JPH075420B2 - 肥 料 - Google Patents
肥 料Info
- Publication number
- JPH075420B2 JPH075420B2 JP1319134A JP31913489A JPH075420B2 JP H075420 B2 JPH075420 B2 JP H075420B2 JP 1319134 A JP1319134 A JP 1319134A JP 31913489 A JP31913489 A JP 31913489A JP H075420 B2 JPH075420 B2 JP H075420B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photosynthetic
- photosynthetic bacteria
- bacteria
- seaweed extract
- culture
- Prior art date
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Description
本発明は、光合成細菌を配合した肥料に関するものであ
る。
る。
光のエネルギーを利用して同化作用を営む光合成細菌
は、窒素を固定する能力や、硫化水素など有害物質を餌
として利用して除去する能力などがあるために、特公昭
45−14091号公報や特公昭61−49277号公報などで提供さ
れているように、肥料に配合して使用されている。 この光合成細菌は培養液に接種して培養することによっ
て108/g程度の菌数の濃度で保存されているが、光合成
細菌を肥料等に配合して使用するユーザーへは、光合成
細菌を培養したこの培養溶液を遠心分離法や濾過法で濃
縮することによって、濃厚な懸濁液状の濃縮液として供
給される。この菌数を濃縮した濃縮液は光合成細菌を10
10/g程度の菌数で含むのが一般的である。そしてこの濃
縮液は密封容器に入れて凍結すると共に低温で嫌気暗黒
条件に置けば、長期に亘って光合成細菌の数を減らすこ
となく保存することができるが、一般のユーザーにおい
てはこのようなことを期待することはできない場合が多
く、そのまま室温下に放置されるのが普通である。
は、窒素を固定する能力や、硫化水素など有害物質を餌
として利用して除去する能力などがあるために、特公昭
45−14091号公報や特公昭61−49277号公報などで提供さ
れているように、肥料に配合して使用されている。 この光合成細菌は培養液に接種して培養することによっ
て108/g程度の菌数の濃度で保存されているが、光合成
細菌を肥料等に配合して使用するユーザーへは、光合成
細菌を培養したこの培養溶液を遠心分離法や濾過法で濃
縮することによって、濃厚な懸濁液状の濃縮液として供
給される。この菌数を濃縮した濃縮液は光合成細菌を10
10/g程度の菌数で含むのが一般的である。そしてこの濃
縮液は密封容器に入れて凍結すると共に低温で嫌気暗黒
条件に置けば、長期に亘って光合成細菌の数を減らすこ
となく保存することができるが、一般のユーザーにおい
てはこのようなことを期待することはできない場合が多
く、そのまま室温下に放置されるのが普通である。
しかし、光合成細菌の最適成育温度は27〜30℃であるた
め、室温下に放置されると、一時的に増殖して栄養不足
となって光合成細菌の多数が餓死して死滅するおそれが
ある。特に夏期においては、10日間放置するだけで、生
菌数が1010/gから107/g程度まで九滅するおそれがあ
る。そこでユーザーにおいて長期保存するために、菌数
を濃縮したこの濃縮液を前記の培養に用いた培養液で10
0倍程度に希釈した状態で保管し、培養液から光合成細
菌に栄養が補給されるようにしている。しかしながらこ
の場合にも十分な効果が得られず、100倍に希釈した希
釈液の生菌数は108/g程度であるが、1箇月を経過する
と106/g程度に生菌数が減少し、さらに2箇月を経過す
ると101/g程度にまで生菌数が減少するものであった。 本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、長期に
亘って菌数を減少させることなく光合成細菌を保存する
ことができる肥料を提供することを目的とするものであ
る。
め、室温下に放置されると、一時的に増殖して栄養不足
となって光合成細菌の多数が餓死して死滅するおそれが
ある。特に夏期においては、10日間放置するだけで、生
菌数が1010/gから107/g程度まで九滅するおそれがあ
る。そこでユーザーにおいて長期保存するために、菌数
を濃縮したこの濃縮液を前記の培養に用いた培養液で10
0倍程度に希釈した状態で保管し、培養液から光合成細
菌に栄養が補給されるようにしている。しかしながらこ
の場合にも十分な効果が得られず、100倍に希釈した希
釈液の生菌数は108/g程度であるが、1箇月を経過する
と106/g程度に生菌数が減少し、さらに2箇月を経過す
ると101/g程度にまで生菌数が減少するものであった。 本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、長期に
亘って菌数を減少させることなく光合成細菌を保存する
ことができる肥料を提供することを目的とするものであ
る。
本発明に係る肥料は、光合成細菌を、褐藻類の海藻抽出
液に添加して成ることを特徴とするものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 光合成細菌は大別して、ロドスピリ・ラーシェ科(Rhod
ospirillaceae)とクロマティ・アーシェ科(Chromatia
ceae)とクロロビ・アーシェ科(Chlorobiaceae)の3
つの科に分類されるものであり、本発明はいずれのもの
に対しても限定されることなく適用することができる
が、なかでも紅色無硫黄細菌(ロドスピリ・ラーシェ
科)が好ましい。そして光合成細菌は培養液に接種して
増殖させることによって培養されるが、一般的に生菌数
108/g程度が培養の限界といわれている。このように培
養された光合成細菌をユーザーに提供するにあたって
は、培養液を遠心分離したりあるいは濾過したりして集
菌し、光合成細菌を1010/g程度の菌数で含む濃縮液にし
て出荷される。 本発明においては、この光合成細菌を含む濃縮液を褐藻
類の海藻抽出液に添加して保存するようにしたことを特
徴とするものである。褐藻類はコンブやワカメ、ヒジキ
等の類いであるが、中でも北欧の北海を中心としてカナ
ダや北アメリカ北部等に広く分布して繁殖するアスコフ
ィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)の抽出液が
好ましい。海藻抽出液の製造は古くからイギリスやフラ
ンス、ノルウェーなどでおこなわれており、海藻を数%
の炭酸カリ等のアルカリ溶液で加水分解し、不溶性物質
を除去することによって得ることができる。この褐藻類
の海藻抽出液としては、マキシクロップ社から商品名
「マキシクロップ(Maxcrop)」として市販されている
ものを用いることができる。 褐藻類の海藻抽出液を使用するにあたっては、その原液
を適量の水で希釈すると共に酢酸等の有機酸を用いてpH
を7.8〜8.5程度に調整するのが好ましい。光合成細菌
(特に紅色無硫黄細菌)が成育し得るpHの条件は6.0〜
8.5であるが、最適な条件はpH7.4〜7.8の範囲である。
そして凍結光合成細菌はpH5.6〜5.8程度で保存されてい
るのが一般的であるために、pHがこの範囲になるように
海藻抽出液のpHを上記範囲に設定するのが好ましいので
ある。そしてユーザーにおいて、この褐藻類の海藻抽出
液に上記の光合成細菌を含む濃縮液を添加し、保存に供
するものである。濃縮液の光合成細菌の生菌数が1010/g
程度であれば、海藻抽出液で100倍に希釈して生菌数が1
08/g程度になるようにするのが好ましい。また保存の状
態は、栓付きのプラスチック容器(いわゆるポリ容器)
に入れて栓をし、室温下で室内に放置しておく程度でよ
い。勿論、冷蔵庫など冷暗所に保存するのが理想的であ
るが、このような必要はなく、また海藻抽出液は暗黒褐
色を呈しているために暗色に保存する必要はない。尚、
海藻抽出液を単独で用いる他、光合成細菌の培養に用い
られた培養液を任意の割合で混合して使用することもで
きるものであり、このように培養液を混合して使用する
ほうが良好な結果が得られる場合が多い。 上記のようにして光合成細菌を海藻抽出液に添加して保
存するにあたって、光合成細菌は海藻抽出液に含有され
る各種の成分を餌として長期に亘って生存し、生菌数が
減少することなく長期間保存することができる。すなわ
ち、海藻抽出液には窒素化合物、炭素化合物、その他ミ
ネラルとしてMg、Ca、S、Fe、B、Mn、Zn、Cuなどを含
み、さらにはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビ
タミンEなどの各種ビタミン類を含む。そして窒素化合
物や炭素化合物は加圧抽出の際に低分子に分解されてい
るために光合成細菌の好餌となり、また各種のミネラル
やビタミン類が光合成細菌の増殖と安定を促すと考えら
れる。このようにして光合成細菌を海藻抽出液中で長期
に亘って保存することができるものであり、長期の保存
のうちにむしろ生菌数を増加させることができるもので
ある。 上記のように、光合成細菌を褐藻類の海藻抽出液に添加
して調製される光合成細菌保存組成液で光合成細菌を長
期に亘って保存することができるが、この光合成細菌保
存組成液はそのままであるいは水等で希釈して、肥料と
して用いることができるものである。すなわち、海藻抽
出液は窒素化合物や多種類のミネラル等を含み、また植
物ホルモンや生理活性物質も含むために、これらが蔬菜
類の生育を促進し、また一部の病害虫に対して忌避効果
もあり、さらに発芽を促進させる効果もある。しかし肥
切れが悪く熟期を遅くするために穀類や葉タバコの栽培
には余り効果がない。一方、光合成細菌は既述のよう
に、窒素を固定する能力や硫化水素など有害物質を餌と
して利用して除去する能力などがあるために、果実の保
存性を高めると共に着色を早め、色艶を良くする効果が
あり、また死滅すると放線菌の餌となって土壌環境を良
くする効果があって、肥え切れが良好であるという効果
もある。従って、光合成細菌を褐藻類の海藻抽出液に添
加して調製される光合成細菌保存組成液は、光合成細菌
と海藻抽出液とが併用されているために、両者の効果が
相乗されて作物全般に使用することができる優れた肥料
として使用することができ、施用時期によって成熟期ま
たは収穫期を調整することが可能になり、また果実の着
色を早めたり保存性を高めたり窒素過剰障害抑制したり
して品質収量を向上することが可能になるものである。
液に添加して成ることを特徴とするものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 光合成細菌は大別して、ロドスピリ・ラーシェ科(Rhod
ospirillaceae)とクロマティ・アーシェ科(Chromatia
ceae)とクロロビ・アーシェ科(Chlorobiaceae)の3
つの科に分類されるものであり、本発明はいずれのもの
に対しても限定されることなく適用することができる
が、なかでも紅色無硫黄細菌(ロドスピリ・ラーシェ
科)が好ましい。そして光合成細菌は培養液に接種して
増殖させることによって培養されるが、一般的に生菌数
108/g程度が培養の限界といわれている。このように培
養された光合成細菌をユーザーに提供するにあたって
は、培養液を遠心分離したりあるいは濾過したりして集
菌し、光合成細菌を1010/g程度の菌数で含む濃縮液にし
て出荷される。 本発明においては、この光合成細菌を含む濃縮液を褐藻
類の海藻抽出液に添加して保存するようにしたことを特
徴とするものである。褐藻類はコンブやワカメ、ヒジキ
等の類いであるが、中でも北欧の北海を中心としてカナ
ダや北アメリカ北部等に広く分布して繁殖するアスコフ
ィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum)の抽出液が
好ましい。海藻抽出液の製造は古くからイギリスやフラ
ンス、ノルウェーなどでおこなわれており、海藻を数%
の炭酸カリ等のアルカリ溶液で加水分解し、不溶性物質
を除去することによって得ることができる。この褐藻類
の海藻抽出液としては、マキシクロップ社から商品名
「マキシクロップ(Maxcrop)」として市販されている
ものを用いることができる。 褐藻類の海藻抽出液を使用するにあたっては、その原液
を適量の水で希釈すると共に酢酸等の有機酸を用いてpH
を7.8〜8.5程度に調整するのが好ましい。光合成細菌
(特に紅色無硫黄細菌)が成育し得るpHの条件は6.0〜
8.5であるが、最適な条件はpH7.4〜7.8の範囲である。
そして凍結光合成細菌はpH5.6〜5.8程度で保存されてい
るのが一般的であるために、pHがこの範囲になるように
海藻抽出液のpHを上記範囲に設定するのが好ましいので
ある。そしてユーザーにおいて、この褐藻類の海藻抽出
液に上記の光合成細菌を含む濃縮液を添加し、保存に供
するものである。濃縮液の光合成細菌の生菌数が1010/g
程度であれば、海藻抽出液で100倍に希釈して生菌数が1
08/g程度になるようにするのが好ましい。また保存の状
態は、栓付きのプラスチック容器(いわゆるポリ容器)
に入れて栓をし、室温下で室内に放置しておく程度でよ
い。勿論、冷蔵庫など冷暗所に保存するのが理想的であ
るが、このような必要はなく、また海藻抽出液は暗黒褐
色を呈しているために暗色に保存する必要はない。尚、
海藻抽出液を単独で用いる他、光合成細菌の培養に用い
られた培養液を任意の割合で混合して使用することもで
きるものであり、このように培養液を混合して使用する
ほうが良好な結果が得られる場合が多い。 上記のようにして光合成細菌を海藻抽出液に添加して保
存するにあたって、光合成細菌は海藻抽出液に含有され
る各種の成分を餌として長期に亘って生存し、生菌数が
減少することなく長期間保存することができる。すなわ
ち、海藻抽出液には窒素化合物、炭素化合物、その他ミ
ネラルとしてMg、Ca、S、Fe、B、Mn、Zn、Cuなどを含
み、さらにはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビ
タミンEなどの各種ビタミン類を含む。そして窒素化合
物や炭素化合物は加圧抽出の際に低分子に分解されてい
るために光合成細菌の好餌となり、また各種のミネラル
やビタミン類が光合成細菌の増殖と安定を促すと考えら
れる。このようにして光合成細菌を海藻抽出液中で長期
に亘って保存することができるものであり、長期の保存
のうちにむしろ生菌数を増加させることができるもので
ある。 上記のように、光合成細菌を褐藻類の海藻抽出液に添加
して調製される光合成細菌保存組成液で光合成細菌を長
期に亘って保存することができるが、この光合成細菌保
存組成液はそのままであるいは水等で希釈して、肥料と
して用いることができるものである。すなわち、海藻抽
出液は窒素化合物や多種類のミネラル等を含み、また植
物ホルモンや生理活性物質も含むために、これらが蔬菜
類の生育を促進し、また一部の病害虫に対して忌避効果
もあり、さらに発芽を促進させる効果もある。しかし肥
切れが悪く熟期を遅くするために穀類や葉タバコの栽培
には余り効果がない。一方、光合成細菌は既述のよう
に、窒素を固定する能力や硫化水素など有害物質を餌と
して利用して除去する能力などがあるために、果実の保
存性を高めると共に着色を早め、色艶を良くする効果が
あり、また死滅すると放線菌の餌となって土壌環境を良
くする効果があって、肥え切れが良好であるという効果
もある。従って、光合成細菌を褐藻類の海藻抽出液に添
加して調製される光合成細菌保存組成液は、光合成細菌
と海藻抽出液とが併用されているために、両者の効果が
相乗されて作物全般に使用することができる優れた肥料
として使用することができ、施用時期によって成熟期ま
たは収穫期を調整することが可能になり、また果実の着
色を早めたり保存性を高めたり窒素過剰障害抑制したり
して品質収量を向上することが可能になるものである。
以下本発明を実施例によって詳述する。 実施例 光合成細菌として、紅色無硫黄細菌であるロドスピリ・
ラーシェ科のロドシュード・モナス属(Rhodopseudomon
as)カプシュラタス種(Capsulatus)及びロドスピリ・
ラム属(Rhodospirillum)ルブラム種(Rubrum)を培養
した株式会社松本微生物研究所製光合成細菌菌対(性状
スラリー状(凍結品)、乾燥菌体含量111g/kg)を入手
した。これは、リン酸−水素カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモ
ニウム、グアニル酸、プロピオン酸、酢酸塩、ブドウ
糖、酵母エキスを溶解した溶液のpHを水酸化ナトリウム
で7.2に調整して調製した合成培養液に上記光合成細菌
を接種培養し、生菌数が108/g以上になった時点で培養
液に希酢酸を添加してpHを5.6〜5.8に調整することによ
って光合成細菌を培養槽の底部に沈降させ、これを生菌
数が1010/gになるように濃縮して凍結することによって
得られたものである。尚、この合成培養液の成分量(重
量%)は有機酸(主に酢酸)0.1%、窒素0.03%、カリ
ウム(K2Oとして)0.01%、リン酸(P2O5として)0.02
%、マグネシウム0.05%、ナトリウム0.02%、炭素0.04
%である。 一方、褐藻類の海藻抽出液として、アスコフィラム・ノ
ドサムのエキスを抽出したマキシクロップ社製「マキシ
クロップ」の乾燥粉末品を5%水溶液(pH9.0)に調製
したものを用い、これを酢酸によってpH7.8に調製し
た。この海藻抽出液の成分は、有機炭酸1.20%、窒素0.
05%、リン酸(P2O5として)0.01%、カリウム(K2Oと
して)0.92%、ナトリウム0.01%、硫黄0.01%、カルシ
ウム0.02%、マグネシウム14.0mg/100g、鉄0.5mg/100
g、ヨウ素0.35mg/100g、ホウ素3.0mg/100g、マンガン0.
5mg/100g、亜鉛0.05mg/1000g、バリウム0.05mg/1000g、
コバルト0.05mg/1000g、モリブデン0.6mg/1000g、ニッ
ケル0.003mg/1000g、フッ素0.03mg/1000g、銅0.05mg/kg
である。 そして、この海藻抽出液200mlに前記の合成培養液を100
ml加えると共に水を加えて合計990mlに調整し、これに
上記スラリー状の光合成細菌培養濃縮液を添加して均一
に配合することによって光合成細菌保存組成液を調製し
た。光合成細菌培養濃縮液は100倍に希釈されるため
に、光合成細菌保存組成液中の光合成細菌の生菌数は10
8/gである。 比較例 光合成細菌を培養した実施例の合成培養液に実施例に用
いたスラリー状の光合成細菌培養濃縮液を添加して均一
に配合することによって光合成細菌保存組成液を調製し
た。配合はこの光合成細菌培養濃縮液で合成培養液で10
0倍に希釈するようにしておこない、光合成細菌保存組
成液中の光合成細菌の生菌数が108/gになるように調整
した。 上記実施例及び比較例で得た光合成細菌保存組成液をそ
れぞれ1000mlのプラスチック容器に入れ、その口を内栓
とキャップとで二重に封をし、直射日光が当たらない室
内に室温下で保管した。保管は平成1年3月1日に開始
し、平成1年8月28日に至るまでほぼ半年間継続した。
そしてこの間に4階に亘って光合成細菌の生存菌数を測
定した。結果を次表に示す。尚、菌数の測定は午後2時
におこない、また次表において室温も午後2時に測定し
た数値である。測定は希釈平板法でおこなった。 前表にみられるように、培養液をそのまま光合成細菌の
保存に用いるようにした比較例のものでは、2箇月で光
合成細菌の生菌数が半減し、半年を経過すると103/gの
レベルまで低下したのに対して、海藻抽出液を光合成細
菌の保存に用いるようにした実施例のものは、半年経過
しても光合成細菌の生菌数は106/gのレベルを維持して
おり、保存が良好におこなわれていることが確認され
る。また総菌数と光合成細菌の生菌数との差は雑菌の数
であるが、比較例では雑菌が極めて繁殖しているのに対
して、実施例のものでは雑菌の繁殖のレベルが低いこと
が確認される。
ラーシェ科のロドシュード・モナス属(Rhodopseudomon
as)カプシュラタス種(Capsulatus)及びロドスピリ・
ラム属(Rhodospirillum)ルブラム種(Rubrum)を培養
した株式会社松本微生物研究所製光合成細菌菌対(性状
スラリー状(凍結品)、乾燥菌体含量111g/kg)を入手
した。これは、リン酸−水素カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモ
ニウム、グアニル酸、プロピオン酸、酢酸塩、ブドウ
糖、酵母エキスを溶解した溶液のpHを水酸化ナトリウム
で7.2に調整して調製した合成培養液に上記光合成細菌
を接種培養し、生菌数が108/g以上になった時点で培養
液に希酢酸を添加してpHを5.6〜5.8に調整することによ
って光合成細菌を培養槽の底部に沈降させ、これを生菌
数が1010/gになるように濃縮して凍結することによって
得られたものである。尚、この合成培養液の成分量(重
量%)は有機酸(主に酢酸)0.1%、窒素0.03%、カリ
ウム(K2Oとして)0.01%、リン酸(P2O5として)0.02
%、マグネシウム0.05%、ナトリウム0.02%、炭素0.04
%である。 一方、褐藻類の海藻抽出液として、アスコフィラム・ノ
ドサムのエキスを抽出したマキシクロップ社製「マキシ
クロップ」の乾燥粉末品を5%水溶液(pH9.0)に調製
したものを用い、これを酢酸によってpH7.8に調製し
た。この海藻抽出液の成分は、有機炭酸1.20%、窒素0.
05%、リン酸(P2O5として)0.01%、カリウム(K2Oと
して)0.92%、ナトリウム0.01%、硫黄0.01%、カルシ
ウム0.02%、マグネシウム14.0mg/100g、鉄0.5mg/100
g、ヨウ素0.35mg/100g、ホウ素3.0mg/100g、マンガン0.
5mg/100g、亜鉛0.05mg/1000g、バリウム0.05mg/1000g、
コバルト0.05mg/1000g、モリブデン0.6mg/1000g、ニッ
ケル0.003mg/1000g、フッ素0.03mg/1000g、銅0.05mg/kg
である。 そして、この海藻抽出液200mlに前記の合成培養液を100
ml加えると共に水を加えて合計990mlに調整し、これに
上記スラリー状の光合成細菌培養濃縮液を添加して均一
に配合することによって光合成細菌保存組成液を調製し
た。光合成細菌培養濃縮液は100倍に希釈されるため
に、光合成細菌保存組成液中の光合成細菌の生菌数は10
8/gである。 比較例 光合成細菌を培養した実施例の合成培養液に実施例に用
いたスラリー状の光合成細菌培養濃縮液を添加して均一
に配合することによって光合成細菌保存組成液を調製し
た。配合はこの光合成細菌培養濃縮液で合成培養液で10
0倍に希釈するようにしておこない、光合成細菌保存組
成液中の光合成細菌の生菌数が108/gになるように調整
した。 上記実施例及び比較例で得た光合成細菌保存組成液をそ
れぞれ1000mlのプラスチック容器に入れ、その口を内栓
とキャップとで二重に封をし、直射日光が当たらない室
内に室温下で保管した。保管は平成1年3月1日に開始
し、平成1年8月28日に至るまでほぼ半年間継続した。
そしてこの間に4階に亘って光合成細菌の生存菌数を測
定した。結果を次表に示す。尚、菌数の測定は午後2時
におこない、また次表において室温も午後2時に測定し
た数値である。測定は希釈平板法でおこなった。 前表にみられるように、培養液をそのまま光合成細菌の
保存に用いるようにした比較例のものでは、2箇月で光
合成細菌の生菌数が半減し、半年を経過すると103/gの
レベルまで低下したのに対して、海藻抽出液を光合成細
菌の保存に用いるようにした実施例のものは、半年経過
しても光合成細菌の生菌数は106/gのレベルを維持して
おり、保存が良好におこなわれていることが確認され
る。また総菌数と光合成細菌の生菌数との差は雑菌の数
であるが、比較例では雑菌が極めて繁殖しているのに対
して、実施例のものでは雑菌の繁殖のレベルが低いこと
が確認される。
上述のように本発明にあっては、光合成細菌を海藻類の
海藻抽出液に添加して保存するようにしたので、光合成
細菌は海藻抽出液に含有される各種の成分を餌として長
期に亘って生存し、生菌数を減少させることなく長期間
保存することができるものであり、しかもこの光合成細
菌を褐藻類の海藻抽出液に添加して調製される光合成細
菌保存組成液は、光合成細菌の肥効と褐藻類の海藻抽出
液の肥効とが相乗されて優れた肥料として使用すること
ができるものである。
海藻抽出液に添加して保存するようにしたので、光合成
細菌は海藻抽出液に含有される各種の成分を餌として長
期に亘って生存し、生菌数を減少させることなく長期間
保存することができるものであり、しかもこの光合成細
菌を褐藻類の海藻抽出液に添加して調製される光合成細
菌保存組成液は、光合成細菌の肥効と褐藻類の海藻抽出
液の肥効とが相乗されて優れた肥料として使用すること
ができるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】光合成細菌を、褐藻類の海藻抽出液に添加
して成ることを特徴とする肥料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1319134A JPH075420B2 (ja) | 1989-12-09 | 1989-12-09 | 肥 料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1319134A JPH075420B2 (ja) | 1989-12-09 | 1989-12-09 | 肥 料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03180173A JPH03180173A (ja) | 1991-08-06 |
JPH075420B2 true JPH075420B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=18106833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1319134A Expired - Lifetime JPH075420B2 (ja) | 1989-12-09 | 1989-12-09 | 肥 料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075420B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104261981A (zh) * | 2014-09-19 | 2015-01-07 | 南京农业大学 | 海藻有机肥料的制备方法及用该方法制成的有机肥料 |
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CN104261981A (zh) * | 2014-09-19 | 2015-01-07 | 南京农业大学 | 海藻有机肥料的制备方法及用该方法制成的有机肥料 |
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