JPH0746241A - 伝送プロトコルの遅延時間測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】通信ネットワークにおける伝送プロトコルの遅
延時間を測定する。発信側と着信側端末間対の場合、監
視装置が収集したモニタリング情報のタイムスタンプの
誤差を補正し、測定精度を上げる。 【構成】ネットワーク監視システム内に時刻の基準とな
る基準時計装置２を設ける。監視装置１ａは基準時計装
置２に対する相対誤差αを測定し、モニタリング情報の
タイムスタンプに付加する。相対誤差αは、各装置間で
通信を行い、そのモニタをした時刻により測定する。遠
隔制御装置３は、各監視装置１からモニタリング情報を
収集し、誤差を補正して、伝送プロトコルの遅延時間を
求める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パケット網、ＩＳＤＮ
網等のネットワークにおける伝送プロトコルの遅延時間
測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】多数かつ多重のデジタルデータを高速で
かつ能率よく伝送する通信システムとしてパケット網、
ＩＳＤＮ（サービス総合デジタル網）が採用されてい
る。このＩＳＤＮ等においては、電話会社の局内に設置
されたＩＳＤＮ交換機がデータ回線を介して、例えば企
業内に配設されたＤＳＵ（回線終端装置）に接続され、
このＤＳＵに例えば電話機、テレックス、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ等の多数の端末が接続され
る。

【０００３】例えば、テレビ会議サービスにおけるサー
ビス品質として遅延時間を考えた場合、遅延は、音声信
号についてはエコーによる品質劣化、画像信号について
は動作の応答遅れとなる。そのため、遅延時間を測定
し、許容延時間以下に抑える必要がある。これらのネッ
トワークの品質を評価にするためには、発信側アクセス
遅延時間、着信側アクセス遅延時間、呼設定遅延時間、
データパケット転送時間、切断指示遅延時間等を測定す
る必要がある。その実現方法として、通信ネットワーク
の通信状態を検出する監視装置のモニタ情報にタイムス
タンプを付加し、その時間により遅延時間を測定する方
法が考えられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、複数の監視装
置が収集するモニタ情報のタイムスタンプに誤差があ
り、発信側端末と着信側端末が対の場合、各監視装置が
収集したモニタリング情報を並列に照合すると、発信と
着信の関係のタイミングが正確に判らない。複数の監視
装置のタイムスタンプを合わせるため、標準電波を受信
してタイマ回路を動作させる手段が開示されている（特
開平５−５５９８６号公報）。しかし、この手段は無線
装置が必要となり実用的でない。本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、ネットワーク監視シス
テム内に基準時計装置を有することにより、各監視装置
が基準時刻に対する相対誤差を測定し、種々の伝送プロ
トコルの遅延時間測定する伝送プロトコルの遅延時間測
定装置を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の伝送プロトコルの遅延時間測定装置において
は、基準時計装置に対する監視装置の相対誤差を測定
し、モニタリング情報のタイムスタンプ誤差を補正し
て、伝送プロトコルの遅延時間を測定する。具体的に
は、からの構成とした。 ネットワーク監視システムに設けられた基準時計装置
と、基準時計装置との相対誤差を測定し、かつ通信ネ
ットワークの通信状態を検出する２以上の監視装置と、
２以上の監視装置から相対誤差及び通信状態を収集し
伝送プロトコルの遅延時間を求める遠隔制御装置。

【０００６】

【作用】このように構成された伝送プロトコルの遅延時
間測定装置によれば、通信ネットワークにおける伝送プ
ロトコル、例えば、図４に示す以下の各種遅延時間を精
度よく測定することができる。

【０００７】〔発信側アクセス遅延時間／着信側アクセ
ス遅延時間〕ＶＣ（相手選択接続）の時に要する時間
で、端末に依存する時間を含まない（通信開始までの手
順を処理するのにかかる時間）。発信側アクセス遅延時
間は、ＣＲ（発呼要求）パケットを送出するまでに要し
た呼処理時間、着信側アクセス遅延時間は、着信側の呼
処理時間をいう。それぞれモニタリング（Ｂ１／Ｂ２／
Ｄ／ＤＤＸ−Ｐ）情報のタイムスタンプから求めること
ができる。

【０００８】〔呼設定遅延時間〕ＣＲパケットの送出が
終了してから、ＣＣ（接続完了）パケットの受信を完了
するまでの時間。ただし、着信側アクセス遅延時間を除
く。モニタリング（Ｂ１／Ｂ２／Ｄ／ＤＤＸ−Ｐ）情報
のタイムスタンプから求めることができる。

【０００９】〔データパケット転送時間〕ＤＴ（デー
タ）パケット送出完了から受信完了までの時間。ただ
し、パケット長によって変わる。モニタリング（Ｂ１／
Ｂ２／Ｄ／ＤＤＸ−Ｐ）情報のタイムスタンプから求
め、発着信側の監視装置の時計の誤差を１０ｍ秒以内に
する。

【００１０】〔切断指示遅延時間〕切断しようとする端
末が、ＣＱ（復旧要求）パケットを送出完了してから、
相手がＣＩ（切断指示）パケットを受信完了するまでの
時間。モニタリング（Ｂ１／Ｂ２／Ｄ／ＤＤＸ−Ｐ）情
報のタイムスタンプから求め、発着信側の監視装置の時
計の誤差を１０ｍ秒以内とする。

【００１１】

【実施例】次に、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。 〔第１の実施例〕第１の実施例は、図１の構成図に示す
ようにＢｃｈ通信の遅延時間をＴｘ、Ａの監視装置１ａ
と基準時計であるＢの基準時計装置２（監視装置１ｂ）
との相対誤差をαとしてＴｘを求め、Ｂの基準時計装置
２に対するＡの監視装置１ａの相対時刻を求める。つま
り、Ｂの基準時計装置２が監視装置１ｂをかねる場合の
例である。以下、図１の順にしたがって説明する。

【００１２】監視装置１ａからのＡ通信を、それそれ
監視装置１ａと基準時計装置２でモニタリングする。さ
らに、基準時計装置２からのＢ通信を、それそれ監視装
置１ａと基準時計装置２でモニタリングする（ｂ）。 基準時計装置２から監視装置１ａにモニタリング結果
を送信し、次のタイムスタンプからＢｃｈの遅延時間Ｔ
ｘを求める式ができる（ｃ）。

【００１３】 Ｔｘ＝（Ｂ１＋α）−Ａ１ （１） Ｔｘ＝Ａ２−（Ｂ２＋α） （２） ここで、Ａ１、Ｂ１は同一内容をモニタしたときの監視
装置１ａ、基準時計装置２のタイムスタンプである。同
様に、Ａ２、Ｂ２は別の同一内容をモニタしたときの監
視装置１ａ、基準時計装置２のタイムスタンプである。

【００１４】式（１）、式（２）より、 Ｔｘ＝（（Ａ２−Ａ１）−（Ｂ２−Ｂ１））／２ （３） よって、相対誤差αは、式（４）又は、式（５）で求ま
る。 −α＝（Ｂ１−Ｔｘ）−Ａ１ （４） α＝（Ａ２−Ｔｘ）−Ｂ２ （５）

【００１５】（計算式の確認）Ｔｘ＝１０．００１秒、
α＝−６０秒（Ａの監視装置１ａの時計が、Ｂの基準時
計装置２の時計より１分進んでいる）とすると、図２の
関係となる。よって、Ｔｘ＝（（１２時０２分３０．０
０２秒−１２時０１分１０．０００秒）−（１２時０１
分２０．００１秒−１２時００分２０．００１秒））／
２＝１０．００１秒となる。−α＝（１２時００分２
０．００１秒−１０．００１秒）−１２時０１分１０．
０００秒＝−１分００．０００秒となり、計算式の確認
ができた。

【００１６】（呼設定遅延時間の測定例）図３は本発明
を利用したネットワーク監視システムのブロック図、図
４は呼設定遅延時間等を説明するためのシーケンス図で
ある。各監視装置１は、信号回線のＳ／Ｔ点、Ｒ点、及
び交換機内のＶ点の通信状態を検出する。そして各監視
装置１は、検出したモニタ情報を遠隔制御装置３に送信
する。

【００１７】さらに詳述すると、ＩＳＤＮ信号回線４ａ
を介し通信ネットワーク５内のＩＳＤＮ交換機に接続さ
れたＤＳＵ６ａとＴＡ（端末アダプタ装置）７との間の
Ｓ／Ｔ点と、ＴＡ７とＴＥ（ＩＳＤＮ非標準端末）８と
の間のＲ点とに端末側の監視装置１ａが接続されてい
る。

【００１８】また、通信ネットワーク（網）５内のＩＳ
ＤＮ交換機内のＶ点には交換機側の監視装置１ｂが接続
されている。この交換機側の監視装置１ｂはＤＳＵ６ｂ
及びＩＳＤＮ信号回線４ｂを介し通信ネットワーク５内
のＩＳＤＮ交換機（図示せず）に接続されている。さら
に、交換機側の監視装置１ｂはモデム９ａ及び電話回線
１０ａを介して通信ネッテワーク５内のＩＳＤＮ交換機
に接続されている。さらに、通信ネットワーク５内のＩ
ＳＤＮ交換機に接続された他のＩＳＤＮ信号回線４ｃに
はＤＳＵ６ｃを介して遠隔制御装置３が接続されてい
る。また、この遠隔制御装置３はモデム９ｂ及び電話回
線１０ｂを介して通信ネッテワーク５内のＩＳＤＮ交換
機に接続されている。なお、遠隔制御装置３は、例えば
電話会社の管理センタ内に設置される。

【００１９】次に、具体的な測定例を説明する。ＴＥ８
が発呼要求ＣＲを出すと端末側の監視装置１ａは、その
通信状態を検出し、そのモニタ情報にタイムスタンプ、
及び基準時計装置２のに対する相対誤差を付加し遠隔制
御装置３に送出する。さらに、着交換機を監視している
交換機側の監視装置１ｂは、ＴＥ８の発呼要求ＣＲを検
出し、モニタ情報にタイムスタンプ、及び基準時計装置
２のに対する相対誤差を付加し遠隔制御装置３に送出す
る。遠隔制御装置３は、監視装置１ａ、及び監視装置１
ｂから受信したそれぞれのタイムスタンプに相対誤差を
補正する。次に、遠隔制御装置３は、相対誤差を補正し
た監視装置１ａの擬似絶対時間と監視装置１ｂの擬似絶
対時間との差から呼設定遅延時間を求める。

【００２０】なお、実施例では、遠隔制御装置３を監視
装置１と別装置として説明したが、監視装置１、基準時
計装置２、及び遠隔制御装置３は機能的に分離されてい
ればよく、同一装置（筐体）で構成されてもよい。

【００２１】〔第２の実施例〕第２の実施例は、図５の
構成図に示すようにＡの監視装置１とＢの基準時計装置
２（監視装置１ｂ）でＢｃｈ通信を行い、ループバック
の遅延時間を求める。その後、第１の実施例と同様に、
監視装置１から基準時計装置２にＢｃｈでＡ通信を行
い、この通信内容を２台が同時にモニタリングする。

【００２２】（構成）ループバックの遅延時間を求める
ための、構成を説明する。監視装置１は、Ｄｃｈを使用
し、基準時計装置２のＤｃｈ受信回路２０１を制御す
る。Ｄｃｈ受信回路２０１は、ループ回路２０２をＯＮ
にする。その後、スタート回路１０１のスタート信号
で、パルス発生回路１０２からパルスが送出される。そ
のパルスは、切替回路１０３、通信ネットワーク（網）
５、ループ回路２０２、網５、切替回路１０３を経由し
てパルス検出回路１０４で検出される。カウント回路１
０５は、スタート信号でクロック発生回路１０６の出力
するクロックの計数を開始し、パルス検出回路１０４が
パルスを検出した時、計数を停止する。クロックの計数
値が、遅延時間に換算される。

【００２３】（動作説明）以下、図６の順に従って説明
する。 ＢｃｈループバックによるＢｃｈの遅延時間（２Ｔ
ｘ）を測定をする（ｂ）。 監視装置１ａからのＡ通信を、それそれ監視装置１ａ
と基準時計装置２でモニタリングする（ｃ）。 監視装置１ａから基準時計装置２にモニタリング結
果、および遅延時間を送信する（ｄ）。 の結果から基準時計装置２で時計誤差を算出し、監
視装置１ａへ送信する（ｅ）。 つまり、の測定で２Ｔｘを求める。次に、Ｔｘとで
求めたＡ１、Ｂ１を式（４）に代入し、相対誤差αを求
める。

【００２４】〔タイムスタンプ用時計精度〕データ・パ
ケット転送時間の測定等では、発着信側の監視装置１の
時計の誤差の目標値を１０ｍ秒以内にする必要がある。
また、各監視装置１の時計で使用する水晶の精度を±１
０ｐｐｍとする。その場合、１０分×６０秒÷１０００
００＝０．００６秒となり、１０分以内のデータが有効
となる。

【００２５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように伝送プロ
トコルの遅延時間測定装置では、ネットワーク監視シス
テム内に基準時計となる基準時計装置２を設ける。ネッ
トワークの通信状態を監視する監視装置１は、その基準
時計装置２に対する誤差をモニタリング情報のタイムス
タンプに付加し、遠隔制御装置３に送信する。そのた
め、遠隔制御装置３が複数の監視装置１から収集した情
報は、基準時計装置２に対して正確な擬似絶対時間の情
報となり、伝送プロトコルの正確な遅延時間を測定でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を説明するための図であ
る。

【図２】本発明の第１の実施例の確認をするための図で
ある。

【図３】本発明を用いる監視装置のシステム構成図であ
る。

【図４】発信側アクセス遅延時間等を説明するためのシ
ーケンス図である。

【図５】本発明の第２の実施例を示すブロック図であ
る。

【図６】本発明の第２の実施例を説明するための図であ
る。

【符号の説明】

１…基準時計装置、２…監視装置、３…遠隔制御装置、
５…通信ネットワーク。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｂ 3/46 Ｍ 7406−5Ｋ Ｈ０４Ｌ 12/56 Ｈ０４Ｍ 3/00 Ｂ 8426−5Ｋ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通信ネットワーク（５）の通信状態を監視
   するネットワーク監視システムに設けられた基準時計装
   置（２）と、該基準時計装置との相対誤差を測定し、か
   つ通信ネットワークの通信状態を検出する２以上の監視
   装置（１）と、該２以上の監視装置から前記相対誤差及
   び通信状態を収集し伝送プロトコルの遅延時間を求める
   遠隔制御装置（３）とを備えた伝送プロトコルの遅延時
   間測定装置。