JPH0753616A - 可溶化したアニオン重合開始剤およびそれから得られる製品 - Google Patents

可溶化したアニオン重合開始剤およびそれから得られる製品

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JPH0753616A
JPH0753616A JP6133762A JP13376294A JPH0753616A JP H0753616 A JPH0753616 A JP H0753616A JP 6133762 A JP6133762 A JP 6133762A JP 13376294 A JP13376294 A JP 13376294A JP H0753616 A JPH0753616 A JP H0753616A
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JP
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group
polymer
alkyl
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sol
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JP6133762A
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English (en)
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Efu Rooson Deibitsudo
デイビツド・エフ・ローソン
Eru Suteiyaa Jiyunia Maaku
マーク・エル・ステイヤー・ジユニア
Satsufuruzu Deibitsudo
デイビツド・サツフルズ
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/30Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule
    • C08C19/42Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups
    • C08C19/44Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups of polymers containing metal atoms exclusively at one or both ends of the skeleton
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F36/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/02Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/04Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、非環状アルカン溶媒に溶解性を示
すアニオン重合開始剤を意図したものである。 【構成】 これらの開始剤は、一般式(A)Li(SO
L)yで表される可溶化したリチオアミンを含んでい
る。SOLは可溶化成分であり、そしてAはアルキル、
ジアルキルまたはシクロアルキルアミン基か或は環状ア
ミンであり、yは1から4である。この環状アミンは、
約3から約16個のメチレン基を有するアルキレン、オ
キシ−もしくはアミノ−アルキレン基を有している。本
発明はまた、この開始剤を用いて製造されたポリマー類
および他の製品、並びにそれらの方法を意図している。
更に、本発明は、アミンと有機リチウム化合物との反応
生成物由来の官能基を含んでいるポリマー、ポリマー組
成物およびそれらから得られる製品を意図している。こ
れらの得られるポリマー類を停止剤、カップリング剤ま
たは連結剤で停止させてもよく、これによって、多官能
を有するポリマーが生じ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願】本出願は現在出願中の米国特許出願連続番
号07,955,969の部分的継続である。
【0002】
【技術分野】この主題発明は、ジエンのポリマーおよび
コポリマーのエラストマー類を生じさせるアニオン重合
に関するものである。より詳細には、本発明は、可溶化
したアミン開始剤を用いた重合に関する。特に、本発明
は、非環状アルカン溶媒に溶解性を示しそして制御可能
な狭い分子量分布範囲でモノマー類を再現可能様式で重
合させる、可溶化したリチウムアミン開始剤に関する。
【0003】
【背景技術】商業ベースで重合を行う場合、最終生成物
の分子量を狭くすると共に再現可能様式で限定する工程
条件および成分を用いることが重要である。与えられた
ポリマーが示す特性およびそれの有効性は、とりわけそ
れが有する分子量に依存している。従って、この重合の
最終生成物が示す分子量をある程度の確かさで予測する
ことがきることが望ましい。この分子量を狭く限定する
ことができない場合か、或はシステムを基準にして再現
性がない場合、この方法を商業的に利用することはでき
ない。
【0004】この技術分野では、低下したヒステリシス
特性を示すエラストマーコンパンドを製造することが望
まれている。このようなエラストマー類をコンパンド化
してタイヤ、パワーベルトなどの如き製品を製造する場
合、これは、反発弾性の上昇、および転がり抵抗の低下
を示すと共に、機械応力がかけられたとき低い熱蓄積を
示す。
【0005】履歴力損失の主要な源は、この加硫ゴムの
最後の架橋からこのポリマー鎖の末端に至るポリマー鎖
部分によるものであることが確立された。このような遊
離末端は、効率良い弾性回復過程に関与することができ
なく、その結果として、この硬化させたサンプルのこの
部分に伝達される如何なるエネルギーも熱として損失す
る。末端基の数が少ない高分子量のポリマー類を製造す
ることによってこの種の機構を低くすることが可能であ
ることは、従来技術で知られている。しかしながら、こ
の方法は有効でない、と言うのは、分子量を上昇させる
と急速に、コンパンド化用材料が入っているゴムを成形
操作している間の加工性が低下するからである。
【0006】もしこのポリマーを制御可能なように狭い
分子量範囲分布で再現することができないとしたなら
ば、一定の特性、例えばヒステリシス特性の低下などを
得ることは困難である。例えば、リチウムピロリジドを
含む特定の第二級アミン類の不均一混合物を用いていく
つかのポリマー類を製造している米国特許番号4,935,47
1を参照のこと。この様式で製造されたポリマー類は、
幅広く変化し得る分子量を有していると共に幅広い多分
散性を示し、そしてそれらが有する官能末端が示す再現
性は不定であることから、それが与えるヒステリシス低
下結果の再現性は劣っている。
【0007】これらの公知開始剤の多くが示す主要な欠
点は、これらがヘキサンの如き非環状アルカン類に不溶
な点である。今までは、ジメチルもしくはジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、テトラメチルエチレンジア
ミンまたはジエチレングリコールメチルエーテル(ジグ
ライム)の如き極性有機エーテル類を含む極性溶媒が用
いられてきた。
【0008】本発明は、非環状アルカン類に溶解性を示
す、アニオン重合用の新規な開始剤を提供するものであ
る。本発明は、その組み込むべき開始剤由来の官能性を
そのポリマー鎖の頭と尾に組み込むことを提供するもの
である。本発明は、比較的狭い分子量分布範囲を有する
よく限定された最終生成物を製造することを通して、有
効で制御可能な、再現性を示す重合を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の開示】従って、本発明の1つの目的は、非環状
アルカン類に溶解性を示すアニオン重合開始剤を提供す
ることにある。
【0010】本発明の1つのさらなる目的は、上記アニ
オン重合開始剤の製造方法を提供することにある。
【0011】本発明の更にさらなる目的は、予測可能な
狭い分子量範囲を有するポリマーを再現可能様式で生じ
させる開始剤を提供することにある。
【0012】本発明の別の目的は、上記重合開始剤を用
いて生じさせたエラストマー類を提供することにある。
【0013】本発明の特定態様の1つの目的はまた、低
下したヒステリシス特性を示すジエンポリマー類および
コポリマー類を提供することにある。
【0014】本発明のさらなる目的は、低下したヒステ
リシス特性を示すジエンポリマー類およびコポリマー類
の加硫性エラストマーコンパンドを提供することにあ
る。
【0015】本発明の更に別の目的は、上述したエラス
トマーから作られる改良されたタイヤを提供することに
ある。
【0016】以下に示す明細から明らかになるであろう
現存技術に対するそれらの利点と共に上記目的の少なく
とも1つ以上は、本明細書の以下に記述しそして請求す
る本発明によって達成される。
【0017】一般に、本発明に従い、非環状アルカン溶
媒に溶解性を示すアニオン重合開始剤は、一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0018】
【化7】
【0019】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0020】
【化8】
【0021】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る可溶化したリチオアミンを含んでいる。
【0022】また、アニオン重合開始剤の製造方法も提
供し、この方法は、可溶化剤の存在下で有機リチウム化
合物と官能化剤とを反応させる段階を含んでおり、ここ
で、この官能化剤は、一般式
【0023】
【化9】
【0024】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0025】
【化10】
【0026】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択され、そしてこの
可溶化剤は、炭化水素、エーテル類、アミン類またはそ
れらの混合物から成る群から選択される。
【0027】アニオン重合開始剤の製造方法は、有機リ
チウム化合物と官能化剤とを反応させて反応生成物を生
じさせる段階を含んでいる。この官能化剤は、一般式
【0028】
【化11】
【0029】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0030】
【化12】
【0031】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される。この方法
はまた、この反応生成物と炭化水素、エーテル類、アミ
ン類またはそれらの混合物から成る群から選択される可
溶化剤とを反応させる段階も含んでいる。
【0032】官能化されたポリマーは、少なくとも1種
の官能基Aを有するポリマー鎖を含んでおり、ここでA
は、一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0033】
【化13】
【0034】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0035】
【化14】
【0036】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る重合開始剤から誘導される。
【0037】本発明に従う官能化されたポリマーを生じ
させる方法は、アルカン溶媒中で1種以上のアニオン重
合性モノマー類の溶液を生じさせ、そしてこれらのモノ
マー類を、アルカン溶媒に溶解性を示す開始剤の存在下
で重合させる段階を含んでいる。この開始剤は、一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0038】
【化15】
【0039】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0040】
【化16】
【0041】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る可溶化したリチオアミンを含んでいる。
【0042】低下したヒステリシス特性を示す加硫性エ
ラストマー化合物は、少なくとも1種の官能基Aを持っ
ている鎖を有するエラストマーポリマーとこのポリマー
100部当たり約5から80重量部のカーボンブラック
を含んでおり、ここでAは、一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0043】
【化17】
【0044】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0045】
【化18】
【0046】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る重合開始剤から誘導される。
【0047】本発明はまた、少なくとも1種の官能基A
を持っている鎖を有するエラストマーポリマーと上記ポ
リマー100部当たり約5から80重量部のカーボンブ
ラックを含んでいる加硫性エラストマー組成物が入って
いるトレッドストックから得られる、低下した転がり抵
抗を示すタイヤも提供し、ここでAは、一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0048】
【化19】
【0049】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0050】
【化20】
【0051】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る重合開始剤から誘導される。
【0052】加硫性ゴム組成物は、少なくとも1種のア
ミン官能基Aと錫−炭素結合を有するポリマーを含んで
おり、ここでAは、有機リチウム化合物とアミンとの反
応生成物から誘導される。
【0053】多官能性ポリマーは、少なくとも1種の官
能基Aと錫−炭素結合を含んでおり、ここでAは、有機
リチウム化合物とアミンとの反応生成物から誘導され
る。
【0054】加硫性ゴム組成物は、少なくとも1種のア
ミン官能基Aと停止剤、カップリング剤および連結剤か
ら成る群から選択されそして誘導される第二官能基を有
するポリマーを含んでおり、ここでAは、有機リチウム
化合物とアミンとの反応生成物から誘導される。
【0055】少なくとも1種の加硫性エラストマー成分
を有するタイヤは、少なくとも1種の官能基Aを有する
多官能ポリマーとこのポリマー100部当たり約5から
80重量部のカーボンブラックを含んでおり、ここでA
は、有機リチウム化合物とアミンとの反応生成物である
重合開始剤から誘導され、そしてここで、この多官能ポ
リマーは錫−炭素結合を有している。
【0056】多官能ポリマーは、少なくとも1種の官能
基Aと停止剤、カップリング剤および連結剤から成る群
から選択されそして誘導される第二官能基を含んでお
り、ここでAは、有機リチウム化合物とアミンとの反応
生成物から誘導される。
【0057】少なくとも1種の加硫性エラストマー成分
を有するタイヤも提供し、この成分は、少なくとも1種
の官能基Aを有する多官能ポリマーと上記ポリマー10
0部当たり約5から80重量部のカーボンブラックを含
んでおり、ここでAは、有機リチウム化合物とアミンと
の反応生成物である重合開始剤から誘導され、そしてこ
こで、このポリマーは、停止剤、カップリング剤および
連結剤から成る群から選択されそして誘導される第二官
能基を有している。
【0058】
【本発明を実施するための好適な態様】以下に示す記述
から明らかになるように、本発明は、ノルマルアルカン
類、例えばヘキサン、ペンタン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、オクタン、それらのアルキル化誘導体、それらの混
合物などを含む非環状アルカン類に溶解性を示す新規な
重合開始剤を提供するものである。また、上記開始剤を
用いて生じさせたポリマー類を基とする特定のゴム組成
物、加硫性エラストマー組成物およびそれらを用いた製
品は、有効な特性、例えば再現性を示す比較的狭い分子
量範囲などを示すことをここに見い出した。更に、本発
明に従うポリマー類は、この開始剤由来の官能性も含ん
でおり、この官能性は、例えばヒステリシス特性を低く
するに有効性を示す。
【0059】本発明の開始剤は非環状アルカン溶媒に溶
解性を示すが、これらの開始剤を他の溶媒の中で用いる
こともまた本発明の範囲内であると理解されるであろ
う。
【0060】本発明に従う好適な開始剤は、アミンと有
機リチウムと可溶化成分との反応生成物である。この可
溶化成分または可溶化剤の存在下でその有機リチウムと
アミンとを反応させるか、或はこれらを最初に反応させ
た後、その反応生成物をその可溶化成分で処理すること
も可能である。従って、好適な開始剤は、一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3である]で表される可溶化
したリチオアミンである。この一般式の括弧は、この式
がA−Li−SOLy、SOLy−A−LiまたはA−S
OLy−Liを含んでいてもよいことを示している。
【0061】(SOL)は可溶化成分であり、炭化水
素、エーテル、アミンまたはそれらの混合物であっても
よい。この(SOL)成分が存在していると、この開始
剤が非環状アルカンに溶解性を示すことが見いだされ
た。
【0062】例となる(SOL)基には、3から約30
0の重合単位を有するジエニルもしくはビニル芳香族の
ポリマー類またはコポリマー類が含まれる。上記ポリマ
ー類には、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプ
レンおよびそれらのコポリマー類が含まれる。(SO
L)の他の例には、極性リガンド、例えばテトラヒドロ
フラン(THF)およびテトラメチルエチレンジアミン
(TMEDA)が含まれる。
【0063】該(A)成分は、アミン官能を表してお
り、これの少なくとも1つをその得られるポリマーが有
しており、例えば、それらの開始部位または頭部に組み
込まれている。例えば、(A)は、一般式
【0064】
【化21】
【0065】で表されるジアルキルまたはジシクロアル
キルアミン基または一般式
【0066】
【化22】
【0067】で表される環状アミン類であってもよい。
これらの式において、R1は、1から約20個の炭素原
子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキル
であり、ここで、両方のR1基は同一もしくは異なって
いてもよく、そしてR2は、約3から約16個のメチレ
ン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミノ−アル
キレン基である。
【0068】例となるR1基には、メチル、エチル、ブ
チル、オクチル、シクロヘキシル、3−フェニル−1−
プロピル、イソブチルなどが含まれる。例となるR2
には、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オキシジエチ
レン、N−アルキルアザジエチレン、ドデカメチレン、
ヘキサデカメチレンなどが含まれる。
【0069】例えば、(A)は、ピロリジン、ピペリジ
ン、ピペラジン、パーヒドロアゼピン(これはまたヘキ
サメチレンイミンとしても知られている)、1−アザシ
クロオクタン、アザシクロトリデカン(これはまたドデ
カメチレンイミンとしても知られている)、アザシクロ
ヘプタデカン(これはまたヘキサデカメチレンイミンと
しても知られている)、1−アザシクロヘプタデセ−9
−エンまたは1−アザシクロヘプタデセ−8−エンなど
の誘導体であってもよく、これらには、パーヒドロイソ
キノリン、パーヒドロインドールなどが含まれる。ピロ
リジン、パーヒドロアゼピンおよび1−アザシクロオク
タンが好適である。2種の好適なピロリジン誘導体には
パーヒドロインドールおよびパーヒドロイソキノリンが
含まれる。
【0070】R1またはR2がジ−t−ブチル基、ジイソ
プロピル基などである場合、その結果として生じる重合
は、恐らくはその開始部位の窒素の回りの障害が原因と
なって遅くなることが見いだされた。それゆえ、本発明
の好適な態様において、該アミン中の窒素に結合してい
るR1およびR2中の炭素原子はまた、全体で少なくとも
3個の水素原子と結合している。
【0071】(SOL)がエーテルまたはアミノ化合物
である場合、好適には可溶化剤または成分(SOL)の
存在下、無水の非プロトン溶媒、例えばヘキサンなどの
中で、該アミン成分(A)の溶液を製造することによ
り、本発明に従う開始剤を生じさせることができる。次
に、この溶液に、同じか或は同様な溶媒中の有機リチウ
ム触媒を添加する。この有機リチウム化合物は、一般式
RLi[式中、Rは、1から約20個の炭素原子を有す
るアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールお
よびアラルキル、並びにジオレフィンおよびビニルアリ
ールモノマー類から得られる約25個以下の単位を有す
る短鎖長の低分子量ポリマー類から成る群から選択され
る]で表される。典型的なアルキルには、n−ブチル、
s−ブチル、メチル、エチル、イソプロピルなどが含ま
れる。該シクロアルキルにはシクロヘキシル、メンチル
などが含まれる。該アルケニルにはアリル、ビニルなど
が含まれる。該アリールおよびアラルキル基にはフェニ
ル、ベンジル、オリゴ(スチリル)などが含まれる。例
となる短鎖長ポリマー類にはオリゴ(ブタジエニル
類)、オリゴ(イソプレニル類)、オリゴ(スチリル
類)などが含まれる。
【0072】(SOL)が短鎖長ポリマーである場合、
(SOL)を生じさせる目的で用いられるモノマー類
は、以下に説明するように、該アミンと有機リチウムを
混合した後添加される。
【0073】もし(SOL)がポリジエンまたはポリビ
ニル芳香族である場合、同じか或は同様な溶媒中の可溶
化成分(SOL)のモノマー類の溶液を、該アミンおよ
び有機リチウムの溶液に加える。これらの3種成分を周
囲温度(25から30℃)か或は約100℃以下の上昇
させた温度、好適には50℃未満、より好適には38℃
未満の温度で、約1時間に及んで反応させるが、この時
点で、この触媒の使用準備ができている。本発明に従う
開始剤が、過剰量の非環状アルカン溶媒の中で約3日間
以上溶液のままである場合、これらは溶解性を示すと見
なす。
【0074】上述したように、このようにして生じる開
始剤は、全てのアニオン重合エラストマー、例えばポリ
ブタジエン、ポリイソプレンなど、およびそれらとモノ
ビニル芳香族、例えばスチレン、アルファメチルスチレ
ンなど或はトリエン類、例えばミルセンなどとのコポリ
マー類を製造するための開始剤として用いられ得る。従
って、これらのエラストマー類には、ジエンのホモポリ
マー類およびそれらとモノビニル芳香族ポリマー類との
コポリマー類が含まれる。適切なモノマー類には、約4
から約12個の炭素原子を有する共役ジエン類および8
から18個の炭素原子を有するモノビニル芳香族モノマ
ー類およびトリエン類が含まれる。本発明で有効な共役
ジエンモノマー類などの例には、1,3−ブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエンおよび1,3−ヘキサジエンが含
まれ、そして芳香族ビニルモノマー類にはスチレン、a
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエ
ンおよびビニルナフタレンが含まれる。この共役ジエン
モノマーおよび芳香族ビニルモノマーは、通常95−5
0:5−50、好適には95−65:5−35の重量比
で用いられる。
【0075】重合は、非環状アルカン溶媒、例えば種々
のヘキサン類、ヘプタン類、オクタン類およびそれらの
混合物などの中で行われる。共重合におけるランダム化
を促進し、そしてビニル含有量を調節する目的で、これ
らの重合材料に極性調整物を添加してもよい。この量
は、リチウム1当量当たり0から90もしくはそれ以上
の当量の範囲である。この量は、所望のビニル量、用い
るスチレンレベルおよび重合温度、並びに用いる特定の
極性調整物(改質剤)の性質に依存している。
【0076】極性調整物として有効な化合物は有機化合
物であり、それらには、テトラヒドロフラン(TH
F)、線状および環状のオリゴマー状オキソラニルアル
カン類、例えば2−2’−ジ(テトラヒドロフリル)プ
ロパン、ジ−ピペリジルエタン、ヘキサメチルホスホル
アミド、N−N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシク
ロオクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ト
リブチルアミンなどが含まれる。これらの線状および環
状のオリゴマー状オキソラニルアルカン改質剤は、本登
記譲り請け人が所有している米国特許第4,429,091号
(これの主題事項は引用することによって本明細書に組
み入れられる)の中に記述されている。極性調整物とし
て有効な他の化合物には、酸素または窒素ヘテロ原子お
よび結合していない1対の電子を含んでいる化合物が含
まれる。他の例には、モノおよびオリゴアルキレングリ
コール類のジアルキルエーテル類;「クラウン」エーテ
ル類;第三級アミン類、例えばテトラメチルエチレンジ
アミン(TMEDA)、線状のTHFオリゴマー類など
が含まれる。
【0077】通常、モノマー(類)と非環状アルカン溶
媒のブレンド物を適切な反応容器に仕込んだ後、該極性
調整物(用いる場合)および上述した開始剤化合物を添
加することで、バッチ重合を開始させる。これらの反応
体を約20から約200℃の温度に加熱し、そしてこの
重合を約0.1から約24時間進行させる。この開始剤
化合物から官能アミン基が誘導されて、その開始部位の
所で結合する。従って、本質的に全ての得られるポリマ
ー鎖が、以下の一般式 AYLi [式中、Aは上述したのと同じであり、そしてYは、上
述したジエンホモポリマー類、モノビニル芳香族ポリマ
ー類、ジエン/モノビニル芳香族ランダムコポリマー類
およびブロックコポリマー類のいずれかから誘導される
二価のポリマー基である]を有している。この重合を継
続すると、このリチウム末端にモノマーが付加すること
でこのポリマーの分子量が上昇する。
【0078】この重合を停止する目的で、そしてこのよ
うに更にポリマーの分子量を調整する目的で、停止剤、
カップリング剤または連結剤を用いることができ、ここ
では、これらの薬剤の全てを集合的に「停止剤」と呼
ぶ。特定の上記薬剤は、多官能を有するポリマーをもた
らし得る。即ち、本発明に従って開始させたポリマー類
は、上に記述した如き少なくとも1種のアミン官能基A
を有することができると共にまた、停止剤、カップリン
グ剤および連結剤から成る群から選択されそして誘導さ
れる2番目の官能基を有していてもよい。
【0079】有効な停止剤、カップリング剤または連結
剤には、下記のものが含まれる:活性水素化合物、例え
ば水またはアルコール;二酸化炭素;N,N,N’,
N’−テトラジアルキルジアミノ−ベンゾフェノン(例
えばテトラメチルジアミノベンゾフェノンなど);N,
N−ジアルキルアミノ−ベンズアルデヒド(例えばジメ
チルアミノ−ベンズアルデヒドなど);1,3−ジアル
キル−2−イミダゾリジノン(例えば1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンなど);1−アルキル置換ピロ
リジノン類;1−アリール置換ピロリジノン類;約5か
ら約20個の炭素原子を有するジアルキル−およびジシ
クロアルキル−カルボジイミド類;(R3aZXb
【0080】
【化23】
【0081】[ここで、Zは、錫またはケイ素であ
る]。Zが錫であるのが好適である。
【0082】R3は、約1から約20個の炭素原子を有
するアルキル、約3から約20個の炭素原子を有するシ
クロアルキル、約6から約20個の炭素原子を有するア
リール、または約7から約20個の炭素原子を有するア
ラルキルである。例えば、R3には、メチル、エチル、
n−ブチル、ネオフィル、フェニル、シクロヘキシルな
どが含まれ得る。
【0083】Xは、塩素または臭素であり、「a」は0
から3であり、そして「b」は1から4であるが、ここ
で、a+b=4である。
【0084】各々のR4は、同一もしくは異なり、約1
から約12個の炭素原子を有するアルキル、シクロアル
キルまたはアリールである。例えば、R4には、メチ
ル、エチル、ノニル、t−ブチル、フェニルなどが含ま
れ得る。
【0085】R5は、約1から約20個の炭素原子を有
するアルキル、フェニル、アルキルフェニルまたはN,
N−ジアルキルアミノフェニルである。例えば、R5
は、t−ブチル、2−メチル−4−ペンテン−2−イ
ル、フェニル、p−トリル、p−ブチルフェニル、p−
ドデシルフェニル、p−ジエチルアミノフェニル、p−
(ピロリジノ)フェニルなどが含まれ得る。
【0086】各々のR6は、同一もしくは異なり、約1
から約12個の炭素原子を有するアルキルまたはシクロ
アルキルである。これらのR6基の2つが一緒になって
環状基を形成していてもよい。例えば、R6には、メチ
ル、エチル、オクチル、テトラメチレン、ペンタメチレ
ン、シクロヘキシルなどが含まれ得る。
【0087】R7には、約1から約20個の炭素原子を
有するアルキル、フェニル、アルキルフェニルまたは
N,N−ジアルキルアミノフェニルが含まれ得る。例え
ば、R7には、メチル、ブチル、フェニル、p−ブチル
フェニル、p−ノニルフェニル、p−ジメチルアミノフ
ェニル、p−ジエチルアミノフェニル、p−(ピペリジ
ノ)フェニルなどが含まれ得る。
【0088】有効な停止剤の他の例には、四塩化錫、
(R13SnCl、(R12SnCl2、R1SnC
3、カルボジイミド類、N−メチルピロリジン、環状
アミド類、環状尿素類、イソシアネート類、シッフ塩
基、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
など[ここで、R1は上述したのと同じである]が含ま
れる。
【0089】本発明に従う1つの好適なポリマーは、上
で考察した如き少なくとも1種の官能基Aを含んでいる
ポリマーであり、ここで、Aは、アミンと有機リチウム
化合物(これもまた上で考察したのと同じである)との
反応生成物から誘導される。更に、好適なポリマーは、
該ポリマーがまた錫−炭素結合を有するところの多官能
性を示し、例えばこれは、停止剤、カップリング剤また
は連結剤から誘導され得る。本発明に従うゴム組成物ま
たは加硫性ゴム組成物は、上記ポリマーを含んでいても
よい。
【0090】この停止剤、カップリング剤または連結剤
を該反応容器に加えた後、この容器を約1から約100
0分間撹拌する。その結果として、カーボンブラックの
如きコンパンド化用材料に対して更に大きな親和性を示
すことから更に低下したヒステリシスを示すエラストマ
ーが得られる。停止剤の追加的例には、米国特許第4,61
6,069号(これは引用することによって本明細書に組み
入れられる)の中に見いだされるものが含まれる。
【0091】通常の技術を用いて該溶媒から該ポリマー
を分離することができる。これらには、蒸気またはアル
コール凝固、熱脱溶媒または他の何らかの適切な方法が
含まれる。追加的に、ドラム乾燥、押出し乾燥、真空乾
燥などで、この得られるポリマーから溶媒を除去しても
よい。
【0092】本発明のエラストマー類は、この得られる
ポリマーの頭と尾の両方に官能基を有するポリマー類を
多数含んでいる。上記コンパンド化により、低下したヒ
ステリシスを示す製品(これは、上昇した反発弾性およ
び低下した転がり抵抗を示すと共に、機械応力を受けた
とき低い熱蓄積を示す製品を意味している)が生じ得
る。
【0093】以下に例示するように、本発明の開始剤を
用いて生じさせたポリマー類は、比較的狭い範囲の分子
量を有するように再現可能様式で生じさせることが可能
であり、その結果として、約20,000から約25
0,000の分子量範囲を有する、本質的に一定した再
現性を示すポリマー類を製造することが可能であること
を見い出した。
【0094】本発明のポリマー類を、単独か或は他のエ
ラストマー類との組み合わせで用いて、製品、例えばタ
イヤトレッドストック、サイドウォールストックまたは
他のタイヤ成分ストックコンパンドを製造することがで
きる。加硫性エラストマーまたはゴム組成物から少なく
とも1種の上記成分を製造する。例えば、本発明に従う
ポリマー類は、天然ゴム、合成ゴムおよびそれらのブレ
ンド物を含む通常に用いられている如何なるトレッドス
トックゴムとブレンドされてもよい。上記ゴム類は本分
野の技術者によく知られており、そしてこれらには合成
ポリイソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム(SB
R)、ポリブタジエン、ブチルゴム、ネオプレン、エチ
レン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエン
ゴム(EPDM)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム
(NBR)、シリコンゴム、フルオロエラストマー類、
エチレンアクリル系ゴム、エチレン酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエ
チレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、水添
ニトリルゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴ
ムなどが含まれる。本発明のポリマー類を通常のゴムと
ブレンドする場合、これらの量は、幅広く変化させるこ
とが可能であり、例えば10から99重量%である。
【0095】これらのポリマー類を、ゴム100部当た
り約5から約100重量部(phr)の範囲の量のカー
ボンブラックと一緒にコンパンド化してもよく、約5か
ら約80phrが好適であり、約40から約70phr
がより好適である。これらのカーボンブラックには、通
常に入手可能な市販カーボンブラックのいずれもが含ま
れるが、少なくとも20m2/g、より好適には少なく
とも35m2/gから200m2/gまたはそれ以上の表
面積(EMSA)を有するものが好適である。本出願中
で用いる表面積値は、臭化セチルトリメチル−アンモニ
ウム(CTAB)技術を用いたASTM試験D−176
5で測定した値である。有益なカーボンブラックの中に
は、ファーネスブラック、チャネルブラックおよびラン
プブラックがある。より詳細には、これらのカーボンブ
ラックの例には、超摩耗ファーネス(SAF)ブラッ
ク、高摩耗ファーネス(HAF)ブラック、高速押出し
ファーネス(FEF)ブラック、微細ファーネス(F
F)ブラック、中超摩耗ファーネス(ISAF)ブラッ
ク、半補強用ファーネス(SRF)ブラック、中加工用
チャネルブラック、硬質加工用チャネルブラックおよび
導電性チャネルブラックが含まれる。用いられ得る他の
カーボンブラックにはアセチレンブラックが含まれる。
上記ブラックの2種以上の混合物が、本発明のカーボン
ブラック製品を製造する目的で用いられ得る。利用でき
るカーボンブラックの表面積に関する典型的な値を下記
の表Iに要約する。
【0096】表I カーボンブラック ASTM表示 表面積(m2/g) (D-1765-82a) (D-3765) N−110 126 N−220 111 N−339 95 N−330 83 N−550 42 N−660 35 本発明のゴムコンパウンドの製造で用いられるカーボン
ブラックは、ペレット化した形態か、或はペレット化し
ていない凝集塊であってもよい。好適には、より均一に
混合するためには、ペレット化していないカーボンブラ
ックが好ましい。約0.5から約4phrの公知加硫剤
を用いた通常の様式で、これらの補強ゴムコンパンドの
硬化を行うことができる。例えば、硫黄またはパーオキ
サイドを基とした硬化系を用いることができる。適切な
加硫剤の一般的開示に関しては、Kirk-Othmer著「化学
技術の百科事典」(Encyclopedia of Chemical Technol
ogy)第3版、 Wiley Interscience、 N.Y. 1982、 20巻、
365-468頁、特に390-402頁の「加硫剤および補助材料」
を参照することができる。加硫剤は単独か或は組み合わ
せて用いられ得る。
【0097】本発明の加硫性エラストマーまたはゴム組
成物は、標準的ゴム混合装置と操作および通常量の上記
添加剤を用い、本発明のポリマー類とカーボンブラック
および他の通常のゴム添加剤、例えば充填材、可塑剤、
抗酸化剤、硬化剤などと一緒にコンパンド化もしくは混
合することによって製造され得る。
【0098】
【一般実験】本発明に従う開始剤およびエラストマー類
の製造および特性を示す目的で、数多くの上記開始剤お
よびエラストマー類を製造した。ヘキサン中のスチレン
とブタジエンモノマー類の溶液を製造し、そして上述し
た開始剤を用いてそれらの重合を行った。本発明の有効
性を更に示す目的で、溶解しないリチウムピロリジドが
含まれている不均一混合物を開始剤として用いて同様な
モノマー溶液を数多く重合させることで、比較対照実施
例を与える。これらの溶解しないリチウムピロリジド類
を以下の明細書の中で最初に考察し、続いて本発明に従
って製造した開始剤およびエラストマー類の例を考察す
る。上述したように、重合を実施する目的で本技術分野
で知られている種々の技術を本発明の範囲から逸脱する
ことなく用いることができる。
【0099】
【実施例】
I. 溶解しないリチウムピロリジド開始 以下の明細書に例示する本発明に従って製造する開始剤
およびエラストマー類と比較する目的で、下記の実施例
を含める。
【0100】実験番号1 開始剤の製造 乾燥させて窒素パージした小さいボトルの中に、ヘキサ
ン中0.5Mのピロリジン溶液の20mL(10ミリ当
量または「meq」)を、ヘキサン中1.65Mのn−
ブチルリチウム溶液の6.36mL(10.5meq)
で処理した。このボトルに、ゴム製ライナーが備わって
いる穴開きクラウンシールを取り付けた。その得られる
不均一な混合物を室温で16時間穏やかに撹拌した後、
この生成物を排出させて開始剤として用いた。これらの
サンプルを排出させる前とその間この混合物を激しく振
とうした。
【0101】重合 上記様式で製造した開始剤混合物を、シリンジで、上と
同様なシールを取り付けた2個の小さいボトルの各々に
移した。これらのボトル各々の中にブタジエン/スチレ
ンの75/25重量%モノマーブレンド物を加えて、そ
の重量%がヘキサン中25重量%になりそしてモノマー
100g当たりのリチウムが1.0meqのレベルにな
るようにした。このボトルの中にまた、リチウム1モル
当たり0.6モルのN,N,N’,N’−テトラメチル
エチレンジアミン(TMEDA)を入れた。これらの混
合物を50℃で2.5時間撹拌した。その反応が生じる
結果として、モノマーの約100%がポリマーに変化し
た。
【0102】次に、1.5ミリリットル(mL)のイソ
プロピルアルコール(i−PrOH)を注入することに
よって1番目のボトルに入っているセメント状物(実施
例1)をクエンチし、そして2番目のボトルの中に入っ
ているセメント状物(実施例2)に関しては、リチウム
1モル当たり1.15モルの4−(N,N−ジエチルア
ミノ)ベンズアルデヒドを用いて更に50℃で90分間
処理した。1.5mLのi−PrOHを用いて実施例2
のセメント状物をクエンチした。
【0103】実施例1および実施例2で得られるセメン
ト状物の両方を抗酸化剤、即ちヘキサンの中に2.0重
量%のジブチルパラクレゾール(DBPC)と0.7重
量%のUOP−88(Universal Oil Products Co.から
入手可能)が入っている混合物の2mLで処理した。次
に、これらのセメント状物をi−PrOH内で凝固させ
て、ドラム乾燥を行った。その得られるポリマー類を分
析し、そしてそれらの特徴を以下の表IIに報告する。
【0104】 表II 実施例1および2で得られるポリマー類の分析 実施例1 実施例2 HNMR 24%のスチレン 24.8%のスチレン (0%のブロックスチレン)(0%のブロックスチレン) 1,2結合として 51.9% 49.4% ブタジエン部分の% GPC(THF溶媒) Mn 136365 136697 Mw/Mn 1.35 1.40 Tga −36.5℃ −38.8℃ a)ガラス転移温度(開始時) 以下の表IIIに報告するゴム試験法を用いて実施例1
および2のポリマー類のコンパンド化を行った。
【0105】 表III コンパンド化方法 材料 混合順 ゴム百部当たりの部 ポリマー 1 100 ナフテン系オイル 2 10 マスターバッチ カーボンブラック、N-351 3 55 145-155℃、 60 RPM ZnO 4 3 抗酸化剤 5 1 ワックスブレンド 6 全マスターバッチ: 171 ステアリン酸 2 最終 硫黄 1.5 77-93℃、 40 RPM 促進剤 最終全量: 175.5 これらのコンパンド化したポリマー類を、次に、1.5
インチx4インチx0.040インチの引張り用プラー
クを用いる場合300度F(149℃)で45分間、そ
してDynastatボタン状物を用いる場合300度F(14
9℃)で50分間硬化させた。次に行う物性試験の結果
を表IVに報告する。
【0106】 表IV 実施例1および2のコンパンド化ポリマー類の物性試験 実施例 ML/4/212 結合したゴム 1Hz Dynastat 環応力歪み(psi) 番号 (gum) (cpd) (重量%) tan δ(50℃) (室温) M300 T.S. %Eb 1 32 81 28 0.110 2169 2836 419 2 33 84 約29 0.107 2177 2327 359 表IVに報告した試験結果は、実施例1のコンパンド化
したポリマーは、典型的なアルキルリチウム開始剤を用
いて製造したこの分子量を有する未改質ポリマーに関し
て期待される値よりも約30%低いtan δ値を有するこ
とを示している。しかしながら、実施例2のポリマー
は、tan δを下げるに有効性を示すことが知られている
薬剤でその尾を追加的に処理したにも拘らず、それ以上
の有意なtan δ低下を示していない。この追加的効果が
得られないことはまた、結合したゴムに関する結果でも
示されており、ここでは、実施例2に関する結果と実施
例1の結果とは有意に異なっていなかった。
【0107】このような様式で製造したポリマーセメン
ト状物は、いくらか幅広い分子量分布を示すことに加え
てまた、鎖末端官能化剤と有意な反応を生じるに有意な
生きているC−Li鎖末端を重合後有していないと結論
付けられた。従って、このような方法は、最適な特性を
示すポリマー類を合成するにとって高度には望ましいも
のでなかった。
【0108】実験番号2 開始剤の製造 2番目の溶解しない開始剤を製造した。予め乾燥させて
条件付けした奇麗な撹拌している1ガロンのステンレス
鋼製反応槽を窒素パージして、これに、1.22ポンド
の無水ヘキサンと、ヘキサン中0.77Mのピロリジン
溶液の5.4mL(4.16meq)を入れた。これ
を、ヘキサン中1.58Mのn−ブチルリチウム溶液の
2.69mL(4.25meq)で処理し、室温で一晩
撹拌した。この得られる不均一な混合物をインサイチュ
ーで次の重合で用いた。
【0109】重合 上記開始剤混合物が入っている反応槽に、34重量%の
スチレンとヘキサンとのブレンド物を0.76ポンド、
1.28ミリモルのTMEDA、およびヘキサン中2
5.5重量%の1,3−ブタジエンブレンド物を3.0
6ポンド仕込んだ。この反応槽を46℃に加熱し、この
温度で3時間管理した。
【0110】このようにして製造したポリマーセメント
状物の一部を、ニードルで、上の実施例1と同様にシー
ルした3個の小さいボトルの中に移した。このセメント
状物の残りを窒素パージ下で大きなガラス製容器の中に
集めた。この大型容器の中に入っているセメント状物
(実施例3)に1.5mLのイソプロピルアルコール
(i−PrOH)を注入することによってこれをクエン
チし、一方、小さいボトルの中に入っているセメント状
物(実施例4)に関しては、リチウム1モル当たり1.
25モルの1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン
(1,3−DMI)を用いて更に50℃で2時間処理し
た。次に、1.5mLのi−PrOHを用いて実施例4
のセメント状物をクエンチし、そして両方のセメント状
物の一部を、抗酸化剤(ヘキサン中にDBPCが2.0
重量%入っている混合物の2mL)で処理した。これら
のボトルの内容物を一緒にし、そして実施例3および4
両方を個別にi−PrOH内で凝固させて、ドラム乾燥
を行った。適切な特徴付けを実施し、そしてそれら結果
を以下の表Vに要約する。
【0111】実験番号3 実験番号2と同じ反応槽を用いると共に、実施例3およ
び4と同じ量の試薬、反応時間および温度を用いて繰り
返し実験を行った。その得られるセメント状物を、本明
細書の上の表IIIの試験法でコンパンド化し、以下に
実施例5として報告する。実施例5の一部をリチウム1
当量当たり1当量のSnCl4と反応させることによっ
て末端連結させることにより、実施例6を製造した。一
晩ではなく3日間その反応槽内でこの開始剤を生じさせ
る以外は実施例5と同様にしてまたセメント状物を製造
した。また、この得られるポリマーを本明細書の上の表
VIの試験法でコンパンド化し、本明細書の中に実施例
7として報告する。実施例7の一部をリチウム1モル当
たり1.25モルの4−(N,N−ジメチルアミノ)−
ベンジリデンブチルアニリンで処理することにより、実
施例8を製造した。実施例7および8を製造する実験で
重合用試薬を添加する順は下記の通りであった:(1)
TMEDA、(2)ブタジエンブレンド物、(3)スチ
レンブレンド物。これらのポリマー生成物を実施例3お
よび4に記述したのと同様に処理した。これらの特徴付
けおよびコンパンド化評価に関する結果を以下の表Vに
示す。
【0112】これらの生成物ポリマー類を、1.5イン
チx4インチx0.040インチの引張り用プラークを
用いる場合165℃で20分間、そしてDynastatボタン
状物を用いる場合165℃で25分間硬化させた。以下
の表Vに実施例5から8の特徴付けおよびコンパンド化
特性を挙げる。
【0113】
【表1】
【0114】 表VI 中油コンパンド化用組成 材料 混合順 ゴム百部当たりの部 ポリマー 1 100 カーボンブラック、145-155℃ 2 54 マスターバッチ ZnO 3 3 60RPM ステアリン酸 4 2 抗酸化剤加工助剤 5 4.25 芳香族油 6 27.6 全マスターバッチ: 190.85 最終 硫黄 2.25 77-93℃、 40 RPM 促進剤ブレンド物 2.15 最終全量: 195.25 表Vの結果は、N−リチオピロリジド開始剤を用いた重
合は欠点を有していることを示している。実験3、5お
よび7で仕込んだ開始剤/モノマー類は同じ(モノマー
100g当たり1.0meqのリチウム)であるが、そ
の生成物の分子量は96,000から254,000に
変化しており、これは、その開始剤が高度に変化し易い
ことの証拠である。生成物の分子量が高いことは、成長
反応に比較して開始反応が遅いことの証拠であり、これ
は恐らくは、この系が不均一な性質を有していることに
よるものであろう。実施例5は、50℃において、同様
なミクロ構造および分子量を有する未改質ポリマーより
も約31%低いtan δ低下を示していた。実施例5の生
きたセメント状物をSnCl4で末端連結させる結果と
して得られた実施例6の結果は、同じベース(カップリ
ングしていない)分子量の未改質ポリマーのそれの約4
0%に及ぶさらなるtan δの低下であった。カーボンブ
ラックとの相互作用度合を表す指示となる結合ゴム含有
量は、評価できる程上昇していたが、GPCの結果、末
端連結したのはこのポリマー鎖の78%であることが示
されており、これは、「生きている」鎖末端のかなりの
部分がまだ連結で利用され得ることの示唆を与えてい
る。
【0115】実施例3、4および7、8は、表IIIの
低油試験方法の組成では加工するのが不可能な程高い分
子量を有するポリマーを生じたことで、加工を良好にす
る目的でゴム100部当たり27部の油を含めた表VI
の試験法に従う調合を行った。表Vの評価結果は、これ
らのポリマー類が示すtan δは低下しているが、未改質
SBRエラストマー類に比較した低下が13−16%で
あることは、実施例5および6が示すそれに比較すると
小さいことを示している。SnCl4で末端連結させる
試みを行ったとき粘度変化がほとんど生じないことは、
重合後、これらのポリマー類の中には活性を示すC−L
iがその鎖末端にほとんど残存していないことを示して
いる。これらのSnCl4で処理したポリマー類(実施
例4および8)が示すtan δは、未改質サンプルが示す
それの約75%であった。
【0116】要約として、本明細書の上に記述した如く
N−リチオピロリジドを用いて開始させた重合の結果
は、その生成物の性質および組成の両方並びにそれらが
示す他の特徴に関して非常に変わり易いものであった。
【0117】II. 可溶化した開始剤を用いた重合実験番号4 開始剤の製造 窒素下の乾燥させた1ガロンのステンレス鋼製反応槽
に、1.22ポンドのヘキサン、そして次に、ヘキサン
中0.77Mのピロリジンを5.4mL(4.16me
q)、続いてヘキサン中1.58Mのn−ブチルリチウ
ムを2.7mL(4.27meq)仕込んだ。この混合
物を90度F(32℃)で一晩撹拌した。次に、この反
応槽にヘキサン溶液中25.4重量%の1,3−ブタジ
エンを90g(423ミリモルのブタジエン)仕込み、
そしてこの混合物を110−120度F(43から49
℃)で1時間加熱した。これによって有効に、平均で
1,3−ブタジエンを約100部含んでいるピロリジン
部分上にSOL基が位置する。
【0118】重合 次に、この反応槽に、TMEDAが1.06ミリモル入
っているヘキサン中33重量%のスチレンを0.76ポ
ンド、そして続いて直ちに25.4重量%のブタジエン
/ヘキサンブレンド物を2.89ポンド仕込んだ。これ
により、モノマー100g当たり1.0meqのリチウ
ムから成るモノマー対開始剤仕込み比が得られる(1.
0 meq Li phgm)。この重合を120度F(49℃)で
2時間継続し、そして上の実施例の中に記述したのと同
様に、12ゲージのステンレス鋼製ニードルを用いてそ
の生きているセメント状物を小型の飲料水用ボトル4個
の中に集め、装備した後、パージした。
【0119】これらのボトルの2つの中に入っているセ
メント状物(実施例9)に1.5mLのi−PrOHを
注入することによってこれをクエンチし、一方、他の2
つのボトルの中に入っているセメント状物(実施例1
0)に関しては、リチウム1モル当たり1.2モルの塩
化トリブチル錫を用いて更に50℃で2時間処理した。
次に、1.5mLのi−PrOHを用いて実施例10の
セメント状物をクエンチし、そして両方のセメント状物
の一部を、上の実験IIIと同じ抗酸化剤で処理した。
実施例9および10両方を個別にi−PrOH内で凝固
させて、ドラム乾燥を行った。適切な特徴付けを実施
し、そしてそれらの結果を以下の表VIIに要約する。
【0120】実験番号5 開始剤の製造 窒素下、ヘキサン中25.1meqのピロリジンと2
5.1meqのn−ブチルリチウムの混合物を室温で週
末を通して撹拌した。これをヘキサン中50.2meq
のTHFで処理し、そしてこの得られる混合物を用いて
重合を開始させた。
【0121】重合 窒素雰囲気下の乾燥させた5ガロンのステンレス鋼製反
応槽に、8.53ポンドのヘキサン、ヘキサン中33重
量%のスチレンを3.17ポンド、8.78ミリモルの
TMEDA、そして続いて直ちに25.4重量%のブタ
ジエン/ヘキサンブレンド物を17.89ポンド仕込ん
だ後、リチウムを25.1meq含んでいる上で製造し
た開始剤を仕込んだ。この重合を110−120度F
(43から49℃)で2.25時間行い、そして上の実
施例の中に記述したのと同様に、12ゲージのステンレ
ス鋼製ニードルを用いてその生きているセメント状物を
小型の飲料水用ボトル5個の中に集め、装備した後、パ
ージし、そして1/2インチのパイプを通して、窒素パ
ージ下で乾燥させてパージした大型容器2個の中に集め
た。
【0122】これらの大型容器の中に入っているセメン
ト状物(実施例11)にi−PrOHを注入することに
よってこれをクエンチし、一方、上記ボトルの中に入っ
ているセメント状物(実施例12)に関しては、最初に
リチウム1モル当たり0.3当量の四塩化錫を用いて更
に50℃で0.5時間処理した後リチウム1モル当たり
0.84モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン(1,3−DMI)を用いて50℃で2時間処理し
た。その反応槽の中に残存しているセメント状物(実施
例13)を、リチウム1当量当たり0.8当量のSnC
4を用いて50℃で約2時間処理した。上の実施例9
および10に記述したのと同様にしてこれらのポリマー
生成物の処理を行った。それらの特徴付けおよびコンパ
ンド化評価を行った結果を以下の表VIIに示す。
【0123】実験番号6 開始剤の製造 実施例11、12および13で用いたのと同じ開始剤の
一部を個別に取って置き、その2日後下記の如く使用し
たが、その推定濃度は0.6meq/mLであった。
【0124】重合 実施例11−13のベースセメント状物を重合させる目
的で用いた操作を繰り返した。上の実施例の中に記述し
たのと同様にして、12ゲージのステンレス鋼製ニード
ルを用いてその生きている生成セメント状物を小型の飲
料水用ボトル5個の中に集め、装備した後、パージし、
そして1/2インチのパイプを通して、窒素パージ下で
乾燥させてパージした大型容器2個の中に集めた。
【0125】これらの大型容器の中に入っているセメン
ト状物(実施例14)にi−PrOHを注入することに
よってこれをクエンチし、一方、上記ボトルの中に入っ
ているセメント状物(実施例15)に関しては、最初に
リチウム1モル当たり0.3当量の四塩化錫を用いて更
に50℃で0.5時間処理した後リチウム1モル当たり
0.85モルの1,3−DMIを用いて50℃で2時間
処理した。実施例9および10に記述したのと同様にし
てこれらのポリマー生成物の処理を行い、それらの特徴
付けおよびコンパンド化評価を行った結果を以下の表V
IIに示す。
【0126】
【表2】
【0127】実験番号7 開始剤の製造 窒素雰囲気下室温で一晩、ヘキサン中28.6meqの
ピロリジン、57.2ミリモルのTHFおよび29.1
5meqのn−ブチルリチウムから成る混合物を撹拌し
た。その得られる混合物の一定分量(1mL当たり約
0.56ミリ当量(meq))を用いて重合を開始させ
た。
【0128】5ガロンのステンレス鋼製反応槽に、その
後、ヘキサンを6.42ポンド、上記0.56M開始剤
を28.6モル当量、そして24.2重量%のブタジエ
ンとヘキサンのブレンド物を1.25ポンド仕込み、そ
してこの混合物を100度F(35℃)で1時間加熱し
た。
【0129】重合 次に、この反応槽に、ヘキサン中34重量%のスチレン
を3.53ポンド、TMEDAを9.7ミリモル、そし
て上記ブタジエン/ヘキサンブレンド物を17.85ポ
ンド仕込んだ。これにより、モノマー対開始剤の仕込み
比が1.05 meq Li phgmになり、そしてモノマー比
は、約20重量%のスチレン/80重量%のブタジエン
である。この重合を110−115度F(43から46
℃)で1.75時間行った。最後に、この反応槽に上記
ブタジエン/ヘキサンブレンド物を0.3ポンド仕込
み、そして直ちにこのセメント状物のサンプル4.1ポ
ンドを大型容器の中に集めて、i−PrOHを加えるこ
とによってこれをクエンチした(実施例16)。その反
応槽の中に残存している内容物に関しては、1.0Nの
SnCl4を22.2mL用いて100から110度F
(43から46℃)で1.5時間処理し、そしてこのセ
メント状物を窒素パージ下、i−PrOHが少量入って
いる5ガロン缶の中に落下させた(実施例17)。
【0130】実施例16および17で得られるセメント
状物を、直ぐ上の実験と同様に抗酸化剤で処理し、そし
て両方のサンプルをi−PrOH内で凝固させた後、ド
ラム乾燥を行った。適切な特徴付けを行って、その結果
を以下の表VIIIに要約する。
【0131】実験番号8 開始剤の製造 窒素下室温で一晩、ヘキサン中88.8meqのピロリ
ジン、177.8ミリモルのTHFおよび89.8me
qのn−ブチルリチウムから成る混合物を撹拌した。そ
の得られる混合物の一定分量(1mL当たり約0.57
meq)を用いて重合を開始させた。
【0132】5ガロンのステンレス鋼製反応槽に、その
後、ヘキサンを6.55ポンド、上記0.57M開始剤
を47.1mL(26.7meq)、そしてヘキサン中
24.2重量%のブタジエンブレンド物を1.0ポンド
仕込み、そしてこの混合物を100度F(38℃)で3
0分間加熱した。
【0133】重合 次に、この反応槽に、ヘキサン中34重量%のスチレン
を4.41ポンド、TMEDAを9.08ミリモル、そ
して上記ブタジエン/ヘキサンブレンド物を17.1ポ
ンド仕込んだ。これにより、モノマー対開始剤の仕込み
比が0.98 meq Li phgmになり、そしてモノマー比
は、約25重量%のスチレン/75重量%のブタジエン
である。この重合を110−115度F(43から46
℃)で2.3時間行った。最後に、この反応槽に上記ブ
タジエン/ヘキサンブレンド物を0.5ポンド仕込み、
そして直ちにこのセメント状物のサンプル3.5ポンド
を大型容器の中に集めて、i−PrOHを加えることに
よってこれをクエンチした(実施例18)。その反応槽
の中に残存している内容物に関しては、1.0NのSn
Cl4を21.0mL用いて115度F(46℃)で撹
拌することによって処理した。反応後、このセメント状
物を窒素パージ下、i−PrOHが少量入っている5ガ
ロン缶の中に落下させた(実施例19)。直ぐ上の実施
例と同様にこれらのセメント状物を抗酸化剤で処理し、
そして実施例18および19で得られるセメント状物の
両方を個別にi−PrOH内で凝固させた後、ドラム乾
燥を行った。適切な特徴付けを行って、その結果を以下
の表VIIIに要約する。
【0134】 表VIII 実施例16−19の特徴付けおよびコンパンド化物性の要約 実施例番号 16 17 18 19 NMRビニル%b 42.7 43.1 43.4 43.4 スチレン% 20.4 20.1 24.9 24.9 DSC Tg(℃)c −47 −46 −45 −45 GPC(THF) Mnx10-5 1.00 2.41 1.22 − Mw/Mn 1.10 1.48 1.26 − カップリング − 86% − 69% ML/4/100℃ 生 7 82 20 113 コンパンド 47 94 61 98 試験方法 表番号 III III III III 応力−歪みM300c 2165 2525 2643 2903 応力−歪み、TBd 3167 3452 3283 3714 23℃%EBe 447 423 405 409 Dynastat 1 HZ tan δ +50℃ 0.100 0.079 0.098 0.092 tan δ −20℃ 0.289 0.312 0.495 0.548 a)1,2−結合としてのブタジエン含有量のモル% b)Tgの開始 c)環応力−歪み、300%モジュラス、psi d)環応力−歪み、引張りモジュラス、psi e)破壊伸びパーセント これらの生成物であるポリマー類を、表IIIに示す試
験方法に指示した如くコンパンド化して試験し、そして
上述した如く硬化させた。表VIIに、実施例9−15
で得られるポリマー類が示す特徴および特性を挙げる。
表VIIIに、実施例16−19が示す特徴とコンパン
ド化特性を挙げる。
【0135】表VIIおよびVIIIの結果は、本発明
に従う開始剤を用いて重合させることで得られる利点と
所望結果を示している。表Vの結果と対照的に、実施例
9−19は、これらの開始剤を用いるとジエン重合が一
貫性を示すことを実証している。即ち、これらの重合に
関する分子量は比較的高い再現性と予測性を示すと共
に、狭い分子量分布を与え、そしてそのポリマーセメン
ト状物は、さらなる反応を行うにとってより良好な生き
ているC−Li鎖の生存度を示している。実施例10、
12、13および17の、ジキャップした(dicapped)
ポリマー類は、例外的に低いヒステリシスを示し、同じ
ベースの分子量を有する比較の未改質ポリマー類で期待
される値の約40%から50%である。
【0136】実施例6、10、12、13、17および
19はまた、N−Li開始剤と、錫化合物、例えばR3
SnClまたはSnCl4を用いた末端連結または停止
との有利な組み合わせを表している。
【0137】比較実施例1−8に記述した如きリチウム
ピロリジドを用いて非環状アルカン溶媒中で開始させた
重合の結果は、その生成物が示す性質および組成と共に
それらが示すヒステリシス挙動の両方に関して、高度に
変わり易かった。しかしながら、上に例示するように、
当量に近い量で極性リガンドを用いるか或はモノマーを
伸長させてN−リチオ炭化水素アミドとして調合を行う
と、良好な分子量制御および狭い分子量分布で再現性の
ある重合が生じると共に、生きているC−Li末端を更
に反応させるに良好な保存が達成される。
【0138】実験番号9 1224NLi・2THF開始剤を用いたポリマー製造 1224NLi・2THF開始剤の製造 ドデカメチレンイミン(「DDMI」)を水素化カルシ
ウムから真空蒸留し、そして乾燥させて窒素パージした
ボトルに窒素下で移した。ヘキサン中0.4MのDDM
I溶液の10mLをヘキサン中4.0MのTHF溶液の
2mLで処理した後、穏やかに渦巻き撹拌しながら、ヘ
キサン中1.7Mのn−ブチルリチウム溶液の2.35
mLをゆっくりと加えることによって、DDMIのN−
リチオ塩を製造した。渦巻き撹拌を室温で一晩継続し
た。その得られる0.28M溶液は透明な淡黄色であっ
た。もしn−ブチルリチウムを急速添加してこのDDM
Iを処理するか、或は少なくとも約2当量のTHF存在
なしに処理すると、直ちに曇りおよび/または沈澱が生
じた。このC1224NLi・2THF溶液は室温で少な
くとも数日間安定であった。シリンジを用いてサンプル
をそれから取り出して、重合の開始で用いた。
【0139】1224NLi・2THFまたはn−Bu
Liを用いたブタジエンとスチレンの重合 ヘキサン中80重量%/20重量%のブタジエンとスチ
レンのブレンド物が入っている密封したボトルに、モノ
マー100g当たり1.0meqのLiレベルになるよ
うに、上記開始剤の0.28M溶液を加えた後、N,
N,N’,N’−テトラメチレンジアミン(「TMED
A」)を0.45 TMEDA/Li(モル/モル)に
なるように加えた。これらの混合物を50℃で2.5時
間撹拌すると、約90−100%がポリマーに変化し
た。実際的には、これらの反応時間と温度は、使用する
反応容器、撹拌の種類などが変化するのと全く同様に、
かなり変化する。次に、1mLのi−PrOHを注入す
ることによって、その処理したセメント状物をクエンチ
し、抗酸化剤(ヘキサン中にDBPCが1.6重量%入
っている混合物の3mL)で処理し、i−PrOH内で
凝固させ、室温で空気乾燥を行った後、ドラム乾燥を行
った。適切な特徴付けを行った。特徴を表IXに要約す
る。表IXにはまた、DDMIまたはTHFなしに同じ
様式でn−ブチルリチウムを用いて製造したポリマー類
のデータも含めた。本発明の開始剤組成物を存在させな
い時得られるヒステリシス挙動の種類を示す目的で、比
較としてこれらを製造した。その相対的なヒステリシス
挙動は、官能化していないポリマー類のそれに典型的で
ある。
【0140】ブタジエンとスチレンの重合、およびSn
Cl4を用いた末端連結 重合を50℃で1.5時間行った後の重合混合物を、そ
の仕込んだLi 1当量当たり0.8当量のSnCl4
処理する以外は正確に上記操作に従った。上と同じ様式
でこれらの生成物を処理し、そしてその特徴もまた表I
Xに要約する。
【0141】コンパンド化特性の評価 表Iに示す試験方法に指示したのと同様に、これらの生
成物であるポリマー類をコンパンド化して試験し、そし
て165℃で20分間硬化させた。物性試験結果を表X
に要約する。加うるに、実施例20および21の未硬化
の、最終コンパンド化を行ったストックが示す炭素結合
ゴム含有量は、それぞれ33%および49%であった。
これは、これらの場合、未改質ゴム(これが示す炭素結
合ゴムは典型的に23%未満である)およびブチルリチ
ウム開始Sn連成ゴム(これが示す炭素結合ゴムは典型
的に35%未満である)に比較して、そのポリマーとカ
ーボンブラックとの間の相互作用が増強されていること
を示している。この試験の結果は、本ポリマー類が低下
したヒステリシスを示すことの良好な証拠を与えてい
る。このDynstat tan δ(50℃)=0.091−0.
094は、このミクロ構造と分子量を有する未改質ポリ
マーで期待される値、例えば典型的なアルキルリチウム
開始剤を用いて製造した時期待される値よりも約50%
低い。
【0142】
【表3】
【0143】
【表4】
【0144】本発明に従う開始剤を製造するに好適な方
法をここに記述する。テフロンまたはガラス被覆磁気撹
拌棒が入っている容器、例えば小型ボトルを乾燥し、密
封した後、窒素パージする。シリンジを用いて下記を撹
拌しながら加える。
【0145】1. 炭化水素溶媒中30ミリモルの無水
2°アミンおよび 2. 炭化水素溶媒中60ミリモルの無水極性可溶化
剤。
【0146】3. 背圧に対する注意を払いながらシリ
ンジを用いて一度に、炭化水素溶媒中30.1ミリモル
のアルキルリチウムを撹拌しながら加える(このアルキ
ルリチウムをあまり速く加えると、より大きな環を有す
るアミド類は沈澱を生じる傾向を示す可能性がある)。
【0147】この溶液を加熱して直ちに圧力をかける
が、この溶液は直ぐに冷えて元に戻り始める。試薬を多
量に製造する場合、例えば大型ボトルに関しては250
−300ミリモルか或は反応槽に関しては0.5−1.
5モルの量で試薬を製造する場合、チルド水または冷水
冷却を用いてそのピーク温度を約38℃以下に保持する
とき最良の結果が得られる。通常の操作を用い、使用に
先立ってその混合物を室温で一晩撹拌した。しかしなが
ら、この反応は本質的に数分以内に完結する。この混合
物は、有意な沈澱を生じることなく透明な麦藁黄色であ
るべきである。軽いか中程度の濁りまたは曇りは活性に
影響を与えないと思われる。無水条件が必要である。水
含有量が30ppm未満である(SOL)/炭化水素溶
媒溶液が最良の結果を与える。正の窒素圧下、室温(2
5−27℃)で、開始剤を数週間に渡って貯蔵すること
ができる。この様式でN−リチオピロリジン・2THF
溶液をヘキサン中約0.5M−1.5Mの濃度で調製し
て貯蔵したものは、約3から4週間に渡って安定であ
り、ジエンおよび/またはビニル芳香族(共)重合用の
開始剤として有効性を示し、優れた特性を示すポリマー
を与える。この様式でN−リチオパーヒドロアゼピン・
2THF溶液をヘキサン中約0.3M−0.9Mの濃度
で調製して貯蔵したものは、少なくとも数日間に渡って
安定であり、これはまた良好な結果でもって重合で用い
られ得る。
【0148】本発明に従う開始剤はジエンモノマー類の
アニオン重合で有効性を示すことは、上記実施例および
明細開示からここに明らかである。比較的狭い分子量範
囲内で上記ポリマー類の再現可能重合が達成され、そし
てこの得られるポリマー類はまた、本分野で今まで知ら
れている溶解しない開始剤に比較して、生きたC−Li
末端の良好な保存を示す。
【0149】本発明は、他の場合としてこの明細書の中
に示したものを除き、ここに開示した特定の開始剤、反
応体、モノマー類、停止剤、極性調整物または溶媒に限
定されるものではない。同様に、これらの実施例は、単
にこの主題発明の実施を説明する目的で示したものであ
り、本発明の制限を構成するものではない。本分野の技
術者は、上に行った開示に従って、他のモノマー類およ
び工程条件を容易に選択することができるであろう。
【0150】従って、ここに開示しそして記述した本発
明の範囲から逸脱しない限りここに開示した変数のいず
れをも容易に決定しそして調節することが可能であると
考えられる。更に、本発明の範囲は、添付請求の範囲の
範囲内に入る全ての修飾および変化を包含しているもの
とする。
【0151】本発明の特徴および態様は以下のとおりで
ある。
【0152】1. 一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0153】
【化24】
【0154】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0155】
【化25】
【0156】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る可溶化したリチオアミンを含んでいる、非環状アルカ
ン溶媒に溶解性を示すアニオン重合開始剤。
【0157】2. 該アミン中の窒素原子と結合してい
るR1およびR2中の炭素原子がまた、全体で少なくとも
3個の水素原子と結合している、第1項記載のアニオン
重合開始剤。
【0158】3. SOLが、3から約300個の重合
単位を有するジエニルまたはビニル芳香族ポリマー類ま
たはコポリマー類から成る群から選択される、第1項記
載のアニオン重合開始剤。
【0159】4. SOLが、ポリブタジエン、ポリス
チレン、ポリイソプレンおよびそれらのコポリマー類か
ら成る群から選択される、第3項記載のアニオン重合開
始剤。
【0160】5. SOLが、テトラヒドロフランおよ
びテトラメチルエチレンジアミンから成る群から選択さ
れる、第1項記載のアニオン重合開始剤。
【0161】6. Aが、ピロリジン、ピペリジン、ピ
ペラジン、パーヒドロアゼピン、1−アザシクロオクタ
ン、アザシクロトリデカン、アザシクロペンタデカン、
1−アザシクロヘプタデセ−9−エン、1−アザシクロ
ヘプタデセ−8−エンおよびそれらの誘導体から成る群
から選択される、第1項記載のアニオン重合開始剤。
【0162】7. 上記ピロリジン誘導体がパーヒドロ
インドールおよびパーヒドロイソキノリンから成る群か
ら選択される、第6項記載のアニオン重合開始剤。
【0163】8. Aがジ−n−アルキルアミン類から
成る群から選択され、ここでこのアルキル基が約2から
約5個の炭素原子を有する、第1項記載のアニオン重合
開始剤。
【0164】9. Aがピロリジンであり、yが2であ
り、そしてSOLが、テトラヒドロフランおよびテトラ
メチルエチレンジアミンから成る群から選択される、第
8項記載のアニオン重合開始剤。
【0165】10. Aがパーヒドロアゼピンであり、
yが2であり、そしてSOLが、テトラヒドロフランお
よびテトラメチルエチレンジアミンから成る群から選択
される、第8項記載のアニオン重合開始剤。
【0166】11. 上記リチオアミンが式A−(SO
L)y−Liで表され、Aがピロリジンであり、そして
yが1である、第3項記載のアニオン重合開始剤。
【0167】12. 上記可溶化剤の存在下で有機リチ
ウム化合物と官能化剤とを反応させる段階で製造され、
ここで、上記官能化剤が上記アルキル、ジアルキルおよ
びシクロアルキルアミン基から成る群から選択される、
第1項記載のアニオン重合開始剤。
【0168】13. 上記有機リチウム化合物が一般式
RLi[式中、Rは、1から約20個の炭素原子を有す
るアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニ
ル、アリールおよびアラルキル、並びにジオレフィンお
よびビニルアリールモノマー類から得られる約25個以
下の単位を有する短鎖長の低分子量ポリマー類から成る
群から選択される]で表される、第12項記載のアニオ
ン重合開始剤。
【0169】14. 有機リチウム化合物と、上記アル
キル、ジアルキルおよびシクロアルキルアミン基から成
る群から選択される官能化剤とを反応させることで反応
生成物を生じさせそして上記反応生成物と上記可溶化剤
とを反応させる段階で製造される、第1項記載のアニオ
ン重合開始剤。
【0170】15. 少なくとも1種の官能基Aを有す
るポリマー鎖を含んでいる官能化されたポリマーにおい
て、Aが一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0171】
【化26】
【0172】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0173】
【化27】
【0174】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る重合開始剤から誘導される、官能化されたポリマー。
【0175】16. アルカン溶媒中で1種以上のアニ
オン重合性モノマー類の溶液を生じさせそして上記モノ
マー類を上記重合開始剤の存在下で重合させる段階で製
造される、第15項記載の官能化されたポリマー。
【0176】17. 得られるポリマーが多官能性を示
すように、停止剤、カップリング剤および連結剤から成
る群から選択されそして誘導される官能基と上記ポリマ
ーとを反応させるさらなる段階を含む、第16項記載の
官能化されたポリマー。
【0177】18. 上記停止剤、カップリング剤およ
び連結剤が、二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラ
アルキルジアミノベンゾフェノン類;N,N−ジアルキ
ルアミノベンズアルデヒド類;1,3−ジアルキルイミ
ダゾリジノン類;1−アルキル置換ピロリジノン類;1
−アリール置換ピロリジノン類;約5から約20個の炭
素原子を有するジアルキル−およびジシクロアルキル−
カルボジイミド類;(R3aZXb
【0178】
【化28】
【0179】から成る群から選択され、ここで、Zは、
錫またはケイ素であり、R3は、約1から約20個の炭
素原子を有するアルキル、約3から約20個の炭素原子
を有するシクロアルキル、約6から約20個の炭素原子
を有するアリール、および約7から約20個の炭素原子
を有するアラルキルから成る群から選択され、Xは、塩
素または臭素であり、aは、0から3であり、そしてb
は約1から4であるが、ここで、a+b=4であり、各
々のR4は、同一もしくは異なり、約1から約12個の
炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルおよびアリ
ールから成る群から選択され、R5は、約4から約20
個の炭素原子を有するt−アルキル、フェニル、アルキ
ルフェニルおよびN,N−ジアルキルアミノフェニルか
ら成る群から選択され、各々のR6は、同一もしくは異
なり、約1から約12個の炭素原子を有するアルキルお
よびシクロアルキルから成る群から選択され、そしてR
7は、約1から約20個の炭素原子を有するアルキル、
フェニル、アルキルフェニルおよびN,N−ジアルキル
アミノフェニルから成る群から選択される、第17項記
載の官能化されたポリマー。
【0180】19. その2つのR6基が一緒になって
環状基を形成している第18項記載の官能化されたポリ
マー。
【0181】20. 官能基Aを持っている鎖を有する
エラストマーポリマーと上記ポリマー100部当たり約
5から80重量部のカーボンブラックを含んでいる、低
下したヒステリシス特性を示す加硫性エラストマーコン
パンドにおいて、Aが一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
般式
【0182】
【化29】
【0183】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0184】
【化30】
【0185】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される]で表され
る重合開始剤から誘導される、加硫性エラストマーコン
パンド。
【0186】21. 第20項記載の加硫性エラストマ
ーコンパンドを含んでいるトレッドストックから得られ
る、低下した転がり抵抗を示すタイヤ。
【0187】22. 少なくとも1種のアミン官能基A
と錫−炭素結合を有するポリマーを含んでいる加硫性ゴ
ム組成物において、Aが、有機リチウム化合物とアミン
との反応生成物から誘導される、加硫性ゴム組成物。
【0188】23. Aが、一般式
【0189】
【化31】
【0190】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0191】
【化32】
【0192】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される、第22項
記載の加硫性ゴム組成物。
【0193】24. 第22項の加硫性ゴム組成物と上
記ポリマー100部当たり約5から80重量部のカーボ
ンブラックから作られるタイヤ。
【0194】25. Aが、一般式
【0195】
【化33】
【0196】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0197】
【化34】
【0198】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される、第24項
記載のタイヤ。
【0199】26. 少なくとも1種のアミン官能基A
と停止剤、カップリング剤および連結剤から成る群から
選択されそして誘導される第二官能基を有するポリマー
を含んでいるゴム組成物において、Aが、有機リチウム
化合物とアミンとの反応生成物から誘導される、ゴム組
成物。
【0200】27. Aが、一般式
【0201】
【化35】
【0202】で表されるアルキル、ジアルキルおよびシ
クロアルキルアミン基および一般式
【0203】
【化36】
【0204】で表される環状アミン類から成る群から選
択され、ここで、R1は、1から約12個の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから
成る群から選択され、そしてR2は、約3から約16個
のメチレン基を有するアルキレン、オキシ−またはアミ
ノ−アルキレン基から成る群から選択される、第26項
記載のゴム組成物。
【0205】28. 上記停止剤、カップリング剤およ
び連結剤が、二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラ
アルキルジアミノベンゾフェノン類;N,N−ジアルキ
ルアミノベンズアルデヒド類;1,3−ジアルキル−2
−イミダゾリジノン類;1−アルキル置換ピロリジノン
類;1−アリール置換ピロリジノン類;約5から約20
個の炭素原子を有するジアルキル−およびジシクロアル
キル−カルボジイミド類;(R3aZXb
【0206】
【化37】
【0207】から成る群から選択され、ここで、Zは、
錫またはケイ素であり、R3は、約1から約20個の炭
素原子を有するアルキル、約3から約20個の炭素原子
を有するシクロアルキル、約6から約20個の炭素原子
を有するアリール、および約7から約20個の炭素原子
を有するアラルキルから成る群から選択され、Xは、塩
素または臭素であり、aは、0から3であり、そしてb
は約1から4であるが、ここで、a+b=4であり、各
々のR4は、同一もしくは異なり、約1から約12個の
炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルおよびアリ
ールから成る群から選択され、R5は、約4から約20
個の炭素原子を有するt−アルキル、フェニル、アルキ
ルフェニルおよびN,N−ジアルキルアミノフェニルか
ら成る群から選択され、各々のR6は、同一もしくは異
なり、約1から約12個の炭素原子を有するアルキルお
よびシクロアルキルから成る群から選択され、そしてR
7は、約1から約20個の炭素原子を有するアルキル、
フェニル、アルキルフェニルおよびN,N−ジアルキル
アミノフェニルから成る群から選択される、第26項記
載のゴム組成物。
【0208】29. 第26項のゴム組成物と上記ポリ
マー100部当たり約5から80重量部のカーボンブラ
ックから作られるタイヤ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
    素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
    る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
    般式 【化1】 で表されるアルキル、ジアルキルおよびシクロアルキル
    アミン基および一般式 【化2】 で表される環状アミン類から成る群から選択され、ここ
    で、R1は、1から約12個の炭素原子を有するアルキ
    ル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選
    択され、そしてR2は、約3から約16個のメチレン基
    を有するアルキレン、オキシ−またはアミノ−アルキレ
    ン基から成る群から選択される]で表される可溶化した
    リチオアミンを含んでいる、非環状アルカン溶媒に溶解
    性を示すアニオン重合開始剤。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種の官能基Aを有するポリ
    マー鎖を含んでいる官能化されたポリマーにおいて、A
    が一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
    素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
    る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
    般式 【化3】 で表されるアルキル、ジアルキルおよびシクロアルキル
    アミン基および一般式 【化4】 で表される環状アミン類から成る群から選択され、ここ
    で、R1は、1から約12個の炭素原子を有するアルキ
    ル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選
    択され、そしてR2は、約3から約16個のメチレン基
    を有するアルキレン、オキシ−またはアミノ−アルキレ
    ン基から成る群から選択される]で表される重合開始剤
    から誘導される、官能化されたポリマー。
  3. 【請求項3】 官能基Aを持っている鎖を有するエラス
    トマーポリマーと上記ポリマー100部当たり約5から
    80重量部のカーボンブラックを含んでいる、低下した
    ヒステリシス特性を示す加硫性エラストマーコンパンド
    において、Aが一般式 (A)Li(SOL)y [式中、yは、約1から約3であり、SOLは、炭化水
    素、エーテル類、アミン類またはそれらの混合物から成
    る群から選択される可溶化成分であり、そしてAは、一
    般式 【化5】 で表されるアルキル、ジアルキルおよびシクロアルキル
    アミン基および一般式 【化6】 で表される環状アミン類から成る群から選択され、ここ
    で、R1は、1から約12個の炭素原子を有するアルキ
    ル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選
    択され、そしてR2は、約3から約16個のメチレン基
    を有するアルキレン、オキシ−またはアミノ−アルキレ
    ン基から成る群から選択される]で表される重合開始剤
    から誘導される、加硫性エラストマーコンパンド。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の加硫性エラストマーコン
    パンドを含んでいるトレッドストックから得られる、低
    下した転がり抵抗を示すタイヤ。
  5. 【請求項5】 少なくとも1種のアミン官能基Aと錫−
    炭素結合を有するポリマーを含んでいる加硫性ゴム組成
    物において、Aが、有機リチウム化合物とアミンとの反
    応生成物から誘導される、加硫性ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5の加硫性ゴム組成物と上記ポリ
    マー100部当たり約5から80重量部のカーボンブラ
    ックから作られるタイヤ。
  7. 【請求項7】 少なくとも1種のアミン官能基Aと停止
    剤、カップリング剤および連結剤から成る群から選択さ
    れそして誘導される第二官能基を有するポリマーを含ん
    でいるゴム組成物において、Aが、有機リチウム化合物
    とアミンとの反応生成物から誘導される、ゴム組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7のゴム組成物と上記ポリマー1
    00部当たり約5から80重量部のカーボンブラックか
    ら作られるタイヤ。
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