JPH0748463B2 - 電解コンデンサ用アルミニウム電極の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム電極の製造方法

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JPH0748463B2
JPH0748463B2 JP1139327A JP13932789A JPH0748463B2 JP H0748463 B2 JPH0748463 B2 JP H0748463B2 JP 1139327 A JP1139327 A JP 1139327A JP 13932789 A JP13932789 A JP 13932789A JP H0748463 B2 JPH0748463 B2 JP H0748463B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電解コンデンサ用アルミニウム電極の製造方
法に関し、更に詳しくは、高純度アルミニウムの表面に
蒸着によりチタンを付着させて表面にチタン層からなる
蒸着膜を形成させることからなる電解コンデンサ用アル
ミニウム電極の製造方法に関する。
[従来の技術] 電解コンデンサは、小形、大容量、安価で、整流出力の
平滑化等に優れた特性を示し各種電気・電子機器の重要
な構成要素の一つであり、一般に表面を電解酸化によっ
て酸化被膜に変えたアルミニウム箔を陽極とし、この酸
化被膜を誘電体とし集電陰極との間に電解液を介在させ
て作成される。
電解コンデンサは、近年小型化がますます要求されてお
り、より大きな静電容量の電解コンデンサを得るため
に、アルミニウム箔の表面に高倍率のエッチング処理を
施すことにより表面積の増大が図られている。材料の表
面に複雑な凹凸を与えることによる表面積を増大させる
この技術は、現在では高度に洗練されているが、この技
術により表面積増大のみによって電解コンデンサの静電
容量を増加させるのは次第に困難になるつつある。
アルミニウム材料の表面積増大には限界があり、表面積
の増大によらない静電容量の増加の手段として、陽極側
電極の表面に形成される誘電体層の酸化物の比誘電率を
高めればやはり静電容量を増大させることが可能であ
る。
酸化アルミニウムの比誘電率は7〜10程度であるが、他
の弁作用金属である酸化タンタルの比誘電率は25前後、
酸化チタンの比誘電率は66程度と高く、当然このような
酸化物を用いる方が静電容量は増大するが、一般の電解
コンデンサにおいてアルミニウムが使用されるのはタン
タルやチタンに比べコスト的に遥かに優れているためと
いえる。
これを解決する手段として、アルミニウム材料の表面
に、より比誘電率の大きな他の弁作用金属等を付着また
は溶着させて薄膜を形成させ、コストを増加させること
なく比誘電率の増大を図るものがある。例えば、真空蒸
着法、イオンプレーティング法またはスパッタリング法
のような物理的方法によりアルミニウム基板上に所望の
金属を蒸着させ、表面にアルミニウムと蒸着金属との混
在複合膜たる蒸着膜を形成させることによって大容量を
得るものでる。しかしながら、前記した方法では、アル
ミニウム基板上におけるチタンのような金属の蒸着膜の
密着性や緻密性が必ずしも十分ではなく、特に蒸着技術
を改良して、より優れた電解コンデンサ用アルミニウム
電極を製造する余地が残されていた。前記した蒸着技術
を用いる方法では、処理時間が長くかかるため生産効率
の点で不十分である。
一方、電解コンデンサは一般に陰極側にもアルミニウム
を用いることが多いが、アルミニウムは自然酸化皮膜に
よる極めて薄い絶縁層が形成されてしまう。電解コンデ
ンサの静電容量は、この陰極側の薄い絶縁層による静電
容量と陽極側の静電容量との合成容量によって形成され
るため、高い静電容量値を得るためには、陰極側の静電
容量が陽極側の静電容量に比べて極めて高い値を持つ
か、あるいは全く静電容量を持たないものが望ましい。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、高純度アルミニウムの表面に蒸着によりチタ
ンを付着させて表面にチタン層からなる蒸着膜を形成さ
せることからなる電解コンデンサ用アルミニウム電極の
製造方法を改良することにより、蒸着膜の密着性および
緻密性を向上させ、処理時間を大幅に短縮させると共に
静電容量を増加させ得る電解コンデンサ用アルミニウム
電極の製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、電解コンデンサ用アルミニウム電極を
製造するに際し、高純度アルミニウムの表面に蒸着によ
りチタンを付着させて表面にチタン層からなる蒸着膜を
形成させることからなり、前記蒸着を陰極アーク蒸着法
により行うことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニ
ウム電極の製造方法が提供される。
高純度アルミニウムを、エッチング処理を施した高純度
アルミニウム箔とすれば好適である。
2〜10×10-3Torrの圧力で陰極アーク蒸着を行えば好適
である。
アルゴン、ヘリウム、並びに窒素よりなる群から選択さ
れる不活性ガス雰囲気中で陰極アーク蒸着を行えば好適
である。
100〜500mmの蒸発距離で陰極アーク蒸着を行えば好適で
ある。
1×10-3〜5mg/cm2秒の蒸発速度で陰極アーク蒸着を行
えば好適である。
1×10-3〜1.0mg/cm2の蒸着量で陰極アーク蒸着を行え
ば好適である。
蒸着膜の厚さを0.05〜3μとすれば好適である。この程
度の厚さの蒸着膜に対し、蒸着処理時間は、0.5〜30分
とすることができる。
前記した陰極アーク蒸着により高純度アルミニウムの表
面にチタンを付着させ、表面にチタン層からなる蒸着膜
を形成させ、これを用いて通常の陽極酸化を行って電解
コンデンサ用アルミニウム電極を製造する。
[作用] 実質的真空下で、金属ターゲット(蒸発源)を陰極とし
てアーク放電を起こすと、アークはターゲット表面上に
アークスポットを形成し、ターゲット表面上をランダム
に走り回る。アークスポットに集中するアーク電流のエ
ネルギにより、ターゲット材は瞬時に溶融蒸発すると同
時に金属イオンとなり、真空中に放出される。この際、
バイアス電圧を被コーティング物に印加することによ
り、この金属イオンは、加速された反応ガス粒子と共に
被コーティング物の表面に密着し、緻密な膜を生成す
る。
本発明は、このような陰極アーク蒸着の原理を応用する
ものであり、金属ターゲット(蒸発源)としてチタンを
用い、被コーティング物として高純度アルミニウムを用
いるものである。
本発明の陰極アーク蒸着法と従来のイオンプレーティン
グ法およびスパッタリング法について、基板上のイオン
化率および粒子エネルギを比較して第1表に示す。な
お、イオン化率は、基板単位面積に到達した原子の内、
イオン化していたものの数をパーセントで表したもので
ある。
このような陰極アーク蒸着法によれば、イオン化率が著
しく大きく、高イオンエネルギであるため、反応効率が
向上し、アルミニウム基板とチタンとの密着性を顕著に
向上させることができる。そしてこのアルミニウム基板
を陽極として用いる場合には、表面を酸化処理して比誘
電率の高い酸化チタンとすることで静電容量の増大を図
ることができる。また陰極として用いる場合には、酸化
処理を行わずに用いれば、チタンが金属のままであれば
陰極側に静電容量が発生せず、合成容量による静電容量
の低減が起きないし、自然酸化被覆が形成されても比誘
電率が高いことから、静電容量の低減は少ない。
[発明の効果] 本発明によれば、高純度アルミニウムの表面に蒸着によ
りチタンを付着させて表面にチタン層からなる蒸着膜を
形成させることからなる電解コンデンサ用アルミニウム
電極の製造方法を改良することにより、蒸着膜の密着性
および緻密性を向上させ、処理時間を大幅に短縮させる
と共に静電容量を増加させ得る電解コンデンサ用アルミ
ニウム電極の製造方法が提供される。
[実施例] 以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1 常法によりエッチング処理を施した高純度アルミニウム
箔50×100mmを使用し、トータルチャンバ圧力2〜10×1
0-3Torr、蒸発距離200mm、蒸発速度0.1μ/分とし、2
分間陰極アーク蒸着を行い、チタン蒸着膜厚0.2μの蒸
着膜を形成させた。
陰極アーク蒸着に使用する装置の概略を第1図に示す。
この装置を用い、実質的真空下で、チタンからなる金属
ターゲット(蒸発源)10を陰極としてアーク放電を起こ
すと、アークはターゲット表面上にアークスポットを形
成し、ターゲット表面上をランダムに走り回る結果、ア
ークスポットに集中するアーク電流のエネルギ(100A)
により、ターゲット材は瞬時に溶融蒸発すると同時に金
属イオン12となり、真空中に放出され、この際、高純度
アルミニウム箔とする被コーティング物14に対しバイア
ス電圧を印加することにより、この金属イオンは、加速
された反応ガス粒子16と共に被コーティング物14の表面
に密着し、緻密な膜を生成する。なお、第1図中、18お
よび20はアーク電源、22はバイアス電源、24は回転テー
ブル、26はガス入口、28はガス出口、30は真空チャンバ
である。
この蒸着膜を有するアルミニウム箔を用い、通常の陽極
酸化を行って電解コンデンサ用アルミニウム電極を製造
し、更にこの電極を使用する電解コンデンサを製造し
た。
比較例1 常法によりエッチング処理を施した高純度アルミニウム
箔50×100mmを使用し、1×10-4Torrのアルゴン雰囲気
中で、蒸発距離200mm、蒸発速度1mg/cm2秒、蒸着量0.4m
g/cm2として、イオンプレーティング法によるチタン蒸
着を行い、蒸着膜を形成させた。
この蒸着膜を有するアルミニウム箔を用い、通常の陽極
酸化を行って電解コンデンサ用アルミニウム電極を製造
し、更にこの電極を使用する電解コンデンサを製造し
た。
比較例2 スパッタリング法による以外は比較的1と同様に蒸着膜
を形成させ、この蒸着膜を有するアルミニウム箔を用
い、通常の陽極酸化を行って電解コンデンサ用アルミニ
ウム電極を製造し、更にこの電極を使用する電解コンデ
ンサを製造した。
比較例3 常法によりエッチング処理を施した高純度アルミニウム
箔を使用し、蒸着膜を形成させることなく、通常の陽極
酸化を行って電解コンデンサ用アルミニウム電極を製造
し、更にこの電極を使用する電解コンデンサを製造し
た。
前記したようにして製造した蒸着膜を有するアルミニウ
ム基板におけるチタン密着性の比較は、第2表に示す通
りである。なお、参考として50グラム荷重におけるそれ
ぞれの硬度を併せて示す。
第2表 実施例1 比較例1 比較例2 付着力(kgms) 3.35 2.40 2.20 硬度(kg/mm2) 2700 2400 2200 また、前記したようにして製造した電解コンデンサの静
電容量(μF/cm2)は第3表に示す通りであった。
第3表 実施例1 比較例1 比較例2 比較例3 静電容量 1530 1200 1000 400
【図面の簡単な説明】
第1図は、陰極アーク蒸着に使用する装置の概略を示す
図である。 10…チタンからなる金属ターゲット(蒸発源) 12…金属イオン 14…高純度アルミニウムとする被コーティング物 16…反応ガス粒子、18…アーク電源 20…アーク電源、22…バイアス電源 24…回転テーブル、26…ガス入口 28…ガス出口、30…真空チャンバ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解コンデンサ用アルミニウム電極を製造
    するに際し、常法によりエッチング処理を施した高純度
    アルミニウム箔を使用し、この高純度アルミニウム箔の
    表面に対し、不活性ガス雰囲気中において、2〜10×10
    -3Torrの圧力、100〜500mmの蒸発距離、1×10-3〜5mg/
    cm2秒の蒸発速度および1×10-3〜1.0mg/cm2の蒸発量の
    条件で、チタンを蒸発源としこれを陰極としてアーク放
    電を行う陰極アーク蒸着法によりチタンを付着させて表
    面にチタン層からなる蒸着膜を形成することを特徴とす
    る電解コンデンサ用アルミニウム電極の製造方法。
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