JPH0747796B2 - 複合プレス成形性の極めて優れた冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

複合プレス成形性の極めて優れた冷延鋼板及びその製造方法

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JPH0747796B2
JPH0747796B2 JP2321054A JP32105490A JPH0747796B2 JP H0747796 B2 JPH0747796 B2 JP H0747796B2 JP 2321054 A JP2321054 A JP 2321054A JP 32105490 A JP32105490 A JP 32105490A JP H0747796 B2 JPH0747796 B2 JP H0747796B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鋼板のT.S45が28.5〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以
上で鋼板表面粗さRaが0.2〜1.0μmの特性値を有する複
合プレス成形性の極めて優れた冷延鋼板、及びその鋼板
を連続焼鈍で製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 冷延鋼板のプレス成形性を向上させる技術については、
全伸びが54%以上値が2.0以上の超加工性冷延鋼板を
ステップ加熱を有する箱焼鈍による方法が特開昭63-210
243号公報、極めて高い値やr45及びElの鋼板の製造方
法として特開昭61-113724号公報がある。
最近、自動車のプレス部品の中には例えばホイルハウス
インナーの様に複雑な形状を有する物も多くあり、その
成形性が極めて難しくなってきている。本発明者等も、
これらプレス部品に対し、先に本発明者等が発明した極
めて高い値やr45及びElの鋼板の製造方法の特開昭61-
113724号公報の方法を適用して製造した鋼板を自動車メ
ーカーに供給してきたがプレス不良が多発するという問
題が生じてきている。
(本発明が解決しようとする課題) 本発明で解決しようとする課題は、鋼板のT.S45が28.5
〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以上で鋼板表面粗さRaが0.2
〜1.0μmの特性値を有する複合プレス成形性の極めて
優れた冷延鋼板、及びその鋼板を連続焼鈍で製造する方
法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、例えばホイルハウスインナーの様に複雑
な形状を有する深い絞り成形と張り出し成形及び絞りビ
ードを有するこれら部品(以下複合成形部品と記す)の
実プレスにおいて、極めて優れたプレス成形性(以下複
合プレス成形性と記す。)が得られる冷延鋼板の開発
と、その鋼板を連続焼鈍で製造する方法について、鋭意
検討し、以下の結果を見いだしたものである。
本発明の要旨は下記の通りである。
(1) C≦0.0025%,Si≦0.05%,Mn≦0.30%,P:0.007
〜0.030%,S≦0.020%,solAl≦0.080%,N≦0.0030%,T
i:0.025〜0.120%,Nb:0.003〜0.020%,B≦0.0004%,残
部不可避不純物及び鉄よりなり、鋼板の圧延方向と45°
方向の引張り強さ(以下T,S45と記す)が28.5〜31.0kgf
/mm2、圧延方向と45℃方向のr値(以下r45と記す)が
1.90以上で鋼板表面の中心線平均粗さ(以下Raと記す)
が0.2〜1.0μmの複合プレス成形性の極めて優れた冷延
鋼板。
(2) C≦0.0025%,Si≦0.05%,Mn≦0.30%,P:0.007
〜0.030%,S≦0.020%,solAl≦0.080%,N≦0.0030%,T
i:0.025〜0.120%,Nb:0.003〜0.020%,B≦0.0004%,残
部不可避的不純物及び鉄よりなる鋼片を、加熱し、880
〜940℃で熱間仕上げ圧延を終了し、1.5sec以内に急冷
を開始し少なくとも850℃までを50〜200℃/secの冷却速
度で急冷し、680〜770℃で巻き取り、熱延鋼帯とし、70
%以上の冷延率で冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍に
て750〜900℃で再結晶焼鈍を行こない、0.3〜1.5%の調
質圧延を行うことを特徴とし、鋼板のT.S45が28.5〜31.
0kgf/mm2,r45が1.90以上で鋼板表面粗さRaが0.2〜1.0μ
mの特性値を有する複合プレス成形性の極めて優れた冷
延鋼板の製造方法にある。
以下に本発明について詳細に述べる。
最初に、第一発明に付いて説明する。
本発明者等は、例えばホイルハウスインナーの様に複雑
な形状を有する深い絞り成形と張り出し成形及び絞りビ
ードを有するこれら部品(以下複合成形部品と記す)の
実プレスにおいて、極めて優れたプレス成形性(以下複
合プレス成形性と記す。)が得られる冷延鋼板の開発を
行うため、先ず最初に、日本鉄鋼協会講演論文集Vol.3
No.6 1990 P.1771に紹介したEl=51.0,=2.52,r45
2.40と極めて優れた材質を有する冷延鋼板を含め、El,
,r45に優れた材質を有する冷延鋼板を複合成形部品
に適用し、実プレス成形性を調査した。その結果、上述
のEl=51.0,=2.52,r45=2.40と極めて優れた材質を
有する冷延鋼板を含め、El,,r45の材質が良好である
にも関わらず実プレス成形性が悪いものが多数発生した
という従来の知見では考えられない結果となった。
そこで、本発明者等は、これらの複合プレス成形性と材
料特性値との関係を詳細に検討した結果、鋼板のT.S
45が28.5〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以上の特性値を有
し、B含有量が0.0004%以下、好ましくは0.0002%以
下である鋼板は優れた複合プレス成形性が得られ、更
に、鋼板表面粗さRasを0.2〜1.0μmに調整した鋼板
は極めて優れた複合プレス成形性が得られることがわか
った。尚、前述の日本鉄鋼協会講演論文集Vol.3 No.6 1
990 P.1771に紹介した冷延鋼板は自動車のオイルパン用
として試作したため、角筒形成後の二次加工脆性を防止
するためBを0.0008%含有せしめた冷延鋼板であったの
で、上述の如く実プレスでの複合プレス成形性が悪かっ
たものと思われる。
第1図は、上述のこれらの複合プレス成形性と材料特性
値との関係を詳細に検討した結果を図示したもので、
鋼板のT.S45が28.5〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以上の特性
値を有し、B含有量が0.0004%以下、好ましくは0.00
02%以下である鋼板は優れた複合プレス成形性が得られ
ることがわかる。
更に、第2図は、鋼板のT.S45が29.5kgf/mm2,r45が2.14
以上の特性値を有し、B含有量が0.0002%以下の鋼板を
製造し、0.8%の調質圧延を行い鋼板表面粗さRaを変え
た鋼板を試作し実プレスでの複合プレス成形性を調査し
た結果を示したものである。第2図より、鋼板表面粗さ
Raを0.2〜1.0μmに調整した本発明の鋼板は極めて優れ
た複合プレス成形性が得られ、本発明の鋼板が、例えば
ホイルハウスインナーの様に複雑な形状を有する深い絞
り成形と張り出し成形及び絞りビードを有するこれら部
品の実プレスにおいて、極めて優れたプレス成形性が得
られ、その工業的価値が優れているのがよくわかる。
尚、本発明の冷延鋼板を電気Znメッキ鋼板などの表面処
理鋼板の原板として用いる場合にも、原板の表面粗さが
本発明の範囲内であれば極めて優れた複合プレス成形性
が得られ、本発明の効果を得ることができる。
上述のように、本発明の鋼板が極めて優れた複合プレス
成形性が得られる理由は明確に解明することは困難であ
るが、以下の如くと考えられる。
(1) 鋼板のT.S45が28.5〜31.0kgf/mm2が不可欠とな
っている理由は、例えばホイルハウスインナーの様に複
雑な形成を有する深い絞り成形と張り出し成形及び絞り
ビードを有するこれら部品の実プレスにおける成形限界
は、絞りビード部及び深い絞り成形部(ほとんどの深絞
り部品の最も厳しい深絞りを受けるのは鋼板の圧延方向
と45°方向に一致する)のダイス肩R部で鋼板が流入す
るときの摩擦抵抗力と鋼板の破断耐力(T.S45)の大小
でほぼ決まるものと想定される。従って、T.S45が28.5k
gf/mm2以上が自動車のこれらの複合成形部品には不可欠
となったものと思われる。又、T.S45が31.0kgf/mm2超で
は鋼板の延性が劣化するためと思われる。
(2) r45が1.90以上の特性値が必要な理由は、上述
のように45°方向の深絞り性が必要であるためである
が、例えば、特開昭61-113724号公報で開示されている
レベルのr45≦1.85では良好な複合プレス成形性が得ら
れない。
(3) B含有量が0.0004%以下、好ましくは0.0002%
以下であることが必要であるのは、その理由に付いては
必ずしも明確になっていないが、本発明者等が種々検討
した結果では、Bを0.0005%以上含有する冷延鋼板は、
引っ張り試験の局部伸び値が同じT.Sもので比較しても
低い値しか得られないものが多かった。従って、この様
な局部伸び値がT.Sの割には低い鋼板は、絞りビード部
や深絞り成形品のダイス肩R部を鋼板が流入する時、厳
しい曲げ戻し加工を受け、局部伸び値が低いので加工性
の劣化が大きくなりプレス破断が生じ易くなったのでは
ないかと推定される。
(4) 鋼板表面粗さRaを0.2〜1.0μmに調整した鋼板
が極めて優れた複合プレス成形性が得られるのは、絞り
ビード部や深い絞り成形部のダイス肩R部を鋼板が流入
する時、厳しい曲げ戻し加工を受けながら工具によって
鋼板表面は高い圧縮応力を受け鋼板表面の凹凸の部分が
塑性変形し平滑にされる。この塑性変形に要したエネル
ギーが絞りビード部や深い絞り成形部のダイス肩R部を
鋼板が流入する時の抵抗となると考えられる。従って、
鋼板表面粗さRaが1.0μmを越えるとこの塑性変形量が
多くなり鋼板が流入し難くなり実プレス性が劣化したも
のと考えられる。又、鋼板表面粗さRaが0.2μ未満では
潤滑油が鋼板表面に溜まる部分がなくなり油切れを生じ
摩擦抵抗が増え、鋼板が流入し難くなり実プレス性が劣
化したものと考えられる。
更に、上記(1),(2),(3),(4)で説明した
効果は、各々の項目でも効果があるが、全てを満足して
初めて、本発明が目的とする複合プレス成形性の極めて
優れた冷延鋼板となるのである。尚、C≦0.0040%,Si
≦0.05%,Mn≦0.30%,P≦0.030%,S≦0.025%,solAl≦
0.100%,N≦0.0050%,Ti:0.025〜0.120%,Nb:0.003〜0.
020%,B≦0.0004%,残部不可避的不純物及び鉄よりな
る冷延鋼板としたのは、上記の特性を満足する複合プレ
ス成形性の極めて優れた冷延鋼板を工業的に経済的に得
る上でのベース成分であるからである。
以下、第二発明に付いて説明する。
第二発明は、第一発明の冷延鋼板を連続焼鈍法で製造す
る方法である。第二発明の方法のポイントは、得られ
る冷延鋼板の特性値を第一発明の特性値に合致するよう
に製造条件を総合調整し、第一発明条件を満足させた冷
延鋼板を製造し、従来にない複合プレス成形性の極めて
優れた冷延鋼板の製造方法を提供すること、鋼の成
分、熱延条件、冷延、連続焼鈍、調質圧延条件を特定条
件に規制し、鋼板のT.S45が28.5〜31.0kgf/mm2,r45
1.90以上で鋼板表面粗さRaが0.2〜1.0μmの特性値を有
する複合プレス成形性の極めて優れた冷延鋼板の製造方
法を提供することである。
以下に製造条件について詳細に述べる。
Cは、r45が1.90以上の特性値の冷延鋼板を連続焼鈍で
得る上で極めて重要な元素で、C含有量が0.0025%超に
なるとこれらの特性値が得られなくなるのでC含有量の
上限を0.0025%以下とした。
Si,Mn,S及びNは、何れも含有量が増えるとr45が低下
し、1.90以上の特性値が得られ難くなるので、それぞれ
の含有量をSi≦0.05%,Mn≦0.30%,S≦0.020%,N≦0.00
30%とした。
Pは、0.007%未満では28.5kgf/mm2のT.S45が得難くな
る。又、0.030%超になると二次加工性の劣化が大きく
なり過ぎるので0.030%以下とした。
solAlは、一般には脱酸剤として用いられるが、本鋼の
場合はTi脱酸をおこなっても何等差し支えがないので下
限値を規定する必要がない。solAlの含有量が増えるとr
45が低下し、1.90以上の特性値が得られ難くなるので、
それぞれの含有量を0.080%以下とした。
Tiは、1.90以上のr45値を得る上で極めて重要な元素
で、Ti含有量が0.025%未満になるとこの特性値が得ら
れなくなる。又、Ti含有量が0.120%超ではT.S45が31.0
kgf/mm2を越えるようになるので、Ti含有量を0.025%〜
0.120%に規制した。
Nbは、1.90以上のr45値を得る上でTi以上に極めて重要
な元素で、Nb含有量が0.003%未満になるとこの特性値
が得られなくなる。又、Nb含有量が0.020%超では再結
晶温度が高くなり結晶粒が細粒化しT.S45が31.0kgf/mm2
を越えるようになるので、Nb含有量を0.003%〜0.020%
に規制した。
Bは、二次加工性を顕著に向上させる元素であるが、同
時に、前述の如く、Bを0.005%以上含有する冷延鋼板
は、引っ張り試験の局部伸び値が同じT.Sもので比較し
ても低い値しか得られず、良好な複合プレス成形性が得
られなくなるので、B含有量は0.0004%以下、好ましく
は0.0002%以下であることが必要である。
熱延条件は、CをTiでTiCとして無害化すると共に熱延
板の結晶粒を0.025%以上のTi及び0.003%以上のNbの複
合添加効果とによって細粒化する工程である。
熱延前の加熱条件は、特に規制する必要がなく通常行わ
れる加熱条件でよいが、より軟質な鋼板を得るには、11
00℃以下の加熱温度(SRTと記す)が好ましい。
熱間圧延の仕上げ温度は、880℃未満では粗大結晶粒と
なり、r45値が顕著に低下する。又、940℃超になっても
結晶粒が大きくなり過ぎ1.90以上のr45値が得られなく
なるので、880〜940℃とする必要がある。
巻き取り温度(以下C.Tと記す)は、より多くのTiCの析
出と粗大化を行い極めて優れたr45値を得る上で重要な
工程である。680℃未満の温度ではTiCの析出と粗大化が
不足となり極めて優れたr45値が得られなくなる。又、7
70℃超になると結晶粒の粗大化が発生するようになり1.
90以上のr45値が得られなくなるので、680〜770℃とす
る必要がある。
又、熱延板の結晶粒の細粒化には仕上げ圧延後少なくと
も1.5sec以内に且つ50℃/s以上の冷却速度で少なくとも
850℃までを急冷する必要がある。この条件より、急冷
開始時間が遅かったり、急冷の温度範囲や冷却速度が不
足である場合には、結晶粒が大きくなり1.90以上のr45
値が得られなくなる。
冷延率は、70%未満ではr45値が低下し、本願が目的と
する冷延鋼板が得られなくなるので、冷延率は70%以上
とした。
連続焼鈍条件は、焼鈍温度が750℃〜900℃で再結晶焼鈍
を行えば本願が目的とする冷延鋼板が製造でき、特に他
の条件を規制する必要がない。焼鈍温度が750℃未満で
は1.90以上のr45値が得られず、又900℃超の焼鈍温度で
は異常に結晶粒が大きくなり過ぎ28.5kgf/mm2のT.S45
得難くなるので、焼鈍温度条件を750〜900℃と規制し
た。
調質圧延(以下S.Pと記す)は、鋼板表面粗さRaが0.2〜
1.0μmの鋼板を得る上で0.3%以上が必要である。連続
焼鈍で製造される鋼板は、連続焼鈍時に鋼帯がハースロ
ールに巻き付きながら通過していく際に鋼板の表面粗さ
が細かいと鋼帯とハースロールとの間の摩擦が小さくな
りスリップし、連続焼鈍の炉内を蛇行しながら通過し、
炉壁をこすったり、破断したりするので、冷間圧延時に
鋼板の表面粗さを粗くしている。従って、この様な表面
粗さの粗い焼鈍後の鋼板を調質圧延で鋼板表面粗さRaを
0.2〜1.0μmにするためには、たとえ調質圧延ロールの
表面粗さを細かくしたとしても少なくとも0.3%以上の
調質圧延を施さなければ1.0μm以下の鋼板表面粗さRa
が得られないからである。又、1.5%超の調質圧延では
材質が硬質化し過ぎるので、上限を1.5%とした。尚、
鋼板表面粗さのコントロールは調質圧延ロールの表面粗
さと調質圧延率とによって行えばよい。
尚、本発明は、冷延鋼板のみならず、電気亜鉛メッキ、
錫メッキ等の各種の電気メッキ鋼板の原板、有機皮膜を
被覆した鋼板等の各種の表面処理鋼板の原板の製造方法
としても適用できる。尚、これらの表面処理鋼板の材質
特性値は、鋼板の表面にメッキされる金属或いは合金の
硬さなどの材質特性値とメッキ厚さの影響を受け、通常
はY,P,T,S,が高くなりEl,r値が低下するが、しかし、そ
の表面処理鋼板のプレス成形性は、表皮を含んだメッキ
鋼板の特性値ではなく、その鋼板の母材の材質で決ま
る。即ち、表面処理鋼板のプレス成形性は、その表面処
理鋼板の原板の特性値(材質及び表面粗さ)が本発明の
条件を満足しておれば、極めて優れた複合プレス成形性
が得られる。従って、複合プレス成形性の極めて優れた
表面処理鋼板を製造するには本発明の冷延鋼板を原板と
して用いればよい。
(実施例) 以下に本発明の効果を実施例により説明する。
第1表に示す成分、第2表に示す熱延条件(但し、仕上
げ温度は910〜930℃)で4.0mmの熱延鋼板を製造し、冷
間圧延した0.8mmの冷延鋼板を連続焼鈍で820℃×60sec
の再結晶焼鈍し室温まで冷却した後、調質圧延を施し冷
延鋼板を得た。
得られた冷延鋼板の機械的性質の特性値(T.S45,El45,r
45値)及び鋼板表面粗さRaを測定し、その結果を第2表
に示す。
又、複合成形部品の実プレス成形性を調査するため、ホ
イルハウスインナーの実プレステストを行い、そのプレ
ス不良率を調査し、その結果を第2表に示した。
鋼A,B,Eは本願の発明の方法の範囲外の成分の鋼で、鋼
C,D,Fは本願の発明の方法の成分範囲内の製造条件のも
のである。
試料5,6,8は、本発明の方法の実施例で、何れも、複合
プレス成形性が極めて優れた冷延鋼板として必要なT.S
45が28.5〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以上で鋼板表面粗さR
aが0.2〜1.0μ mの特性値が得られ、プレス不良率
も0.2%以下の極めて優れた成績が得られた。
試料1,2,3,4,7,9,10,11は、従来例又は比較例で、何れ
もプレス不良率も0.6%以上の成績しか得られなかっ
た。
試料1はNbを含まない通常のTi添加の極低炭素鋼の成分
系の従来例である。得られた特性値はT.S45及びr45が不
足しており、プレス不良率が100%と全く絞られなかっ
た。
試料2はPが0.003%と本発明の範囲を外れた成分の比
較例で、得られた特性値は機械的性質はEl45もr45も実
施例の中で最も優れた特性値が得られた。しかし、ホイ
ルハウスインナーの実プレスのプレス不良率は4.2%と
悪いプレス成績となった。これはホイルハウスインナー
の様な複合成形部品の実プレス性は、本願の発明の鋼板
のようにT.S45が28.5〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以上の特
性値とすることが不可欠であることがよくわかる。
試料3.4は、鋼板の成分、熱延条件及び機械的性質は本
発明の範囲内にはいるが、鋼板表面粗さRaが本発明の範
囲から外れた比較例である。鋼板表面粗さRaが0.2〜1.0
μmから外れた試料3,4はプレス不良率が0.7%,0.6%と
本発明の実施例で機械的性質が同じである試料5のプレ
ス不良率の0.1%と比較すると大幅に複合プレス成形性
が落ちており、鋼板表面粗さRaを0.2〜1.0μmに規制す
ることの重要さがよくわかる。
試料5,6,8,は第1表及び第2表に示すように成分、熱延
条件を本発明の範囲内で変化させた実施例である。本発
明の範囲内の製造条件であれば、複合プレス成形性が極
めて優れた冷延鋼板として必要なT.S45が28.5〜31.0kgf
/mm2,r45が1.90以上の特性値が得られ、鋼板表面粗さRa
を0.2〜1.0μmが規制すれば、鋼板のプレス不良率が0.
2%以下の極めて優れた成績が得られており、本発明の
有益性がよくわかる。
試料7は、Bが0.0008%と高い比較例で、得られた鋼板
のT.S45とr45は本発明の鋼板の機械的性質の範囲内には
いるが、プレス不良率は3.8%と極めて悪い結果となっ
ている。これは、Bが0.0008%と高いので鋼板の引っ張
り試験の局部伸び値が低下したのが大きな原因であると
思われる。従って、B含有量を0.0004%以下とすること
も重要であることがわかる。
試料9,10,11は、第2表に示すように熱延条件が本発明
の範囲を外れた比較例で、試料9はtQが、試料10はα
が、試料11はC.Tが外れており、何れもr45値が1.90未満
と不足している。プレス不良率も2.2%以上と悪い。
試料No.12は、本発明例の冷延鋼板を原板として用いたZ
n−Niの電気メッキ(30g/mm2)を行った本発明例で、原
板の特性値が本発明の鋼板の条件を満たしておれば、極
めて優れた複合プレス成形性が得られることがわかる。
(発明の効果) 以上に本発明について詳細に説明したが、本発明(1)
の冷延鋼板は極めて優れた複合プレス成形性が得られ、
本発明(2)によれば、鋼板のT.S45が28.5〜31.0kgf/m
m2,r45が1.90以上で鋼板表面粗さRaが0.2〜1.0μmの特
性値を有する複合プレス成形性の極めて優れた冷延鋼板
の製造が可能となり、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、複合プレス成形性と材料特性値との関係を示
す図。第2図は、複合プレス成形性(不良率)と鋼板表
面粗さRaとの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濃野 通博 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 久保 弘 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−76848(JP,A) 特開 昭62−278232(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C≦0.0025%,Si≦0.05%,Mn≦0.30%,P:
    0.007〜0.030%,S≦0.020%,solAl≦0.080%,N≦0.0030
    %,Ti:0.025〜0.120%,Nb:0.003〜0.020%,B≦0.0004
    %,残部不可避的不純物及び鉄よりなり、鋼板の圧延方
    向と45°方向の引張り強さ(以下T,S45と記す)が28.5
    〜31.0kgf/mm2,圧延方向と45°方向のr値(以下r45
    記す)が1.90以上で鋼板表面の中心線平均粗さ(以下Ra
    と記す)が0.2〜1.0μmの複合プレス成形性の極めて優
    れた冷延鋼板。
  2. 【請求項2】C≦0.0025%,Si≦0.05%,Mn≦0.30%,P:
    0.007〜0.030%,S≦0.020%,solAl≦0.080%,N≦0.0030
    %,Ti:0.025〜0.120%,Nb:0.003〜0.020%,B≦0.0004
    %,残部不可避的不純物及び鉄よりなる鋼片を、加熱
    し、880〜940℃で熱間仕上げ圧延を終了し、1.5sec以内
    に急冷を開始し少なくとも850℃までを50〜200℃/secの
    冷却速度で急冷し、680〜770℃で巻き取り、熱延鋼帯と
    し、70%以上の冷延率で冷間圧延を行い、その後、連続
    焼鈍にて750〜900℃で再結晶焼鈍を行こない、0.3〜1.5
    %の調質圧延を行うことを特徴とし、鋼板のT.S45が28.
    5〜31.0kgf/mm2,r45が1.90以上で鋼板表面粗さRaが0.2
    〜1.0μmの特性値を有する複合プレス成形性の極めて
    優れた冷延鋼板の製造方法。
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