JPH0752138B2 - 補強糸付ホースのリーク検査装置 - Google Patents

補強糸付ホースのリーク検査装置

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JPH0752138B2
JPH0752138B2 JP1213895A JP21389589A JPH0752138B2 JP H0752138 B2 JPH0752138 B2 JP H0752138B2 JP 1213895 A JP1213895 A JP 1213895A JP 21389589 A JP21389589 A JP 21389589A JP H0752138 B2 JPH0752138 B2 JP H0752138B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ホースまたは容器等の気密を必要とする気密
製品のリーク検査装置に関し、特に、ゴムホースまたは
合成樹脂ホース等の加圧により膨張する補強糸付ホース
に好適なリーク検査装置に関するものである。
[従来の技術] 従来のこの種のリーク検査装置として、第4図乃至第7
図に示す技術を挙げることができる。
第4図は従来の気密製品のリーク検査装置を示すエア回
路図、第5図は第4図のエア回路中のバルブの開閉タイ
ミングを示すタイムチャート、第6図は前記エア回路中
の熱式質量流量計の構成を示す概略図、第7図は前記熱
式質量流量計の測定原理を説明する特性図である。
第4図に示すように、エア供給源1からは配管2及び配
管3が平行に延びており、一方の配管2には検査される
気密製品4(図示例ではホース)が、他方の配管3には
完全な気密が確認された基準タンク5が接続されてい
る。エア供給源1側において、配管2には検査附与バル
ブV1が、配管3には検査圧附与バルブV2が設けられてい
る。各検査圧附与バルブV1及びV2の出口側において、配
管2と配管3との間には橋絡管6が接続され、この橋絡
管6上には熱式質量流量計7が配設されている。熱式質
量流量計7と気密製品4との間の配管2には、排気管8
を介して検査圧解放バルブV3が接続されている。また、
熱式質量流量計7と基準タンク5との間の配管3には、
排気管9を介して検査圧解放バルブV4が接続されてい
る。
第6図に示すように、前記熱式質量流量計7には、橋役
管6に接続されたバイパス管11と毛細管12とが内蔵さ
れ、その毛細管12上には一対の自己発熱抵抗体R1及びR2
が巻回されている。そして、前記毛細管12の上流側は自
己発熱抵抗体R1により、下流側は自己発熱抵抗体R2によ
ってそれぞれ同一の熱量で加熱される。また、自己発熱
抵抗体R1と自己熱抵抗体R2との温度差は、ブリッジ回路
15により検出され、増幅回路16及び補正回路17介して制
御回路18に入力される。
ここで、流量が「0」のときは、毛細管12の温度分布
は、第7図の実線で示すように、その中心位置に対して
対称形となる。これに対し、エアが流れたときは、上流
側の自己発熱抵抗体R1は熱を奪われて温度が下る一方
で、下流側の自己発熱抵抗体R2は熱が与えられて温度が
上るため、毛細管12の温度分布は第7図の破線で示すよ
うに、下流側に偏椅した非対称形となる。このとき、自
己発熱抵抗体R1及び自己発熱抵抗体R2の温度差Δtとエ
アの質量流量との間には一定の関係が成立している。し
たがって、前記制御回路18は温度差Δtに基づきエアの
流量を演算測定し、その測定値を表示部19に表示する。
上記構成において、次に、従来の気密製品のリーク検査
方法を第5図のタイムチャートに基づいて説明する。
まず、検査しようとする気密製品4を一方の配管2に接
続する。次いで、検査圧解放バルブV3,V4を閉鎖した状
態で、検査圧附与バルブV1,V2を所定時間開放する。こ
れにより、気密製品4及び基準タンク5にそれぞれ同一
値の所定の検査圧力が印加される。次に、前記検査圧附
与バルブV1,V2を閉鎖し、気密製品4、基準タンク5、
及び熱式質量流量計7を前記検査圧力下に保持する。
続いて、この状態で、熱式質量流量計7により橋絡管6
におけるエアの流量を測定する。そして、測定結果が設
定値未満であれば、その気密製品4は良品として判断さ
れ、逆に、測定結果が設定値以上であれば、気密製品4
がリークありの不良品として判断される。
こうして、一つの気密製品4の検査が終了すると、検査
圧解放バルブV3,V4を開放して、気密製品4、基準タン
ク5、及び熱式質量流量計7の前記検査圧力を大気に解
放したのち、気密製品4を取外し、次の検査を開始す
る。
なお、上記した従来例は、気密製品4と基準タンク5と
の間の流量を熱式質量流量計7により測定するように構
成したものであるが、これとは別に、従来、例えば、特
開昭55−63732号公報には、気密製品と基準タンクとの
圧力差を差圧検出器を使用して測定するように構成した
漏れ量測定装置が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、一対の自己発熱抵抗体R1,R2の温度差Δtに
基づいて流量を測定するように構成した熱式質量流量計
7を使用する場合には、検査圧力を印加したときの毛細
管12におけるエアの流れが停止するのを待ち、一対の自
己発熱抵抗体R1,R2の温度を同等にしてから測定する必
要がある。そうしないと、熱式質量流量計7の測定値が
安定せず、気密製品4の実質的なリークを正確に測定す
ることができない。
しかしながら、従来の気密製品のリーク検査装置におい
ては、検査に際し直ちに検査圧力が気密製品4に附与さ
れるので、ゴムホースまたはナイロンホース等の加圧に
より膨張する気密製品4を検査する場合には、それら前
記気密製品4の内用積が安定するまでは、熱式質量流量
計7の毛細管12に流量が発生し続けて、熱式質量流量計
7の測定値が安定しない。したがって、従来は、この期
間中、気密製品4の良否の判断を持たなければならない
という時間的な無駄があった。特に、自動車用部品とし
て使用される補強糸付ゴムホースの場合には、検査圧力
を印加したときに、ゴムホース自体の膨張に加え、その
膨張に伴って補強糸に位置ずれが発生するため、熱式質
量流量計7の測定値が長時間安定しないばかりでなく、
測定精度も悪くなるという問題があった。
一方、他の先行技術をみると、特開昭63−121000号公報
及び特開昭63−125900号公報には、始めに流体圧力源と
容器とを接続して、設定圧力より絶対値の大きい初期圧
力を容器内に附与し、次に、容器を流体圧力源から遮断
し、容器内の圧力を容器外へ逃がしてその絶対値を低下
させることにより、容器内を設定圧力にする技術が開示
されている。この技術は容器内の温度を自然に外気温と
平衡にするまでの時間を短縮するものである。
即ち、熱的平衡状態でないと測定値が安定せず、気密製
品4のリークを正確に測定することができないことか
ら、圧力の導入及び排出による熱的変化においては、前
述したように、熱的平衡状態になるのを待つ必要があ
る。
ところが、この技術をもってしても、自動車用部品とし
て使用される補強糸付ゴムホースの場合には、検査圧力
を印加したときに、ゴムホース自体の膨張に加え、その
膨張に伴って補強糸に位置ずれが発生するため、長時間
熱的平衡状態にならないばかりでなく、測定精度も良く
することができないという問題があり、特に、補強糸付
ゴムホースの場合には、予備圧力を検査圧力より大きな
印加圧力にしなければ安定するまでの時間を短くするの
は困難であった。
そこで、本発明の課題は、加圧により膨張する補強糸付
ホースの場合でも、熱式質量流量計の測定値を早期に安
定させて、検査能率及び精度を向上できる補強糸付ホー
スのリーク検査装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の課題を解決するために、本発明の補強糸付ホース
のリーク検査装置は、加圧する補強糸付ホース及び基準
タンクに同一の検査圧力を附与する検査圧力附与手段
と、前記検査圧力下における前記補強糸付ホースと基準
タンクとの間の流体の流れに伴う温度差に基づき、流体
流量を測定する熱式質量流量計と、前記検査圧附与手段
の動作前に、前記補強糸付ホースにその検査圧力を超え
る所定の予備圧力を附与する予備加圧手段とから構成さ
れている。
[作用] 本発明の補強糸付ホースのリーク検査装置においては、
予備加圧手段が補強糸付ホースに所定の予備圧力を附与
したのちに、検査圧附与手段が補強糸付ホース及び基準
タンクに検査圧力を附与する。すなわち、予め補強糸付
ホースを膨張させた状態で検査圧力が附与されるため、
補強糸付ホースの内容積が即座に安定する。したがっ
て、熱式質量流量計の測定値が安定化するまでの時間
が、従来と比較して大幅に短縮され、その結果、多数個
の補強糸付ホースを短時間に能率よく、しかも、正確に
検査することができる。
[実施例] 以下、本発明を具体化した実施例を第1図乃至第3図に
基づいて説明する。
第1図は本発明による補強糸付ホースのリーク検査装置
の一実施例を示すエア回路図、第2図は第1図のエア回
路中のバルブ等の開閉タイミングを示すタイムチャー
ト、第3図は第1図のリーク検査装置の実験結果を従来
例と比較して示す流量−時間特性図である。なお、図
中、従来例と同一符号及び記号は従来例の構成部分と同
一または相当する構成部分を示すものである。
第1図に示すように、本実施例の補強糸付ホースのリー
ク検査装置においては、検査圧供給源1から延びる一方
の配管2に補強糸付ホース4がその一端にて接続される
とともに、検査圧供給源1から延びる他方の配管3には
基準タンク5がその一端にて接続されている。補強糸付
ホース4として、図示例では、外面に補強糸4aが巻回さ
れたゴムホースが示されている。基準タンク5として
は、補強糸付ホース4とほぼ近似する内容積のものが好
ましく、かつ完全な気密が確認されたものが使用され
る。
前記検査圧供給源1側において、配管2上には検査圧附
与バルブV1が、また、配管3上には検査圧附与バルブV2
が設けられている。前記検査圧附与バルブV1及びV2の出
口側において、配管2と配管3とを接続する橋絡管6上
には、第6図及び第7図に従って先に説明したように、
検査圧力下における補強糸付ホース4と基準タンク5と
の間とエアの流れに伴う温度差Δtに基づいてエアの流
量を測定する熱式質量流量計7が配設されている。ま
た、前記熱式質量流量計7と補強糸付ホース4との間の
配管2上にはストップバルブV5が設けられるとともに、
熱式質量流量計7と基準タンク5との間の配管3上には
ストップバルブV6が設けらている。
一方、補強糸付ホース4の他端は配管21及び予圧配管22
を介して予圧供給源28に接続されている。基準タンク5
の他端は配管23及び予圧配管22を介して予圧供給源28に
接続されている。予圧配管22上には予圧供給源28を開閉
する開閉バルブV11が設けられている。配管21上には、
補強糸付ホース4に予備圧力を附与する予備加圧バルブ
V7が設けられている。配管32上には、検査終了後に基準
タンク5の圧力を解放するタンク圧解放バルブV8が設け
られている。
予圧配管22には減圧管24を介して減圧バルブV9とニード
ルバルブ10のが接続されていて、ニードルバルブ10によ
り調整された減圧量で減圧バルブV9が補強糸付ホース4
の前記予備圧力をほぼ検査圧力まで減圧するように構成
されている。また、予圧配管22には、前記減圧バルブV9
の閉鎖タイミングを決定する圧力スイッチPSが配管25を
介して接続されている。更に、予圧配管22には、検査終
了後に補強糸付ホース4及び基準タンク5の圧力を解放
する圧力解放バルブV10が排気管26を介して接続されて
いる。
なお、本実施例では、前記各バルブV1、V2、V5乃至V11
としてエアパイロットバルブが使用されている。エアパ
イロットバルブは、電磁バルブとは異なり、バルブ自体
が熱を発生しないため、熱式質量流量計7の測定値に悪
影響を及ぼすおそれがない。また、上記実施例の各配管
2、3、6、21乃至26としては、加圧により膨張しやす
いナイロン等のプラスチック管よりも、金属管を使用し
た方が熱式質量流量計7の測定値が早期に安定するので
好ましい。更に、配管2及び配管3は、補強糸付ホース
4及び基準タンク5に同一の検査圧力が迅速に附与され
るように、熱式質量流量計7から同じ長さで、かつ、で
きるだけ短く、しかも、互いに平行に配管するのが望ま
しい。
上記の構成において、次に、本実施例の補強糸付ホース
のリーク検査方法を第2図のタイムチャートに基づいて
説明する。
検査を開始するに先立ち、補強糸付ゴムホース等の加圧
により膨張補強糸付ホース4が配管2と配管21との間に
接続される。この状態で検査が開始され、まず、開閉バ
ルブV11及び予備加圧バルブV7のみが開放される。これ
により、予圧供給源28から補強糸付ホース4に検査圧力
より大きい所定の予備圧力が附与されて、補強糸付ホー
ス4が膨張する。また、補強糸付ホース4が補強糸付ゴ
ムホースであれば、ゴムホースの膨張に伴って補強糸4a
の位置ずれが終了する。なお、圧力スイッチPSは前記予
備圧力に応答してONする。
次に、開閉バルブV11が閉鎖されるとともに、減圧バル
ブV9が開放されて、補強糸付ホース4の前記予備圧力が
ニードルバルブ10により予め調整された減圧量で減圧さ
れる。そして、補強糸付ホース4の圧力がほぼ検査圧力
まで減圧されると、圧力スイッチPSがOFFされ、これに
応答して、予備加圧バルブV7及び減圧バルブV9が閉鎖さ
れる。
こうして、予備加圧が終了すると、続いて検査圧力附与
バルブV1、V2及びストップバルブV5,V6が開放されて、
補強糸付ホース4及び基準タンク5に同一の検査圧力が
附与される。そして、所定の加圧時間が経過すると、次
に、検査圧附与バルブV1,V2が閉鎖されて、補強糸付ホ
ース4、基準タンク5、及び熱式質量流量計7が前記検
査圧力下に保持される。
この状態で、熱式質量流量計7により橋絡管6における
エアの流量が測定される。そして、測定結果が設定値未
満であれば、その補強糸付ホース4は良品として判断さ
れ逆に、測定結果が設定値以上であれば、補強糸付ホー
ス4がリークありの不良品として判断される。
こうして、一つの補強糸付ホース4の検査が終了する
と、ストップバルブV5,V6が閉鎖されたのち、予備加圧
バルブV7、タンク圧解放バルブV8、及び圧力解放バルブ
V10がそれぞれ開放される。これにより、熱式質量流量
計7を検査圧力に保持しと状態で、補強糸付ホース4及
び基準タンク5の圧力が大気圧に解放される。その後、
検査済の補強糸付ホース4が取り外され、次の補強糸付
ホース4が取り付けられる。
このように、本実施例の補強糸付ホースのリーク検査装
置は、加圧により膨張する補強糸付ホース4及び基準タ
ンク5にエアによる同一の検査圧力を附与する検査圧附
与手段としての検査圧附与バルブV1,V2を設け、その検
査圧力下における補強糸付ホース4と基準タンク5との
間のエアの流れに伴う温度差Δtに基づき、エアの流量
を測定する熱式質量流量計7を設けるとともに、検査圧
附与バルブV1,V2の開放動作前に、補強糸付ホース4に
検査圧力よりも大きな予備圧力を附与したのちに、その
予備圧力を検査圧力まで減圧する予備加圧手段としての
予備加圧バルブV7及び減圧バルブV9を設けたものであ
る。
したがって、上記実施例の補強糸付ホースのリーク検査
装置によれば、予備加圧バルブV7及び減圧バルブV9によ
り補強糸付ホース4に検査圧力とほぼ同等の予備圧力を
附与したのちに、検査圧附与バルブV1,V2が補強糸付ホ
ース4及び基準タンク5に検査圧力を附与する。すなわ
ち、予め補強糸付ゴムホース等の補強糸付ホース4を膨
張させた状態で検査圧力が附与されるため、補強糸付ホ
ース4の内容積が即座に安定する。故に、熱式質量流量
計7の測定値が安定化するまでの時間が、従来と比較し
て大幅に短縮され、その結果、多数個の補強糸付ホース
4を短時間に能率よく、しかも、正確に検査することが
できる。
また、一対の自己発熱低抗体R1,R2の温度差Δtに基づ
いて流量を測定するように構成した熱式質量流量計7を
使用する場合、精度を高くしたリーク検出を行なうこと
ができるが、断熱膨張によるエアの温度変化の影響も大
きく誤差の要因となる。しかし、本実施例では、予備加
圧バルブV7及び減圧バルブV9により補強糸付ホース4に
検査圧力とほぼ同等の予備圧力を附与したのちに、検査
圧付与バルブV1,V2が補強糸付ホース4及び基準タンク
5に検査圧力を附与することにより、予備加圧バルブV7
及び減圧バルブV9側に断熱膨張の影響がでるが、予め補
強糸付ゴムホース等の補強糸付ホース4を膨張させた状
態で検査圧力が附与されるため、補強糸付ホース4の内
容積の安定化するまでの時間が従来と比較して大幅に短
縮され、しかも、正確に検査することができる。
この点を第3図の実験結果に基づいて確認する。補強糸
付ホース4として、第3図の(a)では補強糸付ゴムホ
ースを、第3図の(b)ではナイロンホースを使用し
た。図において、実線は予備加圧ありの本発明実施例結
果を、鎖線は予備加圧なしの従来例の結果を示す。
補強糸付ゴムホースの場合、予備加圧なしで直ちに検査
圧力を附与すると、ゴムホース自体が膨張するので流量
値が大きく、しかも、その膨張に伴って補強糸4aが位置
ズレするため、その位置ズレの度に流量が大きく変動し
て、熱式質量流量計7の測定値が不正確となるばかりで
なく、長時間不安定のままであった。これに対して、予
備加圧してから検査圧力を附与すると、予備加圧時にゴ
ムホースが予め膨張するとともに、その補強糸4aの位置
ズレも終了してしまうので、熱式質量流量計7の測定値
が早期に安定し、良否を短時間で正確に判断できた。
この糸ズレ(位置ズレ)による流量変動時間がなくな
り、早期に測定開始できる具体的時間を表現すると、数
倍の予備圧を5秒程度付与することにより、測定開始時
間が1/3程度以下に短縮でき、具体的時間にして30秒程
度の測定開始時間が短縮できた。勿論、予備圧を高くす
ると、測定開始時間が1/3程度以下に短縮でき、具体的
時間にして30秒程度の測定開始時間が短縮できた。
ナイロンホースの場合は、予備加圧しないと、検査圧力
により膨張したナイロンホースの内容積が安定するまで
に相当の時間を要し、この期間中は良否を判断できなか
った。これに対し、予備加圧後に検査圧力を附与する
と、熱式質量流量計7の測定値が早期に安定し、良否を
短時間に判断できた。
なお、上記実施例の予備加圧手段は、予備加圧バルブV7
が補強糸付ホース4に検査力よりも大きな予備圧力を附
与したのちに、減圧バルブV9がその予備圧力を検査圧力
まで減圧するように構成されているが、検査しようとす
る多数の補強糸付ホース4の内容積がそれぞれ同一であ
る場合には、上記実施例の減圧工程を省略して、最初か
ら補強糸付ホース4に検査圧力とほぼ同等の予備圧力を
附与することも可能である。この場合には、減圧バルブ
V9、ニードルバルブ10、及び圧力スイッチPSを省略し
て、エア回路を簡単に構成できる。しかしながら、上記
実施例のように、減圧工程を設ければ、補強糸付ホース
4の内容積が相違する場合でも、常時それらに検査圧力
とほぼ同等の予備圧力を附与して、共通した検査条件を
設定できるという効果が得られる。
また、上記実施例では、加圧媒体としてエアが使用され
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、加
圧媒体として水または油等の液体を使用することも可能
である。
[発明の効果] 以上のように、本発明の補強糸付ホースのリーク検査装
置は、補強糸付ホース及び基準タンクに流体による同一
の検査圧力を附与する検査圧力附与手段と、その検査圧
力下における補強糸付ホースと基準タンクとの間の流体
の流れに伴う温度差に基づき流体の流量を測定する熱式
質量計と、検査圧附与手段の動作前に補強糸付ホースに
所定の予備圧力を附与する予備加圧手段とから構成した
ものであるから、加圧により膨張する補強糸付ホースの
場合でも、熱式質量流量計の測定値を早期に安定でき、
もって、検査能率及び精度を向上できるという効果があ
る。特に、所定の予備圧力を附与する予備加圧手段によ
って検査圧力を超える圧力を付与し、補強糸付ホースの
糸ズレ(位置ズレ)を検査を行う前に発生させてしまう
ものであるから、検査中に糸ズレによる流量変動がなく
なり、早期に測定開始でき、結果的に測定時間を短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の補強糸付ホースのリーク検査装置の一
実施例を示すエア回路図、第2図は第1図のエア回路中
のバルブ等の開閉タイミングを示すタイムチャート、第
3図は第1図のリーク検査装置の実験結果を従来例と比
較して示す流量−時間特性図、第4図は従来の補強糸付
ホースのリーク検査装置を示すエア回路図、第5図は第
4図のエア回路中のバルブの開閉タイミングを示すタイ
ムチャート、第6図は第1図及び第4図のエア回路中の
熱式質量流量計の構成を示す概略図、第7図は前記熱式
質量流量計の測定原理を説明する特性図である。 図において、 4:補強糸付ホース、5:基準タンク 7:熱式質量流量計、V1,V2:検査圧附与バルブ V7:予備加圧バルブ、V9:減圧バルブ である。 なお、図中、同一符号及び記号は同一または相当する構
成部分を示すものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧する補強糸付ホース及び基準タンクに
    同一の検査圧力を附与する検査圧附与手段と、 前記検査圧力下における前記補強糸付ホースと基準タン
    クとの間の流体の流れに伴う温度差に基づき、流体流量
    を測定する熱式質量流量計と、 前記検査圧附与手段の動作前に、前記補強糸付ホースに
    その検査圧力を超える所定の予備圧力を附与する予備加
    圧手段と を具備することを特徴とする補強糸付ホースのリーク検
    査装置。
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