JPH0749852B2 - こんろ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、温度センサを有するこ
んろに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、ガスこんろは、種々の形式のバー
ナをこんろハウジングに設け、それらのバーナの中から
調理に合ったバーナまたは使い勝手の良いバーナを使用
者が選べるようにしてある。また、調理容器の外底部の
温度を検出し、検出温度が基準温度に達するとバーナを
消火して被調理物の焦げ付きを防止する技術も知られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記こんろのバーナにそれぞれ温度センサを配設し
たガスこんろを試作したが、つぎの不具合が発見され
た。

【０００４】（ア）バーナのサイズが異なる、大径バー
ナと小径バーナとを配置したものでは、小径バーナに配
設した温度センサの方が、大径バーナのものより炎の輻
射熱の影響を受けやすく、バーナが早期に消火してしま
い、調理が中途で終わってしまった。

【０００５】（イ）サイズが同じで加熱能力が異なる大
火力バーナと小火力バーナとを配置したものでは、大火
力バーナに配設した温度センサの方が小火力バーナのも
のより炎の輻射熱の影響を受けやすく、バーナが早期に
消火してしまった。

【０００６】（ウ）内炎口を設けたバーナと内炎口を設
けないバーナとを配置したものでは、内炎口を設けたバ
ーナに配設した温度センサの方が、内炎口の炎の影響を
受けて、バーナが早期に消火してしまった。

【０００７】（エ）この他にも、種々のバーナの組合せ
を行ったが、バーナの形式が異なると、センサに与える
炎の影響が異なり、バーナが早期に消火したり、バーナ
の消火が遅れたりした。

【０００８】このため、基準温度をバーナの形式に応じ
て設定し、制御器が加熱源を適格に制御できるようにし
て上記不具合を解決したが、以下の様な課題が新たに発
生した。

【０００９】バーナ群のこんろハウジングへの設置パタ
ーンのみ異なる同一シリーズのこんろ上、例えば、左側
が大径バーナであり右側が小径バーナのこんろと、左側
が小径バーナであり右側が大径バーナのこんろとを製造
する際、基準温度の組み合わせが一致する制御器を設置
パターン毎に用意する必要があり、コスト面や生産管理
の面で不利である。

【００１０】製品在庫の掃け具合や使用者の要望等によ
り、バーナの設置パターンを変更する必要がある場合に
は、制御器を取り替えたり、制御器と接続する温度制御
に関する全ての配線を変更しなければならない。

【００１１】本発明の目的は、形式が異なる複数の加熱
源の設置位置の変更が容易なこんろの提供にある。

【課題を解決するための手段】

【００１２】上記課題を解決する為、本発明は、こんろ
ハウジングの配置部に配置される、形式が異なる複数の
加熱源と、該加熱源の上方に配される調理容器の外底部
に接触して前記調理容器の温度を検出する複数の温度セ
ンサと、各温度センサの信号が入力されるとともに、加
熱源毎に予め決めた基準温度と検出温度とを照合して、
検出温度が一定範囲内になるように各加熱源を操作した
り、各加熱源の加熱停止を行ったりする制御器とを有す
るこんろにおいて、各配置部に配置される各加熱源の形
式に適した各基準温度を各温度センサに割り付けるスイ
ッチを設けるとともに、該スイッチを前記制御器に電気
接続した。

【００１３】

【作用および発明の効果】製品在庫の掃け具合や使用者
の要望等により、加熱源の設置位置を変更する必要があ
る場合には、制御器に電気接続したスイッチの操作によ
り、こんろハウジングの各配置部に配置される各加熱源
の形式に適した各基準温度が各温度センサに割り付けら
れる。 この為、形式が異なる複数の加熱源の設置位置の
変更を容易に行う事ができる。

【００１４】

【実施例】本発明の第１実施例を図１〜図３に基づいて
説明する。

【００１５】本発明の構成を採用したガステーブルＡ
は、ハウジング１に配置される加熱源であるガスこんろ
２、３と、その温度センサ４、５と、前記ガスバーナ
２、３を制御する制御器６と、グリル７とを備えてな
る。

【００１６】図２に示すように、ハウジング１は、箱状
を呈し、上面にはグリル排気部７１、バーナ配置部１
１、１２が設けられ、前面にはグリル開閉扉７２、点消
火ボタン２０、３０、７０、絞りレバー２１、３１、７
１、操作パネル６０が設けられている。

【００１７】ガスこんろ２は、サイズが大きい大径バー
ナ２２をバーナ配置部１１に配置し、前記大径バーナ２
２には、図１に示すように電磁安全弁２３、メイン弁２
４、オリフィス２５、絞り２６、温度保持用の切替電磁
弁２７を備えるガス回路でガスｇが供給される。

【００１８】ガスこんろ３は、サイズが比較的小さい中
径バーナ３２をバーナ配置部１２に配置し、前記中径バ
ーナ３２には、電磁安全弁３３、メイン弁３４、オリフ
ィス３５、絞り３６、温度保持用の切替電磁弁３７を備
える、ガスこんろ２と同様の構成のガス回路でガスｇが
供給される。

【００１９】温度センサ４は、サーミスタ４４が内蔵さ
れるとともに、被調理物４１が入れられ五徳２８に置か
れた鍋４２の外底部４３に検出部が密着するように、図
示しない発条により前記大径バーナ２２の中央穴２２１
の下方から上方に向かって付勢されている。尚、この温
度センサ４は、制御器６のサーミスタ入力回路６１に電
気接続されている。

【００２０】温度センサ５は、温度センサ４と同様の構
成であり、サーミスタ５４が内蔵されるとともに、被調
理物５１が入れられ五徳３８に置かれた鍋５２の外底部
５３に検出部が密着するように、図示しない発条により
前記中径バーナ３２の中央穴３２１の下方から上方に向
かって付勢されている。尚、この温度センサ５は、制御
器６のサーミスタ入力回路６１に電気接続されている。

【００２１】図３に示すように、制御器６は、サーミス
タ入力回路６１、マイコン６２、ＳＶ駆動回路６３、Ｍ
Ｖ駆動回路６４、スイッチ入力回路６５を備える。ま
た、大径バーナ２２と中径バーナ３２との位置を逆にす
る際にオン側にする切替えスイッチ８が制御器６の電子
部品が配線される基板上に設けられている。

【００２２】この制御器６は、操作パネル６０のボタン
操作により、各モード（煮物モード、揚げ物モード、高
温モード）に切替えられ、該モードでガスこんろ２、３
を制御する。

【００２３】煮物モードは、煮込み、煮物料理、主とし
て水を利用する料理に用いる。このモードでは被調理物
４１が焦げ付きかける１３０℃（中径バーナ３２では１
４０℃）をサーミスタ入力回路６１が１０秒間連続して
検知すると、マイコン６２は、電磁安全弁２３を閉弁し
て大径バーナ２２を自動消火し被調理物４１の焦げ付き
の防止を図る様、ＳＶ駆動回路６３に制御信号を送出す
る。

【００２４】揚げ物モードは、天麩羅、揚げ物等、主と
して油を使用する調理に用いる。このモードでは、発煙
する手前の安全温度２２０℃（中径バーナ３２では２４
０℃）をサーミスタ入力回路６１が検知すると、マイコ
ン６２は、電磁安全弁２３を閉弁して大径バーナ２２を
自動消火し発煙防止を図る様、ＳＶ駆動回路６３に制御
信号を送出する。

【００２５】高温モードは、炒り物料理や網焼き料理
等、高温を必要とする料理に用いる。このモードでは、
２７０℃（中径バーナ３２でも２７０℃）を保持する様
にＭＶ駆動回路６４が切替電磁弁２７をオン、オフして
温調を行うとともに、２９０℃（中径バーナ３２でも２
９０℃）を検知するとＳＶ駆動回路６３が直ちに電磁安
全弁２３を閉弁して大径バーナ２２を自動消火する様
に、マイコン６２は制御信号を駆動回路６４、６３に送
出する。

【００２６】マイコン６２は、入力回路６５により、切
替えスイッチ８の接点状態を認識し、オフ状態ではＳＶ
駆動回路６３、ＭＶ駆動回路６４に制御信号を送出する
際、指標とする基準温度群の設定値は上記のとおりであ
るが、オン状態を認識すると指標とする基準温度群の設
定値を入れ替えてＳＶ駆動回路６３、ＭＶ駆動回路６４
に制御信号を送出する。

【００２７】ガステーブルＡは、以下の効果を奏する。

【００２８】（あ）バーナ群の設置パターンを反対にす
る場合、切替えスイッチ８をオンにするだけで、図示左
側のサーミスタ４４の基準温度群を中径バーナ用のもの
とし、図示右側のサーミスタ５４の基準温度群を大径バ
ーナ用のものとできるので、ガステーブルの生産業者は
制御器６の基板を１種類用意するだけで二種類の製品と
することができ、コスト面や生産管理の面で有利であ
る。

【００２９】（い）使用者がガステーブルＡを購入後、
置き場所の変更や転居等により、大径バーナ側が台所の
壁面となって壁面が過熱したり、使い勝手が悪くなった
りして、左側のガスバーナを中径バーナに、右側のガス
バーナを大径バーナに変更したい場合、サービスマン
は、ガスバーナを左右入れ替え、切替えスイッチ８をオ
ンにするだけで変更作業を終えることができる。

【００３０】つぎに、本発明の第２実施例を図３に基づ
いて説明する。

【００３１】本実施例では、バーナ配置部１２側に切替
えスイッチ８が設けられ、大径バーナ２２の下端に形成
した突起２２１が切替えスイッチ８の発条８１を押圧す
るとサーミスタ４４、５４の基準温度群が切り替わるよ
うになっている。

【００３２】本実施例のものは、ガスバーナの配置の変
更と同時に基準温度群の切り替えが完了するので、一
層、切替えに要する手間が省け、さらに、切替え忘れも
防止できる。

【００３３】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。

【００３４】ａ．形式が異なる複数の過熱源がバーナで
ある場合、形式とはバーナサイズ以外に、バーナの過熱
能力、内炎口の有無等、または、それらの組合せも含
む。

【００３５】ｂ．加熱源は、ガスを用いるもの以外に、
電気で発熱するものでも良い。

【００３６】ｃ．固有の加熱能力が異なり、温度センサ
を備えるガスこんろが３個以上ある場合、基板配設形の
切替えスイッチ８をロータリ形や多連のディップスイッ
チにすれば良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係るガステーブルの構造
説明図。

【図２】そのガステーブルの全体図。

【図３】そのガステーブルの制御器の説明図である。

【図４】本発明の第２実施例に係るガステーブルの要部
説明図。

【符号の説明】

１ こんろハウジング ２、３ ガスこんろ（加熱源） ４、５ 温度センサ ６ 制御器 ８ 切替えスイッチ（スイッチ） １１、１２ バーナ配置部（配置部） ４２、５２ 鍋（調理容器） ４３、５３ 外底部 Ａ ガステーブル（こんろ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 こんろハウジングの配置部に配置され
   る、形式が異なる複数の加熱源と、 該加熱源の上方に配される調理容器の外底部に接触して
   前記調理容器の温度を検出する複数の温度センサと、 各温度センサの信号が入力されるとともに、加熱源毎に
   予め決めた基準温度と検出温度とを照合して、検出温度
   が一定範囲内になるように各加熱源を操作したり、各加
   熱源の加熱停止を行ったりする制御器とを有するこんろ
   において、各配置部に配置される各加熱源の形式に適した各基準温
   度を各温度センサに割り付けるスイッチを設けるととも
   に、該スイッチを前記制御器に電気接続した事 を特徴と
   するこんろ。