JPH0754917A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JPH0754917A
JPH0754917A JP1145594A JP1145594A JPH0754917A JP H0754917 A JPH0754917 A JP H0754917A JP 1145594 A JP1145594 A JP 1145594A JP 1145594 A JP1145594 A JP 1145594A JP H0754917 A JPH0754917 A JP H0754917A
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JP
Japan
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vibration
fluid
vibration damping
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damping device
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JP1145594A
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English (en)
Inventor
Jo Watanabe
丈 渡辺
Toru Inazuka
徹 稲塚
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲の周波数帯に亘る振動を抑制すること
ができる制振装置を得る。 【構成】 圧縮機C を室外機底板B に対して制振装置1
により支持させる。制振装置1 にシリンダ4 とピストン
5 とを備えさせ、ピストン5 の上端部を直動軸受2 及び
球面軸受3 を介して圧縮機C に連接する。シリンダ4 の
下端部を室外機底板B に連接する。ピストン5 とシリン
ダ4 との間に流体室A を形成し、該流体室A 内にER流
体8 を収容させ、ピストン5 に配設した電極6 とシリン
ダ4 とに電源9 を接続する。圧縮機C の室外機底板B に
対する相対振動を検出し、この振動が0に近付くように
電極6 とシリンダ4 との間の印加電圧を調整し、この印
加電圧によって設定されるER流体8 の粘性を調整する
ことにより圧縮機C の振動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制振装置に係り、特
に、広範囲の周波数帯に亘る振動を抑制することができ
る装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば実開平2−13112
8号公報に開示されているような空調機に備えられてい
る圧縮機は、該圧縮機の振動を抑制することを目的とし
て、室外機のケーシング底板に対して防振ゴムによって
支持されていた。そして、運転周波数が一定値で駆動さ
れる圧縮機に対しては、このような防振ゴムの形状等を
前記運転周波数に応じたものとすることによって、圧縮
機の振動を効果的に減衰させて抑制することができるよ
うになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、運転周波数
が空調負荷等に応じて広範囲(例えば30Hz〜120Hz )に
亘って変化するインバータ制御型の圧縮機に上述のよう
な防振ゴムによる制振構造を適用した場合、運転可能な
広範囲の運転周波数帯のうち一部の周波数に対しては十
分に制振が行えるものの、それ以外の周波数帯にあって
は殆ど制振を行うことができない。そして、このような
状況では、圧縮機から発せられる振動が室外機のケーシ
ングに伝達されてしまって、室外機内の各機器への悪影
響を招いたり異音が発生するといった不具合がある。
【0004】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、広範囲の周波数帯に亘る振動を抑制することが
できる制振装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、電気粘性流体を用い、この電気粘性流
体の粘度が外部電界に応じて変化することを利用して広
範囲の周波数帯に亘る振動に対して減衰作用が発揮でき
るようにした。具体的に、請求項1記載の発明は、広範
囲の周波数帯に亘る振動を発する振動発生機器(C) と該
振動発生機器(C) を固定するための固定部材(B) との間
に配設され、前記振動発生機器(C) の振動を抑制する制
振装置を対象としている。そして、前記振動発生機器
(C) に連接され、該振動発生機器(C) からの振動を受け
て往復動する受振部材(5) と、前記固定部材(B) に連接
され、前記受振部材(5) に対して該受振部材(5) の往復
動方向と直角な方向に所定間隔を存して対向配置され
て、前記受振部材(5) との間に流体室(A) を形成する制
振部材(4) とを備えさせる。また、前記流体室(A) に、
外部電界に応じて粘度が変化する電気粘性流体(8) を収
容させ、この電気粘性流体(8) の外部電界を制御する電
界制御手段(20)を備えさせるような構成としている。
【0006】請求項2記載の発明は、電気粘性流体(8)
の外部電界を制御する構成をより具体化したものであっ
て、前記請求項1記載の制振装置において、電界制御手
段(20)に、流体室(A) に収容された電気粘性流体(8) に
臨む一対の電極(6),(4b)と該電極(6),(4b)に電圧を印加
する電源手段(9) とを備えさせ、該電源手段(9) から各
電極(6),(4b)間に印加する電圧を調整することによって
外部電界を制御するような構成としている。
【0007】請求項3記載の発明は、前記請求項2記載
の制振装置において、受振部材(5)及び制振部材(4) の
少なくとも一方を導電性の部材で成し、該受振部材(5)
及び制振部材(4) の少なくとも一方が電極(4b)を兼用す
るように電源手段(9) を接続させるような構成とした。
【0008】請求項4記載の発明は、前記請求項2また
は3記載の制振装置において、電源手段(9) が接続され
ている電極(6),(4b)を、受振部材(5) 及び制振部材(4)
に一体的に設けると共に、該電極(6),(4b)を流体室(A)
内において受振部材(5) の往復動方向に沿って長尺に形
成するような構成とした。
【0009】請求項5記載の発明は、前記請求項1,
2,3または4記載の制振装置において、振動発生機器
を空調機の室外機に備えられた圧縮機(C) とし、受振部
材(5)を該圧縮機(C) に連接させる一方、固定部材を室
外機のケーシング底板(B) とし、制振部材(4) を該ケー
シング底板(B) に連接させるような構成とした。
【0010】請求項6記載の発明は、前記請求項5記載
の制振装置において、圧縮機(C) を、駆動に伴って水平
方向に延びる中心軸を揺動中心として揺動を発する横置
型とし、受振部材(5) を、圧縮機(C) の揺動運動を受振
部材(5) の往復運動に変換可能とするように、直動軸受
(2) 及び球面軸受(3) を介して圧縮機(C) の外側面に連
接させるような構成とした。
【0011】請求項7記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5または6記載の制振装置において、受振
部材(5) と制振部材(4) との間に、制振部材(4) に対す
る受振部材(5) の位置を変更可能とする位置変更手段
(7),(S) を設けるような構成とした。
【0012】請求項8記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5,6または7記載の制振装置において、
流体室(A) を密閉部材(10)によって密閉し、該流体室
(A) に電気粘性流体(8) を収容する流体収容部(A1)と該
流体収容部(A1)の上方に形成された空間部(A2)とを備え
させるような構成とした。
【0013】請求項9記載の発明は、前記請求項8記載
の制振装置において、密閉部材(10)によって密閉された
流体室(A) の空間部(A2)に不活性ガスを封入した構成と
している。
【0014】請求項10記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5,6,7,8または9記載の制振装置に
おいて、電界制御手段(20)が、振動発生機器(C) の発す
る振動周波数に応じて電気粘性流体(8) の外部電界を制
御するような構成とした。
【0015】請求項11記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の制振
装置において、振動発生機器(C) の振動を検出する第1
振動検出手段(11)と、固定部材(B) の振動を検出する第
2振動検出手段(12)とを備えさせる。そして、電圧制御
手段(20)に、前記第1振動検出手段(11)及び第2振動検
出手段(12)の出力信号を受け各信号レベルの差を算出す
る信号差算出手段(13),(14) と、該信号差算出手段(1
3),(14) の出力信号を受け前記各信号レベルの差に基
き、この差が0に近付くように電気粘性流体(8) の外部
電界を調整する電界調整手段(15)とを備えさせるような
構成とした。
【0016】請求項12記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5,6,7,8,9,10または11記載
の制振装置において、受振部材(5) における電気粘性流
体(8) に臨む先端部に、該受振部材(5) の往復移動時に
おいて、その先端部で流体室(A) 内の電気粘性流体(8)
を押し退けながら移動する際、該受振部材(5) の先端部
に対する電気粘性流体(8) の流れの剥離を抑制するよう
に受振部材(5) の先端部に対する電気粘性流体(8) の流
れを案内する剥離抑制手段(21)を設けるような構成とし
ている。
【0017】請求項13記載の発明は、前記請求項12
記載の制振装置において、剥離抑制手段を、受振部材
(5) の先端部の断面形状を流線形状とするように、受振
部材(5) の先端部に形成された凹陥部で成る複数のリブ
レット(21),(21),…で構成するようにしている。
【0018】請求項14記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12ま
たは13記載の制振装置において、制振部材(4) に、受
振部材(5) との間に流体室(A) を形成する流体室形成部
材(4b)と、前記受振部材(5)に接して該受振部材(5) の
往復動を案内する案内部材(4d)とを備えさせる。そし
て、前記受振部材(5) における前記案内部材(4d)に対向
する対向面に、部分的に前記案内部材(4d)表面から離さ
れた離隔部(22),(22),…を形成するような構成としてい
る。
【0019】請求項15記載の発明は、前記請求項1,
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,
13または14記載の制振装置において、制振部材(4)
に、流体室(A) の電気粘性流体(8) を交換可能とするよ
うに、一端が前記流体室(A)に開放し、他端が流体室(A)
の外部に開放された流体交換用通路(24)を形成するよ
うな構成としている。
【0020】
【作用】上記の構成により、本発明では、以下に述べる
ような作用が得られる。請求項1記載の発明では、振動
発生機器(C) から発せられる振動は、受振部材(5) に伝
達され、これに伴って該受振部材(5) が往復動される。
このような状態において、電界制御手段(20)は、受振部
材(5) と制振部材(4) との間の流体室(A) に収容されて
いる電気粘性流体(8) の外部電界を制御し、電気粘性流
体(8) を前記振動に対応した所定の粘度に設定する。こ
れにより、電気粘性流体(8) が受振部材(5) の制振部材
(4) に対する移動の抵抗として機能して受振部材(5) の
往復動が抑制され、これに伴って振動発生機器(C) の振
動は減衰されて制振されることになる。そして、振動発
生機器(C) が発する振動の周波数が変化した場合、上述
した動作と同様にして電気粘性流体(8) の外部電界を制
御し、電気粘性流体(8) を振動に対応した所定の粘度に
設定する。従って、如何なる振動発生状態に対しても良
好な制振動作が行われることになる。
【0021】請求項2記載の発明では、振動発生機器
(C) を制振する際の具体的な動作として、流体室(A) に
収容された電気粘性流体(8) に臨む一対の電極(6),(4b)
に電源手段(9) から印加される電圧を電界制御手段(20)
が調整することによって外部電界が制御されることにな
る。
【0022】請求項3記載の発明では、受振部材(5) 及
び制振部材(4) の少なくとも一方が電極(4b)を兼用する
ように電源手段(9) を接続されていることにより、部品
点数の減少がなされる。
【0023】請求項4記載の発明では、振動発生機器
(C) からの振動が伝達されて受振部材(5) が往復動する
際、流体室(A) 内において受振部材(5) の往復動方向に
沿って長尺に形成されている電極(6),(4b)は、その長手
方向に相対移動することになり、このため、前記受振部
材(5) の往復動のストロークが大きいような状況であっ
ても、電気粘性流体(8) 内において電極(6),(4b)同士が
対向配置されることになる。従って、この電極(6),(4b)
間に常に安定した電圧が印加されることになり、電気粘
性流体(8) の粘度が常に最適値に維持されることにな
る。
【0024】請求項5記載の発明では、圧縮機(C) の振
動が電気粘性流体(8) の粘度変化を利用して制振される
ことになるので、室外機ケーシングへの振動の伝達が抑
制され、該室外機内の各機器への振動による悪影響を与
えるようなことがなくなる。請求項6記載の発明では、
横置型の圧縮機(C) が発する振動としての揺動運動は、
直動軸受(2) 及び球面軸受(3) により、その方向が変換
されて受振部材(5)に対し該受振部材(5) の往復運動と
して与えられる。このため、受振部材(5) に振動の伝達
が円滑に行われ、該受振部材(5) は圧縮機(C) の揺動運
動に応じた往復運動を行うことになる。
【0025】請求項7記載の発明では、位置変更手段
(7),(S) により、受振部材(5) の振動発生機器(C) に対
する連接位置や制振部材(4) の固定部材(B) に対する連
接位置に応じて、制振部材(4) に対する受振部材(5) の
位置が変更されることになり、これによって、各連接位
置が異なる種々の振動発生機器(C) の配設構造に対して
本装置の適用可能となる。
【0026】請求項8記載の発明では、流体室(A) が密
閉部材(10)によって密閉されていることにより、流体室
(A) の流体収容部(A1)に収容されている電気粘性流体
(8) と外気との接触が遮断されて、空気中の水分の吸水
率により劣化が促進される電気粘性流体(8) への悪影響
が回避される。
【0027】請求項9記載の発明では、流体室(A) の空
間部(A2)に封入される不活性ガスの吸入量を調整して密
閉部材(10)内の空間部(A2)の圧力を調整することによ
り、電気粘性流体(8) に作用する圧力が適宜設定される
ことになるので、この空間部(A2)において空気バネとし
ての機能が発揮されることになる。
【0028】請求項10記載の発明では、電界制御手段
(20)は、振動発生機器(C) の発する振動周波数に応じて
電気粘性流体(8) の外部電界を制御する。従って、様々
な振動周波数に対して最適な電気粘性流体(8) の粘度を
設定することができる。
【0029】請求項11記載の発明では、振動発生機器
(C) が振動を発している状態において、第1振動検出手
段(11)が振動発生機器(C) の振動を検出し、第2振動検
出手段(12)が固定部材(B) の振動を検出する。そして、
これら各検出手段(11),(12)の出力信号は信号差算出手
段(13),(14) に送信され、該信号差算出手段(13),(14)
において、各信号レベルの差を算出する。その後、該信
号差算出手段(13),(14) の出力信号は電界調整手段(15)
に送信され、該電界調整手段(15)によって前記各信号レ
ベルの差に基き、この差が0に近付くように電気粘性流
体(8) の外部電界が調整されて電気粘性流体(8) の粘度
が設定される。つまり、振動発生機器(C) と固定部材
(B) との相対的な振動のみを取出し、その振動に対して
のみ制振が行われることになる。
【0030】請求項12記載の発明では、受振部材(5)
が、その先端部で電気粘性流体(8)を押し退けながら移
動する際、剥離抑制手段(21)により、受振部材(5) の先
端部に対する電気粘性流体(8) の流れの剥離が抑制され
ることになる。これにより、電気粘性流体(8) が非ニュ
ートン流体であるような場合であっても、流体の剪断速
度と該流体の減衰力との関係がリニアに得られることに
なって、電気粘性流体(8) の粘度を決定する外部電界の
制御が容易に行えることになる。
【0031】請求項13記載の発明では、受振部材(5)
が、その先端部で電気粘性流体(8)を押し退けながら移
動する際、電気粘性流体(8) の流れとして、リブレット
(21)の内部を流れるものが発生することになる。そし
て、この部分では受振部材(5)の先端部の断面形状が流
線形状となっているので、この部分での電気粘性流体
(8) の乱流の発生が抑制される。このため、受振部材
(5) の先端部に対する電気粘性流体(8) の剥離が回避さ
れることになる。
【0032】請求項14記載の発明では、制振部材(4)
の案内部材(4d)と受振部材(5) とは、離隔部(22),(22),
…が形成されていない部分のみで接した状態で、受信部
材(5) は案内部材(4d)に案内されながら往復移動するこ
とになる。従って、この両者(4d),(5)の接触面積が比較
的小さくされていることから、受振部材(5) の往復移動
時における制振部材(4) との間での摩擦抵抗が低減され
ることになる。
【0033】請求項15記載の発明では、電気粘性流体
(8) が劣化して交換の要求が生じた際には、流体交換用
通路(24)によって流体室(A) から電気粘性流体(8) を抜
き取り、新たな電気粘性流体(8) を流体交換用通路(24)
によって流体室(A) に供給するようにして電気粘性流体
(8) の交換作業が行われることになる。
【0034】
【実施例】
(第1実施例)次に、第1実施例として請求項1〜11
記載の発明に係る構成を備えた制振装置について図面に
基いて説明する。尚、本例では、本発明に係る制振装置
を空調機の室外機に備えられた横置型の圧縮機の振動を
制振させるためのものとして採用した場合について説明
する。図1に示すように、本例に係る制振装置(1) は、
振動発生機器としての圧縮機(C) と固定部材としての室
外機ケーシングの底板(B) との間に介設されている。そ
して、前記圧縮機(C) は、運転周波数が空調負荷等に応
じて可変とされるインバータ制御型のものであって、そ
のケーシング外周面の側面には水平方向外側に延びる固
定フィン(C1)が突設されており、この固定フィン(C1)に
対して直動軸受(2) 及び球面軸受(3) を介して前記制振
装置(1) の上端部が連結されている一方、制振装置(1)
の下端部は室外機の底板(B) に連結されている。尚、図
1には圧縮機(C) の右側面周辺部を示しているが、左側
面周辺部にあっても同様の構成となっている。つまり、
この圧縮機(C) は左右両側面部において制振装置(1) に
よって支持されている。
【0035】以下、この制振装置(1) の構成について説
明する。この制振装置(1) は、制振部材としてのシリン
ダ(4) と受振部材としてのピストン(5) とを備えてお
り、前記シリンダ(4) は、内筒部材(4a)と該内筒部材(4
a)の外周側に配設された外筒部材(4b)とで成っている。
前記内筒部材(4a)は水平方向に延びて下面が前記室外機
ケーシングの底板(B) に固着されたリング状の底板部(4
c)と該底板部(4c)の内周縁から上方に向って延びる筒状
部(4d)とを備えている。一方、外筒部材(4b)は、前記内
筒部材(4a)の筒状部(4d)と同心円上に設置された大径の
筒体であって、その内周面は前記内筒部材(4a)の筒状部
(4d)の外周面に対して所定寸法だけ離されていて、この
外筒部材(4b)と内筒部材(4a)の筒状部(4d)との間には後
述するピストン(5) 及び電気粘性流体(8) を収容するた
めの円筒状空間が形成されている。一方、前記ピストン
(5) は、下方が開放された筒状の部材で成っており、そ
の内径寸法は前記内筒部材(4a)の筒状部(4d)の外径寸法
に一致されていると共に、その肉厚は前記外筒部材(4b)
と内筒部材(4a)の筒状部(4d)との間に形成されている円
筒状空間の幅寸法よりも小さく設定されている。従っ
て、図1に示す如く、ピストン(5) がシリンダ(4) に装
着された状態では、ピストン(5) の内周面と内筒部材(4
a)の筒状部(4d)の外周面とは密接されている一方、ピス
トン(5) の外周面と外筒部材(4b)の内周面との間には、
本発明でいう流体室(A) の液体収容部(A1)を形成する僅
かな空間が形成されている。つまり、ピストン(5) は、
シリンダ(4) の外筒部材(4b)に対して水平方向に僅かな
間隔を存して対向配置されている。また、このピストン
(5) の外周面における上端部を除いた下側部分は僅かな
寸法だけ削除されており、この部分に円筒状の内側電極
(6) が嵌め込まれている。そして、このピストン(5) の
上端部分は小径の円筒状に形成されていると共に、その
上端には円盤状の上部板(5a)が配設されており、ピスト
ン(5) の内部空間は、この上部板(5a)によって上側が閉
塞されている。また、この上部板(5a)は、その中央部か
ら上方に延びる連結ロッド(5b)を介して前記球面軸受
(3) に連結されている。
【0036】また、前記内筒部材(4a)の筒状部(4d)の内
周面の略全領域にはメネジ部(4e)が形成されており、こ
の筒状部(4d)の内部空間には、このメネジ部(4e)に噛合
するオネジ部(7a)を外周縁に備えたスプリング座(7) が
配設されている。つまり、このスプリング座(7) は回転
させることによってその上下位置が変更可能とされてい
る。そして、このスプリング座(7) と前記上部板(5a)と
の間にはコイルスプリング(S) が縮装されており、これ
によって、スプリング座(7) の上下位置を設定すること
に伴い、このスプリング座(7) にコイルスプリング(S)
を介して連結されている上部板(5a)の上下位置も設定さ
れることになり、ひいてはシリンダ(4)に対するピスト
ン(5) の高さ位置が設定されることになる。つまり、こ
のスプリング座(7) の上下位置を変更することにより固
定フィン(C1)の高さ位置が異なる種々の大きさの圧縮機
(C) に対して本装置を適用することが可能となってい
る。このようにして本発明でいう位置変更手段(7),(S)
が構成されている。また、ここで設定されるピストン
(5) の位置は、該ピストン(5) の下端部が前記内筒部材
(4a)の底板部(4c)よりも所定寸法だけ(圧縮機の振動ス
トロークよりも大きい寸法だけ)上方に位置されるよう
になっており、圧縮機(C) の振動に伴ってピストン(5)
が上下移動しても、該ピストン(5) の下端部が底板部(4
c)に接触しないようになっている。
【0037】そして、前記シリンダ(4) とピストン(5)
との間に形成されている流体室(A)の液体収容部(A1)に
は、本例の特徴とする電気粘性流体(8) (以下、ER流
体と呼ぶ)が収容されている。このER流体(8) は、例
えばシリコンオイル等のような絶縁油に、シリカゲル、
セルロース、マイカ、デンプン、カゼイン等のような導
電性を有する物質の粉体を浮遊させたコロイド状の液体
で成っており、この液体中に配置された電極間に印加さ
れる電圧に応じてその粘度が変化されるものである。つ
まり、外部電界に応じて粘度が変化するようになってい
る。
【0038】また、本制振装置(1) は電源手段としての
電源(9) を備えており、前記内側電極(6) 及びシリンダ
(4) の外筒部材(4b)に電源(9) が夫々接続されている。
これにより、このシリンダ(4) の外筒部材(4b)が外側電
極としての役割を果すようになっており、部品点数の低
減が図られている。このような構成により、電源(9)か
ら各電極(4b),(6)に印加される電圧によって前記ER流
体(8) の粘度が変化されるようになっている。つまり、
この各電極(4b),(6)に印加される電圧を0若しくは小さ
くした場合にはER流体(8) の粘度が低くなってピスト
ン(5) のシリンダ(4) に対する上下移動の抵抗は少なく
される一方、各電極(4b),(6)に印加される電圧を大きく
した場合にはER流体(8) の粘度が高くなってピストン
(5) のシリンダ(4) に対する上下移動の抵抗は大きくさ
れるように成っている。尚、この印加電圧の設定は後述
する電源コントローラ(15)によってなされる。また、図
1に示す状態では、ER流体(8) の液面は前記シリンダ
(4) の外筒部材(4b)の上端部よりも僅かに下側に位置さ
れている。
【0039】また、前記シリンダ(4) の外筒部材(4b)と
ピストン(5) 上端の上部板(5a)と間には密閉部材として
のベローズ部材(10)が架設されている。このベローズ部
材(10)はゴム製であって、その上端部はC形止め輪(10
a) によって前記上部板(5a)に嵌着され、下端部は同じ
くC型止め輪(10b) によって前記外筒部材(4b)の外周面
に嵌着されている。このような構成により、前記シリン
ダ(4) とピストン(5) との間の流体室(A) は、このベロ
ーズ部材(10)によって密閉されていることになり、外気
から遮断されている。また、このベローズ部材(10)に
は、吸引管(10c) 及び供給管(10d) が夫々貫通されてお
り、吸引管(10c) は図示しない真空ポンプに接続され
て、このシリンダ(4) とピストン(5) との間の空間を真
空状態にできるようになっている一方、供給管(10d) か
らはシリンダ(4) とピストン(5) との間の空間に不活性
ガスが吸入されるようになっている。また、これら吸引
管(10c)及び供給管(10d) は真空引き動作及び不活性ガ
ス吸入動作以外では共に閉塞されている。従って、この
ような構成では、前記流体室(A) はER流体が収容され
た流体収容部(A1)と不活性ガスが収容された空間部(A2)
とで成されている。
【0040】尚、前記直動軸受(2) 及び球面軸受(3)
は、圧縮機(C) の振動が図1に矢印で示すように圧縮機
(C) の外周面に沿った周方向の振動であるために、この
圧縮機(C) の振動に伴って前記固定フィン(C1)は揺動す
ることになり、この揺動が伝達されたピストン(5) が円
滑な上下移動を行うことができるように設けられたもの
である。つまり、直動軸受(2) のスライド移動及び球面
軸受(3) の回転移動(夫々図1の矢印参照)によって固
定フィン(C1)の揺動がピストン(5) の上下移動に変換さ
れるようになっている。
【0041】次に、本制振装置(1) の制御系について説
明する。図2及び図3に示すように、前記圧縮機(C) の
固定フィン(C1)には第1振動検出手段としての加速度ピ
ックアップ(11)が、内筒部材(4a)の底板部(4c)には第2
振動検出手段としての加速度ピックアップ(12)が夫々取
付けられており、圧縮機(C) 自体の振動状態及び室外機
の底板(B) の振動状態を夫々検出するようになってい
る。そして、これら加速度ピックアップ(11),(12) の検
出信号はチャージアンプ(13)に入力されるようになって
いる。このチャージアンプ(13)では加速度ピックアップ
(11),(12) の検出信号としての加速度信号を積分するこ
とによって速度信号に変換するようになっている。そし
て、このチャージアンプ(13)の出力信号はメインコント
ローラ(14)に入力された後、電源コントローラ(15)に入
力されるようになっている。また、前記メインコントロ
ーラ(14)では、チャージアンプ(13)から出力される両加
速度ピックアップ(11),(12) の加速度信号に基く速度信
号レベルを比較し、その差に応じた制御信号を電源コン
トローラ(15)に送信し、該電源コントローラ(15)は、こ
の制御信号に基き、前記速度信号レベルの差が0に近付
くように各電極(6),(4b)間への印加電圧を制御するよう
になっている。つまり、前記チャージアンプ(13)及びメ
インコントローラ(14)によって信号差算出手段が、電源
コントローラ(15)によって電界調整手段が夫々構成され
ている。このような構成によって本発明でいう電界制御
手段(20)が構成されている。
【0042】次に、上述の如く構成された制振装置(1)
の制振動作について説明する。圧縮機(C) の運転前に先
ず、ベローズ部材(10)内の空間部(A2)への不活性ガス吸
入動作を行う。この動作は、先ず、前記供給管(10d) を
閉塞した状態で真空ポンプを駆動させて吸引管(10c) に
よりベローズ部材(10)内の空間部(A2)の空気を吸引して
この空間部(A2)を真空状態にする。その後、前記吸引管
(10c) を閉塞し、この状態で供給管(10d) により空間部
(A2)に不活性ガスを吸入する。これにより、シリンダ
(4) とピストン(5) との間に介在されているER流体
(8) が空気に晒されることがなくなり、空気中の水分が
ER流体(8) に悪影響を与えるようなことが回避される
ことになる。具体的には、ER流体(8) は空気中の水分
の吸水率が大きくなるに伴って内部を流れる電流値が大
きくなり、流体の劣化が促進されてしまうものである
が、本構成では、このような状況の発生が回避されて装
置の長寿命化を図ることができることになる。また、こ
の不活性ガスの吸入量を調整してベローズ部材(10)内の
空間部(A2)の圧力を調整することにより、ER流体(8)
の液面に作用する圧力を適宜設定することができ、これ
により、このベローズ部材(10)内において空気バネとし
ての機能を発揮させることもできる。
【0043】このようにして不活性ガス吸入動作が終了
した後、圧縮機(C) の駆動を開始させる。この圧縮機
(C) は、インバータ制御されるため、運転周波数は可変
となっており、該圧縮機(C) の駆動に伴う図1に矢印で
示すような周方向への揺動量も変化することになる。ま
た、これに伴って固定フィン(C1)は揺動することにな
り、圧縮機(C) の運転周波数の変化に伴って、この揺動
量も変化することになる。そして、この固定フィン(C1)
の揺動は直動軸受(2) 及び球面軸受(3) によってピスト
ン(5) の上下移動に変換されることになる。つまり、圧
縮機(C) の振動がピストン(5) の上下移動として該ピス
トン(5) に伝達される。このような状況において、前記
加速度ピックアップ(11),(12) によって圧縮機(C) 自体
の振動状態及び室外機ケーシングの底板(B) の振動状態
が夫々検出されており、その検出信号がチャージアンプ
(13)に入力され、このチャージアンプ(13)において加速
度ピックアップ(11),(12) の検出信号としての加速度信
号が積分されて速度信号に変換される。そして、このチ
ャージアンプ(13)で得られた速度信号はメインコントロ
ーラ(14)に入力され、このメインコントローラ(14)で
は、チャージアンプ(13)から出力される両加速度ピック
アップ(11),(12) の加速度信号に基く速度信号レベルを
比較し、その差に応じた制御信号が電源コントローラ(1
5)に送信される。そして、該電源コントローラ(15)は、
この制御信号に基き、前記速度信号レベルの差が0に近
付くように、各電極(6),(4b)間への印加電圧が制御され
ている。このようにして各電極(6),(4b)間への印加電圧
が設定されることにより、この印加電圧に応じてER流
体(8) の粘度が決定される。このため、このER流体
(8) によってピストン(5) のシリンダ(4) に対する相対
移動(上下方向の移動)が抑制され、これに伴って圧縮
機(C) の振動は減衰されることになって圧縮機(C) が制
振されることになる。そして、圧縮機(C) の運転周波数
が変化した場合、上述した動作と同様にして各電極(6),
(4b)間への印加電圧が変更されることにより、この印加
電圧に応じてER流体(8) の粘度が変更される。従っ
て、如何なる運転周波数に対しても良好な制振動作を行
わせることができることになり、広範囲の周波数帯に亘
る振動を抑制することができ、室外機内の各機器への悪
影響や異音の発生が抑制される。
【0044】また、上述したように、両加速度ピックア
ップ(11),(12) の加速度信号に基く速度信号レベルを比
較し、その差に応じた印加電圧の制御を行うようにして
いるので、室外機に対する圧縮機(C) の相対振動のみに
対して制御を行うことができ、外部からの振動や他の機
器からの振動による外乱を除去でき、正確な圧縮機(C)
の制振動作を行うことができることになる。更に、各電
極(6),(4b)は、流体室(A) 内においてピストン(5) の往
復動方向に沿って長尺に形成されているので、ピストン
(5) の往復動のストロークが大きいような状況であって
も、ER流体(8) 内において電極(6),(4b)同士が常に対
向配置されることになり、この電極(6),(4b)間に常に安
定した電圧が印加されることになり、電気粘性流体(8)
の粘度が常時最適値に維持されることになり、制振動作
の信頼性の向上を図ることができることになる。
【0045】(第2実施例)次に、第2実施例として請
求項12〜15記載の発明に係る構成を備えた制振装置
について図4〜図10の図面に基いて説明する。尚、本
例に係る制振装置は、上述した第1実施例に改良を加え
たものであって、その基本構造は上述した第1実施例と
同様であるので、この第2実施例では第1実施例との相
違点についてのみ説明する。
【0046】図4に示すように、本例の制振装置(1) の
特徴の一つは、ピストン(5) の形状にある。以下、この
ピストン(5) の形状の特徴について説明する。このピス
トン(5) は、その下端部分に、その周方向に亘って請求
項12記載の発明でいう剥離抑制手段としての複数のリ
ブレット(21),(21),…が形成されている。詳しく説明す
ると、図5に示す如く、ピストン(5) の下端部は、その
外周面が内側に湾曲された湾曲面(5c)で形成されてい
る。そして、この湾曲面(5c)に対して凹陥されて成るリ
ブレット(21),(21),…がピストン(5) の周方向に亘って
複数箇所に形成されている。このリブレット(21)は、前
記湾曲面(5c)における下側から上側に向うに従って次第
に幅寸法が大きくなるような略三角形状の凹陥部で形成
されていると共に、図6に示すように、前記湾曲面(5c)
の周方向に亘って所定の等角度間隔を存して複数箇所
(本例では12箇所)に形成されている。つまり、この
ピストン(5) の下端部を構成している湾曲面(5c)には、
その周方向に亘り、リブレット(21)が形成されていない
部分と、リブレット(21)が形成されている部分とが交互
に存在していることになる。このような構成であるため
に、圧縮機(C) の駆動に伴ってピストン(5) が往復動す
る際において該ピストン(5) が降下する場合には、前記
湾曲面(5c)がER流体(8) を外側へ押し退けながら降下
することになるが、この降下の際、ER流体(8) の流れ
としては、図7に矢印Dで示すように、リブレット(21)
が形成されていない部分を流れるもの(湾曲面(5c)の形
状に沿って流れるもの)と、図7に矢印Eで示すよう
に、リブレット(21)の内部を流れるものとの2つの流れ
が同時に発生することになる。
【0047】また、このピストン(5) の形状のもう一つ
の特徴として、該ピストン(5) の内周面の一部は、複数
のスリット状の離隔部(22),(22),…が形成されている。
この離隔部(22)は、図4及び図8に示すように、ピスト
ン(5) の内周面の径寸法が部分的に大きく形成されて成
るものであって、幅寸法(ピストン周方向の寸法)が比
較的短く且つ上下方向寸法(ピストン高さ方向の寸法)
が比較的長く設定され、ピストン(5) の内周面の周方向
に亘って所定の等角度間隔を存した複数箇所(本例では
8箇所)に形成されている。これにより、ピストン(5)
の外周面が、請求項14記載の発明でいう流体室形成部
材としての外筒部材(4b)に対して所定間隔を存した状態
において、請求項14記載の発明でいう案内部材として
のシリンダ(4) の筒状部(4d)の外周面とピストン(5) の
内周面とが、この離隔部(22)が形成されていない部分の
みで接することになる。従って、その接触面積が上述し
た第1実施例のものに比べて小さくなっていることか
ら、ピストン(5) の往復移動時における該ピストン(5)
とシリンダ(4) との間の摩擦抵抗が低減されることにな
る。また、この離隔部(22)の上端位置は、往復動するピ
ストン(5) が上死点に位置された場合に、内筒部材(4a)
の筒状部(4d)の上端面よりも下側に位置されるように設
定されており、これにより、ピストン(5) の往復動が安
定して行われることになる。
【0048】また、本例におけるシリンダ(4) の外筒部
材(4b)の外周面には放熱フィン(23),(23),…が設けられ
ており、ER流体(8) に所定の電圧が印加されて粘度が
変化する際に該ER流体(8) からの発熱を迅速に外部に
放出できるようになっている。これは、ER流体(8) の
温度が上昇すると、ER流体(8) が低温(例えば室温)
である場合に比べて、その粘度が低くなってしまい、同
一の電圧を印加させたとしてもER流体(8) の粘度が異
なってしまうことになるので、このような状況の発生を
回避して、ER流体(8) の粘度を印加電圧に応じた適切
な値に設定可能とするように、ER流体(8) の熱を外部
に放出するようにした構成である。
【0049】そして、本例における制振装置(1) の他の
特徴として、前記流体室(A) 内にあるER流体(8) の交
換が容易に行えるような構成とされている。このER流
体(8) の交換は、例えばER流体(8) の水分の吸水率が
高くなったような場合や、非常に高温度となっているよ
うな場合で、同一の電圧を印加させたとしてもER流体
(8) の粘度が異なってしまうような場合、つまりER流
体(8) が劣化した場合に要求されるものであり、本例で
は、このER流体(8) の交換作業が容易に行えることを
目的とした構成となっている。この構成を具体的に説明
すると、流体室(A) の底部を構成する内筒部材(4a)の底
板部(4c)に、この流体室(A) と外部とを連通させるよう
な流体交換用通路(24)が形成されており、該流体交換用
通路(24)の外側端部に図示しない流体ポンプに繋がる流
体交換用配管(25)が接続されている。また、この流体交
換用配管(25)の途中には該流体交換用配管(25)を開閉す
る開閉バルブ(25a) が介設されている。従って、ER流
体(8) を交換する際には、前記開閉バルブ(25a) を開放
してER流体(8) を流体室(A) の底部から流体交換用通
路(24)及び流体交換用配管(25)により抜き取り、その
後、新たなER流体を流体ポンプによって流体交換用配
管(25)及び流体交換用通路(24)を経て流体室(A) 内に供
給し、所定量だけ供給した状態で前記開閉バルブ(25a)
を閉鎖すると共に流体ポンプを停止させることによりE
R流体(8) の交換作業が終了されることになる。このよ
うに、本例の構成によれば、ER流体(8) の交換作業を
容易且つ迅速に行うことができる。
【0050】次に、本例における制振装置(1) の制振動
作について説明する。本例の制振動作にあっても上述し
た第1実施例と同様に、圧縮機(C) の運転周波数に応じ
て各電極(6),(4b)間への印加電圧が設定され、この印加
電圧に応じてER流体(8) の粘度が適切に設定されて、
如何なる運転周波数に対しても良好な制振動作が行われ
ることになる。
【0051】そして、本例の特徴とする動作としては、
上述したように、ピストン(5) の下端部の湾曲面(5c)に
複数のリブレット(21),(21),…が形成されていることに
より、ピストン(5) が降下する際、ER流体(8) の流れ
として、リブレット(21)が形成されていない部分を流れ
るもの(図7の矢印D)と、リブレット(21)の内部を流
れるもの(図7の矢印E)との2つの流れが同時に発生
することにある。そして、このような2つの流れが同時
に発生している状況では、リブレット(21)の内部を流れ
るものにあってはER流体(8) の流路面積が急激に変化
することがなく、この部分での乱流の発生が抑制され、
これによってピストン外周面に対する流体の剥離が回避
されることになる。
【0052】以下、この乱流の発生が抑制されて流体の
剥離が回避されることに伴う効果について説明する。
尚、図9及び図10に示すグラフは、流体の剪断速度と
該流体の減衰力との関係を解析によって求めたものであ
って、図9は、本例の如く、ピストン(5) の下端部の湾
曲面(5c)に複数のリブレット(21),(21),…を形成した場
合のグラフであり、図10は、上述した第1実施例の如
く、ピストン(5) の下端部の湾曲面(5c)にリブレット(2
1),(21),…を形成していない場合のグラフである。
【0053】先ず、上述した第1実施例のように、ピス
トン(5) の下端部の湾曲面(5c)にリブレット(21),(21),
…が形成されていないようなものでは、流体の剪断速度
と該流体の減衰力との関係は、図10に示すように、非
線形であってヒステリシスを生じてしまっていた。この
ため、ER流体(8) に適切な減衰力を得るための印加電
圧の設定が難しいといった課題が残されていた。これ
は、ER流体がニュートン流体(ニュートンの粘性法則
に従う流体)ではなく、非ニュートン流体としてのビン
ガム流体であることに起因すると推測される。そして、
本例のように、ピストン(5) の下端部の湾曲面(5c)に複
数のリブレット(21),(21),…を形成したものでは、上述
したように乱流の発生が抑制されて流体の剥離が回避さ
れることに伴い、図9に示すように、流体の剪断速度と
該流体の減衰力との関係を略線形でヒステリシスが生じ
ていないものとして扱うことができることになる。つま
り、本例の構成により、ER流体(8) の特性をリニアに
設定することができ、ER流体(8) に適切な減衰力を得
るための印加電圧の設定を容易に行うことができること
になる。
【0054】このように、本例では、ピストン(5) の下
端部分に複数のリブレット(21),(21),…を形成するとい
った簡単な構成でもって、ER流体(8) の特性をリニア
に設定することができ、ER流体(8) に印加する電圧の
設定を容易に行うことができ、本制振装置(1) の制振機
能の信頼性の向上を図ることができることになる。尚、
上述した各実施例では、空調機の室外機に備えられた横
置型の圧縮機(C)の振動を制振させるための制振装置に
ついて述べたが、本発明は、これに限らず、縦置型の圧
縮機や、圧縮機以外の種々の振動状態が変化する機器に
対して適用することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明によれば、広範囲の周波数帯に亘る振動を発する
振動発生機器(C) に連接される受振部材(5) と固定部材
(B) に連接される制振部材(4)との間に形成した流体室
(A) に、外部電界に応じて粘度が変化する電気粘性流体
(8) を収容させると共に、この電気粘性流体(8) の外部
電界を制御する電界制御手段(20)を備えさせ、電気粘性
流体(8) を前記振動発生機器(C) が発する振動に対応し
た所定の粘度に設定して、電気粘性流体(8) を受振部材
(5) の制振部材(4) に対する移動の抵抗として機能させ
て受振部材(5) の往復動を抑制し、振動発生機器(C) を
制振させるようにし、また、振動発生機器(C) が発する
振動の状態が変化しても電気粘性流体(8) の外部電界を
制御することにより最適な粘度に更新することができる
ようにしたために、如何なる周波数の振動に対しても良
好な制振動作を行わせることができることになり、広範
囲の周波数帯に亘る振動を抑制することができ、振動発
生機器(C) の振動の伝達による周辺機器への悪影響や異
音の発生を抑制することができる。
【0056】請求項2記載の発明によれば、電源手段
(9) から各電極(6),(4b)間に印加する電圧を調整するこ
とによって外部電界を制御するようにしたために、電気
粘性流体(8) の外部電界を制御するための手段が具体化
でき、簡単な構成でもって電気粘性流体(8) の外部電界
を制御できる。
【0057】請求項3記載の発明によれば、受振部材
(5) 及び制振部材(4) の少なくとも一方が電極(4b)を兼
用するように電源手段(9) を接続させたために、部品点
数が減少され、構成の簡略化を図ることができる。
【0058】請求項4記載の発明によれば、電極(6),(4
b)を流体室(A) 内において受振部材(5) の往復動方向に
沿って長尺に形成するようにしたために、受振部材(5)
の往復動のストロークが大きいような状況であっても、
電気粘性流体(8) 内において電極(6),(4b)同士が対向配
置されることになり、この電極(6),(4b)間に常に安定し
た電圧を印加させることができ、電気粘性流体(8) の粘
度が常に最適値に維持されて良好な制振を得ることがで
き、制振動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0059】請求項5記載の発明によれば、振動発生機
器を空調機の室外機に備えられた圧縮機(C) とし、固定
部材を室外機のケーシング底板(B) としたことで、圧縮
機(C) の振動が電気粘性流体(8) の粘度変化を利用して
制振されることになるので、室外機ケーシングへの振動
の伝達が抑制され、該室外機内の各機器への振動による
悪影響を回避することができ、また、室外機からの異音
の発生も防止できる。
【0060】請求項6記載の発明によれば、受振部材
(5) を、直動軸受(2) 及び球面軸受(3) を介して横置型
の圧縮機(C) の外側面に連接させるようにしたために、
受振部材(5) に振動の伝達が円滑に行われ、該受振部材
(5) に圧縮機(C) の揺動運動に応じた往復運動を行わせ
ることができて、この受振部材(5) の往復運動を電気粘
性流体(8) により抑制して圧縮機(C) を制振することに
なるので、圧縮機(C) に対する正確な制振を行うことが
できる。
【0061】請求項7記載の発明によれば、受振部材
(5) と制振部材(4) との間に、制振部材(4) に対する受
振部材(5) の位置を変更可能とする位置変更手段(7),
(S) を設けるようにしたために、受振部材(5) の振動発
生機器(C) に対する連接位置や制振部材(4) の固定部材
(B) に対する連接位置が異なる種々の振動発生機器(C)
の配設構造に対して本装置の適用可能となり、本装置の
汎用性を拡大することができる。
【0062】請求項8記載の発明によれば、流体室(A)
を密閉部材(10)によって密閉し、該流体室(A) に電気粘
性流体(8) を収容する流体収容部(A1)と該流体収容部(A
1)の上方に形成された空間部(A2)とを備えさせるように
したために、流体室(A) の流体収容部(A1)に収容されて
いる電気粘性流体(8) と外気との接触が遮断されて、空
気中の水分の吸水率により劣化が促進される電気粘性流
体(8) への悪影響が回避され、装置に長期間に亘って信
頼性の高い制振動作を行わせることができ、また、装置
の長寿命化を図ることもできる。
【0063】請求項9記載の発明によれば、密閉部材(1
0)によって密閉された流体室(A) の空間部(A2)に不活性
ガスを封入するようにしたために、この封入される不活
性ガスの吸入量を調整して密閉部材(10)内の空間部(A2)
の圧力を調整するようにすれば、電気粘性流体(8) に作
用する圧力が適宜設定されることになり、この空間部(A
2)において空気バネとしての機能が発揮されることにな
るので、この空間部(A2)圧力を制振動作に寄与させるこ
とができる。
【0064】請求項10記載の発明によれば、電界制御
手段(20)が、振動発生機器(C) の発する振動周波数に応
じて電気粘性流体(8) の外部電界を制御するようにした
ために、様々な振動周波数に対して最適な電気粘性流体
(8) の粘度を設定することができる。
【0065】請求項11記載の発明によれば、振動発生
機器(C) の振動を検出する第1振動検出手段(11)と、固
定部材(B) の振動を検出する第2振動検出手段(12)とを
備えさせ、電圧制御手段(20)に、前記第1振動検出手段
(11)及び第2振動検出手段(12)の出力信号を受け各信号
レベルの差を算出する信号差算出手段(13),(14) と、該
信号差算出手段(13),(14) の出力信号を受け前記各信号
レベルの差に基き、この差が0に近付くように電気粘性
流体(8) の外部電界を調整する電界調整手段(15)とを備
えさせるようにしたために、固定部材(B) に対する振動
発生機器(C) の相対振動のみに対して制御を行うことが
でき、外部からの振動や他の機器からの振動による外乱
を除去でき、正確な振動発生機器(C) の制振動作を行わ
せることができる。
【0066】請求項12記載の発明によれば、受振部材
(5) の先端部に対する電気粘性流体(8) の流れの剥離を
抑制するように受振部材(5) の先端部に対する電気粘性
流体(8) の流れを案内する剥離抑制手段(21)を設けるよ
うにしたために、電気粘性流体(8) が非ニュートン流体
であるような場合であっても、電気粘性流体(8) の剪断
速度と該流体の減衰力との関係がリニアに得られること
になって、電気粘性流体(8) の粘度を決定する外部電界
の制御を容易に行うことができ、制振機能の信頼性の向
上を図ることができる。
【0067】請求項13記載の発明によれば、剥離抑制
手段を、受振部材(5) の先端部の断面形状を流線形状と
するように、受振部材(5) の先端部に形成された凹陥部
で成る複数のリブレット(21),(21),…で構成するように
したために、受振部材(5) の先端部での電気粘性流体
(8) の乱流の発生が抑制でき、これによって受振部材
(5) の先端部に対する電気粘性流体(8) の剥離が回避で
きる。
【0068】請求項14記載の発明によれば、受振部材
(5) における案内部材(4d)に接する接触面に、部分的に
前記案内部材(4d)表面から離された離隔部(22),(22),…
を形成するようにしたために、案内部材(4d)と受振部材
(5) との接触面積が比較的小さくできて、受振部材(5)
の往復移動時における制振部材(4) との間での摩擦抵抗
を低減することができる。
【0069】請求項15記載の発明によれば、制振部材
(4) に、流体室(A) の電気粘性流体(8) を交換自在とす
るように、一端が前記流体室(A) に開放し、他端が流体
室(A) の外部に開放された流体交換用通路(24)を形成す
るようにしたために、電気粘性流体(8) の交換作業を容
易且つ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における制振装置周辺部を示す縦断
面図である。
【図2】制振装置の制御系を示す図である。
【図3】制振装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】第2実施例における制振装置を示す縦断面図で
ある。
【図5】ピストン下端部の一部を示す斜視図である。
【図6】ピストンの下面図である。
【図7】ピストン降下時のER流体の流れを示す縦断面
図である。
【図8】図4のVIII-VIII 線に対応した部分におけるピ
ストンの断面図である。
【図9】ピストン下端部にリブレットを設けた場合の流
体の剪断速度と減衰力との関係を示す図である。
【図10】ピストン下端部にリブレットを設けていない
場合の流体の剪断速度と減衰力との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
(1) 制振装置 (4) シリンダ(制振部材) (4b) 外筒部材(電極,流体室形成部材) (4d) 筒状部(案内部材) (5) ピストン(受振部材) (6) 内側電極 (7) スプリング座(位置変更手段) (8) ER流体(電気粘性流体) (9) 電源(電源手段) (10) ベローズ部材(密閉部材) (11) 加速度ピックアップ(第1振動検出手段) (12) 加速度ピックアップ(第2振動検出手段) (13) チャージアンプ(信号差算出手段) (14) メインコントローラ(信号差算出手段) (15) 電源コントローラ(電界調整手段) (20) 電界制御手段 (21) リブレット(剥離抑制手段) (22) 離隔部 (24) 流体交換用通路 (A) 流体室 (A1) 流体収容部 (A2) 空間部 (B) 底板(固定部材) (C) 圧縮機(振動発生機器) (S) コイルスプリング(位置変更手段)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広範囲の周波数帯に亘る振動を発する振
    動発生機器(C) と該振動発生機器(C) を固定するための
    固定部材(B) との間に配設され、前記振動発生機器(C)
    の振動を抑制する制振装置であって、 前記振動発生機器(C) に連接され、該振動発生機器(C)
    からの振動を受けて往復動する受振部材(5) と、 前記固定部材(B) に連接され、前記受振部材(5) に対し
    て該受振部材(5) の往復動方向と直角な方向に所定間隔
    を存して対向配置されて、前記受振部材(5) との間に流
    体室(A) を形成する制振部材(4) とを備えており、 前記流体室(A) には、外部電界に応じて粘度が変化する
    電気粘性流体(8) が収容されており、この電気粘性流体
    (8) の外部電界を制御する電界制御手段(20)が備えられ
    ていることを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 電界制御手段(20)は、流体室(A) に収容
    された電気粘性流体(8) に臨む一対の電極(6),(4b)と該
    電極(6),(4b)に電圧を印加する電源手段(9)とを備えて
    おり、該電源手段(9) から各電極(6),(4b)間に印加する
    電圧を調整することによって外部電界を制御するように
    なっていることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  3. 【請求項3】 受振部材(5) 及び制振部材(4) の少なく
    とも一方は導電性の部材で成っていて電極(4b)を兼用す
    るように電源手段(9) が接続されていることを特徴とす
    る請求項2記載の制振装置。
  4. 【請求項4】 電源手段(9) が接続されている電極(6),
    (4b)は、受振部材(5) 及び制振部材(4) に一体的に設け
    られていると共に、流体室(A) 内において受振部材(5)
    の往復動方向に沿って長尺に形成されていることを特徴
    とする請求項2または3記載の制振装置。
  5. 【請求項5】 振動発生機器は空調機の室外機に備えら
    れた圧縮機(C) であって、受振部材(5) は該圧縮機(C)
    に連接されている一方、固定部材は室外機のケーシング
    底板(B) であって、制振部材(4) は該ケーシング底板
    (B) に連接されていることを特徴とする請求項1,2,
    3または4記載の制振装置。
  6. 【請求項6】 圧縮機(C) は、横置型であり駆動に伴っ
    て水平方向に延びる中心軸を揺動中心として揺動を発す
    るものであって、受振部材(5) は、圧縮機(C) の揺動運
    動を受振部材(5) の往復運動に変換可能とするように、
    直動軸受(2)及び球面軸受(3) を介して圧縮機(C) の外
    側面に連接されていることを特徴とする請求項5記載の
    制振装置。
  7. 【請求項7】 受振部材(5) と制振部材(4) との間に
    は、制振部材(4) に対する受振部材(5) の位置を変更可
    能とする位置変更手段(7),(S) が設けられていることを
    特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の制
    振装置。
  8. 【請求項8】 流体室(A) は、密閉部材(10)によって密
    閉されていて、電気粘性流体(8) を収容する流体収容部
    (A1)と、該流体収容部(A1)の上方に形成された空間部(A
    2)とを備えていることを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6または7記載の制振装置。
  9. 【請求項9】 密閉部材(10)によって密閉された流体室
    (A) の空間部(A2)には不活性ガスが封入されていること
    を特徴とする請求項8記載の制振装置。
  10. 【請求項10】 電界制御手段(20)は、振動発生機器
    (C) の発する振動周波数に応じて電気粘性流体(8) の外
    部電界を制御するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載
    の制振装置。
  11. 【請求項11】 振動発生機器(C) の振動を検出する第
    1振動検出手段(11)と、固定部材(B) の振動を検出する
    第2振動検出手段(12)とが備えられており、電界制御手
    段(20)は、前記第1振動検出手段(11)及び第2振動検出
    手段(12)の出力信号を受け各信号レベルの差を算出する
    信号差算出手段(13),(14) と、該信号差算出手段(13),
    (14) の出力信号を受け前記各信号レベルの差に基き、
    この差が0に近付くように電気粘性流体(8) の外部電界
    を調整する電界調整手段(15)とが備えられていることを
    特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9
    または10記載の制振装置。
  12. 【請求項12】 受振部材(5) における電気粘性流体
    (8) に臨む先端部には、該受振部材(5) の往復移動時に
    おいて、その先端部で流体室(A) 内の電気粘性流体(8)
    を押し退けながら移動する際、該受振部材(5) の先端部
    に対する電気粘性流体(8) の流れの剥離を抑制するよう
    に受振部材(5) の先端部に対する電気粘性流体(8) の流
    れを案内する剥離抑制手段(21)が設けられていることを
    特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,
    9,10または11記載の制振装置。
  13. 【請求項13】 剥離抑制手段は、受振部材(5) の先端
    部の断面形状を流線形状とするように、該受振部材(5)
    の先端部に形成された凹陥部で成る複数のリブレット(2
    1),(21),…で構成されていることを特徴とする請求項1
    2記載の制振装置。
  14. 【請求項14】 制振部材(4) は、受振部材(5) との間
    に流体室(A) を形成する流体室形成部材(4b)と、前記受
    振部材(5) に接して該受振部材(5) の往復動を案内する
    案内部材(4d)とを備えており、 前記受振部材(5) における前記案内部材(4d)に対向する
    対向面には、部分的に前記案内部材(4d)表面から離され
    た離隔部(22),(22),…が形成されていることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,
    11,12または13記載の制振装置。
  15. 【請求項15】 制振部材(4) には、流体室(A) の電気
    粘性流体(8) を交換可能とするように、一端が前記流体
    室(A) に開放し、他端が流体室(A) の外部に開放された
    流体交換用通路(24)が形成されていることを特徴とする
    請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,1
    1,12,13または14記載の制振装置。
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