JPH05296176A - ロータリ圧縮機の吐出マフラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダの開口端を塞いで圧縮室を形成する
軸受部材と同部材の外側に取付ボルトによって装着され
たカバーとによって吐出マフラを形成し、圧縮室で圧縮
されたガスを上記吐出マフラを経由して吐出するロータ
リ圧縮機において、吐出マフラ内に高い圧力が発生して
も、カバーの破損や脱落が生じないようにする。 【構成】 上記カバーを取付ボルトに沿って移動可能と
すると共に、同カバーの取付面を上記軸受部材のカバー
装着面に押付け付勢するスプリングを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はロータリ圧縮機の吐出マ
フラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来のローリングピストン型ロー
タリ圧縮機の縦断面図、図３は図２のＡ−Ａ断面図、図
４は上記圧縮機の上部軸受に設けられている吐出弁部の
縦断面図、図５は上記圧縮機に設けられている吐出マフ
ラの二面図であり、同図（ａ）は平面図、同図（ｂ）は
縦断面図である。図２において、１はハウジング、２は
同ハウジングに収納されているモータ、２ａは同モータ
のステータ、２ｂは同モータのロータ、３は前記ハウジ
ング内に収納されている圧縮機構部、４はモータロータ
に接続されているシャフト、５は同シャフトのクランク
ピン、６は同クランクピンに嵌合されたロータ、７はシ
リンダ、８は上部軸受、９は下部軸受、１３は上部軸受
８に設けられた吐出マフラ、１６はハウジング上部に設
けられた吐出管である。図３において１０はブレード、
１１はシリンダ７内に形成される吸入室、１２は吸入
管、１４は同シリンダ内に形成される圧縮室、１５ａは
吐出ポート切欠き、１８は前記ブレードがその内部を摺
動するブレード溝、１７は同ブレードをロータ６に押付
けるバネである。図４において、１５は上部軸受８に設
けられた吐出ポート、２０は吐出弁、１９はリテーナで
ある。図５において、１３ａは吐出マフラ１３の外側壁
を形成するカバーである。

【０００３】この圧縮機において、シャフト４がモータ
２によって回転駆動されると、シャフト４のクランクピ
ン５に嵌合されたロータ６がシリンダ７内を偏心回転し
これに伴ってシリンダ７、ロータ６、上部軸受８、下部
軸受９、ブレード１０によって限界される吸入室１１内
に吸入管１２より吸入ガスが吸入され圧縮される。圧縮
されたガスは、圧縮室１４より吐出ポート切欠き１５
ａ、吐出ポート１５、吐出弁２０、吐出マフラ１３を経
て、ハウジング１内に吐出され、次いで吐出管１６より
ハウジング１外に吐出させる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】シリンダ７内に液およ
びガスが混合する条件では液圧縮となり高い圧力が吐出
マフラ１３内に生じる。このためカバー１３ａに大きな
応力が生ずる。この繰返し応力により、時にはカバー１
３ａが破損し、脱落に至り、その結果ステータ２ａのコ
イルが損傷する。

【０００５】本発明は上記従来技術の欠点を解消し、吐
出マフラ内に高い圧力が発生しても、カバーの破損や脱
落、あるいはステータの損傷が生じないようにしようと
するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
したものであって、シリンダの開口端を塞いで圧縮室を
形成する軸受部材と同部材の外側に取付ボルトによって
装着されたカバーとによって吐出マフラを形成し、圧縮
室で圧縮されたガスを上記吐出マフラを経由して吐出す
るロータリ圧縮機において、上記カバーを取付ボルトに
沿って移動可能とすると共に、同カバーの取付面を上記
軸受部材のカバー装着面に押付け付勢するスプリングを
備えたことを特徴とするロータリ圧縮機の吐出マフラに
関するものである。

【０００７】

【作用】カバーをバネによって軸受部材に押付けるよう
にしてあるので、液圧縮が生じ、吐出マフラ内が高圧力
となった時、スプリングの押付力に抗してカバーが取付
ボルトに沿って押上げられる。その結果吐出マフラの内
容積が増加し、カバーと軸受部材との間の隙間が広が
り、高圧力を逃す。よってカバーには大きな圧力が掛ら
ず破損しない。

【０００８】なお、通常運転時には上記スプリングは作
動せず、吐出された冷媒ガスは吐出マフラの通常のガス
出口から放出される。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の吐出マフラの一実施例の二面
図であり、同図（ａ）は同マフラの縦断面図、同図
（ｂ）は同吐出マフラの平面図である。図において、４
はシャフト、８は上部軸受、１５は吐出ポート、２０は
吐出弁、１３は吐出マフラ、１３ａは吐出マフラ１３の
外側壁を形成するカバー、２２はカバー１３ａを上部軸
受８に取付ける取付ボルト、２１は同取付ボルトの頭部
と吐出マフラの間に介装されたスプリング、Ｘは冷媒の
流れ、Ｙは吐出マフラの内部空間が特に高圧になった時
においてのみ生じる冷媒の流れである。

【００１０】本装置は、上部軸受８に取付けられている
カバー１３ａの取付ボルト２２にスプリング２１を介装
することにより、液圧縮等による高圧力が吐出マフラの
内部空間に生じた場合、カバー１３ａがスプリング２１
の押圧力に抗して上部軸受８より浮き上り、吐出マフラ
１３の内容積が増加すると共に上部軸受８とカバー１３
ａの間のすきまが拡大し、高圧力を逃すようになってい
る。これによってカバー１３ａの損傷を防ぐことがで
き、更に信頼性を向上することができる。なお、この吐
出マフラは上記と同様な構造で下部軸受に取付けること
ができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明のロータリ圧縮機の吐出マフラに
おいては、カバーを取付ボルトに沿って移動可能とする
と共に、同カバーの取付面を軸受部材のカバー装着面に
押付け付勢するスプリングを備えてあるので、吐出マフ
ラ内に高い圧力が発生しても、カバーの破損や脱落、あ
るいはこれが原因となって生じるステータの損傷を防止
することができ、ロータリ圧縮機の信頼性を向上するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の吐出マフラの二面図であり、（ａ）は
同マフラの縦断面図、（ｂ）は同マフラの平面図。

【図２】従来のローリングピストン型ロータリ圧縮機の
縦断面図。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図。

【図４】上記圧縮機の上部軸受に設けられている吐出弁
部の縦断面図。

【図５】上記圧縮機に設けられている従来の吐出マフラ
の二面図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ ハウジング ２ モータ ２ａ ステータ ２ｂ ロータ ３ 圧縮機構部 ４ シャフト ５ クランクピン ６ ロータ ７ シリンダ ８ 上部軸受 ９ 下部軸受 １０ ブレード １１ 吸入室 １２ 吸入管 １３ 吐出マフラ １３ａ カバー １４ 圧縮室 １５ 吐出ポート １６ 吐出管 １７ バネ １８ ブレード溝 １９ リテーナ ２０ 吐出弁 ２１ スプリング ２２ 取付ボルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダの開口端を塞いで圧縮室を形成
   する軸受部材と同部材の外側に取付ボルトによって装着
   されたカバーとによって吐出マフラを形成し、圧縮室で
   圧縮されたガスを上記吐出マフラを経由して吐出するロ
   ータリ圧縮機において、上記カバーを取付ボルトに沿っ
   て移動可能とすると共に、同カバーの取付面を上記軸受
   部材のカバー装着面に押付け付勢するスプリングを備え
   たことを特徴とするロータリ圧縮機の吐出マフラ。