JPH0748521Y2 - 非円断面容器用キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平面視形状が例えば四角形や楕円など円形で
はない非円断面形状の容器の口部に被着される非円断面
容器用キャップに関する。

〔従来の技術〕

例えば薬品、化粧品、飲料などを収容するガラス壜など
容器においては、容器そのものを四角形や楕円など円形
ではない非円断面形状にするとともに、この容器の口部
を開閉するキャップも容器と同様の形状に形成すること
が行われる。

このような形状の容器に対して容器と同形のキャップを
被せる場合、キャップと容器との間に角度的食い違いが
生ずるため、任意のところでキャップのねじこみを止め
るわけにはいかず、例えば、容器およびキャップが共に
正方形断面である場合、キャップの１回転の間に４個の
角度位置だけしかキャップが容器に合致する位置がな
い。従って、キャップ側のパッキンが容器の口部端面に
密着したときにちょうどキャップと容器との角度的位置
が合致するとは限らないし、また、逆に、キャップと容
器との角度的位置合わせを優先させたときに前記パッキ
ンが前記口部端面に密着しているとは限らない。

このような問題点を解決する従来の手段として、例えば
実公昭55-21978号公報に示されるように、パッキンによ
る容器内の密封と、キャップと容器との角度的位置合わ
せとを、それぞれ独立して行うようにしたものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記公報に係る手段においてもキャップ
と容器との角度的位置合わせを必ずしも確実に行うこと
ができないとともに、前記角度的位置合わせが行われた
ときにはパッキンによる容器内の密封が完全ではないこ
とがある。

本考案は、上述の事柄に留意してなされたもので、その
目的とするところは、キャップと容器との角度的位置合
わせおよび容器内のシールの両方を確実に行うことがで
きる非円断面容器用キャップを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案に係る非円断面容器
用キャップは、平面視形状が容器と同様の非円断面形状
を呈するとともに、上下両端部が開口した筒体の下部内
周面に、前記容器の口部に形成された係止部と係合する
係合部を備える一方、前記筒体の上部内周面に雌ねじ部
を備えてなり、前記口部に固定的に係着される外キャッ
プと、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を側部外周面に
備える一方、下部側に螺着状態において前記口部の端面
と密着し前記容器内を密封するシール部材を備えてなる
内キャップとから構成してある。

〔作用〕

上記特徴的構成によれば、平面視形状が容器のそれと同
様に形成された外キャップは、容器と角度的位置合わせ
を行うようにして口部に固定的に係着されるので、キャ
ップと容器との角度的位置がずれることはない。そし
て、前記外キャップに内キャップを螺着することによ
り、内キャップに設けたシール部材が前記口部の端面と
密着し容器内を密封する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第４図は本考案に係る非円断面容器用キャップ
（以下、キャップと云う）の一例を示し、先ず、第１図
において、１は例えば海苔などの食品を収容する容器
で、非円断面形状の容器本体２と、この容器本体２に連
なる口部３とからなる。

前記容器本体２は、非円断面形状（図示例では、四角形
の４隅を面取りしてほぼ八角形に形成してある）の上胴
部４と、円筒形状の中胴部５と、上胴部４とほぼ同形の
下胴部６とからなる。そして、前記口部３は、平面視円
形の開口を有する端面７と、この端面７の下方に適宜の
間隔をおいて形成される環状の顎部８と、この顎部８の
下方に適宜の間隔をおいて形成され上胴部４と相似形の
係止部９とからなる。

なお、このような形状の容器１はガラスまたはプラスチ
ックによって形成される。

10は前記口部３に被着され、その開口を開閉自在に覆う
キャップで、第２図および第３図に示すように、口部３
に固定的に係着される外キャップ11と、この外キャップ
11に対して着脱自在に螺着される内キャップ12とからな
る。

前記外キャップ11は、その平面視形状が前記容器本体２
の上胴部４および下胴部６と同様の形状、つまり、四角
形の４隅を面取りしてほぼ八角形に形成してなる非円断
面形状を呈し、その上下両端部が開口した筒体13よりな
り、この筒体13の下部内周面には、第４図にも示すよう
に、前記口部３の係止部９と相似形で、しかも、この係
止部と互いに当接しあって係合する係合部14が形成して
ある。そして、この係合部14の上方には口部３の環状の
顎部８の下部と係合する環状の係合突起15が形成してあ
る。また、筒体13の上部内周面には雌ねじ部16が周設し
てある。

前記内キャップ12は、平面視円形の底部17と、この底部
17の周縁から上方に立設された側部18とから主として構
成され、底部17の上面には内キャップ12を回動するため
のつまみ部19が立設してあり、また、底部の下面には、
第４図にも示すように、螺着状態において前記口部３の
端面７と密着し前記容器１内を密封するシール部材20が
設けてある。そして、側部18の上部外周面には前記外キ
ャップ11の雌ねじ部16と螺合する雄ねじ部21が周設して
ある。

なお、上記外キャップ11はプラスチックで形成すること
ができ、また、内キャップ12はプラスチックあるいは金
属で形成することができる。そして、シール部材20はゴ
ムなど適宜の弾性を有する素材で形成することができ
る。

而して、容器１の口部３にキャップ10を設け、口部３を
開閉するには、先ず、外キャップ11を口部３の上方から
口部３に被着する。このとき、外キャップ11と容器１の
上胴部４とは互いに相似形であるから、両者11,4の角度
的位置合わせを行い、その後、外キャップ11を下方に押
下して、外キャップ11の係合部14と口部３の係止部９と
を当接させると共に、口部３の頸部８の下部に外キャッ
プ11の環状の係合突部15を係合させる。これによって、
外キャップ11は口部３に固定的に係着される。

次いで、内キャップ12を、そのつまみ部19を操作して外
キャップ11にねじこむ。このねじこみによって、内キャ
ップ12の下面側に設けられたシール部材20が口部３の端
面７に密着し、容器１内は完全に密封される。なお、外
キャップ11に内キャップ12を予めねじこんだ状態で外キ
ャップ11を上述のように係着すれば、ワンタッチでキャ
ップ10を口部３に取り付けることができる。

そして、容器１内の例えば海苔を取り出すときは、内キ
ャップ12を所定の開栓方向に回転し、内キャップ12を外
キャップ11から外せばよいことは云うまでもない。

本考案は、上述の実施例に限られるものではなく、例え
ば容器１の形状は任意の非円断面形状にすることがで
き、その場合、外キャップ11の形状も容器１と相似形に
なるようにすればよい。また、シール部材20を内キャッ
プ12と一体的になるように構成してもよく、内キャップ
12をしめこんだとき、シール部材20が口部３の端面７と
密着するように構成してあればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、平面視形状が容
器のそれと同様に形成された外キャップは、容器と角度
的位置合わせを行うようにして口部に固定的に係着され
るので、キャップと容器との角度的位置がずれることな
く簡単に行うことができると共に、前記外キャップに内
キャップを螺着することにより、内キャップに設けたシ
ール部材が前記口部の端面と密着し容器内を密封するの
で、キャップと容器との角度的位置合わせおよび容器内
のシールの両方を確実に行うことができる。

そして、本考案によれば、キャップやシール部材の材質
を任意に選べるといった利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示し、第１図は本
考案に係る非円断面容器用キャップおよびこのキャップ
が被着される容器の一例を示す分解斜視図、第２図はキ
ャップを容器に被着した状態を示す平面図、第３図はキ
ャップを容器に被着した状態における口部の断面図、第
４図はその要部を拡大して示す断面図である。 １……容器、３……口部、７……端面、９……係止部、
10……非円断面容器用キャップ、11……外キャップ、12
……内キャップ、13……筒体、14……係合部、16……雌
ねじ部、18……側部、20……シール部材、21……雄ねじ
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面視形状が容器と同様の非円断面形状を
   呈するとともに、上下両端部が開口した筒体の下部内周
   面に、前記容器の口部に形成された係止部と係合する係
   合部を備える一方、前記筒体の上部内周面に雌ねじ部を
   備えてなり、前記口部に固定的に係着される外キャップ
   と、前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を側部外周面に備
   える一方、下部側に螺着状態において前記口部の端面と
   密着し前記容器内を密封するシール部材を備えてなる内
   キャップとからなることを特徴とする非円断面容器用キ
   ャップ。