JPH0755587A - 温度測定装置 - Google Patents

温度測定装置

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JPH0755587A
JPH0755587A JP19831593A JP19831593A JPH0755587A JP H0755587 A JPH0755587 A JP H0755587A JP 19831593 A JP19831593 A JP 19831593A JP 19831593 A JP19831593 A JP 19831593A JP H0755587 A JPH0755587 A JP H0755587A
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JP
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temperature
ingot
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measuring device
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JP19831593A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Muto
伸之 武藤
Masaisa Tsunekawa
雅功 常川
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳塊等の表面温度を、鋳塊等を損傷すること
なく、連続的に計測できる温度測定装置を提供するこ
と。 【構成】 鋳塊40の表面に滑動可能に接触せしめられ
る接触板12の裏面に温度センサ16を取り付ける一
方、接触板12を水よけ板30で覆うと共に、水よけ板
30と接触板12の間に位置する鋳塊40の表面にエア
ノズル32で圧縮空気を噴出させて、接触板12が接触
せしめられる鋳塊40の表面部位に付着した冷却水48
を除去する。これにより、接触板12が、鋳塊40の表
面温度と略同一温度に加熱されるようにして、かかる接
触板12の温度を、温度センサ16によって計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、鋳塊や金属成形材の表面温度を
測定する温度測定装置に係り、特に連続鋳造中に凝固直
後の鋳塊の表面温度を連続的に測定するに際して好適に
用いられる温度測定装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、アルミニウム鋳塊等の連続鋳造
法(半連続鋳造法を含む)の一種として、枠体形状の鋳
型によって、その内部に供給される溶湯の側面を保持せ
しめて溶湯柱を形成し、そしてこの溶湯柱の下部に形成
される凝固鋳塊部位に冷却水を噴出せしめて、溶湯柱を
連続的に冷却,凝固せしめつつ、取り出すことにより、
目的とする鋳塊を連続的に製造する方法が知られてい
る。
【0003】ところで、このような連続鋳造法において
は、鋳型から取り出される鋳塊の冷却状態のばらつきや
異常等を監視して、目的とする鋳塊を安定して製造する
ために、一般に、凝固直後、即ち冷却水がかけられた直
後の鋳塊表面の温度を測定することが望ましい。例え
ば、スラブ鋳塊では、短辺部,長辺部および各コーナ部
の複数箇所で鋳塊表面温度を測定することにより、冷却
状態のばらつきや異常を監視することが望ましい。
【0004】そこで、従来では、例えば、鋳型上方から
溶湯内に熱電対を挿入して、その測温部を鋳塊内に埋め
込み、鋳造の進行(鋳塊の下方への取出し)に従って、
鋳塊と共に下方に移動させることにより、かかる測温部
が、鋳塊温度を求めたい位置である凝固直後の位置に達
する時を待って、温度測定が行なわれていた。なお、か
かる温度測定に際しては、一般に、鋳塊表面からの深さ
が異なる位置に二つの熱電対の測温部を埋め込み、それ
ら二つの熱電対による測温値から鋳塊内における熱流束
を計算することにより、鋳塊表面の温度が求められる。
【0005】ところが、このような従来の温度測定で
は、鋳塊内に、熱電対という異物が埋め込まれるため
に、かかる鋳塊を製品とすることができず、そのため
に、サンプル的な温度測定は可能であるものの、製造管
理としての温度測定ができないという大きな問題があっ
た。
【0006】しかも、従来の温度測定では、目的とする
凝固直後の点における鋳塊の温度測定が、かかる凝固直
後の点を熱電対の測温部が埋め込まれた部位が通過する
時だけしか為され得ず、連続的に鋳塊の表面温度を測定
することもできなかった。
【0007】さらに、かかる温度測定に際しては、鋳型
上方から二つの熱電対を挿入して、それらを鋳塊内の所
定位置に正確に埋め込むと共に、鋳造の進行に伴って、
熱電対線を溶湯内に連続的に挿入して流さなければなら
ないために、作業が難しく、しかも面倒であった。
【0008】なお、放射温度計などの非接触型温度計等
を用いて鋳塊表面温度を測定することも考えられるが、
目的とする凝固直後の点には冷却水流が噴出されている
ために、そのような非接触型温度計等では、鋳塊表面温
度を精度良く測定することは、極めて困難である。
【0009】また、金属の塑性加工においても、押出ダ
イクエンチの如く、所定の成形型から連続的に取り出さ
れる金属成形材の表面に冷却媒体を噴出させて冷却する
ことにより、目的とする金属成形材を連続的に製造する
方法が知られており、そのような金属の塑性加工に際し
ても、目的とする金属成形材を安定して製造するため
に、冷却水がかけられた直後の金属成形材の表面温度を
測定することが望ましいが、前記鋳塊表面温度の測定と
同様、冷却水流が存在するために温度測定が難しく、未
だ、有効な温度測定装置は実現されていなかったのであ
る。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、鋳塊または金属成形材の内部に異物を挿入
することなく、鋳塊または金属成形材の表面温度を測定
できる温度測定装置を提供することにある。
【0011】また、本発明は、目的とする凝固乃至は直
接冷却直後の点における鋳塊または金属成形材の表面温
度を連続的に測定できる温度測定装置を提供すること
も、目的とする。
【0012】更にまた、本発明は、測定作業が容易で安
定した測定精度が得られる温度測定装置を提供すること
も、目的とする。
【0013】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、所定の鋳型または成
形型から連続的に取り出されて表面に冷却媒体が噴出さ
れることにより、連続的に製造される鋳塊または金属成
形材の表面温度を測定する温度測定装置であって、
(a)前記鋳塊または金属成形材の表面に滑動可能に接
触せしめられて、かかる鋳塊または金属成形材との間で
の熱伝達により該鋳塊または金属成形材の表面と略同一
温度に加熱される接触板と、(b)該接触板の裏面に取
り付けられて、該接触板の温度を検出する測定用温度セ
ンサと、(c)前記接触板よりも前記冷却媒体の上流側
に配設されて、該接触板の上流側を覆う水よけ板と、
(d)該水よけ板と前記接触板の間に位置せしめられ
て、前記鋳塊または金属成形材の表面に圧縮空気を噴出
するエアノズルとを、含んで構成された温度測定装置に
ある。
【0014】また、本発明は、そのような温度測定装置
であって、前記測定用温度センサを覆う断熱性のシール
材を設けると共に、該シール材の温度を検出する監視用
温度センサを設けた温度測定装置をも、特徴とする。
【0015】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0016】先ず、図1〜3には、本発明の一実施例と
しての温度測定装置10が、示されている。かかる温度
測定装置10は、略矩形平板形状の接触板12を備えて
いる。この接触板12は、少なくとも被測温材である鋳
塊や金属成形材の表面温度に耐え得る耐熱性の材料であ
って、比熱が小さな材料によって形成されたものが望ま
しく、例えばインコネルやインコロイの如き耐熱性の金
属板が好適に用いられる。また、かかる接触板12は、
熱容量が小さなものが好ましく、薄肉で小型のものが好
適に用いられる。
【0017】すなわち、このような接触板12を用いる
ことにより、かかる接触板12が被測温材の表面に接触
せしめられた際、被測温材との間での熱伝達により、接
触板12が、被測温材の表面と略同一の温度に、有利に
加熱され得るのである。
【0018】また、接触板12は、被測温材の表面に対
する接触面積が有利に確保されるように、中央部分が表
面平滑な板状体とされていると共に、被測温材の表面上
を滑らかに滑動せしめられるように、外周縁部が湾曲し
た板そり状とされている。
【0019】さらに、このような接触板12には、その
裏面(被測温材に対する接触面とは反対側の面)14の
中央部分に、測定用温度センサとしての第一の熱電対1
6が固設されている。かかる第一の熱電対16として
は、例えばシート型のものが用いられ、接触板12の裏
面中央にポイント溶接されることによって、接触板12
の温度を検出するようになっている。なお、図面中、第
一の熱電対16の外部引出線は省略する。
【0020】そして、接触板12は、支持アーム18の
先端部に固着された矩形ブロック形状の基台20に対し
て、裏面14側が所定距離を隔てて対向位置せしめられ
ており、それらの間に介装されたシール材22を介し
て、かかる基台20に取り付けられている。
【0021】ここにおいて、シール材22は、発泡ウレ
タンゴム等の断熱性を有する材質にて形成されており、
接触板12の裏面14に取り付けられた第一の熱電対1
6の周りを覆っている。これにより、第一の熱電対16
に対して、外部の冷却媒体等が接触しないようになって
いると共に、接触板12の裏面14側への熱流を減らし
て、接触板12の温度を被測温材の表面温度に有利に一
致せしめることにより、測温精度の向上が図られるよう
になっている。
【0022】また、本実施例では、シール材22とし
て、発泡ウレタンゴムの如き弾性材が用いられている。
これにより、エアシリンダ等により支持アーム18が駆
動されて、接触板12が被測温材の表面に押し付けられ
た際、かかるシール材22が緩衝材として機能し、接触
板12の表面24が、略全面に亘って、被測温材の表面
に対して、略一定の当接圧をもって安定して接触せしめ
られるようになっている。
【0023】さらに、基台20には、その両側に位置し
て、4個のガイドローラ25が、被測温材に対する接触
板12の滑動方向に直交する方向に延びる回転軸回りに
回転可能に装着されている。そして、これらガイドロー
ラ25により、基台20が、被測温材の表面に対して支
持されるようになっている。なお、ガイドローラ25
は、その回転軸が基台20に対して弾性的に支持されて
おり、基台20を被測温材の表面の凹凸に追従して支持
すると共に、接触板12の被測温材の表面への接触状態
を阻害しないようになっている。
【0024】また、基台20における接触板12との対
向面には、第一の熱電対16と対向位置する部分に、監
視用温度センサとしての第二の熱電対26が固設されて
いる。なお、この第二の熱電対26としては、第一の熱
電対16と同様なものを用いることができる。そして、
この第二の熱電対26によって、シール材22の温度が
検出されるようになっている。なお、図中、第二の熱電
対26の外部引出線は省略する。
【0025】また一方、基台20には、その上部側面に
対して、支持ブロック28が固着されており、かかる支
持ブロック28によって、水よけ板30が、支持されて
いる。この水よけ板30は、略L字形の断面形状を呈し
ており、基台20の上方側に突出して取り付けられてい
る。これにより、基台20に取り付けられたシール材2
2および接触板12の上方が、かかる水よけ板30によ
って覆われている。
【0026】なお、水よけ板30の突出先端部は、下方
に屈曲されており、接触板12が被測温材の表面に接触
せしめられた際、かかる屈曲部の外面が被測温材の表面
に当接せしめられるようになっている。また、かかる水
よけ板30は、被測温材の表面に当接せしめられること
から、耐熱性が要求されると共に、被測温材の表面に対
する当接状態が有利に維持され得るように、或る程度の
弾性を有することが望ましく、薄肉の金属板等が好適に
用いられる。
【0027】さらに、支持ブロック28には、エアノズ
ル32が、裏側から表側に貫通して配設固定されてい
る。そして、かかるエアノズル32の噴出孔が、水よけ
板30と接触板12との間に開口せしめられている。こ
れにより、接触板12が被測温材の表面に接触せしめら
れた際に、水よけ板30と接触板12との間において、
被測温材の表面にエアジェットが噴出せしめられるよう
になっている。そして、このエアジェット噴出により、
水よけ板30で取り除ききれなかった水滴を吹き飛ばす
ようになっている。なお、図中、34は、エアノズル3
2に圧縮空気を供給するホースである。
【0028】次に、このような構造とされた温度測定装
置10の使用方法について、説明を加える。なお、以下
の具体例では、図4及び図5に示されているように、垂
直方向に連続鋳造される鋳塊40の表面温度を、温度測
定装置10によって、連続的に測定する場合について説
明する。
【0029】すなわち、図4及び図5に示されているよ
うに、鋳塊40は、枠体状を呈する水冷の鋳型42内に
金属溶湯44を供給し、鋳型42にて溶湯44の側周面
を保持して冷却,凝固せしめつつ、底台46を漸次下降
させて下方に取り出すことにより、連続的に形成される
こととなる。また、かかる鋳造に際して、鋳塊40の表
面には、鋳型42から取り出された凝固直後の部位に対
して、鋳型42から噴出された冷却水48が浴びせられ
て、冷却せしめられる。
【0030】そこにおいて、連続的に取り出される鋳塊
40における凝固直後の部位の表面温度を、温度測定装
置10によって測定するには、先ず、支持アーム18
を、手動或いはエアシリンダ等で駆動することにより、
基台20を鋳塊40側に移動させて、鋳塊40における
冷却水が浴びせられた位置よりも少し下に位置する表面
に、接触板12を接触せしめる。
【0031】また、同時に、水よけ板30の先端部を、
鋳塊40の表面に当接させると共に、エアノズル32の
噴出孔を、鋳塊40の表面に向かって開口位置せしめ
て、エアジェットを噴出させる。更に、同時に、各ガイ
ドローラ25を鋳塊40の表面に当接させて、基台20
を鋳塊40によって安定的に支持せしめる。
【0032】そして、かくの如く、接触板12を、鋳塊
40の表面に対して、所定位置で接触させて保持せしめ
た状態下、第一の熱電対16によって、接触板12の温
度を検出する。
【0033】また、同時に、第二の熱電対26によっ
て、シール材22の温度を検出する。
【0034】そして、第一の熱電対16による検出温
度:T1が、第二の熱電対26による検出温度:T2よ
りも充分に高い、一般的な鋳造状態下では、第一の熱電
対16によって検出された接触板12の温度:T1を、
鋳塊40の表面温度とする。
【0035】すなわち、かかる温度測定に際して、鋳型
42から噴出されて鋳塊40の表面を流下する冷却水4
8は、水よけ板30にて水切りされて鋳塊40の表面か
ら剥離し、水よけ板30に沿って流下せしめられること
となり、更に、この水よけ板30による水切りによって
も取り除けなかった、鋳塊40の表面に付着する水滴
は、エアノズル32の噴出孔から噴出されるエアジェッ
トによって吹き飛ばされることから、水よけ板30およ
びエアノズル32の下方に位置せしめられた接触板12
は、鋳塊40の表面に対して、冷却水が介在しない状態
で、有利に接触せしめられるのであり、その結果、接触
板12が、鋳塊40の表面温度に有利に加熱されること
となる。なお、鋳塊40の表面と接触板12の間に僅か
な水滴が残留していても、鋳塊40の表面の熱によっ
て、速やかに蒸発することから、問題となることはな
い。しかも、第一の熱電対16は、シール材22で覆わ
れていることから、冷却水48による熱影響が有利に防
止され得る。
【0036】そして、T1−T2>0であれば、熱流
束:q(W/m2 )は、鋳塊40から、鋳塊40の表面
を介して、接触板12を通り、その裏面14に接したシ
ール材22に流れ込むこととなる。いま、接触板12
を、板厚:0.1mmのインコネル板とし、インコネルの
熱伝導率をλ1とすると、接触板12中における熱流
束:qは、下記「式1」の如く、表される。但し、Ts
は、鋳塊40の表面温度である。 q=λ1×(Ts−T1)/0.0001 ・・・(式1)
【0037】また、シール材22を、肉厚:10mmの発
泡シリコンゴムとし、発泡シリコンゴムの熱伝導率をλ
2とすると、シール材22中における熱流束:qは、下
記「式2」の如く、表される。 q=λ2×(T1−T2)/0.01 ・・・(式2)
【0038】ここにおいて、インコネルの熱伝導率:λ
1は、13.2(W/(K・m))であり、発泡シリコ
ンゴムの熱伝導率:λ2は、空気の0.026〜水の
0.6(W/(K・m))程度であるから、これらλ1
とλ2との関係は、下記「式3」の如く、表される。 λ1=nλ2,n=20〜500 ・・・(式3)
【0039】また、熱流束:qは、鋳塊40からシール
材22側に向かって一方向に流れ、連続であるから、上
記「式1」および「式2」を連立させて、qを消去する
ことにより、下式が得られる。 nλ2×(Ts−T1)/0.0001=λ2×(T1
−T2)/0.01
【0040】従って、上式をTsについて解くと、下記
「式4」が得られる。 Ts=T1+(T1−T2)/(100×n) ・・・(式4)
【0041】それ故、第一の熱電対16によって検出さ
れる接触板12の温度:T1が、第二の熱電対26によ
って検出されるシール材22の温度:T2よりも高い、
一般的な鋳造状態下では、それらT1とT2の温度差
が、数百Kとなっても、上記「式4」中の第2項:(T
1−T2)/(100×n)は1K以下となり、実質的
に、第一の熱電対16による検出温度:T1を、鋳塊4
0の表面温度:Tsと見なしても、精度上の問題がない
ことが、明らかである。
【0042】一方、第一の熱電対16による検出温度:
T1が、第二の熱電対26による検出温度:T2よりも
低くなるのは、鋳塊40の表面の温度が急激に低下した
場合に、シール材22が熱容量が大きいために冷えにく
いことに起因して生ずる現象である。即ち、このような
場合は、上述したT1−T2>0(K)の場合とは、熱
の流れ方向が逆になり、また、時定数が非常に大きい。
従って、第一の熱電対16の検出値:T1をもって鋳塊
40の表面温度とすることは、必ずしも妥当ではない。
【0043】そこで、熱流の逆プロセスが生じないよう
に、第二の熱電対26による検出温度:T2により、T
1−T2<0となっていないことを確認しながら、第一
の熱電対16による鋳塊40の表面温度の測定を行なう
ことにより、測定値の精度が、有利に確保され得、測定
値の信頼性の向上が図られ得るのである。なお、実際に
は、安全率を考慮し、T1−T2の値:tが、t>5〜
10℃であることを確認しつつ、第一の熱電対16によ
る鋳塊40の表面温度の測定を行なうことが望ましい。
【0044】尤も、実際には、シール材22も、冷却水
48等によって冷却されており、また、鋳塊40の表面
には内部および上部からの入熱が常にあり、鋳塊40の
表面温度が急激に低下することは考え難いことから、第
二の熱電対26による監視は、必ずしも必要なものでは
ない。
【0045】従って、上述の如き構造とされた温度測定
装置10によれば、第一の熱電対16によって接触板1
2の温度を検出することにより、鋳塊40の表面温度
を、冷却水48の影響をほとんど受けることなく、高精
度に測定することができるのである。
【0046】しかも、本実施例の温度測定装置10で
は、第二の熱電対26の検出値に基づいて、第一の熱電
対16による鋳塊40の表面温度の検出時における熱流
状態を監視できることから、測定値の精度安定性と信頼
性が、共に一層有利に確保され得る。
【0047】また、上述の如き温度測定装置10におい
ては、鋳塊40の表面への接触により、鋳塊40の表面
温度を測定できることから、温度を測定するに際して、
鋳塊の内部に異物を挿入する必要がなく、製品に何らの
損傷を与えずに温度測定できるのであり、それ故、製造
管理としての温度測定も可能となる。
【0048】さらに、かかる温度測定装置10において
は、鋳塊40の表面への当接状態下、その表面上を滑動
せしめられることにより、目的とする凝固乃至は直接冷
却直後の点における鋳塊40の表面温度を連続的に測定
することができるのであり、それ故、鋳塊40の冷却状
態等を連続的に監視することも可能である。
【0049】更にまた、かかる温度測定装置10にあっ
ては、構造簡単であると共に、接触板12を鋳塊40の
表面に当接させるだけで、鋳塊40の表面温度を測定で
きることから、測定作業も容易であるといった利点も有
している。
【0050】しかも、本実施例の温度測定装置10にお
いては、接触板12が、弾性を有するシール材22を介
して、基台20によって支持されていることから、鋳塊
40の表面の凹凸等がシール材22の弾性変形によって
吸収されることにより、接触板12の鋳塊40への接触
状態が有利に維持されて、温度測定の一層の安定化と測
定精度の向上が図られ得るのである。
【0051】因みに、上述の如き構造とされた温度測定
装置10を用い、アルミニウム合金の連続鋳造に際し
て、鋳造される鋳塊表面の温度を実際に測定した場合の
結果を、図6及び図7に示す。なお、図6は、鋳型の下
端から100mmの位置を測定点とした測定データであ
り、図7は、鋳型の下端から180mmの位置を測定点と
した測定データである。また、参考のために、従来手法
に従い、熱電対を鋳塊内に埋め込んで、鋳型下端から1
00mmおよび180mmの点における鋳塊の表面温度を測
定した結果も、図6及び図7中に、参考値として、併せ
示す。なお、かかる従来方法による測定では、熱電対が
各測定点を通過する時点のみでしか測定できないが、図
中には、その結果を、判り易いように、一点鎖線で連続
的に表示しておく。
【0052】かかる実測結果から、本実施例構造の温度
測定装置10による鋳型表面温度の測定値は、充分な精
度を有していることが理解される。
【0053】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0054】例えば、前記実施例では、測定用温度セン
サおよび補正用温度センサとして、いずれも、熱電対が
用いられていたが、使用条件等を考慮して、その他、測
温抵抗体等の他の公知の温度センサを用いることも可能
である。
【0055】また、前述の如く、鋳造時には、鋳塊4
0,接触板12およびシール材22の間における熱流の
逆プロセスは、殆ど発生しないと考えられることから、
補正用温度センサは、必ずしも設ける必要はない。
【0056】更にまた、前記実施例では、シール材22
として弾性材が用いられていたが、必ずしもシール材2
2に弾性を付与することは必要でなく、温度測定装置全
体を弾性的に支持することにより、接触板12を、所定
の付勢力をもって鋳塊40の表面に当接させるようにす
ることも可能である。
【0057】さらに、水よけ板30の形状やエアノズル
32の配設位置および数などは、限定されるものではな
く、鋳塊形状や冷却水流の方向等に応じて、適宜に決定
されるものである。
【0058】そして、これら水よけ板30の形状やエア
ノズル32の配設位置および数などを適当に調節するこ
とにより、水平型の連続鋳造においても、本発明に係る
温度測定装置を使用することが可能である。
【0059】さらに、前記実施例では、本発明に係る温
度測定装置を使用して鋳塊の表面温度を測定する場合に
ついて説明したが、本発明に係る温度測定装置は、その
他、押出ダイクエンチの如く、所定の成形型から連続的
に取り出される金属成形材の表面に冷却媒体を噴出させ
て冷却することによって連続的に製造される金属成形材
の冷却直後における表面温度を測定する場合等において
も、同様に、使用可能である。
【0060】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、いずれも、本発明の範囲内に含まれるものであるこ
とは、言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた温度測定装置においては、水よけ板
とエアノズルから噴出される圧縮空気とによって冷却水
が除かれた表面部位に接触板が接触せしめられることか
ら、かかる接触板の温度を測定用温度センサで検出する
ことにより、鋳塊や金属成形材の表面温度を、冷却水に
よる影響を受けることなく、容易に且つ高精度に測定す
ることができるのである。
【0062】また、かかる温度測定装置においては、接
触板が、鋳塊や金属成形材の表面を滑動せしめられるこ
とにより、連続的に製造される鋳塊や金属成形材の表面
温度を連続して測定することが可能となる。
【0063】しかも、かかる温度測定装置においては、
鋳塊や金属成形材を損傷することなく、表面温度を測定
することが可能であり、それ故、製造管理にも有利に用
いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての温度測定装置を示す
側面図である。
【図2】図1に示された温度測定装置の背面図である。
【図3】図2における III−III 断面図である。
【図4】図1に示された温度測定装置の使用方法を説明
するための説明図である。
【図5】図4における要部を拡大して示す一部切欠説明
図である。
【図6】図1に示された温度測定装置を用いて鋳塊表面
温度を測定した結果を示すグラフである。
【図7】図1に示された温度測定装置を用いた鋳塊表面
温度を測定した別の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 温度測定装置 12 接触板 16 第一の熱電対 22 シール材 26 第二の熱電対 30 水よけ板 32 エアノズル 40 鋳塊 42 鋳型 48 冷却水

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の鋳型または成形型から連続的に取
    り出されて表面に冷却媒体が噴出されることにより、連
    続的に製造される鋳塊または金属成形材の表面温度を測
    定する温度測定装置であって、 前記鋳塊または金属成形材の表面に滑動可能に接触せし
    められて、かかる鋳塊または金属成形材との間での熱伝
    達により該鋳塊または金属成形材の表面と略同一温度に
    加熱される接触板と、 該接触板の裏面に取り付けられて、該接触板の温度を検
    出する測定用温度センサと、 前記接触板よりも前記冷却媒体の上流側に配設されて、
    該接触板の上流側を覆う水よけ板と、 該水よけ板と前記接触板の間に位置せしめられて、前記
    鋳塊または金属成形材の表面に圧縮空気を噴出するエア
    ノズルとを、有することを特徴とする温度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記測定用温度センサを覆う断熱性のシ
    ール材を設けると共に、該シール材の温度を検出する監
    視用温度センサを設けたことを特徴とする請求項1に記
    載の温度測定装置。
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