JPS6124708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は主に冷凍、冷房用に供される冷凍圧縮機
の改良に関する。

従来の冷凍圧縮機は吐出弁を平薄板や弁板の円
錐台形状の吐出通路に嵌合した円錐台形の樹脂成
形品で形成しているため、前者においてはトツプ
クリアランスが吐出通路容積分残り冷凍能力が低
下したり、後者においてはトツプクリアランスを
ゼロにできるが吐出弁とピストンとの当りにより
該吐出弁が破損してしまつたりする問題があつ
た。

本案は上記の問題を解決するために、円錐台形
状の吐出孔に嵌合された樹脂製の吐出弁を、この
吐出孔と略同じ形状に形成し、この吐出弁のシリ
ンダー側に金属製表皮を被せ、残留容積を低減し
て冷凍能力を向上させるとともに、吐出弁の強度
を向上させるようにすることを目的としたもので
ある。

本案は吐出室側に広がる円錐台形状の吐出孔を
弁板に形成し、この吐出孔と略同じ形状に吐出弁
を形成し、かつ、吐出弁のシリンダー側に金属製
表皮を被せたものである。

本案は上記のように構成したことにより、円錐
台形状の吐出孔内に嵌合されて、この吐出孔を開
閉する吐出弁で、吐出孔内の残留容積を少なくす
るとともに、シリンダー側の吐出弁に被覆された
金属製表皮でピストンとの当りにより吐出弁が破
損しないようにしたものである。

１は電動要素２と、該電動要素により駆動され
る圧縮要素３とを密閉容器４内に配置し、該両要
素を回転軸５で連結して収納した冷凍圧縮機であ
る。前記圧縮要素３はシリンダー６と、該シリン
ダー内を回転軸５の偏心部７に連接した連接棒８
により摺動させられるピストン９と、前記シリン
ダー６の開口部を閉塞する弁板１０を介して吐出
室１１と吸込室１２とを有したシリンダヘツド１
３とにより構成される。

而して、１４は弁板１０に穿設したシリンダヘ
ツド１３の吐出室１１側に広がる円錐台形状の吐
出通路を形成する吐出孔であり、該吐出孔にはシ
リンダ６近傍の吐出孔形状をもつて嵌合する吐出
弁１５がスプリング等の弾性手段１６により前記
吐出孔１４を適宜開閉するように取付けられてい
る。前記吐出弁１５は耐熱性樹脂１７で形成され
ると共にピストン９との当接面に金属製表皮１８
を被覆して形成される。

このように構成される冷凍圧縮機において、弁
板１０に穿設した吐出孔１４にスプリング等の弾
性手段１６により嵌合させられる吐出弁１５はシ
リンダー６内を摺動するピストン９の圧縮行程で
開口し吸込行程で閉塞して前記シリンダー６内と
シリンダーヘツド１３の吐出室１１とを適宜連通
させる。

吐出弁１５は円錐台形状の吐出孔１４に嵌合し
てピストン９が圧縮行程から吸込行程に摺動方向
を変えるときに、シリンダー６内に先端が飛び出
すようにされており、吐出孔１４内が残留容積部
とならずトツプクリアランスをゼロにしている。
そして、吐出弁１５は耐熱性樹脂１７で形成され
ているとともに、ピストン９との当り面に金属製
表皮１８を被覆しており、弁の重量が軽減され、
開閉動作がスムーズに行なわれ、かつ、強度を向
上させられる。しかも、吐出弁１５はピストン９
の摺動方向が変わるときに当るため、ピストン９
との当りによる騒音も小さくさせられる。

本案の冷凍圧縮機は吐出室側に広がる円錐台形
状の吐出孔を弁板に形成し、この吐出孔と略同じ
形状に吐出弁を形成し、かつ、吐出弁のシリンダ
ー側に金属製表皮を被せたのであるから、吐出孔
内の残留容積を少なくして冷凍能力を向上できる
とともに、吐出弁の強度を補強できる。しかも、
吐出弁は樹脂で形成されているので、開閉動作が
スムーズになり、入力の低減をはかれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を施こした冷凍圧縮機の
断面図、第２図は要部拡大断面図である。 ６……シリンダー、１１……吐出室、１４……
吐出孔、１５……吐出弁、１７……耐熱性樹脂、
１８……金属製表皮。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダー内で加圧された冷媒を吐出室に導く
   吐出孔と、この吐出孔を開閉する樹脂製の吐出弁
   とを備えた冷凍圧縮機において、前記吐出孔は吐
   出室側に広がる円錐台形状に形成され、吐出弁は
   吐出孔と略同じ形状に形成され、かつ、この吐出
   弁のシリンダー側には金属製表皮が被覆されてい
   ることを特徴とする冷凍圧縮機。