JPH0751733A - MoまたはMo合金シームレス細管の製造方法 - Google Patents

MoまたはMo合金シームレス細管の製造方法

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JPH0751733A
JPH0751733A JP20074593A JP20074593A JPH0751733A JP H0751733 A JPH0751733 A JP H0751733A JP 20074593 A JP20074593 A JP 20074593A JP 20074593 A JP20074593 A JP 20074593A JP H0751733 A JPH0751733 A JP H0751733A
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JP
Japan
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tube
core metal
hardness
alloy
temp
Prior art date
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Pending
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JP20074593A
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English (en)
Inventor
Ikuo Kamata
郁男 釜田
Kiyoyuki Sakai
清之 酒井
Tadashi Shiba
忠司 芝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外径数mm程度、肉厚数十μm程度、典型的
には外径2mm以下、肉厚50μm以下の細径・薄肉の
MoまたはMo合金シームレス細管を工業的に製造する
方法を提供する。 【構成】 管状の素材に芯金を挿入しダイスを通して引
き抜く管引法によりMoまたはMo合金のシームレス細
管を製造する際に、硬さがHV650以上で熱膨張率が
管の材料よりも大きい芯金を用い、芯金が必要な剛性を
維持できる範囲の温度での温間引抜きを行い、引抜き1
パス当たりの減面率を15%以下とし、材料の硬さがH
V330未満に維持されるように引抜きパス間で焼鈍を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MoまたはMo合金シ
ームレス細管を製造する方法に関する。MoあるいはM
o合金は高温での強度および耐食性が高く且つ熱膨張係
数が小さいという特性を利用して、高品位テレビの電子
銃用カソードパイプ、熱電対保護管、高温用ノズル、種
々の電極、油送管、原子炉冷却パイプ等のシームレス管
として用いられる。
【0002】
【従来の技術】このようなシームレス管としての用途で
は、例えば外径数mm程度、肉厚数十μmといった細径
・薄肉の細管が必要になることが多い。従来、Moある
いはMo合金製シームレス管の製造方法としては、熱間
押出法、ガンドリル法、スウェージング法、フローティ
ングダイス法、レジューサ法等が行われている。
【0003】しかし、これら従来公知の方法はいずれも
比較的太径・厚肉の管を製造するのには適しているが、
上記のような細径・薄肉のシームレス細管を工業的に製
造することは実際上不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、外径
数mm程度、肉厚数十μm程度、典型的には外径2mm
以下、肉厚50μm以下の細径・薄肉のMoまたはMo
合金シームレス細管を工業的に製造するための方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、管状の素材に芯金を挿入しダイスを通して引き
抜く管引法によりMoまたはMo合金のシームレス細管
を製造する際に、硬さがHV650以上で、熱膨張率が
管の材料よりも大きい芯金を用い、芯金が必要な剛性を
維持できる範囲の温度での温間引抜きを行い、引抜き1
パス当たりの減面率を15%以下とし、材料の硬さがH
V330未満に維持されるように引抜きパス間で焼鈍を
行うことを特徴とするMoまたはMo合金シームレス細
管の製造方法によって達成される。この方法は特に、外
径2mm以下、肉厚50μm以下の細管の製造に適用す
ると特に有利である。
【0006】
【作用】本発明者は、外径数mm程度、肉厚数十μm程
度、特に外径2mm以下、肉厚50μmのMoまたはM
o合金製シームレス細管を工業的に安定して製造する方
法として管引法に着目した。管引法は、管状の素材に芯
金を挿入しダイスを通して引き抜く方法であり、Moお
よびMo合金以外の金属シームレス管の製造方法として
は従来から知られている。
【0007】しかし、Moは延性−脆性遷移温度(DB
TT)が132℃と非常に高い上、加工により生ずる繊
維組織が極めて強いため、加工中に割れが発生し易く、
従来の管引法をMoまたはMo合金にそのまま適用する
ことはできなかった。
【0008】本発明者は、MoおよびMo合金に特有の
上記問題を解決すべく種々の観点で実験・研究を行った
結果、管引法において特定のパラメータを特定の範囲に
限定する制御を行うことによりMoまたはMo合金を細
径・薄肉の細管に成形できることを全く新たに見出して
本発明を完成させたものである。
【0009】以下に、本発明の方法において限定するパ
ラメータおよびその限定理由を説明する。出発材料とし
て用いるMoまたはMo合金の管状素材は、太径・厚肉
管を製造する従来の熱間押出法、ガンドリル法、スウェ
ージング法、フローティングダイス法、レジューサ法等
により準備することができる。
【0010】本発明の方法においてMoとは、意図的な
合金元素が添加されていないいわゆる純Moである。ま
たMo合金とは、用途に応じて必要な性能を付与するた
めの合金元素が意図的に添加されているMo基合金であ
り、典型的な例を挙げれば、Mo−Ti合金、Mo−R
e合金、Mo−Re−C合金、Mo−La合金、Mo−
Ti−Zr−C合金、Mo−Ta合金等である。これら
のMoあるいはMo合金は一般的に粉末冶金法、電子ビ
ーム溶解法等により製造され市販されている。
【0011】芯金の硬さをHV650以上に限定するの
は、引抜き加工中の芯金の変形を防止して、加工後に芯
金を抜き取れるようにするためである。
【0012】芯金の熱膨張率を管材料よりも大きいもの
に限定するのは、引抜き加工後に温間加工温度から常温
に戻したときに、温度低下による収縮量が管よりも芯金
の方が多くなり、芯金の抜き取りが容易に行えるように
するためである。
【0013】温間加工温度は、製品寸法精度等から必要
となる芯金の剛性を損なわない程度の温度とする。温間
加工を用いる理由は、被加工材を再結晶温度未満の温度
に加熱することにより被加工材の塑性流動応力を低下さ
せ、被加工材内部に生成する応力が割れ発生に必要なレ
ベルにまで高まらないようにするためである。なお温間
加工は、再結晶温度より低温で行うという意味で冷間加
工の範疇に含まれる。ただし、単に冷間加工と言う場
合、被加工材の昇温要因は被加工材内部で生ずる加工熱
のみであるのに対し、温間加工は被加工材を加工熱とは
別に人為的に加熱することにより積極的に昇温させて塑
性流動応力を下げる点で、現実の加工技術においては単
に冷間加工と言った場合とは明確に区別される。
【0014】熱間加工は再結晶温度以上の高温で行う塑
性加工であり、塑性流動応力を低下させる観点から見れ
ば温間加工よりも更に有利であるが、再結晶による結晶
粒の粗大化、高温下での酸化、芯金の変形等により、加
工中の割れ発生、製品の靱性劣化、肌荒れ、寸法精度の
低下、芯金の抜き取り不能等の多くの問題があり、実際
上は適用できない。
【0015】引抜き1パス当たりの減面率を15%以下
に限定するのは、これを越える減面率では引抜き荷重が
大きくなり過ぎて引抜き自体が行えなかったり、引抜き
はできても加工による管材料の歪み量が大きくなり加工
中に割れが発生したりするからである。
【0016】管材料の硬さがHV330未満に維持され
るように引抜きパス間で焼鈍を行うのは、硬さがこの値
を越えると加工中に割れが発生するからである。管引法
を用い上記各パラメータを各々上記規定範囲に限定する
ことにより、ダイスと芯金の寸法の組み合わせに応じて
所定の外径および肉厚のMoまたはMo合金シームレス
細管を製造することができる。
【0017】以下に、実施例により本発明を更に詳細に
説明する。
【0018】
【実施例】本発明の方法により、外径1.5mm、内径
1.46mm、肉厚20μm(0.02mm)のMoま
たはMo合金シームレス細管を、以下に説明する手順で
製造した。
【0019】素管の準備 表1に示した材質の市販の純MoおよびMo合金を用い
て、ガンドリル法により外径6mm、内径5mm、肉厚
0.5mm、長さ500mmの素管を作製した。各素管
は適宜焼鈍を施すことにより硬さをHV230〜250
に調整した。
【0020】
【表1】 この素管の一端(長さ約50mm)に、スウェージング
機によりφ5.0mmのダイスを用いて先端先付加工を
施した。これを酸化炉内で大気雰囲気中、650℃で2
分間の表面酸化処理を行った後、素管の外周面および内
周面に潤滑剤として二硫化モリブデン(MoS2 )を塗
布した。
【0021】芯金の準備 表2に示す材質の芯金(φ4.93mm)をそれぞれ用
意し、その外周面に潤滑剤として二硫化モリブデン(M
oS2 )を塗布した。
【0022】管引 素管に芯金を差し込んだ状態で加熱炉に装入し、400
〜650℃に加熱した。別にφ5.9mmのダイスを2
50℃に加熱しておく。芯金を挿入した素管の先端をこ
のダイスに通してから先付部をチャッキングした。管引
機により引抜き速度1〜3m/minで引く抜いた。一
対の超硬ロール間で4〜6回ほどしごいて管材料が芯金
の周りを動く状態にしてから、芯金を抜き取った。この
引抜きパスでの減面率は4.5%であった。
【0023】以下、順次径の小さい芯金およびダイスを
用い、各引抜きパスでの減面率が15%以下になるよう
に上記と同様に〔芯金挿入→加熱→引抜き→芯金抜き取
り〕の操作を繰り返して、最終的に外径1.5mm、内
径1.46mm、長さ800mmのシームレス細管を得
た。
【0024】各引抜きパス間において管材料の硬さを測
定し、HV330未満であればそのまま次の引抜きパス
を行い、HV330以上ならば歪み取り焼鈍を施してH
V330未満とした後に次の引抜きパスを行った。焼鈍
を施す際には、材料長さが焼鈍炉の有効長に収まるよう
に約1000mmに切断した。
【0025】得られたシームレス細管の寸法は、真円度
0.003mm以内、外径・内径公差±0.005mm
以内であった。なお、比較のために本発明の規定範囲を
はずれた条件についても、上記と同様の操作を行った。
本発明および比較例について、表2に芯金の材質と芯金
抜き取り良否との関係を、また表3に管材料の硬さと引
抜き時割れ発生の有無の関係を、更に表4に引抜きパス
当たりの減面率と割れ発生との関係をそれぞれ示す。
【0026】
【表2】 表2に示したように、芯金の硬さおよび熱膨張係数がい
ずれも本発明の規定範囲内にある場合には、引抜きパス
後に超硬ロール間で4〜6回しごくことにより、管材料
と芯金とが相対的に動く状態になり、芯金を抜き取るこ
とができた。これに対して、芯金の硬さおよび熱膨張係
数の一方でも本発明の規定範囲を外れた場合には、引抜
きパス後に管材料から芯金を抜き取ることができず、そ
の段階で管引作業を中止した。
【0027】
【表3】 表3に示したように、適宜歪み取り焼鈍を施す等により
管素材の硬さを本発明の規定範囲内に維持して引抜きを
行った場合には、割れが発生することなく最終寸法にま
で引き抜くことができた。これに対して、本発明の規定
範囲を超えた硬さの管素材を引抜いた場合は、引抜きパ
ス中に管素材に割れが発生し、その段階で管引作業を中
止した。
【0028】
【表4】 表4は、1パス当たりの減面率を5%から25%までの
範囲で5%おきに変えた場合について管引の成否を示し
たものである。同表から明らかなように、1パス当たり
の減面率が本発明の規定範囲内である5、10、15%
の場合には管素材の割れ発生も無く良好に管引を行うこ
とができた。これに対して、減面率が本発明の規定範囲
を超える20%あるいは更に25%の場合には、引抜き
荷重が大きくなり過ぎて管引自体ができなかったり、あ
るいは管引自体は一応できたものの管素材に割れが発生
したためその段階で管引を中止した。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外径数mm程度、肉厚数十μm程度、典型的には外径2
mm以下、肉厚50μm以下の細径・薄肉のMoまたは
Mo合金シームレス細管を工業的に安定して製造するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の素材に芯金を挿入しダイスを通し
    て引き抜く管引法によりMoまたはMo合金のシームレ
    ス細管を製造する際に、 硬さがHV650以上で、熱膨張率が管の材料よりも大
    きい芯金を用い、 芯金が必要な剛性を維持できる範囲の温度での温間引抜
    きを行い、 引抜き1パス当たりの減面率を15%以下とし、 材料の硬さがHV330未満に維持されるように引抜き
    パス間で焼鈍を行うことを特徴とするMoまたはMo合
    金シームレス細管の製造方法。
  2. 【請求項2】 外径2mm以下、肉厚50μm以下の細
    管を製造する請求項1記載の方法。
JP20074593A 1993-08-12 1993-08-12 MoまたはMo合金シームレス細管の製造方法 Pending JPH0751733A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350709A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Allied Material Corp モリブデン製シームレスパイプ及びその製造方法
WO2014021454A1 (ja) 2012-08-03 2014-02-06 独立行政法人産業技術総合研究所 薄肉細管並びにこれを作製する引抜き加工装置および引抜き加工方法

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US10271971B2 (en) 2012-08-03 2019-04-30 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Thin, narrow tube and drawing apparatus and drawing method for manufacturing the same
US11065135B2 (en) 2012-08-03 2021-07-20 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Thin, narrow tube and drawing apparatus and drawing method for manufacturing the same

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