JPH0748004B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、燃焼用空気を送風機によってバーナへ供給す
る燃焼装置であって、燃焼用空気の供給路中に燃焼用空
気を均等にバーナへ供給するための空気分散部材とバー
ナの着火のためのスパーカ点火電極またはバーナの着火
を検知するフレームロッドを接続する配線とが設けられ
る燃焼装置に関する。

［従来の技術］ 例えばガス給湯器では、送風機によって燃焼用空気をバ
ーナへ供給し、この場合、バーナへ均等に燃焼用空気が
供給できるようにするために、複数の開口を有する空気
分散板が燃焼用空気の通路内に配され、バーナへの燃焼
用空気の圧力の均等化が図られたものがある。

一方、バーナの着火を検知するために、フレームロッド
やサーモカップルの着火検知手段をバーナの炎口付近に
備えたものがある。

［発明が解決しようとする課題］ こうしたガス給湯器は、従来より小型化される傾向にあ
り、最近では住宅事情の関係から、さらに小型でしかも
高性能のものが要求されている。

このため、給湯器としての外形の寸法自体が制限され、
内部に収容されるバーナ、送風機等も、制限された空間
内に収容され、同様に着火検知手段から制御回路への配
線も、限られたスペース内に収める必要がある。

このため、燃焼用空気を供給する送風機のスクロールケ
ーシング内に配線を通すことが考えられるが、送風機に
よって燃焼用空気がバーナへ送られるときには、燃焼用
空気の圧力が配線部材に加わる。

このとき、配線部材が不安定であると、配線部材は下流
側へ押しやられ、この結果、配線部材が空気分散板に形
成された開口を塞いでしまうと、燃焼用空気の均等化が
図れなくなり、場合によっては燃焼不良になりやすいと
いう問題がある。

本発明は、送風機による燃焼用空気の通路内に、バーナ
からの配線部材が通過して配される燃焼装置において、
燃焼状態に影響することなく、しかも簡単に配線部材を
固定することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、バーナへ燃焼用空気を供給する送風機を備
え、該送風機による燃焼用空気の供給路中に前記バーナ
に対応して燃焼用空気を均等に供給させるための複数の
開口が形成された空気分散部材を設けるとともに、前記
バーナの着火のための着火手段または前記バーナの着火
を検知するための着火検知手段と接続された配線部材が
前記供給路内を通過して配される燃焼装置において、前
記配線部材は、前記空気分散部材に前記開口と別に設け
られた支持用係止部に係止されるコイル部材によって、
前記開口を塞ぐことなく支持されることを技術的手段と
する。

［作用］ 本発明では、配線部材をコイル部材に絡ませて、コイル
部材の両端を支持用係止部に係止すると、配線部材は空
気分散部材に固定される。

このとき、配線部材は、空気分散部材の開口を塞がない
ため、燃焼用空気は均等にバーナへ供給される。

［発明の効果］ 本発明では、コイル部材を用いているため、配線部材を
簡単に固定することができる。また、この場合、開口を
避けるようにしてコイル部材の支持用係止部を設けるだ
けで、配線部材が開口を塞ぐことがないため、燃焼状態
に影響がでない。

［実施例］ 次に本発明を実施例に基づいて説明する。

第１図は、ガス給湯器１を示すもので、ガス給湯器１
は、第２図に示すとおり、薄型の給湯器ケーシング２内
に、水管式の熱交換器３を備えた燃焼器10と制御装置が
収められた電装品ケーシング30とを共に収容したもので
ある。

燃焼器10は、燃焼室を形成する金属製の燃焼器ケーシン
グ11内に多数の板金バーナ12を１列に並べ、下方には、
燃焼室内へ燃焼用空気を供給するために、スクロールケ
ーシング13内に図示しない羽根車を設け、モータ14によ
って羽根車を回転駆動する送風機15が備えられたもので
ある。

給湯器ケーシング２の下部に設けられたガス管接続口20
に接続される図示しないガス管から燃料ガスを供給する
とともに、板金バーナ12を中間部で二つの組に分けて使
用するために、これらの板金バーナ12には、燃料管21か
ら２本に分岐した２本のノズル管22、23が備えられてい
る。

ノズル管の一方には、燃料供給を司るための図示しない
電磁弁が、さらに、２本のノズル管22、23の上流には、
燃料の供給量を調節するガバナ比例弁と、主電磁弁およ
び元電磁弁が一体に組み合わされた弁機構群24が設けら
れており、必要加熱量に応じて燃料供給量を調節する。

板金バーナ12が並べられた燃焼器10の一方の側には点火
のためのスパーク電極25が、他方の側には着火を検知す
るためのフレームロッド26がそれぞれ備えられている。

フレームロッド26には、第３図に示すとおり、制御装置
に設けられた図示しない炎検知回路と接続するためのリ
ード線27が接続されている。

本実施例では、給湯器ケーシング２内のスペースが限ら
れているため、このリード線27は、第３図に示すとお
り、送風機15から供給される燃焼用空気の通路である給
気箱11a内を通して配線されて、給気箱11aを貫通して電
装品ケーシング30と接続されている。

ここで、給気箱11aも給湯器ケーシング２内の限られた
スペース内に設けられているため、給器箱11a内には燃
焼用空気を各板金バーナ12へ均等に供給するための空気
分散板28が配されている。

空気分散板28には、第４図に示すとおり、多数の穴28a
が形成され、空気分散板28の穴28aは、送風機15の吹き
出し口15aに近い側、すなわち第４図において図示左側
では、その数が比較的少なく各穴28aはかなり分散して
いるが、送風機の吹き出し口に遠い側となる図示右側で
は、穴28aの数が多く密に設けられ、送風機15によって
燃焼用空気が供給されると、右側の板金バーナ12へも左
側と同様に均等に分散された燃焼用空気が供給されるよ
うにしてある。

このように、給気箱11aでは各板金バーナ12に対して、
一様に燃焼用空気が供給されるように、穴28aの配分が
計算されているため、その一つの穴が詰まったり塞がっ
たりすると燃焼用空気のバランスが崩れてしまう。

そこで、リード線27が穴28aを塞ぐことがないように、
リード線27は、コイルばね29に絡ませられて支持され
て、コイルばね29とともに空気分散板28に固定されてい
る。

ここでは、空気分散板28の穴28aを塞がらないような位
置に、穴28aとは別に設けられた２つの引っ掛け穴28bの
一方に、コイルばね29の両端の鉤部29aの一方が差し込
まれて引っ掛けられ、コイルばね29が適当に引き伸ばさ
れた後に、他方の鉤部29aが同様に引っ掛け穴28bに引っ
掛けられている。

この結果、リード線27はコイルばね29の弾性力によって
空気分散板28にしっかりと固定されることになり、送風
機15の作動によってリード線27がふらつくことがない。

燃焼室内の燃焼器10の上方には、燃焼室内に多数のフィ
ンを備えた水管からなる熱交換器３が配され、さらに燃
焼器ケーシング11の最上部には、燃焼排ガスを排出する
ための排気口４が設けられている。

水管3aは、給湯器ケーシング２の下方に設けられた水供
給口５から上方に向かって配され、燃焼器ケーシング11
を取り巻くようにして燃焼器ケーシング11の外側に固定
され、燃焼器ケーシング11の上部から燃焼器ケーシング
11内へ貫通し、幾重かに折り曲げられながら燃焼室内を
往復して配され、燃焼器ケーシング11の中間部から再び
燃焼器ケーシング11外に露出して、給湯器ケーシング２
の下部に位置する給湯管接続口６まで導かれている。

以上のとおり、送風機15を含む燃焼器ケーシング11、燃
料管21等の燃料供給系および水管3a等の水路系は、給湯
器ケーシング２内の大部分を占めており、制御装置を収
めた電装品ケーシング30は、図示右側下方の僅かな幅で
与えられた空間内に配されている。

電装品ケーシング30は、第５図にも示すとおり、合成樹
脂によって形成されたケーシング本体31と蓋部40とを組
み合わせた薄い箱状を呈し、内部には、マイクロコンピ
ュータを中心とした制御回路を構成する電装品が収めら
れている。

制御回路の一部には、フレームロッド26からのリード線
27により炎検知するための炎検知回路が含まれ、ケーシ
ング本体31と蓋部40とは、内部に制御装置を構成する電
装品および配線部材が収納された後に、パッキングを介
して嵌め合わせられて電装品ケーシング30となり、第１
図に示すとおり、給湯器ケーシング２内に収容される。

以上の電装品ケーシング30内に制御装置が収められたガ
ス給湯器１において、燃焼器ケーシング11と電装品ケー
シング30との間には遮熱板50がそれぞれ空間をおいて配
されているため、燃焼器10の燃焼熱で燃焼器ケーシング
11が加熱されても、その熱が電装品ケーシング30に影響
を与えない。

また、万一、燃焼ガスが燃焼器ケーシング11から漏れ出
した場合にも、漏れた燃焼ガスは遮熱板50によって遮ら
れるため、電装品ケーシング30が変形して、内部の電装
品に燃焼ガスが影響を与えることがない。

以上の実施例において、送風機15が作動して燃焼用空気
が吹き出し口15aから給気箱11a内を供給されると、燃焼
用空気は空気分散板28によって適度に分散されて各板金
バーナ12に対して均等に供給される。

このとき、フレームロッド26からの信号を電装品ケーシ
ング30内へ伝えるリード線27は、コイルばね29によって
しっかりと空気分散板28に固定されているため、燃焼用
空気によってその位置が変化することがなく、空気分散
板28の穴28aを塞ぐことがない。

従って、各板金バーナ12への燃焼用空気の供給状態は安
定する。

また、リード線17を固定する場合には、リード線27をコ
イルばね29に絡ませてから、コイルばね29を引っ掛け穴
28bに引っ掛けるだけでよいため、作業が簡単である。

以上の実施例では、ガス給湯器を示したが、石油等の他
の燃料による給湯器においても同様の効果を奏する。

なお、フレームロッドが点火機能を有しているものにも
本発明を適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例を示すガス給湯器の内部を示す正面
図、第２図は本実施例のガス給湯器の内部を示す側面
図、第３図は本実施例のガス給湯器の燃焼器ケーシング
内を示す断面図、第４図は本実施例の空気分散板へのリ
ード線の固定状態を示す略図、第５図は本実施例の電装
品ケーシングおよび遮熱板を示す斜視図である。 図中、１…ガス給湯器（燃焼装置）、10…燃焼器（バー
ナ）、11a…給気箱（燃焼用空気の供給路）、15…送風
機、26…フレームロッド（着火検知手段）、27…リード
線（配線部材）、28…空気分散板（空気分散部材）、28
a…穴（複数の開口）、28b…引っ掛け穴（支持用係止
部）、29…コイルばね（コイル部材）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】バーナへ燃焼用空気を供給する送風機を備
   え、該送風機による燃焼用空気の供給路中に前記バーナ
   に対応して燃焼用空気を均等に供給させるための複数の
   開口が形成された空気分散部材を設けるとともに、前記
   バーナの着火のための着火手段または前記バーナの着火
   を検知するための着火検知手段と接続された配線部材が
   前記供給路内を通過して配される燃焼装置において、 前記配線部材は、前記空気分散部材に前記開口と別に設
   けられた支持用係止部に係止されるコイル部材によっ
   て、前記開口を塞ぐことなく支持されることを特徴とす
   る燃焼装置。