JPH0753206A - 二酸化炭素回収装置 - Google Patents

二酸化炭素回収装置

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JPH0753206A
JPH0753206A JP5203826A JP20382693A JPH0753206A JP H0753206 A JPH0753206 A JP H0753206A JP 5203826 A JP5203826 A JP 5203826A JP 20382693 A JP20382693 A JP 20382693A JP H0753206 A JPH0753206 A JP H0753206A
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JP
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carbon steel
corrosion
exhaust gas
metal hydroxide
carbon dioxide
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JP5203826A
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Shigeaki Mitsuoka
薫明 光岡
Shigeo Hasegawa
繁夫 長谷川
Masaki Iijima
正樹 飯島
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼排ガスから二酸化炭素を含む酸性ガスを
アルカノールアミン溶液を用いて回収する場合における
炭素鋼の腐蝕を防止できる二酸化炭素回収装置に関す
る。 【構成】 燃焼排ガスとアルカノールアミン溶液とを接
触させることにより燃焼排ガスから二酸化炭素を回収す
る装置において、アルカノールアミン水溶液と接触する
装置部材がアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属
水酸化物の水溶液で処理された炭素鋼からなる二酸化炭
素回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼排ガスから二酸化炭
素(CO2 )を含む酸性ガスをアルカノールアミン溶液
を用いて回収する場合におこる炭素鋼の腐蝕を防止でき
るCO2 回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保全の一つとして地球温
暖化現象が問題となっているが、これは室温効果を有す
るCO2 、メタン、亜酸化窒素、対流圏オゾンなどが人
為的に放出され、これらガスの大気中の濃度が上昇する
ことにより生ずるとされている。これら温室効果ガスの
内、CO2 に関しては日本国内のCO2 総排出量の内、
約60%を工業及び電力関係が占め、そのほとんどが化
石燃料の燃焼により発生し、このような固定排出源の燃
焼ガスからのCO2 除去や回収したCO2 の固定がCO
2 による地球温暖化防止対策において急務とされてい
る。
【0003】火力発電所およびプラントなどから発生し
た燃焼排ガス中に含まれるCO2 を除去する方法として
は、メタノールやポリエチレングリコールメチルエーテ
ルなどの溶剤やゼオライトなどにCO2 を吸着させる物
理吸着法、高分子膜に対する気体の透過速度の違いを利
用してCO2 を分離する膜分離法、アミン溶液を用いて
排ガス中のCO2 を溶解させた後に水溶液を加熱し、放
出したCO2 を回収する化学吸収法などがある。
【0004】これらCO2 回収方法のうち、アミン溶液
を用いる方法は一度に大量の排ガスを処理でき、操作も
簡便なことから広く実施されている。一般には、モノエ
タノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミン、ジグリコールアミン(DGA)な
どのアルカノールアミンが用いられている。
【0005】しかし、MEAやDGA溶液などのアルカ
ノールアミン溶液を用いて燃焼排ガスから気液接触によ
るCO2 の吸収を続けていると、燃焼排ガスとアルカノ
ールアミン溶液が接触するCO2 吸収塔や、CO2 を吸
収した溶液を加熱するアルカノールアミン溶液再生塔、
更には途中の配管、熱交換器、ポンプなどの金属を使用
している所が腐蝕してくる。燃焼排ガスには通常、酸素
やCO2 その他酸性ガスが含まれ、これら酸性ガスによ
る炭素鋼への腐蝕に加え、アルカノールアミン−鉄錯体
形成による反応律速型腐蝕反応も関与すると考えられて
いる。
【0006】一方、このようなCO2 回収装置の腐蝕を
防ぐ方法として、CO2 吸収溶液中へ腐蝕抑制剤として
銅イオンを添加する方法が提案されており、米国特許
4,440,731号明細書には、酸素を含む燃焼排ガ
スからのCO2 回収装置において、炭酸銅をアルカノー
ルアミン溶液に添加することにより炭素鋼の腐蝕が防止
できることが開示されている。また、一般的な炭素鋼の
防蝕方法としては、従来から黒色皮膜化成法などの酸化
鉄皮膜形成方法や錆染め方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炭素銅をアル
カノールアミン溶液に添加する場合には、アメリカ通商
部技術情報サービスAD435518/1963年12
月号(US Deparment ofCommerce National Technical I
nformation service AD 435518 ; Dec. 1963)が、銅イ
オンによるMEAの分解を開示しているように、炭素鋼
の腐蝕は抑えられるもののMEAやDEAなどのアルカ
ノールアミンが銅イオンにより分解される。よって、C
2 回収操作においては高価なアルカノールアミンを多
量に補給しなければならないという問題がある。従来よ
り、炭素鋼は他の耐腐蝕部材価格と比較し約1/10と
低コストであることから多用されており、特に燃焼排ガ
スからのCO2 回収装置においては、銅イオンの添加に
よるアルカノールアミン溶液の分解を来さず、簡便かつ
安全な防蝕性の付与方法、ならびに優れた防蝕性を有す
るCO2 回収装置の開発が強く求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは炭素鋼を用
いた防蝕性を有するCO2 回収装置について検討した結
果、アルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ土類金属水
酸化物の水溶液(アルカリ処理液)で処理した炭素鋼を
用いることが有効であること、その際、処理時に危険を
伴いかつ処理操作に熟練を要する従来の高濃度、高温度
による処理(黒色皮膜化成法)に必ずしもよる必要はな
く、比較的低温度かつ低アルカリ濃度の条件で処理した
炭素鋼も優れた防蝕性を有し、この炭素鋼をCO2 回収
装置に用いることにより、銅イオンを添加することな
く、従ってアルカノールアミンの分解を来すことなくC
2 の回収ができることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明は燃焼排ガスとアルカノ
ールアミン溶液とを接触させることにより燃焼排ガスか
らCO2 を回収する装置において、アルカノールアミン
水溶液と接触する装置部材がアルカリ金属水酸化物また
はアルカリ土類金属水酸化物の水溶液で処理された炭素
鋼からなることを特徴とするCO2 回収装置及び前記装
置部材が、水酸化イオン濃度0.001モル/リットル
以上、温度40℃以上のアルカリ金属水酸化物またはア
ルカリ土類金属水酸化物の水溶液で処理された炭素鋼で
あることを特徴とするCO2 回収装置である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用できる装置部材は炭素含有量が0.4重量%以下の
炭素鋼である。ただし装置部材に非鉄金属、すなわち
銅、鉛、錫、アルミニウム、亜鉛などが付着している
と、アルカリ溶液により侵されるので、通常このような
場合は事前にこれらを取り外す必要がある。炭素鋼は前
処理として汚れの程度やその他必要に応じて、洗浄や熱
水処理を行うことが好ましく、油やグリースその他汚れ
の甚だしい場合には、蒸気脱脂やサンドブラストの後、
酸洗いや水洗いを繰り返し完全に脱脂することが好まし
い。
【0011】本発明はアルカリ金属水酸化物またはアル
カリ土類金属水酸化物、さらに好ましくは酸化剤などを
添加したアルカリ水溶液(以下、アルカリ処理液または
処理液ともいう。)で炭素鋼をアルカリ処理するもの
で、処理反応により炭素鋼表面に四三酸化鉄の皮膜が形
成されるものと考えられる。
【0012】本発明で使用できるアルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物としてはナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウムからの水酸化物を例
示することができ、これらは単独でも1種または2種以
上を混合して使用しても構わない。これらの中では水酸
化ナトリウムを用いることが好ましい。これら水酸化物
溶液の濃度は可溶な範囲内であれば限定的ではないが、
水酸化イオン濃度として0.001モル/リットル以上
の範囲で使用でき、アルカリ処理液の排水処理の容易
性、処理操作の危険性や操作の容易性などからより好ま
しくは0.002〜5モル/リットルの範囲である。
【0013】また酸化剤としてリン酸ナトリウムのよう
なアルカリ金属リン酸塩や他のアルカリ土類金属リン酸
塩を1種または2種以上を組み合わせて添加することが
でき、この場合、リン酸塩の添加量は水酸化物の1/2
モル比以下の範囲が好ましい。リン酸塩を添加したアル
カリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物溶液に、
亜硝酸ナトリウムのようなアルカリ金属の亜硝酸塩、ま
たは他のアルカリ土類金属の亜硝酸塩を1種または2種
以上組み合わせて添加することもでき、この場合の亜硝
酸塩添加量は前記水酸化物の1/2モル以下であること
が好ましい。さらに必要に応じて塩化カリ、チオ硫酸ナ
トリウムなどの反応促進剤を添加することも可能であ
る。
【0014】本発明における炭素鋼の処理温度は使用す
るアルカリ濃度にもよるが、好ましくは40℃からアル
カリ処理液の沸点までの範囲で操作でき、より好ましく
は50〜100℃の範囲である。常圧または加圧のいず
れの条件下でも処理可能であるが、高温高圧のアルカリ
処理液中では、可溶性の6価の鉄酸ナトリウムなどを生
じ鉄の過度の溶解が起こるので常圧で行うことが望まし
い。処理時間はアルカリ処理液の濃度や処理温度、さら
に加圧条件などにより異なるが、数十分から数十時間で
均一な防蝕皮膜が得られる。アルカリ処理後、水または
温水で充分に処理液を洗い流した後、乾燥させることが
好ましい。ただし防蝕皮膜の防蝕力を増強するため、洗
浄後に温クロム酸洗いなどを行っても差し支えない。
【0015】本発明におけるCO2 回収装置は前記アル
カリ処理した炭素鋼をCO2 回収装置の装置部材として
使用する。この場合、前記アルカリ処理した炭素鋼を装
置全体に使用することも、特に腐蝕の多い吸収反応装置
など必要な部分にのみ使用することも可能である。同様
に装置内壁など必要な部分のみに前記アルカリ処理を行
うことも、また、装置全体に行うこともできる。さら
に、本発明によるCO2回収装置の炭素鋼へのアルカリ
処理は装置各部材の製作後で装置の組立前、装置組立
後、装置運転開始後の必要な時期などに随時行うことが
できる。前記アルカリ処理液をCO2 回収装置内で循環
させることにより装置内に酸化鉄皮膜を形成させること
も可能である。
【0016】本発明によるアルカリ処理した炭素鋼から
なるCO2 回収装置はCO2 吸収剤としてアルカノール
アミンを使用する。本発明で使用できるアルカノールア
ミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミンな
どをあげることができ、2−アミノ−2−メチル−1−
プロパノール、2−(エチルアミノ)−エタノール、2
−(メチルアミノ)−エタノール、2−(ジエチルアミ
ノ)−エタノールなどの立体障害アミンも使用すること
もできる。これらアルカノールアミン溶液の濃度は通常
25〜65重量%の範囲である。本発明によるCO2
収装置は燃焼排ガスからのCO2 回収を行うものである
が、燃焼排ガスにおける含有量にもよるがCO2 の他に
硫化水素など他の酸性ガスの回収にも使用できる。
【0017】本発明のCO2 回収装置において燃焼排ガ
ス中のCO2 を除去するプロセスの一例を図1によって
説明する。ただし本発明はこれに限定されるものではな
い。また、図1では主要設備のみ示し、付属設備は省略
した。図1において、1は脱CO2 塔、2は下部充填
部、3は上部充填部またはトレイ、4は脱CO2 塔燃焼
排ガス供給口、5は脱CO2 燃焼排ガス排出口、6は吸
収液供給口、7,7′はノズル、8は必要に応じて設け
られる燃焼排ガス冷却器、9はノズル、10は充填部、
11は加湿冷却水循環ポンプ、12は補給水供給ライ
ン、13はCO2 を吸収した吸収液排出ポンプ、14は
熱交換器、15は吸収液再生(以下、「再生」とも略
称)塔、16,16′はノズル、17は下部充填部、1
8は再生加熱器(リボイラ)、19は上部充填部、20
は還流水ポンプ、21はCO2 分離器、22は回収CO
2 排出ライン、23は再生塔還流冷却器、24は再生塔
還流水供給ライン、25は燃焼排ガス供給ブロア、26
は冷却器である。
【0018】図1において、燃焼排ガスは燃焼排ガス供
給ブロワ25により燃焼排ガス冷却器8に押込められ、
ノズル9からの加湿冷却水と充填部10で接触し、加湿
冷却され、脱CO2 塔燃焼排ガス供給口4を通って脱C
2 塔1へ導かれる。燃焼排ガスと接触した加湿冷却水
は燃焼排ガス冷却器8の下部に溜り、加湿冷却水循環ポ
ンプ11によりノズル9へ循環使用される。加湿冷却水
は燃焼排ガスを加湿冷却することにより徐々に失われる
ので、補給水供給ライン12により補充される。
【0019】脱CO2 塔1に押し込められた燃焼排ガス
は吸収液供給口6を経てノズル7から供給される所定濃
度の吸収溶液と下部充填部2で向流接触させられ、燃焼
排ガス中のCO2 は吸収溶液により吸収除去され、脱C
2 燃焼排ガスは上部充填部3へと向う。脱CO2 塔1
に供給される吸収液はCO2 を吸収し、その吸収による
反応熱のため通常供給口6における温度よりも高温とな
り、CO2 を吸収した吸収液排出ポンプ13により熱交
換器14に送られて加熱され、吸収液再生塔15へ導か
れる。
【0020】吸収液再生塔15では、再生加熱器18に
よる加熱で吸収液が再生され、熱交換器14により冷却
され、さらに必要に応じて設けられる冷却器26により
冷却され、吸収液供給口6を介してノズル7′を経て脱
CO2 塔1へ戻される。吸収液再生塔15の上部におい
て、吸収液から分離されたCO2 はノズル16′より供
給される後述の還流水と接触し、再生塔還流冷却器23
により冷却され、CO 2 分離器21にてCO2 に同伴し
た水蒸気が凝縮した還流水と分離され、回収CO2 排出
ライン22よりCO2 回収工程へ導かれる。還流水の一
部は還流水ポンプ20で上記したように、吸収液再生塔
15へ還流される。なお、還流水の他の一部は再生塔還
流水供給ライン24により脱CO2 塔1の上部充填部3
の上方に供給するようにしてもよい。以下、実施例によ
り本発明をさらに具体的に説明する。
【0021】
【実施例】
(比較例1〜4:アルカノールアミンによる炭素鋼腐蝕
試験)炭素鋼(SS41)の試験片(表面積約1.87
inch2 、重量約7.5g)をJIS R6252に
規定するNo.120、No.240、No.400の
研磨紙の順で用いて磨き、その後アセトンで洗浄し、真
空乾燥して重量を測定した。次いでこの試験片を予めC
2 を飽和させたアルカノールアミンの30重量%水溶
液700ミリリットルを満たしたガラス試験器に移し、
これを大気中で2リットルのステンレス製加圧容器内に
設置して密封した。このステンレス製加圧容器を高温乾
燥器内で、温度130℃、48時間静置後、試験片を取
り出し、洗浄し、真空乾燥後重量測定した。なお、試験
は同じアルカノールアミンについて二度繰り返した。腐
蝕度(m.d.d:mg/dm2 /day)は腐蝕によ
る重量減少と表面積から計算した。その結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例1〜3、比較例5〜8:再生塔出
口部腐蝕試験)炭素鋼(SS41)の試験片(表面積約
1.87inch2 、重量約7.5g)をJIS R6
252に規定するNo.120、No.240、No.
400の研磨紙の順で用いて磨き、その後アセトンで洗
浄し真空乾燥した。この試験片を0.1〜1.0%Na
OH、0.02〜0.2%Na3 PO4 、0.01〜
0.1%NaNO2 からなるアルカリ処理液700ミリ
リットルを満たしたステンレス製中に浸漬させ、温度6
0℃で48時間静置した。浸漬後、試験片を取り出し、
水洗浄し、真空乾燥後重量測定した。次いでこの試験片
を図1と同様でかつ小規模なCO2 回収装置を用いてそ
の再生塔出口部に取り付け、表2に示すようにMEA3
0重量%溶液、pH11.0、温度120℃で65時間
ないし112時間の浸漬を行った。浸漬後、試験片を取
り出し、水洗浄し、真空乾燥後重量測定した。腐蝕度
(単位m.d.d:mg/dm2 /day)は腐蝕によ
る重量減少と表面積から計算し、炭素鋼に形成させた酸
化鉄皮膜の防蝕性に対する評価は50m.d.d未満を
〇、50m.d.d以上を×とした。結果を表2に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】(実施例4〜6、比較例9〜12:再生塔
入口上部腐蝕試験)炭素鋼(SS41)の試験片(表面
積約1.87inch2 、重量約7.5g)をJIS
R6252に規定するNo.120、No.240、N
o.400の研磨紙の順で用いて磨き、その後アセトン
で洗浄し真空乾燥した。この試験片を0.1〜1.0%
NaOH、0.02〜0.1%Na3 PO4 、0.01
〜0.1%NaNO2 からなるアルカリ処理液700ミ
リリットルを満たしたステンレス製中に浸漬させ、温度
60℃で48時間静置した。浸漬後、試験片を取り出
し、水洗浄し、真空乾燥後重量測定した。次いでこの試
験片をオートクレーブを用いて表3に示す再生塔入口上
部腐蝕条件であるMEA30重量%、pH9.3、CO
2 濃度2.6モル/リットル、温度100℃で93時間
の浸漬を行った。浸漬後、試験片を取り出し、水洗浄
し、真空乾燥後重量測定した。腐蝕度m.d.d(mg
/dm2 /day)は腐蝕による重量減少と表面積から
計算し、炭素鋼に形成させた酸化鉄皮膜の防蝕性に対す
る評価は50m.d.d未満を〇、50m.d.d以上
を×とした。結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表1から明らかなように、CO2 吸収剤と
して用いられるアルカノールアミンは炭素鋼に腐蝕を生
じ、特にMEAの腐蝕度が著しく高く、その腐蝕度は濃
度依存性を示した。表2から明らかなように、アルカリ
処理液は0.1%NaOHの低いアルカリ濃度を用いて
も、処理温度60℃で優れた防蝕性を有する酸化鉄皮膜
を形成することができた。この皮膜における侵食度は
0.3から1.2m.d.dと低く、この酸化鉄皮膜は
再生塔出口部腐蝕に対し有効であることが分かった。表
3から明らかなように、極めて低濃度の0.1%NaO
Hの用いたアルカリ処理液から処理温度60℃で得られ
た酸化鉄皮膜を有する炭素鋼は侵食度は2.3から2.
7m.d.dであり、再生塔入口上部での腐蝕にも有効
であることが分かる。
【0028】
【発明の効果】本発明により、アルカノールアミン溶液
を吸収溶液として用いて燃焼排ガスよりCO2 を回収す
る際、炭素鋼からなる装置の腐蝕を防ぐことができる。
しかも本発明による比較的低濃度で低温による防蝕は簡
便かつ安全な操作で実施でき、かつCO2 回収装置にお
いてCO2 吸収剤であるアルカノールアミンの分解も抑
制することができる。これにより低価格な炭素鋼を回収
装置に使用することができ、燃焼排ガス中のCO2 回収
吸収を工業的プロセスとして行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で採用できる工程の一例の説明図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼排ガスとアルカノールアミン水溶液
    とを接触させることにより燃焼排ガスから二酸化炭素を
    回収する装置において、アルカノールアミン水溶液と接
    触する装置部材がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ
    土類金属水酸化物の水溶液で処理された炭素鋼からなる
    ことを特徴とする二酸化炭素回収装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置部材が、水酸化イオ
    ン濃度0.001モル/リットル以上、温度40℃以上
    のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化
    物の水溶液で処理された炭素鋼であることを特徴とする
    二酸化炭素回収装置。
JP5203826A 1993-08-18 1993-08-18 二酸化炭素回収装置 Withdrawn JPH0753206A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013173977A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Jfe Steel Corp 金属材料の表面処理方法および金属材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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