JPH0755695A - 摺動摩擦計測器 - Google Patents

摺動摩擦計測器

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Publication number
JPH0755695A
JPH0755695A JP19837493A JP19837493A JPH0755695A JP H0755695 A JPH0755695 A JP H0755695A JP 19837493 A JP19837493 A JP 19837493A JP 19837493 A JP19837493 A JP 19837493A JP H0755695 A JPH0755695 A JP H0755695A
Authority
JP
Japan
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specimen
sliding
leaf spring
sliding surface
holding portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP19837493A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Mitsui
昭二 三井
Junichi Nakajima
淳一 中島
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP19837493A priority Critical patent/JPH0755695A/ja
Publication of JPH0755695A publication Critical patent/JPH0755695A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作保持部(1) を把持して供試体(11)を摺動
面(12)に摺動させることにより摺動面(12)と供試体(11)
とに掛かる力だけが垂直、水平の2方向に分離されて正
確に測定されることを目的とする。 【構成】 操作保持部(1) の下方に円弧状の板ばね(4)
を介して供試体保持部(2) が設けられ供試体(11)を摺動
面(12)に摺動可能に保持して摺動面(12)に垂直な力を測
定するとともに操作保持部(1) にスリット状の板ばね
(5) による水平ばね部を介して水平ばね保持部(3) が設
けられ摺動面(12)に平行な力を測定するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動摩擦係数の測定、
或いは摺動抵抗力の測定などに適用される摺動摩擦計測
器に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の摩擦係数の測定方法の説明
図である。図において、供試体11の摺動摩擦係数を測
定する場合は、ウエイト31、ばね秤32、滑車33、
分銅34、ワイヤー37などを図に示すように用い、分
銅34を少しづつ増していって供試体11が動く直前の
分銅34とウエイト31との重量比から摺動摩擦係数を
測定する。
【0003】この外にも、ウエイト31、ロードセル、
データレコーダなどを用い、ウエイト31をロードセル
を介して水平に引張り、動いた瞬間の力をデータレコー
ダから読み取ってロードセルとウエイト31との重量比
から摺動摩擦係数を求めることができる。また、供試体
11を摺動面12上に載せて摺動面12の傾斜角度を上
げていき、供試体11が動いたときの傾斜角度から摺動
摩擦係数を求めることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の摩
擦係数の測定方法において、一般に摺動摩擦係数は各種
機械、装置の設計やトラブル原因の究明、或いはその対
策に必要とされる重要な係数であるが、従来よく実施さ
れるこのような摩擦係数の測定方法では摺動面12が水
平でなければならない。また、動き出す瞬間や動いてい
るときの水平操作力(引張る力)の最大値などが目視で
読み取り難いために緩やかに引張らねばならず、滑車3
3、分銅34など、或いはロードセル、データレコーダ
など多くの部材が必要になって大掛かりになる。また、
実用的な精度を考えるとウエイト31が重くなり、手で
携帯していく場合には不都合である。また、斜めや曲率
を持った摺動面12、或いは上向きの摺動面12などの
場合は測定ができない。また、測定および測定の準備な
どに時間が費かり、使用中の機械や設備などを素早く測
定できない。また、現地で測定できない場合は、測定す
る摺動面12を取外して実験室まで持ち帰らなければな
らない。また、測定する摺動面12が取外せない場合、
或いはこれらの測定に必要な装置を設置するスペースが
ない場合やケーブルが届かないなどの場合は測定が不可
能なことがある。また、例えば微生物が付着した配管内
面のように、摺動面12が取り外せても実験室へ持ち込
むまでに摺動面12の性状が変化して測定値が意味をな
さない場合もある。
【0005】このように、何処へでも持ち運べて簡便に
測定可能な摩擦計測器がない。また、その他にも例えば
コンベアベルトのスクレーパなどにおいてどの程度の押
付け力が適当なのか、その押付け力のときにコンベアベ
ルトに掛かる摺動抵抗力は幾らなのか、或いは汚れた面
をブラシで清掃するときのブラシに掛かるそれらの力は
どの程度なのか等、必要な操作力を簡便に測定できる計
測器が無いために不便なことが多い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る摺動摩擦計
測器は上記課題の解決を目的にしており、操作保持部の
下方に円弧状の板ばねを介して設けられ供試体を摺動面
に摺動可能に保持して摺動面に垂直な力を測定する供試
体保持部と、上記操作保持部にスリット状の板ばねによ
る水平ばね部を介して設けられ摺動面に平行な力を測定
する水平ばね保持部とを備えた構成を特徴とする。
【0007】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記操作保
持部における摺動面に垂直方向の最大変位を測定する変
位計と、上記操作保持部における摺動面に平行方向の最
大変位を測定する変位計とを備えた構成を特徴とする。
【0008】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記操作保
持部における摺動面に垂直方向の最大変位を測定する変
位計と、上記操作保持部における摺動面に平行方向の最
大変位を測定する変位計とを備え、それぞれの上記変位
計の目盛りが力表示、或いは変位と力との2重表示であ
る構成を特徴とする。
【0009】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記操作保
持部に突設されて車輪またはローラまたはボールを介し
て摺動面と摺動する摺動ガイドとを備えた構成を特徴と
する。
【0010】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記供試体
中央に対応して上記操作保持部上部に刻設された突起部
または刻印または他と区別可能なマークとを備えた構成
を特徴とする。
【0011】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記供試体
保持部と上記操作保持部とを互いに結合可能にするロッ
ク装置とを備えた構成を特徴とする。
【0012】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記円弧状
の板ばねの内側および外側の全部もしくは一部を取り巻
いて上記円弧状の板ばねを保護する板ばね保護部とを備
えた構成を特徴とする。
【0013】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部と、上記供試体
保持部に上記供試体を着脱可能に固定する供試体固定部
とスリットと板ばねと固定ねじとを備えた構成を特徴と
する。
【0014】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部とを備えるとと
もに、上記供試体が上記供試体保持部と一体に成型され
た構成を特徴とする。
【0015】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して設け
られ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動面に垂直
な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して設けられ摺動
面に平行な力を測定する水平ばね保持部とを備えるとと
もに、上記供試体保持部、上記円弧状の板ばね、上記水
平ばね保持部、上記操作保持部、上記摺動ガイド、その
他の全部もしくは一部が同一の板材からスリット状に切
り出されて成形された構成を特徴とする。
【0016】
【作用】即ち、本発明に係る摺動摩擦計測器において
は、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試体
保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持して
摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にスリ
ット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保持
部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになって
おり、操作保持部を把持して供試体を摺動面に摺動させ
ることにより供試体の摺動方向が安定するとともにモー
メントが除去されて摺動面と供試体とに掛かる力だけが
垂直、水平の2方向に分離されて正確に測定される。
【0017】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに変位計により操作保持部の摺動面に垂直
方向の最大変位と操作保持部の摺動面に平行方向の最大
変位とが測定されるようになっており、上記の摺動摩擦
計測器と同様の作用を有するとともにその場で直ちに供
試体へ作用する力の水平、垂直方向の最大の変位を読み
取ることができてデータレコーダなどの記録計も不要で
計ったその時、その場で結果が判る。
【0018】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに目盛りが力表示、或いは変位と力の2重
表示になった変位計により操作保持部の摺動面に垂直方
向の最大変位と操作保持部の摺動面に平行方向の最大変
位とが測定されるようになっており、前記の摺動摩擦計
測器と同様の作用を有するとともにその場で直ちに供試
体に作用する最大の水平、垂直方向の力を読み取ること
ができてデータレコーダなどの記録計も不要で計ったそ
の時、その場で結果が判る。
【0019】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに操作保持部に突設された摺動ガイドに車
輪またはローラまたはボールが配されて摺動面と摺動す
るようになっており、前記の摺動摩擦計測器と同様の作
用を有するとともに摺動ガイドの摩擦力が低下して操作
が滑らかになる。
【0020】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに供試体中央に対応して操作保持部上部に
突起部または刻印または他と区別可能なマークが刻設さ
れており、前記の摺動摩擦計測器と同様の作用を有する
とともに較正時にこの部分にテスト荷重をかけることに
よって摺動ガイドに余計な荷重を与えずに摺動面に垂直
方向の変位と摺動面に垂直方向の荷重との較正時におけ
る加重位置を明確にして較正を容易にする。
【0021】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに供試体保持部と操作保持部とがロック装
置により結合可能になっており、前記の摺動摩擦計測器
と同様の作用を有するとともに供試体保持部と操作保持
部とを互いに結合可能にすることにより使用しないとき
にばねに余計な荷重をかけず振動を抑えて運搬時にばね
などの可動部分が保護される。
【0022】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに板ばね保護部が円弧状の板ばねの内側お
よび外側の全部もしくは一部を取り巻いて円弧状の板ば
ねを保護するようになっており、前記の摺動摩擦計測器
と同様の作用を有するとともに板ばね保護部が円弧状の
板ばねの内側や外側の全部もしくは一部を取り巻いて精
度上重要な円弧状の板ばねを保護して現場における使用
に耐えるようになる。
【0023】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに供試体保持部に供試体固定部とスリット
と板ばねと固定ねじとを備えて供試体を供試体保持部に
着脱可能に固定しており、前記の摺動摩擦計測器と同様
の作用を有するとともに供試体を供試体保持部に容易に
着脱可能にすることにより溶接や接着などによらずに種
々の供試体をその場で容易に交換を可能にする。
【0024】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに供試体が供試体保持部と一体に成型され
ており、前記の摺動摩擦計測器と同様の作用を有すると
ともに常に特定の形状、材質などの供試体を使用する場
合に供試体の位置のずれや脱落が防止される。
【0025】また、本発明に係る摺動摩擦計測器におい
ては、操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介して供試
体保持部が設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持し
て摺動面に垂直な力を測定するとともに操作保持部にス
リット状の板ばねによる水平ばね部を介して水平ばね保
持部が設けられ摺動面に平行な力を測定するようになっ
ているとともに供試体保持部、円弧状の板ばね、水平ば
ね保持部、操作保持部、摺動ガイド、その他の全部もし
くは一部が同一の板材からスリット状に切り出して成形
されており、前記の摺動摩擦計測器と同様の作用を有す
るとともにこれら本体部分の部材が同一の板材からスリ
ット状に切り出して成形されることにより少ない部品点
数で構成され、組立て作業が省かれ、信頼性が向上し、
量産化を容易にし、耐久性が向上し、構造が単純化し、
全体形状がコンパクトになり、見栄えが良くなり、製品
ごとの性能のばらつきが小さくなり、コストダウンされ
る。
【0026】
【実施例】図1および図2は本発明の一実施例に係る摩
擦計測器の説明図である。図において、本実施例に係る
摩擦計測器は摺動摩擦計数の測定、或いは摺動抵抗力の
測定などに使用されるもので、図1に示すように本体部
分は総べて厚さが15mmのステンレス鋼板からスリット
状に切り出されて形成されており、これに2個の置針式
のダイヤルゲージ9,10、プラスチック製のガイドロ
ーラ13、供試体11、固定ねじ14などが取付けられ
ている。なお、本体部分の材質はこれらに限られず、そ
の他の金属、アクリル、ガラス、セラミックス製板など
も使用することができる。本計測器には供試体11が固
定される供試体保持部2に円弧状の板ばね4を介して略
平行に水平ばね保持部3が配されている。円弧状の板ば
ね4は遊びの無い、回り対遇要素をなすとともに、これ
らが垂直ばね部を構成している。水平ばね保持部3には
操作保持部1を挟んで互いに対向し水平方向の変位を与
える板ばね5がそれぞれ結合されており、これらが水平
ばね部を構成している。円弧状の板ばね4付近には操作
保持部1からガイドローラ13が突出して配されて支持
されている。ガイドローラ13は摺動ガイドをなし、摺
動部分にプラスチック製の車輪もしくはローラもしくは
ボールを備えている。これらにより、供試体11へ作用
する力の水平分力と垂直分力とが分離されるようになっ
ている。図における符号7は水平ばね部のスリット、8
は操作保持部1のグリップ穴、9は最大垂直変位を測定
する変位計(置針式のダイヤルゲージ)、10は最大水
平変位を測定する変位計(置針式のダイヤルゲージ)、
12は摺動面、16は供試体11固定用の板ばねのスリ
ット、17は供試体11固定用の板ばね、18は供試体
固定部、19は供試体保持部2と操作保持部1とを結合
しているロックナット、20は操作保持部1の突起部、
21は円弧状の板ばね4を保護する板ばね保護部であ
る。
【0027】本摩擦計測器を使用して摺動摩擦係数を測
定する場合は、先ず供試体11を摺動面12上にガイド
ローラ13とともに平行に、或いは所定の角度で接する
ように供試体固定部18を介して固定ねじ14で固定す
る。供試体11固定用の板ばね17はスリット16によ
って板ばね状に形成されており、固定ねじ14を緩める
ことによって供試体固定部18が僅かに開く。次に、ロ
ックナット19を取り外して各板ばね4,5が自由に動
くようにし、各ダイヤルゲージ9,10の指針と置針と
を零に合わせる。そして、図2に示すように操作保持部
1を把持して摺動面12上に鉋を掛けるように押し付け
ながら引く。このとき、各ダイヤルゲージ9,10にお
ける置針の値が摺動面12に加えた力に相当する変位、
或いは操作力を示す。この2方向の力の比から摩擦係数
が求まる。この場合、供試体11として例えばスクレー
パーのモデルcを取付け、付着物の着いたコンベアベル
トを摺動面12としてこの付着物を削り取れる程度に力
を入れて測定することにより、必要な押付け力やコンベ
アベルトに掛かる摺動抵抗力を知ることができる。ま
た、ブラシのモデルdを取付けて測定することにより清
掃に必要な力や、他のモデルに取り替えて測定すること
により、どのような形状のブラシが有効なのかを知るこ
とができる。図における符号aは平滑材のモデル、bは
表面処理した材料のモデル、eは特殊表面形状のモデル
である。
【0028】従来、よく実施される摩擦係数の測定方法
では摺動面が水平でなければならない。また、動き出す
瞬間や動いているときの水平操作力(引張る力)の最大
値などが目視で読み取り難いために緩やかに引張らねば
ならず、滑車33、分銅34など、或いはロードセル、
データレコーダなど多くの部材が必要になって大掛かり
になる。また、実用的な精度を考えるとウエイトが重く
なり、手で携帯していく場合には不都合である。また、
斜めや曲率を持った摺動面、或いは上向きの摺動面など
の場合は測定ができない。また、測定および測定の準備
などに時間が費かり、使用中の機械や設備などを素早く
測定できない。また、現地で測定できない場合は、測定
する摺動面を取外して実権室まで持ち帰らなければなら
ない。また、測定する摺動面が取外せない場合、或いは
これらの測定に必要な装置を設置するスペースがない場
合やケーブルが届かないなどの場合は測定が不可能なこ
とがある。また、例えば微生物が付着した配管内面のよ
うに、摺動面が取り外せても実験室へ持ち込むまでに摺
動面の性状が変化して測定値が意味をなさない場合もあ
る。
【0029】このように、何処へでも持ち運べて簡便に
測定可能な摩擦計測器がない。また、その他にも例えば
コンベアベルトのスクレーパなどにおいてどの程度の押
付け力が適当なのか、その押付け力のときにコンベアベ
ルトに掛かる摺動抗力は幾らなのか、或いは汚れた面を
ブラシで清掃するときのブラシに掛かるそれらの力はど
の程度なのか等、必要な操作力を簡便に測定できる計測
器が無いために不便なことが多い。摺動抵抗力や摺動摩
擦係数などは摺動方向へ引張る力、或いは押す力(この
力の方向を水平方向と仮定し、この力を引張り力と称
す。)と摺動面へ押付ける力(同様に、この力の方向を
垂直方向と仮定し、この力を押付け力と称す。)との2
つの力が計測できれば求まる。このような場合はロード
セルを2方向に取付けて測定を行えばよいのであるが、
これではデータレコーダや電気信号を処理する装置など
が必要になって軽量、簡便とはなり難い。それに、供試
体を手で把持することによって摺動力を与える場合に
は、摺動面の傾きが変わったり摺動面にモーメントを与
えたりしてしまい、測定値の信頼性が著しく低下してし
まう。このため、本摩擦計測器においては上述の構造と
することによって供試体11の摺動方向を安定させると
ともに、モーメントを除去し摺動面12と供試体11と
に掛かる力だけを摺動面12に対して垂直、水平の2方
向に分離することにより、簡便かつ正確に摺動抵抗力や
摺動摩擦係数などを測定することができるようになって
いる。
【0030】また、本摩擦計測器においては供試体保持
部2に円弧状の板ばね4を介して略平行に水平ばね保持
部3が配されるとともに、円弧状の板ばね4が遊びの無
い、回り対遇要素をなすことによってこれらが垂直ばね
部を構成し、これによって精度良く押付け力を測定可能
にしている。押付け力が過大な場合には、供試体保持部
2と水平ばね保持部3とが接してこれ以上の過大な変位
を垂直ばね部に与えない。また、水平ばね保持部3に操
作保持部1を挟んで水平方向の変位をあたえる板ばね5
がそれぞれ対向して結合され、これらが水平ばね部を構
成することにより、操作保持部1が水平ばね保持部3と
略平行に、即ち水平に変位する。これによって精度良く
引張り力を測定可能にしている。引張り力が過大な場合
には操作保持部1と水平ばね保持部3とが接し、これ以
上の過大な変位を水平ばね部に与えない。また、ガイド
ローラ13が円弧状の板ばね4付近に配され、操作保持
部1から突出して支持されていることにより、供試体1
1にモーメントや傾きを与えること無く水平に摺動さ
せ、水平、垂直方向の変位計9,10にガイドローラ1
3に掛かる力が影響しない。また、操作保持部1を把持
して供試体11を摺動させたときに安定して滑らかに動
かすことができ、供試体11に掛かる力だけを2方向の
力に精度良く分離して遊びのない精度の良いばね変位に
変換する。また、全体をコンパクトにすることができる
とともに、ウエイトを不要にして軽量化し、携帯に便利
になっている。また、上向きの摺動面や曲率を持った摺
動面でも測定することができる。
【0031】また、最大垂直方向の変位を計測する変位
計9と、最大水平方向の変位を計測する変位計10とを
有することにより、その場で直ちに供試体11に作用す
る力による最大の水平、垂直方向の変位を読み取ること
ができ、操作中に指示値を読む必要がなくなり、データ
レコーダなどの記録計も不要で、計ったその時、その場
で結果が判かる。同様に、その変位から計算式や表など
により換算しなくても直ちに最大の水平、垂直方向の力
を読み取ることができる。また、ガイドローラ13の摺
動部分に車輪もしくはローラもしくはボールを配したこ
とにより、ガイドローラ13の摩擦力を低下させて動き
をスムーズにし滑らかに操作することができる。また、
供試体11中央部上方の操作保持部1に突起部20や刻
印等のマークを有することにより、摺動面に垂直方向の
変位と摺動面に垂直方向の荷重との較正時に加重位置を
明確にし、この部分にテスト荷重をかけることによって
較正を容易にするとともにガイドローラ13に余計な荷
重を与えない。また、供試体保持部2と操作保持部1と
を結合するロックナット19を有することにより、運搬
時など使用しないときに板ばね4,5に余計な荷重を掛
けず、また振動を抑さえることにより可動部分を保護す
る。また、板ばね保護部21により円弧状の板ばね4の
内側、外側の全部、もしくは一部を取巻くことにより、
精度上重要な円弧状の板ばね4を保護してラフな使用に
も耐えるようになっている。また、供試体保持部2の板
ばね17、固定ねじ14などにより供試体11を容易に
着脱可能にすることにより、種々の供試体11をその場
で容易に交換可能になっている。なお、常に一定の形
状、材質の供試体11を使用する場合は供試体11を交
換することは不要で、この場合は供試体11と供試体保
持部2とを一体に形成することにより、供試体11の位
置のずれや脱落などを防止することができる。また、本
体部分を板材からスリット状に切り出して成型すること
により少ない部品点数で構成することができ、組立て作
業が省かれ、信頼性が向上し、量産化を容易にし、耐久
性が向上し、構造が単純化し、全体形状をよりコンパク
トにし、見栄えを良くし、製品ごとの性能のばらつきを
小さくし、コストダウンすることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る摺動摩擦計測器はそれぞれ
前記のように構成されており、操作保持部を把持して供
試体を摺動面に摺動させることにより摺動面と供試体と
に掛かる力だけが垂直、水平の2方向に分離されて正確
に測定されるので、上向きの摺動面、斜めや曲率を持っ
た摺動面なども測定することができ、全体がコンパクト
に構成され、ウエイトが不要で軽量化されて携帯に便利
で、摺動面を実験室まで持ち帰らずにその時、その場で
摺動摩擦係数、或いは摺動抵抗力を測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る摩擦計測器の正
面図である。
【図2】図2はその使用説明図である。
【図3】図3は従来の摩擦係数の測定方法の説明図であ
る。
【符号の説明】 1 操作保持部 2 供試体保持部 3 水平ばね保持部 4 円弧状の板ばね 5 対向する板ばね 7 水平ばね部のスリット 8 操作保持部のグリップ穴 9 垂直方向の変位計 10 水平方向の変位計 11 供試体 12 摺動面 13 ガイドローラ 14 固定ねじ 16 供試体固定用の板ばねのスリット 17 供試体固定用の板ばね 18 供試体固定部 19 ロックナット 20 操作保持部の突起部 21 円弧状の板ばね保護部 a 平滑材のモデル b 表面処理した材料のモデル c スクレーパーのモデル d ブラシのモデル e 特殊表面形状のモデル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作保持部の下方に円弧状の板ばねを介
    して設けられ供試体を摺動面に摺動可能に保持して摺動
    面に垂直な力を測定する供試体保持部と、上記操作保持
    部にスリット状の板ばねによる水平ばね部を介して設け
    られ摺動面に平行な力を測定する水平ばね保持部とを備
    えたことを特徴とする摺動摩擦計測器。
  2. 【請求項2】 上記操作保持部における摺動面に垂直方
    向の最大変位を測定する変位計と、上記操作保持部にお
    ける摺動面に平行方向の最大変位を測定する変位計とを
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の摺動摩擦計測
    器。
  3. 【請求項3】 上記変位計の目盛りが表示、或いは変位
    と力の2重表示であることを特徴とする請求項2に記載
    の摺動摩擦計測器。
  4. 【請求項4】 上記操作保持部に突設されて摺動面と摺
    動する摺動ガイドに車輪またはローラまたはボールを配
    したことを特徴とする請求項1に記載の摺動摩擦計測
    器。
  5. 【請求項5】 上記供試体中央に対応する上記操作保持
    部上部に刻設された突起部または刻印または他と区別で
    きるマークを有することを特徴とする請求項1に記載の
    摺動摩擦計測器。
  6. 【請求項6】 上記供試体保持部と上記操作保持部とを
    ロック装置により互いに結合可能にしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の摺動摩擦計測器。
  7. 【請求項7】 上記円弧状の板ばねの内側および外側の
    全部もしくは一部を取り巻いて上記円弧状の板ばねを保
    護する板ばね保護部を備えたことを特徴とする請求項1
    に記載の摺動摩擦計測器。
  8. 【請求項8】 上記供試体保持部に供試体固定部とスリ
    ットと板ばねと固定ねじとを有し上記供試体を上記供試
    体保持部に着脱可能に固定することを特徴とする請求項
    1に記載の摺動摩擦計測器。
  9. 【請求項9】 上記供試体が上記供試体保持部と一体に
    成形されたことを特徴とする請求項1に記載の摺動摩擦
    計測器。
  10. 【請求項10】 上記供試体保持部、上記円弧状の板ば
    ね、上記水平ばね保持部、上記操作保持部、上記摺動ガ
    イド、その他の全部もしくは一部を同一の板材からスリ
    ット状に切り出して成形したことを特徴とする請求項1
    乃至9に記載の摺動摩擦計測器。
JP19837493A 1993-08-10 1993-08-10 摺動摩擦計測器 Withdrawn JPH0755695A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011095101A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Olympus Medical Systems Corp ブラシ寿命検知装置及び内視鏡洗浄装置
CN103207040A (zh) * 2013-03-15 2013-07-17 温州大学 用于检测接触器铁芯吸合碰撞力的检测装置

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