JPH0750610B2 - 燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極の製造方法

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JPH0750610B2
JPH0750610B2 JP2259995A JP25999590A JPH0750610B2 JP H0750610 B2 JPH0750610 B2 JP H0750610B2 JP 2259995 A JP2259995 A JP 2259995A JP 25999590 A JP25999590 A JP 25999590A JP H0750610 B2 JPH0750610 B2 JP H0750610B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池に係り、特に、電極の
クリープ変形及びシンタリングと電極材料の溶出を防止
し、長期的に安定した燃料電池の製造方法並びに燃料電
池用電極の製造方法を提供することにある。
〔従来の技術〕
燃料電池における電極は、運転中に高温圧縮によるクリ
ープ変形や電極粒子のシンタリングが起り、電極細孔容
積の減少に伴うガス拡散性の低下や、電極比表面積の減
少による触媒活性の低下により電池性能が経時的に低下
する問題があった。
また、電極材料が炭酸塩電解質(例えば、K2CO3+Li2CO3
混合塩)の中に溶出して電池性能が低下する問題があっ
た。
この様な問題を解決するために、従来においてもNi多孔
質電極にセラミックス材料を混在させる方法(特開昭61
−271749号公報及び特開昭61−267267号公報)やセラミ
ックス粉末を電極材料でコーティングする方法(特開昭
59−107543号公報)及び電極原料粉末をセラミックスで
コーティングする方法(特開昭63−668571号公報)等が
開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、セラミックス材料を添加した電極では、接触抵
抗が増大する一方、不活性物質の共存により電極の触媒
活性が低下する。また、熱サイクルによる電極の亀裂発
生の原因ともなる。セラミックス材料を電極材料でコー
ティングして成る電極は高温圧縮によるクリープ変形を
抑制できるが、十分な電池性能が得られない。
一方、多孔質電極の表面層にCr,Al,Zr等を含有して電極
のシンタリングやクリープ変形を抑制する方法(特開昭
55−74065号公報)が開示されている。しかし、これら
の方法は電極原料のシンタリング抑制には一応の効果を
発揮するが、高温圧縮によるクリープ変形を抑制する効
果は少ない。またこれらの添加物は経時的に炭酸塩電解
質と反応して、次第にその効果が低下する一方、電解質
を消耗してしまう問題がある。
また、多孔質金属焼結体に、Cr,Al,Co並びにY,Ce,Zr等
を含む塩類を水溶液にとかして含浸し、乾燥、焼結して
電極表面に酸化物等を析出させる方法(特開昭62−5566
号公報)が開示されている。この方法によれば、金属粒
子間に酸化物が析出し、電極粒子の移動を抑制してシン
タリングを防止する効果はあるが、電極の活性点を被覆
し性能が低下する一方、電極と集電体との接触抵抗が増
大するなどの問題がある。
また、特開平1−204365号公報によれば、Ti,Al,Niの3
成分から成る金属間化合物を原料として多孔質電極を作
る方法が開示されている。しかし、Tiはクリープ変形を
抑制する効果は少なく、電極触媒としての活性には必ず
しも有効でない。また提案の方法によれば、Ni−Al−Ti
から成る金属間化合物は粉末をアトマイズ法により製作
している。しかし、アトマイズ法によって形成される粉
末粒子は比表面積が小さく、電極触媒としては好適でな
い。
また特開昭51−45742号公報によれば、多孔質体と金属
成分並びに塩化物をアルミナ緩衝剤との混合体として加
熱し、多孔質体に金属成分を反応せしめた後、この金属
成分を、水、酸、アルカリで溶出させるラネーニッケル
型電極が開示されている。この方式の電極は電極表面が
活性化され、初期には優れた性能を発揮するが、金属成
分の溶出処理を行うために、電極のシンタリングやクリ
ープ変形を防止する点で全く効果がなく、長期的には従
来の多孔質電極と同程度の性能に戻ってしまうことが判
明している。
本発明の目的は、電池運転における電極のクリープ変形
及びシンタリングを防止すると共に、電極活性並びに電
子伝導性に優れ、長期にわたって安定した電池性能を発
揮できる燃料電池用電極の製造方法並びに、その電極を
用いた燃料電池の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、Ni多孔質板を製造する工程と、このNi多孔質
板とハロゲン化アルミニウムガスを加熱接触させてNi基
体内にAlを拡散浸透させて表面から内部までNiとAlの金
属間化合物から成る多孔質電極を製造する工程を含む燃
料電池用電極の製造方法である。
また、本発明は、Ni粉末とハロゲン化アルミニウムガス
を加熱接触させてNiとAlの金属間化合物粉末を製造する
工程と、この金属間化合物粉末より多孔質電極を製造す
る工程を含む燃料電池用電極の製造方法である。
また、本発明は、Ni粉末をハロゲン化アルミニウムガス
とH2ガスの混合ガス中で加熱してNiとAlの金属間化合物
を形成しつつ同時に焼結することを特徴とする燃料電池
用電極の製造方法である。ここで、ハロゲン化アルミニ
ウムガスはAlCl3及び/又はAlClであるものがよい。
また、本発明は、Ni多孔質板によりアノード及び/又は
カソードを形成して電池を組み立てる工程と、この電池
内部にハロゲン化アルミニウムガスを供給して電池内部
にてNi多孔質板が表面から内部までNiとAlの金属間化合
物の多孔質電極にする工程を含む燃料電池の製造方法で
ある。
〔作用〕
本発明によれば、NiとAlの反応はハロゲン化物の存在に
おいて、またはハロゲン化アルミニウムの形態において
低温域で進行し、Ni基体内部に拡散浸透してNiとAlの金
属間化合物を生成する。
金属間化合物としては、AlNi3、AlNi、Al3Ni2の形態が
好ましく、これらの物質は耐クリープ性、耐シンタリン
グ性、耐溶融塩性に優れる。また、電極触媒としての性
能に優れ、高い電子伝導性を示す。
ここで、ハロゲン化アルミニウムは200℃以下で気相と
なるAlCl3及び下記(1)式の反応によって生成するAlC
lガスが特に有効である。
2Al(s)+AlCl3(g)=3AlCl(g) …(1) ここで、(s)は固体、(g)は気体を示す。また、Al
I3及びAlBr3等も有効であるが、AlF3はガス化が困難で
あり、Niとの反応が進行し難い。
一方、Alと塩化物を同時に加熱接触させて下記(2)式
及び(3)式のごとく、間接的にAlCl3ガスを生成させ
て、Niと反応させ金属間化合物を形成しても良い。
Al(s)+3NH4Cl(s)= AlCl3(g)+3NH3(g)+3/2H2(g) …(2) Ni(s)+AlCl3(g)+3/2H2(g)= NiAl(s)+3HCl …(3) Ni多孔質板又はNi粉末とハロゲン化アルミニウムを反応
させ、Ni基体内部にAlを拡散浸透させるための温度は、
450℃〜750℃が好ましい。450℃以下ではNi基体内部へ
のAl拡散浸透が充分でなく、耐クリープ性、及び耐シン
タリング性が不足する。一方、750℃以上で処理すると
もろくなる一方、電極又はNi粒子の比表面積が著しく低
下し、充分な電極性能を発揮しない。
また、Ni基体内部にAl拡散浸透させるときの雰囲気ガス
としては、N2ガスやArガスなどの不活性ガス雰囲気又は
N2ガスやNH3ガスなどの還元性ガス雰囲気が好ましい。O
2ガスや空気雰囲気中では、AlがNi基体内部に拡散浸透
せず金属間化合物が形成できない。
〔実施例〕
まず、第1図に基いてNi−Al金属間化合物の製造につい
て説明する。第1図は、Ni基体へのAl拡散浸透モデルを
示す。塩化アンモニウム(NH4Cl)は、338℃以上で塩化水
素(HCl)とアンモニアガス(NH3)とに解離し、発生した
HClはAlと反応して塩化アルミニウムガス(AlClx)と水
素(H2)とを生成する。AlClxはNi粒子表面に吸着したあ
と、塩化物(Clx)がH2及び/又はNH3によって引抜か
れ、Ni粒子表面に活性なAl層が形成される。Al層は不活
性又は還元雰囲気で450℃以上の温度にて加熱処理する
ことによりNi粒子基体内部に拡散浸透してNi−Al金属間
化合物を生成する。
実施例1 Ni基体内部へのAl拡散浸透深さを調べた。
第2図に示す気相Al拡散反応装置を用いて、厚さ200μ
mの純Ni板(100mm角)をH2雰囲気中で650℃に加熱し、
その中にAlCl3+AlCl+H2混合ガスを200ml/minの供給速
度で供給して2時間保持した。放冷後、供試Ni板を取り
出して、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)観察とWDX
(波長分散型X線分析装置)によるAlの分布状態を調べ
た。その結果を第3図のX線写真で示す。AlはNi板の両
側から40μmの深さまで拡散浸透した。
実施例2 Ni粉末(粒径4〜6μm)を200×200mm角、深さ1.0mm
のグラファイト鋳型に入れH2雰囲気中で焼結してNi多孔
質板を製作した。このNi多孔質板(気孔率60vol%,厚
み0.8mm)を100mm角に切り出して実施例1と同様にして
H2雰囲気中で650℃に加熱し、その中にAlCl3+AlCl+H2
混合ガスを200ml/minで供給し、2時間保持した。放冷
後、供試Ni多孔質板を取り出して、その断面のNi粒子を
SEM−WDXによりAlの分布状況を調べた。その結果を第4
図(a)(b)に示す。Al拡散処理した電極の粒子断面
のSEM(第4図(a))と電極の粒子断面に分布するAl
をWDX(波長分散型X線分析)により分析した結果を示
す(第4図(b))。Al拡散処理をした電極はNi粒子内
部全体にAlが分布していることが確認された。多孔質板
のNi粒子径は約6〜8μmであり、AlはNi粒子内部全面
に分布していた。
実施例3 Ni粉末(粒径2〜4μm)を実施例2と同様に焼結して
作製したNi多孔質板(気孔率67%、厚み0.65mm)を100m
m角にして、Al拡散剤(金属Al粉末25wt%+塩化アンモ
ニウム2.5wt%+アルミナ粉末72.5wt%)の中に充填
し、Ar雰囲気中で100℃/minで昇温した。450℃,550℃,6
50℃,750℃で各2時間保持してAl拡散処理をした。その
処理温度と結晶形態をXRD(X線回析装置)で測定し
た。X線回析結果を第5図(a)〜(d)に示す。450
℃ではわずかにAlNi3が検出されており、550℃ではAlNi
3、650℃ではAlHi、750℃ではAl3Ni2となりそれぞれ金
属間化合物が形成された。
実施例4 実施例3で作製したNi多孔質板を100mm角に切り出し、
第2図に示すAl拡散反応装置を用いてH2雰囲気中で650
℃及び750℃で加熱し、AlCl3+AlCl2+H2混合ガスを200
ml/minで供給し、2時間保持した。放冷後、供試Ni多孔
質板を取り出して、XRDにより結晶形態を調べた。その
結果、650℃ではAlNi、750℃ではAl3Ni2となり実施例3
と同様に金属間化合物が形成された。
比較例1 実施例3で作製したNi多孔質板を1.2mol/lの硝酸アルミ
ニウム溶液の中に浸漬して乾燥し、次に、N2ガス雰囲気
で650℃、2時間焼成したあとH2ガス雰囲気で850℃、1
時間還元処理をした。放冷後、供試電極中のAlを分析し
た結果アルミニウムが3.8wt%含有していた。XRDにより
結晶形態を調べたところNiとAl2O3が検出された。
実施例5 比較例1で作製した電極と実施例3で作製した電極につ
いて耐クリープ性試験をした。耐クリープ性試験は、供
試電極を100mm角に切り出し、電極の細孔容積に対して2
0vol%相当量の炭酸塩電解質を含浸し、SUS310穿孔板
(厚さ0.3mm、空隙率43%)に挟持して上下端板で挟み
電極に荷重を7kgf/cm2かけた。端板を介して68%H2−17
%CO2−15%H2O混合ガスを1.0ml/minで供給し、650℃で
500時間保持した。冷却後、供試電極を取り出して電極
厚みを測定し、試験前の厚みとの差からクリープ変形量
を求めた。測定結果を第1表に示す。
高温でAl拡散処理をした電極ほど耐クリープ性に優れて
いる。
実施例6 電極のシンタリング特性を電極比表面積の変化を測定し
て評価した。実施例5で実験した電極について実験前と
実験後の比表面積をN2吸着法で測定して変化率を求め
た。その結果を第2表に示す。Al拡散処理をしてNi−Al
金属間化合物を形成した電極は比表面積の変化が少な
く、特に高温で処理した電極ほど優れていた。
実施例7 電極の性能評価をするために、アノード単極性能試験を
行なった。供試電極として、比較例1で作製した電極、
並びに実施例3で作製したNi多孔質板と450℃〜750℃で
Al拡散処理をして金属間化合物を形成した電極を用い
た。
実験は、供試電極を30mmφの円盤状に切り出して使用
し、参照極に金電極を用いて、O2+CO2(1:2vol比)の
混合ガスを100ml/minで通気した。供試電極には、H2+C
O2(4:1vol比)の混合ガスを300ml/minで供給した。電
解質にはK2CO3+Li2CO3(38:62モル比)を用いて650℃
でi−V特性を測定した。電流密度150mA/cm2における
電位(IRフリー)を測定しアノード分極を求めた。実験
結果を第3表に示す。
アノード分極値は未処理のNi多孔質板が最も小さく、Al
拡散処理温度が高くなるにつれて若干増大する傾向にあ
った。750℃以上でAl拡散処理をすると分極が大きくア
ノードとして好ましくない。
実施例8 溶融炭酸塩型燃料電池としての特性を評価するため、単
セルによる電池性能試験をした。アノード用供試電極と
して、比較例1に作製した電極及び実施例3で作製した
Ni多孔質板並びに550℃と650℃でAl拡散処理をして得た
金属間化合物電極を用いた。カソードにはすべてNiO−A
g電極(気孔率67%、厚み0.81mm)を用いた。電解質板
は、リチウムアルミネートを保持材としたマトリックス
型電解質板(炭酸塩電解質:58vol%)を適用した。アノ
ード側に68%H2−17%CO2−15%H2O混合ガスを供給し、
カソード側には30%O2−15%CO2−55%N2混合ガスを供
給した。電極面積はいずれも100cm2であり、ガス利用率
はアノード、カソード共60%一定とした。負荷電流密度
150mA/cm2におけるセル電圧(V)の経時変化を測定し
た。連続5000時間の発電試験を第6図に示す。19は比較
例1のアノードセルの電池特性、20はNi多孔質アノード
セルの電池特性、21は550℃Al拡散処理アノードセルの
電池特性、22は650℃Al拡散処理アノードセルの電池特
性を示す。また、発電試験後に電池を解体して電極(ア
ノード)厚みを測定しクリープ変形率を求めた。その結
果は第4表に示す。Al拡散処理をして、金属間化合物を
形成した電極をアノードに用いたセルは長時間にわたっ
て安定した性能を 発揮した。また、実験終了後に測定したアノードのクリ
ープ変形率もきわめて小さかった。
実施例9 本実施例では改良された電極製造方法について説明す
る。
電極製造フローを第7図に示す。Ni粉末(粒子径3〜5
μm)に2%カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液
を添加して混練し、粘度300±20ポイスの原料スラリー
を調製した。このスラリーをドクターブレード装置で厚
さ約0.80mm、幅400mmに成形したあと50〜80℃で乾燥
し、次にトンネル炉に導入してH2雰囲気で800℃、0.5時
間焼結したあと、Al拡散炉に導き、H2−塩化アルミガス
雰囲気で650℃、0.5時間Al拡散処理をしてNi−Al金属間
化合物電極を作成した。この電極は気孔率67%平均細孔
径6.5μm、厚さ0.65mmであった。XRDにより結晶形態を
調べたところ第8図に示すごとくAlNi3とAlNiのピーク
が検出された。
この電極をアノード及びカソードに適用して単セルを組
立て実施例8に準じて発電試験をした。負荷電流密度15
0mA/cm2におけるセル電圧の経時変化を調べた。その実
験結果を第5表に示す。
初期に若干低い電圧であったが、1000h以後、3000hまで
非常に安定した性能を発揮した。実験終了後電池を解体
して、電解質板中に溶出したニッケル量を原子吸光分析
法で調べた。その結果電解質中のニッケルは検出限界以
下であり、金属間化合物を形成した電極はニッケルの溶
出を抑制することを確認した。
比較例2 Ni多孔質板(気孔率67%。平均細孔径7.2μm、厚さ0.7
mm)をアノード及びカソードに適用して単セルを組立
て、実施例8に準じて発電試験をした。負荷電流密度15
0mA/cm2における電池電圧の経時変化を調べた。実験結
果を第9図に示す。23は、この比較例2のセルの電池特
性を示す。
実施例10 比較例2で用いたNi多孔質板をアノード及びカソードに
適用して単セルを組立てた。電池温度を650℃に昇温し
てから、アノード側に10%AlCl3−90%H2混合ガスを200
ml/minで2時間通気して電池内部でAl拡散処理をして金
属間化合物を形成した。つづいてアノード側に68%H2
17%CO2−15%H2O混合ガスを、カソード側に30%O2−15
CO2−55N2ガスを供給して実施例8に準じて発電試験を
行った。負電流密度150mA/cm2における電池電圧の経時
変化を調べた。実験結果を比較例2と合わせて第9図に
示す。24は、この実施例10のセルの電池特性を示す。比
較例2のセルは電池電圧が時間経過と共に低下したが、
実施例10のセルは初期性能において若干低いが、しだい
に上昇し安定したセル性能を発揮した。
実施例11 従来、電極は、原料Ni粉末を成形したあと、還元雰囲気
で加熱焼結して製造される。この場合、還元焼結過程に
おいてNiのシンタリングが進み、第10図に示すごとく、
電極の比表面積が低下する一方、電極細孔容積も小さく
なる問題があった。図において、25は焼結前のNi粒子、
26は還元焼結後のNi粒子を示す。
この様な問題点を解決するため、本発明者らは、第11図
のごとく、原料Ni粉末を成形したあと、塩化アルミニウ
ムガス(AlClx)とH2ガスの混合ガス雰囲気中で加熱し
て、Ni−Al金属間化合物を形成しながら焼結をするAl拡
散−焼結同時処理方法について試みた。27はAl拡散−焼
結同時処理電極の粒子を示す。電極の比表面積の測定結
果を第6表に、電極の細孔特性を第12図に示す。28は還
元焼結電極の細孔特性、29はAl拡散−焼結同時処理電極
の細孔特性を示す。同時処理によって得られた電極は従
来の還元焼結電極に比べて、比表面積並びに細孔容積と
も大幅に改善されることが解る。
〔発明の効果〕 また、本発明に係る製造方法によれば、電池運転におけ
る電極のクリープ変形及びシンタリングを防止すると共
に、電極活性並びに電子伝導性に優れ、長期にわたって
安定した電池性能を発揮できるといった優れた特性の電
極及びそれを用いた燃料電池を容易に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図はNi基体へのAl拡散浸透モデルを示す説明図、第
2図は気相Al拡散反応装置を示す構成図、第3図はNi基
体へのAl拡散状況を示すSEM・WDX分析結果を示すX線写
真、第4図(a)(b)はAl拡散電極断面のSEM−WDX分
析結果を示す粒子構造写真、第5図(a)〜(d)はAl
拡散処理温度を変えた電極XRD分析結果を示すグラフ、
第6図は単セル性能試験結果を示すグラフ、第7図はNi
−Al金属間化合物電極製造フローの例を示す図、第8図
はNi−Al金属間化合物電極のXRD分析結果を示すグラ
フ、第9図は単セル性能試験結果を示すグラフ、第10図
は還元焼結電極の粒子形状を示す断面図、第11図はAl拡
散−焼結同時処理電極の粒子形状の断面図、第12図は電
極の細孔分布特性を示すグラフである。 19……比較例1アノードセルの電池特性、20……Ni多孔
質板アノードセルの電池特性、21……550℃Al拡散処理
アノードセルの電池特性、22……650℃Al拡散処理アノ
ードセルの電池特性、23……比較例2セルの電池特性、
24……実施例10セルの電池特性、25……焼結前のNi粒
子、26……還元焼結後のNi粒子、27……Al拡散−焼結同
時処理電極の粒子、28……還元焼結電極の細孔特性、29
……Al拡散−焼結同時処理電極の細孔特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 嘉男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 岩本 一男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 竹内 将人 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 西村 成興 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni多孔質板を製造する工程と、このNi多孔
    質板とハロゲン化アルミニウムガスを加熱接触させてNi
    基体内にAlを拡散浸透させて表面から内部までNiとAlの
    金属間化合物から成る多孔質電極を製造する工程を含む
    燃料電池用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】Ni粉末とハロゲン化アルミニウムガスを加
    熱接触させてNiとAlの金属間化合物粉末を製造する工程
    と、この金属間化合物粉末より多孔質電極を製造する工
    程を含む燃料電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】Ni粉末をハロゲン化アルミニウムガスとH2
    ガスの混合ガス中で加熱してNiとAlの金属間化合物を形
    成しつつ焼結することを特徴とする燃料電池用電極の製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、ハロゲ
    ン化アルミニウムガスはAlCl3及び/又はAlClである燃
    料電池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】Ni多孔質板によりアノード及び/又はカソ
    ードを形成して電池を組み立てる工程と、この電池内部
    にハロゲン化アルミニウムガスを供給して電池内部にて
    Ni多孔質板を表面から内部までNiとAlの金属間化合物の
    多孔質電極にする工程を含む燃料電池の製造方法。
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JPS6362154A (ja) * 1986-09-01 1988-03-18 Mitsubishi Metal Corp 燃料電池のアノード電極製造用アトマイズドNi合金粉末およびその製造法
JPH01204365A (ja) * 1988-02-08 1989-08-16 Fuji Electric Co Ltd 溶融炭酸塩型燃料電池のアノード電極

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