JPH075475B2 - 哺乳類のhiv感染症の治療のための方法及び組成物 - Google Patents

哺乳類のhiv感染症の治療のための方法及び組成物

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JPH075475B2 JP3500651A JP50065191A JPH075475B2 JP H075475 B2 JPH075475 B2 JP H075475B2 JP 3500651 A JP3500651 A JP 3500651A JP 50065191 A JP50065191 A JP 50065191A JP H075475 B2 JPH075475 B2 JP H075475B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の属する技術分野 本発明は哺乳類のHIV感染症の治療のための方法及び組
成物に関し、そしてより詳しくは哺乳類宿主に導入さ
れ、そして該哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルスの
複製を制限又は実質的に阻害することがそれぞれできる
膜翅類の毒素又はそのタンパク質性もしくはペプチド成
分を利用する哺乳類の感染症の治療のためのこのような
方法及び組成物に関する。
2.従来技術の説明 医学者は長い間HIV感染個体の治療のための有用な方法
及び組成物を探している。本明細書にてHIV感染症はHIV
1及びHIV2感染症の両方を含むことを意図している。こ
の観点において、本研究はHIV感染症と戦うための潜在
的に有用な治療薬を探すことを目的とし、ここで該組成
物はHIV感染細胞のウイルス再生を阻害しうるが、しか
し莫大なる有害な副作用を有さないものである。より詳
しくは、本研究の目的は従来のAZTの利用にとって代る
治療剤である組成物を見い出すことにある。ところでこ
の組成物は有効性ウイルス細胞のレザーバーを含む又は
実質的に制限するための、HIV感染細胞もしくは言い換
えるならHIV増殖性細胞を選択的に破壊せしめることが
可能なものでなくてはならない。
理解される通り、HIVウイルスはレトロウイルスであ
り、従って最も適切にはRNAウイルスとして分類され
る。ところで、このような特定のレトロウイルスのRNA
はレプリカーゼによって直接的に増殖されるのではな
く、むしろ逆転写酵素の助成を有するDNA合成の介在を
必要とする。理解されている通り、このDNAはRNAウイル
スの増殖のための鋳型として働く。このDNAは宿主細胞
のゲノムの中に後に一体化する。この一体化の現象はそ
の後、新たなるウイルス細胞の生産をもたらす。
低毒性(subtoxic)濃度の膜翅類の毒素又はそのタンパ
ク質性もしくはペプチド成分を利用する本発明は、逆転
写酵素を阻害せしめることによって低毒性濃度にてウイ
ルス複製を妨害せしめること及び/又はHIV感染細胞の
増殖を阻害せしめることにより、多数の長所を伴ってウ
イルスレザーバーを治療的に実質的になくすものと考え
る。
名称“METHODS AND COMPOSITIONS FOR THE TREATMENT O
F MAMMALIAN INFECTIONS EMPLOYING MEDICAMENTS COMPR
ISING HYMENOPTERA VENOM OR PROTEINACEOUS OR POLYPE
PTIDE COMPONENTS THEREOF"(「膜翅類の毒素又はその
タンパク質性もしくはポリペプチド成分を含んで成る医
薬品を利用する哺乳類の感染の治療のための方法及び組
成物」)の、1989年4月18日に承認されたBentonらの米
国特許第4,822,608号は、天然の二次薬剤、例えば膜翅
類の毒素又はそのタンパク質性もしくはポリペプチド成
分が抗菌剤を強める作用を有することを教示している。
この文献は更に、このような組成物は種々の疾患におけ
る抗ウイルス、制癌性又は抗癌作用を有することも述べ
ている。より詳しくは、Bentonらの文献はミツバチ毒素
の主成分であるメリチン(melittin)を、予め分ってい
る感染症に対して抗ウイルス活性を有する様々な抗生物
質と組合せて利用することを開示している。更にこの文
献は、種々の治療的に有効な量におけるメリチンと様々
な抗生物質との組合せにより相乗的な利点が得られるこ
とを教示している。
Bentonらの従来技術文献に詳細に説明されている通り、
ミツバチ毒素における主成分であるメリチンは実質的に
26個のアミノ酸残基を含むポリペプチドである。これら
のアミノ酸残基はGly-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Val-Le
u-Thr-Thr-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-Lys-
Arg-Lys-Arg-Gln-Gln-アミドを含む。更に、この発明者
は、メリチン類似体であって、少なくともその最後の6
個のアミノ酸(C−末端)が変異して6個のグリシン残
基に置き代わられているものの直接的な作用が、メリチ
ンに類似する治療的利点を有すことを発見している。こ
のアミノ酸類似体は、Gly-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Va
l-Leu-Thr-Thr-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-
Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Glyの構造を有す。
Merck Index(1983)第10版、5643号にメリチンが抗−
リウマチ剤として利用できることが更に知られる。
米国特許出願第3,856,936号は、ココアバター脂肪酸と
の混合体における、有効量の全ハチ毒素及びメリチンよ
り成る群から選ばれるものより成る、局所的利用による
哺乳類におけるコルチゾールレベルコントロールのため
の組成物を開示している。
従って、膜翅類毒素又はそのタンパク質性もしくはポリ
ペプチ成分、あるいはメリチンの複数の医薬用途が既に
知られている。しかしながら、HIV感染症の治療のため
の医薬品の製造におけるメリチン又は膜翅類毒素の利用
に関して述べている既知論文はない。
従って、例えばAZTにより成し遂げられる常用のHIV治療
に関連するそれぞれの有害性を更に回避しながらも、哺
乳類に感染しうるウイルスのリザーバー細胞をなくす又
は大いに少なくすることが可能な安全且つ有効な手段に
おけるHIV感染細胞の治療のための方法及び組成物が長
い間所望されていた。
発明の目的及び概要 従って本発明の目的は、膜翅類の毒素又はそのタンパク
質もしくはペプチド成分を利用する、哺乳類におけるHI
V感染症の治療のための改善された方法及び組成物の提
供にある。
本発明の他の目的は、哺乳類におけるHIV感染症の治療
のためのこのような方法及び組成物であって、ここで該
膜翅類毒素がミツバチ(honey bee)毒、マルハナバチ
(bumble bee)毒、スズメバチ(yellow jackect)
毒、及びボールドフェースオオクマバチ毒(baldfaced
hornet)素、該毒の活性タンパク質成分、該毒の活性
タンパク質成分並びにその混合物より実質的になる群よ
り選ばれる方法及び組成物の提供にある。
本発明の他の目的は、哺乳類におけるHIV感染症の治療
のためのこのような方法及び組成物の提供にあり、ここ
で該方法は哺乳類に有効な低毒性投与量のメリチンの類
似体又はそれ自体を投与せしめることにより、哺乳類の
HIV感染細胞におけるウイルス複製を実質的に阻害せし
めることを含んでいる。
本発明の他の目的は、哺乳類におけるHIV感染症の治療
のためのこのような方法及び組成物の提供にあり、ここ
で該方法は哺乳類に有効な低毒性投与量のメリチンとそ
の構造類似体のポリペプチド混合物を投与せしめること
により、HIV感染細胞におけるウイルス細胞の複製を阻
害せしめることを含んでいる。
本発明の更なる目的及び利点は、哺乳類のHIV感染を治
療するための、安全且つ有効であり、そしてこのような
疾患の治療のための従来の治療法のそれぞれに関連する
有害性を更に回避せしめる、改善された方法及び組成物
の提供にある。
図面の簡単な説明 図1はメリチン濃度に依存する未処理コントロールのパ
ーセンテージとしての、非感染及びHIV感染細胞により
得られる細胞増殖の比較を示すグラフ図である。
図2はメリチン濃度に依存する未処理コントロールのパ
ーセンテージとしての、HIV感染Tリンパ球細胞(KE37
−1/IIIβ)の培養上清液の標準細胞系と比較した逆転
写酵素の活性(RT%)、そして更には感染性(INF%)
の比較を示すグラフ図である。
図3はメリチン類似体の濃度に依存する、未処理コント
ロールのパーセンテージとしての、非感染及びHIV感染
細胞により得られる細胞増殖の比較を示すグラフ図であ
る。
図4は、メリチン類似体の濃度に依存する、未処理コン
トロールのパーセンテージとしての、HIV感染Tリンパ
球細胞(KE37−1−IIIβ)の培養上清液の、標準化細
胞数と比較した逆転写酵素の活性(RT%)及び感染性
(INF%)の比較を示すグラフ図である。
図5はHIVウイルスのGP41分子のカルボキシ末端領域の
グラフモデルである。
図6はメリチンの濃度に依存する、未処理コントロール
のパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染細胞に
より得られる細胞増殖の比較を示すグラフ図である。
図7はメリチンの濃度の関数としての、感染性細胞のパ
ーセンテージを示すグラフ図である。
図8はメリチン6の濃度に依存する、未処理コントロー
ルのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染細胞
により得られる細胞増殖の比較を示すグラフ図である。
図9はメリチン6の濃度の関数としての、感染性細胞の
パーセンテージを示すグラフ図である。
図10はメリチン4の濃度に依存する、未処理コントロー
ルのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染細胞
により得られる細胞増殖のパーセンテージを示すグラフ
図である。
図11はメリチン4の濃度の関数としての、感染性細胞の
パーセンテージを示すグラフ図である。
図12はメリチンEの濃度に依存する、未処理コントロー
ルのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染細胞
により得られる細胞増殖のパーセンテージを示すグラフ
図である。
図13はメリチンEの濃度の関数としての、感染性細胞の
パーセンテージを示すグラフ図である。
図14はメリチンFの濃度に依存する、未処理コントロー
ルのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染細胞
により得られる細胞増殖のパーセンテージを示すグラフ
図である。
図15はメリチンFの濃度の関数としての、感染性細胞の
パーセンテージを示すグラフ図である。
図16はメリチン3の濃度に依存する、未処理コントロー
ルのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染細胞
により得られる細胞増殖のパーセンテージを示すグラフ
図である。
図17はメリチン3の濃度の関数としての、感染性細胞の
パーセンテージを示すグラフ図である。
図18はメリチン1−20の濃度に依存する、未処理コント
ロールのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感染
細胞により得られる細胞増殖のパーセンテージを示すグ
ラフ図である。
図19はメリチン1−20の濃度の関数としての、感染性細
胞のパーセンテージを示すグラフ図である。
図20はマストパラン(mastoparan)の濃度に依存する、
未処理コントロールのパーセンテージとしての、HIV感
染及び非感染細胞により得られる細胞増殖のパーセンテ
ージを示すグラフ図である。
図21はマストパランの濃度の関数としての、感染性細胞
のパーセンテージを示すグラフ図である。
図22はAMFI2の濃度により比較した、未処理コントロー
ルのパーセンテージとしてのHIV感染及び非感染細胞に
より得られる細胞増殖のパーセンテージを示すグラフ図
である。AMFI1の濃度により比較した、未処理コントロ
ールのパーセンテージとしてのHIV感染及び非感染細胞
についての細胞増殖のパーセンテージは図22に示す結果
と同じである。
図23はAMFI2の濃度の関数としての感染性細胞のパーセ
ンテージを示す。AMFI1の濃度の関数としての感染性細
胞のパーセンテージは図23に示す結果と同一である。
図24はMHCペプチドの濃度により比較する、未処理コン
トロールのパーセンテージとしての、HIV感染及び非感
染細胞により得られる細胞増殖のパーセンテージを示す
グラフ図である。
図25はMHCペプチドの濃度の関数としての、感染性細胞
のパーセンテージを示すグラフ図である。
図26はDMSO(溶媒コントロール)の濃度により比較し
た、未処理コントロールのパーセンテージとしての、HI
V感染及び非感染細胞により得られる細胞増殖のパーセ
ンテージを示すグラフ図である。
図27はDMSO(溶媒コントロール)の濃度の関数として
の、感染性細胞のパーセンテージを示すグラフ図であ
る。
図28はHOLSTDペプチド(陰性コントロール)の濃度によ
り比較した、未処理コントロールのパーセンテージとし
ての、HIV感染及び非感染細胞により得られる細胞増殖
のパーセンテージを示すグラフ図である。
図29はHOLSTペプチド(陰性コントロール)の濃度の関
数としての、感染性細胞のパーセンテージを示すグラフ
図である。
図30は種々の時間間隔でメリチンの濃度により比較した
P24生産のパーセンテージを示すグラフ図である。
図31は3時間目にてメリチンの濃度にて比較した細胞及
び上清液におけるP24生産のパーセンテージを示すグラ
フ図である。
図32及び33はそれぞれメリチンの存在下において3時間
及び14時間インキュベーションせしめた後の細胞と上清
液におけるP24の濃度を示すグラフ図である。
図34は種々の濃度のメリチンと3時間及び14時間インキ
ュベーションせしめた後の、それぞれ無細胞上清液中に
おけるP24測定へのメリチンの効果を示すグラフであ
る。
図35は、マウスによる長期毒性試験を示し、より詳しく
は特定の毒素の投与を開始してから種々の時間にて得ら
れた、この毒性試験の際に用いた種々の毒素に対するマ
ウスの有効体重を示す記録例である。
図36は毒性試験に用いた物質の投与を開始してからの経
過日数の関数としての、長期毒性試験におけるマウスの
体重を示す記録例である。
図37は投与を開始してから種々の日数でのハチミツ毒素
の利用の関数としての、個々のマウスの体重を示す記録
例である。
図38は投与を開始してから種々の日数での、スズメバチ
毒素の利用の関数としてのマウスの体重を示す記録例で
ある。
図39は投与を開始してから種々の日数での、オオクマバ
チ混合物毒素の利用の関数としてのマウスの体重を示す
記録例である。
図40は投与を開始してからの種々の日数での、スズメバ
チ科混合物の利用の関数としてのマウスの体重を示す記
録例である。
図41はマウスについての長期毒性試験を示し、これは毒
性試験に従ってハチミツ及びスズメバチ混合物の付与さ
れたマウスの種々の解剖器官それぞれの顕微鏡試験をま
とめた記録例である。
図41Aは、図40に紹介する種々のデーターの解説を示
す。
図42はメリチン及びその構造類似体の構造を示す。
好ましい態様の説明 材料と方法 材 料 以下に詳細のKE37−1(非感染)及びKE37−1/IIIβ
(感染)細胞系はアメリカ合衆国におけるNIHのDr.Robe
rt Gallows研究所より市販され、これを1ミリリッタ
ー当りペニシリン約100ユニット、ストレプトマイシン1
00μg及びフンギゾン(fungizone)(アンフォテリシ
ンB)約0.25μgを含む、10%の仔牛血清を更に添加さ
れているRPMI1640(GIBCO)の培地に増殖せしめた。下
記に詳細のヒト間充組織細胞系LC5及びLC5−HIVは1989
年3月9日にフランス国、パリのCollection De L'In
stitut Pasteurに寄託されており、それぞれ承認番号
I−842及びI−843が付与されている。LC5及びLC5−HI
V細胞系を、10%の仔牛血清の添加されているRPMI1640
培地において増殖せしめた。
合成ペプチド GP41由来のメリチンペプチド及び類似体は市販されてい
るペプチド合成装置(Biolynxモデル、Pharmacia Bioc
hrome,Cambridge UK)を用い、この装置(Pharmacia
Biochrome,Cambridge UK)に供給する予め秤量したア
ミノ酸OPEPエステルにより合成した。この合成手法は、
この装置のためのマニュアルに詳細の通り、Fmoc手法に
基づく。アシル化のレートをバイオプラス(Bioplus)
ソフトウエアーにより、その製造業者により付与された
プロトコールに従い、600nmにてアニオン色素(アシッ
ドバイオレット17;ジメチルホルムアミド100ml及びジイ
ソプロピルエチルアミン0.14ml当り30mg)の遊離を利用
してモニターした。この原理は対イオン分布モニター
(Counter ion distribution monitoring:CDM)とし
て知られ、そしてSalisbury,S.A.,Treemer,E.J.,Davie
s,J.W.及びOwen,D.,E.,I.,A.,(1990)J.Chem.Soc.,Che
m.Commun.,1990頁538−540に詳細されている。利用する
リンカーはペプチドアミドの遊離をもたらす(〔ウルト
ロシンC〕Ultrosyn C,Pharmacia Biochrome,Cambrid
ge UK)。
酸性に不安定なリンカー、ウルトロシンC(0.1meq)へ
の第1のカップリングを対称無水物(0.4mcq)を用い、
ジメチルアミノピリジンの添加(0.05meq)により行っ
た。これは、Fmoc基の遊離により測定されるものとし
て、1時間後に少なくとも80%のカップリングをもたら
し、そして未反応部位は無水酢酸を用いてキャップせし
めた。その後のカップリングは、市販されている活性エ
ステル(Pharmacia Biochrome,UK)を用い、利用した
ソフトウエアー(上記)によって自動的に行われるCDM
によって決定されるカップリング時間にわたり行った。
典型的なカップリング時間は一般に4倍過剰量のエステ
ルを用いて1時間である。Serを無色となる迄ジヒドロ
キシベンゾトリアゾールを用いてカップルせしめた(1.
5−2時間)。Fmoc基を5倍のベッド容量のピペリジン
(ジメチルホルムアミド中で20%)により除去せしめ
た。ジメチルホルムアミドを使用前に蒸留せしめ、アミ
ンを含まないようにせしめた(Biolynxに関するプロト
コールに詳細のジニトロフルオロベンゼン試験により測
定した)。これらのカップリングは何ら特別な問題を提
供せず、そして粗ペプチドは高圧液体クロマトグラフィ
ー(HPLC、以下参照)により80%以上の純度であった。
該ペプチドを2%のアニソール及び2%のエタンジチオ
ールの添加を伴ってトリフルオロ酢酸を用い、2時間か
けて樹脂から切り離し、その後エーテル沈殿せしめた。
このペプチドをTSK120T逆相カラム(7.5×300mm)(Pha
rmacia,Sweden)におけるHPLCにより純度95%以上に迄
精製せしめた。このペプチドは、0.1%のトリフルオロ
酢酸中における0〜80%のアセトニトリルの90分にわた
る直線勾配を用いることにより、65%のアセトニトリル
(55と75%の間)にて典型的に溶出させた。この配列を
アプライドバイオシステム(Applied Biosystem)シー
ケンサーにより、製造者に伴うタンパク質シーケンシン
グにより確認した。
GP41類似体及びマストパランの合成はメリチンについて
の詳細の通りに行った。利用したメリチン類似体及びそ
の他のペプチドのリストは図42に記載した。
方 法 図1〜4をより詳しく説明すると、メリチン及びの特定
の類似体をHIV感染Tリンパ球細胞へのそれらの作用に
ついて試験した。これに関し、以下の細胞系をこの試験
において利用した:KE37−1(非感染)及びKE37−1/III
β(HTLV−IIIβにより感染)。これらの感染細胞を試
験条件のもとで7日間にわたり、37℃の温度及び5%の
CO2の存在下においてインキュベートせしめた。RPMI164
0の培養培地(GIBCO)を利用し、そして更にこれにペニ
シリン約100ユニット、ストレプトマイシン100μg及び
フンギゾン(アンフォテリシンB)約0.25μgを1ml当
りに含む10%の仔牛血清を添加せしめた。これは培地10
0ml当り、1mlの抗菌性物質−抗真菌溶液(GIBCO;カタロ
グ番号04305240)に相当する。種々の濃度の前記の物質
の存在下において、1週間にわたるインキュベーション
の後、以下の試験をこの培養物について行った。第1の
試験はMTT試験を利用することにより提供される、HIV感
染細胞数の関数としての相対細胞濃度を測定する目的の
ために行った。このMTT試験はT.Mosmannの、“Rapid Co
lorimetric Assay for Cellular Growth and Survival:
Application to Proliferation and Cytotoxicity Assa
ys,"Journal of Immunological Methods、第65巻(198
3)、頁55−63に従い、マイクロタイタープレート中で
行った。このMTT試験は若干改良した:10μlのMTT溶液
(PBS中に5mg/mlのMTTを溶解し、濾過により除菌した;M
TTは3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル−2,5−
ジフェニルテトラゾリムブロミドである)を全てのウエ
ルに加えてある。細胞をMTTと、37℃で4時間、5%のC
O2雰囲気下においてインキュベートせしめた。黄色いMT
Tを代謝的に活性な細胞によって青色のホルマザンへと
還元させる。この反応をイソプロパノール中における0.
04NのHCl 200μlを全てのウエルに加えることにより
停止させ、そしてこの色素を抽出せしめる。全てのホル
マザン結晶を溶解せしめるために得られるこの溶液を強
く混合した。この溶液の吸光度を=600nmで測定した。
この吸光度はこのような条件下の細胞密度と比例する。
第2の実験はPoieszらにより詳細のPNAS77(1980):141
5−1419に見い出せる試験を改良した方法を利用するこ
とにより、処理せしめたHIV感染細胞培養物の上清液中
における逆転写酵素の活性を測定するために行った。第
3の試験は処理せしめたHIV感染細胞培養物の上清液の
相対感染性を測定することを目的として行った。これに
関し、非感染化のHIV感受性ヒト胎児肺細胞(LC5)を試
験すべき培養上清液中においてインキュベートした。こ
れに続き新鮮培地中でのこの細胞の3日間培養を行っ
た。次にこれらの細胞をHIV特異的タンパク質の生産に
ついて試験した。
HIVタンパク質の存在を確認する方法は血清学試験を介
して行った。ここでは、第1抗体であるこれらのタンパ
ク質に対する抗体及び第2抗体であるこのイムノグロブ
リンに特異的な抗体、そしてこれに結合している西洋ワ
サビペルオキシダーゼを利用している。識別化のため、
抗体−抗原複合3−アミノエチルカルバゾールを利用し
た。この物質は水に不溶性であった。この方法は間接的
イムノペルオキシダーゼ比色法としてよく知られる。こ
の方法はMellertらの“HTLV−III/LAV−Antikrpertes
t:Indirekte Immunperoxidasefrbung(HTLV−III/LA
V抗体試験:間接的イムノペルオキシダーゼ染色)AIDS
−FORSCHUNG (AIFO)1986年2月、第2巻、頁105−10
7に詳細されている。図1−4に見られる通り、メリチ
ンは5μg/ml以上の濃度でHIV感染細胞及び非感染細胞
両者に毒性であることがわかる。これに関連して、本試
験データーの分析を更に補助するためにマウスに対する
毒性試験を以降に提供する。以上の他、図3に示される
通り特定のメリチン類似体は明らかにメリチンほど毒性
でない。しかしながら、この類似体はより高い投与量、
即ち10μg/mlでHIV感染細胞に対して選択的な増殖阻害
作用を示す。更に、メリチンが感染及び非感染細胞の両
者に毒性である濃度5μg/mlにて、感染細胞の増殖はメ
リチンを利用することによりおよそ7日後にほぼ80%下
げるが、非感染細胞の増殖は容易には影響を受けないこ
とを本発明者が発見したことに注目すべきである。
以上の他、図1−4に示す試験データーは2.5μg/mlの
濃度のメリチンを示し、これでは細胞の増殖のレベルは
未だ影響されず、この細胞の感染する能力及び逆転写酵
素の活性はほぼ0値に迄戻ることが明らかである。これ
は図2を参照することにより最もよく分る。
図4を参照することにより最もよく分る試験データー
は、メリチン類似体が逆転写酵素の活性及び上清液処理
化HIV感染細胞における感染性ウイルス細胞の量も低め
ることができることを示す。この作用は非感染細胞には
毒性でないが、HIV感染細胞には明らかに毒性である濃
度範囲において生ずるものと考えられる。
まとめると、図1−4に示す試験データーは、メリチン
が低毒性濃度で逆転写酵素を阻害することにより、ウイ
ルス複製を阻害するための治療に有用であることが考え
られることを示す。更に、メリチンはHIV感染細胞の増
殖を選択的に阻害するものと考えられ、このことは哺乳
類におけるウイルスリザーバーの撲滅を可能とする。
図1から4に示す試験結果を更に裏付けするために更な
る試験を行った。図6から34迄を参照することにより最
もよく説明されるこれらの試験それぞれにおいて、メリ
チンがHIV感染細胞を阻害する考えられるメカニズムを
調べた。序論により及び図5をより詳しく参照すること
により、HIVタンパク質GP41の表面のエネルギー最小化
試験を、ニューラルネットワークコンピューティング
(neural network computing)原理に基づく二次構造
予測におけるCHARMアゴリズムを用いて行った。ここで
利用するニューラルネットワークプログラムの用途はア
ミノ酸配列からの予測二次タンパク質構造であることが
理解されるべきである。このネットワークはアミノ酸残
基を3つの型の二次構造、即ち、アルファーヘリック
ス、ベーターシート及びランダムコイルに分けるように
なっている。既知の二次構造を有するタンパク質の大量
のセットをこれに教え込むことにより、このニューラル
ネットワークはこのネットワークにとって新規なるタン
パク質の二次構造について、その一次構造に単に基づい
て予測することが可能となる。ヒト免疫不全ウイルス
(HIVタンパク質GP41)の、ニューラルネットワーク法
に基づくコンピューターモデル化による分析は、H.Andr
eassenらの“Analysis of the Secondary Structure of
the Human Immunodeficiency Virus(HIV) Proteins
p17,gp120 and gp41 by Computer Modeling Based on N
eutral Network Methods,"Journal of Acquired Immune
Deficiency Syndromes、第3巻、頁615−622に見い出
せる。より詳しくは、これらの研究により導かれる考察
は、GP41タンパク質の2つのトランスメンブランセクシ
ョンがメリチンの構造とのある程度を同一性を有するこ
とを示唆している。これに関して、この同一性はかなり
注目すべきであり、その理由はメリチンとはかなり異な
っているその他のメリチンの類似体が同じHIV阻害作用
を有すことが明らかであるからである。従って、メリチ
ンにおけるいくつかのアミノ酸は、両親媒性が保持され
ることを条件に該分子の活性の変化を伴うことなく交換
されることができ、そして4つのメリチン分子のポリマ
ー化が荷電相互作用により可能であることが明らかであ
る。これらのデーターから導かれる考察であって以降に
より詳しく説明することは、即ち、メリチンは主なHIV
タンパク質のうちの1つ、糖タンパク質GP41と相互作用
するものと考えられることである。これは、GP41のトラ
ンスメンブラン領域とメリチンが図5に示す通り類似す
る理由より考えられる。
メリチンはアミノ酸26個分の長さの両親媒性ペプチドで
あると考えられる。高いイオン強度の水溶液中では、メ
リチンは4量体の構造を選択する。しかしながら、低イ
オン強度ではメリチンはモノマーのランダムコイルとな
る。生理的なイオン強度ではこの2つの型の分布が等し
くなるようである。従来の研究が示すには、メリチンは
モノマーヘリックスを形成せしめることにより細胞膜の
疎水環境に適合することができることを示している。こ
のヘリックスの一方の側面には電荷が分布し、そして膜
に結合している側面には電荷は負荷されていない。この
研究は、メリチンポリマーの表面がまわりの脂質に向い
ており従って電荷が負荷されていないことを更に示唆す
る。更に、メリチン分子のその他の特有なる特徴は、約
120゜のねじれがプロリン(アミノ酸番号14)によって
このメリチンヘリックスに導入されていることである。
類似のねじれが上記のHIV GP41メリチン様配列に見い
出せる。
初期の研究は、メリチンがいくつかの作用を有すことで
知られていることを示す。これらの作用は細胞表層結合
プロセス及び重合プロセスとしてより詳細され、ここで
はアルファーヘリックスはチャンネルを形成するように
配置している。更に、C末端、即ち尾部の6個のアミノ
酸によって結合することは細胞溶解のために重要である
ことが示されている。この事実は以降に詳細する実験的
試験データーを理解する上で非常に重要である。メリチ
ンがチャンネルを形成する正確なメカニズムはよく理解
されていないことが理解されるべきである。しかしなが
ら、メリチン分子はその塩基性C末端によってリン酸陰
イオンと結合することが考えられ、これによって10個の
ホスファチヂルコリン分子と相互作用する。メリチン分
子が結合したら、これは膜の外脂質層の中に入り込み、
これによって膜の構造を乱すと考えられる。この働きに
続き、膜の外層に孔が形成され、これによりイオンの透
過性は高められ、その後膜は破れる。この膜において形
成されるチャンネルはメリチン分子により安定化され
る。チャンネルの形成は細胞の溶解ももたらし、これは
以降のメリチンの毒性に関連する。これはアルファート
キシン及び補体が細胞毒性であるメカニズムと比較する
ことができる。これらの分子は膜に広がることもでき、
これによって同じ結果をもたらす孔が形成される。
チャンネル形成能力を含む両親媒性ペプチドの作用に加
え、ホスホリパーゼA2における作用が詳細され、これも
二種のタンパク質間の両親媒性相互作用を含む。このケ
ースにおいて、メリチンはおそらく酵素タンパク質ホス
ホリパーゼA2の疎水部分と相互作用するか、又はそれは
メチリン−リン脂質相互作用に起因しうる。以上の他、
メリチンの作用は細胞内である可能性もある。例えば、
メリチンは成長ホルモンの分泌をもたらす、下垂体前葉
製剤における内因性ホスホリパーゼA2を刺激せしめるこ
とが知られる。
図6から34にそれぞれ示す一連の実験は両極端を調べる
ためにデザインされている。これら試験は特にウイルス
遊離の阻害及び/又は低められた他の細胞への感染能力
を有すウイルスの遊離を調べるためにデザインされてい
る。他の細胞に感染する低められた能力は、例えばグリ
コシル化阻害剤により示され、ウイルス遊離への直接的
な作用はアシル化阻害剤、RT阻害剤及びメリチンにより
示される。ところで、この実験のデザインの最も重要な
特徴はメチリンの毒性の検出である。本実験は星状細胞
腫細胞系LC5−HIV(クローン化感染細胞)及びリンパ細
胞腫細胞系KE37−1/IIIβ(HTLV−IIIβによるクローン
化感染細胞)の両者において行った。両ケースにおける
結果は実質的に同じであった。
一連の本実験において、HIV遊離は完全自動化研究室ロ
ボットシステムにより試験し、これはBiomek 100とし
てBeckman Instrumentsにより製造されている。このシ
ステムは以下の段階を行う。第1に、慢性的に感染され
た細胞(クローン化)をマイクロタイタープレートにま
き、そして7日間増殖させる。次に、これらをメリチン
により、図に示す期間の最終日又はその途中迄のいづれ
かにて作用を受けさせる。生存細胞数をMTT、即ち代謝
(デヒドロゲナーゼ)試験により定量する。このMTT試
験は自動で行う。毒性作用は実験時に調べ、別のコント
ロール実験において調べたのではない。更に、最終洗浄
より24時間から7日間の様々な経過期間由来のウイルス
細胞を含む上清液をこの培養物から回収し、そして抗原
又はウイルスの酵素の逆転写酵素(RT)を利用するウイ
ルス定量のためのアリコートを保存した。更に、アリコ
ートをマイクロタイタープレート中の非感染細胞の培養
物に加え、これらの非感染細胞に伝染するこのウイルス
細胞の能力をその後調べた。これに関連して、感染細胞
の数をイムノペルオキシダーゼ染色法によって自動的に
定量した。この試験結果は示した通り、メリチンの毒性
(MTT試験);初期培養物からのHIVの遊離(RT試験);
及びもとは感染されていない細胞に感染する遊離ウイル
スの能力として表わした。
図6及び7を参照することにより最も分る通り、HIV感
染細胞へのメリチンの全体的な作用は、感染細胞からの
ウイルス細胞の遊離の阻害であると考えられるが(図
6)、しかしその天然の型は感染細胞に選択的に作用し
ないようである(図7)。この関係はメリチン6(図8
と9)、メリチン4(図10と11)、メリチンE(図12と
13)、メリチンF(図14と15)、メリチン3(図16と1
7)及びメリチン1−20(図18と19)それぞれに関して
も示された。このデーターから得られる情報は注目すべ
きであり、その理由はメリチンの膜への作用はメリチン
のそのC末端を介しての細胞への表層結合に依存すると
考えられるからである。初めに説明した通り、この結合
特性はLys−Arg−Lys−Arg−Gln−Gln−アミドのアミノ
酸配列を含むC末端配列に基づく陽電荷に依存するとも
考えられる。メリチンの作用が既知のチャンネル形成の
メカニズムに基づくか、又は知られていないプロセスに
よるものかを調べるため、本発明者は(1−20)−6−
(Gly)−アミドを試験した。この型のメリチンの電荷
の欠如に基づき、これはその両親媒性特性と同じ方法に
おいて作用し、そして細胞表層との特異的な相互反応に
依存しないものと考えられていた。しかしながらこの発
明者の仮説に反して、図18及び19を参照することにより
最もよく分る通り、細胞表層に特異的結合せず、そして
それ故により毒性の低いメリチン類似体は、ウイルス細
胞遊離を阻害し且つHIV感染細胞を選択的に殺傷もする
ことがはっきり認められた。この実験データは、メリチ
ンの毒性、細胞毒性効果が感染細胞の選択的な殺傷をお
そらくマスクすることを示唆する傾向にあった。これは
メリチンの溶解特性がその抗−HIV作用に含まれていな
い可能性を予測させる。従ってこれは新規であり、且つ
今迄開示されていないメリチンの作用の態様である。
更に試験結果は天然のメリチンがHIV感染LC5細胞を溶解
せしめることができることを明白に示す。例えばこの試
験データーは、この作用の性質がこの臨界濃度の現象に
関連すると考えられることを示した。より詳しくは、こ
の臨界濃度に達している場合(10μg/ml)、全ての細
胞、即ち、非感染及び感染細胞は殺傷される。この作用
はHIV遊離における作用よりも10倍高い濃度で生ずる。
メリチンCOOHを試験し、そしてこれはメリチンアミドよ
りも効力が弱いことがわかった。以上の他、2種類のメ
リチン類似体を試験した。これらは位置21−26において
陽電荷アミノ酸の結合性尾部が欠如していた。これら両
者のメリチン類似体はHIV感染細胞に同一と判断される
作用を有し、即ちこれらの感染細胞は選択的に殺傷され
た。例えば、10μg/mlにて、半数の感染細胞が殺傷さ
れ、そして非感染細胞は実質的に影響を受けなかった。
更に、臨界濃度での細胞溶解に基づき、メリチンの毒性
として説明されることができる細胞の溶解は、利用した
濃度において観察されなかった。メリチン類似体の作用
は類似体の濃度の上昇により、感染細胞の生存率を定常
的に低下させることを示した。このメリチン類似体の作
用は簡単には説明できない。即ち、感染細胞は非感染細
胞と同程度に明らかに生存しており、従ってもしHIV遊
離が阻害される場合、それらは非感染細胞よりも速い速
度で死滅することはないであろう。更に、両親媒性構造
を介して作用する、抗ウイルス物質としてのメリチンの
作用はメリチン(1−20)の作用により更に実証された
(それぞれ図18及び19)。これに関して、メリチン1−
20はその分子の細胞結合部が欠如していることを処理す
べきである。しかしながら、この類似体はそれにもかか
わらず天然のメリチン及びメリチン(1−20)−6−
(Gly)−アミドと同様にHIV遊離を阻害した。更にこの
メリチンは、陽電荷C末端を有さないメリチン、即ちメ
リチン(1−20)−6−(Gly)−アミドと同様に感染
細胞の増殖を阻害した。従って、メリチンの抗ウイルス
作用はメリチンの既知の細胞溶解メカニズムに依存せ
ず、むしろメリチンの両親媒性及び膜カオトロピック作
用に依存すると考えられる。従い、感染細胞の選択的殺
傷はHIV遊離の阻害と相関する。これは現状では推測で
あるが、この作用はメリチンの現在迄分っていない作用
に基づくであろう。
毒性マストパランの作用も図20及び21に示す。これは両
親媒性ペプチドであるが、やや短めのものと考えられ、
そして14個のアミノ酸残基のみを含む。従って、これは
ポリマー型においてのみ膜に分散することができる。類
似の構造を有すペプチド、即ちMHC(MAJOR組織適合性複
合配列)及びGP41類似体、並びにマストパランは既に明
らかである作用を有していないことに注目することが重
要である。更に、メリチンと明らかに構造上類似してい
ないコントロールぺプチドも作用を有さなかった。
図30及び31をより詳しく参照すると、本発明者は、細胞
内におけるウイルスタンパク質24の形成を測定すること
により、メリチンにより処理された感染体(クローン培
養物)においてこのウイルスタンパク質合成は全体的に
低められることを発見した。このことは本質的に、該ウ
イルスにおけるメリチンの作用は、感染細胞から遊離す
る前のウイルスに攻撃することであり、しかも細胞培養
物等へのメリチンの添加の最中又は直後にウイルスの数
を低下せしめることが可能であることを意味する。しか
しながら、この事実はウイルス生産がこの培養を開始か
ら約3〜5日かけて最大値に達することを示している。
この時点において、メリチンは培養物には存在していな
い。更に、得られるこれらの試験はメリチンが19時間の
半減期を有し、且つそれは培養物に添加して2時間を経
過した後はこの培地中において測定ができない、即ち、
これは細胞に取り込まれていることを示す。この観察は
「細胞遊離」ウイルス、即ち、上清液に放出されたウイ
ルスにおけるメリチンの直接的作用によって説明される
実験結果を全てを排除する。
膜翅類毒素の繰り返し投与の作用をマウスにおいて調べ
た。10匹のNMRIマウス(それぞれの性を5匹づつ)のグ
ループに以下の毒素を皮下的に付与した。ハチミツ、ス
ズメバチ、オオクマバチ混合物又はスズメバチ科の混合
物を0,4,7,12,14及び16日目に与えた。各動物にそれぞ
れ1,2.5,5,10,25及び50μgの毒素を投与せしめた。そ
の後、各動物は50μgの毒素の注射を毎月5ケ月にわた
り受けた。第5のグループにはコントロール溶液を与
え、これをコントロールとした。このデーターをそれぞ
れ図35から41Aにまとめた。臨床観察及び体重記録を繰
り返し行った。この実験の終了時に、全ての動物を解剖
し、そして組織学的検査を行った。この検査の結果よ
り、マウスはこの4種の毒素に非常に耐性であることが
考えられた。異常な成長又は顕微鏡的変化は見られなか
った。
長期毒性試験に用いた材料と方法 種々の膜翅類毒素の利用 序 論 哺乳類における膜翅類毒素の繰り返し投与の効果を評価
するため、長期毒性試験をマウスにおいて行った。
試験物質 以下の膜翅類の種由来の毒素を試験した: ハチミツバチ(アピスメリフェラ:Apis mellifera)
(ref.Nr.BV02)、 ズズメバチ(ベスプラマクリフロンス)(ref.Nr.YJ0
2)、 オオクマバチ混合物〔白色頭オオクマバチ(ベスプラマ
クラタ:vespula maculata)、及びスズメバチ(ベスプ
ラアレナリア:vespula arenaria)〕(ref.nr.MH01) ズズメバチ科混合物(スズメバチ、白色頭オオクマバチ
及びスズメバチ)(ref.No.MV02)。
コントロール動物は以下のコントロール溶液を受けた:N
aCl:0.12M ヒト血清アルブミン(HSA):0.03% マンニトロール:3% リン酸ナトリウム:0.005M pH7.4 試薬の準備 これらの毒素を種々の濃度においてエバン(Evan)の緩
衝食塩水、pH7に、各投与時に同一の投与量、即ち、0.5
ml/動物を確保するために希釈せしめた。
NaHPO4・2H2O−0.711g/L KH2PO4−0.363g/L NaCl−5g/L フェノール−4g/L ジ−Na−EDTA・2H2O−0.1g/L 動物及び条件 動物:マウス、NMRI種、SPF(Anticimey,Norrviken)、
生後7週間、体重(♀)25g、(♂)30g、5匹/ケージ
で飼育。
えさ:任意量のペレット(Anticimex,R3)及び水。
温度(周囲):22±1℃。
湿度(相対):50±10%。
光(人工):12時間/日。
グループのサイズ 10匹づつの動物(各性5匹づつ)をランダムに選別して
5つのグループに分けた(1組のコントロールグループ
を含む)。
グループ マウスNo. 化合物 1 1−10 コントロール 2 101−110 ハチミツバチ 3 201−210 スズメバチ 4 301−310 オオクマバチ混合物 5 401−410 ズズメバチ科混合物 投与量 No.2〜5の各グループに、以下の投与スケジュールを利
用した。
その後、各マウスは毎月50μgの毒素を5ケ月間受け
た。従ってこの実験期間中に各マウスの注射された毒素
の量の合計は343.5μgであった。コントロール動物も
同じタイムスケジュールに従ったが、それらはグループ
2及び3と同一のマンニトール及びHSAの相対濃度を含
むエバンの緩衝食塩水に希釈せしめたコントロール溶液
0.5ml/一匹を各時点にて受けた。
投与のルート 背の中央の腰椎部に皮下的に投与。
観 察 不健康又は毒性の臨床徴候をコントロールし、そして毎
日記録した。
体 重 個体の体重を投与開始前及び各投与の後に記録した。
最終試験 50μg注射を開始してから6ケ月後、全てのマウスを殺
し、そして解剖した。組織学的調製品及び組織病理学検
査のための組織を以下の器官から採取した;皮膚、だ液
腺、気管、肺及び気管支、心臓及び大動脈、甲状腺、副
甲状腺、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結
腸、腸間膜のリンパ腺、肝臓、胆嚢、大腿筋、座骨神
経、胸骨分節、胸腺、膵臓、脾臓、腎臓、副腎、膀胱、
精嚢、前立腺、精巣、卵巣、子宮、脳、下垂体、目、脊
髄及び注射部。
結 果 検査の結果のそれぞれのデータを図35−41Aに示した。
観 察 臨床徴候 マウス、309号(オオクマバチ混合物)はこの実験期間
の2ケ月間、連続的に円運動するようになった。
マウス、203号(スズメバチ)はこの実験の終了1ケ月
前の短い間、脱毛を伴った水腫状且つただれた前足を有
した。
体 重 図36−40を参照のこと。
体重は投与の影響を受けなかった。
最終試験 肉眼的病理学 脾臓はマウス304号(オオクマバチ混合物)において腹
壁に、そしてマウス406号(スズメバチ科混合物)にお
いて膵臓に固く付着していた。マウス101号及び105号
(ハチミツバチ)はそれぞれ固い、1mmの小塊をその肺
に有していた。その他の顕著な肉眼的発見はできなかっ
た。注射部位は膨潤又はその他の変化を伴うことなく、
殺傷時のままであった。
顕微鏡的病理学 顕微鏡検査の結果を図41及び41Aに示した。腸間膜のリ
ンパ腺における反応性壊死が以下のマウスに見られた:1
10号(ハチミツバチ)、307号及び308号(オオクマバチ
混合物)、406及び410号(スズメバチ科混合物)。マウ
ス210号(スズメバチ)において、その腸間膜リンパ腺
に中程度のリンパ球過形成が生じていた。
マウス310号(オオクマバチ混合物)において、その脾
臓に亜急性又は慢性細胞反応を伴う病巣壊死があった。
マウス304号(オオクマバチ混合物)において、脾臓か
ら腹壁にかけての付着は慢性的な繊維形成によるもので
あり、そしてマウス406号(スズメバチ科混合物)にお
ける脾臓から膵臓にかけての付着は慢性繊維形成による
ものであり且つよく血管化(vascularized)されている
ことが見い出せた。
腸間膜リンパ腺及び脾臓における上記の変化は該毒素に
より引き起こされたものでありうるが、しかしそれらは
動物の健康状態に関して無害な特徴であると判断され
る。
肺において小さな腫腺が、マウス101号及び105号(ハチ
ミツバチ)並びにマウス402号(スズメバチ混合物)に
おいて見られた。マウス407号(スズメバチ混合物)に
おいて、小さな結節性気管支上皮過形成が見られた。こ
れらのタイプの変化は自発的に生じる。
コントロールマウス及びこれらの毒素の付与されたマウ
スにおいて、わずかな細胞浸潤物を有す肝実質細胞(he
patic parenchymal cells)の小さな壊死がしばしば
見られた。更に、若干の慢性炎症変化が3匹のコントロ
ールマウスにおける腎臓に見られた。
ローシャー(Rausher)白血病マウスにおける生体内実
験 ローシャー白血病マウスは一般に認められている哺乳類
のレトロウイルス感染症のモデルである。このウイルス
はマウスに赤血球生成白血病を生じさせ、これは赤血球
の生産の増大の指標としての脾臓のサイズの増大により
示される。脾臓のサイズは感染動物の死を実質的にもた
らす疾患の進行の測定として取られる。6個のGlyの尾
部を有すメリチン類似体の作用をこのシステムにおいて
試験した。
メリチンの抗ウイルス作用の原理の試験をBalb Cマウ
スで行った(生後12週間;全て雄)。この動物をケージ
当り4匹で飼育した。ローシャー白血球ウイルスによっ
て、腹腔内注射によりこれらの動物を感染せしめ(一匹
当り、0.2mlの容量において105個感染性粒子(ウイル
ス))、その10分後に試験物質を皮下注射せしめた。こ
れらの動物はコントロール(食塩水の疑似注射を受けた
もの)又は試験動物(メリチン類似体を受けたもの)と
して2つのグループに分けた。
上記の通り感染せしめたバルブCマウスそれぞれ16匹の
2つのグループに、リン酸緩衝食塩水(25mMのKH2PO4
150mMのNaCl、pH7.8;PBSと称す)又はメリチン−6−gl
y(0.1mlの容量において、5μg/体重mg)のいづれかを
注射した。このペプチドは100μg/mlとして溶解せし
め、そしてコントロール及び試験動物のそれぞれは皮下
的に同容量(0.1ml)のPBS又はPBS+試験物質を注射さ
れた。この注射は、感染性ウイルスの注射の10分後に行
った。2日後、これらの動物は新たなるメリチン類似体
(10μg/体重mg)又はPBSの注射を、0.100mlの皮下注射
として受けた。最初の注射から4日後、20μg/体重mgの
メリチン類似体を用いて第3回目の注射を行った。全て
の動物はメリチン類似体又はPBSの注射によって影響を
受けることなく、そして注射の厳しい期間生存し続け
た。
通常、感染マウスは2週間以内に150mg以上の重さの脾
臓を生じせしめうる。このサイズは2.5g迄大きくなるこ
とができる。正常な脾臓は小さくて0.1mg、大きくて0.1
5mgであり、95%のマウスがこの範囲内の脾臓を有す。
2週間後に170g以上の脾臓を明らかな感染症として解釈
し、正常値の上限値150mgと170mgの間の脾臓をボーダー
ラインのケースとした。2週間後、コントロールグルー
プにおいて試験した全ての動物は150mgより大きい脾臓
を示した。試験した動物のテストグループの25%におい
ても150mg以上であるが170mg以下の脾臓を示し、そして
これらはボーダーラインケースとして考えられる。しか
しながら、残りは脾臓の増大の徴候を示さず、即ち、そ
れは正常な動物としての100〜150mg内であった。1匹の
動物のみがコントロールグループにおける100%と比較
して病理的であった。
以下の考察が上記の実験から導かれる。
1.動物は、本特許明細書に詳細のインビトロ実験と匹敵
する濃度におけるメリチン類体による処置に生存し続け
る。
2.該メリチン類似体は、哺乳類におけるレトロウイルス
の発育を阻害する。なぜなら、比較処置したコントロー
ルグループにおいて疾患は100%発症したのと比べ、感
染動物の75%は疾患を発症せしめなかったからである。
3.HIVのみでなく、その他のレトロウイルスもメリチン
及びその類似体により阻害される。
考 察 全体的な印象は、マウスは該4種の毒素、即ち、ハチミ
ツバチ、スズメバチ、オオクマバチ混合物及びスズメバ
チ科混合物を少量の投与養生法において投与された場合
にそれらに耐性であったことである。異常な肉眼的又は
顕微鏡的変化は見い出せなかった。
初めに説明した通り、メリチンは哺乳類におけるHIV感
染症の治療を、おそらく主要HIVタンパク質の1つ、即
ち、糖タンパク質GP41との相互作用によって提供すると
考えられる。このことは、GP41のトランスメンブラン領
域とメリチンとの間の類似性により考えられ、そしてこ
のことは図5を参照することによって最もよくわかる。
図5において示す通り、GP41は分子の膜結合部の顕著な
特徴でありうる両親媒性部位を有する。GP41の両親媒性
部は荷電アミノ酸の交差ループを形成し、ここでこのル
ープの二本の脚部はメリチンの重合体に関連する構造と
類似する電荷中和構造を形成せしめる。メリチンはGP41
による分子内電荷中和の正常なる形成も妨げ、これによ
ってGP41の構造を大きく変化せしめる。このことはウイ
ルスの形成に影響を及ぼし、その理由はウイルスの形成
は基礎的なウイルス発芽プロセスを行えるようにするGP
41とウイルスタンパク質P17の核との相互作用に依存す
ると考えられるからである。ウイルス、例えばHIVは、
ウイルスゲノムを含む細胞表層上の小さな膜芽(membra
ne bud)の形成を含むプロセスにより細胞から細胞へ
と広がるものと理解されている。このプロセスは細胞表
層の変化に感受性であると考えられる。例えば、脂質成
分の添加は感染細胞からのウイルスの遊離を妨げること
がよく知られている。この作用はおそらく細胞膜上のカ
オトロピック作用に基づく。しかしながら、この作用の
メカニズムは未だ明確でない。
メリチンの相互作用を可能にするGP41の構造的な特徴は
アミノ酸770〜856の間にあると考えられ、そしてここに
は770〜794及び824〜856の両親媒性配列が含まれる。図
5を参照のこと。これらの配列の両親媒性は、低い全体
的な疎水性と、組合さったそれらの高い疎水性運動によ
り検出される。この二本の両親媒性脚部は分子力学によ
ってモデル化され、そしてそれらはその両親媒性に基づ
いて相互作用することができ、これによってそれらはト
ランスメンブランループを形成することによって膜の中
に侵入することが潜在的に可能となる。他方、それらは
細胞膜の内部表層上に浮いていることもできる。どのケ
ースにおいても、メリチンとの相互作用はGP41の細胞質
部分の部位の位置を変化せしめ、これによってウイルス
形成の重要な先駆体と考えられるp17との相互作用を妨
げる。これに関連して、メリチン及びGP41の両親媒性配
列824〜856の間の興味ある類似性は、それらが共にその
両親媒性ヘリックスにおいてプロリンを有することにあ
る。この構造的な特徴は初めに説明した通り、このヘリ
ックスに120゜のねじれを導入せしめ、従ってそれらが
わずかに折り曲った形を有することを引き起こさせる。
他方、メリチンは膜と相互作用することができ、これに
よってカオトロピック剤として働きうる。このことも、
その両親媒性的性質によるであろう。カオトロピック剤
の作用は膜に並んでいるリン脂質の配列の乱れを引き起
こすことにあると考えられる。このような作用は膜の相
転移期における変化及びその後のそれらの厚みの変化を
引き起こす。期待された通りの、メリチンの浮化がカオ
トロピック効果を引き起こす事実は驚くべきことではな
い。しかしながら、この現象がどのようにてウイルスの
発芽プロセスに作用にするかは不明確であり、そして現
在迄分っていない。しかしながら、大いなる抗HIV作用
の徴候又は変化が膜の脂質配列の並びにおいて生じた。
更に、種々のリン脂質成分の添加も感染細胞からのHIV
の遊離を防いだ。しかしながらこの作用を引き起こす脂
質分子を固定することはできていない。
ところでメリチンはリン脂質と相互作用することが知ら
れ、そしてこの未確認脂質分子のこの作用又はその結合
はHIV遊離に関連するとも考えられ、これもメリチンの
抗作用の説明を提供するであろう。おそらくこの脂質は
リン脂質ではなく、その理由はリン脂質の添加はメリチ
ンと非常に類似する作用を有すからである。
考察において、これらの試験結果はメリチンが二つの作
用を有することを示唆する。即ち、メリチンはウイルス
を不活性化せしめる短い第一期及び少なくともP24の生
産を低める長い第二期を有すと考えられる。これらの特
徴はメリチン両親媒性ヘリックスの特異的な構造に起因
するであろう。更に、この試験の情報は、尾部構造が類
似体の有効性を決定するがその作用の性質は決定しない
ことを示唆する。即ち、Lys−Arg−Lys−Arg−Gly−Gly
を先端に含む尾部を有す類似体の有効濃度は該尾部を有
さないメリチンの有効濃度の約100分の1である。上記
の他、この試験結果は上清液の感染性が低毒性濃度での
メリチンによる単独処理によって引き下げられることを
示唆した。これに関して、この処理は培養を開始するこ
とであり、そして感染性の測定は処理の7日後である。
前記した通り、この型の培養物における最大ウイルス濃
度値は培養の5日後迄到達されなかった。本発明者が上
記より導くことができる考察は、処理7日後の低められ
ているウイルス感染性がウイルスにおけるメリチンの直
接的な作用にのみ基づくならば、メリチン又は活性フラ
グメントの効果が処理の5日後のような遅さで現れてい
ることと理解されるであろう。この可能性はなく、その
理由は本発明者はメリチンが培養の開始後数時合以内に
細胞によって吸収されることを発見したからである。更
に、上清液の感染性の低下が、ウイルスの不適切な集成
又は新たに合成されるビリオンの破壊と対立して、低め
られたウイルス生産に部分的に基づくなら、このような
現象においてこれは細胞内及び/又はメリチン処理培養
物の上清液中における低められたウイルスタンパク質の
量に反映されるべきである。この仮説が正しいかを調べ
るため、本発明者はウイルスのタンパク質生産に関する
マーカーとしてP24マーカーを選んだ。この試験データ
ーは、メリチンとの3時間のインキュベーションによ
り、細胞及び上清液のP24のあるにしてもほんのわずか
な低下のみを示した。しかしながら、メリチンとの14時
間のインキュベーションによっては、細胞及び上清液に
おけるP24のめざましい低下が得られた(60%迄の低
下)。そして、細胞P24は上清液P24よりも早く且つより
強く引き下げられると考えられる。更に、メリチンとの
無細胞HIVのインキュベーションはP24抗原の検出を弱め
ることはなかった。これはウイルスの感染性を引き下げ
ることを引き起こすのみであると考えられる。
マウスにおけるインビトロ実験も実施した。
以下の考察が上記の実験から導かれる。
1.動物は、本特許明細書に詳細のインビトロ実験と対比
する濃度におけるメリチン類体による処置に生存し続け
る。
2.該メリチン類似体は、哺乳類におけるレトロウイルス
の発育を阻害する。なぜなら、比較処置したコントロー
ルグループにおいて疾患は100%発症したのと比べ、感
染動物の75%は疾患を発症せしめなかったからである。
3.HIVのみでなく、その他のレトロウイルスもメリチン
及びその類似体により阻害される。
本発明を最も実用的且つ好ましい態様において詳細して
きたが、これらの改良を本発明の範囲を逸脱することな
くなされることが理解できうる。

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量のメリチンを含ん
    で成る医薬組成物。
  2. 【請求項2】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量のメリチンの構造
    類似体を含んで成る医薬組成物。
  3. 【請求項3】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量のメリチン及びそ
    の構造類似体のポリペプチド混合物を含んで成る医薬組
    成物。
  4. 【請求項4】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量の、少なくとも1
    種類の膜翅類毒素、少なくとも1種類の膜翅類毒素の活
    性タンパク質成分、少なくとも1種類の膜翅類毒素のポ
    リペプチド成分、及びその混合物より成る群から選ばれ
    る薬剤を含んで成る医薬組成物。
  5. 【請求項5】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量の、ハチミツ毒
    素、マルハナ毒素、スズメバチ毒素、ボールドフェース
    オオクマバチ毒素、該毒素の活性タンパク質成分、該毒
    素の活性タンパク質成分、及びそれらの混合物より実質
    的に成る群から選ばれる薬剤を含んで成る医薬組成物。
  6. 【請求項6】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量の、連結している
    細胞結合性配列を有する又は有さない両親媒性αヘリッ
    クスを含むメリチン構造類似体を含んで成る医薬組成
    物。
  7. 【請求項7】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量のGly-Ile-Gly-Al
    a-Val-Leu-Lys-Val-Leu-Thr-Thr-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-
    Ile-Ser-Trp-Ile-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Glyを含んで成
    る医薬組成物。
  8. 【請求項8】哺乳類のHIV感染細胞におけるウイルス複
    製を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染
    症の治療のための、低毒性有効投与量のメリチン及びGl
    y-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Val-Leu-Thr-Thr-Gly-Leu-
    Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Gl
    yの構造類似体を含んで成る医薬組成物。
  9. 【請求項9】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低め
    る又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治療
    のための、低毒性有効投与量のメリチンを含んで成る医
    薬組成物。
  10. 【請求項10】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量のメリチンの構造類似体
    を含んで成る医薬組成物。
  11. 【請求項11】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、Amfi1及びメリチン様であるGP41のペプチ
    ドを含んで成る医薬組成物。
  12. 【請求項12】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、Amfi2及びメリチン様であるGP41のペプチ
    ドを含んで成る医薬組成物。
  13. 【請求項13】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量のメリチン及びその構造
    類似体のポリペプチド混合物を含んで成る医薬組成物。
  14. 【請求項14】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量の、少なくとも1種類の
    膜翅類毒素、少なくとも1種類の膜翅類毒素の活性タン
    パク質成分、少なくとも1種類の膜翅類毒素のポリペプ
    チド成分、及びその混合物より成る群から選ばれる薬剤
    を含んで成る医薬組成物。
  15. 【請求項15】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量の、ハチミツ毒素、マル
    ハナ毒素、スズメバチ毒素、ボールドフェースオオクマ
    バチ毒素、該毒素の活性タンパク質成分、該毒素の活性
    タンパク質成分、及びそれらの混合物より実質的に成る
    群から選ばれる薬剤を含んで成る医薬組成物。
  16. 【請求項16】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量の、連結している細胞結
    合性配列を有する又は有さない両親媒性αヘリックスを
    含むメリチン構造類似体を含んで成る医薬組成物。
  17. 【請求項17】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量のGly-Ile-Gly-Ala-Val-
    Leu-Lys-Val-Leu-Thr-Thr-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-Ile-Se
    r-Trp-Ile-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Glyを含んで成る医薬
    組成物。
  18. 【請求項18】哺乳類におけるHIV感染細胞の増殖を低
    める又は阻害せしめる、哺乳類におけるHIV感染症の治
    療のための、低毒性有効投与量のメリチン及びGly-Ile-
    Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Val-Leu-Thr-Thr-Gly-Leu-Pro-Al
    a-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Glyの構
    造類似体を含んで成る医薬組成物。
  19. 【請求項19】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量のメリチンを含んで成る医薬組成物。
  20. 【請求項20】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量のメリチンの構造類似体を含んで成る医薬組成
    物。
  21. 【請求項21】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量のメリチン及びその構造類似体のポリペプチド混
    合物を含んで成る医薬組成物。
  22. 【請求項22】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量の、少なくとも1種類の膜翅類毒素、少なくとも
    1種類の膜翅類毒素の活性タンパク質成分、少なくとも
    1種類の膜翅類毒素のポリペプチド成分、及びその混合
    物より成る群から選ばれる薬剤を含んで成る医薬組成
    物。
  23. 【請求項23】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量の、ハチミツ毒素、マルハナ毒素、スズメバチ毒
    素、ボールドフェースオオクマバチ毒素、該毒素の活性
    タンパク質成分、該毒素の活性タンパク質成分、及びそ
    れらの混合物より実質的に成る群から選ばれる薬剤を含
    んで成る医薬組成物。
  24. 【請求項24】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量の、連結している細胞結合性配列を有する又は有
    さない両親媒性αヘリックスを含むメリチン構造類似体
    を含んで成る医薬組成物。
  25. 【請求項25】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量のGly-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Val-Leu-Thr-Th
    r-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-Gly-Gly-Gly-
    Gly-Gly-Glyのを含んで成る医薬組成物。
  26. 【請求項26】哺乳類のレトロウイルス感染細胞におけ
    るウイルス複製を低める又は阻害せしめる、哺乳類にお
    けるレトロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効
    投与量のメリチン及びGly-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Va
    l-Leu-Thr-Thr-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-
    Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Glyの構造類似体を含んで成る医
    薬組成物。
  27. 【請求項27】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量の
    メリチンを含んで成る医薬組成物。
  28. 【請求項28】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量の
    メリチンの構造類似体を含んで成る医薬組成物。
  29. 【請求項29】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、Amfi1及びメリチン
    様であるGP41のペプチドを含んで成る医薬組成物。
  30. 【請求項30】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、Amfi2及びメリチン
    様であるGP41のペプチドを含んで成る医薬組成物。
  31. 【請求項31】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量の
    メリチン及びその構造類似体のポリペプチド混合物を含
    んで成る医薬組成物。
  32. 【請求項32】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量
    の、少なくとも1種類の膜翅類毒素、少なくとも1種類
    の膜翅類毒素の活性タンパク質成分、少なくとも1種類
    の膜翅類毒素のポリペプチド成分、及びその混合物より
    成る群から選ばれる薬剤を含んで成る医薬組成物。
  33. 【請求項33】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量
    の、ハチミツ毒素、マルハナ毒素、スズメバチ毒素、ボ
    ールドフェースオオクマバチ毒素、該毒素の活性タンパ
    ク質成分、該毒素の活性タンパク質成分、及びそれらの
    混合物より実質的に成る群から選ばれる薬剤を含んで成
    る医薬組成物。
  34. 【請求項34】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量
    の、連結している細胞結合性配列を有する又は有さない
    両親媒性αヘリックスを含むメリチン構造類似体を含ん
    で成る医薬組成物。
  35. 【請求項35】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量の
    Gly-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Val-Leu-Thr-Thr-Gly-Le
    u-Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-
    Glyを含んで成る医薬組成物。
  36. 【請求項36】哺乳類におけるレトロウイルス感染細胞
    の増殖を低める又は阻害せしめる、哺乳類におけるレト
    ロウイルス感染症の治療のための、低毒性有効投与量の
    メリチン及びGly-Ile-Gly-Ala-Val-Leu-Lys-Val-Leu-Th
    r-Thr-Gly-Leu-Pro-Ala-Leu-Ile-Ser-Trp-Ile-Gly-Gly-
    Gly-Gly-Gly-Glyの構造類似体を含んで成る医薬組成
    物。
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