JPH0751077A - L−α−アミノ酸の製造方法 - Google Patents

L−α−アミノ酸の製造方法

Info

Publication number
JPH0751077A
JPH0751077A JP13934594A JP13934594A JPH0751077A JP H0751077 A JPH0751077 A JP H0751077A JP 13934594 A JP13934594 A JP 13934594A JP 13934594 A JP13934594 A JP 13934594A JP H0751077 A JPH0751077 A JP H0751077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
lipase
methyl ester
weight
protease
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13934594A
Other languages
English (en)
Inventor
Charles J Sih
チャールズ・ジェイ・シー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wisconsin Alumni Research Foundation
Original Assignee
Wisconsin Alumni Research Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/069,277 external-priority patent/US5541080A/en
Application filed by Wisconsin Alumni Research Foundation filed Critical Wisconsin Alumni Research Foundation
Publication of JPH0751077A publication Critical patent/JPH0751077A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高光学純度高収率有用な反応率を
もつ各種天然及び非天然アミノ酸を、前駆体から直接得
るための改良された酵素接触合成方法を提供することを
目的とする。 【構成】 5(4H)−オキサゾロン前駆体からL−α
−アミノ酸を製造する方法である。前駆体は二段階処理
される。まず、前駆体を無極溶媒中の、メチルアルコー
ルを含むメチルアルコール活性リパーゼに接触させ、エ
ナンチオ選択的に前駆体を加溶媒分解し、望ましいα−
アミノ酸の中間である光学活性メチルエステルを生成す
る。このエステルを次に水分を含むプロテアーゼと接触
させ、エステルをエナンチオ選択的にへき開し、これに
より、酵素動的分解が実現するので、高光学純度のL−
α−アミノ酸を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、5(4H)−オキサゾ
ロン前駆体を派相条件下でリパ−ゼと接触させ、次にプ
ロテアーゼと接触させることにより、該前駆体から光学
純度の高いL−α−アミノ酸酵素を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高純度の光学的活性アミノ酸が、製薬の
調合や食品、農業化学薬品の調整の中間体として重要な
ものとなっている。例えば、アミノ酸の中には半合成の
ペニシリン、アンピシリン、アモキシシリン等のための
側鎖前駆体のものがある。
【0003】また、低カロリー甘味料のアスパラチーム
の最も重要な成分としてL−フェルニアラインがある。
D−バリンは、例えばピルトロイド系殺虫剤のフリュバ
リネートに含まれる中間体である。
【0004】またD−フェルニアラニンは鎮痛剤として
の性質を有し、将来アスピリンに取って変わるかもしれ
ない。更に人間の栄養補給に重要な必須光学活性アミノ
酸が数多くある。
【0005】多くの場合、反応開始物質として要求され
る特別な光学活性アミノ酸を使用する際には、そのアミ
ノ酸は少なくとも65%の光学純度が必要で、少なくと
も約90%の純度があることが好ましい。このような純
度の度合は、とりわけ光学活性アシルアミノ酸の場合に
必要とされる。
【0006】また商業上の実用性のため、特に必要な光
学活性アミノ酸が反応開始前駆体から経済的収率で形成
されることが要求される。例えばアミノ酸鏡像異性体
(エナンチオマー)の少なくとも約50%の収率が望ま
しいとされる。
【0007】溶媒中の加水分解された活性リパーゼをオ
キサゾロン前駆体と接触させる過程を含む光学活性アミ
ノ酸誘導体の調整方法については、既に本発明者により
提供されている。
【0008】この場合の前駆体とは特に5(4H)−オ
キサゾロンをいう(特許出願第786731号参照)。
この方法を用いて実質的にエナンチオマーの多い方のア
ミノ酸が得られる。
【0009】本出願は1991年11月1日出願の特許
出願第786,731号の一部継続出願である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は非常に有
用ではあるが、前駆体である5(4H)−オキサゾロン
に存在するC−4置換基により反応率やエナンチオ選択
度が変化してしまう。
【0011】そこで高光学純度高収率有用な反応率をも
つ各種天然及び非天然アミノ酸を、前記のような前駆体
から直接得るための改良された酵素接触合成方法が好ま
れる。本発明はそのような改良された方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学活性アミ
ノ酸、特に高光学純度、高収率、有効な反応率のL−α
−アミノ酸を5(4H)−オキサゾロンから直接に製造
する方法に関する。
【0013】即ち、第一の段階では、求核としてのメチ
ルアルコールと触媒としての指定されたメタノール系活
性リパーゼを含む非極性有機液中で、指定の5(4H)
−オキサゾロンアミノ酸前駆体の開裂が行われる。前駆
体はエナンチオ選択的に加溶媒分解化され、中間体であ
るα−アミノ酸メチルエステルのS形のエナンチオマー
過剰量が生産される。
【0014】次に第二段階では、指定された加水分解活
性プロテアーゼを含む水性相状態で、メチルエステルの
開裂が行われる。この第二の開裂処理後、少なくとも約
90%の光学純度と約50%より高い収率(反応開始の
5(4H)−オキサゾロン前駆体に基づいて)で、L−
α−アミノ酸が得られる。
【0015】
【作用】本発明は、光学活性アミノ酸、特に高光学純
度、高収率、有効な反応率のL−α−アミノ酸を5(4
H)−オキサゾロンから直接に製造する方法に関する。
【0016】性質上、得られる光学活性L−α−アミノ
酸は少なくとも約90%の光学純度を有する。また、こ
のアミノ酸は少なくとも約50%の収率(オキサゾロン
前駆体に基づいて)で作られる。従って、L−α−アミ
ノ酸は実用的な収率で作られ、一般には、介在する純化
処理なしに多くの用途で使われる。
【0017】すなわち、本発明の処理方法では二段階の
連続した酸素不対称反応が行われる。
【0018】第一の段階では、求核としてのメチルアル
コールと触媒としての指定されたメタノール系活性リパ
ーゼを含む非極性有機液中で、指定の5(4H)−オキ
サゾロンアミノ酸前駆体の開裂が行われる。
【0019】前駆体はエナンチオ選択的に加溶媒分解化
され、中間体であるα−アミノ酸メチルエステルのS形
のエナンチオマー過剰量が生産される。
【0020】次に第二段階では、指定された加水分解活
性プロテアーゼを含む水性相状態で、メチルエステルの
開裂が行われる。
【0021】この第二の開裂処理後、少なくとも約90
%の光学純度と約50%より高い収率(反応開始の5
(4H)−オキサゾロン前駆体に基づいて)で、L−α
−アミノ酸が得られる。第一及び第二段階の処理は比較
的短時間で行なうことができる。
【0022】本発明の処理方法は相対的に簡単で信頼性
の高い経済的な方法である。
【0023】本処理方法は、各種の4−置換−2−置換
−オキサゾリン−5−1前駆体を対応する光学活性N−
置換−L−α−アミノ酸に変換するのに特に採用され
る。5(4H)−オキサゾロン前駆体のC−2置換体は
フエニルが望ましい。
【0024】本発明に従い調整できるL−α−アミノ酸
の多くは、今までのところ、単独の直接処理では高光学
純度、高収率及び高反応率を有するようには合成されな
かった。
【0025】上記アミノ酸は本発明によれば実用的方法
で作られ、そのまま用いることができる。従来は、様々
なL−α−アミノ酸が高反応率、高光学純度、高収率で
調整されるような単独の酵素処理は存在しなかった。
【0026】本発明の目的、特長、有利点、実施例及び
変形例等は、以下の明細書及び図面により当業者にとっ
ては明らかであろう。
【0027】
【実施例】
(a)定義 ここでは、「エナンチオ選択度」、又は符号「E」はラ
セミ基質からラセミ混合物中の一つのエナンチオマーと
他のエナンチオマーに対して発生させるような酵素の選
択された容量をいう。エナンチオ選択度は、量的には次
【0028】
【数1】 のように表示される。
【0029】ここで、Cは酵素触媒された生成物の基質
変換の程度であり、ee。は、基質の酵素変換開始時
の、(R)型及びそれに対応する(S)型構造のラセミ
混合物に含まれるひとつのエナンチオマーの他のエナン
チオマーに対するエナンチオマー過剰量であり、ee’
は酵素変換終了時のエナンチオマー過剰量である。
【0030】また、“エナンチオマー過剰量”または、
符号“ee”は、(P)型及び(S)型エナンチオマー
のラセミ混合物中の片方のエナンチオマー((R)型と
(S)型のどちらか一方)の、他方に対する量又は過剰
分を意味する。この値eeは量的には下記の式
【0031】
【数2】 で表される。
【0032】ここで、Rは(R)型エナンチオマーのモ
ル濃度、Sは(S)型エナンチオマーのモル濃度であ
る。
【0033】更に、ここで用いられる「光学純度」又は
符号「〔α〕」は、(R)型構造とそれに対応する
(S)型構造のラセミ混合物中の片方のカンチオマーの
他方に対する%過剰量を指す。この%過剰は下記の式
【0034】
【数3】 で表される。
【0035】ここでRは一方のエナンチオマーのモル濃
度であり、Sは他方のエナンチオマーのモル濃度であ
る。
【0036】また、「収率」とは、基質を重量%で表さ
れる生成物に酵素触媒変換することによって選択される
生成物の量を示す。
【0037】(a)ソルボリシス(加溶媒分解) 本発明の二段階処理方法では、第一段階は酵素不斉ソル
ボリシス法を用いる。ソルボリシス方法では、溶解した
オキサゾロン化合物を非極性溶液中にメチルアルコール
及び溶解されているメチルアルコール活性リパーゼ酵素
と接触させる。
【0038】本発明の実施には各種5(4H)−オキサ
ゾロンを反応開始物質(つまり前駆体や基質)として用
いるのが望ましい。前記の前駆体としてラセミ混合物が
あげられる。
【0039】現在、より好ましい5(4H)−オキサゾ
ロン基質として4−置換−2−置換−オキサゾリン−5
−生成物があり、それは以下の総称的ラセマーゼの公式
【化4】 で特徴づけられる。
【0040】ここでR1とR2は各々リパーゼとプロテ
アーゼ中の実質上不活性である一価の有機部分をいう。
【0041】そこで、本発明の処理では、前記
【化4】式の前駆体のR1とR2は、上記で述べた非極
性有機液と接触した状態においてはメチルアルコール活
性のシュードモナス属リパーゼに対し実質的に不活性で
ある。
【0042】同様に、
【化5】 式の前駆体(下記に示す)のR1とR2も、上記で述べ
た水性液相に接触した状態においては、加水分解された
活性プロテアーゼであるプロジーム6とプロテアーゼ2
Aに対し実質で不活性である。
【0043】
【化4】式の化合物では、以下に示す構成の一価基群か
らR1及びR2がそれぞれ選択されることが望ましい。
【0044】(a)6から12個の炭素原子を有するア
リール(現在ではフエニルがより好ましい。)
【0045】(b)6から18個炭素原子を有するアル
カリル(トリルとキシリルがより好ましい。)
【0046】(c)7から18個の炭素原子を有するア
ラッキレン(ベンジルが現在のところより好ましい。)
【0047】(d)8から18個の炭素原子を有するア
ラルキニレン(フエニルエテニレンが現在のところ望ま
しい。)
【0048】(e)18個未満の炭素原子を有するアル
キル(低級アルキルが現在では好ましい。)
【0049】(f)18個未満の炭素原子を有するアル
キニル(低級アルキニルが現時点では望ましい。)
【0050】(g)それぞれ3から18個の炭素原子を
有するシクロアルキレン及びシクロアルキニレン(シク
ロヘキルが現時点では好ましい。)
【0051】(h)一環につき4から8個の原子を有
し、そのうち半分は炭素原子であるような複数の複素環
である。(窒素と任意で酸素も有する様な複素環が6個
あれば望ましい。)
【0052】ここで用いた「低級」とは、7個未満の炭
素原子を含む指定の基を示す。「アリール」(「アルカ
リル」等で接尾語として用いる場合、又は「アリアルキ
レン」等で略語の「ar−」として接頭語で用いる場合
を含む)は、芳香族一価炭化水素基を表す。
【0053】アリール基は置換可能である。置換基とし
ては、例えば、ハロ(好ましくはクロロ)、アミノ(好
ましくは第1アミン)、アミド(好ましくは第1酸アミ
ド基)、ニトロ(−NO2)、カルボキシル(−COO
H)、カルボン酸の塩(望ましくはMがアルカリ金属又
はアンモニウムであるような−COOM)、カルボン酸
エステル(Rが望ましくは低級アルキル基であるような
−COOR)、及び水酸(−OH)がある。
【0054】上記(e)及び(f)群のアルキル及びア
ルケニル基は、必要に応じて、置換されたアリール部用
の上記に述べたような置換基でそれぞれ任意に置換を行
える。
【0055】また、必要ならば、アルキル又はアルキニ
ル基を少なくともひとつのエーテル酸素(オキシ)ある
いは硫黄(メルカプト)によって分断化できる。(つま
りこれらを含有できる。)しかし、このような分断化さ
れた基は一基につきひとつだけオキシ又はメルカプト要
素を含有するのが望ましい。
【0056】「複素環」とは、環を成す原子の少なくと
も1つは炭素以外のもの、例えば、酸素、硫黄、窒素等
であるような閉環構造を示している。
【0057】複素環は実際は複素環式化合物から求めら
れる。適当な複素環式化合物の例としてはインドール、
ピロール、イソインドール、インドラジン、フラン、ベ
ンゾフラン、ピリダジン、Lリアゾール、チアゾール、
オキサゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチ
アゾール、チオフエン、ピリジン、プリン、インドリン
等が挙げられる。
【0058】複素環基は必要に応じて、置換されたアリ
ール部用の上記置換基で置換することもできる。
【0059】基が置換されると、その基は置換基は2つ
までしか有しないことが望ましく、炭素原子1個あたり
置換基を1つ有する。
【0060】
【化4】式の化合物中、R1はフエニル基、またR2は
全体として6から18個の炭素原子を有する、芳香族基
を含む基であることが望ましい。(R2がフエニルを含
む基であれば更に好ましい。)
【0061】
【化4】式の化合物で、もしR1が水素の場合、不斉中
心がなく、上記の化合物を用いて光学的に不活性なグリ
シン誘導体を生成する目的も存在しない。
【0062】一方、もし
【化4】式の化合物のR1が極端に大きい場合(つま
り、もしR1が、例えば、上記R1及びR2の望ましい
基のグループ中のどの基よりもはるかに大きい場合)、
リパーゼが存在する場合の反応率は低減してしまい、ほ
とんどゼロに近くなることさえある。
【0063】R2はフエニル基であることが最も望まし
い。R2として例えばフエノキシメンチルなどは、リパ
ーゼが存在するとラセミ化率を極度に減少させる。一般
に、ラセミ化と開環比率への影響という観点から、R1
置換基の立体効果とR2置換基の電子的効果は重要なも
のである。
【0064】本発明の実施に有用なリパーゼ酵素はメチ
ルアルコール活性リパーゼ酵素である。
【0065】この酵素は溶媒中及び
【化4】の化合物とメチルアルコール中では、このよう
な化合物をエナンチオ選択的に加溶媒分解を行い、1及
び2の位置間で
【化4】の化合物の環構造の開裂を行い、また、5の位
置でカルボキシル基を後述する
【化6】 及び
【化7】 式の末端基であるメチルエステルへと変換もする。
【0066】「メチルアルコール活性」とは、リパーゼ
酵素が非極性の有機媒体中の第4化合物とメチルアルコ
ール間で不斉ソルボリシス反応に触媒作用し、同時に
【化4】の化合物の環構造に開裂を行うことによって、
以下に示す
【化5】式の化合物を生成するための
【化4】式の化合物のメタソリシスをエナンチオ選択的
に実現できるという事実に関係して用いられている。
【0067】本発明の実施に適当なリパーゼは、
【化4】式の化合物を完全に変換したものを特性を示し
つつ生成し、(S)型化合物の、少なくとも約60%の
エナンチオマー量eeを提供するようなバクテリアのシ
ュードモナス属リパーゼである。
【0068】
【化5】式の中間体であるメチルエステルの収率は、
【化4】式の反応開始の化合物に基づくと、少なくとも
約50%と特徴的である。上記値は変更可能で、所定の
【化4】式の基質に存在する特定のC−4置換基により
特に影響をうけると思われている。
【0069】様々な適切なリパーゼが市販で入手可能で
ある。現在では、AK、K−10、P−30等のシュー
ドモナス属リパーゼが望ましい。
【0070】下記に掲げる例として、シュードモナス属
リパーゼは、広範囲に渡り基質比を有する点、
【化4】式前駆体化合物に対するエナンチオ選択度が高
い点、及び通常、
【化4】式化合物に対して相対的に高い反応率を示す点
から、本発明の実施目的に有益である。
【0071】本発明では、上記したように、リパーゼは
【化4】の反応開始化合物とメチルアルコールを含有す
る非極性の有機溶媒中で用いられる。
【0072】上記「非極性溶媒」または「非極性液体」
は、正と負の電荷が実質上一致する有機液体に従来通り
関連するものである。非極性溶媒は従って電気伝導性を
イオン化したり与えたりはしない。非極性溶媒は水酸基
やカルボキシル基を含まない。
【0073】本発明の実施にふさわしい非極性溶媒は少
なくとも部分的にメチルアルコールと混和でき、また、
所定の接触処理の際に用いられる各濃度で構成する
【化4】式化合物とリパーゼとの部分溶媒である。
【0074】望ましい非極性溶媒の例として、第3ブチ
ルメチルエーテル、メチルエーテル及び低級アルキル基
を有する他のエーテル;ヘキサン、オクタン、シクロヘ
キサン、ベンゼン等の脂肪族及び芳香族炭化水素;四塩
化炭素等の対称性ハロ炭素;石油エーテル等がある。非
極性液体の混合物も使用できる。非極性溶媒は接触して
いる状況下では液体である点が便利である。
【0075】非極性液体において水を任意に使用でき、
また場合においては、使用した方がよいこともある。し
かしながら、使用するにあたっても、水は全液体重量に
対して約10重量%未満であることが望ましい。
【0076】ソルボリシス処理においては、粗製リパー
ゼに対する
【化4】化合物の重量比は大きくても小さくてもかまわ
ないが、好ましくはその重量比が約1:0.1から1:
2の範囲がよい。最も望ましい重量比は約0.5:1か
ら約1:1の範囲である。
【0077】ソルボリシス処理において、必要に応じ
て、
【化4】化合物に対するメチルアルコールのモル比を増
減できるが、好ましくは、モル比が約1:1から約1
0:1の範囲がよい。最も望ましいモル比は、約4.
5:1から5.5:1の範囲である。
【0078】このソルボリシス処理を行う際は、非極性
液体中の
【化4】化合物の初期濃度が前駆体化合物及び非極性液
体の総重量に対し約1〜10重量%の範囲であるような
回分操作を用いることが望ましい(この場合
【化4】化合物は非極性溶媒に溶解可能であること)。
【0079】所定のソルボリシス処理において一種類以
上の
【化4】化合物を用いることは可能であるが、一般的に
は、そのような混合物は
【化5】に示す高純化されたエナンチオマー生成物の収
率を減少させるので望ましくはない。
【0080】AKやP−30のようなシュードモナス属
リパーゼは、水の含有量が少ない場合の非極性有機溶媒
中で非常に安定している。
【0081】しかしながら、溶媒の総重量に対する少な
くとも約2〜3重量%の酵素に比べて、核となる水の層
(つまり量)を形成するのに十分な量の水というもの
は、リパーゼの全体的構造や、触媒された活性配座を維
持するためには特に必要なものである。
【0082】本発明の好ましい方法は、まずメチルアル
コールを含む溶媒にリパーゼ酵素を溶解し、次に指定の
【化4】の化合物を添加し混和する。これが終了する
と、回分反応媒体は下記表1に示す初期組成物を有す
る。
【0083】
【表1】
【0084】接触中は反応混合物は休まず掻き混ぜてい
ることが望ましい(つまり攪拌する)。
【0085】
【化4】化合物とメチルアルコールとリパーゼが非極性
溶媒中で接触する処理は周囲温度が約20〜60℃の範
囲で行われ、好ましくは周囲温度が本発明の場合は約4
0〜50℃がよい。しかし、必要ならば、これよりも高
温あるいは低温ででもこの処理を行うことができる。
【0086】接触時間は変更が可能である。この接触処
理中に、例えば、
【化4】の化合物は実質上完全に変換されることが好ま
しい。完全変換を行うのに要する時間は、可変要素に依
存する。
【0087】例えば、特定のリパーゼと特定の
【化4】化合物;メチルアルコール、リパーゼ及び
【化4】化合物の相対濃度;液状反応媒体の接触温度;
等がそれである。接触時間は具体的にはおよそ6から2
40時間の範囲であるが、これよりも長くても短くても
よい。
【0088】本発明の主な目的は、天然及び非天然L−
α−アミノ酸の不斉合成の一般的な方法を提供すること
であり、P−30等のシュードモナス属リパーゼの独特
の性質を利用して有機溶媒中の
【化4】化合物に不斉開裂を行うことを実現できる。
【0089】このような微環境において、非酵素加水分
解は緩慢に進むが、
【化4】化合物のC−4陽子のエノール化率は非常に高
く、
【化4】の基質化合物は、ほぼ100%生成物に変換で
きる。
【0090】水が水成媒体の求核として用いられている
場合は、環核分裂率が非常に低く有用ではない。しか
し、非水成媒体中のリパーゼの触媒反応の化学選択度と
反応率は異なるキラル求核を用いれば変更できる。
【0091】メチルアルコールを求核として使用する
と、
【数1】式の化合物のメタノルシスが望ましい比率で進
み、反応開始体である5(4H)−オキサゾロンからN
−置換−L−α−アミノ酸のメチルエステルが供給され
ることが確認されている。
【0092】
【化5】に示すメチルエステル生成物の光学純度は具体
的には約66〜98%の範囲である。
【0093】
【化4】化合物のC−4陽子は、特にC−2置換基が例
えばフエニル基等の特に水成及び非水成媒体中で容易に
エノール化する。しかし他のC−2置換基を現在のデー
タに基づいて実際には使用している。
【0094】更に、5(4H)−オキサゾロンの化学反
応度は活性エステルと同じなので、本発明の処理方法に
従っての
【化4】化合物の酵素触媒環開処理は簡単で相対的に容
易に行える。
【0095】
【化4】の化合物は特にアルカル性状態において水成媒
体中では不安定ではあるが、特にC−4の位置で相対的
に中位から大きい置換基を保つ
【化4】化合物にとって、酵素触媒が非酵素加水分解よ
りもかなり速く起こるような状況下では、上記のような
望ましい反応状態が得られる。
【0096】リパーゼ接触は適当な処理によって従来通
りに終了する。例えば、塩酸のような強い鉱酸を用いて
酸性化したり、エチルアセテートのような非極性非水性
混和可能な有機溶媒と共に抽出したりする。エステル生
成物は従って単離される。
【0097】
【化4】の前駆体から上記のように生成された中間体の
メチルエステルは下記に示すような属特有のラセマート
式により特徴付けられる。ここでR1とR2は
【化4】で定義した通りである。
【0098】
【化5】
【0099】ソルボリシスによって生成された
【化5】の中間体メチルエステルはに二種の異なる光学
活性異性体の混合物である。この異性体構造は以下の属
特有のエナンチオマー式により、それぞれ特徴付けられ
る。
【0100】
【化6】
【0101】
【化7】
【0102】ここで、各
【化6】及び
【化7】式において、R1及びR2は
【化4】に関する記述で定義した通りである。
【化6】式の化合物は(S)形式であり、具体的に混合
物全体の約80〜95重量%である。
【0103】また、同様に第
【化7】式の化合物発明(R)形式であり、具体的には
混合物全体の約15〜20重量%である。
【0104】
【化6】式の化合物と対応する
【化7】式の化合物を含有するメチルエステル・エナン
チオマー混合物は適切に純化される。従来のどの純化処
理方法を用いてもよい。
【0105】有益な処理方法のひとつにシリカゲル・フ
ラッシュクロマトグラフィを用いるものがある。
【0106】これは、
【化6】及び
【化7】式中のR1及びR2の異なった置換基により変
化する重量比率で生成されたヘキサンとエチルアセテー
トのような混合物などの非極性溶媒と極溶媒との混合物
を使用している。
【0107】以下に示す実験例1〜15に述べるよう
に、様々な
【化4】の4−置換−2−フエニル−オキサゾリン−5
−誘導体が、5当量の水分の有無にかかわらず5当量の
メチルアルコールを含む第3基ブチルメチルエーテル中
のP−30リパーゼに50°Cの温度でさらされた。結
果は後述の表3に示す。
【0108】一般に、反応率は5当量の水分がある方が
高かった。しかし、非酵素加水分解も上記条件で起こ
り、多くの実験例では生成収率が低減した。
【0109】エナンチオ選択度は66〜95%eeであ
り、これは
【化4】第4構造式の反応開始基質中のC−4置換基の
規模が増加したため増進したものと思われる。
【0110】オキサゾロンに対するP−30リパーゼの
(S)−選択キラリティーは数個の生成物の光学回転を
公知のN−ベンゾイル−L−α−アミノ酸メチルエステ
ルのそれと比較することにより決定した。
【0111】また、実験例16〜30に示すように、
【化4】構造をもつ数種の他の2−フエニル−オキサゾ
リン−5化合物につい三種のシュードモナス属リパーゼ
のエナンチオ選択性質を評価した。その結果を後述する
表4に表す。
【0112】使用された3つのリパーゼ全てが表4の実
験例25〜27及び28〜30で用いた二つの基質に相
似的に反応を示したが、4−P−ヒドロキシフエニル−
2−フエニル−オキサゾリン−5−化合物(表4の実験
例22〜24)に対してはそれぞれ異なった反応を示し
た。
【0113】AKリパーゼのみが後者の基質のメタノリ
シスに高いエナンチオ選択度(75%ee)で触媒作用
を及ぼした。一方、P−30及びK−10のリパーゼは
この基質に対しゆっくりと、低いエナンチオ選択度で触
媒作用を及ぼした。
【0114】4−メチル−2−フエニル−オキサゾリン
−5−基質(表4の実験例16〜21)において、5当
量の水が存在すると、量リパーゼ、P−30とAKは
(S)−エナンチオマーのメタノリシスに優先的に触媒
作用を及ぼしたことは注目に値する。
【0115】しかし、外因的な水分が存在しないと、酵
素は(R)選択キラリティーへ変化した。これは微環境
下で酵素配座に大きな変化が起きることを意味する。
【0116】一方、リパーゼK−10は、いずれか一方
の環境下で(R)−立体化学優先を保った。この結果
は、これらバクテリアリパーゼの立体化学反応の相違点
を表す。しかし、このリパーゼは本発明の実施にあたり
やはり有用である。
【0117】これらの酵素のエナンチオ選択度をより増
進させることができるかどうか調べるために、
【化4】構造式の反応開始化合物中のC−2の位置の置
換基を変化させた。このために
【化4】の三つの置換基を合成し、バクテリアリパーゼ
の作用にさらされた。
【0118】その結果は以下の表5に示す。エナンチオ
選択度に何も目立った増加は見られなかった。
【0119】2−〔4−クロロフエニル〕−オキサゾリ
ン−5−組成物(実験例31及び32)のエナンチオ選
択度が2−フエニル−オキサゾリン−5−組成物のエナ
ンチオ選択度と同様であるのに、2−メチル(実験例3
5)のメタノリシスと2−トリフルオロメチル−オキサ
ゾリン−5−組成物(実験例33及び34)のエナンチ
オ選択度はリパーゼに対し相対的に低かった。
【0120】しかしながら、全てのリパーゼに対し
(S)選択のキラリティーは保持した。
【0121】従ってソルボリシス処理中は、シュードモ
ナス属リパーゼは広範囲で基質比を有することがわか
る。各種基質の5(4H)−オキサゾロン誘導体に対す
るエナンチオ選択度は変化したが、一般には、少なくと
も60%である。
【0122】上記実験例のエナンチオマー過剰量は約6
6〜95%eeの範囲内にあるが、その正確な値は
【化4】構造式の化合物のC−4置換基に依存する。
【0123】
【化5】構造式の中間体であるメチルエステルは、具体
的には約66〜95%の範囲内のee値を有し、約30
〜91%の範囲の収率で生成される。
【0124】(b)加水分解 本発明の加水分解処理方法では、上記に述べた組成物を
有する
【化5】の構造物の溶解されたエナンチオマー混合物
が、指定の加水分解された活性プロテアーゼを含む水成
媒体に接触する。
【0125】本発明の実施に用いる、加水分解された活
性プロテアーゼは、水分が存在すると、エナンチオ選択
的に
【化5】の化合物に対し開裂を行い、それによりその化
合物を対応する、下記に示す
【0126】
【化8】
【0127】式構造のL−α−アミノ酸へ変換する酵素
である。
【0128】ここで用いる「加水分解的活性」とは、プ
ロテアーゼ酵素が不斉加水分解反応に蝕媒作用を及ぼし
【化5】の化合物を水成溶媒中の
【化8】式の化合物へ変換してしまう事実を参照してい
る。必要ならば、ここで述べたような性質を有するプロ
テアーゼの混合物を使用してもよい。
【0129】適当なプロテアーゼは各種市販で入手可能
である。現時点では、加水分解の反応に対して高いエナ
ンチオ選択度で蝕媒作用を及ぼすプロテアーゼがよく用
いられる。従って、プロテアーゼのエナンチオ選択度E
は少なくとも約100の値であることが好しい。
【0130】前駆体が
【化5】の複合物である時は、プロテアーゼは、L−α
−アミノ酸の少なくとも約90%のエナンチオマー過剰
量を、する生成物を作るのが望しく、更には、少なくと
も95%の値がより望しく、もっとも好しい値は少なく
とも99%である。
【0131】また、約50%より多く、好しくは約85
%より多い収率のL−α−アミノ酸を生成するプロテア
ーゼが適当である。
【0132】予期しなかったことには、市販のプロテア
ーゼ酵素のプロジーム6及びプロテアーゼNが、中位の
規模の側鎖と比べてやや大きい、又は小さい程度の
【化5】化合物のR1の側鎖を有していることがわかっ
た。
【0133】従ってこのプロテアーゼは、
【化5】のエナンチオマー混合物のR1及びR2をいろ
いろと有する。更に、このプロテアーゼは、高エナンチ
オ選択度(E)、エナンチオマーの過剰量及び収率の望
しい特性をもっている。
【0134】また、該プロテアーゼは商業上有用な反応
率で蝕媒作用を起こすこともできる。そこで、このプロ
テアーゼは本発明の実施にあたり特に使用すべきもので
ある。
【0135】任意ではあるが、やはり望しくは、少なく
とも一種類の極性溶媒を含むものが水成媒体に存在した
方がよい。
【0136】ここで用いられている「極性溶媒」または
「有極性液体」は、正及び負の電荷が分離し、化合物が
電気的モーメントを有するような有機液体をさす。
【0137】有極性液体は水酸基、カルボキシル基、ニ
トリル等を含む。このような液体は誘電率と、通常は相
対的に強い極性を有する。用いる極性溶媒は水に混和可
能であることが望しい。
【0138】極性溶媒としては、ジオキソン、テトラヒ
ドロフラン、アセトニトリル、アセトン、メチルアルコ
ール等がある。
【0139】最も好しい極性溶媒はアセトニトリルであ
る。プロテアーゼの遅い反応率を、アセトニトニル(C
H3CN)のような極性溶媒を反応媒体に加えることに
より増加をする。
【0140】本発明における水成プロテアーゼ接触処理
に用いる極性溶媒の総量は広範囲に渡り変化できる。具
体的には、有極性液体の量は水成媒体の総重量に対し約
1〜10重量%の範囲が望しい。
【0141】水成接触媒体に存在する
【化5】のエナンチオマー混合物の量は変更できる。
【化5】の基質及び水成接触媒体の総重量に対し
【化5】の基質の初期濃度は、約1〜1.5重量%とし
て用いることが望ましい。ただし、必要ならば、この
【化5】の化合物濃度はこれより上でも下でもよい。
【0142】また、水成媒体において、エナンチオマー
混合物のプロテアーゼに対する重量比は約1:0.5か
ら1:1として用いるのが望しい。しかし、必要に応じ
てこの比よりも上、もしくは下の比を使用してもよい。
【0143】任意ではあるが、好ましくは公知のリン酸
塩緩衝が水成媒体に含まれている方がよい。水成媒体中
のこの緩衝体のモル(M)量は約0.1〜0.4の範囲
が望しい。最も適当な量は約0.2Mである。しかし、
リン酸塩緩衝体の量は必要ならばこの範囲以外の量を用
いてもよい。
【0144】水成媒体の適当なPH値は約6〜9の間で
維持される。最も適当なPH値は約6.8である。しか
し、この値よりも大きい、又は小さい値でも用いること
ができる。
【0145】PH値は、HCLのような水成鉱酸かNa
OHのような水成アルカリ性金属水酸化物を用いて望む
値に調節が可能である。この反応性媒体のPH値は約
6.5〜7の範囲にとどめるべきで、約6.8が理想的
な値である。接触処理中は反応性混合物は常に撹拌され
ていることが望しい。
【0146】加水分解処理において、回分状態を利用す
るのが適当である。
【0147】まず、水成接触媒体に、プロテアーゼ酵素
を、もし他にも用いる要素があれば(リン酸塩緩衝体と
有機極性溶媒)それと一緒に溶解させる。次に
【化5】の基質を、攪拌しながら加える。この添加が終
了すると、回分反応媒体は表2に示すような初期組成物
を有する。
【0148】
【表2】
【0149】
【化5】の基質と水及びプロテアーゼとの接触処理は、
周囲温度が約20゜C〜40゜Cの間で行なわれる。こ
の際周囲温度が約25゜C〜30゜Cの間であれば尚望
しい。これよりも高いあるいは低い温度でもこの処理は
必要に応じて可能である。
【0150】全体の接触時間は可変である。
【化5】の基質はこの処理中に完全に変換されることが
適当である。そこで完全に変換するのに要する時間は、
様々な可変要素に依存する。
【0151】例えば、特定のプロテアーゼと特定の
【化5】の基質;水成媒体中のこれらの濃度;アセトニ
トリル等の極性化合物の存在;反応液中の接触処理温度
等である。具体的には接触時間は約6〜36時間の範囲
であるが、これより長くても短くてもよい。
【0152】プロテアーゼ接触は、従来の手順で終了す
る。たとえば、ある方法では反応系統をPH値約2に酸
性化し酸性物質を単離することができる。酸性物質は酸
性化された反応系統から沈殿する。
【0153】リパーゼ及びプロテアーゼ酵素は従来の方
法で回復そして再使用できる。ある回復処理において
は、例えば、高分子量酵素をメンブランフィルター上で
保持力を介し回復させ、エチルアセテート等の溶媒で洗
う。
【0154】別の回復方法では、酵素を遠心分離により
沈殿物として固定化させ回復させる。この処理において
上澄液は化合物を含むことができる。
【0155】
【化5】の基質からこうして生成されたα−アミノ酸は
以下の属特有のラセメート式で特徴付けられる。
【0156】
【化8】
【0157】ここでR1及びR2は上記
【化4】で定義した通りである。
【0158】加水分解により生成されたこのα−アミノ
酸は二つの異なる光学活性異性体の混合物であり、この
異性体の構造はそれぞれ以下に示す属特有のエナンチオ
マー式により特徴付けられる。
【0159】
【化9】
【0160】
【化10】
【0161】ここで、各式
【化9】及び
【化10】においてR1及びR2は上記
【化4】で説明した通りである。
【0162】
【化9】式の化合物は(S)形式であり、具体的には、
【化10】式の化合物との混合物の総量(100重量
%)に対し約100重量%であることが望しく、一方、
【化10】式化合物は(R)形式であり、この対応重量
が混合物総量に対し1重量%より少ないことが望しい。
【0163】
【図8】式の化合物は反応性混合物から望しくは分離し
た方がよい。様々な分離方法が適用できる。
【0164】例えば、得られた水成混合物をエチルアセ
テート等の極性溶媒と共に連続して抽出し、残っている
未変換の
【図8】式構造の基質化合物を取り除く。
【0165】エチルアセテートと共に余分な容積(総水
成相容積に対する)を数度続けて抽出し、その後残った
有機液体を蒸発させ乾燥し、それにより残りの
【化5】前駆体化合物を回復させることができる。
【0166】得られた水性位相は、3N塩酸等の水成鉱
酸を用いてPH値が約2になるように酸性化されること
が適当である。その後、得られた水成媒体をエチルアセ
テート等の極性溶媒と共に抽出する。
【0167】抽出処理は、未変換のメチルエステルの回
復のために上記に述べたように行われる。この抽出物の
蒸発により
【化8】式のL−α−アミノ酸が得られる。
【0168】従って、本発明の加水分解処理では、少な
くともエナンチオ選択度Eが約100であり少なくとも
エナンチオマー過剰量eeが約60%であるような酵素
を用いて、
【化5】の前駆体をL−α−アミノ酸に変換する。
【0169】生成物収率は通常、少なくとも約80%で
あり、光学純度は具体的には約100%で望しい値を示
す。しかしながら、本発明の処理方法ではこれらの値
は、上述したようにより最適化できる。
【0170】(C)一段階処理の利点 本発明によれば、酵素不斉ソルボリシス処理は酵素動的
分析の加水分解処理と結合して
【化4】の基質化合物から高光学純度のL−α−アミノ
酸を調製する。
【0171】実験及びその評価によれば、様々な種類の
【化4】のオキサゾロンに対してそれぞれの高エナンチ
オ調整度でエナンチオ選択的に開裂を行い、非常に高い
光学純度のL−α−アミノ酸をそれぞれ生成するよう
な、単一酵素を発見する可能性は薄い。
【0172】しかし、メチルアルコールが非極性溶媒の
求核として用いられる際には、ある種のリパーゼ、特に
上記のシュードモナス属リパーゼは
【化4】オキサゾロンのメタノリシスに蝕媒作用するた
めの比を広範囲に渡って有する。
【0173】変換処理では、以下の実験例で示す通り、
このリパーゼはエナンチオ選択度の予期しなかった容量
を示している。このエナンチオ選択度は実際には増加さ
れた方がよい。
【0174】このような増加は本発明に従い更に確認さ
れており、エナンチオ選択度は、
【化5】のメチルエステルを第2の酵素であるプロテア
ーゼ、特にプロジーム6及びプロテアーゼNと接触させ
ることにより、実質的に増加する。
【0175】この第2接触処理においては水成媒体で加
水分解が行われる。これにより、初期のメタノリシス処
理で得られた、エナンチオマー的に濃縮された生成物を
動的分解できるという効果がある。この状態は以下に示
すシーケンスを見ればわかりやすい。
【0176】
【化11】
【0177】ここで、Aは上記
【化4】化合物、Bはリパーゼにより実現されるAのメ
タノリシスにより生成される光学活性メチルエステルの
(S)形式、Cは、リパーゼにより実現されるAのメタ
ノリシスにより生成される光学活性メチルエステルの
(R)形式、Dは、プロテアーゼにより実現されるB及
びCの動的分解により生成される濃縮L−α−アミノ酸
である。
【0178】シーケンス(7)では、更に、K1はBを
生成する、リパーゼ蝕媒のメタノリシスの割合、K2
は、Cを生成するリパーゼ蝕媒のメタノリシスの割合、
K3及びK4は、Dを生成するためのB及びCのプロテ
アーゼ蝕媒の加水分解の割合である。
【0179】シーケンス(7)において、K1はK2よ
り大きく、K3はK4よりはるかに大きい。シーケンス
(7)は下記の特定の反応性により例証される。
【0180】
【化12】
【0181】リパーゼ触媒のメタノリシスによる生成物
とエナンチオマー過剰量の関係は以下の式の通りであ
る。
【0182】
【数4】
【0183】最終的に得られるN−ベンゾイル−L−α
−アミノ酸のエナンチオマー純度ee’とプロテアーゼ
のエナンチオ選択度の値E(E=100)は以下の数式
で表される。ここでCはプロテアーゼ触媒のメチルエス
テル加水分解の変換度を示す。
【0184】
【数5】
【0185】添付の図は
【数5】より得られたものである。図表は固定要素
e’(0.98に設定)とE=100に対しての可変要
ee。及びCに関して有益かつ理論的曲線を描いてい
る。
【0186】仮に、オキサゾロンにリパーゼ触媒のソル
ボリシスを行って得た生成物がee。が0.70である
対掌体混合物を含んでおり、それがプロテアーゼ(E=
100)により、エナンチオン選択的に加水分解される
とする。
【0187】ee’が0.98以上のN−ベンゾイル−
L−α−アミノ酸を確保するためには、Cが0.856
以下の時点で反応を止めることが必要である。
【数5】は概略的なものである。
【0188】当業者にとってはee。ee’、E及び
Cの異なった値を関係付けるため図表が用いられること
についてはたやすく判断できる。
【0189】本発明の教示に従って、二酵素シナジェテ
ィクス的連続重合を行い、これにより約50%より大き
い収率を有する高エナンチオ純度のL−α−アミノ酸は
ほぼ全てが容易に調整できる。これはL−α−アミノ酸
の公知の分解処理の固有の利点である。
【0190】上記のように、本発明の二段階処理が実施
されると、少なくとも約90%のエナンチオマー量(
)を有する
【化9】式の化合物が生成される。より望ましいエナン
チオマー量は約95%、最も適当なものは約99%であ
る。
【0191】第
【化6】及び
【化7】式のエナンチオマー化合物の混合物に望ましい
動的分解を行うためには、BCのメチルエステルに開裂
を行う際にエナンチオマー選択度が高いような酵素を有
することが必要である。
【0192】BCは、シーケンス(7)で定義した通
り、
【化4】の化合物であるシーケンス(7)の化合物Aに
対し、リパーゼ触媒した不斉開裂を行って生成した化合
物である。
【0193】P−30のようなリパーゼは水成媒体中で
シーケンス(7)に示すBCのメチルエステルの開裂に
対し触媒作用を及ぼすことができるのにもかかわらず、
反応率が非常に低いため実用向きではない。
【0194】代わりに動的分解にプロテアーゼを使用す
ると満足する結果が得られることが確認された。表4
(実験例36〜41)の結果は、2つのプロテアーゼの
どちらか一方が、少なくとも約100という高いエナン
チオ選択度(E)で加水分解反応に対し触媒作用を及ぼ
すことに非常に適しているという事実を示している。
【0195】小規模なアミノ酸側鎖も大規模なそれも(
【化4】、
【化5】、
【化8】式のR1)市販の酵素であるプロジーム6及び
プロテアーゼNにより提供される。
【0196】本発明の二段階処理によれば、リパーゼと
プロテアーゼ反応が結合し、ほとんどの天然及び非天然
のL−α−アミノ酸が高エナンチオマー量(少なくとも
約90%)及び高収率(少なくとも約50%)で調整す
ることができる。
【0197】<実施例> ──反応開始物質── 以下のリパーゼは* 天野株式会社から購入した:シュー
ドモナス属セパシア(P−30)、シュードモナス属S
P.(AK及びK−10)及びアスペルギルスニガー
(AP)。ポルシン膵臓リパーゼ(フェルミリパーゼP
L)はジェネンカー社製である。
【0198】プロテアーゼであるプロジーム6、N及び
24は天野株式会社より購入し、α−キモトリプシンは
* シグマ化学株式会社製である。
【0199】反応開始基質は周知の方法で合成した。す
なわち、5(4H)−オキサゾリン−5−基質誘導体
は、チェンetal.J.Am.Chem.Soc.
104,7294−7299(1982);* ローマー
(Lohmer)etal.,Liebigs An
n.Chem.658,128〜150(196
2);及びカーター,H.E.,Org.Reacti
ons,198−239(1946)に述べられて
いる方法で合成した。
【0200】5(4H)−チアゾリン−5−基質誘導体
は、* カー(Kjaer)A.,Acta Chem,
Scand,1347−1350(1950);*
ストロヴィズ(Stolowitz)etal.,An
al.Biochem.,181,113−119(1
989);及び* バレット(Barrett)eta
l.,J.Chem.Soc.,(C),1117〜1
119(1969)に記述されているように合成した。
【0201】他の全ての化学物質及び溶媒は、入手でき
る限り最高の質のものを用意した。アルドリッチ化学株
式会社製又はシグマ化学株式会社製である。
【0202】−分析方法及びその装置− 1HNMRスペクトルを、WM−200分光計を用い
て、テトラメチルシランを含む重陽子クロロホルムの内
標準として記録した。上記の溶媒中の光学回転をパーキ
ンーエルマー型241c施光計で測定した。
【0203】薄層クロマトグラフィ−(TLC)を0.
25mmのシリカゲルで被覆したガラス板に対して行っ
た。フラッシュカラム展開クロマトグラフィーをシリカ
ゲル(40μm)を用いて行った。
【0204】用いた溶媒は全て予め蒸留してあるガラス
である。全ての混合有機抽出物はMgSO4により乾
燥、及び低圧力でろ過そして蒸発させた。エナンチオマ
ー量を決めるため、メチルエステル基を、キラルシフト
試薬Eu(hfe)3と共に1HNMR(CDCl3)
により分解した。
【0205】全ての生成物(アミノ酸)は、まずメチル
エステルに変換し次に上述した様に分解した。
【0206】酵素反応から得たN−ベンゾイル−L−ア
ミノ酸メチルエステル及びN−ベンゾイル−L−アミノ
酸の絶対配置は、その光学回転をL−アミノ酸から調製
された対応する周知の誘導体とを比較することにより決
めた。ここで述べる収量は全て単離収量である。
【0207】以下に述べる実験例において、R1及びR
2については断りがない限り
【化1】式を参照している。
【0208】−実験例− 実験例1〜35 〔リパーゼ媒媒を含む有機溶媒中の5−(4H)−オキ
サゾロン誘導体のエナンチオ選択メタノリシス処理〕
【0209】通常手順:50mgの粗製リパーゼを、5
eg.のメチルアルコールを含む時には5eg.の水を
含む2mlの第3ブチル基メチルエーテル中の50mg
のラセミ基質の溶液に加えた。
【0210】混合物は変換が完全に終了するまで50℃
で培養された。反応の進行は溶媒系を用いてTLCによ
り調べた。
【0211】ここでいう溶媒系とはエチル・アセテート
−ヘキサンである。(この溶媒の割合はR1 とR2の特
別な置換基により左右され、例えば、移動相として1:
1の割合でエチルアセテート/ヘキサンを含んだN−ベ
ンゾイルフエニルアラニン・メチルエステルの場合、R
f値は0.6である)。
【0212】粗製リパーゼはろ過処理により反応混合物
より分離され、エチルアセテートで洗った。生成物はシ
リカゲル閃光クロマトグラフィーにより純化された。
(例えば、N−ベンゾイルアミノ酸メチルエステルのヘ
キサンとエチルアセテートの比が4:1の場合、この比
は異なるR2の置換基により変化する。)
【0213】4−置換−2−フエニル−オキサゾリン−
5−化合物のリパーゼP−30が蝕媒されたエナンチオ
選択の不斉メタノリシス以下に示す式により要約され
る。
【0214】
【化13】
【0215】様々なバクテリアリパーゼで蝕媒された4
−置換−2−フエニル−オキサゾリン−5−化合物のエ
ナンチオ選択の不斉メタノリシスは以下の式で要約され
る。
【0216】
【化14】
【0217】種々のバクテリアリパーゼにより蝕媒され
る様な4−ベンジル−2−置換−オキサゾリン−5−化
合物のエナンチオ選択不斉メタノリシスは以下の式によ
り要約される。
【0218】
【化15】
【0219】エナンチオ選択メタノリシスの結果は表
3、4及び5に表わされている。
【0220】
【表3】
【0221】
【表4】
【0222】
【表5】
【0223】実験例36〜41 〔プロテアーゼ蝕媒を有する水成溶媒における、N−ベ
ンゾイル アミノ酸メチルエステルのエナンチオ選択的
加水分解処理〕
【0224】通常手順:実験例1〜35の手順で生成さ
れ、0.2Mの水成リン酸塩緩衝体(pH6.8)に浮
遊させた(±)N−ベンゾイルアミノ酸メチルエステル
50mgに、粗製プロテアーゼ(プロジーム6又はプロ
テアーゼN)50mgを加えた。
【0225】この混合物は基質の約50%が生成物に変
換されるまで(TLCを用いて観察)、25℃の温度で
磁気撹拌器でよく撹拌した。
【0226】ここで飽和NaHCO3 を添加することに
より反応をとめ、エチルアセテート(3×20ml)と
共に反応物質を抽出した。
【0227】有機抽出物を蒸発・乾燥させてN−ベンゾ
イル−D−アミノ酸メチルエステルを得た。
【0228】水成相を3NHClを用いてPH2に酸性
化し、エチルアセテート(3×20ml)と共に抽出し
た。有機抽出物を蒸発させ、N−ベンゾイル−L−α−
アミノ酸を得ることができた。
【0229】N−ベンゾイル−アミノ酸メチルエステル
の動的分解の際のプロテアーゼ蝕媒のエナンチオ選択加
水分解処理は次式で要約される。
【0230】
【化16】
【0231】この加水分解の結果を表4にまとめて表
す。
【0232】
【表6】
【0233】実験例42 〔動的分解処理によるエナンチオ選択ソルボリシス処
理〕
【0234】反応性混合物は、第3ブチル基メチルエー
テル20mlに(±)−4−ベンジル−2−フエニルオ
キサゾリン−5−化合物250mgと粗製リパーゼP−
30を250mg含む。この混合物を50℃の温度で4
8時間浮遊させた。
【0235】リパーゼP−30はろ過処理により反応性
混合物から分離し、エチルアセテートで洗った。組成さ
れた有機層は低圧力で乾燥され凝縮し、N−ベンゾイル
−L−フエニルアラニンメチルエステル(99収量%、
65%ee)280mgを得た。
【0236】この複合物280mgと粗製プロジーム6
280mgを0.2Mリン酸塩緩衝体(pH6.8)
20mlに浮遊させ、温室で43時間、よく撹拌した。
NaHCO3 を添加して反応を終了させ、エチルアセテ
ート(3×30ml)と共に抽出した。
【0237】有機複合層を凝縮すると基質43mg(1
5.3%)が残った。水成分は、3NHClを開いてp
2 に酸性化させてエチルアセテート(3×30ml)
と共に抽出した。
【0238】有機複合層を凝縮、乾燥させ、220mg
のN−ベンゾイル−L−フエニルアラニン(82収量
%、ee>95%の場合、82.1%、〔α〕 =−3
0°(C,1.0,CH3 OH)を得られた。
【0239】本発明の特許請求範囲を逸脱することなし
に、上記に述べたもの以外の実施例及び変形例が考えら
れるであろうことは当業者にとっては自明である。
【0240】
【発明の効果】本発明によれば、アミノ酸は高反応率、
高光学純度、高収率で、実用的な方法で作られ、そのま
ま用いることができる。
【0241】また、本発明の処理方法は相対的に簡単で
信頼性の高い経済的な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図は、初期の%エナンチオマー過剰量(ee
と%変換(C)との関係を示したもので、最終%エナン
チオマー過剰(ee’)が酵素の90%で固定されエナ
ンチオマー率(E)は100で固定されている図であ
る。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)非極性溶媒中で、5(4H)−オ
    キサゾロンで構成される群から選択されたアミノ酸前駆
    体を、メチルアルコールの存在下で触媒有効量のメチル
    アルコール活性リパーゼと接触させ、エナンチオ選択的
    に該前駆体を加溶媒分解し、該アミノ酸のメチルエステ
    ルを生成し、 (B)水性媒体中で、上記メチルエステルを、メチルエ
    ステルに対し水中で少なくとも約100のエナンチオ選
    択度を有する加水分解活性プロテアーゼの蝕媒有効量と
    接触させ、エナンチオ選択的に上記メチルエステルの開
    裂を行い、少なくとも約90%の光学純度を有するL−
    α−アミノ酸を生成するという連続した手順により該L
    −α−アミノ酸を製造する酵素処理方法。
  2. 【請求項2】 上記リパーゼは少なくともひとつのシュ
    ードモナス属リパーゼであることを特徴とする請求項1
    記載の酵素処理方法。
  3. 【請求項3】 前記シュードモナス属リパーゼは、A
    K、K−10及びPー30で構成される群から選ばれる
    ことを特徴とする請求項2記載の酵素処理方法。
  4. 【請求項4】 前記プロテアーゼはプロジーム6及びプ
    ロテアーゼNで構成される群より選ばれることを特徴と
    する請求項1記載の酵素処理方法。
  5. 【請求項5】 前記前駆体は4−置換−2−置換−オキ
    サゾリン−5−オンであることを特徴とする請求項1記
    載の酵素処理方法。
  6. 【請求項6】 前記前駆体は一般式 【化1】 で特徴づけられ、式中R1及びR2はそれぞれ、メチル
    アルコール活性リパーゼの存在下で実質上不活性である
    一価の有機部分であること特徴とする請求項1記載の酵
    素処理方法。
  7. 【請求項7】 前記メチルエステルは、二種類の異なる
    光学活性異性体の混合物で、前記異性体の1つは(S)
    形式であり、以下の一般式 【化2】 で特徴付けられており、ここでR1及びR2はそれぞ
    れ、メチルアルコール活性リパーゼの存在下で実質的に
    不活性である一価の有機部分であり、また、前記混合物
    中の(S)形式の異性体のエナンチオマー過剰量は少な
    くとも約60%であることを特徴とする請求項1記載の
    酵素処理方法。
  8. 【請求項8】 前記L−α−アミノ酸は一般式 【化3】 で特徴付けられ、ここで、R1及びR2はそれぞれ、メ
    チルアルコール活性リパーゼ存在下では実質上不活性で
    ある一価の有機部分であり、また、前記L−α−アミノ
    酸の光学純度は少なくとも約95%であることを特徴と
    する請求項1に記載の酵素処理方法。
  9. 【請求項9】 前記前駆体は4−置換−2−フエニル−
    オキサゾリン−5−オンであり、前記アミノ酸メチルエ
    ステルはN−ベンゾイル−L−α−アミノ酸メチルエス
    テルであり、前記L−α−アミノ酸はN−ベンゾイル−
    L−α−アミノ酸であることを特徴とする請求項8記載
    の酵素処理方法。
  10. 【請求項10】 前記L−α−アミノ酸は50%より大
    きい収率で生成され、少なくとも約99%の光学純度を
    持つことを特徴とする請求項9記載の酵素処理方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の接触処理はバッチ方式で行
    なわれ、また初期の反応混合物の組成成分が、非極性有
    機溶媒100重量部中に、約2〜約5重量部の前記前駆
    体、約0.5〜約2重量部の前記メチルアルコール、及
    び約2〜約5重量部の前記シュードモナス属リパーゼを
    含むことを特徴とする請求項1記載の酵素処理方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の組成物は更に約0.5〜約
    1重量部の水を含むことを特徴とする請求項11記載の
    酵素処理方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の接触処理はバッチ方式で行
    なわれ、また初期の反応混合物の組成成分が、水の10
    0重量部中に、約1〜約1.5重量部の前記メチルエス
    テル及び約1〜約1.5重量部の前記プロテアーゼを含
    むことを特徴とする請求項1に記載の酵素処理方法。
  14. 【請求項14】 前記第2の組成物は更に約1〜約3重
    量部のリン酸塩緩衝剤を含むことを特徴とする請求項1
    3記載の酵素処理方法。
  15. 【請求項15】 前記第2の組成物は更に約1〜約10
    重量部の極性有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1
    3記載の酵素処理方法。
  16. 【請求項16】 R1 及びR2 は、それぞれ、 (a)6〜12の炭素原子のアリール、 (b)6〜18の炭素原子のアルカリール、 (c)7〜18の炭素原子のアラルキレン、 (d)8〜18の炭素原子のアラルケニレン、 (e)18未満の炭素原子のアルキル、 (f)18未満の炭素原子のアルケニル、 (g)それぞれ3〜18の炭素原子のシクロアルキレン
    基及びシクロアルケニレン、及び (h)一環につき4〜8原子で、その内の少なくとも半
    分の原子は炭素原子である複素環 からなる一価基の群から選択されることを特徴とする請
    求項6記載の酵素処理方法。
  17. 【請求項17】 請求項1の処理により生成された少な
    くとも約95%の光学純度を有するL−α−アミノ酸。
JP13934594A 1993-05-28 1994-05-30 L−α−アミノ酸の製造方法 Pending JPH0751077A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/069277 1993-05-28
US08/069,277 US5541080A (en) 1991-11-01 1993-05-28 Method for preparing L-alpha-amino acids

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0751077A true JPH0751077A (ja) 1995-02-28

Family

ID=22087892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13934594A Pending JPH0751077A (ja) 1993-05-28 1994-05-30 L−α−アミノ酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0751077A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999036399A1 (fr) * 1998-01-13 1999-07-22 Kaneka Corporation Procede de production de derives de cisteine optiquement actifs

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999036399A1 (fr) * 1998-01-13 1999-07-22 Kaneka Corporation Procede de production de derives de cisteine optiquement actifs

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1253098A (en) Method of making chiral epoxy alcohols
JP2006345873A (ja) 治療用アミドの立体選択的調製のための酵素的方法
AU703479B2 (en) Process for separating carbinols
US5541080A (en) Method for preparing L-alpha-amino acids
JPH0751077A (ja) L−α−アミノ酸の製造方法
AU663549B2 (en) Synthesis of homochiral 2-hydroxy acids
WO1992014835A1 (en) Process for producing optically active 3-chloro-1-phenyl-1-propanol and derivative thereof
JPH05500754A (ja) 高い光学純度を有するアリールアルカンジオールの合成
JP4843812B2 (ja) 酵素を使用するラセミα−置換ヘテロ環式カルボン酸の光学分割方法
EP2069516B1 (en) Specific hydrolysis of the n-unprotected (r) -ester of (3 ) -amin0-3-arylpr0pi0nic acid esters
JP2005520552A (ja) ラセミのN−アシル化β−アミノカルボン酸からの光学的活性β−アミノカルボン酸の製造方法
KR100758512B1 (ko) 효소적 방법에 의한 광학활성3-히드록시-3-페닐프로피온산과 광학활성3-아실옥시-3-페닐프로피온산의 제조 방법
Kato et al. Preparation of optically active trifluoromethylated (3′-indolyl) thiacarboxylic acids, novel plant growth regulators, through lipase-catalyzed enantioselective hydrolysis
JP3095539B2 (ja) 光学活性α,β−エポキシカルボン酸およびそのエステルの製造法
JP2007117034A (ja) 光学活性ニペコチン酸化合物の製造方法
EP0561321B1 (en) Additive assisted enzymatic esterification of 1,2-diol monosulfonates
JP3010382B2 (ja) (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法
JP4845372B2 (ja) 光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法
JP3007461B2 (ja) 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法
JPH02273196A (ja) ラセミ化合物の生体触媒分割のエナンチオ選択性の改良法
JP4270910B2 (ja) 光学活性2−ヒドロキシ−2−トリフルオロ酢酸類の製造方法
EP1237837A1 (en) Method for preparing chiral esters
JP2000063312A (ja) 光学活性2級アルコール及びその製造法
JPS6363396A (ja) d−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造方法
JPH1180054A (ja) 光学活性アルコールおよびその製造法