JPH0754109B2

JPH0754109B2 - エンジンの吸気装置

Info

Publication number: JPH0754109B2
Application number: JP10992586A
Authority: JP
Inventors: 豊山崎
Original assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Current assignee: Yamaha Motor Co Ltd
Priority date: 1986-05-14
Filing date: 1986-05-14
Publication date: 1995-06-07
Anticipated expiration: 2010-06-07
Also published as: JPS62267563A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、四輪自動車等の車両に用いられるエンジンの
吸気装置に関する。

〔従来の技術〕

例えば４サイクルエンジンでは、吸気弁が閉じた際、吸
気管内に生じる圧力変動によって吸気管中の気柱が共鳴
する。この気柱の共鳴音は、吸気管の管長が長くなる
程、高周波音に比べて消し難い低周波音となり、吸気管
の上流端に連なるエアクリーナのみでは、充分に消音す
ることが不可能となる。

このことから、従来では、エアクリーナの吸気口に偏平
で細長い吸気ダクトを接続することが行なわれている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、この吸気ダクトで上記低周波域の共鳴音を消
すためには、吸気ダクトの全長がかなり長くしなくては
ならない。そのため、スペース的な面で問題が残り、騒
音の低減に限界があった。

本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、吸気ダクトをコンパクト化しつつ、吸気通路長を充
分に確保でき、吸気騒音を効率良く低減できるととも
に、吸気抵抗も少なく抑えることができるエンジンの吸
気装置の提供を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本発明に係るエンジンの吸気
装置は、吸気口が開口されたエアクリーナと、このエア
クリーナの吸気口に接続された吸気ダクトとを備えてい
る。

そして、上記吸気ダクトは、円筒状をなしたケースを備
え、このケースの内部に渦巻き状に巻回された吸気通路
を形成して、この吸気通路の渦巻きの中心に位置する端
部に外気の吸入口を連通させるとともに、上記吸気通路
の渦巻きの外端となる端部に、上記ケースの外周面から
このケースの接線方向に向って開口された接続口を形成
し、この接続口と上記エアクリーナの吸気口とを互いに
突き合わせて接続したことを特徴としている。

〔作用〕

この構成によれば、吸入口から吸い込ん外気をエアクリ
ーナに導く吸気通路が渦巻き状に巻かれているので、吸
気ダクトのコンパクト化を図りつつ、吸気通路長を充分
に長く確保することができ、エアクリーナから伝わる共
鳴音が外方に漏れ難くなる。

これに対し、吸気通路の渦巻きの中心部にエアクリーナ
を接続して、この吸気通路の渦巻きの外端となる端部か
ら吸入すると、吸入する外気の流れ経路がエアクリーナ
の直前で急激に曲がるので、見掛け上、エアクリーナの
上流端に吸気通路の幅に相当する長さの管路を接続した
のと略同じ状態となってしまう。このため、エアクリー
ナ内の圧力が変動した場合に、上記管路中の気柱が共鳴
して新たな共鳴音が発生する。

しかるに、上記構成によれば、エアクリーナの吸気口
は、渦巻き状の吸気通路の外端部からケースの接線方向
に向って開口された接続口に突き合わされているので、
吸気口の直前に吸入外気の流れを急激に曲げるような箇
所は一切存在しない。そのため、吸気ダクト内で新たな
気柱の共鳴音が生じることもなく、上記吸気ダクト本来
の効果と相まって吸気騒音を確実に低減できる。

それとともに、吸気ダクト内での吸入外気の流れが滑ら
かとなり、吸気抵抗も少なく抑えることができる。

〔発明の実施例〕

以下本発明を、図面に示す一実施例にもとづいて説明す
る。

第１図中符号１は４サイクルエンジンのシリンダ、２は
ピストン、３は吸気弁、４は排気弁を夫々示し、上記吸
気弁３で開閉される吸気口５には、吸気管６が連なって
いる。吸気管６の途中には、図示しない気化器あるいは
燃料噴射弁等の燃料供給機構が設けられており、この吸
気管６の吸気上流端はエアクリーナ７に連なっている。
エアクリーナ７の内部は、エレメント８によって区画さ
れており、このエレメント８の吸気上流側に開口する吸
気口９に、本発明に係る吸気ダクト10が接続されてい
る。

吸気ダクト10は、中空円筒状のケース11を備えている。
このケース11の内部には、渦巻き状をなす内壁12によっ
て、ケース11の中心から外周に向う渦巻き状の吸気通路
13が形成されている。吸気通路13は、第３図に示すよう
に、その通路断面形状がケース11の軸線方向に偏平な長
方形状に形成されている。この吸気通路13の渦巻きの外
端となる端部13aには、上記ケース11の外周面からこの
ケース11接線方向に沿って延びる延長部16が形成されて
いる。この延長部16の先端には、ケース11の接線方向に
向って開口された接続口16aが形成されており、この接
続口16aと上記エアクリーナ７の吸気口９とが互いに突
き合わされた状態で接続されている。

また、ケース11の両側面中央部には、渦巻き状に巻かれ
た吸気通路13の内端部13bに同軸的に連なる吸入管14,14
が設けられており、これら吸入管14,14の外側開口部が
外気の吸入口15を構成している。

このような構成によれば、エンジン運転中、外気は図中
矢印で示すように、吸入口15を通じて吸気通路13の内端
部13bに吸入される。そして、ここで流れ方向が略90゜
曲げられた後、吸気通路13に沿ってケース11の内部を数
周し、外端部13aから接続口16aを経てエアクリーナ７内
に吸引される。

したがって、エアクリーナ７の吸気口９から外気の吸入
口15までの通路長を充分に長く確保することができ、エ
アクリーナ７から伝わる低周波域の共鳴音が外方に漏れ
難くなる。

それとともに、ケース11内の吸気通路13は、渦巻き状に
巻回されているので、従来に比べて吸気ダクト10のコン
パクト化が可能となり、スペース的な問題も同時に解消
することができる。

また、この吸気ダクト10は、渦巻き状に巻かれた吸気通
路13の内端部13b側から外気を吸入しているので、吸気
ダクト10の内部で新たな共鳴音が生じることもない。す
なわち、吸気通路13の中心に位置する吸入管14にエアク
リーナ７の吸気口９を接続し、この吸気通路13の外端部
13aから外気を吸入するようにした場合には、吸気口９
の直前で吸入外気の流れ方向が急激に曲がってしまうの
で、見掛け上、この吸気口９に吸入管14と吸気通路13の
幅を加えた長さの管路が連なった状態となる。このた
め、間欠的な吸気によりエアクリーナ７側の圧力が変動
した場合に、この管路中の気柱が共鳴し、新たな共鳴音
が発生してしまう。

しかるに、上記構成によれば、エアクリーナ７の吸気口
９は、吸気ダクト10のケース11の外端部13aから接続方
向に向って開口された接続口16に突き合わせた状態で接
続されているので、この吸気口９の直前に吸入外気の流
れを急激に曲げるような箇所は一切存在しなくなる。そ
のため、吸気ダクト10の内部で新たな共鳴音が発生する
こともなく、上記エアクリーナ７の共鳴音が外方に漏れ
難いことと合わせて、吸気騒音を確実に低減することが
できる。

また、吸気通路13は、渦巻き状に巻回されているので、
吸気ダクト10の内部での吸入外気の流れが滑らかとな
る。そのため、吸気抵抗を少なく抑えることができ、エ
ンジン出力に悪影響を及ぼすこともない。

なお、本発明に係る吸気装置は、４サイクルエンジン用
に限らず、２サイクルエンジンであっても同様に実施可
能である。

〔発明の効果〕以上詳述した本発明によれば、吸気ダクトのコンパクト
化を図りつつ、吸気通路長を充分に長く確保できるとと
もに、この吸気ダクト内で新たな気柱の共鳴音が発生す
ることもなく、吸気騒音を確実に低減できる。

また、吸気抵抗も少なく抑えることができ、エンジン出
力に悪影響を及ぼすことがない等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は、吸気装置全体の断面図、第２図は、吸気ダクトの斜視図、第３図は、第１図中III−III線に沿う断面図である。７……エアクリーナ、９……吸気口、 11……ケース、10……吸気ダクト、 13a……外端部、13b……内端部、 15……吸入口、16a……接続口。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】吸気口が開口されたエアクリーナと、このエアクリーナの吸気口に接続された吸気ダクトと、
を有するエンジンの吸気装置において、上記吸気ダクトは、円筒状をなしたケースを備え、この
ケースの内部に渦巻き状に巻回された吸気通路を形成し
て、この吸気通路の渦巻きの中心に位置する端部に外気
の吸入口を連通させるとともに、上記吸気通路の渦巻きの外端となる端部に、上記ケース
の外周面からこのケースの接線方向に向って開口された
接続口を形成し、この接続口と上記エアクリーナの吸気口とを互いに突き
合わせて接続したことを特徴とするエンジンの吸気装
置。