JPH0755119Y2 - デジタル表示製図機におけるスケール微動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スケールの回転角度やXY方向移動量をデジタ
ルに表示するデジタル表示製図機に関する。

従来の技術 スケールの回転角度やXY方向移動量をデジタルに表示す
るデジタル表示製図機は、例えば、特公昭58-37919号公
報或いは特公昭58-37920号公報等に記載されている。

考案が解決しようとする問題点 スケールの回転角度や移動距離をデジタルに表示する製
図機の問題点は、例えば、スケールの回転角度を10°0
5′のように５′単位の高精度で表示した場合、スケー
ルの微動で最小単位付近の数値が目まぐるしく変わり、
読み取りが面倒で煩わしく、作図作業の能率を低下させ
る点にある。

問題点を解決するための手段 そこで、本考案は、スケールの回転角度をデジタルに表
示するデジタル表示製図機において、該スケールのヘッ
ド部まわりの回転移動量が大となるスケールの先端部近
傍に、図板面に当接して回転可能な回転微動体を設けて
なるデジタル表示製図機におけるスケール微動装置を提
供しようとするものである。

また、本考案は、上記の装置において、回転微動体を図
板面に当接する位置と図板面から浮上した位置に移動可
能に設け、且つ常時は浮上した位置に位置するように弾
性力を付与したことを特徴とするデジタル表示製図機に
おけるスケール微動装置を提供しようとするものであ
る。

また、本考案は、上記の装置において、前記スケールの
先端部に着脱自在に取り付けた微動板に、図板面に当接
して回転可能な回転微動体を設けたことを特徴とするデ
ジタル表示製図機におけるスケール微動装置を提供しよ
うとするものである。

また、本考案は、上記の装置において、デジタル表示製
図機のヘッド部にスケールの自重による回転力を相殺す
るスケールバランス装置を兼備せしめたことを特徴とす
るデジタル表示製図機におけるスケール微動装置を提供
しようとするものである。

作用 本考案装置によれば、スケールを回転移動する際に、デ
ジタル表示の上位桁の概略の表示を見ながら、目的とす
るスケール位置の近くまでスケールを移動した後に、該
スケールのヘッド部まわりでの回転移動量が大となる該
スケール先端部近傍に設けた回転微動体を図板面に当接
して回転操作すれば、大きな回転操作量に比してスケー
ルを僅かな力で微小角度で回転させることができ、目的
とする最小単位のデジタル数値を確認しつつ、スケール
を軽快、円滑且つ正確に設定することができる。また、
スケール先端部近傍に設けた回転微動体を回転操作する
から、スケールの目盛の視認を邪魔しないで回転微動体
の操作をすることができる。

また、上記の装置において、回転微動体を図板面に当接
する位置と図板面から浮上した位置に移動可能に設け、
且つ常時は浮上した位置に位置するように弾性力を付与
した装置によれば、回転微動体を必要なときだけ図板に
当接して使用することができるから、デジタル表示の上
位桁の概略の表示を見ながら、目的とするスケール位置
の近くまでスケールを大きく回転移動する際に、邪魔に
ならず、軽快な回転移動が可能である。

また、上記の装置において、前記スケールの先端部に着
脱自在に取り付けた微動板に、図板面に当接して回転可
能な回転微動体を設けた本考案装置によれば、本考案装
置をスケールに容易に着脱することができ、この場合、
デジタル製図機において、線引等の作図に直接に携わる
部材として共通する構造を有するスケールに、前記回転
微動体を装着するだけで、本考案のスケール微動装置を
任意に取り付けることができ、且つ、本考案のスケール
微動装置は、デジタル検出部やデジタル表示部をヘッド
部の中枢部に具備するデジタル製図機において、ヘッド
部等になんら設計変更等を加えることなく、ヘッド部か
ら遠く離れて位置するスケール先端部に簡単に着脱して
設けることができる。

また、スケールの自重による荷重をバランスさせるスケ
ールバランス装置を備えたデジタル表示製図機の場合、
スケールは概略設定した任意の位置でバランスし停止状
態にあるから、何等の荷重を受けることなく円滑に回転
微動体の回転操作で、スケールを目的とする最小単位の
デジタル表示位置に設定することができる。

実施例 以下図示する実施例により、本考案を詳細に説明する
と、第１図はデジタル表示製図機を示し、１は図板、２
は図板１に万力３により取り付けたＸレール、４はＸレ
ール２に沿って移動するＸカーソルにジョイント５を介
して直角に取り付けられたＹレール、７はＹレール４に
沿って移動するＹカーソルに連結機構６を介して連結さ
れたスケール操作用のヘッド部、８はヘッド部７のハン
ドル操作により図板面を移動又は回転操作されるスケー
ル、９は下部レール11に沿って移動する下部レバー12に
支持されるようにＹレール４の下端部に設けた下部ロー
ラである。また、Ｙレール４にはＹカーソルの案内レー
ルと平行してバランスウエイト用のレールが設けてあ
り、Ｙカーソルに加えるスケール及びヘッド部等の荷重
とバランスウエイトの荷重とが釣り合って移動するよう
に連結してある。また、XYデジタル表示製図機では、例
えば特公昭61-10316号公報に記載されているように、Ｘ
レール２及びＹレール４に沿って、スリットを施したメ
インスケールが張設してあると共に、Ｘカーソル及びＹ
カーソルにサブスケール及び発光素子、受光素子からな
る光学的移動検出部が設けてあり、ヘッド部７及びスケ
ール８のXY方向の移動量を検出し、或いは、回転角度デ
ジタル表示製図機では、ヘッド部７の不動部のスリット
を施した円形スケールに対して回転部にサブスケール及
び光学的回転検出素子を設け、スケール８の回転角度を
検出し、それぞれの移動量をヘッド部７に設けた表示部
20にデジタルに表示し得るように構成してある。

10は前記スケール８の先端に取り付けた本考案装置の微
動板である。

微動板10は、実施例の場合、第２図乃至第４図の如く、
スケール８の先端部に設けた断面逆台形の取付金具13に
先端方向からスライドして嵌合する嵌合溝14を具備し、
カム式の固定ツマミ15により固定される手段に構成して
ある。微動板10の先端部には、取付孔16が穿設してあ
り、該取付孔16に外周にゴム、合成樹脂等の当接面17a
を有するローラ等からなる回転微動体17が回転自在に設
けてある。実施例の場合、回転微動体17は、スケール８
の長手方向に沿って取付孔16を横断するねじ込み固定式
のローラ軸18に緩く回転自在に嵌合する段部を備えたロ
ーラからなり、ローラ軸18に対して、図板１面に当接す
る位置と図板に当接しない浮上した位置に移動し得るよ
うに設けてあり、前記段部に係合するばね部材19により
常時は浮上した位置に位置し、ばね部材19に抗してロー
ラを押圧したときに当接面17aが図板１面に当接するよ
うに構成してある。

上記のスケール先端部近傍に回転微動体17を設置する構
成は、スケールのヘッド部まわりの回転半径がヘッド部
近傍の回転半径に対して大きく、回転微動体の回転量が
大となる位置にあるから、スケールの微動回転操作に適
している。第５図及び第６図に示すデジタル表示製図機
のヘッド部７において、21は連結部６に一体に取り付け
られる不動部で、軸受部22を一体に備えている。軸受部
22はヘッド軸を回転自在に軸受けし、ヘッド軸の上部に
はハンドル23、下部にはスケール取付板24が一体に固定
されている。25はスケール取付板24の大部分を覆う回転
部カバー体で、該カバー体25の表面にデジタル表示部20
が設けてある。また、スケールの回転バランス装置とし
て、ヘッド軸に沿った不動部と回転部との間には引張ば
ね部材が設けてある。該引張ばね部材の一端はヘッド軸
を中心に半径方向に移動可能に設けた回転部のコマ部材
に取り付けてあると共に、他端は不動部にヘッド軸に当
接するように移動可能に設けた当接部材に取り付けてあ
り、引張ばね部材のばね弾力を回転部の自重による回転
力をバランスさせる一方、引張ばね弾力を当接部材を介
して回転軸に付勢することにより、ヘッド軸に加わるば
ね弾力を相殺し、回転部の回転力を適宜にバランスして
スケールが自重により回転しないように構成してある。
第６図において、26は前記コマ部材の回転半径位置を移
動調整するバランス調整部材で、コマ部材のヘッド軸を
中心とする回転半径が大きいほど引張ばね部材の引張半
径が大きくなり、バランス力が増大する。実施例の場
合、バランス調整部材26は回転部に半径方向に案内され
たコマ部材に螺合するねじ軸からなり、その回転に伴っ
てコマ部材の回転半径位置を設定することができるよう
に構成してある。このスケールの回転荷重のバランス装
置により、スケールは常時任意の位置で停止しているこ
とができる。

その他、27はデジタル表示値を選択するキー部材、28は
アナログ表示可能な分度盤である。

上記の実施例において、例えば、第１図の実施例におい
て、Ｙレール４をＸレール２に、ＹカーソルをＹレール
にそれぞれブレーキ装置で固定し、スケール８をヘッド
部７に対して回転走査する状態で、回転微動体17を回転
させると、ヘッド部７を中心とするスケール８の微動回
転ができる。この場合、回転微動体17はスケール８のヘ
ッド部７まわりでの回転半径が大で回転移動量が大とな
る該スケール８の先端部近傍に設けてあるから、大きな
回転操作量に比しスケールを僅かな力で微小角度で回転
させることができ、目的とする最小単位のデジタル数値
を確認しつつ、スケールを軽快、円滑且つ正確に設定す
ることができる。また、回転微動体17を常時は浮上した
位置に位置するように弾性力を付与した装置によれば、
回転微動体17を必要なときだけ図板１に当接して使用す
ることができるから、スケール８を回転移動する際に、
デジタル表示の上位桁の概略の表示を見ながら、目的と
するスケール位置の近くまで回転微動体17を浮上状態に
してスケール８を大きく軽快に回転移動することができ
る。また、上記の装置において、前記スケールの先端部
に着脱自在に取り付けた微動体10に、回転微動体17を設
けた本考案装置によれば、本考案装置をスケール８に容
易に着脱することができ、この場合、デジタル製図機に
おいて、前記回転微動体17を装着するだけで、本考案の
スケール微動装置を任意に設けることができ、且つ、本
考案のスケール微動装置は、デジタル検出部やデジタル
表示部をヘッド部の中枢部に具備するデジタル製図機に
おいて、ヘッド部７等になんら設計変更等を加えること
なく、ヘッド部７から遠く離れて位置するスケール先端
部に簡単に着脱して設けることができる。また、スケー
ルの自重による荷重をバランスさせるスケールバランス
装置を備えたデジタル表示製図機の場合、スケールは概
略設定した任意の位置でバランスし停止状態にあるか
ら、何等の荷重を受けることなく円滑に回転微動体の回
転操作で、スケールを目的とする最小単位のデジタル表
示装置に設定することができる。

効果 以上の通り、本考案に係るデジタル表示製図機における
スケール微動装置によれば、スケールの回転角度をデジ
タルに表示するデジタル表示製図機において、該スケー
ルのヘッド部まわりの回転移動量が大となるスケールの
先端部近傍に、図板面に当接して回転可能な回転微動体
を設けてなる構成を有するから、スケール先端部近傍に
設けた回転微動体を図板面に当接て回転操作すれば、大
きな回転操作量に比しスケールを僅かな力で微小角度毎
に回転させることができ、目的とする最小単位のデジタ
ル数値を確認しつつ、スケールを軽快、円滑且つ正確に
設定することができる効果があり、また、スケール先端
部近傍に設けた回転微動体を回転操作するから、スケー
ルの中間の目盛の視認を邪魔しないで回転微動体の操作
をすることができる効果がある。

また、上記の装置において、回転微動体を図板面に当接
する位置と図板面から浮上した位置に移動可能に設け、
且つ常時は浮上した位置に位置するように弾性力を付与
した構成によれば、回転微動体を必要なときだけ図板に
当接して使用することができるから、目的とするスケー
ル位置の近くまでスケールを大きく回転移動する際に、
回転微動体を図板面から浮上させておくことができ、邪
魔にならず、デジタル表示の上位桁の概略の表示を見な
がら、スケールの軽快な回転移動ができる効果がある。

また、上記の装置において、前記スケールの先端部に着
脱自在に取り付けた微動板に、図板面に当接して回転可
能な回転微動体を設けた構成によれば、本考案装置をス
ケールに容易に着脱することができ、この場合、デジタ
ル製図機において、綿引等の作図に直接に携わる部材と
して共通する構造を有するスケールに、前記微動板を装
着するだけで、本考案のスケール微動装置を任意に取り
付けることができ、且つ、本考案のスケール微動装置
は、ヘッド部から遠く離れて位置するスケール先端部に
簡単に着脱して設けることができるから、デジタル検出
部やデジタル表示部をヘッド部の中枢部に具備するデジ
タル製図機において、ヘッド部等になんら設計変更等を
加えることなく、スケール微動装置を設けることができ
る効果がある。

また、上記の装置において、デジタル表示製図機のヘッ
ド部にスケールの自重による回転力を相殺するスケール
バランス装置を兼備せしめた構成によれば、スケールは
概略設定した任意の位置でバランスし停止状態にあるか
ら、何等の荷重を受けることなく円滑にに回転微動体の
回転操作で、スケールを目的とする最小単位のデジタル
表示位置に、円滑に設定することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の使用態様を示す平面
図、第２図はその要部を示す平面図、第３図はその正面
図、第４図は第２図のＡ−Ａ線に沿って縦断して示す縦
断側面図、第５図はデジタル表示製図機のヘッド部の一
実施例を示す平面図であり、第６図はその正面図であ
る。 １……図板 ２……Ｘレール ４……Ｙレール ６……連結機構 ７……ヘッド部 ８……スケール 10……微動板 13……取付金具 14……嵌合溝 15……固定ツマミ 16……取付孔 17……回転微動体 18……ローラ軸 19……ばね部材 20……デジタル表示部 21……不動部 22……軸受部 23……ハンドル 24……スケール取付板 25……回転部カバー体 26……バランス調整部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−71742（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−189898（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−42693（ＪＰ，Ｕ)

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スケールの回転角度をデジタルに表示する
   デジタル表示製図機において、該スケールのヘッド部ま
   わりの回転移動量が大となるスケールの先端部近傍に、
   図板面に当接して回転可能な回転微動体を設けてなるデ
   ジタル表示製図機におけるスケール微動装置
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲（１）に記載の装
   置において、回転微動体を図板面に当接する位置と図板
   面から浮上した位置に移動可能に設け、且つ常時は浮上
   した位置に位置するように弾性力を付与したことを特徴
   とするデジタル表示製図機におけるスケール微動装置
3. 【請求項３】実用新案登録請求の範囲（１）又は（２）
   に記載の装置において、前記スケールの先端部に着脱自
   在に取り付けた微動板に、図板面に当接して回転可能な
   回転微動体を設けたことを特徴とするデジタル表示製図
   機におけるスケール微動装置
4. 【請求項４】実用新案登録請求の範囲（１）、（２）又
   は（３）に記載の装置において、デジタル表示製図機の
   ヘッド部にスケールの自重による回転力を相殺するスケ
   ールバランス装置を兼備せしめたことを特徴とするデジ
   タル表示製図機におけるスケール微動装置