JPH0753605A - シクロデキストリン誘導体の製造方法 - Google Patents
シクロデキストリン誘導体の製造方法Info
- Publication number
- JPH0753605A JPH0753605A JP20322793A JP20322793A JPH0753605A JP H0753605 A JPH0753605 A JP H0753605A JP 20322793 A JP20322793 A JP 20322793A JP 20322793 A JP20322793 A JP 20322793A JP H0753605 A JPH0753605 A JP H0753605A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyclodextrin
- added
- derivative
- reaction
- dichloromethane
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】シクロデキストリンのベンジル化及びアシル化
を短時間でしかも高収率で得ることができる方法を提供
する。 【構成】シクロデキストリンにベンジルトリクロルアセ
トイミデートまたはアリルトリクロルアセトイミデート
を反応させて、シクロデキストリンのベンジル化または
アリル化誘導体を製造することを特徴とするシクロデキ
ストリン誘導体の製造方法。
を短時間でしかも高収率で得ることができる方法を提供
する。 【構成】シクロデキストリンにベンジルトリクロルアセ
トイミデートまたはアリルトリクロルアセトイミデート
を反応させて、シクロデキストリンのベンジル化または
アリル化誘導体を製造することを特徴とするシクロデキ
ストリン誘導体の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシクロデキストリンの種
々の誘導体の中間物質として使用されるベンジル化及び
アリル化誘導体の製造方法に関する。
々の誘導体の中間物質として使用されるベンジル化及び
アリル化誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリン(以下場合によりC
Dと略記する)は分子内に疎水性の空洞を有し、外側は
親水性で水中油型ミセルに似た機能を示す化合物であ
る。このようなCDはその空洞径に応じて疎水性のゲス
ト分子を取り込み水溶液中で複合体を形成し、調整法に
よっては固体の包接化合物を単離することもできる。こ
の立体選択的な相互作用によりゲスト分子の物理化学的
性質を微妙に変化させることができるため、製剤への有
効利用が期待でき、各方面で種々に利用され、また利用
が図られている化合物である。
Dと略記する)は分子内に疎水性の空洞を有し、外側は
親水性で水中油型ミセルに似た機能を示す化合物であ
る。このようなCDはその空洞径に応じて疎水性のゲス
ト分子を取り込み水溶液中で複合体を形成し、調整法に
よっては固体の包接化合物を単離することもできる。こ
の立体選択的な相互作用によりゲスト分子の物理化学的
性質を微妙に変化させることができるため、製剤への有
効利用が期待でき、各方面で種々に利用され、また利用
が図られている化合物である。
【0003】特にシクロデキストリンの2,3又は6位
の水酸基を部分的に残してなるか又は他の置換基に置換
せしめたシクロデキストリン誘導体の場合は、その水酸
基又は他の置換基との相互作用により包接能が大幅に変
化するため、ゲスト分子の種類、その物性を大きく変化
させうることが期待できる。
の水酸基を部分的に残してなるか又は他の置換基に置換
せしめたシクロデキストリン誘導体の場合は、その水酸
基又は他の置換基との相互作用により包接能が大幅に変
化するため、ゲスト分子の種類、その物性を大きく変化
させうることが期待できる。
【0004】従ってこのような水酸基を他の置換基に置
換せしめたシクロデキストリン誘導体について種々の研
究がなされてきた。例えば、J.Carbohydr.Chem., 7 293
-308(1988)やCarbohydr.Res., 187 203-221(1989)の竹
尾らの論文や、Bioorg.Chem.,5 121-126(1976)には、水
酸基をメチル基やアセチル基等に置換したシクロデキス
トリン誘導体の報告がある。そして、シクロデキストリ
ンの水酸基を他の置換基に置換するために、一度この水
酸基を部分的にベンジル基やアリル基で保護し、残りの
水酸基に目的とする置換基を導入した後、これらの保護
基を除去し、目的物質を得るという方法がとられてい
る。
換せしめたシクロデキストリン誘導体について種々の研
究がなされてきた。例えば、J.Carbohydr.Chem., 7 293
-308(1988)やCarbohydr.Res., 187 203-221(1989)の竹
尾らの論文や、Bioorg.Chem.,5 121-126(1976)には、水
酸基をメチル基やアセチル基等に置換したシクロデキス
トリン誘導体の報告がある。そして、シクロデキストリ
ンの水酸基を他の置換基に置換するために、一度この水
酸基を部分的にベンジル基やアリル基で保護し、残りの
水酸基に目的とする置換基を導入した後、これらの保護
基を除去し、目的物質を得るという方法がとられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シクロ
デキストリンにベンジル基またはアリル基を導入するた
めに、塩基を用いて塩とした後、温度コントロールをし
たり、反応時間を長くとったりする必要があった。本発
明は、上記問題点を解決するためになされたものであっ
て、シクロデキストリンのベンジル化及びアシル化を短
時間でしかも高収率で得ることができる方法を提供する
ことを目的とする。
デキストリンにベンジル基またはアリル基を導入するた
めに、塩基を用いて塩とした後、温度コントロールをし
たり、反応時間を長くとったりする必要があった。本発
明は、上記問題点を解決するためになされたものであっ
て、シクロデキストリンのベンジル化及びアシル化を短
時間でしかも高収率で得ることができる方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下に本発明を更に具体
的に説明する。本発明においてCDはnが6のものをα
−CD、nが7のものをβ−CD、nが8のものをγ−
CDという。
的に説明する。本発明においてCDはnが6のものをα
−CD、nが7のものをβ−CD、nが8のものをγ−
CDという。
【0007】以下に本発明のCD誘導体の具体的反応例
を示す。
を示す。
【0008】
【化1】
【0009】反応[1] 脱水したジクロルメタン(またはクロロホルム)に別途
合成した6−t−BuDMSi−β−CDを溶解させ、
その系にベンジルトリクロルアセトイミデートを添加し
撹拌する。次いでCF3 SO3 Hを1滴加え、その後室
温下で48時間反応させる。反応終了後沈殿物を濾別、
次いでピリジン(またはNaHCO3 水溶液)を加えジ
クロルメタン(またはクロロホルム)で希釈し、水で洗
浄する。有機層は乾燥し、減圧下濃縮する。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて分離することによ
り[A]を得る(収率:約85%)。
合成した6−t−BuDMSi−β−CDを溶解させ、
その系にベンジルトリクロルアセトイミデートを添加し
撹拌する。次いでCF3 SO3 Hを1滴加え、その後室
温下で48時間反応させる。反応終了後沈殿物を濾別、
次いでピリジン(またはNaHCO3 水溶液)を加えジ
クロルメタン(またはクロロホルム)で希釈し、水で洗
浄する。有機層は乾燥し、減圧下濃縮する。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて分離することによ
り[A]を得る(収率:約85%)。
【0010】反応[2] ベンジルトリクロルアセトイミデートの代わりにアリル
トリクロルアセトイミデートを用い、反応時間を48時
間から12時間に変更した以外は反応[1]と同様にし
て[B]を得る(収率:約90%)。
トリクロルアセトイミデートを用い、反応時間を48時
間から12時間に変更した以外は反応[1]と同様にし
て[B]を得る(収率:約90%)。
【0011】反応[3] 脱水したジクロルメタン(またはクロロホルム)に別途
合成した2,6−t−BuDMSi−β−CDを溶解さ
せ、その系にアリルトリクロルアセトイミデートを添加
し撹拌する。次いでCF3 SO3 Hを1滴加え、その後
室温で8時間反応させる。反応終了後沈殿物を濾別、次
いでピリジン(またはNaHCO3 水溶液)を加えジク
ロルメタン(またはクロロホルム)で希釈し、水で洗浄
する。有機層は乾燥し、減圧下濃縮する。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにて分離することにより
[C]を得る(収率:約80%)。
合成した2,6−t−BuDMSi−β−CDを溶解さ
せ、その系にアリルトリクロルアセトイミデートを添加
し撹拌する。次いでCF3 SO3 Hを1滴加え、その後
室温で8時間反応させる。反応終了後沈殿物を濾別、次
いでピリジン(またはNaHCO3 水溶液)を加えジク
ロルメタン(またはクロロホルム)で希釈し、水で洗浄
する。有機層は乾燥し、減圧下濃縮する。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにて分離することにより
[C]を得る(収率:約80%)。
【0012】反応[4] アリルトリクロルアセトイミデートの代わりにベンジル
トリクロルアセトイミデートを用い、反応時間を8時間
から24時間に変更した以外は反応[3]と同様にして
[D]を得る(収率:約75%)。
トリクロルアセトイミデートを用い、反応時間を8時間
から24時間に変更した以外は反応[3]と同様にして
[D]を得る(収率:約75%)。
【0013】なお、本発明のシクロデキストリン誘導体
の製造に用いられるSi基をもつ物質の合成法として
は、J.Carbohydr.Chem., 7 293-308 (1988) 、Carbohyd
r.Res., 187 203-221 (1989) の竹尾らの論文やCarboh
ydr.Res., 192 366-369 (1989) などに詳細に説明され
ている。
の製造に用いられるSi基をもつ物質の合成法として
は、J.Carbohydr.Chem., 7 293-308 (1988) 、Carbohyd
r.Res., 187 203-221 (1989) の竹尾らの論文やCarboh
ydr.Res., 192 366-369 (1989) などに詳細に説明され
ている。
【0014】
【発明の効果】シクロデキストリンの水酸基をベンジル
化またはアリル化するために、ベンジルトリクロルアセ
トイミデートまたはアリルトリクロルアセトイミデート
を用いることで部分ベンジル化またはアリル化誘導体
を、高収率でしかも簡単な操作で得ることができる。ま
た、これらは種々のシクロデキストリン誘導体の中間物
質として非常に重要な化合物であり、最終目的物を得る
にも高収率で得ることができる。
化またはアリル化するために、ベンジルトリクロルアセ
トイミデートまたはアリルトリクロルアセトイミデート
を用いることで部分ベンジル化またはアリル化誘導体
を、高収率でしかも簡単な操作で得ることができる。ま
た、これらは種々のシクロデキストリン誘導体の中間物
質として非常に重要な化合物であり、最終目的物を得る
にも高収率で得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】シクロデキストリンにベンジルトリクロル
アセトイミデートを反応させて、シクロデキストリンの
ベンジル化誘導体を製造することを特徴とするシクロデ
キストリン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】シクロデキストリンにアリルトリクロルア
セトイミデートを反応させて、シクロデキストリンのア
リル化誘導体を製造することを特徴とするシクロデキス
トリン誘導体の製造方法。 - 【請求項3】反応前のシクロデキストリンが、一級水酸
基が保護基で保護されたシクロデキストリンであること
を特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記
載の方法。 - 【請求項4】反応前のシクロデキストリンが、2位の二
級水酸基および6位の一級水酸基が保護基で保護された
シクロデキストリンであることを特徴とする、請求項1
または請求項2のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20322793A JPH0753605A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | シクロデキストリン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20322793A JPH0753605A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | シクロデキストリン誘導体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0753605A true JPH0753605A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16470563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20322793A Pending JPH0753605A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | シクロデキストリン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753605A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6528642B1 (en) * | 1997-08-29 | 2003-03-04 | Institut Francais Du Petrole | Mono-and di-derivatives of cyclodextrins, synthesis thereof and purification and use thereof in support |
KR100719821B1 (ko) * | 1999-03-15 | 2007-05-18 | 엠이엠씨 일렉트로닉 머티리얼즈 인코포레이티드 | 결정 성장 공정에서 사용하기 위한 용융 실리콘의 바륨 도핑 |
-
1993
- 1993-08-17 JP JP20322793A patent/JPH0753605A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6528642B1 (en) * | 1997-08-29 | 2003-03-04 | Institut Francais Du Petrole | Mono-and di-derivatives of cyclodextrins, synthesis thereof and purification and use thereof in support |
KR100719821B1 (ko) * | 1999-03-15 | 2007-05-18 | 엠이엠씨 일렉트로닉 머티리얼즈 인코포레이티드 | 결정 성장 공정에서 사용하기 위한 용융 실리콘의 바륨 도핑 |
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