JPH0749020Y2

JPH0749020Y2 - オイルフリー圧縮機

Info

Publication number: JPH0749020Y2
Application number: JP1989018039U
Authority: JP
Inventors: 玄加納; 信之佐藤; 道伸瀬戸山
Original assignee: トキコ株式会社
Priority date: 1989-02-18
Filing date: 1989-02-18
Publication date: 1995-11-13
Anticipated expiration: 2004-02-18
Also published as: JPH02110277U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、オイルフリー圧縮機に関し、特に、クランク
室内を冷却して温度の高くなる部材の温度上昇を抑える
ようにした構造とし、パッケージ等の内部に設置した場
合や、高圧仕様の場合などに用いて好適なオイルフリー
圧縮機に関する。

（従来の技術）一般に、圧縮機には、シリンダ内のピストンの往復動に
よって圧縮エアを作りだしている装置がある。この圧縮
機のピストンはロッドを介してクランク軸に連結され、
モータから伝達された回転運動を往復動にして作動して
いる。

従来、オイルフリー圧縮機のクランク室には呼吸フィル
タを取付ける孔が開口されている。そして、ピストンの
往復動に伴うクランク室内の容積が変動すると、孔に設
置した呼吸フィルタを通して空気の出入りが行われる。
これにより室内の高温のエアが外部に排出されクランク
室内の冷却を行われていた。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、クランク室内の容積変動によって、外部
に吐き出した高温化された空気はその出口付近に滞留す
るので、再び吸い込まれることになり、外部のエアとの
循環がうまくいかず冷却効率が悪いものであった。ま
た、圧縮機周辺が高温であればこの冷却循環機能を果た
すことは困難であった。

本考案は、上記クランク室の温度を下げるために圧縮エ
アをクランク室内に導いて、その断熱膨張によって冷却
するようにしたオイルフリー圧縮機を提供することを目
的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は上記目的を達成するために、クランク軸の回転
によりロッドを介してシリンダ内のピストンを往復動さ
せてエアを圧縮するオイルフリー圧縮機において、クラ
ンク室の壁面に設けられ該クランク室を大気に開放する
呼吸孔と、前記クランク室に設けられ噴射口を前記ロッ
ドとピストンとの結合部に向けたノズルと、該ノズルと
圧縮エアを貯留するエアタンクとを接続する接続管とを
備えていることを特徴とする。

（作用）上記のように構成することによって、エアタンク内の圧
縮エアが、直接、接続管を通ってノズルからロッドとピ
ストンとの結合部に向かって噴射されるので、ノズルに
よって絞られて流速が増加したエアによりロッドとピス
トンとの結合部が強制冷却され、また、ノズルから噴出
された圧縮エアは断熱膨張によりクランク室内を冷却し
てクランク室の壁面に設けられた呼吸孔から外部へ放出
される。

（実施例）以下、本考案の実施例を第１図ないし第３図に基づいて
説明する。

第１図にオイルフリー圧縮機（以下、圧縮機という）１
の全体図を示す。圧縮機１は圧縮エアを蓄えておくエア
タンク２と、その上部に載置されたモーター３とクラン
ク室４とを有し、ベルト５、プーリー６を介してモータ
ー３の回転をクランク室４に伝達している。なお、プー
リー６のスポーク6aは羽状に形成され回転することによ
りクランク室４を冷却する。

クランク室４上部にはシリンダ部７が設けられ、シリン
ダ室７のエア吸入口にフィルタ８が取付けられ、また、
圧縮エアの排出口にはエアタンク２に通じる排気管９が
接続されている。また、クランク室４の壁面には外部に
通じクランク室４を大気に開放する呼吸孔が開口され、
ここに呼吸フィルタ10が設けられている。さらに、圧縮
エア供給手段として、クランク室４内とエアタンク２内
とを連通する接続管11が配設されている。

第２図、第３図に示すように、クランク室４の内部はク
ランク軸12が回転自在に取付けられ、外部に突出してプ
ーリー６と結合している。クランク軸12にはロッド13を
介してピストン14がシリンダ内孔7aを摺動自在に設けら
れている。そして、接続管11はクランク室４の内部でノ
ズル17と結合され、ノズル17の噴出口はピストン14とロ
ッド13との結合部（以下、小端部Ａという）に向けられ
ている。

なお、ピストン14は自己潤滑性のあるピストンリングお
よびライダーリングを備えており、小端部Ａにはグリー
ス封入形ニードルベアリング15が使用され、またロッド
13とクランク軸12との結合部（以下、大端部Ｂという）
はグリース封入形ボールベアリング16が使用されてい
る。これらによって、潤滑油を給油することなく、クラ
ンク軸12の回転運動をピストン14の往復動に変換し圧縮
エアを作りだしている。

以上のように構成した圧縮機１は、圧縮機１の作動中に
エアタンク２からの圧縮エアが接続管11を通りクランク
室内に向けて流れる。そして、接続管11の先端に設けた
ノズル15から圧縮エアが小端部Ａに向けて噴出する。こ
のとき、圧縮エアが小端部Ａに当たり強制空冷され、か
つ、クランク室内で断熱膨張することによって、クラン
ク室４内の空気の温度が低下し、大端部B,ロッド13など
の冷却される。

従って、空気が循環しないパッケージ内であっても、ま
た、高圧仕様などにより圧縮機１の負荷が大きく周囲温
度が高くなった場合でも、エアタンク２から圧縮エアを
供給して強制的に冷却することができる。

なお、ノズル17の向きはどの方向でもよいが、望ましく
は一番温度の高くなる箇所に向けるのがよく、実施例で
は小端部Ａにノズル17の噴出口を向けて空却作用も行わ
せている。また、ノズル17より出された圧縮エアにより
内部の圧力は高くなろうとするが、壁面に設けた呼吸フ
ィルタ10から速やかに排出されるため圧力はさほど高く
ならない。また、クランク室４内に圧縮エアを噴出して
いるので、噴出音がクランク室４壁面に遮断され騒音レ
ベルも低く押えられる。

なお、ノズル17に圧縮エアを供給するための手段は工場
内の圧縮エア配管を使用してもよい。

また、他の実施例として、圧縮機１の圧縮エアの排出口
に圧力センサーを設け、上記接続管11通路の途中に電磁
弁を介在させ、この圧力センサーの信号を受ける制御回
路を配し、制御回路の出力によって電磁弁を作動させる
という回路構成を設けると、圧縮機１が停止またはアン
ロード運転中において、この圧縮機１の動作と追従させ
ることができ、圧縮エアの圧力を保持することができ
る。

（考案の効果）本考案は以上のように構成したものであるから、エアタ
ンク内の圧縮エアが、直接、接続管を通ってノズルから
ロッドとピストンとの結合部に向かって噴射され、ノズ
ルによって絞られて流速が増加したエアによりロッドと
ピストンとの結合部が強制冷却されるので、クランク室
内の最も高温になりやすい部分を効果的に冷却すること
ができる。また、ノズルから噴出された圧縮エアは断熱
膨張によりクランク室内を冷却してクランク室の壁面に
設けられた呼吸孔から外部へ放出される。このようにし
てクランク室内が充分冷却されるので、クランク室内の
各部材の寿命の延長を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるオイルフリー圧縮機の
側面図、第２図は第１図の要部断面図、第３図は第２図の側断面図である。１……圧縮機（オイルフリー圧縮機）４……クランク室 11……接続管（圧縮エア供給手段） 17……ノズル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】クランク軸の回転によりロッドを介してシ
リンダ内のピストンを往復動させてエアを圧縮するオイ
ルフリー圧縮機において、クランク室の壁面に設けられ
該クランク室を大気に開放する呼吸孔と、前記クランク
室に設けられ噴射口を前記ロッドとピストンとの結合部
に向けたノズルと、該ノズルと圧縮エアを貯留するエア
タンクとを接続する接続管とを備えていることを特徴と
するオイルフリー圧縮機。