作が可能である。また、本従来例
では、不純物の導入を共振器端面から直接行なうことに
より、不純物が拡散された窓領域の長さを、図5に示す
従来例よりも短く形成することが可能であるので、窓領
域の不純物による吸収損失を低減することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の超格子の無秩序
化を利用して作製された窓構造付きの半導体レーザは以
上のように、その共振器端面近傍に不純物を導入して量
子井戸活性層の共振器端面近傍の領域の量子井戸構造を
無秩序化した構造を有しており、この不純物導入領域
(Zn拡散領域108)はコンタクト層から基板にまで
広がって形成されている。ここで、この不純物導入領域
(Zn拡散領域108)は、他の領域に比してキャリア
濃度が高く、抵抗が低くなっているため、電極から注入
された電流はこの領域を介して流れやすくなる。このた
め電極から注入された電流の一部が、、レーザを動作さ
せる際に、図9又は図10に示すように、Zn拡散領域
108を介して流れるリーク電流130となる。このリ
ーク電流130はレーザ発振に寄与しない無効電流であ
り、このリーク電流130により、従来の窓構造付きの
半導体レーザでは、レーザのしきい値電流や所望の光出
力を発生させるための電流が大きくなり、消費電力が大
きくなるという問題点があった。
【0017】ここで、図5に示す従来例の場合、ウエハ
表面からZnの拡散を行なって超格子を無秩序化する際
に、Znの拡散フロントを下クラッド層102中で止め
るように制御すれば、上述のリーク電流を低減すること
ができる。しかし、一般に拡散の深さの制御性は低く、
特にAlGaInP層中ではZn拡散速度が速いため、
AlGaInP層中での拡散フロントの制御は非常に困
難である。このため、拡散フロントがAlGaInP下
クラッド層102中で停まらずに基板にまで達してしま
うことが多く、また、ウエハ内での拡散フロントのばら
つきも生じることから、特性の揃った素子が得られない
という問題点があった。
【0018】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、リーク電流を抑え、所望の光出
力を得るのに必要な電流を低減することのできる半導体
レーザを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザは、量子井戸構造を有する活性層と、該活性層を挟
んで配置された第1導電型下クラッド層及び第2導電型
上クラッド層と、上記第1導電型下クラッド層と第1の
電極との間に配置された第1の半導体層と、上記第2導
電型上クラッド層と第2の電極との間に配置された第2
の半導体層と、対向する一対の共振器端面とを有するフ
ァブリーペロー型の半導体レーザにおいて、レーザの共
振器端面近傍の領域に不純物を導入することによって上
記活性層の共振器端面近傍の領域の量子井戸構造を無秩
序化して形成した窓構造を備え、かつ、上記第1,第2
導電型半導体層を、上記不純物の導入によって共振器端
面近傍に形成された不純物導入領域を含んで形成される
電流リークパスの一部の領域が除去されるよう、上記共
振器端面側から共振器長方向に所定量エッチング除去す
るようにしたものである。
【0020】
【作用】この発明においては、不純物導入領域を含んで
形成されるリークパスの一部の領域を除去した構成とし
たから、レーザ動作時における無効電流を低減すること
ができ、これにより、レーザ発振させて所望の光出力を
得る時の動作電流が少く、低消費電力の半導体レーザを
実現できる。
【0021】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1はこの発明の第1の実施例による
半導体レーザの共振器長方向に沿った断面を示す模式図
である。図において、1はn型GaAs基板、2は基板
1上に配置されたn型AlGaInP下クラッド層、3
は下クラッド層2上に配置された自然超格子構造のAl
GaInP量子井戸(Quantum-Well:QW)活性層、4
は活性層3上に配置されたp型AlGaInP上クラッ
ド層、5は上クラッド層4上に配置されたp型GaAs
コンタクト層である。また、6はn側電極、7はp側電
極である。8はレーザ端面近傍に形成されたZn拡散領
域であり、9は活性層3のうちZn拡散により自然超格
子が無秩序化された領域である。20は出射レーザ光で
ある。ここで、クラッド層2,4及び活性層3は同じA
lGaInPで構成されているが、その組成が異なり、
クラッド層2,4の方が活性層3よりもバンドギャップ
の広い組成となっている。図2は図1に示す半導体レー
ザ装置の製造方法を示す図であり、図において、図1と
同一符号は同一又は相当部分を示す。以下、本実施例に
よる半導体レーザの製造工程について説明する。
【0022】まず、n型GaAs基板1上に、例えばM
OCVD法により、n型AlGaInP下クラッド層
2,AlGaInP量子井戸活性層3,及びp型AlG
aInP上クラッド層4を順次結晶成長し、さらに、上
クラッド層4上にp型GaAsコンタクト層5を結晶成
長して、レーザ積層構造を形成する。ここで、活性層3
はその結晶構造が自然超格子構造となるように、その成
長条件をコントロールする。この後、図2(a) に示すよ
うに、劈開による素子分離を行ない、共振器端面15を
形成する。
【0023】この後、気相拡散又は固相拡散により共振
器端面15からレーザ積層構造中にZn原子を拡散し、
図2(b) に示すように、Zn拡散領域8を形成する。こ
のZnの拡散によって活性層3のレーザ端面近傍の領域
は、自然超格子構造が無秩序化された領域9となる。こ
こで、不純物拡散の深さは、無秩序化領域9の長さ(窓
領域の長さ)dが4〜5μm程度となるような深さとす
る。
【0024】次に、過酸化水素系のエッチング液を用い
た選択エッチングによって、p型コンタクト層5とn型
GaAs基板1とを選択的にエッチングする。特に、こ
のエッチングする深さは、図2(c) に示すように、拡散
深さよりも深くなるように行なう。図2(c) において、
17はエッチングによって除去された領域である。この
後、n側電極7とp側電極8を形成する工程等を経て、
図1に示す半導体レーザが完成する。
【0025】次に動作について説明する。n側電極6,
p側電極7に、レーザのpn接合に対して順方向のバイ
アスを印加すると、電子及び正孔は活性層3に注入さ
れ、活性層3内で再結合して光を発生する。活性層3内
で発生した光は一対の共振器端面15間を活性層に沿っ
て導波され、反射,増幅を繰り返し、レーザ発振に至
る。ここで、活性層3の共振器端面近傍の領域はZnの
拡散によりその自然超格子構造が無秩序化された領域9
となっており、この領域9の禁制帯幅は、自然超格子構
造が無秩序化されていないレーザ中央部の活性層の禁制
帯幅より広くなっている。これにより、レーザ端面での
光の吸収が抑えられ、高出力のレーザ動作が可能であ
る。また、本実施例では、GaAs基板1及びGaAs
コンタクト層5を、共振器端面側からZn拡散領域の拡
散深さよりも深く選択的にエッチング除去しているの
で、レーザの電流を供給してレーザ発振させた時、図1
0に示したようなリーク電流経路が形成されることがな
い。従って、従来型の窓構造レーザよりも、しきい値電
流や所望の光出力を得るための電流量を低減でき、消費
電力を減少することができる。
【0026】ここで、本実施例では、GaAs基板1及
びGaAsコンタクト層5を、共振器端面側からクラッ
ド層部分のZn拡散領域の拡散深さよりも深く選択的に
エッチング除去しているが、GaAs基板1及びGaA
sコンタクト層5のエッチング深さは、クラッド層部分
のZn拡散領域の拡散深さより浅くても、GaAs基板
1及びGaAsコンタクト層5に形成されたZn拡散領
域8が除去される深さであれば、基板1と下クラッド層
2との間,及びコンタクト層5と上クラッド層4との間
の低抵抗領域(Zn拡散領域)同士の接合が除去される
ので、リーク電流低減の効果は得られる。しかし、クラ
ッド層の低抵抗領域(Zn拡散領域)に基板及びコンタ
クト層が接していると、この部分の接合はクラッド層の
低抵抗領域以外の領域と、基板及びコンタクト層との接
合よりも抵抗が低いので、図11に示すように、リーク
電流13が発生する。従って、GaAs基板1及びGa
Asコンタクト層5のエッチング深さは、本実施例のよ
うにクラッド層部分のZn拡散領域の拡散深さよりも深
くする方がより効果的にリーク電流を低減できる。
【0027】なお、上記実施例では気相拡散又は固相拡
散によりZnを導入して無秩序化領域9を形成するよう
にしたが、端面よりイオン注入を行なった後、アニール
して無秩序化領域を形成するようにしても良い。
【0028】実施例2.図3はこの発明の第2の実施例
による半導体レーザの共振器長方向に沿った断面を示す
模式図である。図において、図1と同一符号は同一又は
相当部分を示す。図4は図3に示す半導体レーザ装置の
製造方法を示す図であり、図において、図3と同一符号
は同一又は相当部分を示す。以下、本発明の第2の実施
例による半導体レーザの製造工程を図4に沿って説明す
る。
【0029】まず、n型GaAs基板1上に、例えばM
OCVD法により、n型AlGaInP下クラッド層
2,AlGaInP量子井戸活性層3,及びp型AlG
aInP上クラッド層4を順次結晶成長し、さらに、上
クラッド層4上にp型GaAsコンタクト層5を結晶成
長してレーザ積層構造を形成する。ここで、活性層3は
その結晶構造が自然超格子構造となるように、その成長
条件をコントロールする。
【0030】次に、コンタクト層5上に、劈開位置近傍
に開口10aを有するSiO2 膜パターン10を形成す
る。開口部10aの幅wは、劈開の精度を考慮して20
μm程度とする。
【0031】次に、図4(a) に示すように、SiO2 膜
パターン10をマスクとして、気相拡散,又は固相拡散
によりレーザ積層構造中にZn原子を拡散し、Zn拡散
領域8を形成する。このZnの拡散によって活性層3の
レーザ端面近傍の領域は、自然超格子構造が無秩序化さ
れた領域9となる。また、このとき、Znの拡散フロン
トは下クラッド層2中で停まっていても良いし、基板1
にまで達していても良い。
【0032】この後、SiO2 膜パターン10を除去
し、図4(b) に示すように、基板1の裏面にn側電極6
を、コンタクト層5上にp側電極7を形成し、劈開によ
り素子分離を行ない共振器端面を形成する。図4(b) に
おいて、d2 は拡散の共振器長方向への広がり幅を示し
ている。
【0033】次に、過酸化水素系のエッチング液を用い
た選択エッチングによって、p型コンタクト層5とn型
GaAs基板1とを選択的にエッチングする工程を経
て、図3に示す半導体レーザが完成する。特に、このエ
ッチングする深さは、図4(c)に示すように、拡散の広
がり幅d2 よりも深くなるように行なう。図4(c) にお
いて、17はエッチングによって除去された領域であ
る。
【0034】次に動作について説明する。n側電極6,
p側電極7に、レーザのpn接合に対して順方向のバイ
アスを印加すると、電子及び正孔は活性層3に注入さ
れ、活性層3内で再結合して光を発生する。活性層3内
で発生した光は一対の共振器端面15間を活性層に沿っ
て導波され、反射,増幅を繰り返し、レーザ発振に至
る。ここで、活性層3の共振器端面近傍の領域はZnの
拡散によりその自然超格子構造が無秩序化された領域9
となっており、この領域9の禁制帯幅は、自然超格子構
造が無秩序化されていないレーザ中央部の活性層の禁制
帯幅より広くなっている。これにより、レーザ端面での
光の吸収が抑えられ、高出力のレーザ動作が可能であ
る。また、本実施例では、GaAs基板1及びGaAs
コンタクト層5を共振器端面側から、Zn拡散領域の拡
散の広がり幅よりも深く選択的にエッチング除去してい
るので、レーザの電流を供給してレーザ発振させた時、
図9に示したようなリーク電流経路が形成されることが
ない。従って、従来型の窓構造レーザよりも、しきい値
電流や所望の光出力を得るための電流量を低減でき、消
費電力を減少することができる。
【0035】前述したように、一般に拡散の深さの制御
性は低く、特にAlGaInP層中ではZn拡散速度が
速いため、AlGaInP層中での拡散フロントの制御
は非常に困難である。このため、図4(b) のZnの拡散
工程では、その拡散フロントが下クラッド層2中で停ま
る場合もあれば、下クラッド層2中で止まらずに基板1
にまで達してしまう場合もあるが、本実施例では、その
後の工程でGaAs基板1及びGaAsコンタクト層5
を除去しているので、いずれの場合においてもZn拡散
領域を介して流れるリーク電流は発生せず、特性の揃っ
た素子を得ることができる。
【0036】なお、上記各実施例では、活性層が自然超
格子構造のAlGaInP量子井戸活性層であるものに
ついて説明したが、活性層は自然超格子構造のGaIn
P量子井戸活性層であってもよい。また、自然超格子構
造に限らず、AlGaInP薄膜と、これと禁制帯幅の
異なるAlGaInP薄膜,又はGaInP薄膜を交互
に積層して形成した量子井戸構造の活性層であってもよ
い。
【0037】また、上記各実施例では過酸化水素系のエ
ッチング液を用いたウエットエッチングにより選択エッ
チングを行なうようにしているが、適当なエッチングガ
スを用いたドライエッチングにより選択エッチングを行
なうようにしてもよい。
【0038】また、上記各実施例では、AlGaInP
系材料を用いて構成した半導体レーザに適用した場合に
ついて説明したが、本発明はAlGaAs系材料等、他
の半導体材料を用いて構成した半導体レーザにも適用す
ることができ、上記実施例と同様の効果を奏する。例え
ば、GaAs基板上に、AlGaAs活性層をこれより
も禁制帯幅の大きいAlGaAsクラッド層で挟んだダ
ブルヘテロ構造を有し、さらに該ダブルヘテロ構造上に
GaAsコンタクト層を備えたレーザ構造にあっては、
酒石酸系,あるいはアンモニア系のエッチング液を用い
て基板,及びコンタクト層を選択エッチングすることが
できる。
【0039】また、上記各実施例では、不純物導入領域
によって形成される電流リークパス領域の一部を除去す
るために、基板及びコンタクト層をエッチングするもの
について示したが、下クラッド層と基板との間,及び上
クラッド層とコンタクト層との間に別の半導体層を設
け、この半導体層を共振器端面側から、少なくとも該半
導体層に形成された不純物導入領域が除去されるような
深さまで、望ましくは該半導体層がクラッド層に形成さ
れた不純物導入領域に接しない状態となる深さまでエッ
チングするようにしてもよい。
【0040】また、上記各実施例では、n型基板上にレ
ーザ積層構造を配置したものについて示したが、各層の
導電型を反対の導電型としてp型基板上にレーザ積層構
造を配置する構成としてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る半導体レ
ーザ装置によれば、量子井戸構造を有する活性層と、該
活性層を挟んで配置された第1導電型下クラッド層及び
第2導電型上クラッド層と、上記第1導電型下クラッド
層と第1の電極との間に配置された第1の半導体層と、
上記第2導電型上クラッド層と第2の電極との間に配置
された第2の半導体層と、対向する一対の共振器端面と
を有するファブリーペロー型の半導体レーザにおいて、
レーザの共振器端面近傍の領域に不純物を導入すること
によって上記活性層の共振器端面近傍の領域の量子井戸
構造を無秩序化して形成した窓構造を備え、かつ、上記
第1,第2導電型半導体層を、上記不純物の導入によっ
て共振器端面近傍に形成された不純物導入領域によって
形成される電流リークパスの一部の領域が除去されるよ
う、上記共振器端面側から共振器長方向に所定量エッチ
ング除去した構成としたから、レーザ動作時における無
効電流を低減することができ、これにより、レーザ発振
させて所望の光出力を得る時の動作電流が少く、低消費
電力の半導体レーザを実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による半導体レーザの
共振器長方向に沿った断面を示す模式図である。
【図2】図1の半導体レーザの製造工程を示す図であ
る。
【図3】この発明の第2の実施例による半導体レーザの
共振器長方向に沿った断面を示す模式図である。
【図4】図3の半導体レーザの製造工程を示す図であ
る。
【図5】従来の窓構造付きAlGaInP系半導体レー
ザの共振器長方向に沿った断面を示す模式図である。
【図6】従来の他の窓構造付きAlGaInP系半導体
レーザの共振器長方向に沿った断面を示す模式図であ
る。
【図7】図5の半導体レーザの製造工程を示す図であ
る。
【図8】図6の半導体レーザの製造工程を示す図であ
る。
【図9】図5の半導体レーザにおけるリーク電流経路を
示す図である。
【図10】図6の半導体レーザにおけるリーク電流経路
を示す図である。
【図11】GaAs基板及びGaAsコンタクト層のエ
ッチング深さがクラッド層部分のZn拡散領域の拡散深
さより浅い場合に生ずるリーク電流を示す図である。
【符号の説明】 1 n型GaAs基板 2 n型AlGaInP下クラッド層 3 AlGaInP量子井戸活性層 4 p型AlGaInP上クラッド層 5 p型GaAsコンタクト層 6 n側電極 7 p側電極 8 Zn拡散領域 9 無秩序化領域 15 劈開端面 20 出射レーザ光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子井戸構造を有する活性層と、該活性
    層を挟んで配置された第1導電型下クラッド層及び第2
    導電型上クラッド層と、上記第1導電型下クラッド層と
    第1の電極との間に配置された第1の半導体層と、上記
    第2導電型上クラッド層と第2の電極との間に配置され
    た第2の半導体層と、対向する一対の共振器端面とを有
    するファブリーペロー型の半導体レーザにおいて、 レーザの共振器端面近傍の領域に不純物を導入すること
    によって上記活性層の共振器端面近傍の領域の量子井戸
    構造を無秩序化して形成した窓構造を備え、 かつ、上記第1,第2導電型半導体層が、上記不純物の
    導入によって共振器端面近傍に形成された不純物導入領
    域によって形成される電流リークパスの一部の領域が除
    去されるよう、上記共振器端面側から共振器長方向に所
    定量エッチング除去されていることを特徴とする半導体
    レーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザにおいて、 上記窓構造は、共振器端面を形成した後に、該共振器端
    面から直接不純物を熱拡散して形成したものであること
    を特徴とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体レーザにおいて、 上記窓構造は、共振器端面を形成した後に、該共振器端
    面から不純物をイオン注入し、その後熱処理をして形成
    したものであることを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体レーザにおいて、 上記窓構造は、共振器端面を形成する前に、該共振器端
    面となる領域の近傍にウエハ表面から不純物を拡散して
    形成したものであることを特徴とする半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体レーザにおいて、 上記第1,第2導電型半導体層は、これらが上記上下ク
    ラッド層に形成された上記不純物導入領域に接しない位
    置までエッチング除去されていることを特徴とする半導
    体レーザ。
JP20308993A 1993-08-17 1993-08-17 半導体レーザ Pending JPH0758402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20308993A JPH0758402A (ja) 1993-08-17 1993-08-17 半導体レーザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20308993A JPH0758402A (ja) 1993-08-17 1993-08-17 半導体レーザ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0758402A true JPH0758402A (ja) 1995-03-03

Family

ID=16468191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20308993A Pending JPH0758402A (ja) 1993-08-17 1993-08-17 半導体レーザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0758402A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0852417A2 (en) * 1997-01-07 1998-07-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Semiconductor laser and method of making the same
JP2001196693A (ja) * 2000-01-11 2001-07-19 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザダイオード
JP2001308456A (ja) * 2000-04-25 2001-11-02 Nec Corp ウィンドウ構造半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2003142774A (ja) * 2001-11-06 2003-05-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置及びその製造方法
JP2008022043A (ja) * 2007-10-10 2008-01-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置の製造方法
WO2020053980A1 (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 三菱電機株式会社 半導体レーザ
US10784649B2 (en) 2017-03-23 2020-09-22 Mitsubishi Electric Corporation Optical semiconductor device

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0852417A2 (en) * 1997-01-07 1998-07-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Semiconductor laser and method of making the same
EP0852417A3 (en) * 1997-01-07 1998-09-23 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Semiconductor laser and method of making the same
US6005881A (en) * 1997-01-07 1999-12-21 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Semiconductor laser and method of making the same
JP2001196693A (ja) * 2000-01-11 2001-07-19 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザダイオード
JP2001308456A (ja) * 2000-04-25 2001-11-02 Nec Corp ウィンドウ構造半導体レーザ素子及びその製造方法
JP2003142774A (ja) * 2001-11-06 2003-05-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置及びその製造方法
JP2008022043A (ja) * 2007-10-10 2008-01-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置の製造方法
US10784649B2 (en) 2017-03-23 2020-09-22 Mitsubishi Electric Corporation Optical semiconductor device
WO2020053980A1 (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 三菱電機株式会社 半導体レーザ
JPWO2020053980A1 (ja) * 2018-09-12 2021-08-30 三菱電機株式会社 半導体レーザ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3387076B2 (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JP2009182145A (ja) 半導体光素子
JPH03208388A (ja) 半導体レーザ及びその製造方法と不純物拡散方法
JP3585817B2 (ja) レーザダイオードおよびその製造方法
JPH07101768B2 (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法
JPH07162086A (ja) 半導体レーザの製造方法
JPH09199803A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
KR19990072352A (ko) 자기발진형반도체레이저
CN110459952A (zh) 通过选择性区域生长sag提高半导体激光器芯片可靠性的制作方法
JP3710329B2 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JPH0758402A (ja) 半導体レーザ
JPH04199589A (ja) 可視光面発光レーザ装置
JP2001057459A (ja) 半導体レーザ
JP2010021430A (ja) 半導体光素子
JP2687668B2 (ja) 高出力半導体レーザ素子及びその製造方法
JPH10261835A (ja) 半導体レーザ装置、及びその製造方法
US4447905A (en) Current confinement in semiconductor light emitting devices
JP3501676B2 (ja) 半導体レーザ装置の製造方法
JP2005136371A (ja) ストレイン補償多重量子井戸を用いる単一モード型レーザダイオード及びその製造方法
JPH0846283A (ja) 半導体レーザの製造方法
JPH073908B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法
JP2865160B2 (ja) 半導体レーザの製造方法
JPH065986A (ja) 半導体レーザの製造方法
JP2004228340A (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
JPH10209562A (ja) 半導体レーザ素子の製造方法