JPH0747961Y2 - 停電検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、停電を検出する停電検出装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来より、通常は商用電力を直接負荷（パソコン等）に
供給し、停電時にはバッテリに充電された電力をインバ
ータで交流電流に変換して負荷に供給する常時商用給電
方式の交流無停電電源装置がある。交流無停電電源装置
のバッテリによる給電は時間に制限があるので、使用者
は停電が起こると早急に作成中のメモリ内容をフロッピ
ーディスクや固定ディスクに保存しなければならない。

従来の交流無停電電源装置は、前面にインバータ運転状
態であるのが確認できるランプが設けられており、パソ
コンを操作する使用者の直接目に入る場所に設置する目
的で、ほとんどの場合、パソコンの上や、パソコンを設
置する机の横に設置している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、交流無停電電源装置が目につき易い場所に設け
られている場合は良いが、室内の見栄えを良くするため
に、交流無停電電源装置を床や壁等に埋め込み、使用者
の目に見えない場所に設置した場合、使用者が停電が否
かを示すランプを確認するのは困難になる。

したがって、この考案の目的は、交流無停電電源装置を
床や壁等に埋め込んで設置した場合でも、停電の確認が
容易に行える停電検出装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案の停電検出装置は、通常は商用電源電圧を出力
し商用電源停電時に商用電源電圧とは異なる波形の電源
電圧を出力する交流無停電電源装置に接続した負荷のス
ルー出力コンセントに差し込まれるプラグを有する電源
コードと、前記交流無停電電源装置の近傍に設置され前
記電源コードが引き込まれるボックスと、このボックス
に内蔵され前記スルー出力コンセントから前記電源コー
ドを通して供給される電源電圧の波形が商用電源電圧波
形か商用電源停電時の前記交流無停電電源装置の電源電
圧波形かを判別する波形判別回路と、前記ボックスの外
部に報知出力が露呈する状態に前記ボックスに設けられ
商用電源停電時の前記交流無停電電源装置の電源電圧波
形の判別に応答して報知する報知手段を設けたものであ
る。

〔作用〕

この考案の停電検出装置によると、波形判別手段により
電源コードを通して供給される電源電圧の波形が商用電
源電圧波形か商用電源停電時の交流無停電電源装置の電
源電圧波形かを判別し、報知手段により商用電源停電時
の交流無停電電源装置の電源電圧波形の判別に応答して
報知する。この結果、負荷には何の加工も施すことな
く、停電検出装置のボックスを負荷の近傍に設置して負
荷のスルー出力コンセントに停電検出装置のボックスか
ら引き出された電源コードの先端のプラグを差し込むだ
けで、商用電源の停電、つまり無停電電源装置の作動を
報知することができる。これは、無停電電源装置が床や
壁に埋め込まれて設置された場合等、負荷を操作するオ
ペレータから直視できない場所に無停電電源装置が設置
されている場合に有効である。

〔実施例〕

この考案の第１の実施例を第１図ないし第４図に基づい
て説明する。

第１図において、10はフリーアクセスフロアの床27に埋
め込んだ交流無停電電源装置であり、11はパソコンから
なる負荷であり交流無停電電源装置10に電源コード12に
て接続されている。交流無停電電源装置10は、通常は商
用電力を直接負荷11に供給し、停電時にはバッテリに充
電した電力をインバータで交流に変換して負荷11に供給
するものである。負荷11のパソコン本体13の背面には、
交流無停電電源装置10からの入力を直接出力するスルー
出力コンセント14,15が設けられており、このスルー出
力コンセント14に負荷11のディスプレイ16が接続される
と共に、スルー出力コンセント15に停電検出装置17が接
続されている。停電検出装置17は、第２図に示すよう
に、本体18と、本体18の前面に設けた発光ダイオードか
らなる報知手段19と、プラグ21付の電源コード20とから
構成されている。停電検出装置17は、電源コード20をス
ルー出力コンセント15に差し込んで、負荷11のディスプ
レイ16の側面に設置されている。

第４図に示すように、商用電源の波形は、同図（Ａ）に
示すような正弦波となり、交流無停電電源装置10のイン
バータ出力の波形は、同図（Ｂ）に示すような矩形波と
なる。商用電源が正常の場合には、スルー出力コンセン
ト15から正弦波が出力され、停電時には矩形波が出力さ
れることとなる。正弦波のピーク値Ｖは141〔Ｖ〕であ
り、矩形波のピーク値ｖは100〔Ｖ〕である。各々10％
の変動範囲があるとして正弦波のピーク値の電圧変動範
囲は127〜155〔Ｖ〕となり、矩形波のピーク値の電圧変
動範囲は90〜110〔Ｖ〕となる。したがって、仮りに120
〔Ｖ〕を検出点とすれば、停電検出装置17の入力電圧の
ピーク値が検出点以上であれば正弦波、検出点以下であ
れば矩形波と判別することができる。

第３図は、停電検出装置17の回路図を示している。負荷
11のスルー出力コンセント15から入力された電圧はトラ
ンス22で降圧され、その出力は整流器23およびコンデン
サ24で整流平滑される。このとき、ａ部の電位はトラン
ス出力（交流）のピーク電圧とほぼ同じ値となる。ま
た、比較器25の基準電位28は、120〔Ｖ〕にトランス22
の分電比を掛けた電位に設定している。ａ部の電位がこ
の基準電位28より高い場合、すなわち商用電源による正
弦波の場合は、比較器25の出力がハイレベルとなり、ト
ランジスタ26がオフとなり、発光ダイオードからなる報
知手段19は不点灯となる。ａ部の電位が基準電位28より
低い場合、すなわちインバータ運転による矩形波である
場合は、比較器25の出力がローレベルとなり、トランジ
スタ26がオンとなり、報知手段19が点灯し、使用者に停
電であることを報知する。なお、29は定電圧回路であ
る。

このように構成された停電検出装置17によると、商用電
源波形と交流無停電電源装置10のインバータ出力波形と
の違いを検出して、報知手段19にて停電を報知するの
で、交流無停電電源装置10が床や壁等に埋め込まれてい
ても、負荷11の使用者は容易に停電を認知することがで
きる。

また、プラグ21をスルー出力コンセント15に接続するだ
けで結線が完了するので、停電検出装置17の設置が簡単
に行える。

さらに、交流無停電電源装置10との接続が不要で省配線
となり、低コストになる。

この考案の第２の実施例を第５図に示す。この実施例の
停電検出装置は、発光ダイオードからなる報知手段19の
点灯以外にブザーからなる報知手段30も設けたものであ
る。停電でａ部が基準電位28より低くなった場合、報知
手段19の点灯と共に報知手段30も鳴動し、より確実な報
知が行えるようになる。なお、その他の構成は、第１の
実施例と同様である。

この考案の第３の実施例を第６図に示す。この実施例の
停電検出装置は、商用電源電圧が何かの原因により過電
圧状態（110％を越える電圧）となった場合、負荷を保
護するために、過電圧検出回路ｂを付け加えたものであ
り、その他の構成は第１の実施例と同様である。過電圧
検出回路ｂの基準電位31は、商用電源電圧のピーク電圧
141〔Ｖ〕の110％の155〔Ｖ〕に、トランス22の分配比
を掛けた電位に設定してある。過電圧が検出されると、
比較器34の出力がローレベルとなり、トランジスタ32が
オンとなり発光ダイオード33が点灯し、過電圧であるこ
とを警報する。

このように構成された停電検出装置においても、第１の
実施例と同様の効果が得られる。さらに、負荷の入力許
容電圧（AC100〔Ｖ〕±10％）を越える電圧になると、
過電圧検知回路ｂにて報知することができ、負荷を過電
圧から守ることができる。

〔考案の効果〕

この考案の停電検出装置によると、スルー出力コンセン
トに差し込まれるプラグを有する電源コードが引き込ま
れるボックスを、交流無停電電源装置の近傍に設置し、
スルー出力コンセントから電源コードを通して供給され
る電源電圧の波形が商用電源電圧波形か商用電源停電時
の交流無停電電源装置の電源電圧波形かを判別する波形
判別回路をボックスに内蔵し、ボックスの外部に報知出
力が露呈する状態にボックスに報知手段を設け、波形判
別手段により電源コードを通して供給される電源電圧の
波形が商用電源電圧波形か商用電源停電時の交流無停電
電源装置の電源電圧波形かを判別し、報知手段により商
用電源停電時の交流無停電電源装置の電源電圧波形の判
別に応答して報知するようにしたので、負荷には何の加
工も施すことなく、停電検出装置のボックスを負荷の近
傍に設置して負荷のスルー出力コンセントに停電検出装
置のボックスから引き出された電源コードの先端のプラ
グを差し込むだけで、商用電源の停電、つまり無停電電
源装置の作動を報知することができ、負荷を操作するオ
ペレータに対して商用電源の停電を容易に確認させるこ
とができる。

これは、無停電電源装置が床や壁に埋め込まれて設置さ
れた場合等、負荷を操作するオペレータから直視できな
い場所に無停電電源装置が設置されている場合に有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１の実施例の負荷に取付けた状態
の斜視図、第２図はその斜視図、第３図はその回路図、
第４図は商用電源電圧とインバータ運転時の各波形図、
第５図はこの考案の第２の実施例の回路図、第６図この
考案の第３の実施例の回路図である。 10……交流無停電電源装置、11……負荷、15……スルー
出力コンセント、17……停電検出装置、19,30……報知
手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】通常は商用電源電圧を出力し商用電源停電
   時に商用電源電圧とは異なる波形の電源電圧を出力する
   交流無停電電源装置に接続した負荷のスルー出力コンセ
   ントに差し込まれるプラグを有する電源コードと、前記
   交流無停電電源装置の近傍に設置され前記電源コードが
   引き込まれるボックスと、このボックスに内蔵され前記
   スルー出力コンセントから前記電源コードを通して供給
   される電源電圧の波形が商用電源電圧波形か商用電源停
   電時の前記交流無停電電源装置の電源電圧波形かを判別
   する波形判別回路と、前記ボックスの外部に報知出力が
   露呈する状態に前記ボックスに設けられ商用電源停電時
   の前記交流無停電電源装置の電源電圧波形の判別に応答
   して報知する報知手段を設けた停電検出装置。