JPH07508913A - 液体製剤を投与するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 液体製剤を投与するための装置 本発明は薬液を計量供給、投与するための装置に関する。一層詳しくは、本発明 は複数回投与用容器から非経口的に注入することによって薬液を反復して計量供 給、投与することに関する。さらに詳しくは、本発明は、複数回投与用容器、た とえば、注射カートリッジから非経口的に注入することによって薬液を投与量を 無段階に変えて計量供給、投与することのできる装置に関する。

国際特許出願ＰＣＴ／５Ｅ９２１００６５４に、一定の容積を有する複数回投与 用容器から投与することによって薬学的に活性のある製剤の溶液を反復投与する 方法が記載されている。この方法を特徴づけるものは、投与されるべき薬液の量 が複数回投与用容器の容積の１／Ｎであるように選定されることにある（ここで 、Ｎは２またはそれ以上の値を有する整数）。Ｎの値は、複数回投与用容器から の薬液の反復投与が開始する前に選定、設定され、複数回投与用容器からＮ回の 連続投与を行う間（その結果、容器は空になる）不変に維持される。他の変数と しては、薬液の濃度が用いられ、１／Ｎの部分は薬学的に活性のある製剤の所望 投与量を与えることになる。異なった濃度の薬液を収容した一連の容器を使用し 、Ｎの値を複数使用することによって、活性製剤を多数回にわたって異なった投 与量で投与することができることは明らかである。

上述した方法および装置によりて、はとんど薬液が残らないように複数回投与用 容器から薬液を多数回にわたって投与することが可能となった。このことは、非 常に高価な製剤、たとえば、成長ホルモンを投与しようとしているときにはかな り重要である。

上記の国際特許出願ＰＣＴ／５Ｅ９２１００６５４は、複数回投与用容器から薬 液を反復投与できる装置も開示している。この装置は、一定の容積を有し、一定 の組成を有する薬液を収容している複数回投与用容器のためのホルダ装置を包含 し、この複数回投与用容器は固定前壁を備え、この前壁を貫いて薬液の出口が設 けである。また、この出口を通して薬液を排出させるピストンとして作用する可 動後壁とこの可動後壁を前方に押圧するピストンロッドも設けである。この装置 を特徴づけるのは、ピストンロッドが解除可能な阻止手段を備えていることであ る。この阻止手段の前方移動量は複数回投与用容器の１／Ｎに相当する可動後壁 の前方移動量と一致する所定長に限られる（ここで、Ｎは２以上の整数である） 。

ここで、本明細書の本文および請求の範囲において用いられる「前部」および「 前方」という表現が薬液投与のときにそれが流れる方向を意味することは了解さ れたい。反対の方向は「後部」および「後方」という表現で示す。

上述した装置の好ましい実施例では、前端部で注射カートリッジを保持するバレ ルと、この注射カートリッジに作動して成る設定量の薬液を注射カートリッジか ら排出させるピストンロッドとからなる。

解除可能な阻止手段は固定チャックと可動チャックを包含し、これらのチャック はスプリング力の作用の下にピストンロッド周面を締め付ける。この締め付は作 用は前記スプリング力を減らすことによって解除できる。こうして、前部チャッ クはバレルおよびカートリッジに対して固定されており、ピストンロッド周面へ のその締め付は作用はピストンロッドをチャックに対してしっかりと錠止するよ うにもなるし、チャックに対してピストンロッドが動けるように解放することも できる。後部チャックはバレルおよびカートリッジに対して可動であり、その締 め付は作用を解除したときにピストンロッドに沿って移動できるし、締め付は作 用を付与したときにはピストンロッドの動きに追従できる。

測定量の薬液を投与しようとするときには、後部チャックをヨーク構造によって スプリング力に抗して後方に動かし、同時にチャックの締め付は作用を解除し、 ピストンロッドが前部チャックの締め付は作用によって所定位置に錠止されると 同時にピストンロッドに沿って移動できるようにする。後部チャックのこの後方 移動は、停止手段によって制限され、このチャックの締め付は作用はこの後部位 置で再び与えられる。こうして、チャックは後部位置で所定位置に錠止される。

後部チャックが後方に移動する距離はこの装置では予め決まっており、設定済み であり、薬液の投与量を決める。

−回の投与がなされると、前部チャックの締め付は作用が解除される。そこで、 スプリング力が後部チャックの後方移動量と同じ距離を前方へ後部チャックおよ びピストンロッドを押圧することになる。スプリング力の影響の下に、ピストン ロッドは注射カートリッジの可動後壁に作用してそれを前方へ押圧し、成る計量 した投与量の薬液をカートリッジから排出させる。

これら２つの準備、投与段階は、カートリッジが空になるまで、所望回数、繰り 返されることになる。

上述の装置の重要な特徴は設定投与量を無段階に変えることができるということ にある。このことは、決まった回数の投与を行った後になんら薬液の残留がない ように上述の方法にしたがって投与するのに必要である。この方法および装置は 、薬液を投与する従来の方法および装置と混同してはならない。複数回投与用容 器から反復投与できる従来装置は、普通、注射カートリッジの可動後壁の段階的 な前方移動を行う機構、たとえば、ねじ機構あるいはラチェット機構を包含する 注射装置からなる。このタイプの機構で可能な段階数は決まっており、所定数の 段階で一回の投与量を決めることしかできない。したがって、従来機構は、１段 階での機構の前進量がカートリッジの容積の、たとえば、１／８の投与量を与え るように注射カートリッジで用いるには適している。しかしながら、この機構で は、カートリッジの容積の、たとえば、１／７．１／９あるいは１／１０の投与 量を与えるのが容易ではない。このことは、残留がないようにするには限られた 回数の投与にしか使用できないことを意味する。

これとは逆に、上述した装置では、カートリッジの容積の１／Ｎ（Ｎは整数）で ある投与量を設定することは常に可能である。Ｎの値は、一連の投与と開始する 前に設定することができ、意図せずに変えることが容易であってはならない。種 々の濃度の薬液を入れたカートリッジの範囲およびＮの値の範囲を適当に設定す ることによって、広範囲にわたる投与量を得ることが可能となる。この投与量範 囲はコンピュータの記憶装置からの表で与えてもよいし、医師が容易に参照でき る計算図表であってもよい。

国際特許出願ＰＣＴ／５Ｅ９２１００６５４に記載されている装置は上述の方法 の実施に際してよく作動することがわかった。しかしながら、いくらかの改善の 余地がある。ピストンロッドを交互に錠止、解放する２つの個別のチャックの構 造はかなり複雑である。ピストンロッドをしっかりと把持し、錠止するにはかな りのスプリング圧力が必要であり、これはまたチャックを解放しようとするとき 、たとえば、注射液を投与しようとするときにかなりの力を必要とさせる。これ は、患者が自分で注射液を注射しようとするとき、たとえば、インシュリンでの 外来糖尿病治療などでは投与を困難にする可能性がある。多数の注射カートリッ ジで繰り返し使用した後に、ピストンロッドが摩耗して、投与量の正確な計量が できなくなるということもあり得る。

これらの欠点は本発明の注射装置によって克服される。

本発明によれば、薬液の計量、投与を無段階で変化させる注射装置であって、薬 液を放出する液体連絡部を配置した固定前壁と、ピストンロッドによって前方に 移動させて薬液を排出させることのできる可動後壁とを包含する注射カートリッ ジのためのホルダ装置を包含する。本発明を特徴づけることは、ピストンが解放 自在の錠止手段を備え、このくさび状の横断面を有する少な（とも１つの長手方 向の溝と、この溝の横断面に適合する横断面を有する少なくとも１つの錠止出張 りとからなる。また、溝（単数または複数）内へ錠止出張り（単数または複数） を押圧してピストンロッドの長手方向移動を錠止し、また、この押圧を解除して ピストンロッドを自由にかその後端で投与時にピストンロッドを前方に移動させ るスプリング装置および薬液が投与されるときにピストンロッドのストロークを 設定する装置に連結しであることである。

好ましい実施例において、ピストンロッドは前記ピストンロッドの周囲に均等に 隔たっている少な（とも２つの長手方向溝と、対応する数の錠止出張りとを備え ている。これらの外周面まわりにおいて、出張りは円錐形となっており、管状ス リーブによって取り囲まれている。このスリーブは錠止出張りの円錐形の外側部 分に乗っており、長手方向に移動して錠止出張りに圧力を加え、それらを溝内へ 押圧してピストンロッドを錠止したり、錠止出張りにかかる圧力を解放してピス トンロッドを自由にしたりすることができる。

またさらに好ましい実施例では、管状スリーブは長手方向にスブリ・ング圧力に よって錠止出張りに押し付けられ、これら錠止出張りを溝内へ押圧するようにな っている。レバー装置によって、管状スリーブは前記スプリング圧力に抗して長 手方向に変位させられて錠止出張りにかかる圧力を解放し、ピストンロッドを自 由にすることができる。

図面において、第１図は注射の準倫の整う前の本発明による注射装置を示す。第 ２図は注射の準脩の整った後の装置を示す。第３図は注射液を投与した後の装置 を示す。第４図は第１図のＩＶ−ＩＶ線に沿った断面図である。第５図はピスト ンロッドのための錠止構造の斜視図である。これらの図のすべてにおいて、同様 の部分は同じ参照符号を持つ。

第１図は本発明による注射装置の断面図を示している。この装置はホルダを包含 し、このホルダは後部スリーブ１と前部スリーブとを包含し、この後部スリーブ は、図示実施例では、２つの結合したスリーブ２．３からなる。これら３つのス リーブはそれぞれねじ４．５によって相互に結合してあって６を保持している。

この注射カートリッジはねじ８によって前部スリーブ３に結合した内部スリーブ ７によって固着されている。

注射カートリッジ６は普通のデザインのものであり、ボトルネック型の前端９を 有する。この前端９は普通の端部閉鎖体すなわち閉鎖端壁を備え、この閉鎖端壁 は通常はゴム製の隔壁からなり、これが金属製のカプセルによって所定位置に保 持されている。この金属製のカプセルはその中央部に開口を有し、ここから隔壁 が露出している。この開口を通して、注射針を隔壁に挿入してカートリッジの内 部と液体連通させてカートリッジ内の薬液に出口を与えることができる。カート リッジの前端にある構造は完全に普通のものであるから、ここには詳しく示さな い。

カートリッジ６の室ＩＯは薬液を収容しており、その後端で可動壁すなわちピス トン１１によって閉ざされている。このピストンはピストンロッド１２によって 作動させられる。

ピストンロッド１２は３つの長手方向の溝１３を備えており、これらの溝はくさ び状の横断面を有する。これは第４図でよりはっきりとわかる。第４図は第１図 のｒＶ−ＩＶ線に沿った断面図である。これらの溝は後端部を除いてピストンロ ッドの全長にわたって延びている。

長手方向溝１３内には３つの錠止出張り１４が配置してあり、これらの錠止出張 りも溝１３の横断面に適合するくさび状の横断面を有する。

これは第４．５図でよりはっきりとわかる。出張り１４は直立軸部１５に取り付 けてあり、この軸部は内部スリーブ７の後端から延びている。これらの軸部は成 る程度の弾力性を持っていなければならないが、大きな曲げ角度を吸収するよう ではいけない。軸部１５のスプリング作用は溝１３から錠止出張り１４を引き出 すように作用するが、あまり大きくてはいけない。

錠止出張り１４の外縁１６は円の一部を構成しており、それらの外周面は円錐形 であり、第４．５図でわかるように後方に向かって直径が小さくなるようになっ ている。錠止出張り１４は管状の作動スリーブ１７によって取り囲まれており、 この作動スリーブは内部スリーブ７の外部に配置してあり、それと同軸となって いる。作動スリーブ１７の後部は内面１８を有し、この内面は円錐形であり、錠 止出張り１４の周面の円錐形面１６に適合してこの内面Ｉ８が錠止出張り１４の 円錐形外面１６に衝合するようになっている。さらに、作動スリーブ１７と前部 スリーブ２の間のスペースにはスプリング１９が配置しである。このスプリング １９は肩部２０を作動スリーブ１７に押し付け、肩部２１を前部スリーブ２に押 し付け、これらの肩部に圧力を加えて作動スリーブ１７を前方へ押圧するように なっている。この作用によって、作動スリーブ１７の円錐形内面１８は錠止出張 り１４の円錐形外面１６を押圧し、これら出張りが溝１３内へ押し込められてピ ストンロッドをしっかりと錠止し、その長手方向移動を阻止するようになってい る。

このことは本発明の重要な特徴である。このくさび作用によって、錠止出張りＩ ４が錠止位置に成るときに溝１３の壁面にかなりの力を加えることになる。これ は過剰に大きくなければならない円錐形面１６．１８の仲介により錠止出張りに 作用するスプリング１９の力を必要としない。

ピストンロッド１２上の出張り１４による錠止作用は、作動スリーブＩ７を後方 へ移動させることによって解除され得る。このために、前部スリーブ２にある開 口を通してレバー装置２２が配置しである。

このレバーは外部アーム２２と内部アーム２３を有し、支点となる突起２４上に 乗っている。この内部アーム２３の端は作動スリーブ１７の前向きの肩部２５に 乗り、スプリング１９の作用を介して、肩部２５とレバーの内部アーム２３の接 触が常時確保される。こうして、レバーの外部アーム２２が前部スリーブ３に向 かって内方へ動かされると、内部アーム２３は支点２４まわりに回転し、後方へ 変位して作動スリーブ１７が後方へ動かされることになる。作動スリーブの後端 にある内向き面１８はもはや錠止出張り１４の外向き面１６を押圧することはな く、この錠止出張りももはやピストンロッド１２の溝１３の壁面へ押圧されるこ とがない。こうして、ピストンロッドが自由になって前部スリーブ２．３および 注射カートリッジ６に対して移動することができる。

後端において、ピストンロッド１２は横方向フランジ２６と同軸のねじ付き管状 スリーブ２７とを備える。ねじ２８を所与の距離にわたってねじ付きスリーブ２ ７内に螺合させて、以下に詳しく説明するように、−回に投与する薬液の量を決 めることができる。ねじ２８は止め装置２９を備えており、この止め装置は投与 量を設定し易いように刻み付きホイールとして形成してあってもよい。しかしな がら、他の形状も可能である。

図面には、ねじ付きスリーブ２７が内ねじを有し、ねじ２８が外ねじを有するよ うに示しであるが、ねじ付きスリーブ２７が外ねじを有し、ねじ２８が内ねじを 有するようにしてもよいことは了解されたい。これは装置の機能に影響がない。

後部スリーブ１の後端には中央開口３０が設けてあり、この開口を通してねじ２ ８が延びることができるが、止め装置２９は通れない。

この間口３０は内側の後部スリーブ３１に連絡している。この後部スリーブ３１ は後部スリーブ１内を所定距離にわたって後部開口３０から前方に延びている。

ねじ付きの管状スリーブ２７は、ピストンロッド１２の後端で、内側後部スリー ブ３１に嵌合し、回転させたり、長手方向に変位させたりすることができる。内 側後部スリーブ３１の外壁面と後部スリーブ１の内壁面との間には管状のスペー スが設けられており、このスペース内でフランジ２６の後面と後部スリーブ１の 後端内壁面との間にはらせん状のスプリング３２が配置しである。このスプリン グ３２の力はフランジ２６およびピストンロッド１２を前方へ押すように作用し 、注射液を投与しようとするときに注射カートリッジ６の室１０から薬液を排出 させるのに必要な力を与える。しかしながら、ピストンロッドの前進移動は後部 スリーブ１の後端に乗っている止め装置２９によって制限される。ピストンロッ ド１２の前方への可能性のある移動量はねじ２８がどのくらいねじ付きスリーブ ２７内に螺合しているかによって決まる。

ることかできる。これを行うと、ピストンロッド１２が後部スリーブ１に対して 後方へ移動させられ、後端にあるフランジが内側後部スリーブ３１の前縁に接近 し、衝合すると、さらなる後方移動ができなくなる。前記のことかられかるよう に、ピストンロッド１２が後方へ移動できる距離はねじ２８がねじ付きスリーブ ２７内へどのくらい螺合するかによって決まる。また、ピストンロッド１２によ る後方へのこの移動のとき、ピストンロッドは錠止出張り１４によって注射カー トリッジ６および前部スリーブ２．３に対して所定位置に錠止される。

この錠止出張りは作動スリーブ１７の圧力によってピストンの溝１３内へ押圧さ れている。

第２図はピストンロッド１２の後端にあるフランジ２６が内側後部スリーブ３１ の前縁と衝合するまで後部スリーブ１が矢印方向３３に前部スリーブ２上に螺合 した後の本発明の装置を示す。スプリング３２はフランジ２６の後面と後部スリ ーブ１の後端壁の前面との間で圧縮されている。ピストンロッド１２の相対移動 により、その後端にあるねじ付きスリーブ２７とねじ２８が止め手段２９と共に 後部スリーブ１の後端から突出する。

ピストンロッド１２はなお錠止出張り１４によって把持されており、この錠止出 張りが作動スリーブ１７の傾斜面１８からの圧力によって溝１３内へ押圧される 。このスリーブはスプリング１９によって前方に押圧されている。

第３図は注射液を投与した後の本発明の注射装置を示す。レバー装置の外部アー ム２２は矢印３４で示すように内方に動かされて支点２４まわりにレバーを回転 させ、内部アーム２３の端を後方へ移動させている。内部アーム２３は作動スリ ーブ１７の肩部２５に作用してそれをスプリング１９の圧力に抗して後方へ変位 させる。作動スリーブ１７のこの後方移動はその後端にある円錐形内面１８も錠 止出張り１４の対応する円錐形面１６から離れるように移動させる。これらの錠 止出張りはそれ以上溝１３内へ押し込められてピストンロッド１２を錠止するこ とはな（、今やピストンロッド１２は自由になって圧縮スプリング３２の作用の 下に前方に移動できる。ピストンロッドの前端が可動後壁すなわちピストン１１ の後面に乗っているので、スプリング３２の圧力がピストン１１を所与の距離に わたって前方に変位させ、注射カートリッジ６の室ＩＯから所定量の薬液を排出 させることになる。

ピストンロッド１２の前方移動は、ねじ２８の後端にある止め手段２９が後部ス リーブ１の後端と衝合したときに、止められる。ここでわンロツド１２が前方に 移動した距離で決まる。この距離はねじ２８がねじ付きスリーブ２７内へ螺合し た距離で決まる。注射液の投与量の設定は容易に変えられないようになっている と好ましい。こうして、ねじ２８と止め手段２９およびねじ付きスリーブ２７の 構成は、医師、薬剤師または患者自身の設定する投与量を意図せずに変えること ができないようにする成る種の錠止手段を備えていてもよい。このような手段は 当業者の能力範囲内にある。

レバーの外部アーム２２にかかる圧力が解放されると、スプリング２９が再び作 動スリーブ１７の肩部２０に作用してそれを前方へ移動させることになる。其の 後端にある円錐形面１８が再び錠止出張り１４の円錐形面Ｉ５と接触し、錠止出 張りをピストンロッド１２の溝１３内へ押圧することになる。ピストンロッド１ ２は、今や、注射カートリッジ６に対して錠止され、装置全体が再び第１図に示 す状態になる。

第４図は第１図のｒＶ−ｒＶ線に沿った断面図である。ここで、作動スリーブ１ ７の後端の作用によって錠止出張り１４をピストンロッド１２の溝１３にどのよ うに押圧するかがわかる。ピストンロッド１２は溝１３内へ押し込められた錠止 出張り１４のくさび作用によって錠止されている。

第５図は錠止出張りの構成の斜視図である。簡略化のために、ピストンロッド１ ２は図示していない。ここでは、注射カートリッジ（図示せず）を固着した内部 スリーブ７の後端で錠止出張り１４がどのようにして軸部１５に装着しであるか がわかる。錠止出張り１４の外周面１６は円錐形であり、作動スリーブ１７によ って取り囲まれている。

このスリーブの後端で、その内壁面１８は錠止出張り１４の周面１６の形状に適 合する円錐形となっている。こうして、作動スリーブ１７が前方へ動かされたと きに、その後端の円錐形内面Ｉ８が錠止出張り１４の外周面１６と衝合すること になる。この軸線方向移動は錠止出張り１４の半径方向内方運動に変換される。

図示の実施例では、本発明の装置は使い捨てを意図している。すなわち、使い切 った注射カートリッジを取り出し、新しい注射カートリッジを挿入する手段はな い。この装置は組立時に注射カートリッジを装填することを意図しており、注射 カートリッジが空になった後に廃棄することを意図している。しかしながら、当 業者に明らかなように、本発明の装置は再使用可能な装置として設計してもよい 。これに必要な改造は当業者には明らかであろう。たとえば、１つの改造例とし ては、前部スリーブ３を２つの同軸の管状部分内に配置して、これら管状部分を 互いに螺合させるかあるいは組み込むようにすることがある。こうすると、使い 切ったカートリッジを前方に引き出し、前端を除いた後に新しいカートリッジを 挿入することができる。前部スリーブ３の２つの部分を再び組み立てれば、装置 は使用の準備が整ったことになる。

本発明の装置の機能を以下に詳しく説明する。

装置が注射の準備が整ったときに、第１図に示す状態となる。注射カートリッジ ６は前部スリーブ３内に挿入してあり、内部スリーブ８によって固着されている 。ピストンロッド１２の前端はピストン１１の後面に乗っており、ピストンロッ ドは錠止出張り１４によって所定位置に固着されており、錠止出張りは溝１３内 へ押し込められてピストンロッドをなんら軸線方向に移動できないように錠止す る。スプリング１９は作動スリーブ１７を前方に押圧し、このスリーブの後端に ある傾斜面は錠止出張り１４を溝１３内へ押し込む。

ピストンロッド１２の後端にあるフランジ２６は内側後部スリーブ３１の前端か ら成る距離のところにある。この距離はねじ２８がどのくらいねじ付き管状スリ ーブ２７内に螺合しているかによって決まる。止め装置２９は後部スリーブ１の 後端に乗る。

注射の準備をするために、使用者は後部スリーブを第２図の矢印３３で示す方向 に回転させる。後部スリーブ１をねじ山４によって前部スリーブ２上に螺合させ 、フランジ２６を持つピストンロッド１２、ねじ２８を持つねじ付き管状スリー ブ２７および停止装ｒａ２９を後部スリーブ１に対して後方へ移動させる。後部 スリーブ１が所定距離前部スリーブ２上に螺合した後、ピストンロッド２のフラ ンジ２６が内側後部スリーブ３１の前端と衝合し、さらに移動できなくなる。ね じ２８および停止装ｆｆ１２９は、今や、後部スリーブ１の後端面にある開口３ ゜から突出し、スプリング３２が圧縮される。

この準備過程で、ピストンロッド１２は錠止出張り１４によって所定位置に錠止 される。錠止出張りはスプリング１９の作用および傾斜面１６．１８の作用によ って溝１３内へ押し込められる。こうして、注射カートリッジ６に対するピスト ンロッド１２のさらなる移動はな（なる。

注射液を投与しようとするときには、レバーの外部アーム２２を第３図に矢印３ ４で示すように内方へ移動させる。次に、レバーを支点２４まわりに回転させ、 内部アーム２３の端を後方へ移動させて作動スリーブ１７の肩部２５に作用させ る。このスリーブを次にスプリング１９の圧力に抗して後方へ移動させると、そ の後端にある円錐形傾斜面１８はもはや錠止出張り１４の対応する傾斜面１６を 押圧しない。それ故、錠止出張り１４ももはや満１３内へ押圧されず、軸１５の バネ作用にょって、錠止出張り１４は溝１３からやや引き出される。こうして、 ピストンロッド１２は自由になって後部スプリング３２の作用の下に前方に移動 し、ピストン１１を前方に移動させて注射カートリッジ６の室ＩＯから所定量の 注射液を排出させることになる。ピストンロッド１２の前方移動は、止め装置２ ９が後部スリーブ１の後端に衝合すると終わる。

移動距離は、前述したように、ねじ２８がねじ付き管状スリーブ２７内へ螺合し た距離で決まる。

ピストンロッド１２は、レバーの外部アーム２２に内方へかかる圧力が維持され ているかぎり自由である。この圧力が解放されたとき、作動スリーブ１７が再び スプリング１９の作用によって前方に移動し、このスリーブの後端の傾斜面１８ が再び錠止出張り１４の周面１５に圧力を加え、錠止出張りを溝１３内へ押し込 み、ピストンロッド１２を所定位置に錠止する。

ここでわかるように、レバーの内部アーム２３および作動スリーブ１７はピスト ンロッド１２の動きを錠止したり、解錠したりするほど大きく変位してはいけな い。これは利用されているくさび作用の結果であり、本発明の重要な利点である 。

こうして、装置は再び第１図に示す状態になり、上述した過程は注射カートリッ ジが空になるまで繰り返され得る。

ここで、注射液が後部スプリング３２によって加えられる力によって投与され、 これが自動注射特性を有することを意味することに注目されたい。こうして、使 用者は注射部位に注射針を挿入し、レバー２２を内方へ押すだけでよく、ピスト ンロッドそのものを操作して注射を実施する必要はない。これは、注射液を投与 する過程をかなり簡略化し、本発明の装置の追加の利点である。

図示した本発明の実施例では、注射カートリッジは単室カートリッジとして示し であるが、複室式カートリッジを本装置で使用することができることは当業者に は明らかであろう。このような複室式カートリッジは可動壁すなわちピストンに よって隔離された２つの室を包含する。この場合、前室は、通常、注射薬の固体 成分を収容し、後室が固体成分を溶解する液体成分を収容する。複室カートリッ ジの後部ピストンを前方に押すと、圧力が非圧縮性液を介して伝わり、隔離用壁 を前方へ移動させ、遂には、２つの室間にバイパス連絡がなされる。液体成分は 前室内へ流れて固体成分を溶解する。

こうして形成された溶液は前述したように投与され得る。複室カートリッジは周 知であり、投与直前に調製しなければならない溶液の形では不安定である注射薬 のために使用するものである。

本発明の装置を複室式注射カートリッジに使用できるようにするのに必要な改造 は当業者によって容易に行える。複室式カートリッジを本発明の装置で使用する とき、使用者はまず適当な回数の「ドライラン」投与を行ってカートリッジの前 室内へ液体成分を押し出すのに充分にカートリッジの後部ピストンを前進させる 。こうして、前述したように装置の準備が整ったことになる。注射前に２種の成 分を混合する他の過程も当業者には明らかであろう。

本発明の装置の詳細は、ひとたび本発明の概念を理解したならば、当業者の裁量 範囲にある。また、装置の種々の部分についての材料の選択も当業者にとって問 題ではなかろう。材料としてはステンレス鋼、種々のプラスチック、ゴム材料、 ガラスが有利であるが、加熱滅菌に耐える材料であれば任意の材料を使用できる ことは言うまでもなかろう。

ここで用いる「注射液」なる表現は溶液ばかりでなく、非経口注入のために薬学 的に許容できるエマルジョン、懸濁液その他の分散液も含むことを意図している ことは了解されたい。

本発明によれば、注入しようとしている投与量を無段階に変えながら設定できる 注射装置を提供することができる。この装置は前述したシステムに従って注射液 を投与するのに使用でき、しかも残留液を残さない。これは、特に非常に高価な 薬液を投与しようとするときに重要な利点である。

ここで、本明細書および図面に記載した実施例はほんの例示であり、発明の範囲 を制限するつもりはなんらないことは了解されたい。

多数の修正、変形が当業者には明らかであろうし、実施可能であろう。本発明は 添付の請求の範囲によってのみ制限されるものである。

フロントページの続き ＮＺ、ＰＬ、ＰＴ、Ｒ○、　ＲＵ、　ＳＤ、　ＳＥ、　ＳＩ、　ＳＫ、　ＴＪ、 　ＴＴ、　ＵＡ、　ＵＳ、　ＵＺ、　ＶＮ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. １．注射液を無段階に変えながら計量、投与するための注射装置であり、複数回 投与用注射カートリッジのためのホルダ装置を包含し、このホルダ装置が、薬液 を放出するように液体連絡路を設けた固定前壁と、ピストンロッドによって前方 に移動させされて前記注射カートリッジから薬液を排出させる可動後壁とからな る注射装置において、ピストンロッドが解放自在の錠止手段を備えており、この 錠止手段がくさび形状の横断面を有する少なくとも１つの長手方向溝と、この溝 の横断面に適合する横断面を有する少なくとも１つの錠止出張りとからなり、さ らに、前記溝内へ前記鍵止出張りを押圧して前記ピストンロッドの長手方向移動 を錠止し、前記溝から前記錠止出張りを解放して前記ピストンロッドを自由にす る手段が設けてあり、ピストンロッドの後端が投与時に前記ピストンロッドを前 方へ移動させるスプリング装置と、薬液投与時のピストンロッドのストロークを 設定する装置とに連結してあることを特徴とする注射装置。
2. ２．請求項１記載の注射装置において、前記錠止手段が、前記ピストンロッドの 周面まわりに均等に隔たった少なくとも２つの長手方向溝と、それに対応する数 の錠止出張りとからなり、前記錠止出張りが円錐形の外周面を有し、後端に向か って直径が小さくなるようになっており、これが管状スリーブによって取り囲ま れており、この管状スリーブが前記錠止出張りの円錐形外面に乗っており、また 、長手方向に動かされて前記錠止出張りに半径方向の力を加えてこれらの錠止出 張りを前記溝内へ押圧し、ピストンロッドの動きを錠止したり、前記錠止出張り にかかる力を解放して前記ピストンロッドの動きを自由にするようにしたことを 特徴とする注射装置。
3. ３．請求項２記載の注射装置において、前記管状スリーブがそれにかかる長手方 向のスプリング力によって前記錠止出張りに対して押圧されて前記錠止出張りを 前記溝内へ抑圧し、前記管状スリーブがレバー装置によってスプリング力に抗し て長手方向に変位させられて前記錠止出張りにかかる圧力を解除し、ピストンロ ッドの動きを自由にするようになっていることを特徴とする注射装置。
4. ４．請求項１または２記載の注射装置において、ピストンロッドの後端がねじと 螺合しているねじ付きの同軸スリーブに連結してあり、このねじがその後端に止 め装置を備えており、この止め装置が、投与後に前記ホルダ装置の後端に乗り、 前記ねじが前記ねじ付きスリーブ内に前進した量で前記ピストンロッドのストロ ークが決まることを特徴とする注射装置。
5. ５．請求項４記載の注射装置において、注射カートリッジのためのホルダ装置が その後端に内側前向きスリーブを備えており、このスリーブ内に前記ピストンロ ッドの後端に配置したねじ付きスリーブが摺動自在に配置してあり、前記ピスト ンロッドの後端にある前記スリーブがフランジを備えており、このフランジが前 記内側前向きスリーブの前端と衝合することによって前記内側前向きスリーブの 前進移動を制限し、これにより、また、投与時のピストンロッドの前進ストロー クを制限することを特徴とする注射装置。
6. ６．請求項１から５のうちのいずれか１つに記載の注射装置において、前記ホル ダ装置が前部外側スリーブを包含し、このスリーブが注射カートリッジおよびピ ストンロッド用の錠止手段を取り囲んでおり、また、前記ホルダ装置が投与時に ピストンロッドを前方に移動させるスプリング装置および前記ピストンロッドの ストロークを決定する装置を取り囲む後部外側スリーブを包含し、前記前部外側 スリーブが前記後部外側スリーブ内に螺合するように配置してあり、ピストンロ ッドの後端にあるスリーブにかかるフランジが前記内側前向きスリーブの前端に 衝合するまで前記スプリングの圧力に抗して後部の内側前向きスリーブを前方へ 移動させることによって注射装置の準備が整うようにしたことを特徴とする注射 装置。