JPH0751894Y2 - リール取付具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は釣用リールを釣竿に取付けるためのリール取付
具に関する。

（従来の技術） 従来、此種リール取付具として、実公昭60−8689号公報
に見られるように、表面に多数の係合歯をもち、かつこ
の係合歯部分を凹入させた細長状のシート本体に、固定
受体と、一端側にフードをもち、前記固定受体に対し移
動可能とした可動押体とを設け、この可動押体の他端側
に、前記係合歯と係合する板ばねを動作させて可動押体
の移動を係止及び係止解除するレバー体を前記フード側
に向かって倒伏可能に枢支すると共に、前記可動押体の
フード内に、アダプタを前記シート本体の凹入係合歯部
分に沿って移動可能に設け、このアダプタと前記レバー
体との間に、前記アダプタを、前記レバー体の倒伏動作
に追従して前記フードに対し前進移動させる伝動体を介
装したものが提案されている。そして、このリール取付
具にリールのリール脚を取付ける場合、リール脚の一端
側を前記固定受体内に挿入して、前記リール脚を前記シ
ート本体上に支持し、レバー体を起立した状態で可動押
体をシート本体に対し前進移動させて、フードを前記リ
ール脚の他端側に挿嵌した後、前記レバー体を倒伏操作
することにより、前記可動押体の移動を係止すると共
に、フード内のアダプタが前記フードに対し前進移動し
て前記リール脚の他端縁部を前方に押圧するのである。

（考案が解決しようとする課題） 所が、この従来の取付具における前記アダプタは、可動
押体のフード内に受入れたリール脚の端縁部のみと当接
し、しかもシート本体の凹入した係合歯部分に沿って前
進移動するようになっているため、前記レバー体の倒伏
操作によりアダプタがフードに対し前進移動した場合、
該アダプタの外側上面とフード内面との間に隙間ができ
ることになり、従って、前記リール脚を前方に向かって
強く押圧できても、前記アダプタがシート本体に対し上
方に浮き上がることになって、前記リール脚のシート本
体に対する安定性が悪くなり、それだけリール脚の固定
を強固にできない問題があった。

本考案は以上の問題点に鑑み考案したもので、目的は、
レバー体の倒伏動作によりアダプタを可動押体のフード
に対し前進移動させてリール脚を前方に強く押圧でき
て、しかもシート本体に強く押圧できるようにする点に
ある。

（課題を解決するための手段） しかして、本考案は、シート本体（１）に、固定受体
（２）と、一端側にフード（31）をもち、前記固定受体
（１）に対し移動可能とした可動押体（３）とを設け、
この可動押体（３）の他端側に、該可動押体の移動を係
止及び係止解除するレバー体（５）を前記フード（31）
側に向かって倒伏可能に枢支して成るリール取付具であ
って、前記可動押体（３）のフード（31）内に、リール
のリール脚を受入れる脚受入部（61）をもったアダプタ
（６）をフード内面に沿って移動可能に設け、このアダ
プタ（６）を、前記レバー体（５）の倒伏動作に追従し
て前記フード（31）に対し前進移動可能にすると共に、
前記脚受入部（61）の内面に、前記アダプタ（６）の前
進移動時、前記リール脚を前記シート本体（１）側に押
圧する押圧部（62）を設けたものである。

（作用） 可動押体（３）をシート本体（１）に対し前方に移動さ
せて、該可動押体のフード（31）をリール脚の端部に挿
嵌して、レバー体（５）を倒伏操作すると、可動押体
（３）のシート本体（１）に対する移動が係止されると
共に、アダプタ（６）がフード（31）に対し前進移動し
て前記リール脚を前方に強く押圧でき、更に、このリー
ル脚を、押圧部（61）でシート本体（１）に強く押圧で
きるのである。

（実施例） 図示したリール取付具は、表面に多数の係合歯（11）を
もち、かつこの係合歯部分を凹入させた細長状のシート
本体（１）に、リールにおけるリール脚（Ｒ）の一端側
を受入れる固定受体（２）と、一端側にフード（31）を
もち、前記固定受体（２）に対しシート本体（１）に沿
って移動可能とした可動押体（３）とを設け、この可動
押体（３）の他端側に、前記係合歯（11）と係脱可能に
係合する板ばね（４）を動作させて可動押体（３）の移
動を係止及び係止解除するレバー体（５）を前記フード
（31）側に向かって倒伏可能に枢支し、このレバー体
（５）の倒伏により前記板ばね（４）を前記係合歯（1
1）に係合させて前記可動押体（３）の移動を係止し、
前記レバー体（５）の起立により前記板ばね（４）の係
合歯（11）との係合を離脱して前記可動押体（３）の移
動係止を解除できるようにしている。

又、前記シート本体（１）は、その頂部表面に前記係合
歯（11）を長さ方向に沿って設けると共に、幅方向両側
に、前記可動押体（３）を長さ方向に沿って移動自由に
案内するガイド部（12）（12）を設けている。

又、前記可動押体（３）は、前記固定受体（２）と対向
する側の前面及び前記シート本体（１）と対向する側の
下面とを開放し、その両側部下端に、前記ガイド部（1
2）と係合する一対の係合部（32）を設けている。又、
この可動押体（３）の他端側には、一対の枢支部（33）
を幅方向に所定間隔を置いて設け、これら枢支部（33）
に前記レバー体（５）を枢支している。

又、このレバー体（５）は、基部と、該基部の一端に細
幅部を介して連続する操作部とから成り、前記基部の幅
方向両端部分を前記枢支部（33）に枢支している。

しかして、第１〜５図に示した実施例では、前記可動押
体（３）のフード（31）内に、前記リール脚（Ｒ）の端
部を受入れる脚受入部（61）をもったアダプタ（６）を
フード内面（31a）に沿って移動可能に設け、このアダ
プタ（６）を、前記レバー体（５）の倒伏動作に追従し
て前記フード（31）に対し前進移動可能にすると共に、
前記脚受入部（61）の内面に、前記アダプタ（６）の前
進移動時、前記リール脚（Ｒ）を前記シート本体（１）
側に押圧する押圧部（62）を設けたのである。

この押圧部（62）は、脚受入部内面の上面部分を、入口
側から奥に向かって下方に傾斜させて、リール脚（Ｒ）
の大きさが異なる場合でも、アダプタ（６）の前方への
移動に伴い前記リール脚（Ｒ）を下方に、即ちシート本
体（１）側に押圧できるようにしている。

又、脚受入部（61）の内面は、第２、５図の如くその両
側面部分を、入口側から奥に向かって中央側に傾斜させ
て、前記リール脚（Ｒ）の大きさが異なる場合で、この
リール脚の脚受入部（61）内での横移動をなくすること
ができるようにしている。

又、前記アダプタ（６）は、その外面を、前記フード
（31）の内面に沿った形状に形成して、フード（31）内
での横方向及び上下方向のガタ付きを小さくできるよう
にするのが好ましいのであるが、フード（31）内でのガ
タ付きがあってもよい。この場合、例えばアダプタ
（６）が前進移動した位置で、該アダプタ（６）の外側
上面がフード内面と接触してフード（31）に対する上方
への移動を阻止し、前記押圧部（62）でリール脚（Ｒ）
を下方に押圧できるようにするのである。

又、前記可動押体（３）は、前記レバー体の枢支部（3
3）を、前記フード（31）と同程度の高さに形成すると
共に、この枢支部（33）とフード（31）との間の中間
に、倒伏した前記レバー体（５）を受入れる凹入部（3
4）を設けて、倒伏したレバー体（５）の外側表面と前
記フード（31）表面及び枢支部（33）表面との間の段差
を小さくすると共に、レバー体（５）の先端を前記フー
ド（31）の後端に近接させて、前記リール脚（Ｒ）を取
付けた状態で可動押体（３）部分を釣竿とともに把持し
た場合、その把持する手の感触が良好となり、把持する
手が痛くならないようにしている。

又、前記フード（31）は、前記凹入部（34）との対向面
を開放して、この開放孔（35）から前記アダプタ（６）
の後端部を外方に突出させ、該突出部（63）に伝動体
（７）を保持し、この伝動体（７）の先端を前記レバー
体（５）の基部内面に接触させて、該レバー体（５）の
倒伏動作に追従して前記アダプタ（６）をフード（31）
に対し前進移動させ得るようにしている。

又、前記可動押体（３）の枢支部（33）側端部には合成
樹脂製の操作体（８）を取付けて、この操作体（８）に
指を当てゝ可動押体（３）を前方に移動させ得るように
している。

尚、図中（36）は前記可動押体（３）の凹入部（34）に
設けて前記伝動体（７）を案内するガイド突起である。

以上の如く構成したリール取付具にリール脚（Ｒ）を取
付ける場合、該リール脚（Ｒ）の一端側を前記固定受体
（２）内に挿入して、前記リール脚（Ｒ）を前記シート
本体（１）上に支持し、レバー体（５）を起立した状態
で可動押体（３）をシート本体（１）に対し前進移動さ
せて、アダプタ（６）の脚受入部（61）を前記リール脚
（Ｒ）の他端側に挿嵌した後、前記レバー体（５）を倒
伏操作するのであって、このレバー体（５）の倒伏によ
り、板ばね（４）の先端が係合歯（11）と係合して前記
可動押体（３）の移動を係止できると共に、前記アダプ
タ（６）がフード（31）に対し前進移動して前記リール
脚（Ｒ）の他端縁部を前方に押圧し、更に、このリール
脚（Ｒ）を、押圧部（61）でシート本体（１）に強く押
圧できるのである。従って、リール脚（Ｒ）を、シート
本体（１）に対し上方に浮き上がらせることなくシート
本体（１）に安定性よく強固に固定できるのである。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、一端側にフード（31）をもち、他
端側にレバー体（５）を枢支する可動押体（３）の前記
フード（31）内に、リールのリール脚を受入れる脚受入
部（61）をもったアダプタ（６）をフード内面に沿って
移動可能に設け、このアダプタ（６）を、前記レバー体
（５）の倒伏動作に追従して前記フード（31）に対し前
進移動可能にすると共に、前記脚受入部（61）の内面
に、前記アダプタ（６）の前進移動時、前記リール脚を
前記リール本体（１）側に押圧する押圧部（62）を設け
たから、可動押体（３）の移動が係止された後、更に該
可動押体のフード（31）に対しアダプタ（６）を前進移
動させて、リール脚（Ｒ）を前方に強く押圧できる上、
押圧部（62）で前記リール脚をシート本体（１）に強く
押圧できるのである。従って、リール脚を、シート本体
（１）に対し上方に浮き上がらせることなく、安定性よ
く強固に固定できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案取付具の一実施例を示す一部省略断面
図、第２図はフード部から切断した側面図、第３図はシ
ート本体を省略した平面図、第４図は第３図におけるレ
バー体を起立した状態の正面図、第５図は押圧体のみの
底面図、第６図は使用状態を示す説明図である。 （１）……シート本体 （２）……固定受体 （３）……可動押体 （31）……フード （５）……レバー体 （６）……アダプタ （61）……脚受入部 （62）……押圧部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シート本体（１）に、固定受体（２）と、
   一端側にフード（31）をもち、前記固定受体（１）に対
   し移動可能とした可動押体（３）とを設け、この可動押
   体（３）の他端側に、該可動押体の移動を係止及び係止
   解除するレバー体（５）を前記フード（31）側に向かっ
   て倒伏可能に枢支して成るリール取付具であって、前記
   可動押体（３）のフード（31）内に、リールのリール脚
   を受入れる脚受入部（61）をもったアダプタ（６）をフ
   ード内面に沿って移動可能に設け、このアダプタ（６）
   を、前記レバー体（５）の倒伏動作に追従して前記フー
   ド（31）に対し前進移動可能にすると共に、前記脚受入
   部（61）の内面に、前記アダプタ（６）の前進移動時、
   前記リール脚を前記シート本体（１）側に押圧する押圧
   部（62）を設けたことを特徴とするリール取付具。