JPH0751734A - 金属材料の圧伸又は引抜き用複合ダイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、金属材料をワンパスで圧伸又は引抜
きするに際し、該金属材料の曲がりや真円ずれ等を矯正
して、不良品の発生率を低減できる、金属材料の圧伸又
は引抜き用複合ダイスを提供するものである。 【構成】本発明は、ホルダの送出側に金属材料を所定寸
法に成形加工する製品用ダイスが支持されており、該ホ
ルダの送入側にストレート部の内径が該製品用ダイスよ
りも大きい矯正用ダイスが支持されて成ることを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は金属材料の圧伸又は引抜
き用複合ダイスに関する。金属材料、例えばアルミ合金
の中空材料を杵で押し込みつつダイスを通して圧伸した
り、或は中実材料を引っ張りつつダイスを通して引抜
き、該金属材料を所定寸法に成形加工することが行なわ
れる。本発明はかかる金属材料の圧伸又は引抜きに使用
されるダイスの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記のような金属材料の圧伸又は
引抜きには、複数のダイスを直列に設置し、かかる複数
のダイスに金属材料を連続的に通して所定寸法に成形加
工することが行なわれている。ところが、この従来手段
には、相応に広い設置面積が必要であり、また工数が多
いため作業性が悪いという欠点がある。

【０００３】そこで近年では、一つのダイスを設置し、
該ダイスに金属材料をワンパスで通して所定寸法に成形
加工することが行なわれるようになっている。ここに使
用されるダイスはホルダに１個の製品用ダイスが焼バメ
等で固定されて成るものである。ところが、この従来手
段には、相応に設置面積が狭く、また作業性も良いとい
う利点がある反面、不良品が１０％程度も発生するとい
う欠点がある。圧伸又は引抜きを行なう金属材料にはそ
の前工程での熱処理等により曲がりや真円ずれ等が発生
している。かかる金属材料をダイスに通して圧伸又は引
抜きすると、その曲がりや真円ずれ等も同時に矯正され
るのであるが、ホルダに１個の製品用ダイスが固定され
た従来のダイスを用いてこれに金属材料をワンパスで通
すと、上記の矯正が不充分であり、要求される高水準の
製品寸法精度に照らして１０％程度の不良品が発生して
しまうのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ホルダに１個の製品用ダイスが固定された
従来のダイスでは、これに金属材料をワンパスで通す
と、該金属材料の曲がりや真円ずれ等が充分に矯正され
ず、不良品の発生率が高い点である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】しかして本発明は、ホル
ダの送出側に金属材料を所定寸法に成形加工する製品用
ダイスが支持されており、該ホルダの送入側にストレー
ト部の内径が該製品用ダイスよりも大きい矯正用ダイス
が支持されて成ることを特徴とする金属材料の圧伸又は
引抜き用複合ダイスに係る。

【０００６】本発明において、ホルダにはその送出側す
なわち金属材料の送出側に該金属材料を所定寸法に成形
加工する製品用ダイスが支持されており、またその送入
側すなわち金属材料の送入側に矯正用ダイスが支持され
ていて、該矯正用ダイスはそのストレート部の内径が製
品用ダイスのそれよりも大きいものが支持されている。

【０００７】ホルダは一体品を使用することもできる
が、送出側の二次ホルダと送入側の一次ホルダとに分割
されており、双方がボルト止め等で取外し可能に装着さ
れて成るものが好ましい。二次ホルダに製品用ダイスを
支持し、また一次ホルダに矯正用ダイスを支持して、通
常は二次ホルダに焼バメ等で固定される製品用ダイスが
摩耗や損傷した場合に、二次ホルダ及び製品用ダイスだ
けを交替できるからである。

【０００８】なかでも、二次ホルダに製品用ダイスが固
定されており、一次ホルダにその内周側面との間に隙間
を残して矯正用ダイスが遊動支持されて成るものが特に
好ましい。送入側の矯正用ダイスが隙間分だけ遊動する
ことにより、後続する送出側の製品用ダイスに対する金
属材料の芯合わせが円滑に行なわれ、結果的に金属材料
の曲がりや真円ずれ等がより有効に矯正できるからであ
る。

【０００９】

【作用】金属材料は送入側における内径の大きい矯正用
ダイスでその位置が矯正されつつ一次的に成形加工さ
れ、引き続き送出側における製品用ダイスで所定寸法に
成形加工されるので、該金属材料の曲がりや真円ずれ等
が有効に矯正される。本発明の複合ダイスに金属材料を
ワンパスで通すと、その不良品の発生率は１％未満に抑
えることができる。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す縦断面図であ
る。一体成形された短尺な筒状のホルダ１１の送出側内
周に図示しない金属材料を所定寸法に成形加工するリン
グ状の製品用ダイス２１が焼バメで固定されており、ホ
ルダ１１の送入側内周には製品用ダイス２１と当接して
リング状の矯正用ダイス３１が嵌合されていて、矯正用
ダイス３１はストレート部の内径Ｂが製品用ダイス２１
のストレート部の内径Ａよりも大きいものが嵌合されて
いる。図１では矢印Ｃの方向に金属材料を圧伸又は引抜
きする。

【００１１】図２は本発明の他の一実施例を示す縦断面
図である。リング状の二次ホルダ１２の送入側にリング
状の一次ホルダ１３がボルト４１，４２で取外し可能に
装着されている。二次ホルダ１２の内周には図示しない
金属材料を所定寸法に成形加工するリング状の製品用ダ
イス２２が焼バメで固定されており、また一次ホルダ１
３の内側にはその内周側面との間に隙間ａ，ｂを残して
リング状の矯正用ダイス３２が遊動支持されていて、矯
正用ダイス３２はストレート部の内径Ｅが製品用ダイス
２２のストレート部の内径Ｄよりも大きいものが遊動支
持されている。図２では矢印Ｆの方向に金属材料を圧伸
又は引抜きする。

【００１２】

【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、金属材料をワンパスで圧伸又は引抜きするに際
し、該金属材料の曲がりや真円ずれ等を矯正して、不良
品の発生率を低減できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図。

【図２】本発明の他の一実施例を示す縦断面図。

【符号の説明】

１１・・・ホルダ、１２・・・二次ホルダ、１３・・・
一次ホルダ、２１，２２・・・製品用ダイス、３１，３
２・・・矯正用ダイス、Ａ，Ｂ，Ｄ，Ｅ・・・ストレー
ト部の内径、ａ，ｂ・・・隙間

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホルダの送出側に金属材料を所定寸法に
   成形加工する製品用ダイスが支持されており、該ホルダ
   の送入側にストレート部の内径が該製品用ダイスよりも
   大きい矯正用ダイスが支持されて成ることを特徴とする
   金属材料の圧伸又は引抜き用複合ダイス。
2. 【請求項２】 ホルダが二次ホルダとその送入側に取外
   し可能に装着された一次ホルダとを備え、該二次ホルダ
   に製品用ダイスが固定されており、該一次ホルダにその
   内周側面との間に隙間を残して矯正用ダイスが遊動支持
   された請求項１記載の金属材料の圧伸又は引抜き用複合
   ダイス。