JPH0746799B2 - デジタル信号伝送方法 - Google Patents

デジタル信号伝送方法

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JPH0746799B2
JPH0746799B2 JP61057221A JP5722186A JPH0746799B2 JP H0746799 B2 JPH0746799 B2 JP H0746799B2 JP 61057221 A JP61057221 A JP 61057221A JP 5722186 A JP5722186 A JP 5722186A JP H0746799 B2 JPH0746799 B2 JP H0746799B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、市街地などにおける移動無線伝送のような高
速フェージング伝送路において、デジタル信号を伝送す
るデジタル信号伝送方法に関するものである。
従来の技術 近年、移動通信の分野でも、秘話性の向上や通信の高度
化、あるいは周辺の通信網との整合性からデジタル化が
進みつつある。しかし、そのような需要が最も集中する
と考えられる市街地では、ビルなどの建造物による反射
や回折などによるマルチパス伝播路となり、この一種の
定在波の中を移動することにより、深くて速いフェージ
ングが生じる。このようなフェージングによる信号の落
ち込みによって符号誤りがバースト的に生じ、通信品質
が著しく劣化する。
このような深いフェージングに対する1つの軽減方法と
して、ダイバーシチ技術がある。ダイバーシチ技術には
種々のものがあるが、指向性ダイバーシチ、空間ダイバ
ーシチなどダイバーシチ枝の採り方と、選択ダイバーシ
チや合成ダイバーシチなどダイバーシチ枝の合成方法と
で分類できる。しかし、いずれの方法も互いに相関が小
さい、つまり、品質劣化を同時に起さない、ダイバーシ
チ枝を選択あるいは合成することにより、フェージング
の影響を軽減するものである。
以下、図面を参照しながら、このようなダイバーシチ技
術を用いて伝送品質を改善している従来のデジタル信号
伝送方法の一例について説明する。
第15図は従来のデジタル信号伝送方法の受信装置の回路
構成図を示すものである。第15図において、1501〜1504
は、それぞれ第1〜第4空中線であり、空間ダイバーシ
チの場合はそれぞれ設置場所の異なる無指向性アンテ
ナ、指向性ダイバーシチの場合はそれそれ指向性の異な
る指向性アンテナである。1505〜1508は分波器、1509お
よび1510はそれぞれ第1アンテナ切替器および第2アン
テナ切替器、1511および1512は、それぞれ第1受信機お
よび第2受信機である。そして、1513は第1受信機1511
および第2受信機1512の受信レベル信号を用いて、どの
空中線とどの受信機を選ぶかを制御するアンテナ切替制
御回路である。1514は第1受信機1511および第2受信機
1512のそれぞれの復調データのどちらかを切り替える選
択回路であり、1515は、出力端子である。
以上のように構成された従来のデジタル信号伝送方法に
ついて、以下その動作について説明する。
第15図において、第1受信機1511および第2受信機1512
は一方が受信モードの時、他方はモニタモードとなるよ
うに設定する。モニタモードの受信機では、全空中線を
走査し、最も受信レベルの高い空中線を検出後、これに
継続して走査を終了し、受信モードに入る。この時、こ
れまで受信モードであった受信機がモニタモードに移
り、同様の動作を繰り返す。なお、選択回路1514は受信
モードにある受信機からの復調データを選択し出力する
のであるが、両受信機関のクロック位相ずれのために、
選択動作時に生じるビットスリップを防ぐため、ビット
位置合わせの機能を持つ(例えば、三木他、“ディジタ
ル移動通信における指向性ダイバーシティ効果の一検
討”、信学枝報、CS83−159,1983) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような方法では、受信装置側に複数
の空中線を必要とする。しかも、指向性ダイバーシチの
場合は各空中線が良好な指向特性を得る必要があるし、
空間ダイバーシチの場合は各空中線の出力信号レベルの
相互相関を小さくするために各空中線を離して設置する
必要がある。従って、受信装置の空中線系を小型化する
のは、著しく困難である。
また、デジタル信号伝送の場合、ダイバーシチ枝の合成
方法としては、従来の方法では、合成ダイバーシチを採
用することは難しく、第15図の例のように選択ダイバー
シチになる。ところが、受信機の入力側でダイバーシチ
枝を切り替えると、いわゆる切替雑音により、特にビッ
ト同期系などに悪影響を与えるため、受信機の出力側で
切り替える必要がある。従って、受信機は複数必要にな
る。例えば、第15図の例では、2つの受信機を一方を受
信モード、他方をモニタモードとする巧みな方法によ
り、ダイバーシチ枝が4系統あるにもかかわらず、受信
機の数は2つで済ませている。しかし、このような方法
により、受信機の数を減らしたとしても、最低2つの受
信機が必要となる。
以上、2つの問題点およびダイバーシチ枝を切り替える
回路が必要となることなどにより、受信装置の小型化お
よびローコスト化は著しく困難である。送信装置が固定
であり、受信装置が移動であるような場合、さらに、後
者の数が前者に比べて多い場合、受信装置の小型化およ
びローコスト化は必須であり、従来の方法では、ニーズ
に合致しない。
本発明は上記問題点に鑑み、市街地における移動通信な
どの高速フェージング伝送路において、高品質のデジタ
ル伝送が行なえ、受信装置を小型化、ローコスト化でき
るデジタル信号伝送方法を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明のデジタル信号伝
送方法は、データの各タイムスロットを1種類あるいは
複数種類の比率で前半部分と後半部分に分け、前記前半
部分と後半部分の間に、1種類あるいは複数種類の角度
の大きさの位相遷移を有し、前記位相遷移の向きは、任
意の周期を持つ任意の系列に従い、任意のタイムスロッ
ト内の位相遷移と、所定のタイムスロットだけ後のタイ
ムスロット内の位相遷移とはそれぞれの大きさおよび向
きが等しく、また、前記位相遷移の遷移位置を示す前半
部分と後半部分の比率も等しく、前記の所定のタイムス
ロットだけ離れた、これら両者のタイムスロットのそれ
ぞれ前半部分および後半部分どうしの間の位相差に伝送
される情報がある信号を複数用意し、これらの信号をそ
れぞれ所定の時間だけ遅延させ、振幅を調整した後、そ
れぞれ異なる空中線より送信するものである。
作用 本発明は上記したような方法でデジタルデータを送信す
ることにより、受信装置の空中線および受信機は一つで
あるにもかかわらず、合成ダイバーシチ効果を持たせる
ことができる。また、ダイバーシチ枝を切り替える回路
も不必要であり、従って切り替える必要がないので切替
雑音を生ぜず、ビットスリップの現象も起りにくい。以
上のような効果により、高速フェージング伝送路におい
て、従来より高品質のデジタル伝送が可能になり、しか
も、受信装置の著しい小型化とローコスト化が可能とな
る。
実施例 以下本発明の一実施例のデジタル信号伝送方法につい
て、図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明のデジタル信号伝送方法の実施例におけ
る送信装置の回路構成図の一例を示したものである。第
1図において、101はデータ入力端子、102は搬送波発生
器、103は変調器、104は第1遅延器、105は第2遅延
器、106は第n−1遅延器、107から109はレベル調節
器、110は第1空中線、111は第2空中線、112は第n空
中線である。
以上のように構成された本発明のデジタル信号伝送方法
の送信装置について、以下、第1図および第2図を用い
てその動作を説明する。
搬送波発生器102で得られた搬送波信号は、変調器103に
供給され、データ信号によって位相変調が行われる。変
調された後の伝送信号は、104〜106の各遅延器で時間差
を持たせ、107〜109の各レベル調節器でレベル調整され
た後、110〜112の各空中線から電磁波として送信され
る。なお、この回路構成図では本発明のデジタル信号伝
送方法の原理について説明するために、帯域制限用フィ
ルタや増幅器は省略した。また、変調器103で行われる
変調方法については以下第2図を用いて説明する。
第2図は、変換器103の出力信号、つまり、本発明のデ
ジタル信号伝送方法の伝送信号の位相遷移を示す位相遷
移図である。第2図に示したように、データの1タイム
スロットは前半部分と後半部分に分れる。1タイムスロ
ットの時間をT、前半部分の時間をT11,T21,T,T、後半
部分の時間をT12,T22,T,Tとして示した。そして、前半
部分と後半部分の間には、φ〜φで示したような位
相遷移φが必ずある。なお、位相遷移量φの種類の数
は、この例では4種類であるが、任意に選ぶことができ
るし、一部に重複があっても良い。勿論、1種類つまり
すべて等しくても良い。また、位相遷移量φのすべて、
あるいは一部が180°であっても良い。これらの位相遷
移φの向き、すなわち、進相あるいは遅相であるかは、
進相遅相を2進数の系列とした場合、ある周期を持つ系
列である必要がある。ただし、その系列は、任意の周期
の、任意の系列のものが許される。つまり、第1図にお
いて、位相軸の正は進相であっても遅相であっても良い
が、仮に進相とすれば、「進相,進相,進相,遅相」の
ような周期が4タイムスロットである例を示している。
なお、すべて進相あるいは遅相である場合や、信相と遅
相が交互に繰り返す場合や、位相遷移φが180°で進相
遅相の区別がつかない場合も含まれる。また、前半分と
後半部分との比率、T11:T12,T21:T22、T:TあるはT:T
は、この例では4種類であるが、任意の種類の比率を選
ぶことができる。なお、この比率においても、一部に重
複するものがある場合や、1種類つまりすべて等しい場
合も良いし、比率の値自身も、1:1の場合や、そうでな
い場合や自由に選ぶことができる。ただし、第2図に示
したように、mタイムスロットだけ離れた、両タイムス
ロット内の位相遷移φの遷移方向と遷移量および前半部
分と後半部分の比率は等しくなければならない。従っ
て、mは比率と遷移方向と遷移量の組の種類の数以上な
ければならない。勿論、mは自然数である。
あるタイムスロット内の位相遷移φの場所と、そのmタ
イムスロット後のタイムスロット内の位相遷移φの場所
は、両タイムスロットの前半部分と後半部分の比率がそ
れぞれ等しいので、それぞれタイムスロット内の同位置
にある。また、両タイムスロットの前半部分どうし、お
よび、後半部分どうしの位相差は、両タイムスロット内
の位相遷移φが同量、同方向であるので等しい。第2図
においては、例えば、第3タイムスロットと第m+3タ
イムスロットの位相差は、図に示したようにθであり、
位相遷移φの場所はそれぞれタイムスロット内の同位
置にある。このようなmタイムスロットだけ離れたタイ
ムスロット間の位相差θの値によってデジタル情報が伝
送される。例えば、θのとりうる値として0°および18
0°の2相系を用いれば、それぞれに対応して0と1を
割り当てることにより、1ビットの情報が伝送される。
また、θとして0°,90°,180°,270°の4相系を用い
れば、2ビットの情報が伝送される。さらに、θの値と
しては、0°,45°,90°……の8相系、同様に、0°,2
2.5°,45°,67.5°……の16相系などの2のべき乗の多
相系のものや、以上の内の一部の角度しか使わないもの
や、さらに2のべき乗でない多相のもの、およびθのと
りうる値の間隔が一定でないものでも良く、θの値は、
その値と伝送される情報が対応しておれば、任意の値で
良い。
以上のように、本発明のデジタル信号伝送方法の位相遷
移は、T11,T12,T21,T22,T,T,T,T…、φ,φ,φ
,φ…,θ,mの値およびタイムスロット内の位相遷
移φの方向の系列により様々なものがあるが、以下、第
3図から第8図に例を示す。
第3図は、m=1,φ=90°,進相あるいは遅相のみの
時、θ=0°,90°,180°,270°に対応して、1タイム
スロットについて2ビットのデータを伝送する伝送信号
の位相遷移の例を示している。
第4図は、m=2,φ=90°,進相と遅相が交互に現れる
時、θ=0°,180°に対応して、1タイムスロットにつ
いて1ビットのデータを伝送する伝送信号の位相遷移の
例を示している。
第5図は、m=2,φ=90°,進相あるいは遅相のみで、
前半部分と後半部分の比率がT11:T12と,T21:T22の2
種類の時、θ=0°,180°に対応して、1タイムスロッ
トについて1ビットのデータを伝送する伝送信号の位相
遷移の例を示している。
第6図は、m=2,φ=45°,φ=135°、進相ある
いは遅相のみの時、θ=0°,180°に対応して、1タイ
ムスロットについて1ビットのデータを伝送する伝送信
号の位相遷移の例を示している。
第7図は、m=1,φ=180°の時、θ=0°,90°,180
°,270°に対応して、1タイムスロットについて2ビッ
トのデータを伝送する伝送信号の位相遷移の例を示して
いる。
第8図は、m=1,φ=180°の時、φ=0°,45°,90°,
135°,180°,225°,270°,315°に対応して、1タイム
スロットについて3ビットのデータを伝送する伝送信号
の位相遷移の例を示している。
次に、本発明のデジタル信号伝送方法が、高速フェージ
ング伝送路において、高品質のデジタル伝送が行なえ、
受信装置を小型化、ローコスト化できる理由を例を用い
て説明する。
以下の説明においては、本発明のデジタル信号伝送方法
の伝送信号の一例として、第4図〜第6図のようなθ=
0,180°つまり2相系の伝送信号を用いて説明する。ま
た、送信装置の構成としては第1図において、n=2の
場合を例にとり、第1遅延器による遅延時間をτとす
る。そして、第1空中線から放射され、時間的に先行し
て受信装置に到達した波を直接波、第2空中線から放射
され、時間的に遅れて受信装置に到達した波を遅延波と
呼ぶことにする。
本発明のデジタル信号伝送方法は、mタイムスロットの
遅延線を用いた遅延検波によって検波される。検波回路
の一例の回路構成図を第9図に示した。ただし、第9図
において、91は入力端子、92は乗算器、93はmタイムス
ロット遅延器、94は低減通過フィルタ、95は検波出力端
子である。このように、著しく簡易な構成で良く、受信
装置において、空中線を複数持つ必要もなければ、第9
図のような検波器を複数持つ必要もない。当然、従来の
選択ダイバーシチ技術のようにダイバーシチ枝を切り替
える制御回路は不要である。
第10図は、直接波および遅延波が受信装置に到達し、第
9図の検波回路で検波された時の検波出力信号がどのよ
うになるかを説明した図である。第10図(a)は、直接
波の任意のタイムスロットと、そのmタイムスロット数
のタイムスロットの位相遷移の様子を示したものであ
る。両タイムスロット内の位相遷移の場所は、それぞれ
のタイムスロット内の同位置にあり、また、それぞれの
位相遷移の向きおよび大きさは等しく、大きさをφで示
した。これに対して、遅延時間差τだけ遅れて来た遅延
波の位相遷移は、第10図(b)のようになる。ある時点
の検波出力は、その時の2波の合成位相と、mタイムス
ロット前の2波の合成位相とのベクトル内積である。例
えば、第10図(c)において、Bの区間の検波出力は、
B′の時の2波合成位相とBの時のそれとのベクトル内
積の値になる。
第11図は、A〜Eの各時点における検波出力を求めるた
め、直接波と遅延波の合成位相を図示したものである。
なお、直接波の振幅をρ、遅延波の振幅をρ、2波
の搬送波の位相差をαとした。また、第10図(a)およ
び第10図(b)の位相軸は、正が進相であっても、遅相
であっても良いが、進相方向とした。第11図より、低域
通過フィルタ4による波形の変形がない、あるいは、遮
断周波数がデータ伝送速度に比べて充分高い場合、第10
図(c)のA〜Eの各時点の検波出力は次のようにな
る。
A… 不 定 B… ρ1 2+ρ2 2+2ρρcosα … C… ρ1 2+ρ2 2+2ρρcos(α±φ) … D… ρ1 2+ρ2 2+2ρρcosα … E… 不 定 区間AおよびEでは、それぞれ前および後のタイムスロ
ットのデータ値によって不定になる。なお、式の複号
は、位相遷移φが遅相の時+、進時の時−である。例え
ば、第10図あるいは第11図においては、φは進相とした
ので、この時は式の複号は−である。すなわち、φが
遅相となるタイムスロットにおいても、式の複合が+
になるだけで、以上の説明はまったく同様である。
直接波および遅延波は、非常に深いフェージングを伴っ
ている。直接波あるいは遅延波しかない従来の伝送方法
ならば、フェージングの深い落ち込みでバースト的な符
号誤りを生じ、通信品質が著しく劣化する。しかし、本
発明のデジタル信号伝送方法の有効な検波出力である区
間B〜区間Dは、式から式に示したようにρ1 2+ρ
2 2の項の存在のために、直接波あるいは遅延波の落ち込
む時、つまり、ρ≒0あるいはρ≒0の時、いずれ
も零になることはない。つまり、受信装置において、1
つの空中線、1つの検波器を用い、ダイバーシチ枝を切
り替える選択回路を使わず、ダイバーシチ効果が得られ
る。しかも、これは一種の合成ダイバーシチであるの
で、選択ダイバーシチに伴う切替雑音などの問題もな
い。ただ、直接波と遅延波のレベルがほぼ等しい場合、
言いかえれば、ρ≒ρの時、αの値により、BとD
およびCの区間のいずれかの検波信号が零になること
が、他方は零になることはない。つまり、同時に零にな
ることがなくρ≒ρの場合においても、誤り率特性
は劣化しない。さらに、この場合、タイムスロットの前
半部分と後半部分の比率が複数種類あれば、有効な検波
出力を示している区間B,C,Dの構成比率は、同数の種類
だけ存在し、また、位相遷移φの遷移量および遷移方向
が違えば、区間Cの検波出力が異なるので、ρ≒ρ
のαおよびτなどの条件において、ある比率、ある遷移
方向、ある遷移量を持つタイムスロットの誤り率が劣化
したとしても、この比率、遷移方向、遷移量以外のタイ
ムスロットの誤り率は必ずしも劣化しない。つまり、送
られてきたデータ列にバース的な誤りを生じることが少
なく、誤り訂正を簡易にすることができ、誤り率特性を
向上させることができる。
実際には、低域通過フィルタ4の遮断周波数は符号間干
渉が生じない程度に低く選ばれる。従って、低域通過フ
ィルタ4を通過した後の検波出力信号は、第10図(c)
の実線の波形にフィルタがかかり、第10図(c)の点線
に示したようにアイパターンの一部を形成する。前述の
ように、直接波と間接波が合成され、また区間Bおよび
Dと区間Cは相補的な検波出力を生じるので、アイが閉
じる頻度は著しく少なくなり、符号誤り率特性は著しく
改善される。
なお、この説明においては、第4図から第6図のような
θ=0°,180°などの2相系の伝送信号を例にして説明
したが、θの値として他の値を用いる伝送信号において
もまったく同様な原理によって符号誤り率特性は著しく
改善される。例えば、第3図あるいは第7図のように、
θが4相系の場合は、第9図において、mタイムスロッ
ト遅延器93の出力にさらに90°移相器を接続し、この出
力信号を参照信号として直交軸についても遅延検波を行
う必要がある。第12図に4相系の場合の検波回路の回路
構成図の一例を示した。第12図において、121は入力端
子、122は乗算器、123はmタイムスロット遅延器、124
は低域通過フィルタ、125はI軸検波出力端子で以上は
第9図の構成とまったく同様なものである。第9図の構
成と異なっているのは、126の90°移相器、127の乗算
器、128の低域通過フィルタ、129のQ軸検波出力端子を
設け、Q軸に関しても遅延検波を行なっていることであ
る。しかし、検波回路の構成は複雑になるが、それぞれ
の検波軸の検波出力は以上の説明とまったく同様であ
り、直接波と遅延波の合成ダイバーシチ効果により、符
号誤り率特性は著しく改善される。さらに、8相系など
多相系に関しても、mタイムスロット遅延器93の出力に
移送器を接続し、相数に応じて検波軸を用意し、遅延検
波を行うことによって同様の検波波形が得られ、同様の
効果が得られる。
また、この説明においては、送信装置から時間差をもっ
て送信される波は2波、つまり第1図において、n=2
としたが、nが3以上の場合にも同様に拡張される。n
が大きくなるにつれて、第10図(c)の区間Bから区間
Dに相当する区間は、さらに種類が増えるが、いずれの
区間の検波出力の値にも、時間差をもって到達する各波
の振幅の2乗和、つまりρ1 2+ρ2 2+ρ3 2+…の項が存
在し、ダイバーシチ枝の数がnの合成ダイバーシチの効
果が現れ、nが2の場合よりもさらに誤り率特性は改善
される。さらに、各空中線から放射された波が、到来経
路の違いによってタイムスロットに比べて無視できない
伝播遅延時間差を持つ多数の波として到達した場合も、
その分だけダイバーシチ枝の数が増えたと考えられるの
で、さらに誤り率特性は改善される。
以上ように、第2図に示したような位相遷移をする伝送
信号を、第1図に示したように所定の時間差を持たせて
別々の空中線から送信する本発明のデジタル信号伝送方
法は、n,T11,T12,T21,T22,T,T,T,T,…,φ
φ,φ,φ…,θ,mの各種およびタイムスロット
内の位相遷移方向の系列を自由に選べ、それらの違いに
かかわらず、すべて、時間差を持って送信された各波を
合成することによる合成ダイバーシチ効果により、品質
の良いデジタル信号伝送が行える。さらに、本発明のデ
ジタル信号伝送方法は、第9図あるいは第12図に示した
ような遅延検波を用いて簡単に復調することができ、空
中線および検波回路は1系統で済み、ダイバーシチ枝を
切り替える制御回路は不要であるので、受信装置を著し
く小型化、ローコスト化できる。
なお、伝送信号の遅延を行うのは、ベースバンドにおい
て等化的に行なっても良い。例えば、第13図のような構
成が考えられる。第13図において、1301はデータ入力端
子、1302は搬送波発生器、1304は第1遅延器、1305は第
2遅延器、1306は第n−1遅延器、1307〜1309はレベル
調節器、1310は第1空中線、1311は第2空中線、1312は
第n空中線である。変換器の数は空中線の数だけ必要と
なるが、遅延をベースバンドで行うので、デジタル的な
方法により、簡易かつ安定に各遅延器を構成できる。
さらに、伝送信号の遅延を行うのに、各空中線の位置の
違いによる行路差を利用しても良い。この場合は各遅延
器は必要なく、例えば第14図に示したような構成が考え
られる。第14図において、1401はデータ入力端子、1402
は搬送波発生器、1403は変換器、1407〜1409はレベル調
節器、1410は第1空中線、1411は第2空中線、1412は第
n空中線である。受信装置から、各空中線までの距離の
差によって、遅延が実現される。
なお、第1図あるいは第13図の構成において、第p遅延
器の入力は第q遅延器(q<p,pおよびqは自然数で、
p≦n−1)の入力に接続されていても良い。
発明の効果 以上のように本発明は、データの各タイムスロットを1
種類あるいは複数種類の比率で前半部分と後半部分に分
け、前記前半部分と後半部分の間に、1種類あるいは複
数種類の角度の大きさの位相遷移を有し、前記位相遷移
の向きは任意の周期を持つ任意の系列に従い、任意のタ
イムスロット内の位相遷移と、所定のタイムスロットだ
け後のタイムスロット内の位相遷移とはそれぞれの大き
さおよび向きが等しく、また、前記位相遷移の遷移位置
を示す前半部分と後半部分の比率も等しく、前記所定の
タイムスロットだけ離れた、これら両者のタイムスロッ
トのそれぞれ前半部分および後半部分どうしの間の位相
差に伝送される情報がある信号を複数用意し、これらの
信号をそれぞれ所定の時間だけ遅延させ、振幅を調整し
た後、それぞれ異なる空中線より送信することにより、
高速フェージング伝送路において、受信側では1つの空
中線で、かつ、なんらの適応処理あるいは切り替え合成
回路等を必要とせずにダイバーシチ効果が得られるた
め、高品質のデジタル伝送を行なえ、受信装置を小型
化、ロースト化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のデジタル信号伝送方法の実施例におけ
る送信装置の一例の回路構成図、第2図は本発明のデジ
タル信号伝送方法の伝送信号の位相遷移図、第3図から
第8図はその伝送信号の一例の位相遷移図、第9図は第
4図から第5図に示したような本発明のデジタル信号伝
送方法の伝送信号に対応する検波回路の一例の回路構成
図、第10図と第11図に本発明のデジタル信号伝送方法が
合成ダイバーシチ効果を持つことを説明する、検波出力
信号の波形図および直接波、遅延波の合成位相を示すベ
クトル図、第12図は第3図および第7図に示したような
本発明のデジタル信号伝送方法の伝送信号に対応する検
波回路の一例の回路構成図、第13図および第14図は本発
明のデジタル信号伝送方法の実施例における送信装置の
他の例における第15図は従来の装置の回路構成図であ
る。 101,1301,1401……データ入力端子、102,1302,1402……
搬送波発生器、103,1403……変調器、104,1304……第1
遅延器、105,1305……第2遅延器,106,1306……第n−
1遅延器、107〜109,1307〜1309,1407〜1409……レベル
調節器、110,1310,1410……第1空中線、111,1311,1411
……第2空中線、112,1312,1412……第n空中線、1313
……第1変調器、1314……第2変換器、1315……第n変
調器、91,121……入力端子、92,122,127……乗算器,93,
123……mタイムスロット遅延器,94,124,128……低域通
過フィルタ、95……検波出力端子、125……I軸検波出
力端子、129……Q軸検波出力端子、126……90°移相
器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デジタルデータを無線伝送する伝送装置に
    おいて、データの各タイムスロットを1種類あるいは複
    数種類の比率で前半部分と後半部分に分け、前記前半部
    分と前記後半部分の間に、1種類あるいは複数種類の角
    度の大きさの位相遷移を有し、前記位相遷移の向きは、
    任意の周期を持つ任意の系列に従い、任意のタイムスロ
    ット内の前記位相遷移と、所定のタイムスロットだけ後
    のタイムスロット内の前記位相遷移とはそれぞれ大きさ
    および向きが等しく、かつ、前記位相遷移の遷移位置を
    示す前記前半部分と前記後半部分の前記比率も等しく、
    前記所定のタイムスロットだけ離れた、これら両者のタ
    イムスロットのそれぞれ前記前半部分および前記後半部
    分どうしの間の位相差に伝送される情報がある伝送信号
    を複数用意し、複数の前記伝送信号をそれぞれ所定の時
    間だけ遅延させ、振幅を調整した後、それぞれ異なる空
    中線より送信し、受信側では、前記所定のタイムスロッ
    トだけ信号を遅延させることのできる遅延線を用いる遅
    延検波によって検波されることを特徴とするデジタル信
    号伝送方法。
  2. 【請求項2】1種類あるいは複数種類の角度の大きさの
    位相遷移の中に180°の位相遷移を含むことを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項記載のデジタル信号伝送方
    法。
  3. 【請求項3】位相差は0および180のいずれかであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項または第
    (2)項のいずれかに記載のデジタル信号伝送方法。
  4. 【請求項4】位相差は0、90、180、270のいずれかであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項または第
    (2)項のいずれかに記載のデジタル信号伝送方法。
  5. 【請求項5】位相差は360を8分割した角度のいずれか
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項また
    は第(2)項のいずれかに記載のデジタル信号伝送方
    法。
  6. 【請求項6】位相差は360を16分割した角度のいずれか
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項また
    は第(2)項のいずれかに記載のデジタル信号伝送方
    法。
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