JPH075622B2 - 合成n―連結複合糖質の製造方法 - Google Patents

合成n―連結複合糖質の製造方法

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JPH075622B2
JPH075622B2 JP2215660A JP21566090A JPH075622B2 JP H075622 B2 JPH075622 B2 JP H075622B2 JP 2215660 A JP2215660 A JP 2215660A JP 21566090 A JP21566090 A JP 21566090A JP H075622 B2 JPH075622 B2 JP H075622B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、オリゴ糖をβ−アノマーコンフイギユレーシ
ヨンを維持できる状態で誘導化して、合成N−連結複合
糖類を形成させる方法に関する。
一般的に、炭水化素は、様々な接合体(たとえば蛋白質
および脂質)に、N(窒素)−グリコシドまたはO(酸
素)−グリコシド結合のいずれかによつて結合する。大
部分の動物糖蛋白質は、N−アセチルグルコサミン(Gl
cNAc)とアスパラギン(Asn)の間のN−グリコシド結
合によつてポリペプチドのバツクボーンに結合するオリ
ゴ糖を含有している。還元末端単糖(ピラノース型)と
アスパラギンの間の糖蛋白質における窒素グリコシド結
合は、以下の式Iに示すように、β−アノマーコンフイ
ギユレーシヨンである。
遊離の還元末端を有するオリゴ糖は各種の植物および動
物源から単離できる。さらに、オリゴ糖は、糖蛋白質か
ら化学的または酵素的方法によつて遊離させることがで
きる。これらの糖類は、還元末端単糖残基、通常はGlcN
AcまたはGalNAc(N−アセチルガラクトサミン)を持つ
ている。
これらのオリゴ糖の誘導体は、基礎研究では天然に生存
する複合糖物の炭水化物残基の機能に関連した活性の研
究、また臨床医学では診断医学ならびに臨床薬理学およ
び治療の分野での研究に有用である。以下にこれらの有
用な誘導体を列記する。
(1)オリゴ糖のビオチン接合体 (2)オリゴ糖のフルオレセント接合体 (3)オリゴ糖の脂質接合体 (4)オリゴ糖のペプチド接合体 (5)オリゴ糖のアミノ酸接合体 (6)固体支持体(たとえばアガロースゲルカラム、シ
リコン薄片、ペトリ皿等)への固定化オリゴ糖 (7)オリゴ糖の薬剤接合体 (8)オリゴ糖の色素団接合体 (9)たとえばカルボベンゾキシ(CBZ)または9−フ
ルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)保護基のような
1−N−保護グリコシルアミン誘導体 グリコシルアミンはまた、生物学的および医学的興味が
あるN−ヌクレオシド、グリコシルチオ尿素およびグリ
コシルアミノ異項環の合成に有用な中間体でもある(た
とえば、Carbohydr.Res.188:35〜44、1988、およびそれ
に引用された文献を参照)。
これらのオリゴ糖誘導体は、式Iに示すように糖蛋白質
に生じるアスパラギンと還元末端GlcNAcの間の結合(す
なわちGlcNAc→Asn)が維持されるように作成されるの
が望ましい)。すなわち、ピラノース型とアスパラギン
のカルボニルおよびメチレン成分、β−アノマーコンフ
イギユレーシヨンを保持することが望ましい。式IIは、 2−アセトアミド−1−N−(4′−L−アスパルチ
ル)−2−デオキシ−β−D−グリコピラノシルアミン
(GlcNAc-Asn) 糖蛋白質におけるGlcNAc→Asn結合の性質を例示するも
のである。式IIIは、 GlcNAc→Asn結合の特性を維持する誘導体の化学的形態
を例示的に示したものである。
オリゴ糖の誘導化に関してはこれまで多くの方法が報告
されていて利用できるが、それらは、GlcNAc→Asn結合
の上述の所望の特性のすべてを維持するものではない。
オリゴ糖の誘導化についての従来法の一つでは、たとえ
ばStowell & Lee:Adv.Carbohydr.Chem.Biochem.,37:25
5〜279、1980、とくに245頁に記載されているように還
元アミノ化を使用するものである。しかしながら、ここ
に記載された方法では、ピラノース型も還元末端単糖の
アニマー中心も、また以下の2つの例示的反応式から明
らかなようにアスパラギンのカルボニルとメチレン基も
維持されない。
オリゴ糖誘導体化の他の従来法では、PCT国際特許出願W
O88/04323(1988年6月16日公開)に例示されているよ
うに、グリコシルアミンの直接誘導体化によつて複合糖
質が形成される。これらの方法では還元GlcNAcのピラノ
ース型は維持されるが、β−アノマーコンフイギユレー
シヨンは必ずしも維持されず(生成物は混合物が得られ
る)、以下に例示する式IVの生成物から明らかなように
アスパラギンのカルボニルおよびメチレン基も維持され
ない。しかも、この方法は糖蛋白質に付着したN−連結
オリゴ糖にしか適用できず、その使用は限られたもので
ある。
グリコシルアミンの直接誘導化による 複合糖質の形成 発明の簡単な説明 本発明は、β−アノマーコンフイギユレーシヨンを保持
する条件下にオリゴ糖を誘導体化して合成N−連結複合
糖質を形成させる新規な方法を提供する。上記オリゴ糖
のグリコシルアミン誘導体を、所望のN−連結複合糖質
の生成に先立つて、中間化合物としてハロアセチル化誘
導体に変換することにより、β−アノマーコンフイギユ
レーシヨンが実質的に保持できることが見出された。ハ
ロアセチル化誘導体は好ましくはクロロアセチル化誘導
体である。グリコシルアミンのハロアセチル化誘導体へ
の変換は、グリコシルアミンにハロアセチル基を与える
ことができる試薬との反応によつて実施できる。本発明
によれば、任意の還元単糖または還元単糖を有する多糖
が誘導体化できる。
本発明の他の好ましい態様によれば、オリゴ糖の誘導体
化には以下の全三工程法が使用される。
1)還元末端単糖のピラノース型およびβ−コンフイギ
ユレーシヨンが保持されたオリゴ糖のグリコシルアミン
誘導体(通常GlcNAc)の合成 2)グリコシルアミンのハロアセチル化誘導体の合成。
この合成工程では、グリコシルアミンのβ−コンフイギ
ユレーシヨンに変旋光を生じてはならない。
3)ハロアセチル化誘導体の、合成的に有用な中間体ま
たはハロアセチル化グリコシルアミンと接合体の直接誘
導体化のいずれかへの変換。
さらに特に、本発明は、オリゴ糖の末端単糖の閉環構造
をβ−アノマーコンフィギュレーションに直接保持する
条件下でオリゴ糖の合成N−連結複合糖質を製造する方
法であって、飽和炭酸水素アンモニウム中pH約8〜約8.
5でオリゴ糖を反応させ、オリゴ糖のβ−グリコサミン
誘導体を形成させ、このβ−グリコサミン誘導体を水性
相反応においてハロアセチル化して、有機溶媒媒体中で
の選択的結晶化することなく上記β−グリコサミン誘導
体の1−N−ハロアセトアミノ誘導体を直接形成させ、
この1−N−ハロアセトアミド誘導体をアンモノリシス
により中間体1−N−グリシル−β−グリコシルアミン
誘導体に変換し、その後上記中間体1−N−グリシル−
β−グリコシルアミン誘導体をサブストレートおよび上
記1−N−グリシル−β−グリコシルアミン誘導体の1
−N−グリシル−β−グリコシルアミン連結複合糖質を
形成することができるサブストレートと反応させること
からなるオリゴ糖の合成N−連結複合糖質の製造方法を
提供する。
本発明の方法においては、ハロアセチル化は、グリコシ
ルアミンを過剰の無水クロロ酢酸(対称ジクロロ酢酸無
水物ともいう)と反応させることによつて行うのが好ま
しい。ブロモおよびヨード誘導体の場合には、酸のNHS
エステルたとえばICH2COONHSを使用することができる。
好ましくは、少なくとも5倍モル過剰、たとえば5〜10
倍過剰のN−アセチル化試薬が使用される。無水クロロ
酢酸の使用により、約98〜99%がβ−アノマーコンフイ
ギユレーシヨンを維持した中間体を生成することが見出
された。これは従来技術、たとえばダンシルクロリドを
使用した場合、かなりの量のα−アノマー生成物との混
合物が得られるのに対比して驚くべきことである。無水
クロロ酢酸はアミノ酸のN−アセル化試薬として公知で
あり、またハロゲン脂肪酸のアンモノリシスによるα−
アミノ酸の製造法も知られているが(Cheronis & Spit
zmueller:J.Am.Chem.Sco.,61349〜375、1941)、本明細
書に記載したような、そのグリコシルアミンとの高いN
−特異的反応性、およびN−連結オリゴ糖の生成におけ
るβ−アノマーコンフイギユレーシヨンの保持は全く予
想できないものであつた。
全3工程における、最初のオリゴ糖のグリコシル化は、
オリゴ糖を飽和炭酸水素アンモニウム中わずかにアルカ
リ性のpH、約8〜8.5、好ましくは約pH8.3でインキユベ
ーシヨンして行うのが好ましい。これらの条件下でのグ
リコシル化はβ−アノマーコンフイギユレーシヨンのグ
リコシルアミンを生成する。
上述のようなハロアセチル化反応に続いて、所望のハロ
アセチル化グリコシルアミン中間体は、上述のような様
々のN−グリコシル−グリコシルアミンまたはN−連結
複合糖質の合成に使用することができる。たとえば、オ
リゴ糖の蛍光性接合体は、N−グリシル−グリコシルア
ミン中間体と蛍光団たとえばフルオレセインまたはロー
ダミン誘導体の反応によつて作成できる。
複合糖質の形成に先立つて、グリコシルアミンの中間ハ
ロアセチル化誘導体を生成させるために、ハロアセチル
供与試薬を使用することが本発明の必須条件である。酸
クロライド、酸無水物または、PCT国際出願WO8/04323号
に開示されているような他の活性アシル化合物のような
トラツピング試薬を用いたグリコシルアミンの直接誘導
体化は、β−アノマー型の複合糖質を高収率に製造する
実用的な方法ではないことが明らかにされた。また、酸
クロリドは糖のヒドロキシ基を反応し、すなわちN−特
異的誘導体化試薬ではなく、無水酢酸はグリコシルアミ
ンの合成的に無用な誘導体を生成する。
発明の詳細は説明 本発明を形成する主題は、特許請求の範囲にとくに指摘
され、明瞭に請求されたとおりであるが、以下に本発明
の好ましい態様について、添付の図面を参照しながら、
詳細に説明する。これによつて、本発明の理解が容易に
なるものと確信する。
図中、 第1図は、グリコシルアミンの変旋光および加水分解の
pH依存性を示すグラフである(Isbell & Frush:J.Org.
Chem.,231309)。
第2図は、凍結乾燥時のオリゴ糖からの炭酸水素アンモ
ニウムの経時的消失を示すグラフである。
第3図は、本発明の一態様において、オリゴ糖の飽和炭
酸水素アンモニア中でのインキユベーシヨン時のグリコ
シルアミンの生成速度(H1プロトンの上方領域への経時
的シフト%)を示すグラフである。
第4図は、第3図のグリコシルアミンのクロロアセチル
化によつて得られた生成物のHPLC溶出像(結合アミノ相
HPLCからのクロロアセチル化生成物の溶出)を示すグラ
フである。
第5図は、第4図のクロロアセチル化グリコサミンのア
ンモノリシスからの生成物のHPLC溶出像(結合アミノ相
HPLCからのアンモノリシス生成物の溶出)を示すグラフ
である。
第6図は、第5図における第2のアンモノリシス反応
(1−アミノ−GlcNAcのクロロアセチル誘導体のアンモ
ノリシス)の完結を示すグラフである。
第7図は、本発明の他の態様におけるN−アセチルグリ
コサミンのN−グリシル−グリコサミン誘導体のフルオ
レセイン誘導体の逆相HPLC溶出像(S50DS2逆相HPLCから
のグリシル−GlcNAcのフルオレセイン誘導体の溶出)を
示すグラフである。
本発明の方法に使用されるオリゴ糖は、様々な植物およ
び動物材料から単離または誘導できる。
たとえば、 (1)精製糖蛋白質および糖ホルモン (2)全血清およびその分画 (3)生物学的分泌物たとえば尿、乳汁、胎便、粘液、
初乳および類似物質 (4)全臓器たとえば、腎臓、肝臓、心臓、脾臓、膵
臓、肺臓 (5)植物の幹および葉抽出物 (6)種子 (7)レクチン、ならびに (8)エムルジン を挙げることができる。
このような植物および動物材料からのたとえばヒドラジ
ン分解のような化学的手段によるオリゴ糖の遊離は、米
国特許第4,719,294号および第4,736,022号ならびにTaka
sakiら:Meth.Enzymol.,83:263〜268、1982に記載されて
いる。
酵素的方法によるオリゴ糖の遊離の例には、Hiraniら:A
nal.Biochem.,162:485〜492、1987に記載されているよ
うなN−グリカナーゼを用いる方法がある。
β−アノマーコンフイギユレーシヨンを維持する条件下
での全3工程法によるオリゴ糖の誘導体化、合成N−連
結複合糖質の生成を以下に詳細に説明する。
工程1.グリコシルアミンの製造 本発明の以前には、グリコシルアミンの合成に適当な一
般的方法はなかつた。
以下の方法が以前に報告されている。
1.グリコシルアジドを経由するグリコシルアミンの製造
方法(Garg & Jeanloz:Adv.Carbohyd.Chem.Biochem.,4
3:135〜139、1985;Cowleyら:Carbohydr.Res.,19:231〜2
41、1971;およびNakabayashiら:同誌、174:279〜289、
1988) 2.メタノール性アンモニアを用いるグリコシルアミンの
製造方法(Frush & Isbell:J.Org.Chem.,23:1309,195
8;Frush & Isbell:J.Res.Natl.Bur.Stds.,47(4):23
9〜247、1951)。この方法は、この溶媒系に不溶のた
め、また還元性末端N−アセチルグルコサミン残基がC2
で塩基触媒エピメル化を受けやすく、また1−3連結核
フコースのβ−離脱のため大構造には適用できない。
3.飽和炭酸水素アンモニウムを用いる糖とアンモニアの
1工程縮合(Likhosherstovら:Carbohydr.Res.,146、C1
〜C5、1986) 4.糖蛋白質をβ−アスパルチルグリコシルアミンアミド
ヒドロラーゼと反応させる酵素的方法(PCT国際特許出
願、WO88/04323) 一般的な炭酸水素アンモニウム法の改良法をここでは使
用する。単糖とアンモニアの縮合によるグリコシルアミ
ンの生成は、上述のように、Frush & Isbellによつて
詳細に研究されている。この反応は、非環状アンモニウ
ムイオン(シツフ付加物)を経て進行し、ついで再び環
化してグリコシルアミンを与えるものと考えられてい
る。LikhosherstovらはIsbell & Frushによつて用いら
れたメタノール性アンモニアではなく、アンモニア源と
して炭酸水素アンモニウムを使用している。この方法
は、この水性系に大きなオリゴ糖でも溶解するという利
点がある。アンモニウム塩では、アンモニア分子が2個
のグリコシルアミン分子の間に分配されてビスグリコシ
ルアミンの生成が増大するが、糖の濃度を低下させるこ
とでこの副反応を最小限にすることができる。
グリコシルアミンは急速な開環転位を受け、これらの結
果は強くpHに依存する。pH8.0以上ではIsbell & Frus
h:J.Org.Chem.,23:309、1985によつて示されたように、
平衡はβ−型に偏して急速に変旋光する(第1図参
照)。グリコシルアミンはわずかに酸性なpH(約4.5)
では速やかに加水分解される(第1図参照)。このよう
な化学的性質の結果として、後処理操作およびその後の
合成反応は、一般的酸触媒加水分解(第1図に示した逆
の反応順序による)と平衡を保ち、反応性求核試薬とし
て(すなわちプロトンが引抜かれた形に)維持されるよ
うに、適当に緩衝化されなければならない。
したがつて、グリコシルアミンの生成および得られる収
率は、出発原料の糖の副反応を最小限にする穏和な塩基
性条件の使用、およびアミンの加水分解を触媒する酸性
条件の回避に依存する。さらに、塩基触媒によつて起こ
る可能性のあるC2でのエピメリ化、およびβ−離脱の発
生は、反応を穏和なアルカリ性pH、約8〜8.5、好まし
くは約8.3で行えば、最小限にすることができる。
Likhosherstovらの一般的炭酸水素アンモニウム法を要
約すると、次の反応図で示すことができる。
Likosherstovらの方法によるグリコシルアミンの製造 オリゴ糖を飽和炭酸水素アンモニウム中30℃で約4〜5
日間インキユベート ↓ 等容の水を加え、最初の容量に急速に蒸発させ(6回反
復)、4℃に冷却 ↓ Amberlyst 15陽イオン交換樹脂でpH6.0の酸性とし ↓ カラムに注ぎ、 1)水で出発原料の糖を溶出し 2)0.5Mメタノール/アンモニアでグリコシルアミンを
溶出し ↓ 溶出液を蒸発させ、グリコシルアミンを結晶化させる 著者らは、この方法が簡単な単糖および複糖のグリコシ
ルアミンの製造に有効で収率は60%と述べているが、本
発明者らは、報告された操作を用いては、その収率を再
現することができていない。以下のような事実が観察さ
れた。
(1)グリコシルアミンの加水分解はわずかに酸性のpH
でもきわめて迅速であるので、反応混合物の酸性化は深
意深く制御しなければならない(第1図参照)。この工
程は少量のオリゴ糖サンプル(分析規模)では制御が困
難である。
(2)使用されるAmberlyst交換樹脂はメタノール性ア
ンモニア溶出液中で不安定である。完全に洗浄しても、
樹脂が溶解して、変色がみられた。Amberlyst樹脂の性
質をさらに検討したところ(以下の実験の部参照)、報
告されている条件下ではグリコシルアミンを定量的に溶
出できないことも明らかにされた。他の樹脂、AG50×12
(H+)についても試験したが、これも酸性のpHではグリ
コシルアミンを強力に結合した。N−アセチルグルコサ
ミンの簡単なグリコシルアミンは、この樹脂のカラムか
ら定量的に溶出させることはできなかつた。
実験の部 飽和炭酸水素アンモニウムの酸性化を、Likkosherstov
らの方法に従つて実施した。穏和な酸性pHでの加水分解
はきわめて迅速であるので(上記参照)、これは注意深
く制御しながら行われた。
溶出実験では、3-GlcNAc含有飽和炭酸水素アンモニウム
200μl(560μEq)を30℃で4日間インキユベートし、
ついで、予め10カラム容量の1M HCl、10カラム容量の0.
5M MeOH/NH3、続いて20カラム容量の水で完全に洗浄し
たAmberlyst樹脂400μl(600μEq)のカラムに適用し
た。結合しない糖(遊離N−アセチルグルコサミン)は
10カラム容量の水で溶出し、蒸発乾固してカウントし
た。結合したグリコシルアミンは第1表に示すように、
様様な濃度のアンモニア/メタノールを用いて溶出し
た。溶出液を乾燥し、カウントした。
第1表には、これらの溶出液を用いて樹脂から溶出され
た結合単糖の量を示す。これらのデータから、アミンの
大部分の分画が樹脂に強力に結合したままであることが
わかる。この相互作用の本質については明らかでない。
これらの問題から、本発明者らは、オリゴ糖グリコシル
アミンに一般的に(分析用にも製造用にも)適用できる
他の単離方法の開発を急いだ。
グリコシルアミン合成時のアンモニアの除去 混合物からの炭酸水素アンモニウムの完全な除去が主た
る問題である。上述の結果から、イオン交換樹脂からの
グリコシルアミンの定量的な回収は不可能と考えられ
る。より大量のグリコシルアミンの脱塩は単純に、ゲル
濾過クロマトグラフイーを用い水で溶出することにより
実施できるが、一般に次のような問題が生じる。すなわ
ち、 (1)グリコシルアミンの水中での加水分解、 (2)オリゴ糖はカラムマトリツクスと相互作用して非
定量的回収が起こる。
本発明者らは、メタノールを約90容量%まで加えること
によつて、グリコシルアミンの加水分解を生じることな
く、かなりの量のアンモニウム塩を除去できることを見
出した。これは、この塩の溶解度を200mg/ml(20℃)か
ら約0.01mg/mlに低下させる。沈殿した塩は濾過し、洗
浄して表面に結合した糖を回収できる。残つた塩は凍結
乾燥によつて除去できる。少量のオリゴ糖サンプルの場
合は、実際には直接、反応混合物を凍結乾燥できること
も明らかにされた。
例1 飽和炭酸水素アンモニウム中のオリゴ糖サンプル(通常
50〜100μl)を1mlに希釈し、ドライアイスでシエル凍
結した。次にこれを室圧103バールで凍結乾燥した。第
2図には炭酸水素アンモニウムの経時的な消失を示す。
実務的には、水の添加および凍結乾燥の6時間反復サイ
クルによつて炭酸水素アンモニウムの除去を加速できる
(データは示していない)。凍結乾燥終了後、サンプル
は乾燥剤の存在下に−20℃で保存する。これらの条件で
少なくとも1カ月間は安定であることが明らかにされ
た。以下に記載するように1H-NMRスペクトルで測定した
その生成率を第3図に示す。このグルコサミンはピラノ
ース型で、α/βアノマー比は約1:24である。
グリコシルアミンの1H-NMRスペクトル 還元糖からのグリコシルアミンの生成は1H-NMRスペクト
ルで追跡できる。糖のアンモニアとの縮合は、遊離糖の
アノマープロトンの消失、および立体配置的に4C1コン
フイギユレーシヨン)より安定なアノマーであるグリコ
シルアミンのβ−アノマーに基づく主共鳴の出現によつ
て示される。N−アセチルグルコサミンでは、遊離糖の
アノマープロトンは、5.19ppm(α)および4.70ppm
(β)で共鳴し、その場合のJ1,2値はそれぞれ約3.5Hz
および約8Hzであることが見出された。グリコシルアミ
ンは主共鳴を4.15ppmに示し、約8HzのJ1,2値から、これ
はβ−アノマ−と同定できた。他の微小成分も確認さ
れ、そのひとつはα−アノマー(4.39ppm、J1,2約4.7H
z)である(α/β比1:24)。
実験の部 GlcNAc,GlcNAcβ1→4GlcNAcおよびGalβ1→4GlcNAcβ
1→2Manα1→6〔Galβ1→4GlcNAcβ1→2Manα1→
3〕Manβ1→4GlcNAcβ1→4GlcNAcのサンプルを炭素
水素アンモニウムを用いて誘導化し、24時間時のサンプ
ルを採取し、凍結乾燥した。これらをついで、D2O(99.
96atom)中で交換し、1D−スペクトルを得た。アノマー
領域の全体を取り、メチル領域と比較して、各種の百分
率を得た。得られた結果を第3図に示す。これらのデー
タは、糖とアンモニアの縮合が室温で3〜4日後には完
結することを示唆している。
工程2.グリコシルアミンのハロアセチル化 ハロアセチル化は、以下の反応式に例示するように、グ
リコシルアミンをたとえば無水クロロ酢酸と反応させる
ことにより実施した。
ブロモおよびヨード誘導体の場合には、酸のNHS−エス
テルが、ICH2COONHSを用いる場合は以下の反応式で例示
されるように、使用できる。
例214 C−ラクトシルアミン(0.32mCi/mmole)は炭素水素ア
ンモニウムとの縮合によつて製造した。上記工程1に記
載したようにアンモニウム塩を除去したのち、サンプル
を1.0M NaHCO3に再懸濁し、5倍モル過剰の対称ジクロ
ロ酢酸無水物(Fluka,Biochemicals)を加えてクロロア
セチル化した。室温で2時間インキユベートしたのち、
2回目の塩基と無水物を加えた。さらに6時間後に、混
合物をAG50-X12(H+)とAG3-X4A(OH-)イオン交換樹脂
の混合床に通した。溶出液を集めて蒸発乾固した。反応
生成物の分離はMellis & Baenziner:Anal.Biochem.,13
4:442、1984の記載に従い、イオン抑制アミン吸収HPLC
によつて実施した。反応生成物を、MeCN90%/50mMトリ
エチルアミン酢酸塩(TEA)緩衝液、pH5.5含有水10%に
再懸濁し、同じ緩衝液で平衡化したVarian Micropak AX
5カラムに注入した。溶出は、平衡条件に5分間保持し
たのち、TEA緩衝液の2%1分勾配を用いて行つた。放
射性生成物は、Barthold LB 505 HPLC放射能モニターを
用いて検出した。典型的な検出像を第4図に示す。放射
性分画を集め、乾燥した。
以下に示すように、1−アミノクロロアセチルグリコシ
ルアミンのNMR分析による特徴は、グリコシルアミンが
ハロアセチル化後もなお、β−アノマーコンフイギユレ
ーシヨンが優位でα/βは(1:24)であつたことを示し
た。これは、以下に示すように、グリコシルアミンのた
とえばダンシルクロリドによる直接誘導化で、変旋光を
生じた場合と対照的である。
1−アミノ−N−アセチルグルコサミンのN−クロロア
セチルおよびN−アセチル−グリシル誘導体の1H-NMR分
析 1−アミノ−N−アセチルグルコサミンのサンプルをN
−クロロアセチル化した。インキユベージヨン期間終了
後、混合物をAG50×X12およびAG3-X4イオン交換樹脂の
混合床に通した。次に溶出液を減圧下に蒸発乾固し、凍
結乾燥した。これについで、D2O中で2回交換し、1−
1H-NMR分析に付した。得られたスペクトルは、アノマ
ー領域に4個の別個の糖成分の存在を示した。これら
は、遊離糖およびN−クロロアセチル誘導体のα−型お
よびβ−型である。これらの4種について全体を検査し
た結果、クロロアセチル誘導体の生成の総収率は約75
%、その割合はβ−アノマーが多く、24:1であつた。
次に混合物を50℃でアンモノリシスに付し、反応の時間
経過を追跡するためにAG50×12−結合アツセイを使用し
た。グリシル誘導体をついでCM-Sepharose Fast Flowの
短いカラム上で精製し、最初は水で次に0.5M炭酸アンモ
ニウムで溶出した。この塩で溶出した物質をプールし、
蒸発させて塩を除去した。次に、混合物を飽和炭酸水素
ナトリウム中無水酢酸を用いてN−アセチル化し、AG50
/AG3樹脂を用いて脱塩した。生成物をNMR分析のために
2分した。一方の半分は乾燥してD MSO-d5(Aldrich)
中に再溶解し、他方はD2O中で交換して、上述のように
分析した。
DMSO中で得られたスペクトルの部分には、通常はD2O中
で交換される下方領域NHプロトンを示した。7.84および
7.88ppmにおける2本の二重線は、4.55ppm(H1の三重共
鳴)の照射によるスピン脱結合に基づくNH1およびNH2に
帰属できる。第三の共鳴、8.09ppmにおける三重線は
「グリシン」アセトアミド基のNHに帰属された。この共
鳴の照射が、グリシンスペースの2個のメチレンプロト
ンに帰属される3.40および3.60ppmの間の共鳴の摂動を
生じる。最後に、2本よく分離されたメチルの共鳴が1.
70および1.80ppmにある。
グリコシルアミンの反応性(ダンシルおよびフルオレセ
イン誘導体) 1−アミノ−2−アセトアミド−1,2−ジデオキシ−D
−グリコピラノシル−アミンとジメチルアミノナフタレ
ンスルホニルクロリド(ダンシルクロリド)の間の反応
は、Grayの方法(Meth.Enz.,XXV、121、1971)の改良法
によつて実施した。このアミン10μmoleを0.5M NaHCO32
00μlに溶解した。次に、24.5mgのダンシルクロリドを
含むエタノール200μlを攪拌下に加え、反応を室温で
2時間進行させた。沈殿した炭酸水素ナトリウムをわず
かに含む褐色の溶液が得られた。100μlの水を加えて
沈殿を溶解させたのち、生成物は、Spherisorb S50DS2
SPカラム(8.0×300mm)上逆相クロマトグラフイーを用
いて分離し、UV(258nm)および蛍光検出(励起光:336n
m−発光:536nm)を用いて検知した。カラムからの分画
を集め、50μlのサンプルを取りカウントした。放射能
を含む分画をプールし、蒸発乾固し、水1mlに再懸濁
し、カウントして収率を求めた。この方法で得られた典
型的な収率は、出発した糖に基づいて10〜15%である。
この方法で得られたダンシル−アミノ糖を凍結乾燥し、
ついで2回D2O(99.96atom)中で交換したのち同じ溶媒に
再溶解してNMR分析用に準備した。Bruker500Hzスペクト
ロメーターを用いて、1−Dおよび2−D分析を実施し
た。この誘導体の1Dスペクトルは、特徴的な下方領域の
芳香族共鳴と、よく分離された芳香族、骨格およびマセ
トアミドメチル領域を示した。この誘導体は、未反応グ
リコシルアミンに認められた1:24の比(上記参照)に比
べて、αおよびβ型はそれぞれ1:4の比を示した。この
観察に対しては少なくとも2つの説明が可能である。す
なわち、第一に、ダンシル誘導体は開環型を経て変旋光
を受ける、また第二にα型はβ型よりも速やかにダンシ
ルクロリドと反応し、一旦生成するとこの誘導体は特定
のアノマーに固定されるの2つである。温度およびpH依
存性の検討では、後者の解釈の方が可能性が高いように
思われる(データは示していない)。
ダンシルクロリドについて得られた一般的な低収率は、
グリコシルアミンの反応に典型的であることが明らかに
された。たとえば、イソチオシアネートおよびフルオレ
セインのNHS−エステルについても類似の収率が得られ
た。ダンシルクロリドのような酸クロリドでは、反応性
の高い種によるO−アシル化の可能性がさらに困難が加
わるものと考えられる。実際、これは各種グリコシルア
ミンについてのダンシル化の反応速度の検討によつて確
認された(データは示していない)。O−ダンシル誘導
体の生成が、酸クロリドを消費させる別の経路となつて
いる。
すなわち、グリコシルアミンの直接誘導体化は、生成物
としてαおよびβの混合物を与え、収率は常に低いと結
論された。
工程3.N−グリシル−グリコシルアミンの合成 ハロアセチル化グリコシルアミン誘導体は、多くの合成
計画に使用できる。たとえば、ハロ官能基は、一級アミ
ンによつて置換でき、たとえばクロロ酢酸を用いてグリ
シンを合成できるし、ヨード誘導体はチオールと結合さ
せてチオエーテルを形成できることは、前掲の反応式に
示したとおりである。
例3 ハロアセテート誘導体のアンモノリシスは、封管中(ア
ンモニアの蒸発による喪失を防止するため)、室温にお
いて、飽和炭酸アンモニウム中でインキユベートするこ
とによつて実施した。生成物は、上述したのと同じHPLC
法を用いて分析した。反応中に、18.8分で溶出するクロ
ロアセテート誘導体は徐々に、約24分で溶出する生成物
に変換し、この生成物はニンヒドリン陽性であつた(第
5図参照)。反応は、室温で96時間後にはほとんど完結
した(第5図参照)。第二のアンモノリシス反応は50℃
で実施し、一夜のインキユベーシヨンで完結することが
見出された(第6図参照)。クロロアセチル基に対して
過剰のアンモニアは、二級およびさらに高級のアミンの
生成を最小限にするために必須であることが明らかにさ
れた。
N−グリシル−グリコシルアミンの誘導体の合成 1)ダンシル誘導体 アンモノリシス生成物(上記工程3)を精製し、Grayの
方法(Meth.Enzymol.,XXV:121、1971)に従つてダンシ
ル化し、収率をラクトシルアミンの直接ダンシル化(中
間体のN−ハロアセチル化グリコシルアミンを生成させ
ない)で得られた収率と比較した。2種の反応混合物
を、7:1のMeCN/0.05%ジアミノブタン含有水を用い、Si
lica60TLCに流した。ダンシル化生成物はUV光(366nm)
下に確認し、これらおよび原料(遊離ラクトース/N−グ
リシル−ラクトシルアミン)を溶出し、カウントした。
得られた結果は第II表に示す。
2)フルオレセイン誘導体 N−アセチルグルコサミンのN−グリシル−グリコシル
アミン誘導体を0.1M炭酸水素ナトリウム100μlに溶解
した。これに10倍過剰の5(−6)−カルボキシフルオ
レセイン−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル
(Molecular Probes Inc.,Eugene,Oregon)を含むDMF10
0μlを加えた。反応は室温で6時間進行させた。つい
で、混合物を乾燥し、水に再溶解し、氷酢酸を用いて酸
性にし、最後にエーテル抽出して、遊離のフルオレセイ
ンを除去した。次に、水相をSpherisorb S50DS2 SPカラ
ム(8.0×300mm)上、逆相HPLCに適用し、UV(258nm)
および蛍光(励起光:336nm−発光:536nm)を用いて検出
した。得られた分画の50μlを取つてカウントした。典
型的な溶出像を第7図に示す。遊離の糖およびフルオレ
セイン接合体を含有する分画を集め、乾燥し、カウント
して、出発した糖に対する総収率を求め、以下の第III
表に示す。5(−6)−カルボキシテトラメチルローダ
ミン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルの誘導体
によつても類似の結果が得られた。
上述のデータは、ハロアセチル化−グリコシルアミンが
β−N−連結糖接合体の合成に有効な中間体であること
を示している。各工程は事実上完全に進行し、総出発化
合物に対してほぼ70〜80%の収率で誘導体を製造するこ
とができた。
オリゴ糖誘導体化の一般的方法 オリゴ糖、飽和NH4HCO3に溶解し、30℃で4日間インキ
ユベーシヨン ↓ 水を繰り返し加えて凍結乾燥 ↓ N−ハロアセチル化→直接誘導体化 ↓ 飽和(NH4)2CO3を加えO/n 50℃でインキユベーシヨン ↓ 残つたグリシン、塩を除去 ↓ N−グリシル−グリコシルアミンの誘導体化 これらの誘導体の有用性を示す他の例を以下の反応式で
表す。これらの誘導体の構造には、糖蛋白質においてN
−連結炭水化物とアスパラギンの間の生物学的結合に見
出されるアミド結合とメチレン基を包含することが、も
う一度指摘されねばならない。ハロアセチル化グリコシ
ルアミンおよびグリシルグリコシルアミンとたとえばそ
れぞれチオグリコール酸および無水コハク酸の反応性
は、末端カルボキシ基の導入を可能にする。これは、オ
リゴ糖の糖蛋白質またはペプチドもしくは蛋白質への、
慣用のEDC/NHS化学〔1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)−カルボジイミド/N−ヒドロキシコハ
ク酸イミドカツプリング反応〕による連結に使用するこ
とができる。
以上、本発明の開示を参考に、本技術分野の熟練者によ
れば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、
様々な他の例を実施できることが自明であろう。このよ
うな他の例は、本発明の特許請求の範囲に包含されるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、グリコシルアミンの変旋光および加水分解の
pH依存性を示すグラフである。 第2図は、オリゴ糖から、凍結乾燥時における炭酸水素
アンモニウムの経時的消失を示すグラフである。 第3図は、本発明の一態様における、飽和炭酸水素アン
モニウム中でのオリゴ糖のインキユベーシヨン時のグリ
コシルアミンの生成速度を示すグラフである。 第4図は、第3図のグリコシルアミンのクロロアセチル
化によつて得られた生成物のHPLC溶出像を示すグラフで
ある。 第5図は、第4図のクロロアセチル化グリコサミンのア
ンモノリシスからの生成物のHPLC溶出像を示すグラフで
ある。 第6図は、第5図における第二のアンモノリシス反応の
完結を示すグラフである。 第7図は、本発明の他の態様におけるN−アセチルグル
コサミンのN−グリシル−グリコシルアミン誘導体のフ
ルオレセイン誘導体の逆相HPLC溶出像を示すグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 レイモンド アレン ドュウェック イギリス国 オックスフオード,サウス パークス ロード(番地なし)ユニバーシ イテイ オブ オックスフード,デパート メント オブ バイオケミストリィ (72)発明者 トーマス ウイリアム ラデマツカー イギリス国 オックスフォード,サウス パークス ロード(番地なし)ユニバーシ イテイ オブ オックスフード,デパート メント オブ バイオケミストリィ (56)参考文献 国際公開88−4323(WO,A) Carbohydrate Resea rch,vol.80(No.1)P.99− 115(1980) Carbohydrate Resea rch,vol.146P.C1−C5 (1986)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オリゴ糖の末端単糖の閉環構造をβ−アノ
    マーコンフィギュレーションに直接保持する条件下でオ
    リゴ糖の合成N−連結複合糖質を製造する方法であっ
    て、飽和炭酸水素アンモニウム中pH約8〜約8.5でオリ
    ゴ糖を反応させ、オリゴ糖のβ−グリコサミン誘導体を
    形成させ、このβ−グリコサミン誘導体を水性相反応に
    おいてハロアセチル化して、有機溶媒媒体中での選択的
    結晶化することなく上記β−グリコサミン誘導体の1−
    N−ハロアセトアミノ誘導体を直接形成させ、この1−
    N−ハロアセトアミド誘導体をアンモノリシスにより中
    間体1−N−グリシル−β−グリコシルアミン誘導体に
    変換し、その後上記中間体1−N−グリシル−β−グリ
    コシルアミン誘導体をサブストレートおよび上記1−N
    −グリシル−β−グリコシルアミン誘導体の1−N−グ
    リシル−β−グリコシルアミン連結複合糖質を形成する
    ことができるサブストレートと反応させることからなる
    オリゴ糖の合成N−連結複合糖質の製造方法。
  2. 【請求項2】ハロアセチル化誘導体がクロロアセチル化
    誘導体である請求項(1)に記載の方法。
  3. 【請求項3】クロロアセチル化誘導体を形成するために
    無水クロロ酢酸の少なくとも5倍モル過剰を使用する請
    求項(2)に記載の方法。
  4. 【請求項4】ハロアセチル化誘導体をオリゴ糖のグリコ
    サミン誘導体とICH2COONHSとの反応によって製造する請
    求項(2)に記載の方法。
  5. 【請求項5】グリコシルアミン誘導体を、オリゴ糖を飽
    和炭酸水素アンモニウム中、約8から約8.5までのわず
    かにアルカリ性のpHでインキュベートすることによって
    形成する請求項(1)に記載の方法。
  6. 【請求項6】pHが約8.3である請求項(5)に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】グリコシルアミン誘導体を、オリゴ糖の飽
    和炭酸水素アンモニウム中、約8から約8.5までのわず
    かにアルカリ性のpHにおけるインキュベーションによっ
    て形成し、ついでこのグリコシルアミン誘導体をハロア
    セチル化する請求項(1)に記載の方法。
  8. 【請求項8】ハロアセチル化グリコシルアミンの形成
    に、無水クロロ酢酸を使用する請求項(7)に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】ハロアセチル化グリコシルアミンをアンモ
    ニウム塩と反応させてグリシル−グリコシルアミンを形
    成させる請求項(7)に記載の方法。
  10. 【請求項10】グリシル−グリコシルアミンを発蛍光団
    と反応させて、実質的にβ−アノマーコンフィギュレー
    ションのN−連結複合糖質を形成させる請求項(9)に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】発蛍光団がフルオレセイン誘導体である
    請求項(10)に記載の方法。
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