JPH0755916Y2 - 海苔手巻寿司用包装フィルム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、海苔手巻寿司用の包装フィルムに関し、特
に、飯成形物を、袖部で脇から折り込み、胴部により巻
き、その胴部の巻き終わり端部を貼着用のシール片によ
り固定する海苔手巻寿司用の包装フィルム関する。ま
た、本考案は、成形包装された海苔手巻き寿司に関し、
特に、シール片の貼着により巻かれている防湿フィルム
の端部が固定されている成形包装された海苔手巻き寿司
に関する。

（ロ）従来の技術 成形包装された海苔手巻寿司は、湿気を吸わないよう
に、防湿性のフィルムで形成された長方形の袋状の胴部
及びこの胴部から直角に突き出た袖部を有して、全体的
に十字型又はＴ字型に形成されている包装フィルムの防
湿性の袋内に海苔が封入されている、所謂、海苔入りの
包装フィルムに、握り飯を包んで携帯用とされたもので
あり、使用時は、該フィルムの袋部から取り出された海
苔で、フィルムに包装された握り飯を包んで海苔手巻寿
司を作り、食するものである。

このような海苔手巻寿司は、運搬時に包装が解けないよ
うに、その包装フィルムの巻き終わり端部をシール片に
よって、包装フィルムの一巻き手前の部分に固定してい
る。

（ハ）考案が解決しようとする課題 しかし、シール片は、海苔手巻寿司の包装が解けないよ
うに、その包装フィルムの巻き終わり端部を固定するも
のであるから、海苔手巻寿司の包装を解くときに、貼着
シール片が剥がし難く、包装フィルムを裂いたり、シー
ル片を裂くなどして問題とされている。

本考案は、これら従来の海苔手巻寿司の包装フィルムの
巻き終わり端部の固定に使用されるシール片が、包装を
解く時に剥がし難いという問題を解決することを目的と
している。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は、包装フィルムの巻き終わり端部の固定に使用
されるシール片が、包装時には包装が解けないように作
用することができるが、包装を解く時には容易に剥がす
ことが可能である海苔手巻寿司用の包装フィルムを提供
することを目的としている。

即ち、本考案は、海苔が封入されている密封袋状の胴部
及び該胴部から突き出ている袖部を有する防湿フィルム
により形成されている海苔手巻寿司用包装フィルムにお
いて、胴部の巻き終わる側の端部にシール片全体が貼着
できる大きさにシール片貼着部が設けられており、該シ
ール片貼着部にシール片の貼着面積よりより小さい開口
面積を有する貼着用の孔が形成されていることを特徴と
する海苔手巻寿司用の包装フィルムにある。

本考案において、海苔手巻寿司用の包装フィルムは、四
方から包装できるように、海苔が封入される袋状の胴部
及び該胴部から両側に突き出ている袖部を有して十字形
又はＴ字形に形成されている防湿性のプラスチック又は
合成樹脂フィルムにより形成される。例えば、飯成形物
を載せる部分は、袖部が付いている部分であり、場合に
よっては、この部分はフィルムを二重に設けて形成され
る。このような包装フィルムは、例えば、海苔入り包装
フィルムとして市販されている。

本考案においても、貼着シール片は、従来の海苔手巻寿
司の場合と同様に、巻かれている包装フィルムの上側を
下側に固定させるためのものである。

本発明において、海苔手巻寿司用の包装フィルムには、
貼着用のシール片を貼着して飯成形物を巻いた前記包装
フィルムの端部を固定できるように、貼着用のシール片
の貼着用としてシール片貼着部が設けられている。この
シール片貼着部には、貼着用のシール片を貼着した時
に、貼着用のシール片が下側の包装フィルムにしっかり
と貼着されるように、貼着用の孔が設けられている。こ
の貼着用の孔は、貼着用されたシール片を、包装フィル
ムから剥がし易くするために、貼着用のシール片の貼着
面積より小さい面積に形成されている。

貼着用のシール片により固定された包装フィルムの固定
の強さは、下側の包装フィルムと貼着されたシール片の
貼着部の接触面積によるので、シール片貼着部に設けら
れた貼着用の孔の開口の大きさを大きくすることによっ
て強くすることができる。孔の形状は、包装フィルムの
胴部の巻き終わり側の端部からのシール片貼着部の張り
出し長さを極力小さくして、所定の接着強さを確保する
ために、四角形、楕円、円形等に形成される。

本考案において、貼着用の孔の大きさを貼着用のシール
片の貼着部の大きさより小さく形成されるので、貼着さ
れない貼着部を持って、貼着固定された上下の包装フィ
ルムを容易に引き剥がすことができる。したがって、貼
着用のシール片による上下の包装フィルムの固定を解く
ために、貼着シール片の短い側に貼着されていない部分
を形成するのが好ましい。

本考案においては、海苔手巻寿司の包装フィルムの包装
を解く時に、上側の包装フィルムの端部のシール片貼着
部の貼着固定されていない部分を手に持って容易に引き
剥がすことができるので、フィルム包装を解く段階で、
シール片及び包装フィルムの貼着部が引き裂かれること
がなくなり、例えば、シール片及び包装フィルムの貼着
部を袋状に形成して、調味料等の容器としても兼用にす
ることができる。

本考案において、海苔手巻寿司は、飯成形物を、海苔が
封入されている密封袋状の胴部及び該胴部から突き出て
いる袖部を有する防湿性の海苔入り包装フィルムにより
包み、この包みの端をシール片で貼着固定して製造され
る。この場合、飯成形物は、例えば海苔入り包装フィル
ムの袖部で脇から包み込まれ、その上から該海苔入り包
装フィルムの胴部によって巻かれ、胴部の巻き終わり端
部は該胴部の一巻き手前の部分にシール片によって固定
されて包装されるが、胴部の巻き終わる側の端部にシー
ル片全体が貼着できる大きさにシール片貼着部を設け、
このシール片貼着部に、シール片の貼着面が適宜所望の
大きさだけ裏面に露出するような大きさに貼着用の孔を
形成させるのが、貼着力の強さを調節できて、端部縁を
持って、貼着したシール片を海苔入り包装フィルムから
引き離すことができ、それにより包装の解くことが容易
となるので好ましい。

（ホ）作用 本考案は、海苔手巻寿司用の包装フィルムにおいて、包
装フィルムの胴部の巻き終わる側の端部にシール片全体
が貼着できる大きさにシール片貼着部を設け、且つ該シ
ール片貼着部にはシール片貼着部の大きさよりも小さい
大きさの貼着用の孔が形成されているので、海苔手巻寿
司のフィルム包装の際には、該包装フィルムのシール片
貼着部の貼着用の孔の上に貼着用のシール片を貼着する
ことによって、包装が解けないように容易に包装を行う
ことができ、また海苔手巻寿司包装を解く時には、前記
シール片貼着部の端を持って貼着固定されている包装フ
ィルムを引き剥がすことができる。

本考案においては、貼着用のシール片の下側包装フィル
ムに対する接着が貼着用のシール片に触れることなく行
うことができ、しかも容易にシール片を引き離すことが
できるので、貼着用のシール片及び包装フィルムの貼着
部が包装解除時に引き裂かれるなどの破損を受けること
がない。したがって、貼着用のシール片及び包装フィル
ムの貼着部を、例えば、醤油等の調味料入れに使用する
ことができる。

（ヘ）実施例 以下、添付図面を参照して、本考案の実施の態様を説明
するが、本考案は以下の例示及び説明によって何等限定
されるものではない。

第１図は、本考案の海苔手巻寿司用の包装フィルムの概
略を説明するための説明図であり、第２図は、本考案の
包装フィルムにより製造される海苔手巻寿司のシール片
貼着部を中心に示す、概略の断面図である。

第１図において、海苔手巻寿司用の海苔入り包装フィル
ム１は、海苔２（鎖線で示されている。）を気密に収容
する胴部３と、この胴部３に対して直角に両側に突き出
た袖部４及び５を有して、全体でＴ字型に形成されてい
る。

本例においては、包装時に飯成形物６を載置する部分７
は、胴部３のフィルムの上に更に別のフィルム８を覆っ
て形成されている。本例においては、胴部３の端部９に
はシール片貼着部10が設けられており、このシール片貼
着部10には、包装フィルム貼着固定用の孔11が形成され
ている。この包装フィルム貼着固定用の孔11は、貼着用
のシール片12の貼着部13によつて完全に覆われるよう
に、貼着用のシール片12の貼着部13より小さく形成され
ている。

本例の海苔手巻寿司用の海苔入り包装フィルム１は以上
のように構成されているので、成形工程において、飯成
形物６を、海苔入り包装フィルム１のフィルムが二重に
形成されている部分７上に載置する。そこで、海苔入り
包装フィルム１上に載置された飯成形物の上に具（図示
されていない。）を載せて、具が載せられた飯成形物６
を中心に包み込むように、一巻き海苔入り包装フィルム
を海苔巻き状に巻く。

海苔入り包装フィルムの袖部４及び５は、この海苔入り
包装フィルムの一巻きの巻き込みによって丸められて袖
状となる。そこで、袖状に丸められた海苔入り包装フィ
ルム１の袖部４及び５を内側に折り曲げ、その上に巻か
れないで残っている胴部３を巻く。次いで、この巻かれ
た包装物が容易に開かないように、胴部３の端部９のシ
ール片貼着部10に形成されている包装フィルム貼着固定
用の孔11の上に、ラベル12が貼着される。ラベル12が貼
着されたところで、海苔手巻寿司が出来上がる。

海苔手巻寿司の包装を解く時は、胴部３のシール片貼着
部10の縁14を手で引き上げて、貼着用のシール片12を貼
着されている下側の包装フィルム部15から引き離す。

（ト）考案の効果 本考案は、海苔手巻寿司用の包装フィルムにおいて、包
装フィルムの胴部の巻き終わる側の端部にシール片全体
が貼着できる大きさにシール片貼着部を設け、且つ該シ
ール片貼着部にはシール片貼着部の大きさよりも小さい
大きさの貼着用の孔が形成されているので、従来の海苔
手巻寿司用の海苔入り包装フィルムに比して、包装を解
くのが容易であり、しかも、海苔入り包装フィルムや貼
着用のシール片を破損することがない。

したがって、海苔入り包装フィルムの胴部の貼着部やシ
ール片を、例えば、醤油、その他、調味料の容器として
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の海苔手巻寿司用の包装フィルムの概
略を説明するための説明図であり、第２図は、本考案の
包装フィルムにより製造された海苔手巻寿司のシール片
貼着部を中心に示す、概略の断面図である。 符号については、１は海苔手巻寿司用の海苔入り包装フ
ィルム、２は海苔、３は該包装フィルムの胴部、４及び
５は該包装フィルムの袖部、６は飯成形物、７は飯成形
物を載置する部分、８は別に覆うために使用されるフィ
ルム、９は前記胴部の端部、10は該胴部のシール片貼着
部、11は包装フィルム貼着固定用の孔、12は貼着用のシ
ール片、13は該シール片の貼着部、14は前記シール片貼
着部の縁、15は貼着されている下側の包装フィルムであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】海苔が封入されている密封袋状の胴部及び
   該胴部から突き出ている袖部を有する防湿フィルムによ
   り形成されている海苔手巻寿司用包装フィルムにおい
   て、胴部の巻き終わる側の端部にシール片全体が貼着で
   きる大きさにシール片貼着部が設けられており、該シー
   ル片貼着部にシール片の貼着面積よりより小さい開口面
   積を有する貼着用の孔が形成されていることを特徴とす
   る海苔手巻寿司用の包装フィルム。