JPH0753074Y2 - レンズ付フイルムユニットの開放装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、レンズ付フイルムユニットのパトローネ室を
構成する壁面の一部を開放するレンズ付フイルムユニッ
トの開放装置に関するものである。

〔従来の技術〕

レンズ付フイルムユニットは簡便でローコスト故、広く
使い捨て型カメラとして利用されている。このレンズ付
フイルムユニットは代表的には、ユニット本体と、外面
に印刷が施された紙箱とから構成されている。このユニ
ット本体には未露光フイルムをロール状に収納したフイ
ルム収納室とパトローネを収納したパトローネ収納室と
が形成されている。そして、１回の撮影が終了する毎
に、フイルム収納室から未露光の部分が引き出されて、
露光済み部分がパトローネ内に巻き込まれる。

全てのコマの撮影が終了したときには、パトローネを収
納したままの状態で、レンズ付フイルムユニットを最寄
りのDPE取扱店に提出して、現像を委託すればよいシス
テムになっている。

現像所では、先ず紙箱からユニット本体を取り出し、次
ぎにパトローネ室を構成する壁面の一部に形成した扉片
をドライバー等で開放して、パトローネを取り出してい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述した従来のパトローネ室の扉片をド
ライバーで開放する方法は、作業者の熟練度を要する。
また、開放処理速度が遅いため、迅速に大量のフイルム
の現像処理することができず改善の必要があった。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、レンズ付フイ
ルムユニットからパトローネを迅速かつ簡単に取り出す
ことのできるレンズ付フイルムユニットの開放装置を提
供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、レンズ付フイル
ムユニットを保持する保持部と、先端にパトローネ室を
構成する壁面に係合する係合片を形成した開放部材と、
この開放部材を保持部に対して離れた位置と接近した位
置の間を移動自在に支持する支持手段と、前記係合片を
前記壁面に係合させた後、係合片に急激な変位を与える
ことにより前記壁面を開放するように開放部材のガイド
手段とを設けたものである。

〔作用〕

上記構成によれば、支持手段に支持された開放手段はガ
イド手段により案内されて、移動する。この移動に伴
い、開放手段の係合部は保持部に保持されたレンズ付フ
イルムユニットのパトローネ室を構成する壁面に係合し
た後、前記壁面の一部を開放する。

〔実施例〕

第６図はレンズ付フイルムユニット２を示すものであ
り、このレンズ付フイルムユニット２は本体ケース３及
びこれを覆う紙箱４とからなる。本体ケース３の前面に
は撮影レンズ５を保持する保持部6,ファインダ6,ストロ
ボ発光部８等が設けられている。また、本体ケース３の
底面には電池収納室９が形成されており、この電池収納
室９には乾電池10が嵌め込まれている。電池収納室９に
隣接する底面は、図中破線で示すパトローネ11を収納す
るパトローネ室12の蓋13となっている。

この蓋13は図中二点鎖線で示すように後面の本体ケース
３に繋がっている。前面の本体ケース３には切欠き14が
形成されており、この切欠き14には蓋13の突出部15が嵌
合している。この蓋13と本体ケース３の間には隙間16が
形成されている。蓋13の裏側には一対の係合部17が形成
されており、この係合部17が本体ケース３に設けられた
凹部（図示省略）に係止している。このため、ユーザー
には前記パトローネ11が本体ケース３から簡単に取り出
せないようになっている。更に、この本体ケース３は前
記保持部6,ファインダ7,ストロボ発光部８等に対応する
開口18〜20が形成された前記紙箱４で覆われている。こ
の紙箱４には、乾電池10,パトローネ11を取り出す際に
便利なようにミシン目21が入れられている。

第１図は本考案のレンズ付きフイルムユニットの開放装
置22を示すものであり、この開放装置２にはレンズ付フ
イルムユニット２を載置するステージ23が設けられてい
る。このステージ23の下面には、その四隅に滑り留め24
が設けられており、作業台もしくは机上等で使用する際
に、滑ることのないように配慮されている。このステー
ジ23の上面中央部にはコの字型の位置決め部材25が一体
に形成されている。

この位置決め部材25の内側には第２図に示すようにレン
ズ付フイルムユニット２が上下逆様の状態で挿入され
る。本体ケース３は保持部６が突出しているため、位置
決め部材25の内側の一部には切欠き26が形成されてい
る。この位置決め部材25の左側のステージ23には、回動
レバー27を保持する逆Ｌ字型をした支持部材28が配置さ
れている。

前記回動レバー27は第４図及び第５図に示すように上端
には球形をした握部29が取り付けられ、下端には前記電
池収納室９に挿入されるテーパ状の爪30が形成されてい
る。この爪30の先端部は一部が切欠かれており、この切
欠かれた端部32には前記隙間16に挿入される係合爪31が
突設されている。この端部32は上述した蓋11に当接し
て、握部29で下方に押し下げられる回動レバー27の移動
を阻止するストッパになっており、爪30が前記電池収納
室９に必要以上に挿入されないようになっている。ま
た、回動レバー27に回動軸33が直交するように設けられ
ている。

前記一対の支持部材28は第１図に示すように３個のシャ
フト35と支持部材28の上部に被せられたカバー36で固定
され、その間隔が一定に保たれている。このカバー36に
は長手方向に沿って、前記回動軸33を中心に回動される
回動レバー27をガイドするガイド溝37が形成されてい
る。また、前記一対の支持部材28には回動レバー27の昇
降時にガイドする切欠き38がそれぞれ形成されている。

支持部材28には前記シャフト35とは別に１本の軸39が挿
通されている。この軸39には一対のアーム40がスロット
41を介して軸着されている。このアーム40はその回動端
部に挿通された前記回動軸33を介して回動レバー27を保
持している。そして、この回動軸33は第２図に示すよう
に一端がシャフト35に掛けられたバネ42で上方に付勢さ
れている。

このように構成された本考案のレンズ付フイルムユニッ
トの開放装置22の作用について第１図〜第３図を参照し
て説明する。ステージ23上をスライドさせてレンズ付フ
イルムユニット２を位置決め部材25の内側に載置する。
握部29を下方に押圧すると、回動軸33が切欠き38にガイ
ドされて、回動レバー27は下降する。この下降により、
紙箱４を突き破り第２図に示すように爪30は電池収納室
９に、また係合爪31は隙間16にそれぞれ挿入される。そ
して、端部32が蓋13に当接すると、回動レバー27の下降
が阻止される。

第２図に示す状態で、握部29を左方向に押すと、回動軸
33が支持部材28の縁辺に沿って左下方に摺動する。この
摺動により、アーム40は左方向に移動しながら、右下が
りの状態となり、スロット41の右端が軸39に当接し第３
図に示す位置で停止する。この間、係合爪31は前面の本
体ケース３を左側に押しまげ、蓋13の先端を上方に押し
あげるから、係合部17は本体ケース３から外れる。係合
部17が外れた蓋13は手で簡単に開くことができる。ま
た、爪30の先端は更に下方に下がりながら、反時計方向
に回動して、乾電池10を電池収納室９から押し上げる。
この押し上げられた乾電池10は紙箱４を破いて、図示の
位置に露出するから、簡単に取り外すことができる。

この後、握部29から手を離すと、バネ42に付勢される回
動軸33は支持部材28の縁辺を右上方に摺動し、切欠き38
に嵌入する。そして、回動軸33が第１図に示す位置に移
動すると、回動レバー27の下端は本体ケース３との係合
を解除され、レンズ付フイルムユニット２の上方に位置
するようになる。この状態で、位置決め部材25内からレ
ンズ付フイルムユニット２を引き出し、上下を逆様にす
ると、パトローネ９がレンズ付フイルムユニット２内か
らこぼれ落ちる。このように本考案のレンズ付フイルム
ユニットの開放装置22では紙箱４を突き破って、蓋13を
こじ開けるから、本体ケース３を紙箱から取り出す手間
を省くことができる。

そして、新たなレンズ付フイルムユニット２を位置決め
部材25内に挿入し上述した操作を繰り返すと、乾電池1
0,パトローネ11をレンズ付フイルムユニット２から取り
外すことができる。

なお、この実施例では回動レバー27の先端部に１個の爪
30を設けたが、回動レバー27を二股にして、その先端部
にそれぞれ爪30を設けると、フイルム収納室，パトロー
ネ室にそれぞれパトローネを収納するタイプの使い捨て
カメラに対しても用いることができる。このように、本
考案は第６図に示した形態のレンズ付フイルムユニット
にのみ利用が制限されるものではなく、パトローネ入り
のフイルムを用いたものに対して全て適用することがで
きる。

〔考案の効果〕

以上、詳細に説明したように本考案のレンズ付フイルム
ユニットの開放装置では、レンズ付フイルムユニットを
保持する保持部と先端にパトローネ室を構成する扉片に
係合する係合片を形成した開放部材を移動自在に支持す
る支持手段とをステージに設け、更に前記係合片を扉片
に係合させる位置まで開放部材の移動をガイドするとと
もに、係合片により扉片を押し開くように開放部材の回
動をガイドするガイド手段を前記支持手段に設けたの
で、パトローネ室の壁面を簡単にかつ迅速に開放するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のレンズ付フイルムユニットの開放装置
の一実施例を示す斜視図である。 第２図は第１図の開放装置によりレンズ付フイルムユニ
ットの紙箱を突き破った状態を示す側面図である。 第３図は第１図の開放装置によりレンズ付フイルムユニ
ットの蓋を開放した状態を示す側面図である。 第４図は第１図の開放装置に用いられる回動レバーを示
す正面図である。 第５図は第４図に示す回動レバーの側面図である。 第６図はレンズ付フイルムユニットを示す斜視図であ
る。 ３……本体ケース 11……パトローネ 12……パトローネ室 13……蓋 16……隙間 23……ステージ 25……位置決め部材 28……支持部材 30……爪 31……係合爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レンズ付フイルムユニットのパトローネ室
   から露光済みフイルムを収納したパトローネを取り出す
   ために、パトローネ室を構成する壁面の一部を開放する
   レンズ付フイルムユニットの開放装置において、 前記レンズ付フイルムユニットを所定位置に保持する保
   持部と、先端に前記壁面に係合する係合片を形成した開
   放部材と、この開放部材を前記保持部に対して離れた位
   置と接近した位置の間を移動自在に支持する支持手段
   と、前記係合片を前記壁面に係合させた後、係合片に変
   位を与えることにより前記壁面を開放するように開放部
   材をガイドするガイド手段とを備えたことを特徴とする
   レンズ付フイルムユニットの開放装置。