JPH0756361B2 - 流動層熱回収装置およびその制御方法 - Google Patents

流動層熱回収装置およびその制御方法

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JPH0756361B2
JPH0756361B2 JP905787A JP905787A JPH0756361B2 JP H0756361 B2 JPH0756361 B2 JP H0756361B2 JP 905787 A JP905787 A JP 905787A JP 905787 A JP905787 A JP 905787A JP H0756361 B2 JPH0756361 B2 JP H0756361B2
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勉 肥後
茂 小杉
直樹 犬丸
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、都市ごみ、産業廃棄物、石炭その他の燃焼物
をいわゆる旋回流型流動床により燃焼する流動層から熱
を回収するための熱回収室を設けた流動層熱回収装置お
よびその制御方法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、旋回流型流動床式焼却炉としては特公昭51−4698
8号公報及び特開昭57−124608号公報記載のものが知ら
れている。
これらの従来の旋回流型流動床式焼却炉の一例を第13図
に基いて説明する。
焼却炉1の炉内底部には流動媒体流動化用の空気分散板
2が備えられている。該空気分散板2は、給塵装置3が
設けられている壁側が高くなるよう傾斜しており、給塵
装置が設けられているのと反対側下部には不燃物排出口
4が接続されている。
ブロワ8から送られた流動用空気は、空気室5,6,7を経
て空気分散板2から上方に噴出せしめて流動媒体を流動
化させる。
各空気室から噴出せしめる流動化空気の質量速度は流動
層を形成するのに十分な大きさを有するが、空気室7か
ら噴出する質量速度が最も大きく、空気室5から噴出す
る質量速度が最も小さくなるように選ばれる。
例えば空気室7より噴出する流動化空気の質量速度は4
〜20Gmf、好ましくは6〜12Gmf、空気室6から噴出する
流動化空気の質量速度は3〜10Gmf、好ましくは4〜6Gm
f、空気室5から噴出する流動化空気の質量速度は1〜4
Gmf、好ましくは1〜2.5Gmfの範囲内の速度から選ばれ
る。
1Gmfは流動化開始質量速度である。
空気室の数は第13図に示されている例では3室示されて
いるが、これは2室でも或いは4室以上でも任意の数が
選ばれ、流動化空気の質量速度は、不燃物排出口4に近
いものを大に、遠いものを小になるようにする。
不燃物排出口4に近い方の空気室7から6の直上に、流
動化空気の上向き流路をさえぎり、流動化空気を給塵装
置3の方向に転向せしめる反射壁としての傾斜壁9が設
けられている。
傾斜壁9の上側は、傾斜壁9と反対の傾斜を有する傾斜
面10が設けられ、流動媒体が堆積するのを防ぐようにな
っている。
分散板2の傾斜は燃焼物に不燃物が含まれる場合には5
〜15度程度が好ましいが、空気室から噴出せしめる空気
量を調節することにより流動媒体を旋回流動せしめうる
ので、特に不燃物が少ない場合等には傾斜はなくてもよ
い。
傾斜壁9の傾斜は水平に対して10〜60度程度が好まし
く、傾斜壁9の表面は、平面、凸面、凹面の何れでもよ
い。炉内天井部11には、燃焼排ガス排出部12、焼却設備
の運転に伴ない発生する液状廃棄物供給管13、冷却水供
給管14等が設けられている。
焼却炉1の作用について説明すると、ブロワ8により流
動用空気を送り込み、前に説明したように空気室7、
6、5の順に質量速度の大なる流動化空気を噴出せしめ
る。
通常の流動層においては、流動媒体は沸とうしている水
の如く激しく上下に運動して流動状態を形成している
が、空気室5の給塵装置3を設けた壁側に近い部分の流
動媒体は激しい上下動は伴なわず弱い流動状態にある移
動層15を形成する。この移動層の幅は上方は狭いが裾の
方は、分散板の傾斜の作用或いは各空気室から噴出され
る空気の質量速度の相違と相まって広がっており、裾の
方は空気室6或いは7の上方に達しているので大きな質
量速度の空気の噴射を受け、吹き上げられ、裾の一部の
流動媒体が除かれるので、空気室5上部の移動層15は自
重降下する。そして、この層の上方には後述の如く旋回
流16を伴う流動層からの流動媒体が補給され、これを繰
り返して全体として旋回流動層が形成される。
空気室6から7の上に移動した流動媒体は上方に吹き上
げられるが、傾斜壁9に当たり反射転向して給塵装置を
設けた壁側に向って上昇旋回し、前述の流動層15の頂部
に移動した後、徐々に下降し、裾に至って再び吹き上げ
られて循環する。
このような状態の焼却炉1内に給塵装置(燃焼物投入装
置)3から下降移動層15の頂部付近に投入された燃焼物
は、下降移動層に巻き込まれて下方に移動する。
従って、従来の流動層における如く、発熱量が高く、軽
い紙等が流動層上で燃焼して流動媒体の加熱に大きく貢
献することなく燃焼するようなことを防ぎ、確実に下降
移動層15及び旋回流動層16中で燃焼を行なわせるので流
動媒体の加熱を効果的に行なうことができる。
燃焼物と共に供給された不燃物は、先ず下降移動層15中
を下降すると共に横方向に移動するが、この間不燃物に
付着したり、一体に組み込まれている可燃物(例えば電
線の被覆など)は燃焼してしまう。裾に達した不燃物は
流動媒体の横移動と分散板2の傾斜によって不燃物排出
口4に達し、垂直路17、不燃物排出コンベヤ18により排
出され振動篩19で流動媒体を篩分けた後排出される。
篩分けられた流動媒体或いは新らしい流動媒体はエレベ
ータ等の搬送手段20により焼却炉1に供給される。
つぎに従来の旋回流型流動床式焼却炉の他の例を第14図
に基いて説明する。
第14図に示す如く、焼却炉の炉内底部に流動用空気の分
散板22が備えられている。分散板22は両側縁部が中央部
より低く、炉の中心線42に対してほぼ対称的な山形断面
状(屋根状)に形成されており、両側縁部には不燃物排
出口24が接続されている。
ブロワ28から送られた流動用空気は、空気室25、26、27
を経て分散板22から上方に噴出せしめられる。両側縁部
の空気室25、27から噴出する流動化空気の質量速度は流
動層を形成するのに十分な大きさを有するが、中央部の
空気室26から噴出する流動化空気の質量速度は前者より
も小である。
例えば空気室25、27より噴出する流動化空気の質量速度
は4〜20Gmf、好ましくは6〜12Gmfの範囲内で選ばれる
のに対し、空気室26より噴出する流動化空気の質量速度
は0.5〜3Gmf、好ましくは1〜2.5Gmfの範囲内で選ばれ
る。
空気室の数は3室以上任意の数が選ばれる。この場合、
流動化空気の質量速度は、中心に近いものを小に、両側
縁部に近いものを大になるようにする。
両側縁部の空気室25、27の直上に流動化空気の上向き流
路をさえぎり、流動化空気を炉内中央に向けて反対転向
せしめる反射壁として傾斜壁29が設けられている。
傾斜壁29の上側は、傾斜壁29と反対の傾斜を有する傾斜
面30が設けられ、流動媒体が堆積するのを防ぐようにな
っている。
分散板22の傾斜は燃焼物が不燃物を含む場合には5〜15
度程度とするのが好ましい。
また、不燃物を含まない場合には傾斜させなくてもよ
い。
傾斜壁29の傾斜は水平に対して10〜60度程度が好まし
い。傾斜壁29の表面は、平面、凸面、凹面何れでもよ
い。
炉内天井部31には、給塵装置23の出口33に連なる燃焼物
投入口34が中央部の空気室26に対応するように設けられ
ており、また燃焼排ガス排出部32も設けられている。
傾斜壁29を、金属パイプによる壁面体とし、パイプ内に
流動化空気を通して予熱を行なってもよい。
焼却炉の作用につき説明すれば、ブロワ28により、流動
用空気を送り込み、空気室25、27からは大きな質量速度
で、空気室26からは小さな質量速度で空気を噴出させ
る。
通常の流動層においは、流動媒体は沸とうしている水の
如く激しく上下に運動して流動状態を形成しているが、
空気室26の上方の流動媒体は激しい上下動は伴なわず、
弱い流動状態にある移動層を形成する。この移動層の幅
は上方は狭いが、裾の方が分散板22の傾斜の作用も相ま
って広がっており、裾の一部は両側縁部の空気室25、27
の上方に達しているので、この部分で大きな質量速度の
空気の噴射を受けて吹き上げられる。そして、裾の一部
の流動媒体が除かれるので、空気室26の直上の層は自重
で下降する。この層の上方には後述の如く旋回流36を伴
う流動層からの流動媒体が補給される。これを繰り返し
て、空気室26の上方の流動媒体は、或る領域の部分がほ
ぼひとまとめとなり、徐々に下降する下降移動層35を形
成する。
空気室25、27上に移動した流動媒体は上方に吹き上げら
れるが、傾斜壁29に当たり反射転向して炉の中央に向き
ながら上昇旋回し、炉内断面の急増に伴い上昇速度を失
い、前述の下降移動層35の頂部に移動し、徐々に下降
し、裾に至って再び吹き上げられて循環する。一部の流
動媒体は旋回流36として流動層の中で旋回循環する。
このような状態の焼却炉内に、燃焼物投入口34から投入
された燃焼物は下降移動層35の頂部に降下する。頂部付
近においては流動媒体の流れは外側から中心に向かって
集中する方向に流れるので、燃焼物はこの流れに巻き込
まれて下降移動層35の頂部にもぐり込まされる。従っ
て、紙の如き軽いものでも確実に下降移動層35の中に取
り込まれるので、従来の流動層における如く、紙が砂上
で燃焼して流動媒体の加熱に大きく貢献することなく燃
焼するようなことを防ぎ、確実に下降移動層35及び旋回
流動層36の中で燃焼して流動媒体の加熱を効果的に行な
うことができる。
下降移動層35の中では部分的に熱弁解が行なわれ可燃ガ
スが発生する。本例においては発生した可燃ガスは水平
方向に拡散し、流動層中に燃焼するので、その熱は流動
媒体の加熱に有効に役立つ。
下降移動層35の表面にびん、金属塊などの如き重くかつ
大きな物体が供給されたとしても、これらの物体は瞬時
に空気室26の上まで落下することなく、下降移動層35に
支えられて、流動媒体の流れと共に不燃物排出口24に向
って徐々に下降する。
そのため、可燃物はかなりの大きさのものでも、下降移
動層35の中で徐々に下降しているうちに乾燥、ガス化、
燃焼が行なわれ、裾に達するときには大半が燃焼して細
片化しているので、流動層の形成を阻害することがな
い。
従って、燃焼物は予め破砕機で破砕をしなくとも、給塵
装置23で破袋する程度で差支えなく、破砕機や破砕工程
を省略しコンパクトな装置とすることができる。
また、下降移動層35に投入された燃焼物は速やかに流動
媒体中に拡散するので燃焼効率が増大する。
給塵装置23を通過して供給された中寸法の不燃物は、先
ず下降移動層35の中を下降横移動するが、この際不燃物
に付着したり、一体に組まれている可燃物(例えば電線
の被覆など)は燃焼してしまう。裾に達した不燃物は流
動媒体の横移動と分散板22の傾斜によって不燃物排出口
24に達し、垂直路37に排出される。
ついでコンベヤ38によって図示されていないが振動篩に
運ばれ、流動媒体が分離される。
前記第13図及び第14図に示す旋回流動型流動床式焼却炉
においては、流動媒体は通常径1mm程度の粒状固体であ
り、ごみ等の焼却の場合には媒体温度600〜800℃、排ガ
スの温度750〜950℃の温度で運転される。石炭、オイル
コークス等を燃焼させる場合には媒体温度700〜1000℃
排ガス温度約1200℃以下で運転される。
そして、排ガスはガス冷却室や空気予熱器で約300℃ま
で冷却し、除塵した後煙突から放出されるか、或いは燃
焼排ガス排出口の後流側に設けられた廃熱ボイラ、又は
フリーボード部21、41に挿入されたU型チューブの温水
発生器等で熱を回収した後、更に冷却・除塵して煙突か
ら放出されている。
また、燃焼物の量が変動して燃焼量が多くなったり、或
いは燃焼物の発熱量が大となった場合、炉内における発
熱量が大となり、特に流動媒体が所定の温度以上に、例
えば800℃以上に加熱される場合、燃焼物にアルカリ金
属炭酸塩等が含まれていると焼結して所期の目的を達し
えなくなるおそれがあるため、流動媒体に水を散布して
流動媒体の温度を所定の温度に下げることが行なわれて
いる。
そこで、このような場合、流動媒体中に伝熱管を挿入す
ることにより流動媒体の保有する熱量を回収することも
考えられるが、旋回流動層中に多数の伝熱管を挿入する
場合流動を妨げることとなる外、砂による伝熱管の摩
耗、或いは熱回収を行なわない場合の熱による損傷等の
ため保守管理上問題があり、且つ、耐熱性、耐摩耗性確
保のため高価な材質を使用する必要がある等実際上は各
種の問題があった。
〔発明の目的〕
本発明は、旋回流型流動床炉において、傾斜仕切壁背面
と炉壁間、並びに更に2つの傾斜仕切壁背面間に、燃焼
物を燃焼する流動床とは別に流動媒体から熱回収を行う
移動層よりなる熱回収室を炉内に設け、該熱回収室に流
動媒体を循環させ、且つその循環量を調整することがで
きるようにした、燃焼物に対する許容度が高く、更にタ
ーンダウン比を極めて広く取り得る循環層式熱回収装
置、すなわち、旋回流型流動床の燃焼部分と熱回収部分
との間を流動媒体が循環する流動層熱回収装置およびそ
の制御方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
本発明は、炉底部より上方に向けて流動化ガスを噴出さ
せる空気分散板を1組又は2組以上備えると共に、該空
気分散板端部上方に、該流動化ガスの上向流路をさえぎ
り、且つ、該流動化ガスを、上向き流路をさえぎられて
いないガス噴出部上方に向けて、反射転向せしめる傾斜
仕切壁を設けることにより上向流路をさえぎられていな
い空気分散板上部に、流動媒体が固定層ないし流動層状
態で沈降する移動層を形成すると共に、上向流路をさえ
ぎられた空気分散板近傍上部においては流動媒体が活発
に流動化し、且つ前記傾斜仕切壁の作用によりこの部分
の流動媒体を前記移動層上部に向って旋回せしめること
により旋回型流動床主燃焼室を形成し、且つ、該傾斜仕
切壁背面と炉壁又は傾斜仕切壁背面と傾斜仕切壁背面の
間に熱回収室を形成せしめ、運転中流動媒体の一部が前
記傾斜仕切壁の上部を越えて熱回収室に入り込み熱回収
床を形成するように構成し、該熱回収室下部で且つ傾斜
仕切壁の背面側に熱回収床内の流動媒体を固定層から弱
い流動層状態の範囲で変化させるためのガス散気装置を
設け、熱回収室の下部に炉底の上方に通ずる開口を設け
ると共に、熱回収床内に受熱流体を通じた伝熱面を配備
したことを特徴とする旋回型流動層熱回収装置およびそ
の制御方法である。
本発明者らは、流動媒体として径1mm程度の粒状固体を
用いる旋回流流動床式焼却炉において、流動媒体から熱
を回収する前記の如き問題点のない方法について種々研
究を行っていたところ、従来炉壁の一部を構成していた
傾斜壁の代りに傾斜仕切壁を炉内に独立して設け、且
つ、該傾斜仕切壁背面と炉壁の間を熱回収室とし、該熱
回収室内に流動層からの加熱媒体による移動層(熱回収
床)を形成させ、該熱回収室内に受熱流体を加熱するた
めの伝熱面を配置することにより、伝熱面の摩耗を起す
ことなく、且つ効率良く加熱媒体から熱を回収し、また
流動床の温度をコントロールしうることを見いだし本発
明をなすに到った。
また、従来この種の焼却炉においては燃焼物の量が増加
した場合、或いは燃焼物の熱量が大となった場合、流動
媒体の温度上昇に伴う流動媒体の焼結や溶融によるトラ
ブルを防ぐため流動媒体に水を注入して流動媒体を冷却
していたが、本発明により流動媒体から効率良く熱を回
収することができるようになったため、即ち熱を回収す
ることにより流動媒体を冷却することができるため、例
えば石炭専焼炉として利用することも可能となった。
更に、熱回収部を燃焼部と区分し、かつ、燃焼部は旋回
流動床であるため、不燃物を含んだ燃焼物の専焼及び石
炭等との混焼もできるようになった。即ち、あらゆる燃
焼物を燃料として用いることができるようになった。
以下、図面に基いて本発明を詳しく説明する。
第1−1図は、本発明の熱回収装置の一実施例を示すも
のであって、前述の特開昭57−124608号公報記載の流動
層熱反応炉に本発明の熱回収室を設けたものである。
第1−1図において、炉51内底部にはブロワ57により流
動用ガス導入管53から導入される流動化ガスの分散板52
が備えられ、この分散板52は両側縁部が中央部より低
く、炉51の中心線に対してほぼ対称的な山形断面状(屋
根状)に形成されている。そして、ブロワ57から送られ
る流動用ガスは、空気室54、55、56を経て分散板52から
上方に噴出せしめるようになっており、両側縁部の空気
室54、56から噴出する流動化ガスの質量速度は、炉51内
の流動媒体の流動層を形成するのに十分な速度とする
が、中央部の空気室55から噴出する流動化ガスの質量速
度は従来例の説明において説明したのと同様に前者より
も小さく選ばれている。
両側縁部の空気室54、56の上部には、流動化ガスの上向
き流路をさえぎり、空気室54、56から噴出される流動化
ガスを炉51内中央に向けて反射転向させる傾斜仕切壁と
して、上部を内側に折りまげた板状の傾斜仕切壁58が設
けられ、この傾斜仕切壁58と噴出する流動化ガスの質量
速度の差により図面中矢印で示す方向の旋回流が生ず
る。一方この傾斜仕切壁58の背面と炉壁間に熱回収室59
が形成され、運転中に流動媒体の一部が傾斜仕切壁58の
上部を越えて熱回収室59に入り込むように構成されてい
る。また、熱回収室59の下部の炉底よりも高いレベルに
は、ブロワ60から導入管61を経てガスを導入する散気装
置62が設けられ、熱回収室59の散気装置62を設置した近
傍には開口部63が設けられ、熱回収室59に入り込んだ流
動媒体は、運転状態によって連続的又は断続的に移動層
を形成しつつ沈降し、燃焼部へ循環する。
この沈降量は熱回収室散気風量、燃焼部の流動化ガス風
量によって制御される。すなわち、流動媒体が熱回収室
59に入り込む量G1は第4−1図に示すように燃焼部を流
動させるために分散板52から噴出する流動化ガス、特に
端部の空気室54、56から噴出する流動化ガスの量を増や
すと、増加する。また、第4−2図に示すように熱回収
室風量を0〜1Gmfの範囲で変化させると、熱回収室内を
沈降する流動媒体量は、ほぼ比例して変化し、熱回収室
風量が1Gmf以上の場合にほぼ一定となる。この一定とな
る流動媒体量は熱回収室に入り込む流動媒体量G1にほぼ
等しい。なお、熱回収室内を沈降する流動媒体量はG1
応じた量となる。この両風量を調節することにより熱回
収室59内を沈降する流動媒体の沈降量は制御される。
熱回収室59内には第2図に示すように配管64で廃熱ボイ
ラ67に連通された内部に受熱流体を通じた伝熱管65が配
置され、熱回収室を下方に移動する流動媒体と熱交換を
行なうことにより流動媒体から熱を回収するようになっ
ている。熱回収部での伝熱係数は熱回収室散気風量を0
〜1Gmfまで変化させると第3図に示すように大きく変化
する。
熱回収量を制御するためには、前述のように、流動媒体
循環量を制御すると同時に伝熱係数を制御する。すなわ
ち、燃焼室の流動化ガス量を一定とすれば、熱回収室の
散気風量を増加させると、流動媒体循環量が増加すると
同時に伝熱係数が増加し、相乗効果として熱回収量は大
幅に増加する。このこのは、流動層中の流動媒体の温度
の面から考えれば、流動媒体の温度が所定の温度以上に
上昇するのを防ぐ効果にあたる。
熱回収室59にガスを導入する手段としては種々の装置が
考えられるが、一般的には第5図に示すように散気装置
を水平に設置する方法が取られる。この場合、ガスを導
入するための開口を全炉床面に対し均一に設けると、散
気装置へのガス供給量に関係なく単位面積当りの供給ガ
ス量は炉床全面にわたって均一となる。そして散気装置
へのガス供給量を徐々に増やしてゆくと、或る供給ガス
量を境にして熱回収室内の流動媒体が固定層から流動層
へと変化する。
このような場合における熱回収室での伝熱量について考
えると、本発明に係る熱回収室においては、第3図に示
すように、伝熱面と流動媒体の間の伝熱係数は供給され
るガスの流動化質量速度1Gmf近傍で急激に変化するた
め、この流動化質量速度を境にして炉床における伝熱係
数が著るしく変化し、従って熱回収室における全伝熱量
も急激に変化することとなる。
このような状況の下で散気装置へのガス供給量によって
伝熱量の制御を行なう場合、実質的には流動化質量速度
が1Gmf近傍より大で伝熱量が大きい状態、流動化質量速
度が1Gmfより小で伝熱量が小さい状態、及び散気装置へ
のガス供給を止めて伝熱量が極端に小さい状態の何れか
の状態を選択する段階的な制御となってしまう。
これに対し、散気装置を第11図に示すように傾斜させて
設置したり、散気装置の熱回収室59へのガス噴出口の開
口径を場所により変化させることにより、或いは開口径
は同一であってもその密度を変化させることにより通ガ
ス圧損に変化を与えたりすると、熱回収室中に導入され
るガスの量は場所により異なる状態となるばかりでな
く、散気装置に供給されるガス量の大小によりこの状態
は助長されることになる。例えば散気装置に供給するガ
ス量を徐々に増やして行くと、相対的に通ガス圧損の小
さいガス噴出口(開口)から流動媒体層へ供給されるガ
ス量の増加率は相対的に大となり、逆に相対的に通ガス
圧損の大きいガス噴出口(開口)から流動媒体層へ供給
されるガス量の増加率は相対的に小となる。
このため、相対的に通ガス圧損が小さいガス導入口上部
の流動媒体層のみ流動層となり、それ以外の部分は固定
層のままの状態、逆にいえば相対的に通ガス圧損が大き
いガス導入口近傍の流動媒体層のみが固定層であり、そ
れ以外の部分が流動層となる状態が生ずる。
すなわち、散気装置へ供給するガス量の増加に伴ない、
熱回収室中の流動媒体層が、導入ガスの流動化質量速度
1Gmf未満の場合における固定層の状態から、一部が流動
化質量速度1Gmf以上で形成される流動層の状態、他が固
定層の状態となり、これら両者の占める炉床面積の割合
は次第に流動層状態の部分が多くなり、遂に流動媒体層
全体が流動層状態へと移行する。
この結果、熱回収室中における伝熱量についてみれば、
散気装置へ供給するガス量の増加に伴ない、当初熱回収
室中に吹き込まれる流動化質量速度1Gmf未満の伝熱量が
小さい状態から、一部が流動化質量速度1Gmf以上の伝熱
量が大きい状態で、他が1Gmf未満の伝熱量が小さい状態
のままとなり、両状態にある伝熱面の面積割合は次第に
伝熱量の大きい部分が増大し、遂には全体が流動化質量
速度1Gmf以上の伝熱量の大きい状態へと移行する。熱回
収室内における全体の伝熱量はこれら各部の伝熱量の和
であるため、散気装置へのガス供給量の増減に基く伝熱
量の増減はなだらかな増減を示すこととなり、伝熱量の
連続的な制御が容易にできることとなる。
このような散気装置の例を第15図、第16図及び第17図に
示す。
第15図は、水平に設置した散気管に開口径の異なるガス
噴出口を複数個設けた例であり、噴出口をガスが通過す
る時の抵抗が異なるため、各噴出口の通ガス量が異な
る。すなわち、噴出口の開口径の大きさが、第15図に示
すようにA>B>Cであるとすると、通ガス量はA>B
>Cとなる。
第16図は、開口径が同一の噴出口を有する散気管を傾斜
させて設置した例であって、流動媒体層に吹き出すため
の吐出圧力は流動媒体層の深さに比例するため、各噴出
口から噴出される通ガス量は異なる。すなわち、流動媒
体層の深さの深い順に噴出口をA、B、Cとすると、通
ガス量はA<B<Cの順となる。
第17図は開口径の異なる噴出口を備えた散気管を傾斜し
て設置した例であり、流動媒体層の深さの深い部分に位
置する噴気口径を大とし、流動媒体層の深さの浅い部分
に位置する噴出口の開口径を小として流動媒体層の深さ
による通ガス圧損の差を開口径により修正したものであ
る。
すなわち、開口径の大きさをA>B>Cとすることによ
り任意の設計点における各開口の通ガス量をA=B=C
とすることができ、この場合、該設計点以下で通ガス量
はA<B<Cと、設計点以上では通ガス量をA>B>C
とすることができる。
これらの散気装置を用いて散気装置に供給するガス量を
変化させた時の各噴出口から流動媒体層中に吹き出され
るガス量の1例を第18図、第19図及び第20図に示す。
第18図は第15図に示す如き散気装置を用いた場合の図、
第19図は第16図に示す如き散気装置を用いた場合の図、
第20図は第17図に示す好き散気装置を用いた場合の図で
ある。
第18図、第19図及び第20図においては、横軸に噴出口B
から吹き出されるガスの質量速度を、縦軸に各噴出口か
ら吹出されるガスの質量速度を示す。
これらの図から、噴出口Bから吹き出るガスの質量速度
が1Gmf未満であっても他の噴出口から吹き出されるガス
の質量速度が1Gmf以上となる場合、あるいは噴出口Bか
ら吹き出されるガスの質量速度が1Gmf以上となっていて
も他の噴出口から吹き出されるガスの質量速度が1Gmf未
満となる場合があることが明らかである。
第21図、第22図及び第23図は、夫々第18図、第19図及び
第20図に示した各噴出口から吹き出されるガスの質量速
度の関係を、横軸に噴出口を、縦軸に各噴出口から吹き
出されるガスの質量速度を示したものである。
第21図は第15図に示す如き散気装置を設けた場合に対応
する図、第22図は第16図に示す如き散気装置を設けた場
合に対応する図、第23図は第17図に示す如き散気装置を
設けた場合に対応する図である。
これらの図においては、散気装置への同一供給ガス量下
の各プロット折れ線で結んでいる。
この様に各噴出口によって互いに異なるガス質量速度と
なる場合、総伝熱量は、それら各噴出口に対応する領域
での伝熱面積と各流動化質量速度に応じた伝熱係数の積
の和となる。例えば、第21図乃至第23図において流動化
質量速度が1Gmfとなる散気装置への供給ガス量は噴出口
により互いに異なり従って総伝熱量では第3図の如き急
激な伝熱係数の変化に応じた変化は起こらない。
各噴出口に対応する領域の伝熱面は散気装置への供給ガ
ス量を増加する場合においては漸次第3図1Gmf強におけ
る高い伝熱量へと変化することになり、また供給ガス量
を減少する場合には逆の現象がおこる。従って、第15図
乃至第17図に示す3つの例のいずれの方法を用いた場合
にも前述のように散気装置へ供給するガス量の増減に対
する伝熱量の増減の特性をなだらかにすることができ
る。第17図に示した例では、例えば第20図に示すように
質量速度2Gmfで各ノズルから吹出されるガス量が均一と
なるように設計できる。
このようにすることにより、第3図に示すような質量速
度2Gmf以上の領域、即ち伝熱係数に関してはかえってマ
イナスとなり、かつ伝熱面の摩耗速度が質量速度に応じ
て急激に大きくなる部分の生じる運転点が生じないよう
に設計することができる。
すなわち、噴出口Bを例えば2Gmfとすると第18図の噴出
口A及び第19図の噴出口Cは2Gmf以上となるが、第20図
に示す例においては噴出口B2Gmfとすれば他の全てのノ
ズルも2Gmfと均一な通ガス量となる。すなわち、熱回収
室の全ての伝熱面の摩耗速度が小さくて最高の熱回収量
を得ることができることとなる。
なお、この通ガス量の合致点は、噴出口の口径、噴出口
密度並びに熱回収室の砂の表面からノズルまでの深さ等
により容易に設計できるものである。
この理由から、第20図に示すように散気装置を斜めに設
置すると共に、深い位置の噴出口ほど開口径乃至は噴出
口密度を大とするのが好ましい。
このような散気装置を用いた場合の供給ガス質量速度と
伝熱量との関係を、散気装置を水平に設け、かつ噴出口
の開口を均一になるように設けた場合との比較において
第24図に示す。
なお、第24図において曲線yは均一な噴出口を有する散
気装置を水平に設けた場合を、曲線xは第17図に示す如
き散気装置を設けた場合を示す。
第24図に示す曲線より、散気装置を斜めに設け、かつガ
ス導入部に近いもの程ノズルの開口径を大とすることに
より、供給ガス量の増減による伝熱量の増減の特性がな
だらかになり(曲線x)、従って供給ガス量を調整する
ことにより伝熱量を容易にかつ連続的に制御できること
が明らかである。
この熱回収室散気風量による熱回収量の制御は、後述の
ように急速に行なうことができる。
つぎに流動層高と流動媒体循環量の関係についてより詳
しく説明する。
流動層高ベクトルH(流動層の表面の傾斜仕切壁上端か
らの高さ)が負の場合、即ち流動層表面が傾斜仕切壁上
端より低い位置にある場合傾斜仕切壁に沿って下より上
昇するガス流は傾斜仕切壁によって方向性を与えられ、
傾斜仕切壁に沿って流動層より噴出し、それに伴ない流
動媒体も方向性を与えられて噴出する。噴出したガス流
は流動層内と異なり流路内に充填されていた流動媒体が
無くなり流路断面が急激に広がるところから噴流も撹散
し数m/秒以下の流速のゆるやかな流れとなって上方に排
気され、従って同伴されていた流動媒体は、その流速に
よって運ばれるには粒径が数mm前後と大きいため、重力
や排ガスとの摩擦により運動エネルギーを失ない落下す
る。そして殆んどの粒子は慣性により燃焼部を飛びこえ
て熱回収部に飛び込むことになる。しかしながら、流動
層表面より噴出した流動媒体の飛距離は、粒径あるいは
比重との関係から1〜2m以下であり、炉の幅が1〜2m以
下の場合しか熱回収室において熱回収に必要な流動媒体
量を確保できない。
ところで、流動層高ベクトルHが正の場合、即ち流動層
表面が、傾斜仕切壁の上端より上にある場合には、傾斜
仕切壁によって寄せ集められた流動化ガスは傾斜仕切壁
上端よりほぼ直上に噴きあげ、それに伴なう形で流動媒
体が流動層表面より第1−1図に矢印aで示すように吹
き上げられた後落下することとなり、傾斜仕切壁の背
面、即ち熱回収室へ大量にはいりこむことになる。
即ち、流動層高ベクトルHが大きい程傾斜仕切壁による
噴出流動媒体の方向性は真上方向に近くなり、ベクトル
Hが大きくなるに従って多くの流動媒体が熱回収室へは
いり込むことになり、その増加割合はHが大きい程大で
ある。
第1−1図において、65は炉51上部に設けられた燃焼物
投入口、67は排ガス出口68付近に設けられた気水ドラム
で、熱回収室59内の伝熱管65と循環路を形成している。
また、69は炉51底部の分散板52の両側縁部外側に接続さ
れた不燃物排出口で、70は逆ねじ方向に配設されたスク
リュー71を有するスクリューコンベアである。
しかして、燃焼物投入口66より炉51内に投入された燃焼
物Fは、流動化ガスにより旋回流動している流動媒体と
共に流動しながら燃焼する。この時、空気室55の上方中
央部付近の流動媒体は激しい上下動は伴わず、弱い流動
状態にある下降移動層を形成している。この移動層の幅
は、上方は狭いが裾の方は分散板52の傾斜の作用も相俟
ってやや広がっており、裾の一部は両側縁部の空気室5
4、56の上方に達しているので、この両空気室からの大
きな質量速度の流動化ガスの噴射を受けて吹き上げられ
る。すると、裾の一部の流動媒体が除かれるので、空気
室55の直上の層は自重で下降する。この層の上方には、
後述のように流動層からの流動媒体が補給されて堆積
し、これを繰り返して空気室55の上方の流動媒体は徐々
に連続的に下降する移動層を形成する。
空気室54、56上に移動した流動媒体は上方に吹き上げら
れるが、傾斜仕切壁58に当って反射転向して炉51の中央
に向かって旋回せしめられ、中央部の移動層の頂部に落
下し、再び前述のように循環されると共に、流動媒体の
一部は傾斜仕切壁58の上部を越えて熱回収室59内に入り
込む。そして熱回収室59に堆積した流動媒体の沈降速度
がおそい場合には、熱回収室の上部には安息角を形成し
余剰の流動媒体は傾斜仕切壁上部から燃焼部に落下す
る。
熱回収室59内に入り込んだ流動媒体は、散気装置62から
吹き込まれるガスによって緩やかな流動が行われつつ徐
々に下降する下降移動層が形成され、伝熱管との熱交換
が行われたのち、開口部63から燃焼部へ還流される。
この熱回収室59内で散気装置62から導入される散気ガス
の質量速度は0〜3Gmf、好ましくは0.5〜2Gmfの範囲内
の値から選ばれる。
その理由は、第3図に示される如く3Gmf以下の場合、伝
熱係数も大きく、且つ、摩耗速度が小さいからである。
また、熱回収室59内の散気ガスの質量速度を0〜1Gmfと
変化させると、第4−2図に示すように熱回収室内の移
動層の沈降速度がほぼ直線的に変化し、必要量の高温媒
体の量を任意にコントロールできる。しかし、蒸気等が
不要の時にはこの部分の流動化ガス量を0とすれば、焼
却運転だけ行うこともできる。また、熱回収部は炉51内
の主燃焼領域外であり、還元性雰囲気のような強い腐食
性を持たないために、従来のものと比べて伝熱管65が腐
食を受けにくく、また、前述のようにこの部分では流動
速度も低いため、伝熱管65の摩耗も極めて少ない。流動
化ガスの質量速度0.5〜2Gmfの範囲において、実際には
流動媒体温度例えば800℃において流動媒体の粒径にも
よるが、ガス速度は0.1〜0.4m/秒(空塔速度)と極めて
低速度である。
燃焼物中には流動媒体より大きな径の不燃物がある場合
には、燃焼残渣は一部の流動媒体と共に炉底部のスクリ
ューコンベア70より排出される。
また、熱回収室59内の伝熱は、流動媒体と伝熱管65との
直接接触による伝熱に加えて、流動媒体の流動により激
しく不規則に振動しながら上昇するガスを媒体とした伝
熱がある。後者は、通常のガス−固体間の接触伝熱に対
し、伝熱の妨げとなる固体表面の境界層がほとんど存在
せず、また流動媒体同志が流動によってよく撹拌される
ために、静止媒体と異なり粉体の中での伝熱が無視でき
るようになり、極めて大きな伝熱特性を示す。したがっ
て、本発明の熱回収室においては、通常の燃焼ガスボイ
ラに比較して10倍近い伝熱係数をとることができる。
このように、流動媒体と伝熱面との伝熱現象は流動の強
弱に大きく依存しており、散気装置62から導入するガス
量の調節により流動媒体循環量も調節でき、且つ、移動
層による熱回収室59を炉内において流動床主燃焼室から
独立させることで、コンパクトでかつターンダウン比が
大きくて制御容易な流動層熱回収装置とすることができ
る。
石炭や石油コークスのように燃焼速度の遅い燃焼物を燃
料として用いたボイラーにおいては、通常蒸発量を急に
変化させたくとも燃焼速度に見合った速度でしか変化で
きない場合が多く、一般流動床ボイラにおいては流動層
温度を介して熱回収を行なうためにそれより更に劣る。
しかしながら、本発明においては熱回収室における伝熱
量を、ガス散気量を変化させることにより、瞬時に数倍
ないし数分の一に変化させることができる。従って、燃
焼物供給量変化による流動層への入熱量変化は燃焼速度
に左右されるため、時間遅れを生じるけれども、本発明
の熱回収室における流動媒体からの熱回収量は熱回収室
散気量で急速に変化させることができ、入熱量と熱回収
量の応答速度の差を流動媒体の温度の一時的な温度変化
として、流動層を形成する流動媒体の顕熱蓄熱能により
吸収できる。このため熱を無駄なく利用することがで
き、従来の石炭だきボイラーの類にはなかった追従性の
高い蒸発量制御が可能となる。
なお、前記の不燃物排出口69の位置は、例えば図示例の
ように熱回収室59の傾斜仕切壁58の下部の開口部63並び
に炉51内の空気分散板の両側縁部に接するように位置せ
しめるのがよいが、これに限定されるものではない。
また、熱回収室59から不燃物排出口69への流動媒体の短
絡による排出を防止し、伝熱後の媒体を有効に燃焼室で
ある流動床へ戻すために、仕切り50を設けることも好ま
しく、この仕切り50は第5図及び第6図に示すように散
気装置62を形成する散気管にバンドなどで取付けた板状
のものでもよく、あるいは第1−1図示例のように炉壁
を利用して形成させることもできる。
第1−1図においては、空気分散板52を山形とし、空気
室を三室(54、55、56)とし、空気室54及び56から噴出
する流動化ガスの質量速度を空気室55から噴出する流動
化ガスの質量速度よりも大とする場合について説明した
が、流動層下部より吹き込まれる空気の質量速度は同一
であっても反射仕切壁の作用により、即ち、反射仕切壁
に沿った部分の空気流速が中央部に比し大となり流動層
に旋回流を形成せしめることが可能であるので、各空気
室から噴出させる流動化ガスの質量速度は同一としても
よく、また同じ理由から第1−2図に示すように空気分
散板52は水平にし、且つ、単一の空気室56′としてもよ
い。また、この場合空気室56′は一つの室とすることな
く、数室に区分してもよい。空気室を数室に区分する場
合、室毎に流動化ガスの質量速度を第1−1図について
説明したように異なる速度としてもよいのは当然であ
る。
また、石炭のような不燃物含有量の少ない燃焼物を燃焼
させる場合には不燃物排出口は第1−2図に示すように
省略できる。
つぎに、本発明の他の実施例を第7図に示す。第7図に
示す旋回流動床式熱回収装置は、第1−1図に示す旋回
流動床2つを同一の炉中に設け、従って、中央部の熱回
収室59は中央部の2つの傾斜仕切壁58の背面間に設ける
と共に中央部の熱回収室59の下部の仕切りを第5図に示
す構造のものとした以外は、全く同じである。
つぎに、本発明の更に他の実施例を第8−1図、第8−
2図、第9図及び第10図に示す。
これらの実施例においては、傾斜仕切壁58の形状並びに
その取り付け方が第1−1図、第1−2図及び第7図に
示す実施例とは主として相違するのみであり、また、第
8−1図及び第8−2図に示す実施例は、第13図に示す
1つの旋回流動層を有する炉に本発明を適用した場合の
実施例を示す図面である。
なお、第8−2図は第8−1図に示す旋回流型流動床炉
においてガス分散板52を水平にし、且つ空気室56′を単
一の部屋とすると共に不燃物排出口を省略した例を示す
図であって、その作用は第1−2図に関し説明したのと
同様である。なお第8−2図において符号69′は流動媒
体排出ノズルを示す。
第8−1図、第8−2図、第9図及び第10図において符
号50〜71は第1−1図及び第7図で説明したのと同じ意
味を有し、符号80は水管、81、82は外壁に設けられた管
寄せ、83、84は炉中に設けられた管寄せを示す。
第8−1図、第8−2図、第9図、第10図に示す例にお
いては炉壁がメンブレン外壁で構成されており、このメ
ンブレン外壁の上下に設けた管寄せ81、82及び炉中に設
けた管寄せ83、84(第10図に示す例のみ)から水管80を
分岐して、夫々の下方斜めの部分にメンブレン壁の仕切
を傾斜させて設け傾斜仕切壁58としたものである。
これらの図面に示す水管群は1ケ所又は2ケ所で曲げ加
工されており、熱膨張を吸収でき、また上下管寄せで固
定されているので流動媒体の激しい運動にも十分に耐え
ることができる。
また水管80の垂直部分は、流動媒体の頂部を貫いて十分
に長くしてあるので、上部傾斜部に不燃物が堆積するこ
とがなく、また、通過抵抗を小とし、不燃物等による目
詰りを防止するために、水管80の垂直部分及び熱回収室
59の下部開口部63の部分は、第12図に示す如く、千鳥状
に互違いに配列するのが好ましい。
また、第11図に示すように、伝熱管65も同様に千鳥状に
配列するのが好ましく、また散気装置(散気管)62は、
伝熱管と平行に熱回収室の下部に配列するのではなく、
第8−1図乃至第10図に示すように熱回収室の下部に傾
斜仕切壁58の背面に沿って設けるのが好ましい。散気管
のガス導入口に近い部分のガス噴出口を大きくし、先端
に向い漸次小さくすることにより、流動媒体の深さに関
係なく、ほぼ均一に散気することができる。
傾斜仕切壁58の下端部は、分散板52の端部より外側の流
動媒体が激しい流動状態にない部分に位置せしめるのが
好ましい。その理由は激しい流動層の影響を受けるのを
防ぎ、熱回収室内の流動媒体の沈降速度の制御を容易に
するためである。
また、燃焼部の移動層下部からの流動化ガスの質量速度
は0.5〜3Gmf、好ましくは1〜2.5Gmfで且つ、流動層部
下部からの吹込み量の50%以下の量が好ましい。
また、第8−1図及び第8−2図に示す如く、燃焼物投
入装置68により燃焼物を直接下向きの移動層中に供給す
る場合、燃焼物特に粉炭等の供給が流動媒体によるかき
取り作用により連続的となり、また供給装置からの空気
のリークが少なく、また粉炭等の燃焼効率が大となり、
且つ運転停止時において炉中の流動媒体で空気のリーク
をしゃ断してしまうので、炉内の熱で供給部に残った燃
焼物が発火して供給部が焼けてしまうようなことがない
ので、供給部と炉の間をダンパで閉め切る必要はない。
なお、上記実施例では、燃焼ガスボイラと共用の気水ド
ラム67から水を抜き出し、循環ポンプ72(第2図)で強
制循環し、再び気水ドラム67に戻している。しかし、こ
のように使用しなくとも、例えばエコノマイザのして燃
焼ガスボイラへの給水の予熱に使用したり、燃焼ガスボ
イラとは独立したボイラとして使ったり、燃焼ガスボイ
ラによって発生した蒸気の過熱器として使ったりするこ
ともできる。特に、過熱器として使用する場合には、燃
焼排ガスによる腐食の心配がないことから都合がよい。
また、受熱流体としては、水や蒸気に限らず、熱媒オイ
ル等を強制循環して熱媒ボイラとして使うことも可能で
ある。
また、都市ごみや雑芥等粗大物を含む燃焼物は第1−1
図、第1−2図、第7図、第9図及び第10図に示す如く
天井に設けられた投入口から投入することで無理なく運
転できるが、石炭等数十ミリメートル程度以下の固体燃
料を燃焼せしめる場合には、天井部から投入せずに、燃
焼部側壁の流動層表面よりは高いが低目の位置から回転
羽根によりはね飛ばす形式等スプレッダにより燃焼部に
投入する方法が好ましい。
従って、石炭等固体燃料専焼炉として用いる場合には、
天井投入口は設けずに上述のスプレッダのみとしてもよ
く、また粗大物を含む燃焼物は天井の投入口から投入
し、固体燃料は上述のスプレッタから供給して混焼した
りすることも出来る。
【図面の簡単な説明】
第1−1図及び第1−2図は本発明の旋回流型流動床式
熱回収ボイラの一実施例を示す全体の縦断面図、第2図
は第1−1図の熱回収室のA−A線における矢視図、第
3図は流動化質量速度(Gmf)と伝熱係数及び摩耗速度
の関係を示す図、第4−1図は熱回収室の流動空気量
(Gmf)と熱回収室に循環される流動媒体循環量との関
係を示す図、第4−2図は熱回収室の循環風量(Gmf)
と下降移動層沈降速度の関係を示す図、第5図は熱回収
室下部の開口部に設けた仕切りを説明するための断面
図、第6図は第5図のD−D線における矢視図、第7
図、第8−1図、第8−2図、第9図及び第10図は、夫
々本発明の旋回流型流動床式熱回収装置の他の実施例を
示す全体の断面図、第11図は第8−1図乃至第9図に示
す実施例における熱回収室の伝熱管並びに散気装置を説
明するための図面、第12図は同水管の垂直部分、及び開
口部の配列を説明するための図面、第13図及び第14図は
夫々異なる従来の旋回流型流動床式焼却炉を説明するた
めの全体の断面図、第15図、第16図及び第17図は、散気
装置の設置状態及び該散気装置に設けられたガス噴出口
の開口の状態を説明するための図面、第18図、第19図及
び第20図は、夫々第15図、第16図及び第17図に示す如き
散気装置を設けた場合における開口Bからのガス質量速
度と開口A、B、Cからのガス質量速度の関係を示す図
面、第21図、第22図及び第23図は、夫々第15図、第16図
及び第17図に示す如き散気装置を設けた場合における各
噴出口から噴出されるガスの質量速度の相関関係を示す
図面、第24図は散気装置を水平に設け、且つ噴出口を均
一に設けた場合と、第17図に示す如き散気装置を設けた
場合における平均供給ガス質量速度と平均伝熱量との関
係を示す図面である。 1,21,51……燃焼炉、2,22,52……空気分散板、3,23,66
……燃焼物供給装置、4,24……不燃物排出口、5,6,7,2
5,26,27,54,55,56……空気室、8,28……ブロワ、9,29…
…傾斜壁、12,32……燃焼排ガス排出部、15,35……移動
層、16,36……旋回流、18,38……コンベヤ、58……傾斜
仕切壁、59……熱回収室、60……ブロワ、62……散気装
置、63……開口部、65……伝熱管、80……水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 犬丸 直樹 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 川口 一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (56)参考文献 特開 昭50−140371(JP,A) 特開 昭57−124608(JP,A) 特開 昭49−95470(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)主流動床と分散手段とを含む流動床主
    燃焼室と、 b)熱回収床と散気手段とを備えた熱回収室と、 c)前記主流動床と前記熱回収床とがその上部及び下部
    において連通するように、前記主流動床と熱回収床とを
    分離する傾斜仕切壁と、 d)前記熱回収床内に設けられた受熱流体を通した伝熱
    面と、 を備えた流動層熱回収装置の制御方法において、 前記傾斜仕切壁に沿って流動媒体の上昇流が形成される
    とともに傾斜仕切壁から離れた位置で流動媒体の下降流
    が形成されて流動媒体の旋回流動床が形成されるよう
    に、かつ、前記旋回流動床の流動媒体の一部が前記傾斜
    仕切壁の上部を越えて前記熱回収室に到達するように、
    前記傾斜仕切壁から離れた領域の下方よりも傾斜仕切壁
    の下方においてより大きい質量速度で流動化用ガスを供
    給し、 回収される熱量を制御するために前記散気手段から前記
    熱回収床に供給されるガス流量を調整する、 ことを特徴とする流動層熱回収装置の制御方法。
  2. 【請求項2】分散手段が流動床燃焼室の底部に設けられ
    ている特許請求の範囲第1項記載の流動層熱回収装置の
    制御方法。
  3. 【請求項3】熱回収室が、前記傾斜仕切壁と炉壁との
    間、或いは2つの傾斜仕切壁の背面側の間に形成されて
    いる特許請求の範囲第1項又は第2項記載の流動層熱回
    収装置の制御方法。
  4. 【請求項4】熱回収室の散気装置が熱回収室の下方部分
    の傾斜仕切壁の背面に沿って設けられている特許請求の
    範囲第1項乃至第3項の何れか1つに記載の流動層熱回
    収装置の制御方法。
  5. 【請求項5】前記熱回収室の底部において前記散気手段
    から噴出される空気の質量速度は0〜3Gmf、好ましくは
    0.5〜2Gmfであり、前記傾斜仕切壁の下の分散手段から
    噴出される流動化用空気の質量速度は4〜20Gmf、好ま
    しくは6〜12Gmfであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項乃至第4項の何れか1つに記載の流動層熱回収
    装置の制御方法。
  6. 【請求項6】前記主流動床の温度を前記散気手段への空
    気の供給量を調整することによって、一定範囲に制御す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第5項の
    何れか1つに記載の流動層熱回収装置の制御方法。
  7. 【請求項7】a)主流動床と、異なった量の流動化用ガ
    スを供給するようになっている分散手段(54,55,56)と
    を含む流動床主燃焼室と、 b)熱回収床と散気手段とを備えた熱回収室と、 c)前記主流動床と前記熱回収床とを分離し、前記主流
    動床と熱回収床とをその上端及び下端において連通させ
    る傾斜仕切壁(58)と、 d)前記熱回収床に設けられ、受熱流体を通した伝熱面
    手段(65)と、 e)前記散気手段は熱回収室の下部に設けられており、
    かつ、流動媒体が熱回収室から前記流動床主燃焼室に向
    かって下方に移動するように熱回収室の底部に開口部が
    設けられており、 f)前記傾斜仕切壁の下方の前記分散手段の一部は、前
    記傾斜仕切壁の領域において前記分散手段の他の部分の
    質量速度よりも大きい質量速度を与えるように構成され
    ている、 ことを特徴とする流動層熱回収装置。
  8. 【請求項8】前記分散手段は、流動床主燃焼室の底部に
    設けられていることを特徴とする特許請求の範囲第7項
    記載の流動層熱回収装置。
  9. 【請求項9】前記熱回収室は、前記傾斜仕切壁と流動床
    主燃焼室の側壁の間、又は、二つの傾斜仕切壁の背面側
    の間に形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第7項又は第8項記載の流動層熱回収装置。
  10. 【請求項10】前記散気装置は、前記熱回収室の下部で
    前記傾斜仕切壁の背面側に設けられていることを特徴と
    する特許請求の範囲第7項乃至第9項の何れか1つに記
    載の流動層熱回収装置。
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