JP2001501620A - 免疫不全ウイルス感染の治療方法 - Google Patents

免疫不全ウイルス感染の治療方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は免疫不全ウイルスに感染した動物について、効果的な量の細胞溶解性ペプチドを投与することを含む、その感染を治療する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫不全ウイルス感染の治療方法発明の分野 本発明は抗ウイルス療法およびペプチド化学の分野に関する。よく詳しくは、 本発明は顕著な抗ウイルス活性を有する細胞溶解性ペプチド(lytic peptide)に 関する。発明の背景 天然に現れる細胞溶解性ペプチドは、決定的でないにしろ昆虫において免疫的 作用物質として重要な役割を果たし、同様に、ある範囲の動物においても防御機 能を与えているようである。これらのペプチドは細胞膜を破ることによって原核 細胞および他の非宿主細胞を破壊し、これにより細胞溶解を促進する。これらの 天然に現れる細胞溶解性ペプチドの共通の特徴には、全体としての塩基性電荷、 サイズの小さいこと(23〜30アミノ酸残基)、両親媒性α−ヘリックスまたはβ− プリーツシートが含まれる。いくつかの細胞溶解性ペプチドに見られる他の特徴 は、疎水性の尾部、すなわち、ペプチドの末端に位置する種々の長さの疎水性ア ミノ酸の非両親媒性配列である。 両親媒性ペプチドのいくつかのグループが同定されており、セクロピン(cecro pins)(Hultmarkらに与えられた米国特許第4,355,104号および4,520,016号に最初 に記載された)、ディフェンシン(defensins)、ザルコトキシン(sarcotoxins)、 メリチンおよびマゲイニン(Zasloffに与えられた米国特許第4,810,777号に記載 された)が含まれる。これらのグループの各ペプチドは配列および2次構造の特 徴で区別される。 ペプチド誘導細胞溶解のメカニズムはペプチドの定められた2次構造と正電荷 密度に依存している。これらのペプチドがその効果を発揮するメカニズムの説明 に関するいくつかの仮説が提出されてきた。例えば、このペプチドはイオンチャ ンネルまたは細胞膜を通る孔を形成し、浸透圧的に誘導される細胞溶解を引き起 こすかもしれない。 天然に現れる細胞溶解性ペプチドの活性合成アナログが作り出され、種々の原 核細胞および真核細胞に対してin vitroでテストされてきた(例えばArrowoodら 、J.Protozool.,38:161s(1991);Jaynesら、FASEB J.,2:2878(1988))。それら には、グラム陽性およびグラム陰性バクテリア、真菌、酵母、原虫および腫瘍性 または形質転換哺乳動物細胞が含まれる。これらの研究により、合成ペプチドア ナログは種々のタイプの細胞に対して天然に現れるペプチドよりも高い溶解活性 レベルを有し得ることが明らかになった。細胞溶解性ペプチドに関する議論は、 天然に現れる、または合成の双方について、Jaynesの“Lytic peptides,use fo r growth,infection and cancer”WO 90/12866に見ることができる(この文献は 本明細書に含まれるものとする)。これらの文献は細胞溶解性ペプチドの明確な 性質を述べ、活性な合成細胞溶解性ペプチドの幾つかの配列を述べている。 このペプチド作用の特異性は両親媒性ペプチドの濃度とペプチドが相互作用す る膜のタイプに依存している。Jaynes,J.M.ら、Peptide Research,2:157(198 9)では、このようなペプチドに対して溶解しやすくする、形質転換または腫瘍性 哺乳動物細胞の変化した細胞骨格的特徴について議論している。正常な、ヒトの 非形質転換細胞は、任意のペプチド濃度で影響を受けないままだが、形質転換細 胞は溶解した;しかしながら、正常細胞は細胞骨格阻害剤、サイトカラシンDま たはコルヒチンで処理されると、溶解に対する感受性が増加する。実験により両 親媒性ペプチドの正常哺乳動物細胞に対する作用は限られていることが示された 。この溶解に対する耐性は正常細胞のよく発達した細胞骨格ネットワークのため であることが最も考えられる。これに対して、形質転換細胞株は、細胞骨格上の 欠陥を有することが知られているが、溶解感受性である。溶解に対する細胞の感 受性が異なるために、細胞溶解性ペプチド濃度を生体内の同じ部位において一つ の細胞タイプに対しては溶解を起こさせ他のタイプに対してはそうでないように 操作することが出来る。 AIDS(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルス、一般にHIV(ヒト免疫不全ウ イルス)と呼ばれているウイルスはヒトT細胞白血病HTLVIIIと呼ぶのがより適 切であり、従って、最近ある種の白血病の原因として記載されている幾つかのレ トロウイルスの一つである。AIDSは1981年以来、珍しい症候群として臨床的に認 識されてきた。この疾病の顕著な特徴はTヘルパー細胞集団の量的な低下であり 、感染性疾患に対する感受性が極めて増大する結果を引き起こし、ウイルス感染 の宿命的な結果である日和見感染による死という最終的な結末を伴うものである 。このウイルスはレトロウイルスとしてRNAを含み、ウイルスゲノムをDNAの形で 最終的には宿主の遺伝へ組み込むことを可能とする幾つかの特別な酵素を有して いる。このウイルスは何年もの間「サイレント」であり続けることができ、ある 種の条件下で、ウイルスゲノムが活性化され感染性ウイルスが多量に作り出され 、犠牲者のTヘルパー細胞集団の最終的な枯渇を生じさせる。免疫系のこの構成 要素は日々出会う感染と戦うために絶対に必要なものである。HIV感染は、一つ には、従来のワクチン処置を無効にする非常に多様で変異しやすいコート特性の ために非常に治療が難しい。発明の概要 本発明は、レトロウイルスまたはエンベロープウイルスに感染した動物を治療 する方法に関するものである。本方法は感染した動物を、細胞溶解性ペプチドに よりウイルスまたはウイルス感染細胞に対して致死であるが、健全な細胞には致 死量以下である濃度で治療することを含む。本発明のさらなる実施態様は、レト ロウイルスまたはエンベロープウイルスに感染した動物をウイルスまたはウイル ス感染細胞に対して致死量以下であるが、非感染性のウイルス粒子を産生する感 染細胞を生じさせる用量の細胞溶解性ペプチドで治療することである。図面の簡単な説明 図1は細胞溶解性ペプチド単一処理(single lytic peptide treatment)された 、慢性感染CrFK細胞のp26レベルを示すものである。 図2は細胞溶解性ペプチド処理によるFIV-Petalumaの感染性低下を示すもので ある。 図3は2種類の異なる濃度における細胞溶解性ペプチド単一処理された、慢性 感染CrFK細胞のp26レベルを示すものである。 図4は細胞溶解性ペプチド処理によるFIV-Petalumaの感染性の低下を示す第2 の実験を示すものである。発明の詳細な説明 適当な用量において、ペプチジルMIM(膜相互作用分子(Membrane Interactive M olecule))、すなわち、天然または合成起源の細胞溶解性ペプチドは免疫不全ウ イルスFIV、SIVおよびHIVのようなレトロウイルスおよびエンベロープウイルス 全般を除去し、感染細胞を殺すであろう。ウイルス感染細胞はしばしばシンチシ ウム形成および細胞骨格異常を示す。細胞骨格異常が存在することは感染細胞が 細胞溶解性ペプチドによる溶解に対して感受性が増大しているであろうことを示 唆するものである。実際、本発明者等により、ある種の両親媒性ペプチドで処理 したヘルペス単純ウイルスII型(HSV II)感染細胞において細胞溶解の増加とウ イルス力価の減少が起こることが証明されている。これは正常細胞に対して毒性 であるよりもずっと低い濃度、好ましくは患者の体重(kg)あたり、1日に0.05mg から15mgで起こる。 しかしながら、欠陥のある細胞骨格を有する細胞に対する細胞溶解性ペプチド の既知の効果による感染細胞の単なる破壊のみがこの細胞溶解性ペプチドの抗ウ イルス効果に関与しているようには見えず、実際、他の細胞タイプに対して見ら れる効果と根本的に異なっている。細胞溶解性ペプチドは、非感染細胞にとって 致死量以下であるペプチド濃度において現実にHIVの細胞間伝搬を阻害する。実 際、免疫不全ウイルス感染細胞が、ウイルスを完全に排除しない量のペプチドで 処理された場合、それらの処置培養物からその後に生ずるウイルスは完全に非感 染性である 。このことは、細胞溶解性ペプチドのウイルスおよびウイルス感染細 胞に対する完全に予想外の効果を示すものであり、おそらく細胞レベルの溶解に よるのではなくDNAレベルでの抑制により機能するのであろう。レトロウイルス 、レンチウイルス、ヘルペスウイルスまたはエンベロープウイルス一般について この効果が期待される。 これらのタイプのウイルスに対するペプチジル-MIMの活性に関して非常に注目 すべきことは、ウイルスの減少の説明となる細胞の損失が観察されるために必 要とされるよりもずっと低い濃度でその効果を表すことである。上述したように 、このことは、これらのペプチドの既知の特性として知られている溶解活性以上 のものを意味する。また、同時に、われわれがウイルス数を減少させ実際に非感 染性ウイルスを生成させたように、HIVに感染した個体の死について実際の原因 の実体である疾病起因日和見感染を抑制することが可能であろう。なぜなら、全 てのこのような主要病原体に対してこのペプチジルMIMは極めて活性だからであ る。このようにペプチジルMIMはレトロウイルス感染の抑制に深い関わりをもっ ている。 この効果の医療上の可能性は非常に大きい。免疫不全ウイルス感染に関する実 施態様においては、細胞溶解性ペプチドで治療された感染個体では欠損ウイルス が産生され、次にそれが免疫刺激要因として機能するであろう。このウイルスは 非感染性であるためそれ以上全然広がらないであろうし、残存している、重要か つ免疫系の協働に関与している免疫細胞をもはや殺さないであろう。このことは 感染した個体に細胞性防御を身に付ける時間を与えるであろうし、かれらは事実 上ウイルスに対して自らを免疫し、最終的にはウイルスに対して耐性になるであ ろう。このペプチドの適正な使用は、ウイルスまたは感染細胞にとって致死量以 下の用量で人々は非感染性ウイルス粒子を産生するようになり、そのため個体間 の病気の伝染を制限又は防ぐことで人々を感染から守るであろう。また、このペ プチドはin vitro法によるワクチン開発のための非感染性ウイルスを作るために 使用することが出来る。 FIVまたはHIVのような免疫不全状態を引き起こすレトロウイルスに感染した患 者、または感染する危険のある患者、特に哺乳動物またはヒト患者をペプチジル MIMにより、これを毎日投与することによって治療することが出来る。好ましい 実施態様では、選択したペプチドを体重1kgあたり1〜10mgの濃度で注射に適し た製剤型中に含む組成物が、治療される患者におけるウイルスのin vivo複製を 低下させるために1日に1回投与されるであろう。ペプチジルMIMの好ましいク ラスはβプリーツシート2次構造を有し疎水性尾部(すなわち、末端疎水性領域 )を有しないものである。こうした種類の構造を有するペプチジルMIMは特に高 い抗ウイルス活性を有することが分かってきた。このクラスの好ましいペプ チドはD4E1であり、アミノ酸配列FKLRAKIKVRLRAKIKL[配列番号1]を有するペプ チドである。しかしながら、他のペプチドクラスもまたこの方法に用いるのに有 用である。α−ヘリックス構造およびカルボキシル末端に疎水性尾部を有する好 ましいペプチジルMIMはD2A21であり、アミノ酸配列FAKKFAKKFKKFAKKFAKFAFAF[配 列番号2]である。本発明はなんら特定のペプチドの使用に対して限定するもの ではなく、当技術分野において通常の技術を有するものはクレームされている方 法の使用に適切なペプチドを選択することが出来るであろう。患者が肺感染のよ うな日和見感染も受けている場合には、ペプチドの他の投与経路(エーロゾルの ような)がさらに利益をもたらすであろう。 このペプチドは慢性的に感染した細胞に非感染性ウイルスを産生を引き起こす ので、初期の治療が特定の患者のウイルス負荷を大きく軽減するであろう。加え て、慢性的に感染した細胞によって産生される欠損ウイルスは、抗体を作り出す ための患者の免疫システムが利用できるであろう抗原の供給源を提供するであろ う。 この方法の別の応用はワクチンのための弱毒化ウイルスの産生に関するもので ある。適当な濃度の活性なペプチジルMIM(すなわち、ウイルスおよび感染細胞 の双方にとって致死量以下の濃度)とウイルス感染細胞をin vitroでインキュベ ーションすると培養細胞が非感染性ウイルスを産生するようになるであろう。こ の非感染性ウイルスはワクチンとして使用することができ、または免疫血清とし て有用な抗体産生を引き起こすための免疫攻撃として利用できる。 実施例1 細胞溶解性ペプチドによるHIVの抑制 子宮頚部上皮細胞株、ME180細胞はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレク ションから入手した。これらの細胞を液体窒素から溶かし、10%ウシ胎仔血清、 グルタミン及び抗生物質を添加したRPMI 1640培地中で増殖させた。この細胞は 接着性で、継代のため及びアッセイに使用するためトリプシン処理して(HBSS中 0.5%トリプシン)フラスコから外した。マイクロタイター伝搬阻害アッセイ (microtiter transmission inhibition assay)で使用するために、ME180細胞を トリプシン処理し、洗浄し、1ウェルあたり5x103細胞の密度で96ウェル平 底マイクロタイタープレート(COSTAR)にまいた。この細胞を37℃にて24時間イン キュベーションしてからアッセイを開始した。HIV-1の分離株SK1に慢性感染した H9細胞を200μg/mlのマイトマイシンCで37℃にて60分間処理した。処理後細胞 を組織培養用培地で3回洗浄した。慢性的に感染したリンパ細胞を、1ウェルあ たり2x104の細胞密度で各ウェルに加えた。リンパ細胞の処理に使用するマイト マイシンCの濃度は、未感染のME180細胞にウイルスが伝搬するために必要な期 間リンパ細胞が生存できるが、終了点として使用するp24シグナル(以下を参照せ よ)に寄与しないようにアッセイ時点の前には死滅するように選んだ。伝搬アッ セイにおいて細胞溶解性ペプチドD4E1およびD2A21は、150μg/mlのブタ・ムチ ンと共に又は無しで、慢性感染細胞の添加に先立って、または、慢性感染細胞を 加える前にその慢性感染細胞と混合して、ME180細胞の単層に加えた。ムチンを 含めたのは、ムチンはヒトの通常の膣分泌物の多量成分であって、従って、HIV を標的とするいかなる化学療法剤も、臨床的価値を有するべきならばその存在下 で活性でなければならないからである。デキストランおよび硫酸デキストランも (ブタ・ムチンと共に,または無しで)それそれ陰性または陽性対照としてテス トした。リンパ細胞とペプチドをME180細胞と6時間共培養し、次に、PBSでME18 0単層を4回洗浄してこれらを除いた。次にプレートを37℃にて6日間インキュ ベーションした。インキュベーション期間中、培地を48時間ごとに取り除いて交 換した。最初の投与の後はそれ以上ペプチドを加えなかった。共培養6日後、上 清をウェルから取り、ELISAによってp24抗原の量を評価した。ELISAは業者の推 奨に従って行なった。種々の濃度のペプチドで処理したウェル中のウイルス産生 量を適当な細胞及びウイルス対照で評価した。データは各薬剤濃度におけるウイ ルス対照に対するパーセントとして報告した。伝搬阻害剤のIC25、IC30およびIC95 濃度を計算するために直線回帰分析を使用した。結果は以下の表I〜表IXおよ び図1〜9に示した。50%の細胞が死滅する濃度TC50を%CCデータからの内挿 により決定した。TIは毒性インデックス、TC50/IC50の比を表し、効力と毒性の 間に存在する相対濃度ウインドウの指標である。 表I. D4E1による細胞−細胞伝搬の阻害表II. 150μg/mlのブタ・ムチンを伴うD4E1による細胞−細胞伝搬の阻害 表III. D2A21による細胞−細胞伝搬の阻害表IV. 150μg/mlのブタ・ムチンを伴うD2A21による細胞−細胞伝搬の阻害 表V. 硫酸デキストランによる細胞−細胞伝搬の阻害表VI.150μg/mlのブタ・ムチンを伴う硫酸デキストランの細胞−細胞伝搬阻害 表VII.デキストランによる細胞−細胞伝搬の阻害表VIII. 150μg/mlのブタ・ムチンを伴うデキストランによる細胞−細胞伝搬 の阻害 表IX. ブタ・ムチンによる細胞−細胞伝搬の阻害 このデータからペプチドD4E1およびペプチドD2A21の両方とも正常な非感染細 胞に毒性であるよりずっと低い濃度で、ウイルスレベルの指標であるp24の顕著 な低下を引き起こすことが分かる。ムチンの添加はこの活性を増強することが実 際に示され、このことは、in vitroで見られる効果と同等かまたはそれ以上の効 果がin vivoで期待できることを示すものである。 実施例2 細胞溶解性ペプチドによるFIV伝搬阻害 実験計画と方法:D4E1単一処理の長期的効果を調べるために、FIV-Petalumaで慢 性感染したCrFK細胞を2μMのD4E1で処理し、上清を第1日、3日、5日、7日 および12日に集めた。これらの上清中のP26レベルをELISAによって測定した。D4 E1処理後のウイルス感染性を調べるために、FIV感染CrFK細胞のD4E1処理後第7 日の上清をTCID50アッセイでテストした。上清の対数希釈を行ない、 標的細胞であるE細胞またはFet-J細胞に加えた。ウイルス複製の頂点(種々のウ イルスおよび標的細胞タイプに依存する日数)において、ウイルス感染を調べた 。ウイルス感染の証拠および感染性ウイルス力価は特定の希釈ウェルにおけるp2 6陽性によって示された。TCID50をReed-Muench法に従って計算した。 結果と考察:FIVp26レベルに対するD4E1単一処理の長期的影響を表X、図1に示 した。この実験では、CrFK細胞を2μMのD4E1と共に1日、3日、5日および7 日間インキュベーションし、TCID50アッセイのために上清を集めた。対数希釈を 行ない、E細胞およびFet-J細胞と共に培養した。E細胞感染については、上清のp 26レベルをD0、D15、D21でテストした。第1日おいて、p26は劇的に減 少した(陽性対照の57%)。しかしながら、p26レベルは培養が長くなると次第に 回復し、5日後には未処理培養物と同程度であった。この実験により、2μMの D4E1単一処理は3日後にはウイルスを抑制できないことが示された。 表X:D4E1単一処理した、FIV-Petaluma慢性感染CrFK細胞の上清のp26レベルの 時間経過 第7日の上清におけるウイルスが感染性であるかどうか調べるためにTCID50ア ッセイを行なった。D4E1処理した培養物からの上清は、同等のp26レベルである にもかかわらず、未処理の培養物からの上清に比べてほとんど2対数分低いTCID50 を示した(表XIおよび図2)。この結果は興味深いものであり、D4E1処理 感染細胞からのFIVが欠損株かもしれないことを示すものである。 表XI. D4E1処理又は未処理の、FIV-Petaluma慢性感染CrFK細胞からの第7日上 清のTCID50 第2の実験において、CrFK細胞を0.5μMまたは2μMのD4E1とともに1日、 3日、5日、7日および12日間インキュベーションし、TCID50アッセイのために 上清を集めた。対数希釈を行ない、E細胞およびFet-J細胞と共に培養した。E細 胞感染については、上清のp26をD0、D14およびD21においてテストした 。Fet-J細胞感染については、第4日および第8日において上清のp26をテストし た。結果は第1の実験と類似していたが(表XIIと表XIII、および図3と図4)、D 4E1の活性はこの実験においては第1の実験におけるよりも低いようであった。 これは細胞の生物学的変異またはペプチドの分解のいずれかによる人為的なもの と思われる。 表XII. D4E1単一処理した、FIV-Petaluma慢性感染CrFK細胞の上清のp26レベル の時間経過 表XIII.D4E1で処理または未処理の、FIV-Petaluma慢性感染CrFK細胞からの第7 日目上清のTCID50
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.効果的な量の細胞溶解性ペプチドを投与することを含む、感染動物における 免疫不全ウイルス感染を治療する方法。 2.免疫不全ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルスおよびネコ科免疫不全ウイ ルスからなる群より選ばれるウイルスによる感染である、請求項1記載の方法 。 3.細胞溶解性ペプチドがβプリーツシート2次構造を有し、疎水性尾部を有し ないものである、請求項1記載の方法。 4.細胞溶解性ペプチドが配列番号1および配列番号2からなる群より選ばれる 、請求項1記載の方法。 5.ウイルスがヒト免疫不全ウイルスである、請求項2記載の方法。 6.免疫不全ウイルスに感染した動物に、ウイルスまたはウイルス感染細胞にと って致死量以下ではあるが感染動物によって産生されるウイルス粒子を非感染 性にする量の細胞溶解性ペプチドを投与することを含む、細胞から細胞への免 疫不全ウイルスの伝搬を防止する方法。 7.免疫不全ウイルスがヒト免疫不全ウイルスおよびネコ科免疫不全ウイルスか らなる群より選ばれるウイルスである、請求項6記載の方法。 8.細胞溶解性ペプチドがβプリーツシート2次構造を有し疎水性尾部を有しな いペプチドである、請求項6記載の方法。 9.細胞溶解性ペプチドが配列番号1および配列番号2からなる群より選ばれる ものである、請求項6記載の方法。 10.ウイルスがヒト免疫不全ウイルスである請求項7記載の方法。
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