JPH0750634B2 - 放電を利用する加工用ト−チ - Google Patents

放電を利用する加工用ト−チ

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JPH0750634B2
JPH0750634B2 JP60271139A JP27113985A JPH0750634B2 JP H0750634 B2 JPH0750634 B2 JP H0750634B2 JP 60271139 A JP60271139 A JP 60271139A JP 27113985 A JP27113985 A JP 27113985A JP H0750634 B2 JPH0750634 B2 JP H0750634B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶接トーチ,プラズマトーチなどの、少なく
とも1個の放電用主電極と加工対象材又は前記放電用主
電極の外側に同心的に配置された、もう1つの電極との
間に電気放電を発生し該電気放電による発熱又はプラズ
マにより加工対象材を溶接加工,切断加工,溶射加工あ
るいは加熱加工する加工用トーチに関する。
〔従来の技術〕
この種の加工用トーチにおいては、アーク放電を点弧す
る必要があり、従来は、放電用主電極と加工対象材又は
前記放電用主電極の外側に同心的に配置されたもう1つ
の電極との間に高周波高電圧を印加してそれらの間にト
リガー放電を発生させる高周波点弧法、又は、放電用主
電極を加工対象材に接触させて接触火花を発生させてか
ら放電用主電極を加工対象材から離して接触火花放電を
アーク放電に移行させる接触点弧法、により加工用アー
ク放電をトリガーしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし従来の高周波点弧法では、アークの起動するため
の高周波電圧が大きいので、高パワーの電磁的なノイズ
が発生し、溶接自動機器に組み込まれたマイクロコンピ
ュータをはじめとする各種周辺電子機器を誤動作あるい
は破損することがあり、この種の高周波高パワーノイズ
に対して特別なノイズフィルタを用いるなどの対策を施
す必要があった。更に、高周波点弧時にアーク電源回路
に接続された計測機器を破損してしまうため、計測機器
を溶接用電気回路に容易に接続できないという問題があ
る。特に、交流溶接では交流半波毎に再点弧のためアー
クトリガーをする必要があり、したがって高周波高パワ
ーノイズの発生が多いという問題がある。
従来の接触点弧法では、放電用電極の先端形状によって
はアークトリガに失敗することがあり、また交流溶接で
は交流半波の切換わり時に失弧してアークの安定性を損
うことがある。交流半波毎の再点弧動作は不可能であ
る。
本発明は、点弧時に高パワー高周波ノイズを実質上発生
するとなく、しかも点弧が容易で安定性が高い加工用ト
ーチを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明においては、少なくとも1個の放電用主電極を加
工対象材又は前記放電用主電極の外側に同心的に配置さ
れたもう1つの電極との間に電気放電を発生し該電気放
電による発熱又はプラズマにより加工対象材を溶接加
工,切断加工,溶射加工あるいは加熱加工する加工用ト
ーチにおいて、高周波高電圧を印加されない前記放電用
主電極又は加工対象材の少くとも一方に対向するプラズ
マ噴射ノズルを有するノズル部材,ノズル部材の内方に
あってプラズマ噴射ノズルに連通する内空間,該内空間
に塩気放電を発生するための副電極,および、該内空間
にプラズマガスを供給するプラズマガス供給部材,を有
するプラズマ噴射器を備える。ここで高周波高電圧と
は、高周波発振器を有するプラズマジェットトーチで通
常使用される範囲の1000〜10000V,1〜10MHzの交流と定
義する。
〔作用〕
これによれば、直流正極性および交流正半波(主電極:
陰極,加工対象材またはもう一つの電極:陽極)の時に
は、プラズマ噴射器が放電用主電極に向けて噴射するプ
ラズマにより、放電用主電極とプラズマ噴射器の間に所
期アーク放電を発生し、これが瞬時に放電用主電極と加
工対象材又はもう一つの電極との間に移動して加工用ア
ークに転ずる。一方、直流逆極性および交流負半波(主
電極:陽極,加工対象材:陰極)の時には、プラズマ噴
射器が加工対象材に向けて噴射するプラズマにより、放
電用主電極と加工対象材との間に加工用アークが発生す
る。
したがって加工用アークの発生が容易でかつ安定する。
プラズマ噴射においては、高周波点弧法又は接触点弧法
でアーク放電を発生しプラズマを形成してこれを高速で
放電用主電極及び/又は加工対象材に噴射するが、この
アーク放電を少容量で済むので、所要パワーが極く低
く、高周波ノイズの低減を従来常用の技術で十分に行い
得る。したがって問題とはならない。放電用主電極関連
の電源回路、すなわち加工用電源回路には高パワー高周
波電圧が乗らないので、測定用機器等を容易に接続し得
る。プラズマ噴射器は低パワーで安定して連続付勢でき
るので、交流溶接等、交流を加工用電源に用いるトーチ
においてアークの再点弧を安定して継続し得る。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の
説明より明らかになろう。
〔実施例〕
第1a図に本発明の一実施例を示す。この実施例は、交流
非消耗電極式アーク溶接トーチである。第1a図におい
て、1は垂下特性を有する交流アーク溶接用電源であ
り、その交流出力端の1つを溶接トーチ7内のタングス
テン電極(放電用主電極:以下主電極という)2に接続
し、もう1つの端子を溶接される加工対象材(母材)3
に接続して、溶接用電源1,主電極2および母材3からな
る溶接用電気回路8を形成している。主電極の近傍に
は、アークトリガー用のプラズマ噴射器13を配置し、ト
リガー用プラズマ装置10の陰極側に噴射器13の副電極12
を接続し、噴射器13のノズル部材を陽極側に接続し、プ
ラズマ装置10およびプラズマ噴射器13からなるプラズマ
ジェット回路18を形成し、プラズマ噴射器13のノズル部
材を母材3に接続している。
交流用電源1をオンにすると、主電源2とプラズマ噴射
器13のノズル部材及び母材3との間に、電源1の出力電
圧が正半波のときにはプラズマ噴射器13のノズル部材及
び母材3(陰極)から主電極2(陰極)に向けて電場が
形成され、電源1の出力電圧が負半波のときには主電極
2(陽極)から母材3(陰極)に向けて電場が形成され
る。この状態でプラズマガスをプラズマ噴射器13内に供
給し(以後の説明ではプラズマガスについての記述を省
略する)、トリガー用プラズマ装置10をオンにすると、
副電極12とプラズマ噴射器13のノズル部材の間に放電を
生じてプラズマが主電極2に向けて送給され、電源1の
出力電圧が正半波のとき、すなわち、プラズマノズル13
のノズル部材(陽極)から主電極2(陰極)に向けて電
場が形成されているときに、プラズマ中の正イオンが該
電場で加速され、主電極2に衝突し、衝突部の温度を上
昇させ主電極2からプラズマ噴射器13のノズル部材に向
けてアーク放電を生じ、このアークが主電極2−母材3
間に瞬時に移行する。すなわち主電極2−母材3間に溶
接用アークが点弧する。
母材3の近傍にもう1つのプラズマ噴射器23を配置し、
トリガー用プラズマ装置21の陰極側に副電極24を、陽極
側にプラズマ噴射器23のノズル部材をそれぞれ接続し、
プラズマ装置21,副電極24およびプラズマ噴射器23から
なるトリガー用プラズマジェット回路25を形成してい
る。
トリガー用プラズマ装置21をオンにすると、副電極24と
プラズマ噴射器23のノズル部材の間に放電を生じてプラ
ズマが母材3に向けて送給され、電源1の出力電圧が負
半波のとき、すなわち、主電極2(陽極)から母材3
(陰極)に向けて電場が形成されているときに、プラズ
マ中の正イオンが該電場で加速され、母材3に衝突し、
衝突部の温度を上昇させ母材3から主電極2に向けてア
ーク放電を生じる。すなわち母材3−主電極2間にに溶
接用アークが点弧する。
なお、この第1a図に示す実施例の、プラズマ噴射器13お
よび23の、トーチへの具体的な装着態様を第3c図に示
す。この装着態様は後述する。
以上の通り、溶接用電源1出力(交流)の正半波(主電
極:陰極,母材:陽極)ではプラズマ噴射器13が発生す
るプラズマにより主電極2−母材3間に溶接用アークが
点弧され、負半波(主電極:陽極,母材:陰極)ではプ
ラズマ噴射器23が発生するプラズマにより母材3−主電
極2間に溶接用アークが点弧される。
したがって溶接時には、プラズマ装置10および21を連続
付勢してプラズマ噴射器13およびプラズマ噴射器23より
それぞれ主電極2および母材3に向けてプラズマを注入
することにより、主電極2−母材3の間に連続して交流
アークが発生する。
以上に説明した交流アークの点弧において、プラズマジ
ェット回路18,25の能力として最大10A程度の低電流プラ
ズマジェットを発生させるだけでアークの点弧には十分
である。しかもプラズマジェットを発生させるために必
要な使用ガスはプラズマガスのみでシールドガスが不要
なため、プラズマ噴射器13,3の超小型化が可能である。
更に、副電極12,24とプラズマ噴射器13,23との放電ギャ
ップおよび各々の形状,材質を放電しやすい状態に任意
設定できる。又、アーク点弧用プラズマジェットは低電
流での使用しか必要とされないため、副電極12,24およ
びプラズマ噴射器13,23のノズル部材の損耗は著しく軽
微である。
なお、アーク点弧のためのプラズマ注入、すなわちプラ
ズマ噴射器13および23による主電極2および母材3に向
けてのプラズマ注入は、溶接用電源1の出力電圧の交番
に同期して、それぞれ正半波のアークを生じるべきタイ
ミングおよび負半波のアークを生じるべきタイミングに
合せて、あるいは、交流の零クロス点をカバーする十分
に広い位相区間に合せて行ってもよい。トリガー用プラ
ズマを定常的に維持する電力が低いので、溶接中常時ト
リガー用プラズマを発生させておく態様が、プラズマジ
ェット回路18,25、特にプラズマ装置10,21を簡単なもの
にする観点から好ましい。
次に第1a図に示したプラズマ装置10,21の構成およびプ
ラズマ噴射器13,23の点弧方法について第2a図,第2図
b図および第2c図を参照して説明する。
第2a図は接触点弧方法を用いたトリガープラズマ発生用
プラズマジェット回路(18,25)を示す概略図である。1
1は直流垂下特性を有するプラズマ電源で、その陰極側
に副電極12を、陽極側にプラズマ噴射器13のノズル部材
をそれぞれ接続し、プラズマ電源11,副電極12,プラズマ
噴射器13のノズル部材からなるプラズマジェット回路を
構成している。トリガー用プラズマ電源11をオンにし、
無負荷電圧を印加したままの状態で副電極12を手動,電
動,バイメタル,バネじかけ等の手段を用いてプラズマ
噴射器13のノズル部材に接触,短絡させ、短絡過渡電流
を流した後に副電極12をプラズマ噴射器13のノズル部材
から引き離し、プラズマジェットを点弧させようとする
ものである。従来のタッチ点弧法(溶接用メインアーク
点弧法)では、短絡時の過大電流による主電極先端部の
損耗が問題とされていたが、アーク点弧用プラズマジエ
ットにおいてはもともと低電流(最大10A程度)である
ため副電極先端部の損耗は極めて軽微である。また、た
とえ少々損耗したとしてもプラズマジエットさえ点弧す
れば十分であり、溶接用アーク電流への寄与は不要であ
って溶接用電気回路8と実質上無関係であるので、溶接
上の問題とはならない。このタッチ法を実施するための
プラズマ噴射器13(23も同様)の構成を第5図,第6a
図,第6b図,第7図および第8図に示す。これらの構成
は後述する。
第2b図は高周波点弧方法を用いたアーク点弧用プラズマ
ジエット回路(18,25)を示す概略図である。11は直流
垂下特性を有するプラズマ電源でその陰極側に高周波電
源14を介して副電源12を接続し、陽極側にプラズマ噴射
器13のノズル部材を接続している。尚、1後述は高周波
バイパスコンデンサである。プラズマ電源11,副電極12,
プラズマ噴射器13のノズル部材,高周波電源14,高周波
バイパスコンデンサ15でプラズマジエット回路(18,2
5)を形成している。
この回路は、高周波電源14により副電極12とプラズマ噴
射器12のノズル部材との間に高周波電圧を印加し、火花
放電を生じさせて、絶縁破壊を起こした後に、プラズマ
電源11で電流を供給してアーク点弧を行うものである。
ただし、プラズマ噴射器13のノズル部材と副電極12との
放電ギヤップは0.1mm程度の微小設定も可能であるた
め、高周波電源14の出力電圧は最大千V程度もあれば十
分であり、これに起因して発生する高周波ノズルのレベ
ルも低いものである。従って、第2b図に示すプラズマジ
エット回路18(第1a図の18,25として使用する)をシー
ルド16でおおい、ノズルフイルタ17を介して外部電源と
接続することにより、高周波ノズルを容易に且つ完全に
抑えることができる。
尚、高周波電源14はプラズマ電源11の陰極側に接続する
必要はなく、副電極12,プラズマ噴射器13のノズル部
材,高周波電源14,高周波バイパスコンデンサ15で回路
が形成されるならば、どこに配置してもよい。また、第
2b図では、プラズマジエット回路18(25)の点弧に高周
波電源14により発生する高周波電圧を用いたが、同程度
の電圧を供給できる電源であればプラズマジエット回路
18(25)に組み込むことが可能である。実際にコンデン
サ電源によるコンデンサ放電電圧或いは通常遮断時に発
生するサージ電圧を利用しても同様にプラズマジェット
を点弧することが可能である。
この高周波点弧法を実施するためのプラズマ噴射器13
(23も同様)の構成を第4a,第4b図,第4c図に示す。こ
れらの構成は後述する。
次に第2b図に示すプラズマジエット回路18(プラズマ噴
射器13,23は第4a図に示す構成のもの)を第1a図に示す
プラズマジエット回路18および25として用いた実例を説
明する。
溶接トーチ7における各部寸法(第1a図参照)を、La=
3mm,Lb=4mm,Lc=5mm,Ld=5mm,Le=5mm,Dm=1.6mm,θ=
45°とし、トリガー用プラズマジエット回路18,25の各
部寸法(第2b図参照)を、ds=1.0mm,Ds=1.0mm,Lt=1.
0mm,Lp=2.0mmとし、溶接電源1の無負荷電圧:50V,シー
ルドガス流量:20l/min Ar,プラズマジエット電流(連
続通電):10A,プラズマガス流量:3.0l/min Arの条件で
溶接アークを点弧付勢した。これにおいては、アーク点
弧(スタート)および再点弧(スタート後の交流正,負
各半波における点弧:点検点弧)が共に極めて良好であ
り、また、高周波ノズルレベルが極く低く、溶接トーチ
の近くに置いたコンピュータシステムに誤動作を生じな
かった。
第2c図は、電極加熱点弧方法を用いたアーク点弧用プラ
ズマジェット回路(18,25)を示す概略図である。
85は少なくとも二端子を有する非消耗電極(ここでは、
その一例として二端子を有する非消耗電極を用いること
とし、以後これをフィラメントと記す)で84は該端子を
通じて通電することにより、フィラメント85を自己発熱
させるためのフィラメント加熱電源である。フィラメン
ト加熱電源84は直流でも交流でもよく極性を問わない。
これをフィラメント85の該端子に接続する。
11は、直流垂下特性を有するプラズマ電源で、その陰極
側にフィラメント85の一端を接続し、陽極側にプラズマ
噴射器13のノズル部を接続する。
プィラメント加熱電源84,フィラメント85でフィラメン
ト加熱回路86を形成し、プラズマ電源11,フィラメント8
5,プラズマ噴射器13のノズル部でプラズマジエット回路
(18,25)を形成する。
プラズマ電源11をオンにし、フィラメント85とプラズマ
噴射器13のノズル部材との間に無負荷電圧を印加し、プ
ラズマ噴射器13のノズル部材からフィラメント85に向か
う電場を形成する。これと前後してフィラメント加熱電
源84をオンにし、フィラメント85に通電することによ
り、フィラメント85をジュール発熱で自己発熱させる。
フィラメント85の温度が上昇するに伴い、フィラメント
85内の電子の保有するエネルギーが高まり、これと電場
から受けるエネルギーの総和がフィラメント85から電子
が放出されるエネルギーレベルまで励起されたとき、フ
ィラメント85とプラズマ噴射器13のノズル部材との間に
アークが点弧する。
なお、フィラメント加熱電源84及びプラズマ電源11を第
1a図あるいは第1b図における溶接電源1あるいは第1c図
あるいは第1d図における非移行型プラズマ電源32あるい
は第1d図における移行型プラズマ電源22と同一の装置内
に組込むことが出来る。こうすることによりこれら主電
源の出力を流用あるいはバイパスさせて、フィラメント
加熱電源84及びプラズマ電源11に代替させることがで
き、より安価な回路構成となる。この電極加熱点弧方法
を実施するためのプラズマ噴射器13(23も同様)の構成
を第9a図に示す。これらの構成は後述する。
次に第2c図に示すプラズマジェット回路18(プラズマ噴
射器13,23は第9a図に示す構成のもの)を第1a図に示す
プラズマジェット回路18および25として用いた実例を説
明する。
溶接トーチ7における各部寸法(第1a図参照)をLa=3m
m,Lb=4mm,Lc=5mm,Ld=5mm,Le=5mm,Dm=1.6mm,θ=45
°とし、トリガー用プラズマジェット回路18,25の各部
寸法(第2b図参照)をdf=0.5mm,lf=50mm,Ds=1.0mm,L
t=1.0mm,Lp=2.0mmとし、フィラメント85には2%トリ
ウム入りタングステンを用いた。
溶接電源1の無負荷電圧:50V, シールドガス流量:20l/minAr, プラズマジェット電流(連続通電):10A, プラズマガス流量:(3.0l/minAr, フィラメント加熱電流:直流25A の条件で溶接アークを点弧付勢した。
トリガー用プラズマジェット点弧後もフィラメント加熱
電流を流し続けてもよいが、フィラメント85の耐久性を
向上させるためには、トリガー用プラズマジェット点弧
直後に、フィラメント加熱電流の通電を停止させる方が
好ましい。
これにおいては、アーク点弧(スタート)および再点弧
(スタート後の交流正,負各半波における点弧:連続点
弧)が共に極めて良好であり、また、このとき発生する
電磁ノイズレベルは、極めて低く、溶接トーチの近くに
置いたコンピュータシステムに誤動作を生じなかった。
以上詳細に説明したようにこの実施例によれば、交流非
消耗電極式アーク溶接トーチの点弧においては、従来
の、アーク溶接回路に直接に接続する高周波電源等の、
高パワーノイズ発生原因となる手段を用いる必要がない
ので、また非消耗電極を母材に接触させて点弧する必要
がないので、マイクロコンピユータ等の電子機器を用い
た測定,制御装置に格別に負担が高いノイズ対策を施す
必要がなく、しかも非消耗電極の損耗もない。また溶接
アーク電流回路に点弧用放電電圧,電流が重畳しないの
で、電圧,電流検出手段をアーク電源に接続しこの検出
手段に計測機器等を接続し得るし、計測機器等にノイズ
電流を生じないのでその破損のおそれもない。
第1a図には交流非消耗電極式アーク溶接トーチを示した
が、これを母材3をプラスとする直流非消耗電極式アー
ク溶接トーチにするときには、第1a図に示すプラズマ噴
射器23を省略し、第3a図に示すように、シールドキヤッ
プ6にプラズマ噴射器13を装着し、そのプラズマ噴射口
(80)を主電極2に対向させればよい。なお、主電極2
を外れる方向を向いていても所期の効果がもたらされる
が、放電電圧を低くするためには対向させるのがよい。
また、第3b図に示すように、プラズマ噴射器13をシール
ドキヤップ6の内空間から絶縁し、シールドキヤップ6
の内面に、プラズマ噴射器13のプラズマ噴射口(80)と
連通するプラズマ注入口36を有するダミー電極35を備
え、このダミー電極35を電気リード37を介して母材3す
なわち溶接用電源のプラス出力端、に接続し、プラズマ
噴射器13と母材とは電気的に分離するのもよい。この態
様では、溶接用電気回路8とプラズマジエット回路18が
完全に絶縁分離され、溶接用電源1(但し直流出力)を
オンにすることによって主電極2とダミー電極35との間
に、ダミー電極35から主電極2に向けて電場が形成され
る。この態様では、主電極2のアークは最初主電極2か
らダミー電極35に向けて形成されるが、直ちに主電極2
から母材3へと移行する。プラズマ噴射器13には主電極
2からの放電が実質上ないので、プラズマ噴射器13のノ
ズル部材の傷みがない。
母材3をマイナスとする直流非消耗電極アーク溶接トー
チにするときには、第1a図に示すプラズマ噴射器13を省
略し、第3c図(但し13,35は削除)に示すように、シー
ルドキヤップ6にプラズマ噴射器23を装着し、そのプラ
ズマ噴射口(80)を母材3に対向させればよい。
第3c図は、第1a図に示す態様(但しプラズマ噴射器13と
母材3とは電気的に非接続)でプラズマ噴射器13および
23をシールドキヤップ6に装着した具体例を示す。この
態様でも、第3b図に示す直流用の場合と同様にダミー電
極35が備わっており、溶接用電源1(交流)をオンする
と、母材3にプラス電圧が加わる半波において、主電極
2とダミー電極35との間に、ダミー電極35から主電極2
に向けて電場が形成され、主電極2のアークは最初主電
極2からダミー電極35に向けて形成されるが、直ちに主
電極2から母材3へと移行する。
第1b図に本発明のもう1つの実施例の構成概要を示す。
これは交流消耗電極式アーク溶接トーチである。第1b図
において、1は垂下特性を有する交流溶接電源であり、
その交流出力端の1つを溶接トーチ7の溶接ワイヤ(放
電用主電極)2に接続し、もう1つの端子を、溶接され
る母材3に接続して、溶接用電源1,主電極2および母材
3からなる溶接用電気回路8を形成している。主電極2
の近傍には、アークトリガー用のプラズマ噴射器13を配
置し、トリガー用プラズマ装置10の陰極側に副電極12
を、また陽極側にプラズマ噴射器13のノズル部材をそれ
ぞれ接続し、プラズマ装置10,副電極12およびプラズマ
噴射器13からなるプラズマジエット回路18を形成し、プ
ラズマ噴射器13のノズル部材を母材3に接続している。
26は溶接電流が流れてアークが点弧したことを検出する
アーク点弧検出器で、28は、送給ローラ29を駆動する溶
接ワイヤ送給制御装置である。アークが最初点弧したこ
とをアーク点弧検出器26で検出し、これらの信号により
溶接ワイヤ送給制御装置28を起動して溶接ワイヤ2の送
給を開始する。
溶接ワイヤ2の先端部を母材3と少し離した状態で交流
用電源1をオンにすると、主電極2とプラズマ噴射器13
のノズル部材及び母材3との間に、電源1の出力電圧が
正半波のときにはプラズマ噴射器13及び母材3(陽極)
から主電極2(陰極)に向けて電場が形成され、電源1
の出力電圧が負半波のときには主電極2(陽極)からプ
ラズマ噴射器13及び母材3(陰極)に向けて電場が形成
される。
この状態でプラズマガスをプラズマ噴射器13内に供給し
(以後の説明ではプラズマガスについての記述を省略す
る)、トリガプラズマ装置10をオンにすると、副電極12
とプラズマ噴射器13のノズル部材の間に放電を生じてプ
ラズマが主電極2に向けて送給され、電源1出力電圧が
正半波のとき、すなわち、プラズマ噴射器13及び母材3
(陽極)から主電極2(陰極)に向けて電場が形成され
ているときに、プラズマ中の正イオンが該電場で加速さ
れ、主電極2に衝突し、衝突部の温度を上昇させ主電極
2からプラズマ噴射器13に向けてアーク放電を生じ、こ
のアークが主電極2−母材3間に瞬時に移行する。すな
わち主電極2−母材3間に溶接用アークが点弧する。
母材3の近傍にもう1つのプラズマ噴射器23を配置し、
トリガ用プラズマ装置21の陰極側に副電極24を、陽極側
にプラズマ噴射器23のノズル部材をそれぞれ接続し、プ
ラズマ装置21,副電極24およびプラズマ噴射器23からな
るトリガー用プラズマジエット回路25を形成している。
トリガープラズマ装置21をオンにすると、副電極24とプ
ラズマ噴射器23の間に放電を生じてプラズマが母材3に
向けて送給され、電源1出力電圧が負半波のとき、すな
わち、主電極2(陽極)から母材3(陰極)に向けて電
場が形成されているときに、プラズマ中の正イオンが該
電場で加速され、母材3に衝突し、衝突部の温度を上昇
させ母材3から主電極2に向けてアーク放電を生じる。
すなわち母材−主電極2間に溶接用アークが点弧する。
以上の通り、溶接用電源1出力(交流)の正半波(主電
極:陰極,母材:陽極)ではプラズマジエット回路18が
発生するプラズマにより主電極2−母材3間に溶接用ア
ークが点弧され、負半波(主電極:陽極,母材:陰極)
ではプラズマジエット回路25が発生するプラズマにより
母材3−主電極2間に溶接用アークが点弧される。
したがって溶接時には、プラズマ装置10および21を連続
付勢してプラズマ噴射器13および23よりそれぞれ主電極
2および母材3に向けてプラズマを注入することによ
り、主電極2−母材3の間に連続して交流アークが発生
する。
次に第2b図に示すプラズマジエット回路18を第1b図に示
すプラズマジエット回路18および25として用いた実例を
説明する。
溶接トーチ7における各部寸法(第1b図参照)を、La=
10mm,Lb=4mm,Lc=5mm,Ld=5mm,Le=3mm,Dm=1.2mm,θ
=45°とし、トリガー用プラズマジエット回路18,25の
各部寸法(第2b図参照)を、ds=1.0mm,Ds=1.0mm,Lt=
1.0mm,Lp=2.0mmとし、溶接電源1の無負荷電圧:50V,シ
ールドガス流量:20l/min Ar,プラズマジエット電流
(連続通電):10A,プラズマガス流量:3.0l/min Arの条
件で溶接アークを点弧付勢した。これにおいては、アー
ク点弧(スタート)および再点弧(スタート後の交流
正,負各半波における点弧:連続点弧)が共に極めて良
好であり、また、高周波ノズルレベルが極く低く、溶接
トーチの近くに置いたコンピユータシステムに誤動作を
生じなかった。注目すべきは、溶接スタート時の初回ア
ーク点弧も、スクラッチ点弧法を用いなくてもプラズマ
注入により達成されることである。スクラッチ点弧法で
は、主電極2の先端形状や母材3の表面状態によっては
点弧に失敗することがあるが、前述のプラズマ注入によ
れば安定して初回のアーク点弧が実現する。この実施例
においても、第1a図に示す実施例と同様な効果がもたら
される。
この実施例でも、第3c図に示すようにプラズマ噴射器13
および23をシールドキヤップ6に装着してもよい。
また、第1b図には交流消耗電極アーク溶接トーチを示し
たが、これを母材3をプラスとする直流溶接トーチにす
るときには第1b図に示すプラズマ噴射器23を省略し、第
3a図に示すように、シールドキヤップ6にプラズマ噴射
器13を装着すればよい。また第3b図に示すようにダミー
電極35を備えてもよい。
第1b図に示す溶接トーチを、母材をマイナスとする直流
溶接トーチとするときには第3c図(但しプラズマ噴射器
13とダミー電極35は削除)に示すようにプラズマ噴射器
23をシールドキヤップ6に装着すればよい。
第3d図に本発明のもう1つの実施例の構成を示す。この
実施例は母材3をマイナスとする直流アーク溶接トーチ
である。シールドキヤップ6には電極チップ27が結合さ
れており、この電極チップ27で主電極2が案内されかつ
位置決め支持されている。電極チップ27にはシールドガ
ス流路38と冷却水流路39が形成されており、またプラズ
マ噴射器13を挿入する穴が開けられている。この穴にプ
ラズマ噴射器13が挿入され、そのプラズマ噴射口は主電
極2と平行で下方を向いている。電極チップ27の上部内
空間にシールドガスが供給され、このガスは流路38を通
ってシールドキヤップ6より母材に向けて流れる。この
実施例においても、先に説明した、母材をマイナスとす
る直流アーク溶接トーチ(図示せず)と同様に、プラズ
マ噴射器13が噴射するプラズマにより主電極2と母材と
の間にアークを点弧する。
第3e図に本発明のもう1つの実施例の構成を示す。この
実施例は交流アーク溶接トーチである。母材がプラスの
交流半波区間で主電極2と母材との間にアークを点弧す
るためのプラズマ噴射器23がシールドキヤップ6に装着
されている。その他の構成は第3d図に示すものと同様で
ある。この実施例では、母材がプラスの交流半波区間で
はプラズマ噴射器23が噴射するプラズマにより主電極2
と母材との間にアークが点弧され、母材がマイナスの交
流半波区間ではプラズマ噴射器13が噴射するプラズマに
より主電極2と母材との間にアークが点弧される。
第3f図に第3e図のIIIF−IIIF線断面図を示す。電極チッ
プ27には第3f図に示すように多数のシールドガス流路38
が主電極2を中心とした円上に形成されており、シール
ドキヤップ6に整ったシールドガス流を与える。なお、
この構成は第3d図に示す実施例も同様である。
第1c図に本発明のもう1つの実施例を示す。この実施例
は非移行型プラズマトーチである。第1c図において、第
1a図と同じ要素又は類似の要素には同じ符号を付した。
プラズマノズル33の側壁に円形の穴が開けられ、この穴
にトリガー用プラズマ噴射器13が装着されており、主電
極2の側面に対向している。トリガープラズマを発生す
るプラズマ装置10がプラズマ噴射器13に接続されてい
る。この例では副電極12が陰極,噴射器13のノズル部材
が陽極である。噴射器13は主ノズル33と一体接続であ
り、加工用プラズマ電源32に関しても陽極である。
この例では、シールドガス流路31にシールドガスを、セ
ンターガス流路30にセンターガスを、更に、トリガープ
ラズマ発生用のガス(例えば不活性ガス)をプラズマ噴
射器13に供給し、非移行型プラズマ電源32をオンにして
主電極2と主ノズル33の間に、主ノズル33から主電極2
に向かう電場を形成する。すなわち副ノズル13は主ノズ
ル33と接続されているので、換言すると、副電極12と主
ノズル33の間に、主ノズル33から副電極13に向かう電場
を形成する。この状態でプラズマ装置10をオンにし、プ
ラズマ噴射器13にトリガープラズマを発生させる。発生
したトリガープラズマは、トリガープラズマ発生用のガ
ス(例えば不活性ガス)が供給されているのでこれによ
り、主電極2に向けて高速で移動する。すなわち主電極
2−噴射器13間に、トリガープライズが注入され主電極
2に衝突する。このとき、主電極2−噴射器13間の電場
内に注入されたトリガープラズマ中の正イオンは電場で
加速され、主電極2に衝突し、衝突部の温度を上昇させ
るので、電源1の電圧で非移行型プラズマが主電極2−
主ノズル33間に点弧する。
このプラズマ点弧によると、非移行型プラズマ発生回路
21自身の放電電流以外の外的トリガーで非移行型プラズ
マが点弧するため、非移行型プラズマ点弧前後の電磁的
ノイズおよび過渡電流変動が小さく、また電源32には点
弧回路が接続されていないので、非移行型プラズマ電源
回路21に電流,電圧計測機器等を接続できる。したがっ
て自動制御機器の接続や併設が容易である。
第2b図に示すトリガープラズマ発生回路18を用いた上記
第1c図に示す実施例の実施効果を説明する。
トリガープラズマ発生回路18(第2b図): 電源11の無負荷電圧:100V, トリガープラズマ電流:10A, プラズマガス流量:3l/min Ar, Ds=1.0mm,Lt=1.0mm,Lp=1.2mm,ds=1.0mm。
非移行型プラズマ発生回路21(第1c図): 電源1の無負荷電圧:100V, 設定電流:50A, センターガス流量:1.0l/min Ar, シールドガス流量:20l/min Ar, La=1mm,Lb=5mm,Lc=10mm, dm=2.4mm,Dm=1.0mm。
以上の条件で0.1秒間トリガープズマを注入して連続100
回繰り返して、非移行型プラズマの点弧を試みた。いず
れの場合も極めて安定に非移行型プラズマが点弧した。
しかも、主電源2,主ノズル3,副電極12,プラズマ噴射器1
3のノズル部材に損耗は認められなかった。また、高周
波発生時における外部電源の電圧変動はほとんど認めら
れず、さらにこのとき使用していた計測機器或るいは制
御装置はマイクロコンピュータ内蔵型のものであった
が、高周波ノイズによる誤動作は発生しなかった。
第1d図に本発明のもう1つの実施例を示す。この実施例
は、移行型プラズマトーチである。
第1c図と異なる点は直流垂下特性を有する移行型プラズ
マ電源22があり、その陰極側が主電極2に接続され、陽
極側が加工される母材3に接続されていることである。
非移行型プラズマを点弧するまでのプロセスは同じであ
るが、これは非移行型プラズマの点弧と前後して移行型
プラズマ電源22をオンにして主電極2と母材3間に無負
荷電圧を印加することにより母材3から主電極2に向か
う電場を形成し、ここに非移行型プラズマを注入するこ
とにより移行型プラズマを点弧する。
これにおいてトリガープラズマ発生装置10を前述と同様
に第2b図に示すトリガープラズマ発生回路とし、前述と
同じ条件で、0.1秒間トリガープラズマを注入して連続1
00回繰り返し、非移行型および移行型プラズマの点弧を
試みた。いずれの場合も極めて安定に移行型プラズマが
点弧した。しかも、主電極2,主ノズル33,副電極12,プラ
ズマ噴射器13に損耗は認められなかった。また、高周波
発生時における外部電源の電圧変動はほとんど認められ
ず、さらにこのとき使用していた計測機器或るいは制御
装置はマイクロコンピユータ内蔵型のものであったが、
高周波ノイズによる誤動作は発生しなかった。
第3g図に本発明のもう1つの実施例を示す。これは前述
の非移行型プラズマトーチおよび移行型プラズマトーチ
の両者に使用できるものである。主ノズル33の下端に、
加工用プラズマ噴射口79を有するプラズマノズル部材42
が固着されており、またこの部材を包囲してシールドキ
ヤップ6が固着されている。主ノズルには、ノズル部材
42とシールドキヤップ6の間にシールドガスを供給する
複数個のガス流路38が、加工用プラズマ噴射口79を中心
とした円上に等間隔で開けられている。また冷却水流路
39が形成されている。主電極2は絶縁体チップ41で支持
され、加工用プラズマ噴射口79上に位置決めされてい
る。このチップ41には、プラズマガスを通すガス流路が
開けられている。プラズマガスは、電極チップ27の内空
間40を通り、次にチップ41のガス流路を通って加工用プ
ラズマ噴射口79より噴射する。主ノズル33の側壁にはプ
ラズマ噴射器13が、その噴射口を主電極2に対向させて
装着されている。このプラズマトーチは第1c図および第
1d図に示す実施例と同様に使用され、同様に動作する。
なお、以上の説明はプラズマ溶接用のプラズマトーチに
関してのものであるが、プラズマ切断,プラズマ溶射等
その他の、同様な加工用プラズマを発生するプラズマ加
工においてもプラズマ点弧の原理は同じであり、同様に
本発明を実施し得る。
プラズマ溶射トーチの一実施例を第3h図に示す。この実
施例において主ノズル42には、加工用プラズマ噴射口79
に連なる溶射剤粉抹流路44が開けられている。主ノズル
42の外側面には冷却水流路39を形成したリング状の導体
83が配設されており、この導体83と主ノズル2をシール
ドキヤップ6が包囲している。主ノズル42およびリング
状の導体83と電極チップ27とを絶縁しかつそれらの間に
絶縁空間40を置くリング状絶縁体43にプラズマ噴射器13
が装着され、噴射器13のプラズマ噴射ノズルが主電極2
に対向している。加工用プラズマガスは、リング状絶縁
体43のガス流路を通して空間40に送給されて加工用プラ
ズマ噴射口79より噴出する。電極チップ27には冷却水流
路39があり、この中を冷却水が通る。前述した第2a図又
は第2b図に示すプラズマジエット回路18により噴射器13
と主電極2の間にトリガープラズマを発生させると、発
生したトリガープラズマにより瞬時に、主電極2−プラ
ズマノズル部材42間にメインプラズマが点弧する。溶射
剤粉抹流路44から加工用プラズマ噴射口79に出る溶射剤
粉抹はメインプラズマで溶融して噴射口79直下の母材
(図示せず)に溶射される。
プラズマ溶射トーチの一実施例を第3l図に示す。第3h図
と異なる点は、プラズマ噴射器13がリング状絶縁体43で
はなくリング状の導体83に装着されていることである。
プラズマ点弧メカニズムは全く同じてある。
第3i図〜第3k図に、第1a図,第1b図,第3a図および第3c
図〜第3e図に示すプラズマ噴射器13,23の装着態様に変
えて用いる他の装着態様を示す。
第3i図に示す装着態様では、溶接トーチ7に固着したホ
ルダベース45にホルダアーム47を連結し、このホルダア
ーク47に、プラズマ噴射器13に固着したプラズマノズル
ホルダ49を装着している。ホルダアーク47はホルダベー
スに対して回動調整が可能であり、ホルダ49はアーム47
に対して回動調整が可能である。主電極2をマイナスと
し母材3をプラスとする直流溶接では第3i図に示すよう
に、プラズマ噴射器13のプラズマノズルを主電極2に対
向させる。
主電極2をプラスとし母材3をマイナスとする直流溶接
では第3j図に示すように、プラズマ噴射器13のプラズマ
ノズルを母材2に対向させる。交流溶接では第3k図に示
すように、2組のアーム47,48を装着して、一方のプラ
ズマ噴射器13を主電極2に対向させ、もう1つのプラズ
マ噴射器23を母材3に対向させる。
次に、以上に説明したプラズマ噴射器13(23も同じ構
造)の構造数例を第4a図〜第9a図を参照して説明する。
なお第4a図〜第4c図に示すプラズマ噴射器は第2b図に示
すプラズマジエット回路18と共に用いる態様のものであ
り、第5図〜第8図に示すプラズマ噴射器は第2a図に示
すプラズマジエット回路18と共に用いる態様のものであ
る。
まず第4a図に示すプラズマ噴射器13を説明する。これは
第3k図までの実施例において、プラズマ噴射器13,23と
して示されているものである。第4a図に示すプラズマ噴
射器13の、底部にプラズマ噴射ノズル80を開けた有底筒
状の導電体ノズル部材51には、筒状の絶縁体スペーサ52
が嵌入され、このスペーサ52に電極ホルダ53が嵌入され
ている。電極ホルダ53の中心の穴に副電極12が挿入され
て止めねじ58でホルダ53に固着されている。副電極12を
中心とする円周上に等間隔にプラズマガス流路54が開け
られており、これらのガス流路54が副電極12の延びる方
向に、電極ホルダ53を貫通している。副電極12を挿入し
ている穴には、その穴の直径よりも大きい径のねじ穴が
連続しており、このねじ穴に、プラズマガスホース61の
心線である給電ワイヤ60の先端のねじ頭59が螺合してい
る。電極ホルダ53の背面を絶縁リング55で押さえて、こ
の絶縁リング55を圧縮する形で導電体キヤップ56がノズ
ル部材51に螺合されている。このキヤップ56にプラズマ
ガスホース61の一端が固着されている。プラズマガスホ
ース61の内面には導体層81が裏当てされており、また給
電ワイヤ60の側面は絶縁層82で被覆されている。プラズ
マ装置10(第2b図)のプラス出力端がホース61の導電層
81に接続され、プラズマ装置10のマイナス出力端が給電
ワイヤ60に接続される。導電層81はキヤップ56を通して
ノズル部材51と電気的に連続であり、給電ワイヤ82はそ
のねじ頭59および電極ホルダ53を通して副電極12と電気
的に連続である。トリガープラズマ形成用のプラズマガ
スはホース61を通してキヤップ56の内空間に供給され、
電極ホルダ53のガス流路54を通してノズル部材51の内空
間、すなわち副電極12が存在するプラズマ放電空間に至
り、プラズマ噴射ノズル80より噴射する。第2b図に示す
プラズマ装置10をこのプラズマ噴射器13に接続してプラ
ズマ電源11をオンにすると、副電極12の先端とノズル部
材51の間に放電を生じ、これによってプラズマとなった
プラズマガスがプラズマノズル80より噴射する。このプ
ラズマ噴射器13は、プラズマガスホース61でガス供給お
よび給電するので、付加電気リードがなく、電気リード
の配設が不要であり、トーチへの取付けが比較的に容易
である。
プラズマ噴射器13(23も同様)は、ノズル部材51の先端
部のみをトーチに固着してもよい。この固着態様に適す
る構造例を第4b図および第4c図に示す。
第4b図に示すプラズマ噴射器13では、電極ホルダ53に副
電極12を圧入し、この電極ホルダ53を絶縁スペーサ52に
嵌入して絶縁体のエンドキヤップ63で絶縁スペーサ52を
閉じている。絶縁スペーサ52には、電極ホルダ53までぬ
けるねじ穴が開けられており、このねじ穴に導電体のプ
ラズマガス管62が、電極ホルダ53に圧接するまでねじ込
まれている。プラズマガスはこのガス管を通してノズル
部材51の内空間に供給される。ノズル部材51はプラズマ
装置10(第2b図)のプラス出力端に電気リードを介して
接続され、副電極12は電極ホルダ53およびガス管62を介
してプラズマ装置10のマイナス出力端に接続される。な
お、このプラズマ噴射器13の変形例においては、ノズル
部材51に導電体ガス管62を接続し、絶縁スペーサ52を貫
通させた電気リードを電極ホルダ53に接続する。
第4c図に示すプラズマ噴射器13は、ノズル部材51および
電極ホルダ53のそれぞれに電気リードを接続し、ガス管
62は電気リードとしては使用しない構造としたものであ
る。したがってこの例では、ガス管62は絶縁体であって
もよい。
第5図に示すプラズマ噴射器13では、絶縁スペーサ52を
中間壁があるものとし、この中間壁で副電極12を往復動
自在に案内している。中間壁と電極ホルダ53の間に圧縮
コイルスプリング64が介挿され、このスプリング6cが電
極ホルグ53を右方に押している。電極ホルダ53には絶縁
体のロッドキヤップ65がはめ込まれており、このキヤッ
プ65に傘形の押し突子66のステムが固着されている。通
常はスプリング64の反撥力で電極ホルダ53が右方に押さ
れて第5図に示すように、ロッドキヤップ65がエンドキ
ヤップ63に当って、副電極12の先端とノズル部材51との
間に、放電ギヤップが形成されている。このプラズマ噴
射器13は、第2a図に示すプラズマ装置10に接続される。
押し突子66を左方に押すと、スプリング64が圧縮されて
電極ホルダ53が左方に移動し、副電極12の先端がノズル
部材51に接触する。接触したときに副電極12とノズル部
材51の間に短絡電流が流れ、押し突子66を離すとスプリ
ング64の反撥力で電極ホルダ53が右方に戻り、これによ
り副電極12がノズル部材51より離れ、両者間にアーク放
電を生ずる。したがってこのプラズマ噴射器13を用いた
場合には、トーチに加工用アークを点弧するときに、押
し突子66を押せばよい。
第6a図に示すプラズマ噴射器13は、押し突子に代えて電
磁石67を備えている。電磁石67の電気コイル71に通電す
ると、磁性体コア68−磁性体フランジ69−磁性体ヨーク
72−磁性体コア68のループに磁束が現われ、フランジ69
がヨーク72に吸引されてコア68が左方に移動し、副電極
12の先端がノズル部材51に接触する。コイルボビン70に
巻回された電気コイル71の通電を断つと、スプリング64
の反撥力で図に示すように副電極12がノズル部材51より
離れ、放電キヤップが形成される。このプラズマ噴射器
13は、第2a図に示すプラズマ装置10に接続される。電磁
石67に通電すると、スプリング64が圧縮されて電極ホル
ダ53が左方に移動し、副電極12の先端がノズル部材51に
接触する。接触したときに副電極12とノズル部材51の間
に短絡電流が流れ、電磁石67の通電を断つとスプリング
64の反撥力で電極ホルダ53が右方に戻り、これにより副
電極12がノズル部材51より離れ、両者間にアーク放電を
生ずる。したがってこのプラズマ噴射器13を用いた場合
には、トーチに加工用アークを点弧するときに、電磁石
67に一度通電すればよい。
第6b図に示すプラズマ噴射器13は、電磁石67の副電極駆
動方向を第6a図に示す実施例とは逆方向とし、かつ、ノ
ズル部材51−副電極12間の通電電流を電磁石67の電気コ
イルに流すようにしている。プラズマ電源11(第2a図)
のオフ時には、圧縮コイルスプリング64の反撥力で副電
極12は左方に押されてノズル部材51に接触している。プ
ラズマ電源11をオンにすると、副電極12がノズル部材51
に接触しているので、それらの間に短絡電流が流れると
共に、電磁石67の電気コイル71に電流が流れて第6b図に
示すように、副電極12を右方に駆動して放電ギヤップを
形成する。これにより副電極12−ノズル部材51間にアー
ク放電を生ずる。アーク放電を生じている間も放電電流
により電磁石67が付勢され、放電ギヤップを維持する。
電源オンのままでアーク放電が途切れると、副電極12が
ノズル部材51に接触し、また短絡電流が流れ、この通電
電流により電気コイル71が付勢されて副電極12がノズル
部材51から離れる。このように電源11(第2a図)がオン
の間、自動的に副電極12−ノズル部材51間にアーク放電
が維持される。
第7図に示すプラズマ噴射器13は、圧縮ガスを供給管73
を通して電極ホルダ53とエンドギヤップ63の間の空間に
圧入して電極ホルダ53を右方に押しこれにより副電極12
をノズル部材51に接触させるようにしている。このプラ
ズマ噴射器13は、第2a図に示すプラズマ装置10に接続さ
れる。供給管73に高圧ガスを供給すると、電極ホルダ53
が左方に移動しスプリング64が圧縮されて、副電極12の
先端がノズル部材51に接触する。接触したときに副電極
12とノズル部材51の間に短絡電流が流れ、供給管73への
高圧ガスの供給を停止しかつ供給管73を大気に解放する
とスプリング64の反撥力で電極ホルダ53が右方に戻り、
これにより副電極12がノズル部材51より離れ、両者間に
アーク放電を生ずる。したがってこのプラズマ噴射器13
を用いた場合には、トーチに加工用アークを点弧すると
きに、供給管73に一時的に高圧ガス(これは管62に供給
するプラズマガスでもよい)を供給すればよい。
第8図に示すプラズマ噴射器13では、形状記憶合金スプ
リング74で電極ホルダ53を右方に押し、通常の圧縮コイ
ルスプリング64で電極ホルダ53を左方に押すようにして
いる。形状記憶合金スプリング74の記憶形状は所定温度
以上で副電極12の延びる方向に延びたものである。常温
では、スプリング74の形状が縮んだものであるので、ス
プリング64の力で電極ホルダ53が左方に押されて副電極
12がノズル部材51に接触している。このプラズマ噴射器
13に第2a図に示すプラズマ電源11を接続し、該電源11を
オンにすると、副電極12がノズル部材51に接触している
のでそれらの間に短絡電流が流れ、電流値が大きいので
ノズル部材51および副電極12の温度が上昇する。温度が
所定値になると形状記憶合金スプリング74が記憶形状に
戻り、これによりスプリング64の力に抗して電極ホルダ
53が右方に駆動されて第8図に示すように、副電極12が
ノズル部材51から離れて、放電ギヤップを生じ、アーク
放電を生じる。アーク放電でも発生熱量が多いので、ス
プリング74の温度は前記所定温度以上であり、副電極12
を右方に駆動した状態に留まる。
第9a図に示すプラズマ噴射器13では、副電極12として二
端子を有する非消耗電極(フィラメント85)を用い、そ
の両端を電極ホルダ53に固定している。
この電極ホルダー53を筒錠の絶縁体スペーサ52に嵌入し
て絶縁体のエンドキヤップ63で絶縁体スペーサ52を閉じ
ている。
絶縁体スペーサ52には電極ホルダ53までぬける穴が2つ
あけてある。
さらに絶縁スペーサ52には内空間にまでぬけるねじ穴が
開けられており、このねじ穴にプラズマガス管62がねじ
込まれている。
プラズマガスはこのガス管を通じて供給される。一方絶
縁体スペーサ52にノズル部材51がとりつけられている。
このノズル部材51はプラズマ装置10(第2c図)のプラズ
マ電源11プラス出力端に電気リードを介して接続され
る。
また絶縁体スペーサ52の2つの穴を通して2つの電極ホ
ルダー53はプラズマ装置10(第2c図)のフィラメント加
熱電源84の両端に電気リードを介して接続される。
なお、このプラズマ噴射器13の変形例においては、フィ
ラメント85の給電に必要な穴を絶縁体スペーサ52ではな
く絶縁体のエンドキヤップ63にあけて、これを通して電
気リードを介して給電を行う場合もある。
以上に説明した各種構造のプラズマ噴射器のいずれも本
発明の加工用トーチに用い得る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、プラズマ噴射器を
高周波点弧する場合(第2b図)でも、印加高周波が比較
的に低い電圧であって、従来のような放電用主電極に直
接に高電圧高周波を印加する場合の高パワー高周波ノイ
ズを発生せず、加工トーチ周りの電子機器に誤動作や破
損を生ずることがなくなる。また放電用主電極電源に測
定器を接続し得る。更に、放電用主電極の点弧および再
点弧が容易かつ安定し、特に交流トーチにおいてその効
果を発揮する。プラズマ噴射器を接触点弧する場合(第
2a図)でも、一度それを点弧すると、その後電源(11)
がオンの間アーク放電を継続してプラズマを噴射するの
で、放電用主電極の点弧および再点弧が容易かつ安定す
る。
【図面の簡単な説明】
第1a図,第1b図,第1c図および第1d図はそれぞれ、本発
明の各実施例の構成概要を示す縦断面図である。第2a図
はそれらの図面に示すプラズマ噴射器13,23が接触点弧
式のものである場合のプラズマジエット回路18の構成を
示すブロック図、第2b図はそれらの図面に示すプラズマ
噴射器13,23が高周波点弧式のものである場合のプラズ
マジエット回路18の構成を示すブロック図である。第2c
図はそれらの図面に示すプラズマ噴射器13,23がフィラ
メント点弧式のものである場合のプラズマジェット回路
18の構成を示すプロック図である。 第3a図,第3b図および第3c図は、第1a図および第1b図に
示す実施例の、プラズマ噴射器装着態様をより詳しく示
す部分断面図である。 第3d図および第3e図はそれぞれ、本発明の他の実施例の
縦断面図であり、第3f図は第3e図のIIIF−IIIF線断面図
である。 第3g図,第3h図および第3l図はそれぞれ、本発明の他の
実施例の縦断面図である。 第3i図,第3j図および第3k図はそれぞれ、本発明の他の
実施例の正面図である。 第4a図,第4b図,第4c図,第5図,第6a図,第6b図,第
7図,第8図および第9a図はそれぞれ、本発明で用いる
プラズマ噴射器の数種の構成を示す縦断面図である。 1:溶接用電源、2:主電極 3:母材、4: 6:シールドキヤップ 7:溶接トーチ(加工用トーチ) 8:溶接用電気回路、10:プラズマ装置 11:プラズマ電源、12:副電極 13:プラズマ噴射ノズル (副ノズル、プラズマ噴射器) 14:高周波電源 15:高周波バイパスコンデンサ 16:シールド、17:ノイズフイルタ 18:プラズマジエット回路 (トリガープラズマ発生回路) 20:プラズマトーチ(加工用トーチ) 21:非移行型プラズマ発生回路 22:移行型プラズマ電源 23:プラズマ噴射ノズル (副ノズル、プラズマ噴射器) 24:副電極、25:プラズマジエット回路 26:アーク点弧検出器 27:電極チップ(電極支持部材) 28:溶接ワイヤ送給制御装置 29:送給ローラ、30:センターガス流路 31:シールドガス流 32:非移行型プラズマ電源 33:主ノズル(プラズマノズル、もう一つの電極) 34:移行型プラズマ発生回路 35:ダミー電極、36:プラズマ注入口 37:ダミー電極リード 38:シールドガス流路、39:冷却水流路 40:プラズマガス流路 41:センタ位置決めチップ 42:プラズマノズル部材(主ノズル) 43:リング状絶縁体、44:粉沫流路 45,46:ホルダベース、47,48:ホルダアーム 49,50:プラズマノズルホルダ 51:ノズル部材、52:絶縁スペーサ 53:電極ホルダ、54:プラズマガス流路 54:プラズマガス流路、55:絶縁リング 56:キヤップ、57:プラズマガス流路 58:止めねじ、59:ねじ頭 60:給電ワイヤ(給電体) 61:プラズマガスホース(プラズマガス案内部材) 62:プラズマガス管(管体) 63:エンドキャップ 64:圧縮コイルスプリング(ばね部材) 65:ロッドキャップ、66:押し突子 67:電磁石、68:コア 69:フランジ、70:ボビン 71:電気コイル、72:ヨーク 73:圧縮ガス供給管(管体) 74:形状記憶合金スプリング 79:加工用プラズマ噴射口 80:プラズマ噴射ノズル 81:導電層、82:絶縁層 83:リング状の導体 84:フィラメント加熱電源 85:フィラメント(ヘアピン状のヒータ) 86:フィラメント加熱回路

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1個の放電用主電極(2)と加
    工対象材(3)又は該放電用主電極(2)の外側に同心
    的に配置されたもう1つの電極(33)との間に電気放電
    を発生し、該電気放電による発熱又はプラズマにより加
    工対象材を溶接加工,切断加工,溶射加工あるいは加熱
    加工する加工用トーチ(7,20)において: 高周波高電圧を印加されない該放電用主電極(2)と、
    加工対象材(3)の少なくとも一方に対向するプラズマ
    噴射ノズル(13,23)を有するノズル部材,ノズル部材
    の内方にあってプラズマ噴射ノズル(13,23)に連通す
    る内空間,該内空間に電気放電を発生するための副電極
    (12,24),および、該内空間にプラズマガスを供給す
    るプラズマガス供給部材,を有するプラズマ噴射器、を
    備えたことを特徴とする、放電を利用する加工用トー
    チ。
  2. 【請求項2】プラズマ噴射器は、そのプラズマ噴射ノズ
    ル(13,23)を、前記放電用主電極(2)と、加工対象
    材(3)の少なくとも一方に対向させて加工用トーチ
    (7,20)先端のシールドキャップ(6)に装着した前記
    特許請求の範囲第(1)項記載の、放電を利用する加工
    用トーチ。
  3. 【請求項3】一方のプラズマ噴射ノズル(13)に連続す
    るプラズマ注入口(36)を有するダミー電極(35)をシ
    ールドキャップ(6)の内壁面に備えた前記特許請求の
    範囲第(2)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  4. 【請求項4】2個のプラズマ噴射器の一方を、そのプラ
    ズマ噴射ノズル(13)の前記放電用主電極(2)に対向
    させて、また他方のプラズマ噴射ノズル(23)を加工対
    象材(3)に対向させてトーチ(7,20)先端のシールド
    キャップ(6)に固着した前記特許請求の範囲第(1)
    項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  5. 【請求項5】前記一方のプラズマ噴射器のプラズマ噴射
    ノズル(13)に連続するプラズマ注入口(36)を有する
    ダミー電極(35)をシールドキャップ(6)の内壁面に
    備えた前記特許請求の範囲第(4)項記載の、放電を利
    用する加工用トーチ。
  6. 【請求項6】プラズマ噴射器を、前記放電用主電極
    (2)を支持する電極支持部材(27)に、プラズマ噴射
    ノズル(23)を加工対象材(3)に向けて装着した、前
    記特許請求の範囲第(1)項記載の、放電を利用する加
    工用トーチ。
  7. 【請求項7】2個のプラズマ噴射器の一方を、前記放電
    用主電極(2)を支持する電極支持部材(27)に、プラ
    ズマ噴射ノズル(23)を加工対象材(3)に向けて装着
    し、他方を、そのプラズマ噴射ノズル(13)を前記放電
    用主電極(2)に対向させてトーチ(7,20)先端のシー
    ルドキャップ(6)に固着した、前記特許請求の範囲第
    (1)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  8. 【請求項8】プラズマ噴射器を、前記放電用主電極
    (2)を包囲しプラズマガスを案内する主ノズル(33)
    に、そのプラズマ噴射ノズル(13)を前記放電用主電極
    (2)に対向させて装着した、前記特許請求の範囲第
    (1)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  9. 【請求項9】前記放電用主電極(2)を支持する電極支
    持部材(27)と、前記放電用主電極(2)との間に放電
    を生じ、発生したプラズマを噴射する加工用プラズマ噴
    射口(79)を有する、プラズマノズル部材と、の間にあ
    って前記放電用主電極(2)を包囲するリング状絶縁体
    (43)に、プラズマ噴射器を、そのプラズマ噴射ノズル
    (13)を前記放電用主電極(2)に対向させて装着し
    た、前記特許請求の範囲第(1)項記載の、放電を利用
    する加工用トーチ。
  10. 【請求項10】トーチ(17)に固着したホルダベース
    (45,46)にホルダアーム(47,48)を介してプラズマ噴
    射器を連続した前記特許請求の範囲第(1)項記載の、
    放電を利用する加工用トーチ。
  11. 【請求項11】プラズマ噴射器は、底部にプラズマ噴射
    ノズル(80)を開けた有底筒状の導電体ノズル部材,該
    ノズル部材に嵌入された筒状の絶縁スペーサ(52),副
    電極(12)を固着し該絶縁スペーサ(52)に嵌入した導
    電体電極ホルダ(53),副電極(12)の延びる方向に該
    電極ホルダ(53)を貫通するプラズマガス流路(54),
    一端が該電極ホルダ(53)に固着され副電極(12)と反
    対方向に延びる給電体(60),この給電体(60)の周囲
    に、前記プラズマガス流路(54)と連通する空間を残し
    て前記ノズル部材の開口端側を閉じるキャップ(56),
    および、一端が該キャップ(56)に固着され該空間に連
    通する内空間を有し前記給電体(60)を包囲するプラズ
    マガス案内部材(61),を備えてなる前記特許請求の範
    囲第(1)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  12. 【請求項12】キャップ(56)は導電体であり、給電体
    (60)は表面に絶縁層(82)を有し、プラズマガス案内
    部材(61)は該キャップ(56)に接合した導電層を有す
    る、前記特許請求の範囲第(11)項記載の、放電を利用
    する加工用トーチ。
  13. 【請求項13】プラズマ噴射器は、底部にプラズマ噴射
    ノズル(80)を開けた有底筒状の導電体ノズル部材;該
    ノズル部材に嵌入された筒状の絶縁スペーサ(52);副
    電極(12)を固着し該絶縁スペーサ(52)に嵌入した導
    電体電極ホルダ(53);および、該ノズル部材,絶縁ス
    ペーサ(52)および導電体電極ホルダ(53)で囲まれる
    内空間にプラズマガスを供給する管体(62);を備えて
    なる、前記特許請求の範囲第(1)項記載の、放電を利
    用する加工用トーチ。
  14. 【請求項14】管体(62)は導電体であって、絶縁スペ
    ーサ(52)を貫通して導電体電極ホルダ(53)に当接し
    た、前記特許請求の範囲第(13)項記載の、放電を利用
    する加工用トーチ。
  15. 【請求項15】プラズマ噴射器は、底部にプラズマ噴射
    ノズル(80)を開けた有底筒状の導電体ノズル部材,該
    ノズル部材に嵌入され、副電極(12)をプラズマ噴射ノ
    ズル(80)に近づく方向とその逆の方向に移動自在に支
    持した筒状の絶縁スペーサ(52),該ノズル部材および
    絶縁スペーサ(52)で囲まれる内空間にプラズマガスを
    供給する管体(62),副電極(12)を、プラズマ噴射ノ
    ズル(80)から離れる方向に強制するばね部材(64),
    および、副電極(12)に固着され前記絶縁スペーサ(5
    2)の外部に突出する押し突子(66),を備えてなる、
    前記特許請求の範囲第(1)項記載の、放電を利用する
    加工用トーチ。
  16. 【請求項16】プラズマ噴射器は、底部にプラズマ噴射
    ノズル(80)を開けた有底筒状の導電体ノズル部材,該
    ノズル部材に嵌入され、副電極(12)をプラズマ噴射ノ
    ズル(80)に近づく方向とその逆の方向に移動自在に支
    持した筒状の絶縁スペーサ(52),該ノズル部材および
    絶縁スペーサ(52)で囲まれる内空間にプラズマガスを
    供給する管体(62),副電極(12)を、プラズマ噴射ノ
    ズル(80)に近づく方向と離れる方向の一方に強制する
    ばね部材(64),および、副電極(12)を他方の方向に
    駆動する電磁石(67),を備えてなる、前記特許請求の
    範囲第(1)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  17. 【請求項17】ばね部材(64)は副電極(12)をプラズ
    マ噴射ノズル(80)より離れる方向に強制し、電磁石
    (67)はその通電時に副電極(12)をプラズマ噴射ノズ
    ル(80)に近づく方向に駆動する、前記特許請求の範囲
    第(16)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  18. 【請求項18】ばね部材(64)は副電極(12)をプラズ
    マ噴射ノズル(80)に近づく方向に強制するものであっ
    て、電磁石(67)は通電時に副電極(12)をプラズマ噴
    射ノズル(80)より離れる方向に駆動するものであり、
    電磁石(67)はノズル部材と副電極(12)間の通電によ
    り通電付勢する接続とした、前記特許請求の範囲第(1
    6)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  19. 【請求項19】プラズマ噴射器は、底部にプラズマ噴射
    ノズル(80)を開けた有底筒状の導電体ノズル部材,該
    ノズル部材に嵌入され、副電極(12)をプラズマ噴射ノ
    ズル(80)に近づく方向とその逆の方向に移動自在に支
    持した筒状の絶縁スペーサ(52)、該ノズル部材および
    絶縁スペーサ(52)で囲まれる内空間にプラズマガスを
    供給する管体(62),副電極(12)を、プラズマ噴射ノ
    ズル(80)より離れる方向に強制するばね部材(64),
    副電極(12)の、プラズマ噴射ノズル(80)と対向する
    端部とは反対側の端部に固着され絶縁スペーサ(52)で
    案内された電極ホルダ(53)、および、電極ホルダ(5
    3)と、絶縁スペーサ(52)の開口を閉じるエンドキャ
    ップ(63)との間の空間の加圧流体を供給する管体(7
    3)、を備えてなる、前記特許請求の範囲第(1)項記
    載の、放電を利用する加工用トーチ。
  20. 【請求項20】プラズマ噴射器は、底部にプラズマ噴射
    ノズル(80)を開けた有底筒状の導電体ノズル部材,該
    ノズル部材に嵌入され、副電極(12)をプラズマ噴射ノ
    ズル(80)に近づく方向とその逆の方向に移動自在に支
    持した筒状の絶縁スペーサ(52),該ノズル部材および
    絶縁スペーサ(52)で囲まれる内空間にプラズマガスを
    供給する管体(62),副電極(12)を、プラズマ噴射ノ
    ズル(80)に近づく方向に強制するばね部材(64),お
    よび、所定温度以上で記憶形状に復帰して該ばね部材
    (64)のばね力に抗して副電極(12)をプラズマ噴射ノ
    ズル(80)より離れる方向に駆動する形状記憶合金スプ
    リング(74)、を備えてなる前記特許請求の範囲第
    (1)項記載の、放電を利用する加工用トーチ。
  21. 【請求項21】副電極(12)は、折り曲げ端がプラズマ
    噴射ノズル(80)に対向するヘアピン状のヒータ(85)
    である前記特許請求の範囲第(1)項記載の、放電を利
    用する加工用トーチ。
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