JPH0752199B2 - 蛋白を試験するための試験具及び試験方法 - Google Patents

蛋白を試験するための試験具及び試験方法

Info

Publication number
JPH0752199B2
JPH0752199B2 JP1246631A JP24663189A JPH0752199B2 JP H0752199 B2 JPH0752199 B2 JP H0752199B2 JP 1246631 A JP1246631 A JP 1246631A JP 24663189 A JP24663189 A JP 24663189A JP H0752199 B2 JPH0752199 B2 JP H0752199B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
test
proteins
color
indicator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1246631A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02122264A (ja
Inventor
アーサー・エル・ワイ・ロー
Original Assignee
マイルス・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マイルス・インコーポレーテッド filed Critical マイルス・インコーポレーテッド
Publication of JPH02122264A publication Critical patent/JPH02122264A/ja
Publication of JPH0752199B2 publication Critical patent/JPH0752199B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6803General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
    • G01N33/6827Total protein determination, e.g. albumin in urine
    • G01N33/6839Total protein determination, e.g. albumin in urine involving dyes, e.g. Coomassie blue, bromcresol green
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/52Use of compounds or compositions for colorimetric, spectrophotometric or fluorometric investigation, e.g. use of reagent paper and including single- and multilayer analytical elements
    • G01N33/521Single-layer analytical elements
    • G01N33/523Single-layer analytical elements the element being adapted for a specific analyte
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6854Immunoglobulins
    • G01N33/6857Antibody fragments

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、蛋白質の有無及び濃度については試験試料を
試験する装置及び方法に関する。特に本発明は、反応体
組成物として二指示薬試薬を有する装置を使用すること
により、尿などの液体を蛋白について試験するための新
規で改良された方法及び装置に関する。二指示試薬組成
物は、該二指示試薬組成物が蛋白含有試験試料と接触す
ると、検出可能及び/または測定可能な反応が起きるよ
うに、キャリヤーマトリックスに組み込まれている。二
指示試薬組成物によ色の分解度が改良され蛋白質に対す
る感度が増大し、その結果、液体試験試料の蛋白含有量
を、視覚によるか、あるいは機器を用いるかのいずれか
により、より正確に検出及び/または測定できるように
なる。さらに本発明は、試験試料中のベンス・ジョーン
ズ蛋白のような低分子蛋白の有無及び/または濃度を乾
式の試験細片検定手法により測定する方法における、重
合ウレタン含有組成物の蛋白透過性の細片、膜または層
から成るキャリヤーマトリックスに組み込んだ蛋白指示
試薬の使用に関する。
発明の背景及び先行技術 アルブミンは、もっとも豊富な血しょう蛋白であり、一
般的にほ乳類の血しょう中の総蛋白の半分をわずかに越
える部分を構成している。人体中では、アルブミンは、
血液と組織間の水分バランスを調整し、そして、ビリル
ビン、脂肪酸、コルチゾル及びチロキシンなど様々な化
合物、ならびに、スルホンアミド及びバルビツール酸誘
導体などにほとんど水溶性を持たない薬剤の運搬分子と
して機能する重要な役割を有する。アルブミンの欠乏
は、ほとんど水溶性を有しない物質の体内での運搬を制
限し、この障害は、しょう液の異常蓄積、すなわち水腫
により個体内で示される。したがって、個体が血清アル
ブミンの欠乏を有するかどうかを決定することが臨床上
重要である。
同様に、個体が過剰な量の蛋白を排泄しているかどうか
を決定することも、臨床上重要である。正常に機能して
いる腎臓は、本質的に二段階の工程で尿を生成する。血
液は、腎臓の糸球体、すなわち球状の箇所を通過する。
糸球体の毛細管壁は、水及び血しょうの低分子量成分に
対して高度に透過性である。アルブミン及びその他の高
分子蛋白はこの毛細管壁を通過することができず、本質
的に尿から濾過してかれるため、これにより蛋白が人体
によって利用できるようになる。低分子成分を含有する
液体は、低分子蛋白などの尿成分の再吸収、尿のその他
の成分の分泌及び尿の濃縮が行なわれる腎臓の細管、す
なわち管状の箇所を通過する。その結果、糸球体と細管
の合わさった工程を通じての尿中の蛋白の濃縮は、存在
するとしても最低限のはずである。したがって、異常に
高い量の尿中のアルブミン及び/または低分子蛋白を検
出し、これを生理学的機能障害に関連けなければならな
い。
個体の尿中にある比較的高濃度のアルブミンは、通常、
疾病状態を示している。例えば、尿中の蛋白の平均的な
正常濃度は、約2mg/dLから8mg/dLの間で変動し、このと
き総尿蛋白のおよそ3分の1が血清アルブミンである。
しかし、疾病状態の大多数においては、尿蛋白の値は相
当増加し、排泄された蛋白質の約60%〜90%をアルブミ
ンが占めるほどになる。尿中の蛋白量が異常に増加した
状態は、蛋白尿として知られ、腎疾患の最も示唆的な兆
候一つであり、その他様々な非腎臓関連の疾病を表わし
ている場合もある。
したがって、個体がアルブミンを欠乏しているか否かを
決定し、そして/または、個体が過剰な量の蛋白を排泄
しているか否かを決定するため、さらに、治療の経過を
観察してその効能を測定するために、簡単で正確で廉価
な蛋白検出試験法が開発されてきた。さらに、尿及び血
清中の蛋白の検出及び/または測定用に開発されたいく
つかの試験方法の中で、色素結合法に基づいた方法が、
自動化するのが容易で、再現性があり正確な結果を提供
するという理由から、特に有用であることが分かってい
る。
一般的に、色素結合法は、アルブミンなどの蛋白と相互
作用することができ、蛋白と相互作用を起こすと、pHに
変化がなければ、変色することができるpH指示薬変色素
を利用する。pH指示薬変色素が蛋白と相互作用する、ま
たは蛋白に結合すると、視覚的に判断することができる
指示色素のpKa(酸解離定数)が変更され、色素は変色
を起こし、いわゆる「蛋白誤差」現象を発生する。色素
結合法を用いる方法においては、pHの相当な変動による
pH指示薬色素の変色を防ぐために、適当な緩衝剤がpH指
示薬色素を一定のpHに維持する。pH指示薬色素は、蛋白
と相互作用を起こすと、「蛋白誤差」現象によりpHの変
化が原因で発生する変色に等しい遷移を起こす。蛋白の
乾式試験で使用され、蛋白と相互作用する、または蛋白
に結合し、「蛋白誤差」による変色を呈示することがで
きるpH指示薬色素の例には、テトラブロモフェノールブ
ルー及びテトラクロロフェノール−3,4,5,6−テトラブ
ロモースルホフタレインがある。
pH指示薬色素は蛋白試験において幅広く使用されてきた
が、指示薬色素を利用する蛋白試験方法には、いくつか
の問題点及び不利な点がなお存在する。例えば、pH指示
薬色素に基づいた方法は、約15mg/dL以下の蛋白を検出
することも、約15mg/dL以下の濃度間を定量的に識別す
ることもできない。さらに、試験試料中の蛋白総合含有
量の測定について簡易な半定量溶液及び複雑な定量試験
がそれぞれいくつか利用できるが、これらの試験方法の
大部分は、簡易測色試薬試験細片は記すべき例外として
も、蛋白の定量を行なうために蛋白の沈園を必要とす
る。
測色試薬試験細片は、蛋白が特定の酸塩基指示薬と相互
作用し、pHに変化がなければ、指示薬を変色させる前述
した蛋白の能力を利用する。例えば、指示薬であるテト
ラブロモフェノールブルーが約3のpHを一定に維持する
ように緩衝される場合、指示薬は、蛋白を含まない溶液
を黄色く変色させる。しかし、蛋白を含む溶液について
は、蛋白の存在のために、緩衝された色素が溶液を、溶
液中の蛋白の濃度に依存して、緑または青のいずれかに
変色させる。
蛋白試験で使用される測色試験細片には、緩衝されたpH
指示薬色素、例えばテトラブロモフェノールブルーを含
浸させたキャリヤーマトリックスの小型で方形のパッド
から成る単一の試験領域を有するものがある。その他の
測色試験細片としては、上述のとおり蛋白試験用に一つ
の試験領域を有し、さらにその他の尿成分の試験を同時
に行えるよういくつか追加の試験領域を同細片上に有す
る複式測定試薬細片がある。双方の形式の測色試験細片
の場合、尿中の蛋白の試験は、単に測色試験細片をよく
混合し遠心分離していない尿に浸し、試験細片の試験領
域で得られる色を測色試験細片の瓶に貼付した基準色チ
ャートと比較して、実施される。
pH3に緩衝化したテトラブロモフェノールブルーを指示
薬色素として利用する試験細片の場合、蛋白の半定量試
験を実施すると、結果は“陰性”、“微量”または
“「プラス」1"〜“「プラス」4"として報告される。
“陰性”の読取り値、すなわち黄色は、指示薬色素の変
色がないことから示されるように、尿が蛋白を含まない
ことを示す。“微量”の読取り値は、約5mg/dL〜20mg/d
Lの尿中蛋白を示す。“「プラス」1"から“「プラス」
4"の読取り値は、緑色から濃暗青色へと漸増的に色が推
移することによって示され、それぞれ30、100、300及び
2000mg/dL以上の尿蛋白濃度にほぼ相当し、数値につれ
て悪化する蛋白尿の指標として信頼できるものである。
前述の方法によると、尿試料中の蛋白含有量が0mg/dLか
ら約30mg/dLの範囲にあると容易に目で測定できる。し
かし、現在市販されている試験細片による色の識別方法
では、0mg/dLから約15mg/dLの尿中蛋白含有量を正確に
測定するには不十分である。低濃度の蛋白を検出し、そ
の濃度を識別することができないということは、健康な
人間の尿蛋白値が約10mg/dLから20mg/dLの範囲内にある
ことから、臨床上重大である。したがって、個体の尿蛋
白含有量をより正確に認識することが、約30mg/dL未満
の数値で蛋白含有量を単に推定するよりも、臨床上要で
あるかもしれない。
当然ながら、尿試料の蛋白含有量は、半定量蛋白沈殿法
または定量24時間蛋白沈殿法により、より正確に測定で
きる。しかし、これらの試験は時間がかかり過ぎ、比較
的費用も大きい。さらに、沈殿試験は訓練された担当員
により実験室内で実施されねばならず、したがって、患
者が尿蛋白含有量を即座に測定し、特定の治療の成否を
観察するために家庭で行なうには利用できない。
したがって、蛋白値を0mg/dL〜約10mg/dL、約10mg/dL〜
20mg/dL、約20mg/dL〜30mg/dL、及びそれ以上約100mg/d
L〜30mg/dLの間の範囲で視覚的に識別することが可能で
ある蛋白含有量について尿を試験するための簡易かつ正
確で、信頼性が高い方法を有することは極めて有利であ
ろう。含浸/読取り試験細片など使用が容易な形態で尿
蛋白濃度を測定するこのような正確な方法を提供するこ
とで、尿試験は、試験結果が出るまで一日も待つことな
く診断が行なえ、治療がただちに開始されるべく、実験
担当員の手で実施され即座の試験結果を出すことができ
る。さらに、試験細片による方法は、低値の尿中蛋白そ
して/または患者が受けている治療の成否を正確に観察
するために患者自身が家庭で実施することもできる。
以下、より詳細に説明するとおり、本発明の方法によ
り、二指示試薬組成物を含有する試験細片を利用するこ
とによって、迅速かつ正確で信頼性が高い尿の蛋白試験
が可能になる。二指示試薬組成物は目視による色の分解
度、したがって試験の感度を改善し、それにより、尿蛋
白濃度を約30mg/dLまたはそれ以下の値で正確に測定す
ることができる。さらに、本発明の方法は、試験試料中
の低分子蛋白、例えばベンス・ジョーンズ蛋白の有無及
び/または濃度を測定するのに用いることもできる。先
行技術による試験法はすべて、時間がかかり過ぎ比較的
費用が大きく、患者が尿中の低分子蛋白を検出するため
家庭で使用するには適さない免疫電気泳動法または加熱
試験法を用いている。
ベンス・ジョーンズ蛋白は、約20,000の低分子量を有し
腎臓の糸球体フィルターを透過できるほど小さな尿中蛋
白の一群に属する。しかし、ベンス・ジョーンズ蛋白は
通常、腎臓の管状部で再吸収される。したがって、ベン
ス・ジョーンズ蛋白の濃度は、健康な人間の尿において
は無視できる程度である。そのため、尿中に有意量のベ
ンス・ジョーンズ蛋白が存在する場合は、通常臨床的に
大である。総体的に、尿中の低分子蛋白の検出及び測定
は、ある種の疾病の特徴が、高アルブミン値レベルが特
徴である慢性蛋白尿というよりも、特定の低分子蛋白
(グロブリン)の排泄であることから、重要である。
例えば、ベンス・ジョーンズ蛋白は高分子骨髄腫血しょ
うグロブリンの一部を表わし、したがって、骨髄腫また
は白血病患者の半数以上の尿中で増量して見られる。ベ
ンス・ジョーンズ蛋白尿もまた、多くのマクログロブリ
ン血症及び原発性全身性アミロイドーシス患者の尿中で
見られる。さらに、ベンス・ジョーンズ蛋白に類似した
特定のグロブリンの排泄の増加がフランクリン病におい
て発生する。そして、腎尿細管障害、例えばファンコニ
症候群の患者は、尿中に排泄されるグロブリンの量にお
いて相当な増加を示す。したがって、研究者たちは、市
販の試験細片において用いる色素結合法が低分子蛋白、
例えばベンス・ジョーンズ蛋白に対して鈍感であること
から、低分子蛋白用の簡易試験法を探究してきた。驚く
べきことであり、また思い掛けないことであるが、本発
明の方法は、ベンス・ジョーンズ蛋白などの低分子蛋白
の濃度を、適当なサイズの気孔を有する重合ウレタン含
有のフィルム、層または膜に組み込んだ二指示試薬組成
物を用いて、検出及び測定する技術を提供する。
ベンス・ジョーンズ蛋白は、約45℃〜60℃の間の温度に
加熱すると凝集し、その後さらに試験試料の沸点にまで
加熱すると再溶解するという点で、その他すべての尿蛋
白とは異なる。ベンス・ジョーンズ蛋白のこの特異な性
質は、該蛋白についてのすべての定性及び半定量測定の
基準であった。市販の試験細片において使用する色素結
合法は、健康な個体の尿中にあるより高分子量の蛋白、
例えばアルブミンのはるかに高い相対濃度がベンス・ジ
ョーンズ蛋白の存在の障害となり、それを遮蔽する効果
を有する理由から、該蛋白に対しては感受性がないこと
が分かっている。そのうえ、ベンス・ジョーンズ蛋白か
らアルブミンを分離させることは不都合で費用がかか
り、乾式試験細片を使用する前に該蛋白からアルブミン
を分離させる利点が無になる。
このため、乾式試験細片は、尿中のベンス・ジョーンズ
蛋白の有無及び濃度についての試験には、目下のところ
利用できない。しかし、本発明の高感度な二指示試薬組
成物を十分に微小なサイズの気孔を有するキャリヤーマ
トリックスに組み込むことで、尿試料中に含有されてい
るアルブミンがキャリヤーマトリックスに浸透し、二指
示試薬組成物と相互作用して変色を起こさせることがな
くなる。しかし、キャリヤーマトリックスは、ベンス・
ジョーンズ蛋白が該マトリックスに浸透し、二指示試薬
組成物と相互作用して変色させるに十分なだけの気孔の
サイズを有する。
異常に高いアルブミン値または低分子蛋白の存在のいず
れかの結果である蛋白尿は、臨床上及び病理学上の障害
の正確な性質ならびに特定の疾病の程度に依存する。蛋
白尿は、断続的または継続的に現れ、一時的で断続的な
蛋白尿は、腎臓障害よりむしろ、通常は生理的または機
能的状態により発生する。したがって、尿及びその他蛋
白についての試験試料の正確で完全な分析は、実験室及
び家庭での使用の双方について利用できなければならな
い。このような試験は、正しい診断が下され、正しい治
療が実施、観察そして維持されるべく、対象の蛋白、つ
まりアルブミン及び/またはベンス・ジョーンズ蛋白の
検出及び測定が可能でなければならない。さらに、アル
ブミンのような高分子蛋白及びベンス・ジョーンズ蛋白
のような低分子蛋白の双方についての蛋白試験方法が、
尿またはその他の試験試料中の蛋白の容易で廉価な定性
及び/または半定量測定のために浸漬/読取りの形態で
利用できるなら、好都合といえるだろう。
そのうえ、尿またはその他の試験試料中の蛋白を試験す
るいかなる方法も、競合する化学的または物理的相互作
用、例えばpH変化または蛋白以外試験試料の成分との優
先的相互作用の結果としてでなく、蛋白との相互作用の
結果として変色を受ける組成物を利用することにより、
正確で信頼でき再現性のある結果を出さなければならな
い。さらに、蛋白試験方法が、尿またはその他の試験試
料中の蛋白の即座で低廉そして正確な測定のために湿式
及び乾式試験細片の両方に適するなら、好都合といえる
だろう。またそのうえに、蛋白試験において利用される
方法及び組成物は、複式試験パッド細片上にある他の試
験試薬パッドに有害に作用したり、またはそれに対して
障害となってはならない。
本発明以前には、試験の色分解度を改善し比較的低い蛋
白濃度値での試験の感度を増大する二指示試薬組成物を
特徴とし、それにより約30mg/dL及びそれ以下の蛋白濃
度について正確で信頼できる蛋白試験を実施することが
できる、尿及びその他の試験試料を蛋白について試験す
る公知の方法は存在しない。さらに、単一の色素、例え
ばテトラブロモフェノールブルーまたはテトラクロロフ
ェノール−3,4,5,6−テトラブロモスルホンフタレイン
を用いる乾式化学試験細片は、何年かにわたって広範囲
に使用されてきたが、比較的低い蛋白濃度値での視覚に
よる色分解度を改善し、したがって感度を増大するため
に二色素を組み込んだ乾式試験細片はこれまでに存在し
ていない。そのうえ、本発明の方法までは、乾式試験細
片による手法は、主として、総蛋白濃度、すなわちアル
ブミンに対しては利用することはできた。しかし、驚く
べきことであり、思い掛けないことには、本発明の方法
により、ベンス・ジョーンズ蛋白などの低分子蛋白につ
いての尿及びその他の試験試料の乾式試験細片試験が可
能である。
先行技術は、蛋白について尿を試験するpH指示薬色素方
法において用いられる湿式及び乾式化学に関しての数多
くの言及を含む。例えば、Kestonの米国特許第3,485,58
7号は、一定pH値における蛋白の試験で使用される基本
的な色素結合法を開示している。Kestonは、色素の変色
を観察することでアルブミンの有無及び/または濃度を
測定するために、色素のpKa(酸解離定数)よりわずか
に低い一定pH値に維持した単一の指示薬色素を用いるこ
とを述べている。
先行技術そして現在市販で入手できる試験細片と対照的
に、本発明の方法は、指示薬色素の組み合わせを用いる
ことにより、尿中蛋白の検出及び測定における感度を増
大し、それにより約30mg/dL及びそれ以下の正確な蛋白
値測定を可能にする。思い掛けなく、そして驚くべきこ
とに、本発明の方法により、低い値のベンス・ジョーン
ズ蛋白の簡易で本質的に即座の検出及び測定が可能であ
る。これは、尿試料中の比較的高濃度のアルブミンによ
る干渉が原因でこれまでのところ不可能であった方法で
ある。したがって、本発明の方法によると、適当な気孔
サイズを有するキャリヤーマトリックスに組み込んだ二
指示試薬組成物を利用することにより、低分子蛋白を含
む蛋白についての尿及びその他の試験試料の乾相試薬細
片試験及び湿式試験において、新規で思い掛けない結果
が達成される。
発明の概要 要約すると、本発明は、新規で改良された試験装置、そ
の試験装置の製法及び試験試料中の成分の有無及び/ま
たは濃度の測定方法に関する。本装置は、試験試料の成
分と相互作用して検出可能な応答をなすことが可能な反
応体組成物を組み込んだキャリヤーマトリックスを特徴
とする。家庭での使用の場合、反応体組成物は視覚的に
検出可能な応答をなす。実験室での使用の場合は、反応
体組成物は、視覚及び機器により検出可能な応答をな
す。本発明の装置のキャリヤーマトリックスは、濾紙の
ような吸水性の多孔性材質または重合性ウレタン含有材
質の新規で改良された非吸水性で蛋白透過性の細片、層
または膜から成る。反応体組成物は、マトリックスが完
全に硬化する前またはその後で、重合性キャリヤーマト
リックスに均質に組み込むことが可能で、キャリヤーマ
トリックスはその後、キャリヤーマトリックスが完全に
硬化した後に、所定の成分に対してのキャリヤーマトリ
ックスの透過性を維持しながらも、反応体体組成物をキ
ャリヤーマトリックス全体に亘って所定の濃度において
均一に保持する。
より詳細には、本発明は、新規で改良された二指示試薬
組成物を用いることにより、尿またはその他の試験試料
を蛋白について試験する方法に関する。ほぼ同じpH範囲
で変色作用を受けることが可能な指示薬色素の組み合わ
せを用いることにより、色の分解度が改良され、低蛋白
濃度の範囲での感度が増大されることが実証された。本
発明の重要な特徴によると、尿及びその他の試験試料中
の0mg/dLから約2000mg/dL、特に0mg/dLから約30mg/dLの
間の蛋白値の定性及び/または半定量測定が達成され
る。本発明の二指示試薬組成物を臨床試験方法において
利用すると、色素の組み合わせにより改良された色の分
解度が、低蛋白濃度に対するこの方法の感度を増大する
ことから、尿またはその他の試験試料中のアルブミンな
どの蛋白の定性及び/または半定量濃度をより正確に測
定することが可能である。そのうえ、驚くべきことであ
り、また思い掛けないことであるが、ポリウレタンが基
材の新規で改良されたキャリヤーマトリックスから成る
試験装置に組み込まれた二指示試薬組成物により、尿ま
たはその他の試験試料中の低分子蛋白、例えばベンス・
ジョーンズ蛋白の検出及び測定が可能である。
したがって、液体中の化合物の相対濃度を測定するため
の新規で改良された方法及び試験装置を提供すること
は、本発明の一目的である。
本発明のもう一つの目的は、蛋白について尿またはその
他の試験試料を試験する簡易で信頼性が高く正確で再現
性のある方法を提供することである。
本発明のその他の目的は、試験液体中の蛋白と相互作用
を起こして、該試験液体中の蛋白濃度を示す試験装置の
視覚的な変化、例えば変色を起こす新規で改良された蛋
白相互作用性の試験装置を提供することである。
本発明のその他の目的は、アルブミンまたは低分子蛋
白、例えばベンス・ジョーンズ蛋白について尿またはそ
の他の試験試料を試験する方法を提供することである。
本発明のその他の目的は、目視による色の分解度を改良
し、低濃度の蛋白に対する感度を増大する、尿またはそ
の他の試験試料を試験する方法を提供することである。
さらに、本発明のその他の目的は、約15mg/dL未満の蛋
白濃度を感知し、0mg/dLから約2000mg/dL、特に0mg/dL
から約30mg/dLの間の蛋白値を半定量的に識別する、尿
またはその他の液体試験試料を試験する方法を提供する
ことである。
本発明のその他の目的は、二指示試薬組成物を用いる尿
またはその他の試験液を試験する方法を提供することで
ある。
本発明のその他の目的は、組成物の指示薬成分の変色pH
よりわずかに低いpH範囲で緩衝化されると蛋白と相互作
用し検出可能で測定可能な変色を受け、試験試料中の蛋
白の有無及び濃度を確認することが可能な二指示試薬組
成物を用いることにより、尿またはその他の試験液を試
験する方法を提供することである。
本発明のその他の目的は、適宜に緩衝化されると蛋白と
相互作用し視覚及び/または機器により識別可能な変色
を受け、0mg/dLから約2000mg/dL、特に0mg/dLから約30m
g/dLの値の尿またはその他の液体試料中の蛋白濃度を半
定量的に測定することが可能な二指示試薬組成物を提供
することである。
本発明のその他の目的は、低分子蛋白の有無及び濃度に
ついて尿またはその他の試験試料を試験する方法を提供
することである。
さらに、本発明のその他の目的は、二指示試薬組成物を
用いることにより、ベンス・ジョーンズ蛋白などの低分
子蛋白について液体試料を試験する方法を提供すること
である。
本発明のその他の目的は、ベンス・ジョーンズ蛋白など
の低分子蛋白は透過できるが、アルブミンなどのより高
分子の蛋白は透過することができない程度の多孔度を有
するキャリヤーマトリックスから成る乾式検出装置に二
指示試薬組成物を組み込むことにより、ベンス・ジョー
ンズ蛋白について試験を行なう方法を提供することであ
る。
本発明のその他の目的は、適当な多孔度のキャリヤーマ
トリックスに組み込まれた二指示試薬組成物から成る低
分子蛋白の検出装置の製法を提供することである。
本発明のその他の目的は、新規で改良された試験装置、
及び製造の間に、試験試料中の化合物と相互作用するこ
とが可能な反応体組成物を中に組み込んだキャリヤーマ
トリックスを含み、該キャリヤーマトリックスが重合性
ウレタン含有組成物から成る該試験装置の製法を提供す
ることである。
本発明のその他の目的は、硬化前には二指示反応体組成
物組成物と比較的均質に混在することが可能で、硬化後
は低分子蛋白に対して透過性である重合性ウレタン含有
組成物を含むキャリヤーマトリックスから成る試薬細片
を提供することである。
本発明のその他の目的は、化合物が、ポリマーを基材と
したキャリヤーマトリックスを透過することができ、製
造中にキャリヤーマトリックスが完全に硬化する前及び
キャリヤーマトリックスが完全に硬化した後で、該キャ
リヤーマトリックスに組み込まれた二指示試薬組成物と
反応することができる、新規で改良された試験装置及び
液体中の該化合物の存在を感知するための該試験装置の
製法を提供することである。
さらに、本発明のさらなる目的は、蛋白応答において新
規で思い掛けない精度を有する試験細片を得るために、
製造の間またはその後に二指示試薬組成物をキャリヤー
マトリックスに組み込むことが可能な新規で改良された
乾式試験細片を提供することである。
本発明のその他の目的は、試験媒質中の所定の蛋白成分
と相互作用することができ、試験媒質の所定の蛋白成分
に対して透過性である硬化ポリマーの層、フィルムまた
は膜から成るキャリヤーマトリックスに組み込まれた二
指示試薬組成物を有する新規で改良された試薬試験細片
を提供することである。
本発明のその他の目的は、低分子蛋白をも含めた蛋白の
定量分析のための新規で改良された試験装置を提供する
ことである。
上記及びその他の目的ならびに本発明の利点及び新規な
特徴は、試薬試験細片における変色の色分解度の改良及
び蛋白に対する感度の増大、さらにはより正確な半定量
測定の実現を説明する添付の図面で例示した本発明の好
ましい実施態様についての以下の詳細な説明により明ら
かになるであろう。
発明の詳細な説明 本発明の方法によると、尿またはその他の試験試料中の
アルブミン及び/または低分子蛋白などの蛋白について
の定性及び/または半定量試験は、二指示試薬組成物を
用いることにより達成される。適当な指示薬色素の組み
合わせを用いることにより、単一の指示薬色素を用いる
試験について目視による色の分解度が改良され、低濃度
値の蛋白に対する試験の感度が増大する。本発明の方法
によりもたらされる色の分解度の改良及び低分子蛋白質
値に対する感度の増大は、尿試験において特に有用であ
る。
現在ある市販の方法によっては、0mg/dLから約30mg/d
L、特に0mg/dLから約15mg/dLの範囲の蛋白値を識別する
ことができない。低い蛋白濃度値を識別することは、約
10mg/dLから20mg/dLの範囲が健康な個体の定常な尿蛋白
値として使用されているため、この技術分野において臨
床上重要である。したがって、0mg/dLから約10mg/dLま
での尿蛋白値は、生理的不均衡をもたらす潜在的蛋白欠
乏を示しているかもしれず、約20mg/dLを超える尿蛋白
値は、疾病状態を示唆する蛋白の過剰排泄を示している
かもしれない。比較的高い範囲、例えば約100mg/dLから
2000mg/dLの尿蛋白濃度に関しても、本発明の方法によ
ると、色の分解度が改良され、尿蛋白濃度に対する感度
が増大される。もっとも、この濃度範囲においては、こ
のような高い蛋白値は、より本格的な診断の必要がある
明らかに異常な生理的状態を示唆しているため、臨床上
の利点はそれほど重要ではない。
さらに、尿試験に関しては、低分子蛋白、例えばベンス
・ジョーンズ蛋白の低い値での存在は、白血病または骨
髄腫などの特定の疾病状態を示唆している。したがっ
て、本発明の装置及び方法のもう一つの重要な特徴とし
て、二指示試薬組成物の使用によりもたらされる色の分
解度の改良、及びその結果である尿中の低い値の蛋白に
対する感度の増大は、尿中に存在する低分子蛋白の濃度
を検出及び測定する技術を提供する。したがって、本発
明の詳細な説明においてこの後でより詳細に述べられる
とおり、アルブミンなどの高分子蛋白による干渉を除く
ことにより、尿中の蛋白総含有量または尿中の低分子蛋
白の含有量のいずれかについて試験を実施するために、
一つの方法及び装置が利用できる。
さらに、尿を試験することに加えて、本発明の方法及び
装置はまた、血しょう及び血清中のアルブミンの有無及
び半定量的濃度、そしてより一般的には、その他多くの
アルブミン含有液体のアルブミン含有量を測定するため
に使用することもできる。本発明の他の重要な特徴によ
ると、本発明の方法及び組成物は、尿またはその他の液
体試験試料中の蛋白の有無及び/または濃度を測定する
ために、水性液体相式試験及び、本発明の利点を充分に
生かせるよう、乾式試験パッド試験の両方において用い
ることができる。
驚くべきことであり、また思い掛けないことであるが、
一定のpH値に維持されると、それぞれが蛋白と相互作用
して検出可能で測定可能な変色を受ける能力を有する二
つの適当な指示薬色素を組み合わせ、試験試料中の蛋白
の有無及び/または濃度を測定する色素結合法において
使用する場合、色の分解度が改良され、低蛋白濃度に対
する感度が増大されることが分かった。二指示試薬組成
物を用いる色素結合法は、蛋白に関してのより正確で信
頼性のある臨床上意義ある半定量試験を提供する。現在
のところ、液体相式試験及び市販されている乾式試験細
片試験は、単一の色素のみ、例えばテトラブロモフェノ
ールブルーまたはテトラクロロフェノール−3,4,5,6−
テトラブロモスルホンフタレインのみを、試験試料中の
蛋白の有無及び/または半定量濃度を測定するための指
示薬色素として用いている。
蛋白の試験において現在使用されている色素は蛋白と相
互作用し、適切で一定のpHに維持されている場合に、蛋
白誤差現象が原因で変色を受ける。蛋白誤差現象は、Ke
stonの米国特許第3,485,587号において詳細に記載され
ている。このKestonの特許では、様々な色素、正しいpH
範囲及び蛋白誤差現象を観察するために必要な緩衝剤が
開示されている。Kestonの特許は、基本的には、尿中の
総蛋白含有量の試験に用いられる今日の乾式試験細片を
記載している。この総蛋白試験細片は、普通、5または
それ以下の強酸性pHで通常に変色を受ける指示薬色素、
及び該指示薬色素のpHをその色素にとっての変色pHより
わずかに低く維持する緩衝剤を含んでいる。指示薬色素
を充分に緩衝化することで、試験試料との接触により発
生するpH変化が原因ではなく蛋白との相互作用が原因で
色素が変色することが本質的に保証される。
本発明の重要な特徴によると、適当なpH値に適切に緩衝
化され指示薬色素の一組を賢明に選択することで、液体
試料中の総蛋白含有量より正確で信頼性のある試験が提
提供される。そのうえ、驚くべきことであり、また思い
掛けないことであるが、重合性ウレタン含有のフィル
ム、層または膜から成るキャリヤーマトリックスを含む
乾式試験スティックに二指示試薬組成物を組み込むこと
により、試験試料中から低分子蛋白を選択的に検出及び
測定することが可能である。さらに、低分子蛋白の検出
及び測定が、主要成分であって、競合、干渉している高
分子蛋白、例えばアルブミンを試験試料から分離するこ
となく実施できる。したがって、時間がかかり過ぎ、費
用の大きな追加の操作段階が回避される。そのうえ、家
庭または実験室内で実施可能で、低分子蛋白についての
本質的に即座の試験結果を出す迅速かつ正確で再現性が
あり信頼できる試験方法が達成される。
本発明によりもたらされる利点を得るためには、二指示
試薬組成物が指示薬色素を適当な組み合わせで含んでい
ることが必須である。単一の指示薬色素を用いる先行技
術の試験及び現在商業的に利用可能な測定法とは対照的
に、それぞれが本質的に同一の変色pH範囲を有し、いず
れも同一の変色を受けない二つの指示薬色素を組み込む
ことによって、蛋白との相互作用で生じる視覚及び機器
による色の分解度及び識別が改良される。したがって、
蛋白試験の感度、特に比較的低い蛋白濃度における感度
が増大する。
本発明の方法は、先に述べた「蛋白誤差」現象を利用す
る。しかし、二つの指示薬色素を二指示薬組成物に組み
込むと、調整したpHでの試験試料中の利用できる蛋白を
求めて二つの指示薬色素間の競合的相互作用の原理が誘
発される。先に述べたように、pH指示薬色素が蛋白と相
互作用すると、色素の目に見えるpKaが変更され、いわ
ゆる「蛋白誤差」を起こしながら変色が起きる。しか
し、それぞれがほぼ同一の変色pH範囲を有する二つの指
示薬色素を用いると、二つの変色が同時に観察される。
二指示薬色素の相対量を、各色素が蛋白と相互作用する
能力に関連して、かつ実際の変色及び各色素の変色の強
さとに関連して、調整することにより、より際立った発
色が可能になり、蛋白と相互反応した際の色の分解度及
び識別が改良され、したがって試験の感度も増大され
る。
一般に、基本的必要条件が満たされれば、いかなる二つ
のpH指示薬色素をも本発明の方法に利用することができ
る。先ず、各色素が、蛋白と相互作用し、その相互作用
に反応して検出及び測定可能な変色を受けることができ
ることが最も重要である。二指示試薬組成物に利用され
る指示薬色素は、試験試料中の非蛋白成分とのいかなる
競合する化学的または物理的相互作用に対抗して、蛋白
と優先的に反応しなければならない。非蛋白成分との感
知できる程度のいかなる競合的相互作用も、試験試料中
の蛋白の有無及び量に関しての誤った試験結果に至る可
能性がある。例えば、指示薬色素を適切に緩衝化する
と、試験試料が緩衝剤の効果を越えるほどアルカリ性で
あるとき以外のすべての場合に、pH変化が原因で変色が
発生する可能性を払拭する。
さらに、各色素が、蛋白と相互作用するための比較的類
似した親和力を有することが重要である。一方の色素が
もう一方の色素の約10倍から15倍以上の対蛋白の親和力
を有する場合、一方の色素と蛋白との優先的相互作用が
試料中の蛋白濃度と正確に相関しない変色を発生させる
ことから、誤った試験結果が得られる可能性があること
が発見されている。もう一方の色素が蛋白と効果的に相
互作用することができないと、第一の色素のみが蛋白相
互作用に応答して変色を受けることから、高過ぎて誤り
であるか、または低過ぎて誤りである結果に至ることが
あり、この変色は、第二の色素と試験試料中に存在する
蛋白との相互作用に応答して発生する第二の変色によっ
て平衡化及び修正されることはない。
第二に、二指示試薬組成物に用いられる各指示薬色素
は、ほぼ同じpH範囲で変色を受けなければならない。通
常は、二つの色素間で約0.5pH単位までの変色pH範囲の
差異は許容できる。しかし、本発明の利点を最大に利用
するには、二つの色素間の変色pH範囲の差異は、約0.2
〜0.3pH単位に制限することが好ましい。色素結合法で
は変色はpH変化が原因ではなく蛋白との相互作用が原因
で発生することを保証するため指示薬色素が一定のpH、
通常は色素の変色pH範囲のわずかに下に維持されること
から、同等またはほぼ同等な変色pH範囲が要求される。
本発明の方法によると、各色素は、その最大限の変色が
示され、したがって色の分解度を相当に改良し、試験感
度を大幅に増大すべく、色素が変色するpH範囲よりわず
かに低いpH値に緩衝化される。したがって、二指示試薬
組成物全体についての変色を最大限にするために、二指
示薬色素は、ほぼ同等のpH範囲で変色を受けなければな
らない。
最後に、二指示試薬組成物において用いられる色素は、
相互に干渉し合わない変色を受けなければならない。例
えば、各変色が、比較的弱い色彩からより強烈な色彩へ
と変色を受ける場合、色の分解度の改良及び試験感度の
増大による利点は無効または最小限になることがある。
同様に、本発明により提供される利点はまた、第一の色
素が第二の色素本来の色に変色し、第二の色素が第一の
色素本来の色に変色する状況においても、最小限になる
かまたは無効になる。例えば、一定pHにおいて、蛋白と
の相互作用に先立ち、第一の色素が赤色で、第二の色素
が無色であるとし;試験試料中の蛋白との相互作用によ
り、第一の色素が赤から無色への変色を受け、第二の色
素が無色から赤への変色を受ける場合、色の分解度及び
試験感度の改良による利点は、その試験が視覚的または
機器によって観察されているにかかわらず、減少するか
または無効になる。したがって、本発明の利点を最大限
に利用するには、二指示試薬組成物において用いられる
色素は、第一の比較的強烈な色彩からより弱い色彩に変
色し、第二の色素が第一の色素のより弱い色彩とは異な
る比較的弱い色彩から、第一の色素の比較的強烈な色彩
とは異なるより強烈な色彩に変色するごとく組み合わせ
て選択される。
二指示試薬組成物の両色素が、蛋白と相互作用してほぼ
同等のpH範囲で充分かつ対照の著しい変色を受ける能力
を有するなら、いかなるpH指示薬色素も本発明の方法に
おいて使用することが可能であることが分かっている。
いくつかの化学的及び物理的パラメータ、例えば蛋白と
相互作用する能力、変色の強さ及び色素間の化学的互換
性に依存して、二指示試薬組成物中の第一の指示薬色素
と試薬組成物の第二の指示薬色素との割合は、ほぼ5:1
から1:5、優先的には、ほぼ3:1からら1:3の範囲である
ことができる。二指示試薬組成物中の第一の指示薬色素
と第二の指示薬色素との正確な割合は、最大の視覚的色
分解度及び最大の感度を有する蛋白試験を行なうべく、
試験キットを設計する当業者によって決定されることが
できる。本発明の二指示試薬組成物において用いられる
指示薬色素は、その分野の当業者には周知である方法で
調製することができる。そのうえ、本発明の方法におい
て利用できるいくつかの指示薬色素は、現在市販されて
いる周知の酸塩基指示薬色素である。
上述したとおりの指示薬色素の組み合わせが、尿または
その他の液体試験試料中の蛋白の有無及び/または半定
量濃度を測定する改良方法において指示試薬組成物とし
て利用される。本発明の二指示試薬組成物は、蛋白と相
互作用した結果、「蛋白誤差」現象により視覚及び/ま
たは機器により識別可能かつ測定可能な変色を起こすこ
とが示されている。しかし、色素の組み合わせに加え、
本発明の二指示試薬組成物は、試験試料中の蛋白の有無
及び/または半定量濃度を正確に測定すべく、色素がpH
変化の結果として変色するのではなく、蛋白との接触及
び相互作用の結果として変色するよう、充分な量の緩衝
剤を必要とすることがありうる。
さらに、様々な種類の公知の緩衝剤のいずれをも、本発
明の二指示試薬組成物に使用することができることが証
明されている。緩衝剤の機能は、蛋白の存在が原因の指
示薬における所望の変色を起こさせ、蛋白含有試験試料
のpH変化による変色を本質的に除去すべく、試薬組成物
をほぼ一定のpH維持することである。その結果、二指示
試薬組成物に組み込まれる緩衝剤の量は、試験試料の性
質に依存する。緩衝剤の量は、通常、約100ミリモル(m
M)から約500ミリモルの範囲であるが、特定の場合に
は、この範囲より上または下にすることができる。使用
される緩衝剤の性質は、二指示試薬組成物に組み込まれ
た指示薬に依存し、それに応じて変化する。しかし、最
高の結果を得るためには、試薬組成物のpHは、一般に、
試薬組成物の二指示試薬色素が変色を受けるpH範囲より
ほんのわずか低いpH値に維持されるべきであることが分
かっている。試薬組成物の特定の指示薬色素について適
当な緩衝pH値を決定し、二指示試薬組成物において使用
することができる特定の緩衝剤を決定する方法は、Kest
onの米国特許第3,485,587号に記載されている。
本二指示試薬組成物においては、緩衝剤の使用が好まし
いが、緩衝剤はすべての場合に必須であるとは限らな
い。例えば、特別な場合には、試験試料が二指示試薬組
成物と接触するる前に、尿またはその他の試験試料に緩
衝剤を添加することが望ましいかもしれない。また、試
験試料は、組成物を一定のpHに維持するために適切な種
類の緩衝剤を適切な量ですでに含有していてもよく、あ
るいは、二指示薬色素組成物は、pH変化に対して無反応
であるかもしれない。そのような場合には、二指示薬色
素は、二指示試薬組成物における唯一の活性成分である
ことができる。しかし、指示薬色素及び/または緩衝剤
の性質及び機能を物質的に変化させず、蛋白試験に緩衝
しない任意の成分、例えば界面活性剤もまた、二指示試
薬組成物中に包含せしめることができることは理解され
るべきである。同様に、その他のこのような非必須成分
には、非反応性バックグラウンド色素、ポリマー及び可
塑剤がある。
尿またはその他の試験試料に接触した際、二指示試薬組
成物の変色は蛋白の存在を表示する。さらに、変色の強
さ及び程度は、試験試料により発生した色を既知の濃度
の蛋白を有する溶液により発生した色と比較しまたは相
関させることで、試験試料中の蛋白の半定量濃度を測定
するために使用することができる。本発明の重要な特徴
によると、二指示試薬組成物は、試験試料中の蛋白の量
が分光光度計または比色計などの測色機器を使用ししな
くとも測定及び正確に決定されうるべく、充分に分解及
び識別された変色を提供するということが証明されてい
る。しかし、所望なら、そのような測色機器を使用して
試験試料と既知のアルブミン濃度を有する溶液との間の
色の程度及び強さの差異を測定することができる。
したがって、適当に緩衝化した二指示試薬組成物を利用
する蛋白試験は、試験の精度及び信頼性を向上し、さら
に試験に対する医師の信頼をも増大する。そのうえ、実
験室内の訓練された医師または技術者とは異なって、未
熟な患者により家庭で実施されれる蛋白についての尿試
験の件数を考慮すると、尿中の蛋白含有量についての正
確で信頼できる半定量試験方法を提供することが必要で
ある。
本発明の重要な特徴にしたがって、表Iでは、本発明の
二指示試薬組成物中で蛋白指示薬色素として用いること
ができる代表的なpH指示薬色素をリストしている。表I
には、現在蛋白試験に使用されている指示薬色素に加
え、約2.8から5.2のpH範囲で変色を受けるその他いくつ
かの適当な指示薬色素をも含めている。
表Iの蛋白指示薬色素の一覧は、酸性pHで変色を受ける
色素を含む部分的一覧である。一般に、蛋白についての
試験は、指示薬色素は低い酸性pH値でより強力に蛋白と
相互作用することができるという理由から、酸性pHにお
いて、酸性pHで変色を受ける指示薬色素を用いて実施さ
れてきた。低いpH値での指示薬色素と蛋白間の相互作用
は、正荷電カチオン蛋白分子と負荷電アニオン指示薬色
素分子間の強力な引きつけが原因で、さらにそれに加え
て、酸性状態が部分的に蛋白を変性させ、その結果指示
薬色素と相互作用する蛋白の能力を増強するべく作用す
ることが原因で、増大する。しかし、蛋白と相互作用し
約5.2以上のpH値で変色を受けることができるその他の
指示薬色素もまた、本発明の方法において用いることが
できることは理解されるべである。
したがって、酸性または中性からアルカリ性のいずれか
のpH範囲で変色を受けることができるその他の指示薬色
素を組み合わせて、色の分解度及び識別の改良ならびに
試験感度の増大を提供する二指示試薬組成物を調製する
こともできる。しかし、二指示試薬組成物に含まれる指
示薬色素は蛋白と相互作用することができなくてはなら
ず、二つの色素はほぼ同等のpH範囲内で変色を受けなけ
ればならず、そして色素は充分に差異が明らかな変色を
受けなければならない。本発明の方法において使用する
ことができ、下は0.15から上は14までの範囲の変色pHを
有するその他のpH指示薬色素の例は、The Merch Index,
Ninth EditionのMISC−94及びMISC−95頁(1976年)、
及びHandbook of Chemistry and Physics,51st Edition
のD−106〜D−109頁(1970〜1971年)に掲載されてい
る。それに加え、その他いくつかの適当なpH指示薬色素
が数多くの製造元及び販売元から市販されている。
本発明の重要な特徴によると、いくつかの適当な組み合
わせの指示薬が、表Iにリストしている指示薬から想定
される。例えば、メチルオレンジ(MO)は、ブロモクロ
ロフェノールブルー(BCPB)、ブロモフェノールブルー
(BPB)、テトラブロモフェノールブルー(TBPB)また
はヨードフェノールブルー(IPB)と組み合わされ、色
の分解度を向上し、その結果試験の感度を増大する変色
を発生することができる。それぞれの場合において、蛋
白との相互作用以前には、メチルオレンジ(MO)の強い
赤色がきわだっている。しかし、蛋白との相互作用及び
色素の変色の後は、結果的なメチルオレンジ(MO)の黄
色は、第二の色素のより強烈な緑または青に圧倒され
る。さらに、これら第二の指示薬色素(BCPB、BPB、TBP
B及びIPB)とメチルオレンジ(MO)のそれぞれは蛋白と
相互作用することができ、各第二の指示薬色素はメチル
オレンジ(MO)にとっての変色pHと同等またはほぼ同等
である近似の変色pHを有する。したがって、ローズベン
ガル(RB)は、メチルオレンジ(MO)と組み合わせて二
指示試薬組成物を調製するには適当な指示薬色素ではな
いかもしれないことに注意すべきである。ローズベンガ
ル(RB)は蛋白と相互作用することができ、メチルオレ
ンジ(MO)にとっての変色pHに近似した変色pHを有する
が、無色からピンクへのローズベンガル(RB)の変色
は、赤から黄へののメチルオレンジの変色に類似するの
に充分であることから、色の分解度の改良及びその結果
の試験感度の増大という利点が達成されないかもしれな
い。
別の例においては、黄から赤への変色を有するブロモフ
ェノールレッド(BPR)は、黄から緑への変色を有する
ブロモクレゾールグリーン(BCG)と組み合わせると、
試験試料中の蛋白含有量の増加に対応して黄から緑そし
て紫へと連続する変色を発生する。同様に、黄から赤へ
の変色を有するブロモフェノールレッド(BPR)は、無
色から緑への変色を有する8−アミノ−11−アザ−6−
チア−[5,12−ナフタセンキノン](HL0301)と組み合
わせると、試験試料中の蛋白含有量の増加に対応して黄
から橙そして紫へと連続する変色を発生する。
本発明の方法により達成される新規で予期せぬ結果を証
明するために、ブロモフェノールブルー(BPB)とメチ
ルオレンジ(MO)の指示薬を含む二指示試薬組成物を調
製し、試験試料の蛋白総含有量についての水性液相試験
に使用した。ブロモフェノールブルー(BPB)及びメチ
ルオレンジ(MO)の双方とも、蛋白と相互作用し、ほぼ
同一のpH3で変色を受ける。ブロモフェノールブルー(B
PB)は黄から濃青へと変色し、メチルオレンジ(MO)は
濃赤から黄へと変色する。適当な緩衝剤とともに適量の
ブロモフェノールブルー(BPB)及びメチルオレンジ(M
O)を含む二指示試薬組成物は、標準蛋白溶液と接触す
ると表IIに要約されている変色を起こした。
本発明の重要な特徴により、メチルオレンジ/ブロモフ
ェノールブルーの二指示試薬組成物を使用することによ
って達成される色の分解度の改善により、0、10、20及
び30mg/dLの蛋白濃度の間での検出及び識別が可能にな
る。対照的に、単一の指示薬色素を用いた先行技術の方
法はいずれも、0から約15mg/dLの範囲では蛋白値を識
別することができず、0から約30mg/dLの範囲の蛋白値
については最低限の識別しか行うことができない。しか
し、本発明によると、試験感度の改善が、特に約30mg/d
L及びそれ以下の試験試料の蛋白値において達成され、
最終的に、より正確で意味のある試験結果が提供され
る。
蛋白総含有量についての液相試験を実施するには、最初
に二指示試薬組成物を製造する。例えば、ある二指示試
薬組成物の製造として、ブロモフェノールブルー(BP
B)0.60g(0.90ミリモル)及びメチルオレンジ0.60g
(1.83ミリモル)を充分な量の100mMクエン酸緩衝液に
溶かすと、pH3.2に緩衝化されたブロモフェノールブル
ー(BPB)について0.9mMであり、メチルオレンジについ
ては1.83mMである二指示試薬組成物1リットルが得られ
る。尿試料中の蛋白の有無及び濃度は、該二指示試薬組
成物1mLに尿を一滴[約50μL(マイクロリットル)]
滴下することにより測定した。得られた溶液の色は赤か
ら青に変化し、その結果、約100mg/dLの蛋白が尿中に存
在することが分かった。
一般的に、蛋白についての水性液相試験では、変色を視
覚及び/または機器により検出及び測定するのに充分な
量の二指示試薬組成物を用いる。しかし、蛋白以外の溶
液試料成分との非特異的な相互作用を実質的に排除すべ
く、過剰量の二指示試薬組成物の使用は避けるべきであ
る。通常は、二指示試薬組成物中の色素の総濃度は、約
0.5mMから約5mMの範囲であれば、視覚及び/または機器
により検出可能かつ識別可能な変色を起こし、蛋白以外
の試験試料成分との色素の相互作用による試験障害を排
除または最小限にするには充分である。本発明の利点を
最大限に利用するには、二指示試薬組成物中の色素の総
濃度は約0.5mMから約2mMの範囲が特に好ましいことが分
かっている。そのうえ、上記の例で使用されるクエン酸
緩衝液に加えて、所望のpHは、適当な緩衝剤、例えばマ
ロン酸塩、乳酸塩、トリクロル酢酸塩、スルホサリチル
酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、硼酸塩、酢酸塩、ピペラジ
ン−N,N′ビス(2−ヒドロキシプロパン)スルホン酸
(POPSO)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−N−(ト
リス−ヒドロキシメチル)メチルアミノ−2−ヒドロキ
シプロパンスルホン酸(TAPSO)、2−([トリス−
(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ)エタンスルホン
酸(TES)またはこの分野で周知のその他の適当な緩衝
剤を使用することにより、実質的に一定の値に維持する
ことができることも分かっている。
さらに、二指示試薬組成物に含まれる二指示試薬色素
は、必ずしも同量で存在しなければならないわけではな
い。各色素の相対量は、様々なパラメータ、例えば色素
の変色の強さ及び変色と相互作用する色素の能力に依存
する。しかし、第一の色素と第二の色素との比率を、約
5:1から約1:5、好ましくは約3:1から約1:3の範囲にする
と、本発明の利点が充分に得られることが分かってい
る。
そのうえ、本発明の別の重要な特徴によると、既知の蛋
白濃度の溶液から得られた標準色に視覚及び/または機
器により比較することが可能であるように、検出可能か
つ識別可能な変色を起こさせるために水性溶媒、二指示
試薬組成物及び尿試料の相対量を変化させ、さらに色素
及び緩衝剤の種類及び量変化させることにより尿または
その他の液体試験試料中の蛋白の水性半定量試験用の装
置を設計することは、試験装置を製作する当業者の実験
技術の範囲内に充分入る。
蛋白の湿式水性試験に使用する他に、二指示試薬組成物
は、蛋白の乾式試験パッド試験に使用することもでき
る。二指示試薬組成物を用いる蛋白の乾式試験パッド試
験は、この分野で周知の方法に従って実施される。一般
に、蛋白の試験は、尿またはその他の試験試料を二指示
試薬組成物を含む被検体検出具に接触させることにより
実施される。被検体検出具を試験試料中に浸漬するか、
あるいは、試験接触を被検体検出具に滴下する方法が利
用できる。被検体検出具の色について起こる変化が蛋白
の存在を表わす。さらに、そのように試験具を設計する
ことによって、得られる変色を、標準色票と比較して、
尿または試験試料中の蛋白濃度の半定量測定を行なうこ
とができる。
通常、被検体試験具は、単一パッド試験細片(単一分析
対象物のみの試験用)または複式パッド試験細片(複数
の分析対象物の同時分析用)のいずれかとして設計され
ている試薬含浸型試験細片である。いずれの形態の試薬
含浸型試験細片についても、試験細片は、通常、疎水性
プラスチックで構成された支持細片、つまりハンドル、
及び吸水性または非吸水性キャリヤーマトリックスから
成る試薬試験パッドを含む。一般に、キャリヤーマトリ
ックスは、試験試料がマトリックスを通って毛管作用に
応じて移動し、指示試薬組成物に接触して検出可能かつ
測定可能な変色を起こすことを可能にする吸収材料であ
る。
キャリヤーマトリックスは、化学試薬に関して実質的に
不活性であり、液体試験試料に関して多孔質及び/また
は吸収性である限り、対象の試験を実施するために必要
とされる化学試薬を組み込むことができるいかなる物質
であってもよい。「キャリヤーマトリックス」という呼
称は、水及びその他の生理学的流体に対して不溶性であ
り、かつ水及びその他の生理学的流体に暴露された際に
構造上の一体性を維持する吸水性または非吸水性マトリ
ックスのことを言う。適当な吸水性マトリックスには、
濾紙、スポンジ材料、セルロース、木材、織布及び不織
布などがある。非吸水性マトリックスには、ガラス繊
維、ポリマーフィルム及び予備成形もしくは微孔質の膜
がある。その他適当なキャリヤーマトリックスには、親
水性無機粉末、例えばシリカゲル、アルミナ、珪藻土な
ど;粘質物;布;親水性天然高分子材料、特にセルロー
ス系材料、例えばセルロースビーズ、及び特に繊維含有
紙、例えば濾紙もしくはクロマトグラフィー紙;合成ま
たは変性天然ポリマー、例えば酢酸セルロース、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリルアミドド、ポリアクリル酸エス
テル、ポリウレタン、架橋デキストランもしくはアガロ
ース;ならびにそのようなものの架橋または非架橋の水
不溶性親水ポリマーがある。疎水性及び非吸収性物質
は、本発明のキャリヤーマトリックスとして使用するに
は適していない。キャリヤーマトリックスは、種々の化
学組成物または化学組成物の混合物から成ることができ
る。マトリックスはまた、硬度・軟度と合わせた滑らか
さ・荒さの点でも変化する。しかし、あらゆる場合にお
いて、マトリックスは、親水性または吸収性材料を含ま
なければならない。ハンドルは、通常・疎水性材料、例
えば酢酸セルロース、ポリエチレン、テレフタル酸エス
テル、ポリカーボネートまたはポリスチレンから形成さ
れ、キャリヤーマトリックスは、吸水性濾紙または非吸
水性ポリマーフィルムから構成されることがもっとも好
ましい。
本発明の利点を最大に利用するには、二指示試薬組成物
は、適当なキャリヤーマトリックスに含浸され、試験試
料中の蛋白の試験のための乾式試験細片中で用いられ
る。本発明の方法により、家庭または実験室内で実施す
ることができる試験試料中の蛋白の総濃度についての低
廉で正確で信頼性が高い試験法が提供される。さらに、
本発明の方法により、試験試料中の低い蛋白濃度の検
出、識別及び測定が可能になり、その結果、試験が臨床
的により有用なものとなる。
本発明の方法によると、蛋白の乾式試験細片試験を実施
するには、約0.5mMから約5mMの総濃度でメチルオレンジ
(MO)とブロモフェノールブルー(BPB)の二指示薬色
素を含む水溶液を最初に準備する。次に、二色素を含ん
でいる水溶液を、濾紙のシートまたは予備切断された細
片上に塗布、浸漬または噴霧することにより、吸水性材
料、例えば濾紙を該水溶液で飽和及び含浸する。約20〜
30分間空気炉内約50℃でオーブン乾燥して水性溶媒を除
去した後、pH3.2の250mMクエン酸緩衝液を浸漬または噴
霧して濾紙を飽和及び含浸する。約50℃で20〜30分間オ
ーブン乾燥した後、二指示試薬組成物で含浸した濾紙を
適当な大きさ、例えば約0.25cm×0.5cmから約0.5cm×1.
0cmのサイズに切断する。他の方向として、すべての成
分を一含浸液中に合わせ、それにより二段階浸漬の含浸
手法の必要性を回避することも場合により可能である。
単一段階浸漬法は、緩衝液への二回目の浸漬により色素
のいくらかが吸水性マトリックスから浸出するほど二色
素が水溶性である場合、特に薦められる。
その後、二指示試薬組成物で含浸した濾紙を両面接着テ
ープを用いて不透明もしくは透明な疎水性プラスチック
ハンドルに固定する。次に、得られる試験細片を新鮮で
遠心分離していない尿試料中に試験パッドが試料で飽和
するのに充分な時間だけ浸漬する。所定の間、例えば15
〜60秒間放置した後、応答の有無について試験細片を視
覚または機器により検査する。試験パッドの変色が見ら
れるなら、それは尿試料中の蛋白の存在及び/または濃
度を表わしている。
上述した蛋白の水性液相試験と同様、本発明の方法及び
組成物を用いる蛋白の半定量試験を設計するために、試
薬パッドのサイズと、試薬含浸用溶液の濃度と、試験試
料の量と、試験試料を試験細片に導入する方法、例えば
浸漬ではなくピペットの使用との間で適切な均衡を決定
することは、試験具を製造する当業者の実験技術の範囲
内に充分入る。
多くの場合、試験細片を視覚的に観察することにより所
望の情報が得られる。より正確な情報が求められる場合
は、試験細片で使用される特定の二指示試薬組成物に対
して様々な既知の蛋白濃度に相当する色点を有する色票
(カラー・チャート)を調製するとができる。尿試料と
の接触の後に得られる試験細片の色は、色票の色点と比
較され、この結果試験試料の蛋白濃度を測定することが
できる。
より一層正確な測定が求められる場合は、分光光度計ま
たは比色計を使用して、より正確に変色の程度を測定す
ることができる。さらに、水性液相式試験及び乾式試薬
細片試験の双方とも、視覚的技術とは異なって、分光光
度または測色技術を用いることで反定量化され、より確
実でより正確に変色の程度を測定し、その結果、より正
確に試験試料中の蛋白の濃度、特に比較的低い蛋白濃
度、例えば30mg/dL未満の濃度、を測定することができ
る。
図1〜4の詳細な説明において、以下、より詳しく説明
するとおり、二指示試薬組成物を用いて試験試料中の低
濃度の蛋白を検出、識別及び測定する能力は、驚くべき
ことに、かつ、思い掛けないことに、試験試料中に存在
するかもしれない検出困難な低分子蛋白を試験する方法
を提供する。例えば、尿中の低分子量のベンス・ジョー
ンズ蛋白の存在は、患者が白血病または骨髄腫にかかっ
ているという医療診断上の兆候である。しかし、従来の
方法によると、尿中のベンス・ジョーンズ蛋白の検出
は、高価で時間がかかり過ぎる加熱・沈殿技術を必要と
する。さらに、乾式試験細片は、尿中の高分子蛋白、例
えばアルブミンがベンス・ジョーンズ蛋白試験に干渉
し、それを遮蔽する理由から、ベンス・ジョーンズ蛋白
の試験には使用されてこなかった。尿中には高分子蛋白
がベンス・ジョーンズ蛋白より相当多大な量で存在し、
このためその高分子蛋白が指示薬色素と優先的に反応す
る。そのうえ、ベンス・ジョーンズ蛋白を尿中の他の蛋
白成分から分離することは、従来のベンス・ジョーンズ
蛋白試験と同程に高価で時間がかかるものであり、結果
的に、乾式試験細片試験に先立つ蛋白分離段階が意味の
ない操作試験となる。したがって、本発明の方法以前
は、乾式試験細片技術を利用して通常尿中に見られる低
濃度のベンス・ジョーンズ蛋白を正確に検出及び測定す
ることはできなかった。
したがって、本発明の重要な特徴によれば、二指示試薬
組成物を適当なキャリヤーマトリックスに含浸すること
により、尿試料中のベンス・ジョーンズ蛋白の有無およ
び濃度が乾式試験細片を使用することにより確認される
ことが証明された。驚くべきとであり、思い掛けないこ
とであるが、ベンス・ジョーンズ蛋白の乾式試験細片試
験が、ベンス・ジョーンズ蛋白を試料から分離すること
なく、さらにベンス・ジョーンズ蛋白試験が尿中に存在
するより豊富で干渉効果の強いより高分子の蛋白により
遮蔽されることなく、実施できる。先に述べたように、
試験試料中の蛋白質の試験に使用される乾式試験細片
は、一般に、指示試薬組成物によって処理及び含浸され
易く;尿もしくはその他の試験試料が、比較的迅速に蛋
白質試験を行なうのに充分なだけ急速にキャリヤーマト
リックスに浸透する、ことを可能にし;そしてその後の
試験を不確定定、不正確もしくは疑わしくするような方
法で、尿もしくはその他の試験試料を、キャリヤーマト
リックスを構成する成分の試験試料による抽出、また
は、尿もしくはその他の試験試料を相当に変質すること
のいずれかにより、汚染しない;吸収性マトリックスか
ら成るキャリヤーマトリックスを含む。
試験細片が試験試料の蛋白総含有量の試験用として設計
されている場合、キャリヤーマトリックスは、指示試薬
組成物により含浸した試験細片の試験域を飽和すべく試
験試料が透過することを可能にするいかなる吸水性もし
くは非吸水性材料であってもよい。本発明の利点を最大
に利用するために、試験試料の蛋白総含有量の試験にお
いては、キャリヤーマトリックスは、セルロース材料、
例えば紙及び好ましくは濾紙を含む親水吸水性マトリッ
クスとする。濾紙は、本発明の吸水性マトリックスに要
求される特性のすべて、それに加え豊富な入手性、好ま
しい経済性及び様々な品質等級という利点を有する。濾
紙は、指示薬色素及び緩衝剤の両者を懸濁及び配置する
ためのマトリックス材料として使用するには極めて満足
なものであることが分かった。
しかし、試験試料中の低分子蛋白、例えばベンス・ジョ
ーンズ蛋白の有無及び/または濃度を測定するための方
法及び試験具に二指示試薬組成物を用いる場合において
は、濾紙及び吸水性セルロースのマトリックスは不適で
あることが分かった。吸水性濾紙のマトリックス及び同
類の吸水性のマトリックスは、比較的高分子の蛋白、例
えばアルブミンが吸水性マトリックスを透過し、含浸し
た二指示試薬組成物と接触及び相互作用して変色を起こ
すことを可能にするのに充分なだけの多孔性を有する。
したがって、尿またはその他の試験試料中に割合として
は大量に存在する比較的高分子の蛋白は、試験試料中に
割合として少量で存在する低分子蛋白の検出を妨げる。
その結果、比較的高分子の蛋白を除外するには充分なほ
ど小さい多孔性を有し、同時に低分子蛋白による透過を
許すには充分なほど大きな多孔性を有するキャリヤーマ
トリックスに二指示試薬組成物を組み込むことにより、
試験試料中の低い値の低分子蛋白を検出及び/または識
別する方法が提供される。
本発明の重要な特徴によると、重合ウレタンを基材とす
るフィルム、層または膜は、低分子蛋白、例えばベンス
・ジョーンズ蛋白の浸透を許し、同時により豊富な比較
的高分子の蛋白、例えばアルブミンの浸透を妨げるに充
分な多孔性を有するキャリヤーマトリックスとなること
が分かった。以下に記載する本発明の実施態様において
実証されるように、二指示試薬組成物は、ウレタンを基
材とするフィルム、層もしくは膜を成形した後、また
は、重合ウレタン基材のフィルム、層もしくは膜の成形
中のいずれかにおいて、該重合ウレタンを基材とするフ
ィルム、層または膜に組み込むことができる。しかし、
いずれの場合にも、重合ウレタンを基材とするフィル
ム、層または膜は、該フィルム、層または膜が蛋白を検
出する試験具において使用される前に、必要に応じて適
当な緩衝剤により処理されなければならない。そのう
え、重合ウレタンを基材としたフィルム、層または膜
は、試験試料中のベンス・ジョーンズ蛋白の検出及び測
定を可能にするに適した多孔性を有しなければならな
い。また、重合ウレタンを基材とするフィルム、層また
は膜を本発明の二指示試薬組成物とともに利用して液体
試料の蛋白総含有量を試験することができるように、比
較的高分子量の蛋白、例えばアルブミンによる浸透を許
すのに充分なほど高い多孔性を有する重合ウレタン基材
のフィルム、層または膜を製造することができることを
も理解すべきである。
適切な多孔性の重合ウレタンを基材とするフィルム、層
または膜を得るには、ウレタン化合物、例えばウレタン
プレポリマーを、重合性ウレタン含有組成物の成分とし
て、完全に硬化していない形態で包含せしめる。重合性
ウレタン化合物は、液状ビヒクル(液状媒体)中に分散
または溶解される。液状ビヒクルは、重合性ウレタン含
有組成物の硬化の間に分散液または溶液から除去可能
で、重合性ウレタン含有化合物が連続性のある層、フィ
ルムまたは膜として乾燥及び硬化することを可能にす
る。硬化した層、フィルムまたは膜は、比較的小さな低
分子蛋白の透過を思い掛けなくも可能にし、比較的大き
な高分子蛋白を排除することを可能にする正確な孔径を
有する。重合性ウレタンが基材のフィルム、層または膜
は、したがって、ベンス・ジョーンズ蛋白の試験用に設
計された乾式試薬試験細片のキャリヤーマトリックスと
して機能するのに適している。液状ビヒクル連続相中に
分散または溶解したウレタン化合物は、オリゴマー、プ
レポリマーまたは完全に硬化していないポリマーである
ことができる。重合性ウレタン含有組成物は、硬化に先
立ち二指示試薬組成物と混合することができる。そし
て、二指示試薬組成物を含むキャリヤーマトリックス
が、ウレタン含有組成物を硬化させることにより、層状
に成形される。このキャリヤーマトリックスを、細片
に、それからパッドに裁断し、プラスチックのハンドル
に固定する。
重合またはさらなる重合が可能なウレタン化合物、例え
ばオリゴマー、プレポリマー、完全に硬化していないポ
リマーもしくはそれらの混合物を含む重合性ウレタン含
有組成物は、硬化中に液状ビヒクル連続相が除去されて
硬化または重合する際に、硬化したフィルム、層または
膜を成形し、低分子蛋白に対しては予想外に充分な透過
性を有し、比較的高分子の蛋白に対しては実質的に透過
性を有しないフィルム、層または膜を提供することが分
かった。ウレタン化合物は、連続相中に例えば乳化剤を
含ませることにより溶解または分散させた後、いかなる
公知の方法によっても硬化することができる。そのう
え、ウレタン化合物の溶液または分散液は、適当な硬化
触媒を含むことができるか、あるいは、重合性ウレタン
化合物の溶液または分散液が、完全に硬化していない溶
液または分散液の形態で層として塗布される限り、熱硬
化することができる。一般に、本発明に従って有用であ
るウレタン化合物は、液状ビヒクル、例えばジメチルホ
ルムアミドのような有機溶媒中に溶解または分散するこ
とができるウレタン化合物であり、溶解または分散した
形態で重合性であり、硬化すると実質的に無色で連続し
たフィルム、層もしくは膜を与える。
本発明の一実施態様によると、重合性ウレタン化合物
は、ウレタンプレポリマー、特に、プレリマーの鎖の各
端がイソシアネート官能基で終了する実質的に繰返しの
ウレタン単位から成るウレタンプレポリマーである。ウ
レタン化合物は、その性質において中性またはカチオン
性であるか、あるいは、中性ウレタン化合物とカチオン
性ウレタン化合物の組み合わせが使用できる。適当な市
販ウレタンプレポリマーの例としては、DESMODERM KBH
GRANULATE及びDESMODERM KPK DISPERSIONがあり、双方
ともBAYER AG社から市販されている。
「ウレタンプレポリマー」という呼称は、ウレタンの繰
返し単位から成る実質的に線状のポリマーを指すと理解
される。ウレタンプレポリマーは、分子あたり少なくと
も二つのイソシアネート官能基を有し、ポリウレタンポ
マーは、少なくとも50,000の重量平均分子量(Mw)を有
する。50,000未満、例えば約30,000の重量平均分子量の
ウレタンプレポリマーもまた、該プレポリマーが硬化時
に連続フィルム、層または膜を成形する限り、有用であ
る。最大Mwは、ウレタンプレポリマーが液状ビヒクルま
たは連続相、例えばジメチルホルムアミドのような有機
溶媒中に溶解または分散されるときのMwである。完全に
硬化していない分散ウレタンプレポリマーについては、
約500,000までの重量平均分子量が本発明について実用
的であると予測される。硬化すると、フィルム、層また
は膜の分子量に対しては上限がない。本発明の利点を最
大に利用するには、重合性ウレタンプレポリマーのMw
は、約70,000から約80,000のMw範囲内であることが分か
った。
本発明の方法において有用であるウレタン化合物、例え
ばウレタンプレポリマーは、イソシアネート含有モノマ
ー、ヒドロキシル含有モノマー及び適当な第三のモノマ
ー単位をウレタンプレポリマーに共重合させることによ
りウレタン化合物に組み込まれる他のモノマー単位を含
ませることができる。同様に、本発明の方法において有
用なポリウレタン化合物は、性質において中性(DESMOD
ERM KBH)、アニオン性またはカチオン性(DESMODERM K
PK)のいずれかであることができる。特にDESMODERM KP
Hは、エチレングリコール70モル%及び1,4−ブタンジオ
ール(Mw=2,000)30モル%を含むアジピン酸のポリエ
ステル75部;アジピン酸及び1,4−ブタンジオール(Mw
=2,250)のポリエステル25部;1,4−ブタンジオール25
部;及びジフェニルメタンジイソシアネート85部を反応
させることにより得られる熱可塑性粒状重合ウレタン物
質である。カチオン性ウレタンは、一般に、ポリイソシ
アネート、ポリオール及びヒドロキシル含有第3級アミ
ンの反応により成形され、この反応では、ポリーウレタ
ンのアミン部はその後有機酸により中和され、続いて、
この中和された重合ウレタンが水中に分散される。した
がって、DESMODERM KPKは、アジピン酸、フタル酸及び
エチレングリコール(Mw=1,700)のポリエステル200
部;トルエンジイソシアネート50部;N−メチルジエタノ
ールアミン20部;及びp−キシリレンジクロリド6部の
反応生成物であるカチオン性の乳化剤を含まない重合ウ
レタン分散液である。
いずれにしても、本発明で利用されるウレタン化合物
は、ウレタン含有組成物のその他の成分と混合した後に
硬化し、低分子蛋白に対しては透過性を示し、比較的高
分子量の蛋白に対しては不透過性を示す物理的構造及び
電荷構造を有するフィルム、層または膜を与えなければ
ならない。そのうえ、ウレタン含有組成物は、中性ウレ
タン化合物、カチオン性ウレタン化合物または中性ウレ
タン化合物とカチオン性ウレタン化合物の混合物のいず
れかを含むことができる。ウレタン化合物は、ウレタン
含有組成物中に、ウレタン含有組成物の総重量に基づい
た約3重量%から約30重量%、好ましくは約5重量%か
ら約20重量%の範囲内で存在する。
以下、より詳しく述べるとおり、ウレタン含有組成物に
使用されるウレタン化合物の割合及びウレタン化合物の
性質、つまり中性、カチオン性または中性/カチオン性
の混合は、色の分解度、発色の安定性及び発色の速度に
影響する。したがって、本発明の方法によると、ウレタ
ンを基材としたキャリヤーマトリックスを含む被検体試
験具は、必要に応じて、色分解度の改善、色安定性の増
大または発色速度の増加を考慮して設計することができ
る。
重合性ウレタン化合物に加え、キャリヤーマトリックス
を成形するために使用される重合性ウレタン含有組成物
は、無機相が水不溶性の無機化合物、例えば硫酸バリウ
ムを含む分散した無機相を含んでいる。
ウレタン含有化合物には、ウレタン含有組成物の総重量
に基づき、水不溶性無機化合物、例えば硫酸バリウム約
15〜約40重量%、好ましくは約20〜約30重量%が充填剤
として含まれている。充填剤として用いる無機化合物の
厳密な種類は、該充填剤が白色であり、指示薬色素と蛋
白との相互作用の際の色の検出及び測定に干渉しない限
り、さらに無機充填剤が本質的に水不溶性であり、この
ため溶解したアニオン及び/またはカチオンが蛋白試験
に対して化学的または物理的に干渉するよう作用しない
限り、重要ではない。したがって、本発明の方法に従っ
て用いられる水不溶性無機化合物には、硫酸カルシウ
ム、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、二酸化珪素、タルク、酸化マグ
ネシウムアルミニウム、酸化マグネシウムチタン、酸化
バリウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム及びその
他白色の水不溶性無機化合物、特に酸化物、またはそれ
らの混合物がある。
不溶性無機化合物がウレタン含有組成物に粉末として組
み込まれ、該不溶性無機化合物が該ウレタン含有組成物
全体に亘って均一に分散することを確実にする。それに
加え、不活性無機化合物を粉末の形態で利用することに
より、不溶性無機化合物は、硬化工程の間、ウレタン含
有組成物全体に亘って均一に分散した状態に維持され
る。不溶性無機化合物の均一な分散により、その中に均
一に分散した不溶性無機化合物を有する重合ウレタンを
基材とするフィルム、層または膜が提供される。
重合性ウレタン含有組成物はまた、不溶性無機化合物を
湿潤することを促進し、その結果不溶性無機化合物をウ
レタン含有組成物全体に均質に分散させることを助長す
るアニオン性界面活性剤を含むこともできる。アニオン
性界面活性剤は、ウレタン含有組成物の総重量に基づい
た0重量%から約5重量%までの範囲で存在することが
できる。アニオン性界面活性剤は、さらに、蛋白と二指
示試薬組成物との接触の結果で発生する色を安定させる
べく作用することができる。本発明の方法で有用である
とされるアニオン性界面活性剤は必ずしも特定のタイプ
に限定されず、アンモニウム、アルキルアンモニウム、
カリウム及び/またはナトリウムドデシルベンゼンスル
ホネート、アルキルスルホネート、シリルアルキルスル
ホネート、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、ジオ
クチルスルホサクシネート、α−オレフインスルホネー
ト及びアルキルサルコシネート、またはそれらの混合物
がある。
さらに、他の界面活性剤、例えばジメチルポリシロキサ
ン液のような珪素含有材料は、ウレタン含有組成物の総
重量に基づいた2重量%までの範囲で該ウレタン含有組
成物に組み込むことができる。これら珪素含有物質は、
表面張力が低いことから、不溶性無機化合物の湿潤をさ
らに促進し、またウレタン含有組成物の表面張力を変化
させ、レベリング効果を与えて平滑で「磨かれた」フィ
ルム、層または膜を均一な厚さで与える。
先に述べたように、ウレタン含有組成物はまた、ウレタ
ン化合物及び存在が考えられるいかなるアニオン性界面
活性剤もしくは珪素含有物質をも可溶化及び/または分
散させることができる液状ビヒクル、例えば有機溶媒を
含む。液状ビヒクルはまた、不溶性無機塩を分散させる
ことができなくてはならない。有機溶媒は、ウレタン化
合物と反応しないよう、比較的不活性でなくてはなら
ず、溶媒は、比較的低い温度で蒸発して乾燥ウレタンを
基材とするフィルム、層または膜を提供しなければなら
ない。有機非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドン及びジメチルスルホキシド
は、ウレタン含有組成物の成分を溶解及び分散するため
に必要な溶解力を提供し、溶媒とウレタン化合物との反
応を阻止するために必要な不活性を提供し、溶媒を含ま
ない重合ウレタンを基材とするフィルム、層または膜を
提供するために必要な蒸気圧を有する。硬化中に除去さ
れた液状ビヒクルは、ウレタン含有組成物中に少なくと
も30%の量で含まれ、好ましくは、重合性ウレタン含有
組成物の総重量に基づいた少なくとも50重量%から約90
重量%の量で存在する。
本発明の一実施態様に従い、重合性ウレタン含有組成物
を実施例1で概説した処方に従って混合した。そして、
実施例1のウレタン含有組成物A及びBを、同一の硬化
工程に従って、ウレタンを基材とするフィルム、層また
は膜に変換した。
実施例1 ウレタン含有組成物−A DESMODERM KBH(中性ウレタン) 7.3% ナトリウムジオクチル スルホサクシネート 0.2% 硫酸バリウム 22.0% ジメチルポリシロキサン液 1.4% ナトリウムドデシル ベンゼンスルホネート 1.4% DESMODERM KPK(カチオン性ウレタン) 10.0% ジメチルホルムアミド 57.7% 合計 100.0% ウレタン含有組成物−B DESMODERM KBH(中性ウレタン) 5.8% Dralon U 1.6% ナトリウムドデシル ベンゼンスルホネート 0.3% タルク 28.3% ジメチルポリシロキサン液 0.1% ジメチルホルムアミド 63.9% 合計 100.0% Dralon Uは、構造式Iで示される一般構造を有する平均
分子量が48,000のスルホン化ポリマーである。
実施例1の組成物A及び組成物Bの製造にあたっては、
該組成物が均質になるまで、高速ミキサーを使用して各
成分を徹底的に混合した。組成物AまたはBのいずれか
をフィルム、層または膜に硬化させるため、該組成物を
透明で不浸透性のプラスチックの支持体上に塗布した。
塗布した組成物の厚さは、ドクターブレードを用いて約
150μ〜約750μの湿潤厚さに調製した。プラスチックの
支持体にウレタン含有組成物を塗布した直後、該プラス
チック支持体を約25〜約43℃の恒温に維持した循環水浴
中に浸漬した。組成物を塗布した支持体を、30分から16
時間の間、水浴に浸漬することにより、ウレタン含有組
成物を該水浴中で硬化させた。硬化後、フィルム、層ま
たは膜は、自然乾燥またはオーブン乾燥させた。その
後、先に説明したように、二指示試薬組成物のような試
薬を、乾燥したフィルム、層または膜に含浸させた。他
の方法として、二指示試薬組成物を特徴とする試薬がウ
レタン含有組成物の製造に使用される有機溶媒、例えば
ジメチルホルムアミド中に可溶性であり、さらに二指示
薬組成物を特徴とする試薬が水可溶性である場合、硬化
に先立ち、該試薬をウレタン含有組成物中に組み込ま
せ、該ウレタン含有組成物を支持体に塗布した。
試験試薬中の蛋白の量を検出及び測定するために二指示
試薬組成物を使用することから生れた新規で思い掛けな
い結果を示し、さらに、特に試験試料中の低分子蛋白、
例えばベンス・ジョーンズ蛋白の検出及び測定に関し、
二指示試薬組成物をウレタンを基材とするフィルム、層
または膜に組み込むことから生れた驚くべき結果を示す
ために、総蛋白試験ならびに濾紙の吸水性マトリックス
とウレタン基材のキャリヤーマトリックスに含浸した単
一の指示薬を含む乾式試験細片及び二指示試薬組成物を
濾紙の吸水性マトリックスと重合ウレタン基材のキャリ
ヤーマトリックスに含浸させることにより得られるベン
ス・ジョーンズ蛋白試験について、色空間プロットを作
成した。
図1〜4は、四つのアルブミン標準溶液及びベンス・ジ
ョーンズ蛋白標準溶液と、濾紙または重合ウレタン基材
のフィルム、層もしくは膜から成るキャリヤーマトリッ
クスに含浸した単一指示薬色素あるいは二指示試薬組成
物のいずれかを含む種々の乾式試験細片とを接触させて
得た色空間プロットである。
例えば、図1は、濾紙のキャリヤーマトリックスに含浸
した単一指示薬であるテトラブロモフェノールブルー
(TBPB)を含む乾式試験細片と、アルブミン0mg/dL
(0)、アルブミン100mg/dL(10)、アルブミン50mg/d
L(50)、アルブミン100mg/dL(100)及びベンズ・ジョ
ーンズ蛋白(BJ)100mg/dLを含む標準溶液とを接触させ
た結果から作成した色空間プロットである。図2は、濾
紙のキャリヤーマトリックスに含浸したテトラブロモフ
ェノールブルー(TBPB)及びメチルオレンジ(MO)を含
む二指示試薬組成物を含む乾式試験細片を用いて、同じ
アルブミン及びベンズ・ジョーンズ蛋白の標準溶液に接
触させた結果から作成した色空間プロットである。同様
に、図3は、標準蛋白溶液と、実施例1の組成物Aを硬
化させることにより得られる重合ウレタンを基材とする
フィルムに組み込んだ単一の指示薬であるテトラブロモ
フェノールブルー(TBPB)を含む乾式試験細片とを接触
させることにより得られた色空間プロットである。図4
は、標準蛋白溶液と、実施例1の組成物Bを硬化させる
ことにより得られる重合ウレタンを基材とするフィルム
に組み込んだテトラブロモフェノールブルー(TBPB)及
びメチルオレンジ(MO)を含む二指示試薬組成物を含む
乾式試験細片とを接触させることにより得られた色空間
プロットである。
図1〜4に示すように、色空間プロットは、三つの軸、
つまりL、A、Bの各軸を含む。垂直軸上にプロ
ットされたLの値は、色の強さの尺度であり、これに
よると大きなLの値は淡い色を示し、L=0であれ
ば、完全な黒色を表わす。水平のA軸は、緑から赤へ
の変色の尺度であり、これによるとAの値がより正に
なるにつれ、より赤色に近くなり、同様に、Aの値が
より負になるにつれ、より緑色に近くなる。同じく、第
三の軸Bは、青から黄色への変色の尺度であり、これ
によるとBの値が大きくなるにつれ、より黄色に近く
なり、同様に、Bの値が小さくなるにつれ、より青色
に近くなる。
色空間偏差(△E)は以下の方程式から計算される。
(式中、L1 、A1 及びB1 は、第一の標準蛋白溶液に
ついて決定した色空間値であり、L2 、A2 及びB
2 は、第一の標準蛋白溶液とは異なる蛋白濃度を有す
る第二の標準蛋白溶液から決定した色空間値であり、△
Eは、第一及び第二の標準蛋白溶液の色空間プロット間
の色空間偏差である)。
色空間偏差(△E)は、三次元色空間プロットにおける
二点間の直線距離である。理論上は、「1」の色空間偏
差は、肉眼で区別できる最小の色の偏差である。しか
し、個人の視覚能力間の本来の差のため、色を実際に自
信を持って区別するには約「5」の色空間偏差(△E)
が要求される。
図1〜図4の色空間プロット上に記入したL、A
びBの値は、400nm(ナノメートル)と700nmとの間で
均等間隔を置いた16の異なる波長において採取した反射
率測定値を基に、この分野では周知である標準的な方程
式を用いて算出した。一般に、16の異なる波長のそれぞ
れにおける反射率にその波長における光度を掛けた。さ
らに、これらの値に、赤、緑及び青の各色についての標
準重み関数を掛け、最後に合計した。これらの計算によ
り三刺激値X、Y及びZが得られ、L、A及びB
は、X、Y及びZの三刺激値から以下の方程式を用いて
算出した。
=116X[(Y/Yo)1/3−16)] (方程式2) A=500X[(X/Xo)1/3−(Y/Yo)1/3] (方程式3) B=200X[(Y/Yo)1/3−(Z/Zo)1/3] (方程式4) [式中、Xo、Yo及びZoは、完全な白色(すなわち、反射
率=全波長で100%)の場合の三刺激値であり、X、Y
及びZは、400nmと700nmの間の16波長から上述のとおり
算出した三刺激値である] 図1〜4の色空間プロットから色空間偏差(△E)を算
出し、表IIIに要約した。表IIIを解釈する際、△E(Al
b10−0)という表記は、アラブミン10mg/dLを含む蛋白
溶液の蛋白試験とアルブミン0mg/dLを含む蛋白溶液の蛋
白試験との間での色空間偏差である。同様に、△E(Al
b50−0)という表記は、蛋白質50mg/dLを含む蛋白溶液
の蛋白試験と蛋白0mg/dLを含む蛋白溶液の蛋白試験との
間での色空間偏差である。△E(Alb100−0)及び△E
(BJ100−0)という表記も同様に定義される。
図1の色空間プロット及び表示IIIにおいて例証したと
おり、濾紙のキャリヤーマトリックスに含浸した単一の
指示薬、テトラブロモフェノールブルーのみを有する乾
式試験細片を用い、アルブミン及びベンス・ジョーンズ
蛋白を含む標準溶液を対象に蛋白試験を実施した。図1
及び表IIIより、アルブミン10mg/dLを含む溶液と、アル
ブミンを含まない溶液との間の色空間偏差は、4.8であ
ると理解される。肉眼では通常約5の色空間偏差を有す
る色の間でしか識別できないことから、そのような試験
では試料がアルブミンを含むかどうかについて結論を出
すことができない。すなわちアルブミン0mg/dLの溶液に
接触している試験細片と、10mg/dLの試験細片に接触し
ている試験細片との間の色の偏差が測定できないからで
ある。測定者は、せいぜい、試験中には0mg/dLから約10
mg/dLのアルブミンが含まれると推測できる程度であっ
た。
同様に、図1及び表IIIは、濾紙のマトリックスに含浸
した単一色素を有する試験具により提供される色空間偏
差が4.4、すなわち通常肉眼ではほとんど検出できない
色空間偏差でしかないことから、測定者が、ベンス・ジ
ョーンズ蛋白を0mg/dLから約100mg/dL含んだ試験試料中
のベンス・ジョーンズ蛋白の濃度を測定できなかったこ
とを示している。表III及び図1は、さらに、色空間偏
差がそれぞれ19.2と25.5であることから、50mg/dL〜100
mg/dLのアルブミンの存在の結果である色の偏差を検出
することができることを示す。
しかし、驚くべきことであり、思い掛けないことである
が、濾紙のマトリックスを本発明の二指示試薬組成物で
含浸することにより、測定者はアルブミン0mg/dLを含む
試料とアルブミン10mg/dLを含む試料とを視覚的に識別
することがでしきた。図2及びび表IIIから、アルブミ
ン10mg/dLを含む溶液とアルブミンを含まない溶液との
間の色空間偏差(△E)は、テトラブロモフェノールブ
ルー及びメチルオレンジを含む二指示試薬組成物を使用
した場合、9.1であった。この程度の色空間偏差は肉眼
で認識するには充分であり、図1の単一指示薬色素によ
り得られる4.1の色空間偏差に比べ本質的な向上を示
す。同様に、ベンス・ジョーンズ蛋白100mg/dLの溶液と
ベンス・ジョーンズ蛋白0mg/dLの溶液との間の色空間偏
差が12.2であることから、測定者は、試験試料中のベン
ス・ジョーンズ蛋白を視覚的に検出することができた。
この程度の色の偏差は、肉眼による色の識別を可能にす
るには充分である。同様に、表III及び図2は、アルブ
ミンを含まない溶液に比較し、アルブミン50mg/dL及び1
00mg/dLを含む溶液についての色の識別の改善を示す。
図3に関しては、重合ウレタンを基材としたフィルム、
層またはマトリックスに含浸させた単一指示薬色素で
は、試験試料中の低い値のアルブミンの有無及び濃度を
測定する方法は提供されないことが実証された。アルブ
ミン10mg/dLを含んだ溶液については、アルブミン0mg/d
Lを含んだ対照溶液との間での色空間偏差(△E)は3.2
にすぎなかった。この色空間偏差では、肉眼での識別に
は不充分である。しかし、図3の色空間偏差が、濾紙の
マトリックスを使用した図1における△E4.4に対して、
29.3に増加するにつれ、重合ウレタンを基材としたフィ
ルムマトリックスは、ベンス・ジョーンズ蛋白に関して
劇的に増大した感度を提供したことは驚くべきことであ
る。
予測できないことだが、ベンス・ジョーンズ蛋白試験に
関しては、一段と感度が増大することが図4において分
かった。図4の場合では、二指示試薬組成物が重合ウレ
タンを基材としたフィルムマトリックスに組み込まれて
いた。図3に比較すると、色空間指数は29.3から48.9に
増加し、色の分解度及びベンス・ジョーンズ蛋白に対す
る感度において予測できない向上が見られた。図4は、
さらに、アルブミン10mg/dLを含んだ溶液について△E
値が、単一の指示薬色素を用いた図4における視覚的に
認知不可能な△E値である3.2に対し、視覚的に認知可
能な値の7.1にまで増加したことから、重合ウレタンを
基材とするフィルムマトリックスに組み込んだ二指示試
薬組成物をアルブミンの試験に使用する利点を示してい
る。
全般的には、図1〜4及び表IIIは、濾紙のマトリック
スまたは重合ウレタンを基材としたフィルムマトリック
スに含浸させた二指示試薬組成物が、液体試験試料中の
蛋白総合含有量、特に30mg/dL未満の低蛋白値の試験に
おいて色の分解度及び試験感度を改善することを示して
いる。本発明の方法及び組成物により、試薬含有キャリ
ヤーマトリックスと蛋白を0mg/dLから10mg/dLの間の値
で含んだ試験試料との接触の結果である変色を視覚的に
識別することができ、このためより正確で信頼性の高い
試験が提供された。本発明は、さらに、分析の妨害とな
る高分子蛋白を本質的に除去するキャリヤーマトリック
スを提供することにより、そして低濃度の低分子蛋白の
検出及び測定を可能とするに充分な感度を有する試験組
成物を提供することにより、試験試料中のベンス・ジョ
ーンズ蛋白及びその他の低分子蛋白について迅速かつ正
確に試験する方法を提供した。
二指示試薬組成物を用いると、キャリヤーマトリックス
が濾紙であるか、重合ウレタンを基材とするフィルム、
マトリックス、膜または層であるかに係わらず、色の差
異が強調されることが実証された。さらに、重合ウレタ
ンを基材としたフィルムマトリックスにおいて二指示試
薬組成物を用いることにより、低分子蛋白に対する感度
の劇的な増大が見られ、その結果、低分子蛋白の試験に
対して簡易な乾式試験細片手法が提供された。図1〜4
及び表IIIにおいて実証したとおり、ベンス・ジョーン
ズ蛋白100mg/dLを含んだ溶液を濾紙のマトリックスに組
み込んだ単一の指示薬色素を用いて試験した場合、ベン
ス・ジョーンズ蛋白を含まない溶液の試験と比較して、
感知不可能な色偏差である4.4が得られた。しかし、色
の分解度及び試験感度は、該単一色素を重合ウレタン含
有のマトリックスに組み込むことで改良され、これによ
り色偏差は容易に感知可能な値である29.3となった。そ
のうえ、重合ウレタンを基材とするフィルムマトリック
スに組み込んだ二指示試薬組成物を使用すると、さら
に、色偏差が48.9という思い掛けない値にまで増加する
ほど、色分解度及び試験感度が劇的に向上した。
低分子蛋白の試験において重合ウレタンを基材としたフ
ィルム、層または膜を二指示試薬組成物のキャリヤーマ
トリックスとして使用することに関しては、すべてのウ
レタン基材のフィルムマトリックスが蛋白含有溶液との
接触に同等に反応するわけではなく、したがって、いく
つかのウレタン基材のマトリックスは、高いブランク色
の発生度、蛋白値間での色の識別の不充分さ及び/また
は水性相への色の浸出が理由で、不適当であることが分
かった。実施例1の組成物A及び組成物Bを硬化させる
ことにより得られる重合ウレタンを基材とする二つのマ
トリックスは、これらの欠点を示さず、したがって好ま
しいことが示された。しかし、組成物A及びBは、良好
な蛋白測定を行なうために本発明の方法に従ってマトリ
ックスとして用いることができる唯一の組成物でないこ
とは強調されるべきである。
それにもかかわらず、実施例1の組成物Aまたは組成物
Bのいずれかを硬化させることによって得られる膜、層
またはフィルムには長所及び短所がある。例えば、実施
例1の組成物Aを硬化させることによって得られる膜ま
たはフィルムは、試験試料が膜から拭き取られて乾燥し
た後でも、優れた色の識別及び優れた色の安定性を提供
する。例えば、実施例1の組成物Aを硬化させることに
よって得られる膜またはフィルムを用いた被検体試験具
については、アルブミンまたはベンス・ジョーンズ蛋白
との接触の結果である変色は、数日間にわたって色の強
さまたは深さにおいて目に見える劣化は示さなかった。
しかし、組成物Aから得られたフィルムの色の発色は遅
く、したがって、このフィルムは、通常の含浸/読取り
の形態で使用される場合、制限を受けるかもしれない。
その結果、組成物Aから得られたフィルムマトリックス
を使用した場合、ピペットを使って試験試料をフィルム
マトリックス上に移し、約2分間フィルムマトリックス
と接触させた。そして、アルブミンとの接触に応答して
発生した色を、視覚または機器を使用して、また、試験
試料がマトリックスと接触したままの状態または試料が
マトリックスから拭き取られた後で測定した。
実施例1の組成物Bを硬化させることによって得られた
ウレタンを基材としたフィルムマトリックスもまた、非
常に良好な色分解度及び識別を提供した。しかし、実施
例1の組成物Aを硬化させて成形したキャリヤーマトリ
ックスと異なり、実施例1の組成物Bを硬化させること
によって得られたフィルムマトリックス上の色の発色は
速く、したがって、このフィルムマトリックスは、アル
ブミンの試験において通常の含浸/読取り形式で使用す
ることができた。しかし、ベンス・ジョーンズ蛋白の試
験においては色の発色は遅く、発色が完了するには2分
間が必要であった。したがって、変色を起こさせるに
は、試験細片を比較的長時間、尿試料中に含浸したまま
になければならないであろう。この欠点を克服するに
は、尿試料を試験パッド上にピペットで移し、応答の有
無について試験細片を検査する前に2分間の反応時間を
置く。そのうえ、試料をマトリックスから拭き取った
後、含有蛋白に応答して発生した色は褪せ始め、このた
め、変色の程度及び深さは、液体試験試料を試験細片か
ら除去した直後に測定しなければらない。
したがって、本発明の重要な特徴によると、尿またはそ
の他の液体試験試料中の蛋白総含有量または低分子蛋白
含有量のより正確でより信頼性が高い試験を二指示試薬
組成物を用いて実施することができる。二指示試薬組成
物は、試験の色分解度を改善し、したがって、試験の感
度、特に約30mg/dL及びそれ以下の低いアルブミン値で
の感度を改善する。さらに、重合ウレタンを基材とする
膜、フィルムまたは層を二指示試薬組成物のキャリヤー
マトリックスとして含む乾式試験細片を用いて試験を実
施することにより、試験試料中の低分子蛋白、例えばベ
ンス・ジョーンズ蛋白の有無及び/または濃度を測定す
る新規で思い掛けないほど正確な方法が提供される。
本発明の精神及び範囲に反することなく、以上に述べた
本発明の数多くの修正及び変更を構成することができる
ことは明らかであり、したがって、添付の特許請求の範
囲に明記したような限定以外は課されるものではない。
【図面の簡単な説明】 図1は、単一の指示薬色素、テトラブロモフェノールブ
ルー(TBPB)を組み込んだ濾紙の吸水性マトリックスを
から成る乾式試験細片を使用した場合の、アルブミンを
それぞれ0、10、50及び100mg/dL含む液体試料ならびに
ベンス・ジョーンズ蛋白100mg/dLを含む液体試料の試験
を示す色空間プロットであり; 図2は、二指示薬色素、テトラブロモフェノールブルー
(TBPB)及びメチルオレンジ(MO)を組み込んだ濾紙の
吸水性マトリックスから成る乾式試験細片を使用した場
合の、アルブミンをそれぞれ0、10、50及び100mg/dL含
む液体試料ならびにベンス・ジョーンズ蛋白100mg/dLを
含む液体試料の試験を示す色空間プロットであり; 図3は、単一の指示薬色素、テトラブロモフェノールブ
ルー(TBPB)を組み込んだ重合ウレタン含有フィルムか
ら成るキャリヤーマトリックスを含む乾式試験細片を使
用した場合の、アルブミンをそれぞれ0、10、50及び10
0mg/dL含む液体試料ならびにベンス・ジョーンズ蛋白10
0mg/dLを含む液体試料の試験を示す色空間プロットであ
り; そして 図4は、二指示薬色素、テトラブロモフェノールブルー
(TBPB)及びメチルオレンジ(MO)を組み込んだ重合ウ
レタン含有フィルムから成るキャリヤーマトリックスを
含む乾式試験細片を使用した場合の、アルブミンをそれ
ぞれ0、10、50及び100mg/dL含む液体試料ならびにベン
ス・ジョーンズ蛋白100mg/dLを含む液体試料の試験を示
す色空間プロットである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質と接触した場合に、第一の色から第
    二の色への検出可能かつ測定可能な変色をすることがで
    きる第一の指示薬色素; 第一の指示薬色素とほぼ同等なpHにおいて蛋白質と接触
    した場合に、第一の指示薬色素の第二の色と異なる色へ
    の検出可能かつ測定可能な変色をすることができる第二
    の指示薬色素;及び 第一の指示薬色素の変色pH及び第二の指示薬色素の変色
    pHに充分に近似した一定のpHを維持するための適当な緩
    衝剤 から成ることを特徴とする、液体試料中の蛋白の有無及
    び/又は濃度を測定するための二指示試薬組成物。
  2. 【請求項2】液体試料と、請求項1の二指示試薬組成物
    とを接触させ、該二指示試薬組成物中の指示薬色素の変
    色の強さ及び/又は程度から液体試料中の蛋白の有無及
    び/又は濃度を測定する方法。
  3. 【請求項3】支持細片、該支持細片に取付けられた試薬
    試験パッド及び該試薬試験パッドに組み込まれた請求項
    1の二指示試薬組成物からなる、液体試験試料中の蛋白
    の有無及び/又は濃度を測定するための試験具。
  4. 【請求項4】液状媒体中に分散した重合性ウレタン化合
    物を重合させて成るマトリックス層が、請求項1の二指
    示試薬組成物を均一に含み、蛋白に対して透過性である
    ことを特徴とする、液体試験試料中の蛋白の有無/又は
    濃度を測定するための試験具。
  5. 【請求項5】液状媒体中に分散した重合性ウレタン化合
    物を重合させて成るマトリックス層が、蛋白指示試薬組
    成物を均一に含み、蛋白質に対して透過性であることを
    特徴とする、液体試験試料中の蛋白の有無及び/又は濃
    度を測定するための試験具。
  6. 【請求項6】液状媒体中に分散した完全には硬化してい
    ない重合性ウレタン化合物に、蛋白指示試薬組成物を混
    合して試薬含有マトリックス材を形成させ;該試薬含有
    マトリックス材を層状に成形して層を形成させ;かつ該
    層が蛋白に対して透過性をもつように、該層を乾燥して
    該液状媒体を除去しながら該重合性ウレタン化合物を重
    合させることを特徴とする、液体試験試料中の蛋白の有
    無及び/又は濃度を測定するための試験具の製法。
  7. 【請求項7】液状媒体中に分散した完全には硬化してい
    ない重合性ウレタン化合物を層状に成形して層を形成さ
    せ;該層が蛋白に対して透過性をもつように、該層を乾
    燥して該液状媒体を除去しながら該重合性ウレタン化合
    物を重合させ;乾燥した該層に、蛋白指示試薬組成物を
    接触させて含浸させ;かつこの含浸させた該層を乾燥す
    ることを特徴とする、液体試験試料中の蛋白の有無及び
    /又は濃度を測定するための試験具の製法。
  8. 【請求項8】請求項5の試験具の表面に液体試験試料を
    接触させて、該蛋白指示試薬組成物の変色の程度に基づ
    いて蛋白の有無及び/又は濃度を測定する方法。
  9. 【請求項9】ベンスジョーンズ蛋白を測定するための請
    求項6又は7の試験具の製法。
JP1246631A 1988-09-30 1989-09-25 蛋白を試験するための試験具及び試験方法 Expired - Fee Related JPH0752199B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/251,297 US5049358A (en) 1988-09-30 1988-09-30 Composition and test device for assaying for proteins
US251297 1988-09-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02122264A JPH02122264A (ja) 1990-05-09
JPH0752199B2 true JPH0752199B2 (ja) 1995-06-05

Family

ID=22951329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1246631A Expired - Fee Related JPH0752199B2 (ja) 1988-09-30 1989-09-25 蛋白を試験するための試験具及び試験方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5049358A (ja)
EP (1) EP0361244B1 (ja)
JP (1) JPH0752199B2 (ja)
AU (1) AU613508B2 (ja)
CA (1) CA1337752C (ja)
DE (1) DE68917399T2 (ja)

Families Citing this family (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2001557A1 (en) * 1988-12-19 1990-06-19 Timothy M. Coryn Test method and device for total protein assay
US5330917A (en) * 1989-02-02 1994-07-19 Hybrivet Systems, Inc. Test swab device and method of detecting lead, mercury, arsenic, and bismuth
US5364792A (en) * 1989-02-02 1994-11-15 Hybrivet Systems, Inc. Test swab and method of making and using same
US5550061A (en) * 1989-02-02 1996-08-27 Hybrivet Systems, Inc. Test swab and method of using same
US5096833A (en) * 1990-05-29 1992-03-17 Miles Inc. Method and device for determining protein using carrier matrix composed of urethane, water insouble inorganic compound and insoluble organic compound and method of making the device
US5155046A (en) * 1990-08-10 1992-10-13 Puritan-Bennett Corporation System and method for measuring oxygen in the presence of halothane
US6468805B1 (en) 1990-10-10 2002-10-22 Chimera Research And Chemical Inc. Automated analyzer testing of urine for presence of a pH abnormality
US5801060A (en) * 1990-10-10 1998-09-01 Chimera Research & Chemical, Inc. Method of using automated analyzer testing of urine for presence of a pH abnormality with single reagent indicator
CA2107905A1 (en) * 1991-04-08 1992-10-09 Kenneth Allen Blake Multilayer test device matrix structure
DE69213826T2 (de) * 1991-06-06 1997-01-30 Bayer Ag Teststreifen mit Merocyanin und Nitro- oder Nitroso-substituierten polyhalogenierten Phenolsulfonphthaleinen als Protein-Indikatoren
EP0600004B1 (en) * 1991-08-23 1998-12-02 The Gillette Company Sustained-release martrices for dental application
US5340581A (en) * 1991-08-23 1994-08-23 Gillette Canada, Inc. Sustained-release matrices for dental application
US5326707A (en) * 1991-11-29 1994-07-05 Miles Inc. Composition and device for urinary protein assay and method of using the same
US5267532A (en) * 1992-05-05 1993-12-07 Anitox Corporation pH-indicating material and cat litter containing same
JP3207738B2 (ja) * 1996-01-15 2001-09-10 株式会社東芝 樹脂封止型半導体装置及びその製造方法
US5662067A (en) * 1996-04-29 1997-09-02 Cherokee Sun Corporation Insect repelling cat litter
IT1292163B1 (it) * 1997-06-13 1999-01-25 Giorgio Torelli Dispositivo immunocromatografico a fissazione dell'analita
US6602677B1 (en) 1997-09-19 2003-08-05 Promega Corporation Thermostable luciferases and methods of production
DE19741335C1 (de) * 1997-09-19 1999-06-10 Bosch Gmbh Robert Sensormembran einer Optode sowie Verfahren, Vorrichtung und deren Verwendung zur Bestimmung von Gasen in Gasgemischen
US5908787A (en) * 1997-09-23 1999-06-01 Bayer Corporation Total protein detection method
US20030044856A1 (en) * 1997-09-26 2003-03-06 Puschett Jules B. Method of determining volume dependent hypertension through protein reduction in phosphorylation or concentration and related apparatus
US20010039010A1 (en) * 1998-09-03 2001-11-08 Leigh Alexander Burgoyne Sample collection medium incorporating material for sample visualization
GB9823468D0 (en) 1998-10-28 1998-12-23 Secr Defence Novel enzyme
GB9925161D0 (en) 1999-10-26 1999-12-22 Secr Defence Novel enzyme
DE10035911A1 (de) * 2000-07-21 2002-02-07 Abb Research Ltd Verfahren und Sensor zum Überwachen von Flüssigkeiten
ATE390632T1 (de) * 2001-06-25 2008-04-15 Bayer Healthcare Llc Verfahren und gerät zum nachweis des gesamten proteingehaltes bei niedrigen ph-werten
EP1536233B1 (en) * 2002-08-09 2010-10-13 ARKRAY, Inc. Test piece for protein assay
WO2004015424A1 (ja) * 2002-08-09 2004-02-19 Arkray, Inc. 蛋白質測定用試験片およびその製造方法
EP1715347B1 (en) * 2004-01-23 2011-09-21 ARKRAY, Inc. Method of protein measurement
GB2426334A (en) * 2005-05-20 2006-11-22 Orion Diagnostica Oy Application of a reagent to a matrix material
JP5637278B2 (ja) * 2012-11-06 2014-12-10 栗田工業株式会社 溶解物濃度の自動測定方法
US9804154B2 (en) 2013-03-12 2017-10-31 Epinex Diagnostics, Inc. Rapid test for urine albumin and urine creatinine
AU2015231167A1 (en) * 2014-03-19 2016-09-29 Vigilant Biosciences, Inc. Device for detection of disease states and applications of same
EP3191600A1 (en) 2014-09-11 2017-07-19 Promega Corporation Luciferase sequences utilizing infrared-emitting substrates to produce enhanced luminescence
CN106370646B (zh) * 2016-08-16 2022-06-28 南阳师范学院 检测待测样品中蛋白质的方法
DE102017114537A1 (de) * 2017-06-29 2019-01-03 Endress+Hauser Conducta Gmbh+Co. Kg Sensormembran, Sensorkappe und optischer Sensor
US20200340897A1 (en) 2017-10-26 2020-10-29 Essenlix Corporation Devices and methods for monitoring liquid-solid contact time
DE102017128564A1 (de) * 2017-12-01 2019-06-06 Endress+Hauser Conducta Gmbh+Co. Kg Sensormembran, Sensorkappe, optischer Sensor und Verfahren zur Herstellung einer Sensormembran

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2643230A (en) * 1950-09-12 1953-06-23 American Cyanamid Co Universal ph indicator
US3485587A (en) * 1956-02-29 1969-12-23 Miles Lab Protein indicator
BE577056A (ja) * 1956-05-21
US3438737A (en) * 1965-10-01 1969-04-15 Miles Lab Protein test composition,device and method
US3592603A (en) * 1968-05-01 1971-07-13 A R Stryker Broad spectrum ph indicator and method
DE2510633C3 (de) * 1975-03-12 1978-07-13 Boehringer Mannheim Gmbh, 6800 Mannheim Diagnostisches Mittel zum Nachweis von Eiweiß in Körperflüssigkeiten und dafür geeignete Indikatorfarbstoffe
DE2625544C2 (de) * 1975-06-10 1986-09-11 W.R. Grace & Co., New York, N.Y. Verfahren zur Immobilisierung eines biologischen Materials und Zusammensetzung zur Durchführung des Verfahrens
SE410229B (sv) * 1976-05-11 1979-10-01 Kockums Chem Vattenhaltig komposition med reglerad ph-forskjutning vid frysning, samt sett for dess framstellning
US4125376A (en) * 1977-04-22 1978-11-14 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Method for detecting water pollutants
US4287153A (en) * 1978-09-20 1981-09-01 Towsend Marvin S Disposable article with non-leachable saline water indicator
US4376827A (en) * 1979-07-30 1983-03-15 Miles Laboratories, Inc. Composition, test device and method for determining the ionic strength or specific gravity of a liquid sample utilizing a strong polyelectrolyte
JPS58179359A (ja) * 1982-04-14 1983-10-20 Fuji Photo Film Co Ltd 蛋白質定量用多層分析材料
DE3222325A1 (de) * 1982-06-14 1983-12-15 Max Planck Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V., 3400 Göttingen Verfahren und anordnung zur messung der ionenstaerke
CA1261717A (en) * 1982-12-23 1989-09-26 John R. Bacon Method and apparatus for oxygen determination
JPH0653074B2 (ja) * 1984-02-24 1994-07-20 大日本印刷株式会社 体液検査体
DE3540526A1 (de) * 1985-11-15 1987-05-27 Bayer Ag Transparentes teststreifensystem
JPS62138758A (ja) * 1985-12-12 1987-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 一体型多層分析要素
DE3618049A1 (de) * 1986-05-28 1987-12-03 Miles Lab Verfahren zur herstellung von reagenzschichten die hydrophobe reagenzien enthalten

Also Published As

Publication number Publication date
EP0361244A3 (en) 1991-05-08
DE68917399D1 (de) 1994-09-15
AU3942789A (en) 1990-04-05
JPH02122264A (ja) 1990-05-09
DE68917399T2 (de) 1994-12-22
CA1337752C (en) 1995-12-19
EP0361244A2 (en) 1990-04-04
EP0361244B1 (en) 1994-08-10
US5049358A (en) 1991-09-17
AU613508B2 (en) 1991-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5049358A (en) Composition and test device for assaying for proteins
US5077222A (en) Method for assaying for proteins using a dual indicator reagent composition
US5240735A (en) Method of manufacturing a test article for the determination of protein
US4960710A (en) Device and method of assaying for trace mounts of proteins
JP3061447B2 (ja) 総蛋白を分析するための試験用パッドの製造方法、試験具、それを用いる測定方法及び試験具の製造方法
US4824639A (en) Test device and a method for the detection of a component of a liquid sample
CA1063826A (en) Test device and method for determining blood hemoglobin
US5302531A (en) Composition for the semiquantitative determination of specific gravity of a test sample
JP2519102B2 (ja) 水性液を比重に関して試験するための組成物及び方法
JP3219874B2 (ja) 尿タンパク質検定のための改良された組成物および試験具ならびにそれを用いる方法
MXPA97002503A (en) Reagent test stress to determine glucose in the san
EP0130335B1 (en) Testing device
US5124266A (en) Method and device for determining protein using carrier matrix impregnated with polymerized urethane based compounds and method of making the device
US5350694A (en) Composition method and device for measuring the divalent cation concentration or specific gravity of a test sample
US5087575A (en) Composition for determining trace amount of protein
EP0798563B1 (en) Test piece for measuring magnesium in biological fluid

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees