JPH0746954A - 魚釣用リールのクラッチ機構 - Google Patents

魚釣用リールのクラッチ機構

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JPH0746954A
JPH0746954A JP10132694A JP10132694A JPH0746954A JP H0746954 A JPH0746954 A JP H0746954A JP 10132694 A JP10132694 A JP 10132694A JP 10132694 A JP10132694 A JP 10132694A JP H0746954 A JPH0746954 A JP H0746954A
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Atsuto Aoki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 確実にクラッチの切換え操作を行うことがで
きるとともに、この切換え操作の操作感を明確にする魚
釣用リールのクラッチ機構を提供する。 【構成】 クラッチカム15を矢印α2方向に回転させ
ると、突起15fと作動片23bとの係止が解除され、
キックレバー23はバネ力により反時計回り方向へ回転
する。これにより噛合片23cがラチェット4と噛合し
て、クラッチオフとなる。ラチェット4が、第1キック
レバー23の噛合片23cが歯部4a頂部に当接するよ
う停止していても、クラッチカム15は作動片23bの
影響を受けることがなくα2方向へ回転できる。したが
って、クラッチオフ動作をスムーズに行なうことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は魚釣用リールのクラッチ
機構に関し、特に、回転式クラッチカムの確実な復帰動
作に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、ピニオン、クラッチバ
ーおよびクラッチカムを備え、前記クラッチカムによっ
てピニオンとスプール軸の結合を解くと共に、ラチェッ
トと連動させてピニオンとスプール軸を結合するよう構
成したクラッチ機構が知られている。このクラッチ機構
においては、前記ピニオンは、ハンドルにより回転され
る主歯車と噛合させてスプール軸に回転かつ軸方向に摺
動自在に嵌合される。またこのピニオンはスプール軸の
欠円部と結合した時に同軸回転する。前記クラッチバー
は前記ピニオンを軸方向へ摺動可能に係止する。前記ク
ラッチカムは、このクラッチバーと支え板との間に操作
レバーと連結して配置されている。
【0003】このような構成により、前記クラッチカム
によってピニオンとスプール軸の結合を解くことができ
る。
【0004】しかし、前記クラッチ機構においては、次
の様な問題があった。クラッチをオフに切り換える際、
ラチェットの各歯車間にキック爪の先端部を強制的に噛
合させるようにしている。したがって、ラチェットの位
置によっては、ラチェットの歯とキック爪との突き当た
り現象が生じて、前記ラチェットとキック爪との噛合が
出来なくなる。
【0005】この場合、クラッチの切換え操作ができな
いおそれがある。また、この切換え操作自体はできたと
しても、ラチェットにキック爪を噛合する動作が重くな
ることもある。さらに、この切換え操作において、両者
が噛合する際のクリック感がなく、またその噛合音が小
さいため、クラッチオフ動作が不明確である等の問題点
がある。
【0006】この発明は上記問題を解決し、確実にクラ
ッチの切換え操作を行うことができるとともに、この切
換え操作の操作感を明確にする魚釣用リールのクラッチ
機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る魚釣用リー
ルのクラッチ機構においては、ピニオンをハンドルと連
動して設け、クラッチカムおよびクラッチバーにより、
前記ピニオンをスプール軸上を軸方向に移動して前記ス
プール軸と釈放、または結合され、前記ハンドルと前記
スプール軸間の動力を断絶状態または接続状態とする魚
釣用リールのクラッチ機構において、第1回転方向に回
転することにより前記クラッチバーを介して前記ピニオ
ンを前記スプール軸と結合させ、前記第1回転方向とは
逆方向の第2回転方向に回転することにより、前記クラ
ッチバーを介して前記ピニオンを前記スプール軸から釈
放するクラッチカムであって、突出部を有するクラッチ
カム、前記クラッチカムを前記第1回転方向または第2
回転方向のいずれかに選択的に回転付勢するデッドポイ
ントバネ、前記ハンドルとともに回転するラチェットで
あって、所定間隔にて凹凸が周設されたラチェット、基
準点を中心として回転可能で、かつこの基準点を通る直
線上を揺動可能に設けられたキックレバーであって、前
記突出部の回転軌道上に位置して設けられた第1作動
片、および前記ラチェットの回転軌道上に位置して設け
られた第2作動片を有するキックレバー、前記キックレ
バーの第2作動片を前記ラチェットと係合する方向に付
勢する付勢手段、を備え、前記クラッチカムの突出部
は、前記クラッチカムが前記第1回転方向に回転するこ
とによって前記前記第1作動片を押圧し、前記キックレ
バーは、前記突出部によって前記第1作動片が押圧され
ると、前記基準点を中心に回転して、前記ラチェットの
凹凸と前記第2作動片との係合が解除されるとともに、
前記第2作動片が前記ラチェットの凹凸と噛合して押圧
されると、前記クラッチカムを前記第1回転方向に回転
させるよう揺動すること、を特徴とする。
【0008】
【作用】本発明に係る魚釣用リールのクラッチ機構にお
いては、前記キックレバーは、前記基準点を中心として
回転可能で、かつこの基準点を通る直線上を揺動可能に
設けられている。また、前記キックレバーは、前記突出
部の回転軌道上に位置して設けられた第1作動片および
前記ラチェットの回転軌道上に位置して設けられた第2
作動片を有する。
【0009】前記ハンドルと前記スプール軸間の動力に
ついて、断絶状態から接続状態への変更はつぎのように
して行われる。前記ハンドルを回転させることにより、
前記ララェットが回転する。前記ラチェットは前記第2
作動片と噛合して、この第2作動片を押圧する。これに
より、前記キックレバーは前記クラッチカムを前記第1
回転方向に回転させるよう、揺動する。前記クラッチカ
ムが前記第1回転方向に回転すると、前記突出部は前記
第1作動片を押圧する。これにより、前記キックレバー
は前記基準点を中心に回転し、前記ラチェットと前記第
2作動片との係合が解除される。このようにして、前記
ハンドルと前記スプール軸間の動力が接続状態となる。
この状態は、前記デッドポイントバネにより保持され
る。
【0010】前記ハンドルと前記スプール軸間の動力に
ついて、接続状態から断絶状態への変更はつぎのように
して行われる。前記クラッチカムを前記第2回転方向に
回転すると、前記突出部と前記作動片との係合が解除さ
れる。前記付勢手段は、前記作動片の第2作動片を前記
ラチェットと係合する方向に付勢している。したがっ
て、前記第2作動片が前記ラチェットと係合する方向に
移動するよう、前記キックレバーは回転する。このよう
にして、前記ハンドルと前記スプール軸間の動力が断絶
状態となる。この状態は、前記デッドポイントバネによ
り保持される。
【0011】なお、前記突出部と前記作動片との係合が
解除された場合に、前記ラチェットの停止状態によって
は、前記第2作動片が前記ラチェットの凸部と当接する
場合もある。しかし、この場合でも、前記クラッチカム
は、前記キックレバーの前記第2作動片の影響を受ける
ことがなく、前記第2回転方向に回転することができ
る。すなわち、前記クラッチカムの前記第2回転方向へ
の回転が前記ラチェットの停止状態によって左右される
ことない。
【0012】
【実施例】
[第1実施例の説明]本発明の一実施例について、図面
に基づいて説明する。図2に示すクラッチ機構は、ラチ
ェット4、主歯車7およびピニオン8を有している。
【0013】ラチェット4は、リールの内側枠板1に支
軸2にて支持されたラチェット軸3に固定されている。
ラチェット軸3には、ドラグスターハンドル5が螺合さ
れている。ドラグスターハンドル5とラチェット4との
間には、ドラグ機構6を介して主歯車7が配置されてい
る。
【0014】主歯車7は、ピニオン8と噛合されてい
る。ピニオン8は、スプール9を支持したスプール軸1
0に、図2矢印a←→a’で示した軸方向へ摺動自在に
外装されている。ピニオン8がスプール軸10に設けら
れたノッチ10aと結合または離脱すると、スプール軸
10とハンドル11との駆動伝達は続・断される。
【0015】ピニオン8の外周に設けられた環状凹部8
aには、クラッチバー12が係嵌されている。クラッチ
バー12には、アーム12a、12aが、図1に示すよ
うに、対称的に突設されている。アーム12a、12a
は、図2に示すように、内側枠板1に設けたガイドピン
13、13に嵌挿されている。また、アーム12a、1
2aは、スプール軸10の軸方向へ摺動可能に設けら
れ、またガイドピン13、13に外装介在させたバネ1
4、14により、内側枠板1方向へ弾撥付勢されてい
る。クラッチバー12と内側枠板1との間には、クラッ
チカム15が配置されている。クラッチカム15は、そ
の中央部に設けた筒状部15aをピニオン8と内側枠板
1の透孔1a間に嵌挿されている。したがって、クラッ
チカム15は、図1に示す第1回転方向である矢印α1
方向またはその逆方向の第2回転方向である矢印α2方
向に、回転自在に設けられている。
【0016】図1に示すように、内側枠板1には、プッ
シュレバー軸18が設けられている。プッシュレバー軸
18は、内側枠板1の長孔16aに摺動可能に係嵌され
ている。また、プッシュレバー軸18は、引っ張りバネ
17により矢印β方向へ付勢されている。このプッシュ
レバー軸18に一端を関連づけられた連動レバー19
が、段ビス20等によって、内側枠板1に回転可能に枢
着されている(図5参照)。連動レバー19は、図1に
示すように、デッドポイントバネ21により回転方向へ
付勢されている。
【0017】クラッチカム15から突設した突部15b
には、長孔15cが設けられており、連動レバー19の
他端は、ピン22と長孔15cとの係合により枢着され
ている(図5参照)。図1に示すプッシュレバー軸18
によって連動レバー19が、デッドボイントバネ21の
死点を越える位置まで回転すると、クラッチカム15は
図1に示す状態から図3に示す状態、すなわち矢印α2
方向へ回転される。なお、この状態は、デッドポイント
バネ21によって保持される。
【0018】クラッチカム15の環状部15dには、カ
ム部15e、15eが設けられている。カム部15e、
15eは図6に示すように、軸方向へ傾斜突出して設け
られている。また、カム部15e、15eは、スプール
軸19のノッチ10aに対するピニオン8の結合長さよ
りも実質的に大きい変位量Sを有する。したがって、ク
ラッチカム15を、図1のクラッチオン位置から上述の
ように回転することにより、カム部15e、15eがク
ラッチバー12のアーム12a、12aに当接し、その
傾斜面を利用して図3に示すようにアーム12a、12
aの下に入り込む。これによりクラッチバー12が、バ
ネ力に抗して図2に示した矢印a’方向へピニオン8を
伴って変位量Sだけ移動する。これにより、ピニオン8
とスプール軸10のノッチ10aとが離脱されるので、
ハンドル11とスプール軸10との接続が絶たれて、ク
ラッチオフ状態となる。
【0019】また、図1に示すように、クラッチカム1
5における環状部15dの表面には突出部である突起1
5fが設けられている。ラチェット4とクラッチカム1
5との間には、第1キックレバー23および第2キック
レバー24が配置されている。なお、本実施例において
は、第1キックレバー23および第2キックレバー24
によって、キックレバーを構成している。
【0020】第1キックレバー23は縦長に形成され、
そのほぼ中央部には長孔23aが貫通して設けられてい
る。第1キックレバー23の一端には第1作動片である
作動片23bが形成され、他端には第2作動片である噛
合片23cが形成されている。内側枠板1には、基準点
であるビス25が固定されており、このビス25は第1
キックレバー23の長孔23aに挿通されている(図5
参照)。すなわち第1キックレバー23は、ビス25を
中心として回転かつ摺動自在に内側枠板1に枢支されて
いる。
【0021】また、第1キックレバー23には、バネ掛
23dが設けられている。バネ掛23dと、内側枠板1
に設けたバネ掛26に、各々端部を掛止して付勢手段で
あるスプリング27が張設されている。これにより、図
1に示す第1キックレバー23は、ビス25を中心とし
て反時計回り方向へ弾撥付勢される。したがって、クラ
ッチカム15の突起15fの回転軌道上に配置された作
動片23bは、突起15fに当接するとともに、噛合片
23cはラチェット4と噛合する。
【0022】第2キックレバー24は、内側枠板1と第
1キックレバー23間に設けられている。第2キックレ
バー24の基端部は、内側枠板1にビス28にて枢支さ
れている。したがって、第2キックレバー24はビス2
8を中心として回転可能である。また、その先端部に
は、クラッチカム15の突起15fと当接する作動片2
4aが形成されている。第2キックレバー24はさら
に、第1キックレバー23の肩部23fと当接する突接
部24bを有する。第2キックレバー24のほぼ中央に
は、ビス28を中心とする仮想円周線上に長孔24c
(図5参照)が貫通して設けられており、この長孔24
c内にビス25が挿通されている。
【0023】なお、図1に示す第1キックレバー23が
反時計回り方向へ回転すると、その一部は内側枠板1に
設けられたビス29に当接する。これにより第1キック
レバー23の反時計回り方向への回転が規制される。な
お、内側枠板1には、ラチェット4と噛合してラチェッ
ト4が逆方向へ回転を阻止する逆転防止爪30が設けら
れている。
【0024】つぎに、このクラッチ機構の動作について
説明する。図1に示すクラッチオン状態から図3に示す
クラッチオフ状態への変更は、つぎの様にして行われ
る。プッシュレバー軸18の操作により、クラッチカム
15がα2方向へ回転されると、そのカム部15e、1
5eでクラッチバー12が軸方向に移動される。これに
よって、ピニオン8とスプール軸10との結合が解除さ
れ、クラッチオフ状態となる。
【0025】クラッチカム15の回転につれて突起15
fも同じくα2方向に回転する。これにより、突起15
fと第1キックレバー23の作動片23bとの係止が解
除される。第1キックレバー23は、スプリング27に
よって引張力が与えられているので、図1に示す状態か
ら反時計回り方向へ回転し、図3に示すように、噛合片
23cがラチェット4の歯部4a、4a間に位置する。
また、第2キックレバー24の作動片24aが突起15
fにて押圧されるので、第2キックレバー24が反時計
回り方向へ回転する。
【0026】なお、ラチェット4の停止状態によって
は、第1キックレバー23の噛合片23cが歯部4a、
4a間に位置せず、歯部4a頂部に当接する、すなわち
ラチェット4の凹凸の凸部と当接する場合もある。しか
し、この場合でも、キックレバー23が反時計回り方向
に回転できないだけで、クラッチカム15の突部15f
はキックレバー23の作動片23bの影響を受けること
がない。したがって、クラッチカム15のα2方向の回
転がラチェット4の停止状態によって左右されることな
く、クラッチオフ動作をスムーズに行なうことができ
る。
【0027】図3に示すクラッチオフ状態から、図1に
示すクラッチオン状態への切替えは、つぎの様にして行
われる。
【0028】ハンドル11によりラチェット4を時計回
り方向に回転させる。これにより、ラチェット4の歯部
4aが第1キックレバー23の噛合片23cを、図4に
示すように押圧する。なお、噛合片23cがラチェット
4の歯部4a頂部と当接している場合は、ラチェット4
の回転によって、一旦噛合された後、押圧される。
【0029】ラチェット4の歯部4aにて、第1キック
レバー23がボス29に沿って斜め上方(γ方向)に押
圧移動されると、その肩部23fは第2キックレバー2
4の突接部24bに当接して、第2キックレバー24を
ビス28を中心として時計回り方向へ回転させる。これ
により、第2キックレバー24の作動片24aは、クラ
ッチカム15の突起15fを反時計回り方向へ押圧す
る。これにより、クラッチカム15は反時計回り方向へ
回転する。
【0030】クラッチカム15がデッドボイントバネ2
1の死点を越える位置まで回転されると、クラッチカム
15の突起15fは、第1キックレバー23の作動片2
3bを押圧する。これにより、第1キックレバー23
は、スプリング27のバネ力に抗して、時計回り方向へ
回転されて、噛合片23cとラチェット4との噛合が解
除され、図1に示す状態に復帰する。
【0031】一方、クラッチカム15のカム部15e、
15eは、クラッチバー12のアーム12a、12aか
ら外れ、クラッチバー12は、図2に示すバネ14によ
りピニオン8を伴って図2実線位置まで戻り、ピニオン
8とスプール軸10が再結合されてクラッチオン状態に
復帰する。
【0032】[第2実施例]図7〜図9は、本発明にか
かる第2実施例を示す。前記第1実施例では2つのキッ
クレバー23、24を設けていたが、この実施例では、
図1に示すキックレバー23、24と同じ作用を有する
1のキックレバー223を設けている。
【0033】キックレバー223は、上記実施例の第1
キックレバー23と同様に、長孔223aが貫通して設
けられている。キックレバー223の一端には第1作動
片である作動片223bが形成され、他端には第2作動
片である噛合片223cが形成されている。内側枠板1
にはビス225が固定されており、このビス225はキ
ックレバー223の長孔223aに挿通されている。ま
た、キックレバー223の一部には、前記第1実施例に
おける第2キックレバー24と同一の作用を果たす作動
片223eを突設させている。
【0034】すなわち、キックレバー223は、基準点
であるビス225を中心として回転可能で、かつこの基
準点を通る直線上を揺動可能に設けられている。また、
突出部である突起15fの回転軌道上に位置して設けら
れた作動片223b、およびラチェット4の回転軌道上
に位置して設けられた噛合片223cを有する。
【0035】クラッチオン状態では、作動片223bが
クラッチカム15の突起15fに係止されると、キック
レバー223が図7に示す様にスプリング27のバネ力
に抗して時計回り方向へ回転された状態に保持される。
したがって、作動片223の噛合片223cは、ラチェ
ット4から外れた状態に保持される。この状態でクラッ
チカム15を矢印α2方向に回転させると、クラッチカ
ム15の突起15fと作動片223bとの係止が解除さ
れる。したがって、キックレバー223はバネ力により
反時計回り方向へ回転され、その噛合片223cがラチ
ェット4と噛合して、図8に示すクラッチオフ状態とな
る。
【0036】この状態でラチェット4をハンドル11に
よって時計回り方向に回転させると、ラチェット4の歯
部4aにてキックレバー223がバネ力に抗して斜め上
方(矢印γ方向)へ、図9に示すように押圧移動され、
作動片223eが突起15fを上方へ押圧移動してクラ
ッチカム15をデッドポイントバネ21(図示せず)の
死点を越える位置まで回転させる。すなわち、本実施例
においては、作動片223eが第3作動片を構成してい
る。その後デッドポイントバネ21によって、クラッチ
カム15は図7に示す位置まで回転復帰され、クラッチ
オン状態に復帰する。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る魚釣用リールのクラッチ機
構においては、前記キックレバーは、前記基準点を中心
として回転可能で、かつこの基準点を通る直線上を揺動
可能に設けられている。また、前記キックレバーは、前
記突出部の回転軌道上に位置して設けられた第1作動片
および前記ラチェットの回転軌道上に位置して設けられ
た第2作動片を有する。
【0038】前記ハンドルと前記スプール軸間の動力に
ついて、断絶状態から接続状態への変更はつぎのように
して行われる。前記ハンドルを回転させることにより、
前記ララェットが回転する。前記ラチェットは前記第2
作動片と噛合して、この第2作動片を押圧する。これに
より、前記キックレバーは前記クラッチカムを前記第1
回転方向に回転させるよう、揺動する。前記クラッチカ
ムが前記第1回転方向に回転すると、前記突出部は前記
第1作動片を押圧する。これにより、前記キックレバー
は前記基準点を中心に回転し、前記ラチェットと前記第
2作動片との係合が解除される。このようにして、前記
ハンドルと前記スプール軸間の動力が接続状態となる。
この状態は、前記デッドポイントバネにより保持され
る。
【0039】前記ハンドルと前記スプール軸間の動力に
ついて、接続状態から断絶状態への変更はつぎのように
して行われる。前記クラッチカムを前記第2回転方向に
回転すると、前記突出部と前記作動片との係合が解除さ
れる。前記付勢手段は、前記作動片の第2作動片を前記
ラチェットと係合する方向に付勢している。したがっ
て、前記第2作動片が前記ラチェットと係合する方向に
移動するよう、前記キックレバーは回転する。このよう
にして、前記ハンドルと前記スプール軸間の動力が断絶
状態となる。この状態は、前記デッドポイントバネによ
り保持される。
【0040】なお、前記突出部と前記作動片との係合が
解除された場合に、前記ラチェットの停止状態によって
は、前記第2作動片が前記ラチェットの凸部と当接する
場合もある。しかし、この場合でも、前記クラッチカム
は、前記キックレバーの前記第2作動片の影響を受ける
ことがなく、前記第2回転方向に回転することができ
る。すなわち、前記クラッチカムの前記第2回転方向へ
の回転が前記ラチェットの停止状態によって左右される
ことがない。したがって、クラッチオフ動作はスムーズ
に行われる。すなわち、確実にクラッチの切換え操作を
行うことができる。また、前記キックレバーは前記付勢
手段により、前記ラチェットと係合するよう付勢されて
いる。したがって、クラッチオンオフの切換え操作の操
作感が明確な魚釣用リールのクラッチ機構を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるクラッチ機構の第1実施例にお
けるクラッチオン状態の正面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図3】クラッチオフ状態の正面図である。
【図4】クラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り
換える中間状態を示す正面図である。
【図5】図4におけるV−V線矢視断面図である。
【図6】クラッチカムのカム部を示す拡大縦段側面図で
ある。
【図7】第2実施例を示すクラッチオン状態の正面図で
ある。
【図8】クラッチオフ状態の正面図である。
【図9】クラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り
換える中間状態を示す正面図である。
【符号の説明】
4・・・・・・・・ラチェット 8・・・・・・・・ピニオン 10・・・・・・・スプール軸 11・・・・・・・ハンドル 12・・・・・・・クラッチバー 15・・・・・・・クラッチカム 15f・・・・・・突起(突出部) 21・・・・・・・デッドポイントバネ 23・・・・・・・第1キックレバー 24・・・・・・・第2キックレバー 223・・・・・・キックレバー 23b・・・・・・作動片(第1作動片) 223b・・・・・作動片(第1作動片) 23c・・・・・・噛合片(第2作動片) 223c・・・・・噛合片(第2作動片) 223e・・・・・作動片(第3作動片) 27・・・・・・・スプリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピニオンをハンドルと連動して設け、クラ
    ッチカムおよびクラッチバーにより、前記ピニオンをス
    プール軸上を軸方向に移動して前記スプール軸と釈放、
    または結合され、前記ハンドルと前記スプール軸間の動
    力を断絶状態または接続状態とする魚釣用リールのクラ
    ッチ機構において、 第1回転方向に回転することにより前記クラッチバーを
    介して前記ピニオンを前記スプール軸と結合させ、前記
    第1回転方向とは逆方向の第2回転方向に回転すること
    により、前記クラッチバーを介して前記ピニオンを前記
    スプール軸から釈放するクラッチカムであって、突出部
    を有するクラッチカム、 前記クラッチカムを前記第1回転方向または第2回転方
    向のいずれかに選択的に回転付勢するデッドポイントバ
    ネ、 前記ハンドルとともに回転するラチェットであって、所
    定間隔にて凹凸が周設されたラチェット、 基準点を中心として回転可能で、かつこの基準点を通る
    直線上を揺動可能に設けられたキックレバーであって、
    前記突出部の回転軌道上に位置して設けられた第1作動
    片、および前記ラチェットの回転軌道上に位置して設け
    られた第2作動片を有するキックレバー、 前記キックレバーの第2作動片を前記ラチェットと係合
    する方向に付勢する付勢手段、 を備え、 前記クラッチカムの突出部は、前記クラッチカムが前記
    第1回転方向に回転することによって前記前記第1作動
    片を押圧し、 前記キックレバーは、前記突出部によって前記第1作動
    片が押圧されると、前記基準点を中心に回転して、前記
    ラチェットの凹凸と前記第2作動片との係合が解除され
    るとともに、前記第2作動片が前記ラチェットの凹凸と
    噛合して押圧されると、前記クラッチカムを前記第1回
    転方向に回転させるよう揺動すること、を特徴とする魚
    釣用リールのクラッチ機構。
  2. 【請求項2】請求項1の魚釣用リールのクラッチ機構に
    おいて、 前記基準点は、前記クラッチカムと前記ラチェットとの
    間に設けられており、 前記第2作動片は、前記第1作動片と前記基準点を挟ん
    で逆側の端部であり、 前記第2作動片と前記ラチェットの凹凸との係合解除
    は、前記第1作動片が前記突出部によって押圧される
    と、前記第2作動片が前記基準点を中心に回転すること
    により、行われること、 を特徴とする魚釣用リールのクラッチ機構。
  3. 【請求項3】請求項2の魚釣用リールのクラッチ機構に
    おいて、 前記キックレバーは長孔を有しており、この長孔に挿通
    されたビスに軸支されることにより、前記キックレバー
    は前記基準点を中心として回転可能で、かつ前記基準点
    を通る直線上を揺動可能に構成されていること、 を特徴とする魚釣用リールのクラッチ機構。
  4. 【請求項4】請求項3の魚釣用リールのクラッチ機構に
    おいて、 前記キックレバーは、前記第1作動片との間で前記突出
    部を挟み込むように、前記クラッチカムの前記突出部と
    当接する第3作動片を有し、 前記第2作動片が前記ラチェットの凹凸と噛合して押圧
    されることにより、この第3作動片が前記突出部を押圧
    するよう前記キックレバーを揺動し、前記クラッチカム
    を前記第1回転方向に回転させること、 を特徴とする魚釣用リールのクラッチ機構。
  5. 【請求項5】請求項4の魚釣用リールのクラッチ機構に
    おいて、 A)前記キックレバーは、以下の第1キックレバーおよ
    び第2キックレバーから構成されており、 a1)前記第1作動片および前記第2作動片を有するとと
    もに、長孔が形成されており、この長孔に挿通されたビ
    スに軸支されて、回転可能でかつ揺動可能な第1キック
    レバー、 a2)前記第3作動片を有し、前記第1キックレバーとは
    異なる軸に回転可能に軸支された第2キックレバー、 B)前記第1キックレバーは、前記ラチェットにより揺
    動されると、前記第2キックレバーと当接して、前記第
    2キックレバーを前記第2回転方向に回転させることに
    より、前記クラッチカムが前記第1回転方向に回転され
    ること、 を特徴とする魚釣用リールのクラッチ機構。
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