JPH0755473A - 音響式ジャイロ - Google Patents

音響式ジャイロ

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JPH0755473A
JPH0755473A JP5196608A JP19660893A JPH0755473A JP H0755473 A JPH0755473 A JP H0755473A JP 5196608 A JP5196608 A JP 5196608A JP 19660893 A JP19660893 A JP 19660893A JP H0755473 A JPH0755473 A JP H0755473A
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JP
Japan
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sound pressure
case
detection channel
sound
acoustic
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JP5196608A
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English (en)
Inventor
Yujiro Nagai
祐二郎 永井
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音圧検出器における温度依存性を改善して広
い温度範囲で使用可能とする。 【構成】 ケース1は検出チャネルにより連結された2
つの部屋13、14を有し、またケース1内に満たされ
た流体を駆動するスピーカ2、検出チャネル内における
音圧検出器が設けられている。音圧検出器として、入力
インピーダンスが1014〜1015ΩのFETを容量−電
流変換素子として用いたバックエレクトレット型コンデ
ンサーマイクロホン31、32を用いる。またこのバッ
クエレクトレット型コンデンサーマイクロホン31、3
2における振動膜を金属箔で構成する。あるいは、音圧
検出器として圧電振動板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響式ジャイロに関
し、特に、音によって振動する流体が回転運動を受ける
時に生じるコリオリの力を利用してその回転角速度を検
出する、音響式ジャイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような音響式ジャイロとしては、
例えば特開平2−218912号公報に記載されたもの
が知られている。この音響式ジャイロでは、内側が空気
等の流体で満たされ且つ音響的に閉じたケースを隔壁に
よって2つの部屋に分けるとともに、これらの部屋をケ
ース上部に形成した検出チャネル(ダクト)によって連
結ないし連通する構成としている。またケースに取付け
た一対のマイクロホンによって、検出チャネルの中央の
両側の2つの点における音圧がそれぞれ検出される。そ
してこれらマイクロホンの出力を例えば位相比較器に入
力して位相差に応じた出力を得ている。
【0003】この従来例においては、音源を駆動する
と、2つの部屋には絶対値が等しく符号が反対の体積変
化が差動的に与えられ、またこの振動的な体積変化によ
って検出チャネルの内部の空気には振動的な流れが発生
する。ここで、ケースは、2つの部屋が検出チャネルに
よって連結されて1つの音響共振系が構成されたもので
あるから、ケースが静止している状態において、音源が
例えば正弦波出力によって駆動された場合、検出チャネ
ルの内部の空気は検出チャネルの連結方向(長さ方向)
に振動する。そしてこの振動時において、検出チャネル
の2つの点に生じる音圧は互いに等しい。ここで、検出
チャネルの内部で音圧が0になる音響的中立点は、2つ
の部屋の容積が等しい場合には検出チャネルの中央であ
り、またこの中央では音圧はゼロとなる。よって通常
は、2つの部屋の容積に違いを持たせることによって音
響的中立点を検出チャネルの中央からずらして位置させ
ている。これにより、検出チャネルの2つの点では音圧
が残存し、この残存する音圧をマイクロホンにより検出
している。
【0004】一方、ケースが回転している場合には、2
つの点にはコリオリの力よって差圧が発生する。そして
この差圧が静止時における2つの点の音圧にそれぞれ分
けられて加減算される結果、2つの点の音圧はケースの
回転角速度に応じた位相変化が生じる。そしてこのよう
なコリオリの力によって生じる音圧の位相差を検知し、
またこの位相差に基づき、例えば特開平2−21891
2号公報の第5図に示された角速度と出力信号との関係
から、ケースの回転角速度を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の音響
式ジャイロにおいて、上記検出チャンネルの2か所の音
圧を検出する音圧検出器であるマイクロホンとしては、
例えばバックエレクトレット型コンデンサーマイクロホ
ンが使用されている。また、このバックエレクトレット
型コンデンサーマイクロホンにおいては、その容量−電
流変換素子(インピーダンス変換用素子)としては接合
形FETが。またその音圧検出用の振動板としては樹脂
製のものが、それぞれ一般的に使用されている。
【0006】ところが、上記の接合形FETはその入力
インピーダンスが温度依存性が大きいし、また樹脂製の
振動板はその粘弾性のために音圧に対する振動膜の変位
の温度依存性が大きい。そしてこのような温度依存性に
より、バックエレクトレット型コンデンサーマイクロホ
ンの出力の位相にも温度依存性が生じる結果、音響式ジ
ャイロの出力の位相が環境温度によって大きく変化して
しまい、狭い温度範囲、具体的には0〜40℃程度の範
囲でしか音響式ジャイロを実用的に使用できないという
問題がある。
【0007】本発明の目的は、音圧検出器における温度
依存性を改善することで広い温度範囲で使用可能であ
る、音響式ジャイロを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る音響式
ジャイロは、検出チャネルにより連結された2つの部屋
を有するケースと、前記ケース内に満たされた流体を駆
動する音源と、前記検出チャネル内の所定の場所での音
圧を検出する音圧検出器とを有し、前記音圧の位相変化
に基づいて前記ケースの回転角速度を検知する音響式ジ
ャイロにおいて、前記音圧検出器が、入力インピーダン
スが1014〜1015ΩのFETを容量−電流変換素子
(インピーダンス変換用素子)として用いてなるバック
エレクトレット型コンデンサーマイクロホンである、こ
とを特徴とするものである。
【0009】第2の発明に係る音響式ジャイロは、検出
チャネルにより連結された2つの部屋を有するケース
と、前記ケース内に満たされた流体を駆動する音源と、
前記検出チャネル内の所定の場所での音圧を検出する音
圧検出器とを有し、前記音圧の位相変化に基づいて前記
ケースの回転角速度を検知する音響式ジャイロにおい
て、前記音圧検出器が、音圧検出用の振動膜が金属箔か
らなるバックエレクトレット型コンデンサーマイクロホ
ンである、ことを特徴とするものである。
【0010】第3の発明に係る音響式ジャイロは、検出
チャネルにより連結された2つの部屋を有するケース
と、前記ケース内に満たされた流体を駆動する音源と、
前記検出チャネル内の所定の場所での音圧を検出する音
圧検出器とを有し、前記音圧の位相変化に基づいて前記
ケースの回転角速度を検知する音響式ジャイロにおい
て、前記音圧検出器が、入力インピーダンスが1014〜
1015ΩのFETを容量−電流変換素子として用いると
ともに、音圧検出用の振動膜が金属箔からなるバックエ
レクトレット型コンデンサーマイクロホンである、こと
を特徴とするものである。
【0011】第4の発明に係る音響式ジャイロは、検出
チャネルにより連結された2つの部屋を有するケース
と、前記ケース内に満たされた流体を駆動する音源と、
前記検出チャネル内の所定の場所での音圧を検出する音
圧検出器とを有し、前記音圧の位相変化に基づいて前記
ケースの回転角速度を検知する音響式ジャイロにおい
て、前記音圧検出器が圧電振動板である、ことを特徴と
するものである。
【0012】上記のような入力インピーダンスが1014
〜1015ΩのFETとしては、具体的には例えばMOS
FETが使用される。
【0013】また上記の振動膜に金属箔として使用でき
る金属としては、チタン、アルミニウム、鉄、ニッケ
ル、パーマロイ(Fe−Ni合金)等が挙げられ、特に
ニッケルやパーマロイが好ましい。また金属箔の厚さ
は、薄ければ薄い程感度が良好となるが、実用上は、5
〜10μm程度が適当である。
【0014】更に、上記の音圧検出器に用いられる圧電
振動板としては、例えば、円盤状の圧電セラミックスを
金属板に貼付して構成され、圧電セラミックスが音圧を
うけて歪みを生じた時において音圧に応じた電圧を発生
するものが用いられる。
【0015】
【作用】第1の発明のように、入力インピーダンスが1
014〜1015ΩのFETを用いて構成されるバックエレ
クトレット型コンデンサーマイクロホンを音圧検出検出
器として用いることで、音圧検出器の出力における位相
の温度依存性が極小ないしほぼゼロになり、広い環境温
度の範囲、具体的には−30〜80℃程度の範囲で使用
できるようになる。
【0016】また第2の発明のように、音圧検出器とし
て用いるバックエレクトレット型コンデンサーマイクロ
ホンの振動膜を金属箔とすることで、音圧検出器の出力
における位相の温度依存性が改善されて、広い温度範囲
で位相変化が安定した出力を得ることができる。
【0017】更に第3の発明のように、高い入力インピ
ーダンスのFETと金属箔からなる振動膜を用いたバッ
クエレクトレット型コンデンサーマイクロホンを音圧検
出器に使用することで、上記第1、2の発明の相乗作用
により、音圧検出器における出力の位相の温度依存性が
著しく改善され、温度による位相の変化が無視できる程
度の大きさになる。よって、広い温度範囲で位相変化が
安定した出力が得られる。
【0018】また第4の発明のように、音圧検出器とし
て圧電振動板を使用することで、温度による音圧検出器
の出力の位相変化を防止できる。このため温度依存性が
著しく改善できて、広い温度範囲で使用できるようにな
る。また圧電振動板は例えば上記のバックエレクトレッ
ト型コンデンサマイクロホンより安価であるため、コス
トダウンも図れる。
【0019】
【実施例】以下に添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。
【0020】図1〜2は本発明に係る第1実施例の音響
式ジャイロを示した。この音響式ジャイロは、音響的に
閉じたケース10を用いてなるものであり、ケース10
の内側には空気等の流体が満たされている。
【0021】ケース10の内部には、略中央部に透孔を
有する隔壁11、並びに隔壁11の上端に一体に連結さ
れた平板状の隔壁12が形成されている。隔壁11によ
って、ケース10の内側が容積V1の部屋13と容積V
2の部屋14とに分けられる。また隔壁11の透孔には
音源となるスピーカ20が取り付けられている。隔壁1
2とケース10の上面との間には、上記2つの部屋1
3、14を連結ないし連通する、長さlの検出チャネル
15が形成されている。
【0022】ケース10の上面には、一対のバックエレ
クトレット型コンデンサーマイクロホン31、32が距
離dで取付けられている。これらバックエレクトレット
型コンデンサーマイクロホン31、32によって検出チ
ャネル15の両側の点Q1、Q2における音圧がそれぞ
れ検出される。これらバックエレクトレット型コンデン
サーマイクロホン31、32の出力の位相差は、例えば
図1に示したように、増幅器41、42を介して位相比
較器43に入力される。位相比較器43は、これらの入
力の位相差に応じた出力を発生し、この出力は指示計器
44に表示される。
【0023】この実施例の音響式ジャイロでは、例えば
図1に示した発振器45からの信号によって、スピーカ
20が駆動された場合、部屋13と14には絶対値が等
しく符号が反対の体積変化が差動的に与えられる。そし
てこのスピーカ20により与えられる振動的な体積変化
によって検出チャネル15内部の空気には振動的な流れ
が発生する。
【0024】ここで、この実施例の音響式ジャイロは、
隔壁11により仕切られた部屋13と14が検出チャネ
ル15によって連結されて音響共振系を構成し、またこ
の音響共振系における共振角速度ωは、式(1)とな
る。
【0025】
【数1】
【0026】但し、Lは検出チャネル15の音響イナー
タンスであり、L=ρl/S(ρ:ケース10の内部の
流体の密度、S:検出チャネル15の断面積)で表され
る。またC1、C2をそれぞれ容積V1、V2の部屋1
3、14の音響コンプライアンスとすれば、Co=C1
・C2/(C1+C2)となる。尚、音響コンプライア
ンスC1、C2はそれぞれ、C1=V1/γPo、C2
=V2/γPo(γ:流体の比熱比、Po:ケース10
の内部の流体の静圧力)で表される。更に、C´は、音
源の出力インピーダンスを表すコンプライアンスであ
り、音源であるスピーカ20のコーン部が音圧を受けて
撓む度合いを示す。
【0027】そして、ケース10が静止している状態に
おいて、スピーカ20が角周波数ωの正弦波出力によっ
て駆動された場合、検出チャネル15の内部の空気は、
u(t)=Ucosωt(但し、t:時間、U:速度振
幅)の速度で、検出チャネル15の長さl方向に振動す
る。
【0028】上記の振動時において、検出チャネル15
において点Q1、Q2に生じる音圧は互いに等しくp
(t)であり、これは点Q1、Q2が例えば検出チャネ
ル15の長さ方向の中央に位置する場合、式(2)で表
される。そして、検出チャネル15の駆動音圧が0にな
る音響的中立点は、V1=V2であれば、検出チャネル
15の中央であり、またこの音響的中立点ではp(t)
=0となる。
【0029】
【数2】
【0030】一方、ケース10が、垂直線Z−Zの回り
に角速度Ωで回転している場合、点Q1、Q2にはコリ
オリの力より、Δp(t)=2ρdΩu(t)=2ρd
ΩUcosω(t)なる差圧が発生する。そしてこの差
圧は、上記の静止状態における点Q1、Q2の音圧に、
それぞれ1/2つづに分けられて加減算される。つまり
ケース10が回転している時の点Q1、Q2の音圧をそ
れぞれp1(t)、p2(t)とすれば、これらは式
(3)、(4)となる。またこれらの式において、A、
θはそれぞれ式(5)、(6)である。
【0031】
【数3】
【0032】
【数4】
【0033】
【数5】
【0034】
【数6】
【0035】このようにして、ケース10の回転に応じ
た位相差がバックエレクトレット型コンデンサーマイク
ロホン31、32の出力から検出される。そしてこの位
相差に基づいて、従来と同様にして、ケース10の回転
角速度が求められる。
【0036】ここで、バックエレクトレット型コンデン
サーマイクロホンは、図3に示したように、マイクのカ
バー1の中に振動膜2、スペーサー3、背極(固定極)
板4、FET5を内蔵した構造である。そして、背極板
4にはエレクトレット帯電処理によって、永久に持続す
る電荷4aが付着されている。従って、振動膜2とスペ
ーサー3と背極板4とによって、コンデンサーが形成さ
れている。尚、上記の電荷4aに代えて、振動膜2の背
極板4との対向面に電荷を付着する構成であっても良
い。
【0037】このような構成を備えたバックエレクトレ
ット型コンデンサーマイクロホン31、32において、
振動膜2に音圧が作用すると、音圧に対応して振動膜2
が変位し、従って振動膜2と背極板4との距離が変化す
るため、上記のコンデンサーの容量が変化する。このコ
ンデンサー両極間の電圧Vcは、以下の式(7)で表さ
れる。但し、Q:背極板4に生成された電荷、C:コン
デンサ容量、ε:両極間に挟まれた物質(この場合は空
気)の誘電率、A:対向両極の面積、l:対向両極の距
離、である。
【0038】
【数7】
【0039】よって、音圧により振動膜2が変位した時
のコンデンサー両極間の電圧Vcの時間的変化は、下式
(8)となり、振動膜2の変位に対応した電圧となる。
【0040】
【数8】
【0041】このコンデンサーの電圧Vcは、図4のよ
うに、FET5のゲートGとソースS間に印加され、バ
ックエレクトレット型コンデンサーマイクロホンの出力
電圧VoとしてFET5のドレンDと抵抗Rの間より取
出されている。尚、FET5のソースSはアースに接続
され、またドレンDは抵抗Rを介して電源電圧Vに接続
されている。この出力電圧Voは、Vo=V−R・Id
で求めることができる。但し、IdはFETのドレン電
流である。また、ゲート電圧Vgとドレン電流Idとの
関係は図5に示した通りであり、ドレン電流Idは、ゲ
ート電圧Vg、即ちコンデンサーの電圧Vcに対応して
流れる。よってバックエレクトレット型コンデンサーマ
イクロホン出力電圧Voは、音圧に対応した出力とな
る。
【0042】ところで、バックエレクトレット型コンデ
ンサーマイクロホンにおいては、上記のコンデンサ容量
Cと、FET5のゲートGの入力インピーダンスRgと
で形成される時定数τ=CRgが存在する。従ってバッ
クエレクトレット型コンデンサーマイクロホンの出力の
位相θは、(9)式のようにこの時定数τに依存するよ
うになる。但し、fe=1/2πCRg、f:音圧の周
波数(スピーカ20の駆動周波数)。
【0043】
【数9】
【0044】また、FET5のゲートGの入力インピー
ダンスRgは、温度依存性があり、温度上昇とともに指
数関数的に減少し、例えば80℃では25℃に比べて2
桁以上減少する。ここで、FET5が接合型FETであ
る場合には、入力インピーダンスRgは25℃では1.
1×1011Ω、60℃では2.0×109 Ω、80℃で
は6.7×108 Ωである。そして、スピーカ20の駆
動周波数fが例えば200Hzの場合には、上記の位相
θは25℃で0.029deg(feは0.1Hz)、
60℃で1.575deg(feは5.5Hz)、80
℃で4.688deg(feは16.4Hz)となる。
但し、コンデンサ容量Cは約1.45×10-11 (F)
とした。よって、環境温度が80℃になると25℃の時
に比べて位相θは約4.7deg変化してしまう。尚、
参考までに、周波数fが430Hzの場合は、位相θは
25℃で0.013deg、60℃で0.7deg、8
0℃で2.1degである。
【0045】一方、FET5として、入力インピーダン
スがMOSFETを用いた場合、入力インピーダンスR
gが25℃では1014〜1015Ω、80℃では1011〜
1012Ωであるため、環境温度が25℃から80℃にな
って入力インピーダンスRgが3桁変化した場合でも、
25℃で位相θが3×10-5〜3×10-6deg(fe
は1.06×10-4〜1.06×10-5Hz)、80℃
では位相θが0.03〜0.003deg(feは0.
106〜0.0106×10-5Hz)であり、80℃に
なっても位相θの変化は最大0.03deg程度であ
る。尚、スピーカ20の駆動周波数fは200Hzとし
た。よって、FET5にMOSFETのように入力イン
ピーダンスが1014〜1015Ω(温度25℃)のFET
を用いることで、上記のように接合型FETを用いた場
合に比べて温度依存性が格段に少なくなる。
【0046】尚、位相θは、上記の式(6)から明らか
なように、スピーカ20の駆動角周波数ωが低い程大き
くなり、従って上記の駆動周波数fが小さい程大きくな
るが、図6のように、FET5の周波数fに対するゲイ
ン(dB)が周波数200Hz程度以上で安定するなど
の理由から、スピーカ20の駆動周波数fとしては、通
常は200〜500Hzが用いられる。また、上記の式
(1)により得られる共振角周波数でスピーカ20を駆
動するのが音響式ジャイロにおける消費電力を最小限に
できるとの理由からも、スピーカ20は200〜500
Hz程度の周波数で駆動するのが実用的である。
【0047】次に、第2実施例の音響式ジャイロは、上
記の音圧検出器としてのバックエレクトレット型コンデ
ンサーマイクロホンとして、振動膜2が5〜10μm程
度のニッケル箔などの金属箔で作られたものである。
【0048】ここで、従来のバックエレクトレット型コ
ンデンサーマイクロホンでは、振動膜2が樹脂フィルム
で作られている。このような樹脂フィルム製の振動膜2
の場合、樹脂の粘弾性によって、振動膜2が受ける音圧
に伴う振動膜2の変位の位相が温度依存性を受けてしま
う。つまり、振動膜2にかかる正弦波圧力が加わった場
合における振動膜2の変位の位相θには、tanθ=ω
・c/kなる式がなりたつ。ここで、ωは圧力(正弦波
圧力)の角周波数で、音響式ジャイロの場合にはスピー
カ20の駆動各周波数であり、一定値である。またcは
粘性係数、kはばね定数である。そしてこれら粘性係数
cやばね定数kは温度によって大きく変化し、特にガラ
ス転移点の前後では大きく変化する。従って、振動膜2
が樹脂フィルムである場合、温度による粘性係数cやば
ね定数kの変化に伴い、振動膜2の圧力に対する変位の
位相θが大きくずれるようになり、この結果、広い温度
範囲にわたって音響式ジャイロから安定した位相変化の
出力が得られなくなる。
【0049】一方、第2実施例のように振動膜2を金属
箔とすることで、この金属箔が、音響式ジャイロが使用
される一般的な温度範囲である−30℃〜80℃におい
て剛体であるとみなせ、よって金属箔の粘性係数cやば
ね定数kの温度変化が極めて小さくて無視できる程度と
なる。そしてこの結果、上記のような温度変化による位
相ずれが生じることがなく、広い温度範囲において位相
変化の安定した出力を得ることができる。
【0050】尚、以上のように振動膜2を金属箔とする
とともに、実施例1のようにFET5をMOSFETと
する構成を併用することで、相乗作用により、一層の効
果が得られ、音響式ジャイロの出力における位相変化を
極めて安定したものとできることは勿論である。
【0051】第3実施例の音響式ジャイロでは、第1,
第2実施例においてバックエレクトレット型コンデンサ
ーマイクロホン31、32に代えて、圧電振動板を用い
たものであり、その他の構成は、実施例1、2と同様で
ある。
【0052】図7はこのような圧電振動板の一例を示し
た。この圧電振動板は、黄銅板やステンレス板などの金
属板21の上面に接着剤22を介して圧電体薄膜23を
接着するとともに、この圧電体薄膜23の上面に銀など
からなる電極24を形成して構成される。圧電体薄膜2
3としては、例えば圧電セラミックスが用いられる。ま
た図9に、音圧検出器として圧電振動板を用いた実施例
3の音響式ジャイロと、同じくバックエレクトレット型
コンデンサーマイクロホンを用いた音響式ジャイロにお
ける、音圧検出器の出力信号における位相の温度(℃)
に対する依存性を示したもので、環境温度20℃の位相
を基準として、これと−30℃〜80℃における各位相
との位相ずれを表したものである。そして、バックエレ
クトレット型コンデンサーマイクロホンの場合、環境温
度が40℃以上では位相の変化が著しいのに対し、圧電
振動板の場合には環境温度が40℃以上でも位相変化が
極めて小さい。よって、実施例3のように圧電振動板を
用いることで、特に環境温度40℃以上において著しい
効果が得られ、位相変化が安定した出力が得られる。
【0053】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、音圧検出
器の出力における位相の温度依存性が抑えられる結果、
広い温度範囲で安定して使用することができる音響式ジ
ャイロを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の音響式ジャイロの平面図であ
る。
【図2】(a)は図1におけるA−A線の断面図、
(b)は同じくB−B線の断面図である。
【図3】音圧検出器として用いられるバックエレクトレ
ット型コンデンサーマイクロホンの一部断面斜視図であ
る。
【図4】図3のバックエレクトレット型コンデンサーマ
イクロホンの回路図である。
【図5】バックエレクトレット型コンデンサーマイクロ
ホンにおけるゲート電圧とドレン電流との関係を示した
グラフである。
【図6】バックエレクトレット型コンデンサーマイクロ
ホンにおける出力の周波数特性を示したグラフである。
【図7】(a)は実施例の音響式ジャイロに用いる圧電
振動板の平面図、(b)は同じく側面図である。
【図8】圧電振動板と従来のバックエレクトレット型コ
ンデンサーマイクロホンとにおける出力の位相の温度依
存性を示したグラフである。
【符号の説明】
1…カバー 2…振動膜 3…スペーサ 4…背極板 5…FET 10…ケース 11、12…隔壁 13、14…部屋 15…検出チャネル 20…スピーカ 21…金属板 22…接着剤 23…圧電体薄膜 24…電極 31、32…バックエレクトレット型コンデンサーマイ
クロホン 43…位相比較器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出チャネルにより連結された2つの部
    屋を有するケースと、前記ケース内に満たされた流体を
    駆動する音源と、前記検出チャネル内の所定の場所での
    音圧を検出する音圧検出器とを有し、前記音圧の位相変
    化に基づいて前記ケースの回転角速度を検知する音響式
    ジャイロにおいて、 前記音圧検出器が、入力インピーダンスが1014〜10
    15ΩのFETを容量−電流変換素子として用いてなるバ
    ックエレクトレット型コンデンサーマイクロホンである
    ことを特徴とする音響式ジャイロ。
  2. 【請求項2】 検出チャネルにより連結された2つの部
    屋を有するケースと、前記ケース内に満たされた流体を
    駆動する音源と、前記検出チャネル内の所定の場所での
    音圧を検出する音圧検出器とを有し、前記音圧の位相変
    化に基づいて前記ケースの回転角速度を検知する音響式
    ジャイロにおいて、 前記音圧検出器が、音圧検出用の振動膜が金属箔からな
    るバックエレクトレット型コンデンサーマイクロホンで
    あることを特徴とする音響式ジャイロ。
  3. 【請求項3】 検出チャネルにより連結された2つの部
    屋を有するケースと、前記ケース内に満たされた流体を
    駆動する音源と、前記検出チャネル内の所定の場所での
    音圧を検出する音圧検出器とを有し、前記音圧の位相変
    化に基づいて前記ケースの回転角速度を検知する音響式
    ジャイロにおいて、 前記音圧検出器が、入力インピーダンスが1014〜10
    15ΩのFETを容量−電流変換素子として用いるととも
    に、音圧検出用の振動膜が金属箔からなるバックエレク
    トレット型コンデンサーマイクロホンであることを特徴
    とする音響式ジャイロ。
  4. 【請求項4】 検出チャネルにより連結された2つの部
    屋を有するケースと、前記ケース内に満たされた流体を
    駆動する音源と、前記検出チャネル内の所定の場所での
    音圧を検出する音圧検出器とを有し、前記音圧の位相変
    化に基づいて前記ケースの回転角速度を検知する音響式
    ジャイロにおいて、 前記音圧検出器が圧電振動板であることを特徴とする音
    響式ジャイロ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6792381B2 (en) * 2002-05-06 2004-09-14 Avaya Technology Corp. Apparatus and method for locating devices using an acoustic gyroscope
JP2010014524A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Aisin Aw Co Ltd ナビゲーション装置、車両、及びナビゲーションプログラム

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