JPH0751061A - 耐熱性dnaポリメラーゼ及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性dnaポリメラーゼ及びその製造方法

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JPH0751061A
JPH0751061A JP21481993A JP21481993A JPH0751061A JP H0751061 A JPH0751061 A JP H0751061A JP 21481993 A JP21481993 A JP 21481993A JP 21481993 A JP21481993 A JP 21481993A JP H0751061 A JPH0751061 A JP H0751061A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な耐熱性DNAポリメラーゼ、及びその
製造方法を提供する。 【構成】 (1)デオキシリボ核酸に相補的なデオキシ
ヌクレオシド 5′−1リン酸を導入する反応を触媒す
る。4種類のデオキシリボヌクレオシド 5′−3リン
酸を必要とする。ジデオキシチミジン 5′−3リン酸
に対して感受性を示す。なる作用及び基質特異性、
(2)pH7.5で90℃、30分において安定な熱安
定性、(3)約80℃の至適温度、(4)約8の至適p
Hなる理化学的性質を示す耐熱性DNAポリメラーゼ。
ピロコッカス属の菌体を培養することによる前記ポリメ
ラーゼの製造方法。 【効果】 遺伝子塩基配列の解析、その他遺伝子操作実
験に有用な酵素である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子解析用として有
用なDNAポリメラーゼ、更に詳細に説明すればピロコ
ッカス(Pyrococcus) 属に属する菌体由来の耐熱性を有
するDNAポリメラーゼ、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DNAポリメラーゼは、そのアミノ酸配
列から大きく4つのファミリーに分類することができ
る。その中でこれまで遺伝子工学用試薬として一般に利
用されているDNAポリメラーゼは、主として大腸菌D
NAポリメラーゼIに代表されるファミリーA(ポルI
型DNAポリメラーゼ)と大腸菌DNAポリメラーゼII
やヒトDNAポリメラーゼαに代表されるファミリーB
(α型DNAポリメラーゼ)である。ポリメラーゼ・チ
ェイン・リアクション(PCR)法が開発されて以来、
耐熱性を示すDNAポリメラーゼが注目されているが、
最近超耐熱性古細菌由来のα型の耐熱性DNAポリメラ
ーゼが発見された。それらはジーン(Gene)、第108
巻、第1〜6頁(1991)やプロシーディングズ オ
ブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンシー
ズ オブ ザ USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA) 、第
89巻、第5577〜5581頁(1992)に記載さ
れており、PCR法に適した酵素として市販されてい
る。上記の耐熱性DNAポリメラーゼはそのアミノ酸配
列から、いずれもα型DNAポリメラーゼであり、ジデ
オキシヌクレオシド 5′−3リン酸感受性が低いため
塩基配列決定法の1つであるジデオキシ法には汎用され
ない。一方、現在ジデオキシ法に利用されているものは
大腸菌DNAポリメラーゼI、クレノウフラグメント、
T7ファージDNAポリメラーゼ修飾体、サーマスアク
アティカスDNAポリメラーゼ、バチルスカルドテナッ
クスDNAポリメラーゼなどすべてジデオキシヌクレオ
シド 5′−3リン酸に感受性のポルI型DNAポリメ
ラーゼである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ジデオキシ法でシーク
エンシングを行う場合、高温で反応できる耐熱性DNA
ポリメラーゼは鋳型の2次構造形成の問題も少なく、ま
た反応をPCR法のように繰返すことでシグナル強度を
上げるサイクルシークエンシングも可能である。本発明
の目的は、ジデオキシ法による遺伝子解析に有用な新規
な耐熱性DNAポリメラーゼ、及びその製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は下記の理化学的性質を示す耐熱性D
NAポリメラーゼに関する。 (1)作用及び基質特異性 鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチド又はポ
リヌクレオチドの3′−ヒドロキシル基にデオキシリボ
ヌクレオシド 5′−3リン酸のα−ホスフェートを共
有結合させることにより、デオキシリボ核酸に相補的な
デオキシヌクレオシド 5′−1リン酸を導入する反応
を触媒する。本酵素は、4種類のデオキシリボヌクレオ
シド 5′−3リン酸を必要とする。ジデオキシチミジ
ン 5′−3リン酸(ddTTP) に対して感受性を示
す。 (2)熱安定性 pH7.5において、90℃、30分の処理では活性の
低下は認められない。 (3)至適温度 pH7.5において、37℃〜90℃の測定範囲で活性
を有し、至適温度は約80℃である。 (4)至適pH 75℃でトリス塩酸緩衝液の緩衝能の範囲であるpH
6.5から8.9において活性を有し、その至適pHは
約8である。 また本発明の第2の発明は第1の発明の耐熱性DNAポ
リメラーゼの製造方法に関する発明であって、ピロコッ
カス属に属する菌体を培養し、培養物より第1の発明の
耐熱性DNAポリメラーゼを採取することを特徴とす
る。
【0005】本発明者らは、前記課題を解決するため、
耐熱性DNAポリメラーゼで従来の超耐熱性古細菌由来
の耐熱性DNAポリメラーゼが属するαタイプとは異な
り、かつシークエンシングに有用な耐熱性ポリメラーゼ
を見出すことを目的として、鋭意研究を重ねた結果、ピ
ロコッカス属に属する菌株から、よりddTTP感受性
の高い耐熱性DNAポリメラーゼを見出すことに成功し
た。すなわち、本発明はαタイプポリメラーゼが感受性
を示すアフィジコリン(Aphidicolin)には耐性で、しか
も塩基配列決定の1つの手段であるジデオキシ法に有用
なddTTPに対して他の耐熱性ポリメラーゼより高い
感受性を有する耐熱性ポリメラーゼ、及びその製造方法
に関する。
【0006】本発明の酵素を生産する菌株としては、ピ
ロコッカス属に属する菌株、例えばピロコッカス フリ
オサス( Pyrococcus furiosus )DSM 3638が挙
げられ、該菌株はドイッチェ ザムルンク フォン ミ
クロオルガニスメン ウントツェルクルチェウレンGm
bHより入手可能である。該菌株を適当な増殖培地中で
培養し、次いで、培養物より本発明の酵素を得ることが
できる。
【0007】以下、ピロコッカス属の菌株を例として説
明する。本発明の酵素を製造するに当っては、通常の超
耐熱性菌の培養に用いられる方法が利用でき、培地に加
える栄養源は使用する菌株が利用し得るものであればよ
い。炭素源としては、例えばでんぷん等が利用でき、窒
素源としては、例えばトリプトン、ペプトン等が利用で
き、他の栄養源としては、例えば、酵母エキス等が利用
できる。培地中には、マグネシウム塩、ナトリウム塩、
鉄塩などの金属塩を微量元素として加えてもよい。また
例えば、本発明の実施例におけるごとく培地の調製に人
工海水を用いることが有利である。また、培地は固形の
硫黄元素を含んでいない透明な培地が望ましく、該培地
を用いれば、菌体の増殖は光学密度を測定することによ
り容易に監視することができる。培養に当っては、静置
培養又はかくはん培養で行うことができるが、例えば特
表平4−503757号公報に記載のごとく、通気培養
を行ってもよいし、例えばアプライド アンド エンバ
イロンメンタル マイクロバイオロジー( Appl. Env.
Microbiol. )、第55巻、第2086〜2088頁(1
992)に記載のように、透析培養法を用いてもよい。
一般に培養温度は、95℃前後が好ましく、通常7.5
時間程度で本発明のDNAポリメラーゼが培養物中に蓄
積する。培養条件は、使用する菌体、培地組成に応じ本
発明のDNAポリメラーゼの生産量が最大になるように
設定するのは当然のことである。
【0008】本発明のDNAポリメラーゼを採取するに
当っては、例えば培養液から遠心分離、ろ過などによっ
て菌体を集め、次いで菌体を破砕すればよく、菌体の破
砕方法としては、超音波破砕、ビーズ破砕、溶菌酵素処
理等があり、これらの方法を利用して菌体中より本発明
のDNAポリメラーゼを抽出することができる。なお、
酵素の抽出は使用する菌体によって最も抽出効果の高い
方法を採用して粗酵素液を調製すればよい。かくして得
られた粗酵素液からDNAポリメラーゼを単離するに当
っては、通常の酵素の精製に用いられる方法を使用でき
る。例えば、硫安塩析処理、イオン交換クロマトグラフ
ィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過等の方法を組
合せて使用できる。
【0009】例えば、ピロコッカス フリオサスDSM
3638の培養菌体より調製される粗酵素液のフラク
トゲルTMAE(メルク社製)クロマトグラフィー、ホ
スホセルロースP−11(ワットマン社製)クロマトグ
ラフィー、ハイトラップヘパリン(ファルマシア社製)
クロマトグラフィー、セファクリルS−300(ファル
マシア社製)クロマトグラフィー等を行うことにより、
本発明のDNAポリメラーゼを得ることができる。
【0010】次に本発明の耐熱性DNAポリメラーゼの
理化学的性質について述べる。 (1)作用及び基質特異性 鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチド又はポ
リヌクレオチドの3′−ヒドロキシル基にジオキシリボ
ヌクレオシド 5′−3リン酸のα−ホスフェートを共
有結合させることにより、デオキシリボ核酸に相補的な
デオキシヌクレオシド 5′−1リン酸を導入する反応
を触媒する。本酵素は、4種類のデオキシリボヌクレオ
シド 5′−3リン酸を必要とする。また、ジデオキシ
チミジン 5′−3リン酸(ddTTP)に対して感受
性を示し、α型のDNAポリメラーゼではない。
【0011】(2)酵素活性測定方法 20mM トリス塩酸緩衝液(pH8.8、24℃にて
の値)、10mM KCl、2mM MgCl2 、0.
1% トリトンX−100、0.01% BSA、40
μM dATP、dCTP、dGTP、40μM 〔 3
H〕TTP上記液に最終濃度が0.2mgになるように
活性化した仔牛胸腺DNAを加えオートクレーブ水を反
応液の全量が100μlになるように加える。この反応
液に酵素液を添加し、ゆるやかに混和後、75℃で7.
5分間加温する。反応終了後、速やかに氷づけにした
後、DEペーパー(ワットマン社製)にてろ過を行う。
フィルターを5%リン酸水素2ナトリウムにて洗浄し、
液体シンチレーションカウンタにて、フィルター上の〔
3H〕を測定し、酸不溶性画分への〔 3H〕TTPの取
り込み量を計算する。本発明の耐熱性DNAポリメラー
ゼの活性の表示は上記条件下で30分間に10nmol
のTTPの酸不溶画分への取り込みを1単位(U)とす
る。
【0012】(3)至適pH 本発明のDNAポリメラーゼの反応へのpHの影響を求
めた。測定には、100mUの本酵素標品を用い、20
mM トリス塩酸緩衝液をpH6.5〜8.9に調製し
たものをそれぞれ用い(2)に示す条件下で7.5分反
応させた。本酵素は図1に示すごとく、約pH8で最大
活性を示した。すなわち、図1は本発明により得られる
酵素の至適pHを示す図であり縦軸は相対活性(%)、
横軸はpHを示す。
【0013】(4)至適温度 測定には、100mUの本酵素標品を用い、(2)に示
す反応条件下で種々の温度で7.5分間反応を行った。
本酵素は図2に示すようにpH7.5において37℃〜
90℃の範囲で活性があり、その至適温度は約80℃で
あった。すなわち図2は本発明により得られる酵素の至
適温度を示す図であり縦軸は相対活性(%)、横軸は温
度(℃)を示す。
【0014】(5)熱安定性 測定には(2)に示す反応溶液から基質を除いたものに
100mUの本酵素を加え90℃で30分間処理した
後、基質を加えて残存する酵素活性を測定した。図3に
示すとおり、pH7.5において本酵素は活性の低下を
認めなかった。すなわち、図3は、本発明により得られ
る酵素の熱安定性を示し、縦軸は残存活性(%)、横軸
には熱処理時間(分)を表す。図中白丸印は本発明のD
NAポリメラーゼの活性を、図中×印は対照のタックポ
リメラーゼ(アンプリタックDNAポリメラーゼ、パー
キンエルマー社製)の活性を示す。タックポリメラーゼ
の活性は同様の処理により35%の低下が認められた。
【0015】(6)至適Mg2+濃度 本酵素はMg2+を要求する。本酵素100mUを用い
(2)に示す反応条件の内MgCl2 濃度を終濃度2〜
50mMで変化させそれぞれ7.5分間反応を行った。
本酵素は図4に示すごとく、至適MgCl2 濃度は約1
0mMであった。すなわち、図4は本発明により得られ
る酵素の活性とMgCl2 濃度の関係を示し、縦軸は相
対活性(%)を、横軸はMgCl2 濃度(mM)を示
す。
【0016】(7)至適塩濃度 本酵素100mUを用いて(2)に示す反応条件に終濃
度5〜100mMのNaClを添加し、7.5分間反応
を行った。本酵素は、図5で示す通り0〜100mM
NaClで活性を有し、中でも50〜75mM NaC
l付近が最も活性が高かった。すなわち、図5は本発明
により得られる酵素の活性とNaCl濃度の関係を示す
図であり、縦軸は相対活性(%)、横軸はNaCl濃度
(mM)を示す。
【0017】(8)アフィジコリン感受性 α型DNAポリメラーゼの共通の性質としてそのDNA
合成がアフィジコリン感受性であることが挙げられる。
本酵素は図6で示す様に(2)に示す反応条件下に本酵
素を100mU用いてアフィジコリンの終濃度が0.5
〜4mMになるよう添加したところ、アフィジコリン耐
性でありα型DNAポリメラーゼの特徴を有さない。す
なわち図6は本発明により得られる酵素の活性とアフィ
ジコリン濃度を示し、縦軸は、相対活性(%)を横軸は
アフィジコリン濃度(mM)を示す。図中、白丸印は本
発明のDNAポリメラーゼの活性を、図中黒丸印は対照
のピロコッカス フリオサスのα型DNAポリメラーゼ
(ストラタジーン社製)の活性を示す。α型のDNAポ
リメラーゼ活性はアフィジコリンの添加量に伴い減少す
るが、本発明のDNAポリメラーゼの酵素活性は影響さ
れない。
【0018】(9)N−エチルマレイミド(NEM)感
受性 測定には(2)に示す反応条件下に100mUの本酵素
を用い、終濃度0.5〜4mMになるようにNEMを加
え、7.5分間反応させた。本酵素は図7で示す通り、
SH基修飾試薬であるNEMに対して強い感受性を示し
た。すなわち、図7は本発明により得られる酵素の活性
とNEM濃度の関係を示す図であり、縦軸は相対活性
(%)、横軸はNEM濃度(mM)を示す。図中、白丸
印は本発明のDNAポリメラーゼの活性を、図中黒丸印
は対照のピロコッカス フリオサスのα型DNAポリメ
ラーゼ(ストラタジーン社製)の活性を示す。本発明の
酵素は、α型DNAポリメラーゼほど強く阻害されない
が、NEMによって酵素活性が阻害される。
【0019】(10)ddTTP感受性 測定には、(2)に示す反応条件下に100mUの本酵
素を用い、終濃度10〜400μMになるように添加し
て7.5分間反応させた。本酵素は図8に示す通り、d
dTTPに高感受性を示す。すなわち、図8は本発明の
DNAポリメラーゼの活性とddTTP濃度の関係を示
す図であり、縦軸は相対活性(%)を横軸はddTTP
濃度(μM)を示す。図中、白丸印は本発明のDNAポ
リメラーゼの活性を、図中×印は前出のアンプリタック
DNAポリメラーゼの活性を示す。タックポリメラーゼ
活性のddTTPによる影響は明らかに本酵素が受ける
影響より弱く、本発明の酵素はddTTPにより感受性
が高い。
【0020】以上、詳細に説明したように本発明により
新規DNAポリメラーゼ及びその製造方法が提供され
る。本発明のDNAポリメラーゼは耐熱性が高く、かつ
ddTTP高感受性であり、種々の遺伝子操作実験、特
に高温下におけるジデオキシ法による遺伝子解析に好適
である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 ピロコッカス フリオサス DSM 3638の培養は
以下の通りに行った。トリプトン1.0%、酵母エキス
0.5%、可溶性でんぷん1.0%、ジャマリンS・ソ
リッド(ジャマリンラボラトリー社製)3.5%、ジャ
マリンS・リキッド(ジャマリンラボラトリー社製)
0.5%、MgSO4 0.003%、NaClの0.
001%、FeSO4 ・7H2 O 0.0001%、C
oSO40.0001%、CaCl2 ・7H2 O 0.
0001%、ZnSO4 0.0001%、CuSO4
・5H2 O 0.1ppm、KAl(SO4 2 0.
1ppm、H3 BO3 0.1ppm、Na2 MoSO
4 ・2H2 O 0.1ppm、NiCl2 ・6H2
0.25ppmの組成の培地10リットルを5本の2リ
ットル容のメディウム瓶に分注し、121℃、15分間
殺菌した後、窒素ガスを吹込み、溶存酸素を除去した
後、これに上記菌株を接種して95℃、16時間静置培
養した。培養後、遠心分離により集菌した。次に、集菌
体を10mM 2−メルカプトエタノール(2−M
E)、1mMEDTA、10%グリセロール、0.5M
NaCl、1mM フッ化フェニルメチルスルホニル
(PMSF)を含む50mM トリス塩酸緩衝液(pH
7.0)に懸濁した。超音波破砕機にて30秒間、5回
処理し、遠心分離してその上清液を得た。上清液を硫安
塩析後、5mM 2−ME、1mM EDTA、10%
グリセロール、10mM NaCl、0.1mM PM
SFを含む20mM トリス−HCl緩衝液(pH7.
0)(以下、緩衝液Aとする)に対して透析した。この
透析液を緩衝液Aにて平衡化したフラクトゲルTMAE
(メルク社製)カラムクロマトグラフィーに供し、10
〜500mM NaClを含む緩衝液A溶出画分にDN
Aポリメラーゼ活性を得た。活性画分を10mM 2−
ME、1mM EDTA、10%グリセロール、10m
M NaCl、0.1mM PMSFを含む50mM
トリス−HCl緩衝液(pH7.0)(以下、緩衝液B
とする)に対して透析した。この透析液を緩衝液Bにて
平衡化したホスホセルロースP−11(ワットマン社
製)カラムクロマトグラフィーに供し、10〜500m
M NaClを含む緩衝液Bにて平衡化したハイトラッ
プヘパリン(ファルマシア社製)カラムクロマトグラフ
ィーに供し、10〜500mM NaClを含む緩衝液
B溶出画分中のポリメラーゼ活性画分を濃縮した。その
活性画分を10mM 2−ME、1mM EDTA、1
0%グリセロール、200mM NaCl、0.1mM
PMSFを含む50mM トリス−HCl緩衝液(pH
7.0)にて平衡化したセファクリルS−300(ファ
ルマシア社製)カラムクロマトグラフィーにてゲルろ過
を行い、約10UのDNAポリメラーゼを得た。
【0023】
【発明の効果】本発明では、よりジデオキシヌクレオシ
ド 5′−3リン酸に高感受性を示す新規耐熱性ポリメ
ラーゼが得られた。本酵素は遺伝子塩基配列の解析、そ
の他遺伝子操作実験において有効に利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼの至適pH
を示す図である。
【図2】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼの至適温度
を示す図である。
【図3】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼの熱安定性
を示す図である。
【図4】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼの至適Mg
Cl2 濃度を示す図である。
【図5】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼの至適Na
Cl濃度を示す図である。
【図6】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼのアフィジ
コリン感受性を示す図である。
【図7】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼのN−エチ
ルマレイミド感受性を示す図である。
【図8】本発明の耐熱性DNAポリメラーゼのddTT
Pを示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を示す耐熱性DNA
    ポリメラーゼ。 (1)作用及び基質特異性 鋳型DNAにアニールされたオリゴヌクレオチド又はポ
    リヌクレオチドの3′−ヒドロキシル基にデオキシリボ
    ヌクレオシド 5′−3リン酸のα−ホスフェートを共
    有結合させることにより、デオキシリボ核酸に相補的な
    デオキシヌクレオシド 5′−1リン酸を導入する反応
    を触媒する。本酵素は、4種類のデオキシリボヌクレオ
    シド 5′−3リン酸を必要とする。ジデオキシチミジ
    ン 5′−3リン酸に対して感受性を示す。 (2)熱安定性 pH7.5において、90℃、30分の処理では活性の
    低下は認められない。 (3)至適温度 pH7.5において、37℃〜90℃の測定範囲で活性
    を有し、至適温度は約80℃である。 (4)至適pH 75℃でトリス塩酸緩衝液の緩衝能の範囲であるpH
    6.5から8.9において活性を有し、その至適pHは
    約8である。
  2. 【請求項2】 ピロコッカス属に属する菌体を培養し、
    培養物より請求項1に記載の耐熱性DNAポリメラーゼ
    を採取することを特徴とする耐熱性DNAポリメラーゼ
    の製造方法。
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